「Sonos Ace」 レビュー|音質・ANC・装着感を徹底評価【TV Audio Swapの実力も】

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出典:Sonos公式
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Sonosがこれまで築き上げてきたブランドの信頼は、リビングオーディオの世界で確固たるものがあります。

そのSonosがついに満を持してヘッドホン市場に参入し、初のワイヤレスヘッドホン「Sonos Ace」を発表したことは、オーディオ業界に新たなインパクトを与えました。

スピーカーやサウンドバーで培われた音響技術をどのようにパーソナルリスニングへ落とし込むのか、多くの音楽ファンが注目しています。

「Sonos Ace」は、ただの高音質ヘッドホンではありません。

テレビの音声をワンタッチで切り替える「TV Audio Swap」や、Sonosシステムとの連携によるマルチルーム再生など、家庭内エンターテインメントの中心に位置づけられるような独自の提案を持っています。

そのため、単体での音質だけでなく、日常生活全体のオーディオ体験をどれだけ豊かに変えてくれるのかが本機の真価といえるでしょう。

この記事では、「Sonos Ace」を実際に使い込みながら、そのデザインや装着感、音質、ノイズキャンセリング性能、さらには他社製品との比較まで、細部にわたって検証していきます。

実際の使用シーンを通して見えてきたリアルな印象を交えながら、Sonos初のヘッドホンがどのような存在なのか、その全貌を明らかにしていきます。

 

  1. Sonos 「Sonos Ace」のデザインと装着感
    1. 高級感あふれるデザインと質感
    2. 長時間でも快適な装着感の理由
    3. 携帯性・ビルドクオリティ・ケースの使い勝手
  2. Sonos 「Sonos Ace」の音質レビュー:Sonosらしい自然な空間表現
    1. 低音・中音・高音のチューニングバランス
    2. 空間オーディオとDolby Atmosの臨場感
    3. 有線・Bluetooth接続による音質の違い
  3. Sonos 「Sonos Ace」の機能・ANC・操作性の実力検証
    1. ノイズキャンセリングと外音取り込みの精度
    2. Sonos製品との連携機能(TV Audio Swap・マルチルーム)
    3. 操作性・バッテリー・接続安定性の評価
  4. Sonos 「Sonos Ace」を使用した私の体験談・レビュー
    1. 初日の印象:開封してすぐ「質感」で心を掴まれる
    2. 通勤・移動時:ANCは“静けさを作る”のではなく“集中を守る”
    3. 在宅ワーク・オフィス:自然な静けさで集中できる
    4. 夜間の映画視聴:TV Audio Swapが“静かな贅沢”
    5. 音楽リスニング:ジャンルを問わず心地よい自然さ
    6. 長期使用で感じた“強み”と“惜しさ”
    7. 使い分けのまとめ
    8. 総評:日常に溶け込む“静かな贅沢”
  5. Sonos 「Sonos Ace」に関するQ&A
    1. 「Sonos Ace」の音質は?
    2. ノイズキャンセリングの性能は?
    3. TV Audio Swapとは?
    4. AirPods MaxやWH-1000XM5との違いは?
    5. 有線とBluetoothの音質差は?
    6. バッテリー持ちは?
    7. 装着感はどう?
    8. 「Sonos Ace」はマルチポイント接続に対応していますか?
    9. 通話の音質はどうですか?
    10. 専用アプリでできることは?
    11. 他のSonosスピーカーと連携しなくても使えますか?
    12. 防水・防滴には対応していますか?
    13. 音の遅延はありますか?
    14. 有線接続時にバッテリーは消費しますか?
    15. 音の方向感や立体感は感じられますか?
  6. Sonos 「Sonos Ace」レビューのまとめ
    1. 本機の要点
    2. 長所・短所
    3. 向いているユーザー/向かないユーザー
    4. 購入前チェックリスト
    5. Sonos 「Sonos Ace」レビューの総括

Sonos 「Sonos Ace」のデザインと装着感

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出典:Sonos公式

高級感あふれるデザインと質感

「Sonos Ace」は、Sonosらしいミニマルデザインと上質な質感が印象的です。

マットな表面仕上げは光の反射を抑え、指紋や細かな傷が目立ちにくく、日常使いでも美しさを保ちやすい設計です。

ハウジングからヘッドバンドにかけての流線的なラインは、無駄がなく滑らか。

各パーツの継ぎ目やヒンジ部分には段差がほとんどなく、丁寧な組み立て精度が感じられます。

触れた瞬間に感じる剛性感と、動かしたときのスムーズさが共存しており、所有する喜びを感じさせてくれる仕上がりです。

デザインの特徴

  • 落ち着いたマット質感で高級感を演出
  • スライダーの動作は左右で均一で、スムーズに調整可能
  • イヤーカップは楕円形で耳をしっかり包み込み、フィット感が自然
  • ボタンやスイッチの配置は直感的で、操作時のストレスが少ない

全体として、派手さよりも「質の高さ」を重視したデザインであり、部屋に置いても外に持ち出しても自然に溶け込む存在感があります。

長時間でも快適な装着感の理由

装着感において「Sonos Ace」は、重量バランス・側圧・イヤーパッドの柔らかさの三要素が絶妙に調整されています。

耳を覆うイヤーカップの形状はやや深めで、耳がドライバーグリルに触れにくく、長時間の使用でも痛みや熱こもりが少ない構造です。

側圧は中程度で、頭を振ってもズレにくい安定感がありながら、メガネ使用者でも圧迫を感じにくいのが特長です。

ヘッドバンドのクッションは広めの接地面で、頭頂部に圧力が集中しにくく、映画鑑賞やリモート会議など長時間の使用にも向いています。

装着感のポイント

項目特徴
イヤーパッド反発力と柔軟性のバランスが良く、耳が圧迫されにくい
側圧中庸で安定。メガネとの併用でも違和感が少ない
ヘッドバンド広い接地面で頭頂部の負担を軽減
通気性密閉型としては標準的。熱こもりは少なめ
フィット調整ヒンジの動作が滑らかで、自然な角度に収まりやすい

装着を快適にするコツ

  1. ヘッドバンドを耳の中心にドライバーが来る高さに調整する。
  2. イヤーカップを少し前傾させて、こめかみと頬骨の圧を均等にする。
  3. メガネ使用者は、ツルをイヤーパッドの外周に沿わせると圧迫感を軽減できる。

このように細部まで考えられた設計により、長時間でも自然に着け続けられる快適さが実現されています。

携帯性・ビルドクオリティ・ケースの使い勝手

「Sonos Ace」は見た目の美しさだけでなく、実用性にも優れています。

イヤーカップを平らに回転できるため、デスク上でもバッグの中でも収まりが良く、持ち運び時の扱いやすさが際立ちます。

付属のケースはセミハードタイプで、型崩れしにくく保護性能も高い作り。

ケーブルやアダプターを収納できる小ポケットも備わっており、持ち歩き時の利便性も高いです。

携帯性とビルドの評価

  • イヤーカップが回転して省スペース収納が可能
  • ヒンジのトルクが安定しており、開閉時の“ガタつき”が少ない
  • ケースの質感が高く、開閉もスムーズ
  • 表面素材は指紋や汚れが付きにくく、軽く拭くだけで清潔を保てる

携帯・耐久性のまとめ表

評価項目所感
携帯性イヤーカップ回転で収納性◎
ケース品質セミハード構造で保護力が高い
ヒンジ耐久ガタつきやきしみが少なく安定
表面メンテ性マット仕上げで汚れが目立たない
重量バランス頭頂と耳周りに均等な負担。疲れにくい

「Sonos Ace」は、シンプルでありながら高級感を漂わせるデザインと、ストレスのない装着性が絶妙に調和しています。

見た目の美しさと使い心地の良さが両立しており、通勤やカフェ、在宅ワークなど、どんなシーンでも自然に馴染む存在です。

「長く着けていたい」と思わせる完成度の高さこそ、Sonosがヘッドホン市場に新風を吹き込む最大の魅力といえるでしょう。

 

Sonos 「Sonos Ace」の音質レビュー:Sonosらしい自然な空間表現

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※画像はイメージです

「Sonos Ace」の音作りは、華美さよりも自然な音場再現と定位の正確さを重視した“リスニング志向”のチューニングです。

全体として、音の密度と空間の広がりが絶妙に両立しており、長時間聴いても疲れにくいサウンドバランスを実現しています。

派手に鳴らすタイプではありませんが、細部の描写力と空気感の表現に優れ、まるでSonosスピーカーを頭に乗せたような感覚です。

低音・中音・高音のチューニングバランス

まず印象的なのは、低域のコントロールの良さ

膨張感のないタイトな鳴り方で、ベースやキックの立ち上がりが速く、重心がぶれません。

映画の爆発音やバスドラムなども迫力はありながら、他の帯域をマスクしないスマートな仕上がりです。

中音域はSonosらしさが最もよく表れる部分で、ボーカルや弦楽器の質感が生々しく、音の芯が明確。

ボーカルが一歩前に出る立体的な配置で、楽器との距離感も自然です。

高域はスムーズで、シンバルやハイハットの余韻がサラリと伸びます。

刺さりやすい帯域をうまく抑えつつ、透明感を損なわないバランスに仕上げられています。

帯域ごとの特徴(筆者の評価)

帯域特徴印象
低音制動が効いたタイトな鳴り重すぎず、締まりのあるベースライン
中音音像の立体感と温かみボーカルの表情が細やかに伝わる
高音滑らかで伸びのあるトーン長時間でも聴き疲れしにくい

過剰な演出を避けた“フラット寄りナチュラルサウンド”。

ポップスやアコースティックはもちろん、ジャズや映画音楽まで幅広く対応します。

空間オーディオとDolby Atmosの臨場感

「Sonos Ace」の空間オーディオ再生は、他社製ヘッドホンのように誇張された定位ではなく、包まれるような自然な広がりが特徴です。

特にDolby Atmos再生時には、音が頭外へ抜けていく感覚が滑らかで、映画やライブ音源で“その場にいるような空気感”を生み出します。

映画再生では、セリフの定位が中央にしっかり固定され、環境音やBGMがその周囲に柔らかく展開。

前後方向の移動も滑らかで、人工的なエフェクト感がありません。

音量を上げても音場が崩れず、シーンの奥行きが明確に描かれるのはSonosらしい完成度です。

音楽(Dolby Atmos対応楽曲)では、ボーカルが中央に定位したまま、楽器が自然に前後左右へ展開。

音に高さが生まれ、ライブホールのような没入感を楽しめます。

空間オーディオの体感ポイント

  • セリフやボーカルの定位が常に安定している
  • 環境音の奥行き表現が滑らかで自然
  • 立体感が誇張されすぎず、長時間でも違和感が少ない

おすすめ活用シーン

シーン効果
映画・ドラマ視聴セリフの明瞭度が向上し、映像との一体感が高まる
Dolby Atmos対応音源ボーカルと伴奏の空間的な距離が明確に感じられる
ライブ音源拍手や歓声の広がりが自然で没入感が増す

空間オーディオの再現性は、“包み込まれるようなリアルさ”を求めるリスナーに最適

誇張感の少ない自然なサウンドステージが、Sonosの哲学を体現しています。

有線・Bluetooth接続による音質の違い

「Sonos Ace」は有線・Bluetoothどちらの接続でも音質傾向の一貫性が高く、どちらを選んでもSonosらしい“正確で自然な音”を維持します。

ただし、接続方法ごとに微妙な差があり、用途によって最適な使い分けができます。

接続方式による違い

接続方法音質傾向長所注意点
有線(USB-Cまたはケーブル)解像度が高く、音の輪郭がより明瞭ノイズが少なく、映像とのズレがないケーブル取り回しに制約あり
Bluetooth標準わずかに音場が狭まるが自然なトーン取り回しが軽快で、日常使いに最適環境によって圧縮感が出ることも
高品質Bluetooth接続(対応端末)解像度が向上し、ステレオ感が広がる有線に近い透明感を得られる接続環境により安定性が変動

使い分けのおすすめ

  • 映画やゲーム視聴:遅延の少ない有線接続が理想。
  • 通勤・カフェ利用:利便性重視でBluetoothがおすすめ。
  • 音質重視のリスニング:対応端末なら高品質Bluetooth接続が最適。

また、音量バランスをプレイヤー側とヘッドホン側で調整することで、Bluetooth特有の圧縮感を軽減できます。

「Sonos Ace」は再生環境に応じて最適なチューニングを自動適用するため、音質劣化が少なく、使い分けの自由度が非常に高い点も魅力です。


「Sonos Ace」の音質は、派手さよりも“心地よいリアリティ”を追求したものです。

低域の締まり、中域の温もり、高域の滑らかさが絶妙に溶け合い、どんなジャンルでも安心して聴ける普遍性を持っています。

さらにDolby Atmosによる空間表現の完成度は高く、音楽・映画・ゲームのすべてにおいて「包まれる心地よさ」を感じられるヘッドホンです。

 

Sonos 「Sonos Ace」の機能・ANC・操作性の実力検証

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出典:Sonos公式

「Sonos Ace」は、音質の良さだけでなく、使い勝手の完成度でも抜きん出ています。

ノイズキャンセリングの自然さ、Sonos製品との連携、直感的な操作性。

どれを取っても“生活の中で使う快適さ”を意識した設計が感じられます。

以下では、それぞれの機能面を実際の使用感を交えて詳しく解説します。

ノイズキャンセリングと外音取り込みの精度

「Sonos Ace」のノイズキャンセリング(ANC)は、圧迫感を与えずに周囲のノイズを穏やかに消すタイプ。

低音域の騒音を抑えながらも音の自然さを損なわない点が印象的です。

たとえば電車内では走行音がスッと引き、音楽に集中できる環境を作り出します。

一方で、アナウンスや人の声などの中高域は完全に消えず、“現実感を残す静けさ”に仕上げられています。

外音取り込みモードも非常に自然で、周囲の音を“マイク越しの人工音”としてではなく、あたかも耳で直接聞いているような透明感を実現しています。

自分の声がこもりにくいため、会話や通話中でも違和感がありません。

ANC/外音取り込みの実力まとめ

項目評価特徴
低音ノイズ除去★★★★★走行音やエアコンなどの低域ノイズをしっかり遮断
中高域ノイズ処理★★★★☆キーボード音や話し声は自然に軽減
外音取り込み★★★★★声の通りが自然で、違和感が少ない
圧迫感★★★★★長時間でも耳が疲れにくい優しい遮音感

シーン別おすすめ設定

  • 通勤・通学:ANCオンで騒音を抑えつつアナウンスも聞き取れる
  • カフェ・オフィス:BGMや話し声をやわらかく抑え、集中力を高める
  • 屋外:外音取り込みで安全性を確保しながら自然に会話可能

「Sonos Ace」のANCは、過剰な“静寂”ではなく、「集中できる静けさ」を作るタイプといえるでしょう。

Sonos製品との連携機能(TV Audio Swap・マルチルーム)

「Sonos Ace」の真価は、単体性能以上にSonosエコシステムとの連携で発揮されます。

特に注目すべきは「TV Audio Swap」機能。

Sonosサウンドバー(Arcなど)で再生していたテレビの音声を、ボタン一つでAceへ転送できるというものです。

夜間や家族が寝静まった時間でも、テレビの音量を気にせずそのまま視聴を続けられるのは大きな利点。

しかも切り替えは瞬時で、音声の途切れや遅延がほぼ感じられません。

映画のセリフも正確にセンターに定位し、映像とのズレが極めて少ない点は特筆ものです。

さらに、Sonosのマルチルーム再生システムとの親和性も抜群。

スマホやスピーカーで聴いていた音楽を、部屋を移動してそのままヘッドホンで継続できるのはSonosならではの快適体験です。

連携機能の主な特徴

  • TV音声をワンタップでヘッドホンへ転送
  • サウンドバーと同等の空間表現を維持
  • アプリ内でマルチルーム操作もスムーズ
  • 音量差やレイテンシが少なく、自然な切り替え

こんな人におすすめ

  • 深夜に映画やドラマをじっくり楽しみたい
  • 家族とスピーカーを共有しながら、自分だけで静かに聴きたい
  • 家中で音楽を途切れずに楽しみたい

これらの連携機能は、“スピーカーからヘッドホンへ”という境界をなくすSonosの思想を見事に体現しています。

操作性・バッテリー・接続安定性の評価

操作性は極めて直感的です。

「Sonos Ace」はタッチ操作ではなく、クリック感のある物理ボタンを採用。

これにより、誤操作を防ぎながら“手元を見ずに”操作できる利便性があります。

再生・停止・音量調整・モード切り替えなどが指先の感覚だけで完結します。

また、装着検知機能も優秀で、耳から外すと音楽が自動停止し、再装着するとスムーズに再開。

マルチポイント接続にも対応しており、PCでの会議中にスマホの着信を受けても自動で切り替わります。

操作・接続関連の主な特徴

  • 物理ボタン中心で直感的な操作性
  • 装着検知で再生/停止が自動化
  • PCとスマホ間のマルチポイント接続対応
  • 通話中のノイズ抑制も自然で聞き取りやすい

バッテリー性能

  • 再生時間:約30時間(ANCオン時)
  • クイック充電対応:5分充電で約3時間再生可能
  • USB-C直挿しで有線再生と充電を同時に行える

接続安定性

使用環境安定性評価備考
室内(Wi-Fi環境下)★★★★★接続切れや遅延はほぼなし
通勤電車内★★★★☆混雑時でも安定、瞬断は稀
屋外(街中)★★★★★スマホとの再接続が高速

通信安定性は非常に高く、Bluetooth特有の途切れや遅延がほぼ見られないのは好印象。

マルチポイント機能も安定しており、日常使用ではストレスを感じる場面が少ないでしょう。


「Sonos Ace」は、派手な機能を詰め込むのではなく、ユーザーの生活導線に自然に馴染む設計が光ります。

ANCや外音取り込みは実用的で、耳に優しい。

TV Audio Swapやマルチルーム連携は“リビングの延長としてのヘッドホン体験”を実現。

さらに操作系や接続の安定感も優秀で、毎日安心して使える完成度に仕上がっています。

まさに、「静けさ」「便利さ」「自然さ」を高次元で融合させた一台。

Sonosの思想を最も“パーソナルな形”で感じられるヘッドホンといえるでしょう。

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Sonos 「Sonos Ace」を使用した私の体験談・レビュー

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「Sonos Ace」を使い始めてからしばらく経ちました。

スペックを眺めていた時よりも、実際に“生活の中でどう馴染むか”を体感できた時間だったと思います。

ここでは、通勤や自宅作業、夜間の映画鑑賞など、私が試した具体的なシーンごとの印象を中心に紹介します。

初日の印象:開封してすぐ「質感」で心を掴まれる

箱を開けた瞬間、まず感じたのは素材の上品さと精度の高さ

マット仕上げのボディは指紋が付きにくく、手に取るたびに“製品としての完成度”を感じさせます。

装着したときの感触も印象的で、イヤーパッドが耳を包み込むように密着しながらも圧迫感がありません。

ヘッドバンドの当たりも柔らかく、「着けていることを忘れるタイプ」のヘッドホンだと感じました。

メガネをかけていても痛みが出にくく、側圧のバランスも良好。これなら長時間のリスニングにも耐えられそうだと思いました。

初日で感じた良い点

  • 上質なマット仕上げで高級感がある
  • ヒンジやスライダーの動きがなめらか
  • 側圧がちょうど良く、メガネ併用でも快適
  • クッションが耳の形に沿って沈み込み、長時間でも疲れにくい

通勤・移動時:ANCは“静けさを作る”のではなく“集中を守る”

電車内で試したANCは、低域のノイズ(走行音や空調音)をスッと抑えながら、会話やアナウンスを必要な範囲で残すタイプ

完全遮音ではないため、周囲の環境を把握しやすく安心感があります。

また、外音取り込みモードの自然さは秀逸で、自分の声がこもらず、イヤホンを外さなくてもレジやアナウンスが聞き取れるほど。

通勤中に感じた使い勝手

項目評価所感
ANC性能★★★★★電車の走行音を自然に抑制。耳が疲れにくい
外音取り込み★★★★☆声の通りが良く、会話もスムーズ
接続安定性★★★★★駅構内でも音途切れほぼなし
音量バランス★★★★☆小音量でも十分聴き取れる解像感

また、スマホで音楽を再生している途中にPCの通知音が鳴っても、マルチポイント接続でシームレスに切り替えできる点も実用的。

通勤中やカフェでの使用でも不満を感じませんでした。

在宅ワーク・オフィス:自然な静けさで集中できる

在宅勤務で試したところ、ANCをオンにすることでPCファンやエアコンの音が柔らかくなり、「静かな書斎」にいるような感覚になります。

装着感が軽いため、4〜5時間の連続装着でもストレスを感じにくく、耳や頭に熱がこもりにくいのも好印象です。

仕事中の操作性も非常にスムーズ。装着検知機能により、外せば自動停止・戻せば再開と動作が自然。

物理ボタンの配置も直感的で、手探りでも誤操作がほとんどありません。

作業時に感じたメリット

  • イヤーパッドの通気性が良く、長時間装着しても蒸れにくい
  • タイピング音が柔らかくなり、作業に集中できる
  • 通話中のノイズリダクションが自然で、自分の声が聞きやすい
  • 装着検知とマルチポイントの組み合わせで作業効率アップ

夜間の映画視聴:TV Audio Swapが“静かな贅沢”

「Sonos Ace」を選んで一番感動したのが、TV Audio Swap機能でした。

リビングのSonos Arcで映画を観ている途中、ボタンひとつで音声をAceへ転送。

ほんの数秒で切り替わり、音質も定位もほぼそのまま維持されることに驚きました。

家族が寝静まったあとでも、映画のセリフがクリアに聴こえ、低音も迫力十分。

しかも有線接続と比べても遅延が感じられないほどスムーズで、「夜でも映画館のような没入感」が得られます。

夜間利用の評価

項目満足度コメント
音声切替速度★★★★★ほぼ一瞬でスピーカー→ヘッドホンに移行
映像とのズレ★★★★★セリフと映像の同期が完璧
没入感★★★★★サラウンド感が自然で長時間視聴も快適
深夜の使いやすさ★★★★★静音環境でも迫力ある音を楽しめる

音楽リスニング:ジャンルを問わず心地よい自然さ

「Sonos Ace」は、ジャンルを選ばず聴きやすいフラットで繊細な音作りが特徴。

低音は締まりがあり、量感よりも制御の良さを重視。

中音域はボーカルが前に出すぎず、楽器との距離感が自然。高音は滑らかで刺さらず、長時間聴いても耳が疲れません。

ジャンル別の印象

ジャンル評価所感
ポップス★★★★★ボーカルが生々しく、空気感が自然
ジャズ★★★★☆ピアノやブラシの質感が柔らかく表現される
ロック★★★★☆ギターは整理された鳴り。荒さよりバランス重視
EDM★★★★☆低音は引き締まり、全体がクールな印象
クラシック★★★★★弦楽器の響きが立体的で空間の広がりを感じる

長期使用で感じた“強み”と“惜しさ”

強み

  • デザイン・質感・装着感の完成度が高い
  • ANCが自然で耳に優しい
  • マルチポイント接続や装着検知などの機能が実用的
  • TV Audio Swapの快適さが唯一無二

惜しいと感じた点

  • 低音の量感が控えめで、迫力を求める人には物足りない場合がある
  • EQ調整の自由度が少なく、細かな好みには対応しにくい
  • 夏場の長時間使用ではやや熱がこもりやすい

使い分けのまとめ

シーンモード感想
通勤中ANCオン低域を抑えつつ周囲の音もわずかに残る自然さ
オフィスANCオン+中音量作業に集中できる静けさ
映画鑑賞TV Audio Swap深夜でも没入感を維持
カフェ外音取り込み会話や環境音を自然に聞きながら音楽を楽しめる

総評:日常に溶け込む“静かな贅沢”

「Sonos Ace」は、派手な個性ではなく、“自然で上質な使い心地”を追求したヘッドホンです。

ANCや外音取り込みはストレスがなく、連携機能は直感的。気づけば毎日手に取ってしまうほど、生活の一部として定着します。

一言で言えば、「静けさと快適さを、日常の中で楽しむヘッドホン」

Sonosが築いてきた“家の中の音の哲学”を、最もパーソナルに体験できる製品だと感じました。

 

Sonos 「Sonos Ace」に関するQ&A

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Sonos 「Sonos Ace」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

「Sonos Ace」の音質は?

自然でフラットなチューニングです。低音は引き締まり、中音はボーカルが聴きやすく、高音は滑らかで刺さりません。長時間でも聴き疲れしにくい音です。

ノイズキャンセリングの性能は?

強すぎず自然なタイプです。電車やエアコンの低音ノイズはしっかり抑えつつ、人の声や環境音をほどよく残します。圧迫感が少なく、耳が疲れにくいのが特徴です。

TV Audio Swapとは?

Sonosサウンドバーで再生中のテレビ音を、ワンタップでヘッドホンへ転送できる機能です。夜間や家族が寝ている時間でも、映画を静かに楽しめます。

AirPods MaxやWH-1000XM5との違いは?

AirPods Maxより自然で落ち着いた音、WH-1000XM5より柔らかいANCです。
“派手さ”より“快適さと自然さ”を重視する人に向いています。

有線とBluetoothの音質差は?

有線のほうがわずかに解像度が高く、音の輪郭がくっきりします。Bluetoothでも十分高音質で、日常使用にはほとんど差を感じません。

バッテリー持ちは?

ANCオンでも約30時間再生可能です。5分の充電で約3時間使える急速充電にも対応しています。

装着感はどう?

軽くて側圧がちょうどよく、耳や頭が痛くなりにくいです。メガネ使用者でも快適に装着できます。

「Sonos Ace」はマルチポイント接続に対応していますか?

はい、対応しています。PCで会議中にスマホに着信があっても、自動で音声が切り替わるのでとても便利です。

通話の音質はどうですか?

クリアで聞き取りやすいです。周囲の雑音をうまく抑えながら、自分の声もこもらず自然に伝わります。リモート会議にも十分使えます。

専用アプリでできることは?

ノイズキャンセリングの切り替え、イコライザー調整、TV Audio Swapの管理などが行えます。操作は直感的で、初めてでも迷いません。

他のSonosスピーカーと連携しなくても使えますか?

はい、単体でも通常のBluetoothヘッドホンとして問題なく使えます。
ただし、TV Audio Swapなど一部機能はSonos製品があるとより活かせます。

防水・防滴には対応していますか?

いいえ、防水仕様ではありません。屋外での短時間使用は問題ありませんが、雨天やスポーツ時の使用は避けたほうが安心です。

音の遅延はありますか?

Bluetooth接続ではほとんど感じません。特に動画や映画再生では、映像とのズレが少なく快適です。TV Audio Swap利用時も違和感はありません。

有線接続時にバッテリーは消費しますか?

USB-Cケーブルで接続すれば、給電しながら再生可能です。長時間視聴時やバッテリー切れのときにも安心です。

音の方向感や立体感は感じられますか?

はい、Dolby Atmos対応の空間オーディオで、頭の外に音が広がる自然な立体感を再現します。特に映画やライブ音源で効果を実感できます。

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Sonos 「Sonos Ace」レビューのまとめ

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「Sonos Ace」 は、派手な“音の演出”ではなく 自然さ・定位・使い勝手を軸に緻密にチューニングされたプレミアム密閉型。

音質・ANC・操作性・連携機能のバランスが良く、「毎日ストレスなく使えること」を最優先した一台です。

とくに Sonos サウンドバーとの TV Audio Swap を中心とするエコシステム体験は独自性が高く、リビングとパーソナルの境界を上手に溶かしてくれます。

本機の要点

  • 音質:低域は“量より質”、中域は声と楽器の質感が自然、高域は滑らかで聴き疲れしにくい
  • 空間再現:包まれるタイプの頭外定位。映画・ライブで没入感が高い
  • ANC/外音:圧迫感の少ない“集中できる静けさ”。取り込みは自声がこもりにくく自然
  • 装着感:側圧・パッド・頭頂の当たりが好バランス。長時間装着しやすい
  • 連携:TV Audio Swap で深夜視聴が快適。マルチルームの哲学と相性抜群
  • 運用:物理操作・装着検知・マルチポイントで日常の使い勝手が高い

長所・短所

観点長所留意点
音質自然で解像度の高い中域、タイトな低域、滑らかな高域低音“量感重視”派には大人しく感じる場面あり
空間表現誇張が少ない包容感のあるステージ、映画のセリフ定位が安定極端に派手な広がりを求める人には控えめ
ANC/外音圧迫感が少なく耳に優しい。取り込みが自然カフェの近距離会話などはわずかに残る設計
装着感面で支える当たりで長時間も快適、メガネ併用もしやすい真夏の屋外ロングでは密閉型相応の熱は出る
連携/操作TV Audio Swap が唯一無二、物理操作で誤操作少EQ の細かな可変幅はもう少し欲しい

向いているユーザー/向かないユーザー

こういう人におすすめこういう人は再検討
自然な音色・定位を好み、長時間リスニングが多い低域の“量”で迫力を出したい
夜間に映画/ドラマを大画面で楽しみたい(家族に配慮したい)高域の刺激感・派手さを最優先する
Sonos サウンドバーやスピーカーを使っているEQ を細かく追い込みたい(調整幅を重視)
物理操作・マルチポイントなど“日常の快適さ”を重視超軽量/小型を最重視(携帯特化設計を希望)

競合との要点比較

  • AirPods Max:空間オーディオの演出や Apple 連携が強い一方、Sonos Ace はTV Audio Swap でリビング視聴と直結。音は Ace の方が“自然志向”、Max は“演出の映えるサウンド”という住み分け。
  • Sony WH-1000XM5:ANC の強力さとアプリ調整の自由度は XM5 に分がある。自然な音色・連携体験・物理操作の確実さは Ace が魅力。

(いずれも“どちらが上”ではなく設計思想の差がポイント)

購入前チェックリスト

  • 映画・ドラマを深夜でも没入して観たい(TV Audio Swap を活かせる)
  • “量より質”の低域、声や楽器の質感を丁寧に聴きたい
  • 長時間装着・在宅ワーク・通勤など日常の快適さを最優先したい
  • 既に Sonos 環境を使っている/これから整える予定がある

→ これらに当てはまるなら、「Sonos Ace」 は“毎日使う”基準で強く推せる選択肢です。

Sonos 「Sonos Ace」レビューの総括

「Sonos Ace」は、音そのものの美しさだけでなく、静けさや快適さ、そして生活との調和までもデザインされたヘッドホンです。

強烈な個性を誇示するのではなく、どんなシーンにも自然に馴染み、使う人の時間を豊かにしてくれる存在でした。

音はクリアで定位が正確、ANCは耳に優しく、装着感は極めて快適。

さらにSonos製品との連携機能が、従来のヘッドホンにはなかった“リビングと個人の音体験の架け橋”となっています。

派手さではなく完成度、刺激ではなく心地よさ。そのバランスこそが「Sonos Ace」の最大の魅力だと感じました。

静かな夜に映画を観るときも、仕事の合間に音楽で気分を整えるときも、このヘッドホンは日常にそっと寄り添い、音を通して穏やかな時間を演出してくれます。

Sonosが長年築いてきた“空間をデザインする”という哲学が、この一台に凝縮されているように思います。

音を楽しむという行為を、より自然で上質なものに変えてくれる——「Sonos Ace」は、そんな新しいリスニング体験を約束してくれるヘッドホンです。

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