オープンイヤー型イヤホン、一部では「ながら聴きイヤホン」とも呼ばれるこれらのイヤホンは、日常生活での利便性を追求した製品です。
これらのイヤホンは耳の穴を完全に塞がず、周囲の音を自然に取り込みつつ、音楽や通話を楽しめるという特性を持っています。
このため、ランニングや通勤時など、周囲の環境音に注意を払いながら使用したい場面に適しています。
しかし、その開放感には音漏れの問題や音質の劣化といったデメリットも伴います。
この記事では、オープンイヤー型イヤホンの基本的な特徴から、そのメリットとデメリット、さらには最適な使用シナリオに至るまでを網羅的に解説し、それらをふまえてオススメのイヤホン紹介もしていきます。
これにより、ユーザーが自分のライフスタイルに合ったイヤホン選びをするための一助となることを目指します。
オープンイヤー型イヤホン・ながら聴きイヤホンについて
イヤホンの種類:カナル型とオープンイヤー型の違い
イヤホンには大きく分けて、カナル型(耳栓のように耳穴に挿入するタイプ)とオープンイヤー型(耳穴を塞がずに装着するタイプ)があります。
カナル型イヤホンは外部の音を遮音する効果が高く、音質が向上する一方で、長時間の使用は耳に負担をかけることがあります。
一方、オープンイヤー型イヤホンは耳穴を塞がないため、外部の音を聞き取りやすく、長時間使用しても快適ですが、音質の低下や音漏れが発生する可能性があります。
ながら聴きイヤホンとは?
「ながら聴きイヤホン」とは、周囲の音を認識しながら音楽や通話を楽しめるイヤホンを指します。
特にオープンイヤー型イヤホンがこのカテゴリーに該当し、運動中や仕事中など、注意を払いつつ背景音を聞く必要がある場面で便利です。
これにより、ユーザーは安全を確保しつつ、オーディオコンテンツを楽しむことが可能になります。
音漏れしそうだけど大丈夫?
オープンイヤー型イヤホンは構造上、音漏れが生じやすいです。
これはイヤホンが耳穴を塞がないため、音が外に漏れ出しやすくなっているためです。
一般的に、音量を上げすぎなければ周囲に迷惑がかかるほどの音漏れは少ないですが、静かな環境では周囲の人が音を聞き取る可能性があります。
したがって、ライブラリーやオフィスなど、静寂が求められる場所での使用には適していません。
音漏れを気にする場合は、音量を控えめにするか、より遮音性の高いカナル型イヤホンの使用を検討することをお勧めします。
また、オープンイヤー型イヤホンの中にも、音漏れに対策された機能が付与されているものもあるので、そちらも選択肢に入れるといいでしょう。
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンのメリット
周囲の音が聞こえる安全性
オープンイヤー型イヤホンの最大のメリットの一つは、外部の音を遮断せずに聞き取ることができる点です。
この特性により、交通量の多い道路を歩く時やランニングや軽いワークアウト時など、周囲の状況を認識しながら音楽を楽しむことが可能になります。
これによって、安全性が大幅に向上し、事故のリスクを低減させる効果が期待できます。
長時間の使用でも耳が痛くなりにくい
オープンイヤー型イヤホンは耳穴に直接挿入しないため、長時間の使用でも耳の痛みや不快感が少ないという利点があります。
カナル型イヤホンでは感じることのある圧迫感や閉塞感がないため、長時間でも快適に使用できることが多くのユーザーに評価されています。
マルチタスキングが容易
オープンイヤー型イヤホンは、耳を塞がずに使用することができるため、オフィスでの作業や家事をしながらでも、周囲の音を聞き逃すことなく、音楽や通話を楽しむことができます。
これにより、作業の効率を落とさずに、エンターテインメントや通信を享受することが可能です。
また、必要に応じて周囲の人とのコミュニケーションを取りながら、イヤホンをつけたまま対応できるのも大きな利点です。
これらのメリットにより、オープンイヤー型イヤホンは特にアクティブなライフスタイルを持つ人々や、安全を確保しながらもオーディオを楽しみたいユーザーに適しています。
その開放的なデザインと機能性は、多くのシーンでの使用において大きなアドバンテージを提供します。
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンのデメリット
音質の劣化があるかもしれない
オープンイヤー型イヤホンは耳穴を塞がないため、特に低音の再生能力が制限されることがあります。
密閉型のイヤホンに比べて、低音が弱く、全体の音質がフラットに感じることが多いです。
また、高音質のオーディオ体験を求めるユーザーにとっては、満足のいく音場の広がりや深みを得ることが難しい場合があります。
外部ノイズの影響を受けやすい
オープンイヤー型イヤホンは外部の音を遮断しないため、周囲の騒音に弱いという欠点があります。
特に交通量の多い街中や騒がしいオフィス環境では、周囲の音が直接耳に入るため、音楽や通話の聞き取りにくさが増すことがあります。
このため、静かな環境での使用が適しているとは言えず、騒音の多い場所ではその効果が低下します。
音漏れが他人に迷惑をかける可能性
オープンイヤー型イヤホンのもう一つのデメリットは、音漏れが起きやすいことです。
イヤホンから漏れ出る音が周囲の人に聞こえることがあり、特に公共の場では他人の迷惑になる可能性があります。
このため、図書館や電車内など、静かな環境での使用は避ける必要があるかもしれません。
ただし、先にも述べましたが、最新のモデルの中には音漏れ対策が講じられたオープンイヤー型イヤホンも少なくないので、よほどの静寂空間でなければ、そこまで神経質になる必要もないかもしれません。
これらのデメリットを考慮すると、オープンイヤー型イヤホンは特定の状況や環境においては非常に便利ですが、すべてのシチュエーションに適しているわけではありません。
使用する際には、その特性を理解し、適切な環境とシーンを選んで利用することが重要です。
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンの使用シーン別ガイド
オープンイヤー型イヤホンはその特性から、特定のシーンで非常に便利ですが、その適用範囲を理解することが重要です。
以下は、これらのイヤホンが特に適している状況と、その理由を説明します。
アウトドアアクティビティ
ランニングやハイキングなどのアウトドアスポーツを行う際、オープンイヤー型イヤホンは理想的です。
耳を塞がないため、周囲の環境音に注意を払いつつ、好きな音楽を楽しむことができます。
これにより、安全性を保ちながらリラックスしたり、モチベーションを維持したりすることが可能です。
通勤・通学
公共交通機関を利用する際や、街を歩くとき、オープンイヤー型イヤホンは周囲の音を聞きながらポッドキャストや音楽を楽しむのに役立ちます。
交通の動きや周囲の人々の声など、重要な環境音を逃さずにキャッチできるため、安全に移動する上で有効です。
オフィスや在宅ワーク
オフィス環境や自宅で作業する際にも、オープンイヤー型イヤホンが便利です。
これらのイヤホンを使用することで、同僚からの呼びかけや電話の呼び出し音を聞き逃すことなく、自分の作業に集中することができます。
また、長時間の使用でも耳が痛くなりにくいため、作業効率の向上に寄与します。
ホームフィットネス
家での運動やヨガの際も、オープンイヤー型イヤホンは役立ちます。
自宅でのエクササイズ中に音楽やガイド動画を聴きながらでも、家族の声やドアベルなど、外部からの重要な音を聞き逃さないで済むため、家庭内の他の人々とも円滑にコミュニケーションを取りながら活動できます。
レクリエーション活動
ピクニックや公園でのリラックスタイムにも、オープンイヤー型イヤホンは適しています。
自然の音を楽しみながら、背景に音楽を流すことができるため、屋外での時間をより豊かに演出します。
これらのシーンでは、オープンイヤー型イヤホンのメリットを最大限に活用しつつ、それぞれの状況に合わせた利用が推奨されます。
その特性を理解し、適切に選択することで、日常生活の多くの場面で役立てることが可能です。
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンを使用する私の体験談
私がオープンイヤー型イヤホンを初めて使い始めたのは、約一年前のことです。
それまでのイヤホンはほとんどがインイヤー型(カナル型)で、長時間使うと耳が痛くなることが悩みの種でした。
さらに、音楽を聴きながら外を歩く際には常に周囲の音に気を配る必要があり、それがストレスに感じられることも多々ありました。
最初の印象
オープンイヤー型イヤホンを選んだ最大の理由は、その快適さと安全性です。
初めてこれを装着したとき、耳の中に何かが詰まる感じがないのがとても新鮮でした。
また、音楽を楽しみながらでも、自転車のベルや車のクラクションといった重要な外部の音がクリアに聞こえるため、安心して使用できることがすぐにわかりました。
日常での使用
通勤時にもオープンイヤー型イヤホンは大活躍します。
バスや電車の中でも、アナウンスを聞き逃すことなく、自分の世界に浸れます。
オフィスでは、周りの同僚とのコミュニケーションを取りながら、気軽に音楽を楽しめる点も大きなメリットです。
アクティブなシーンでの使用
私がオープンイヤー型イヤホンの使用を決めた最大の要因がここにあります。
私は定期的にバスケをやっているのですが、ヘッドホンを装着しながらシューティング練習をするNBA選手にあこがれて、自分もアップ時に音楽を聴いてみたいと思ったのが始まりです。
実際にアップ時に使用してみると、周囲の音が聴こえるので、他のプレーヤーとの接触や周りから飛んでくるボールにもしっかりと反応することができるので、非常に気に入っています。
何より、プレイ前に好きな音楽を聴いてリラックスすることができ、更に集中力も上がっているのが実感できるので、実際のプレイパフォーマンスにも非常に良い影響を与えています。
音質について
音質に関しては、最初は少し物足りなさを感じました。
特に低音の響きは密閉型イヤホンに比べると劣りますが、最近のモデルではその弱点も徐々に改善されてきているのを感じ、ある程度音質へこだわる方も許容できるレベルになっているかと思います。
本当に音質にこだわりたい方は、そもそもオープンイヤー型が選択肢に入ってこないはずなので、実際に使用している方の満足度は高いのではないかと推測します。
あと数年もあれば「オープンイヤー型としての音質の良さ」といった具合で評価されるようになるのではないでしょうか?
総括
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンは、私の生活に新たな快適さをもたらしてくれました。
外出時の安全性を確保しながら音楽を楽しむことができ、長時間の使用でも耳が痛くなることがないので、今後もこのスタイルのイヤホンを愛用していくつもりです。
音質については完璧とは言えないものの、そこも改善されつつあり、何よりその他のメリットがそれを大きく上回っています。
おすすめのオープンイヤー型・ながら聴きイヤホン
SOUNDPEATS 「GoFree2」
- 8000円弱という価格にして高性能の圧倒的コストパフォーマンス
- コーデックでLDACへの対応やアプリの完備など、2,3ランク上のイヤホンと同じような機能が付与
SIVGA 「SO2」
- チタンコーティングPU振動板を使用し、クリアでバランスの取れた自然な音
- 小音量でも大音量でも音のバランスが崩れにくい
Shokz 「OpenFit Air」
- 何より特筆すべきは圧倒的装着感。耳の形に完璧にフィットする設計。
- 18mmのコンポジットダイナミックドライバーは、豊かな低音と明瞭な高音を提供
HUAWEI 「FreeClip」
- 耳掛けタイプではなく、耳にはさむイヤーカフ型
- 「逆音波システム」により音漏れが最小限に抑えられる工夫も
- ワイヤレス充電対応、長時間持つバッテリー、左右のない本体、など機能性も抜群
BOSE 「Ultra Open Earbuds」
- イマーシブオーディオにより臨場感のあるサウンド
- 音の指向性をコントロールする機能により、音漏れは最小限に抑えられている
- イヤーカフ型としては現時点で音質最強か?
オープンイヤー型イヤホン・ながら聴きイヤホンについてのまとめ
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンは、そのユニークな設計により多くの利点を提供しますが、一方で特定の状況下での制約も存在します。
以下は、この記事で議論された主なポイントをまとめたものです。
主なメリット
- 安全性の向上:外部の音が聞こえるため、交通の安全を確保しながら音楽や通話を楽しむことが可能です。
- 長時間の快適性:耳を塞がずに装着できるため、長時間使用しても耳が痛くなりにくいです。
- マルチタスクの容易さ:周囲の環境に注意を払いつつ、様々なタスクをこなしながら音楽や通話が楽しめます。
主なデメリット
- 音質の劣化の可能性:完全な密閉型に比べて音質が劣る場合があり、特に低音の再生が弱いです。
- 外部ノイズの影響:周囲の騒音に弱く、騒がしい環境では音が聞こえにくくなることがあります。
- 音漏れの問題:音が周囲に漏れやすく、静かな環境では他人に迷惑をかける可能性があります。
推奨される使用シーン
- アウトドアスポーツや通勤時など、外部の音に注意を払う必要がある場面。
- 長時間の作業を伴うオフィス環境や在宅ワーク。
- ホームフィットネスやレクリエーション活動など、家庭内や公園でのリラクゼーションに。
結論
オープンイヤー型・ながら聴きイヤホンは、特定のニーズに応じた素晴らしい選択肢ですが、その使用は状況と環境を考慮して行うべきです。
個々のライフスタイルや必要とする音質、周囲への配慮を考慮に入れた上で、適切なイヤホン選びが求められます。
最終的には、これらのイヤホンが提供する利点が個々のニーズに合致するかどうかを判断することが重要です。
とはいえ、まだまだ発展途上のカテゴリーでもあるので、今後もものすごい速度で進化していくことが想定されます。
既に最新モデルの性能には目を見張るものがあるので、今後がまだまだ楽しみです。