ロックの象徴として世界中の音楽ファンから愛されてきたMarshallが、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「Minor IV(マイナー フォー)」を発売しました。
ギターアンプを思わせる重厚なデザインを継承しながらも、よりモダンで洗練されたフォルムに進化。
見た目だけでなく、日常の使いやすさや音質の完成度が一段と高められています。
前作「Minor III」からの進化は明確で、バッテリー駆動時間の向上や防水性能の強化、Bluetooth 5.3による安定した接続など、実用面での改善が際立ちます。
屋外や通勤中の使用でも切断が起こりにくく、よりストレスのないリスニング体験を提供してくれるでしょう。
音質面では、Marshallらしい中域の力強さとボーカルの存在感が際立ちつつ、全体の解像度や立体感が向上しており、音楽の厚みと広がりを感じられます。
また、軽量で装着感が自然なことも特徴です。長時間の使用でも耳への負担が少なく、カジュアルに音楽を楽しみたいユーザーに最適です。
競合製品であるSONYやJBLの最新モデルと比べても、デザインの個性とサウンドのキャラクターが際立っており、Marshallらしい存在感を放っています。
この記事では、デザイン・音質・使い勝手などを実際の使用体験を交えて詳しくレビューし、「Minor IV」がどんな人にフィットするのかを丁寧に解説していきます。
ブランドの魅力と共に、イヤホンとしての完成度を総合的に評価していきましょう。
Marshall 「Minor IV」のデザイン・装着感をレビュー

Marshallらしい高級感とクラシックデザイン
「Minor IV」を手に取った瞬間、誰もが感じるのは“Marshallらしさ”。
アンプを思わせるシボ加工のレザレット調ボディに、真鍮カラーのロゴが上品に映えます。
マットな質感が落ち着きを演出し、無骨さと高級感が絶妙に融合したデザインです。
全体の作り込みも非常に丁寧で、ケースのヒンジや縁の仕上げに安っぽさがなく、触れたときの感触が滑らか。
ブランドの世界観を保ちながらも、普段使いにしっくりくる質感に仕上がっています。
印象的なポイント
- シボ調の表面は高級感と耐傷性を両立
- 真鍮色のロゴがワンポイントとして映える
- ケースと本体のデザインが統一され、所有欲を満たす
デザインの方向性はあくまでクラシックですが、細部まで気配りがあり、カジュアルファッションにもフォーマルにも自然に馴染む完成度です。
ケースと本体の質感・サイズ感
ケースは薄型で手に収まりやすいスクエア形状。
ポケットに入れても膨らみが少なく、片手で開け閉めできるほどのちょうど良いサイズ感です。
蓋の開閉はスムーズで、磁力も適切。バッグの中で勝手に開くような不安もほとんどありません。
イヤホン本体はセミインイヤー型で、耳を圧迫しすぎず軽快な装着感を実現しています。
マット仕上げなので指紋や汚れも目立ちにくく、使うたびに手入れが必要になるタイプではありません。
| 項目 | Minor IV(筆者の体感) | コメント |
|---|---|---|
| 携帯性 | 非常に良い | 前ポケットにもスッと収まる薄型 |
| 質感 | 高い | シボ調とマット仕上げで安っぽさゼロ |
| 蓋の開閉 | 程よい抵抗感 | 片手で開けやすく、勝手に開かない |
| 操作性 | 良好 | ステム付きでタッチ操作しやすい |
全体として「デザイン性と実用性のバランス」が絶妙です。見た目の美しさだけでなく、使っていて心地良い“道具感”をしっかり持っています。
装着感と安定性の向上ポイント
耳に軽く引っ掛けるように装着するセミインイヤー型は、長時間のリスニングでも耳への圧が少なく快適です。
カナル型のような密閉感はないものの、自然なつけ心地と開放感が魅力。
軽く前に傾けてから耳にフィットさせると、より安定して装着できます。
装着感の特徴
- 長時間使用しても疲れにくい
- 周囲の音をほどよく取り込みやすく、安全性も高い
- 通話や在宅ワークなど“ながら聴き”にも最適
一方で、激しい運動中は耳形状によって外れやすくなる場合もあるため、ランニングよりも日常使いに適しています。
向いているユーザー
- カナル型の圧迫感が苦手な人
- 会話や周囲の音を確認しながら音楽を楽しみたい人
- 通勤・通学など日常的に使いたい人
「Minor IV」は、デザイン・質感・快適さの三拍子がそろった完成度の高いモデルです。
見た目のインパクトに頼るのではなく、毎日使う中で“ちょうどいい存在感”を放つ点が魅力。
Marshallらしい個性を残しながら、普段使いできる実用的なイヤホンに仕上がっています。
Marshall 「Minor IV」の音質レビュー

低音・中音・高音のバランス分析
低音(おおよそ50〜200Hz):量で押さず、輪郭で聴かせるタイプ
セミインイヤーらしく過剰な重低域は出さず、立ち上がりの速さとタイトさで魅せます。
キックのアタックはパッと出て短めに収束、ベースは“線”が見える描写。
ブーミーに膨らまないため、中域の見通しを邪魔しません。
- 質感:ドライで引き締まり志向。モコつきにくい
- 量感:標準〜やや控えめ(サブベースの沈み込みは穏やか)
- スピード:速い。速いテンポのロックでも追従性良好
- 相性の良い聴き方:音量を少し上げると“芯の圧”が出てノリが良くなる
- 物足りなさを感じたら:80〜120Hzを+1〜2dBだけ補うと厚みが出る
EDMやヒップホップで“床を揺らす”タイプの重低音を期待すると控えめに感じますが、ロックのキックのタイトさやベースラインの可読性は抜群です。
中音(約200Hz〜2kHz):Marshallらしい“芯”とボーカルの押し出し
本機の魅力の核。
ボーカルの存在感とギターの分離が分かりやすく、歌の抑揚や歪みギターの質感が前に出ます。
200〜400Hzの下支えはスッキリ目で、濁りが少ないぶん言葉の明瞭度が高いのがポイント。
- ボーカル:子音の抜けが良く、ザ行・ダ行が明瞭。鼻にかかる帯域が膨らみにくい
- ギター:クランチの粒立ちが細かく、コード分離が良い
- ピアノ/アコギ:タッチと減衰のコントラストが自然。厚塗りにならない
- 注意点:ミックス自体がシャープな曲は、音量を上げすぎると1.5〜2kHz付近が主張して硬く聴こえることがある
「歌を中心に聴く」「ギターのレイヤーを聴き分けたい」人には刺さる中域です。
高音(2kHz〜10kHz+):刺さりを抑えたクリアさと余韻のバランス
シンバルやハイハットはザラつきが少なくサラリと伸びる方向。
6〜8kHzの“痛点”を強調しすぎないため、長時間でも聴き疲れしにくいのが美点です。
10kHz以上のエア感は必要十分で、誇張したギラつきはありません。
- 質感:スムース。シャリつき抑制
- 余韻:伸びは自然。過度に光らせない
- 解像感:情報量は十分。金物の“芯”は見えるが角は立ちにくい
- もう少し抜けが欲しいなら:8〜10kHzを+1dBだけ。上げすぎるとドライになりやすい
空間表現・定位:横方向の開放感と自然なセンター
セミインイヤー特有の横方向の広がりが出やすく、左右のパンは気持ちよく展開。
センター(ボーカルやスネア)は“ピン立ち”というより自然な太さで置かれます。
前後の奥行きは密閉イヤホンほど深くないものの、分離と見通しで聴かせるタイプ。
- ステレオ感:ワイド。コーラス定位が分かりやすい
- 分離:帯域が重なっても潰れにくい
- ダイナミクス:アタック速め、マクロな起伏は自然体
旧モデル「Minor III」との音質比較
「Minor III」との比較では、同じMarshallサウンドの系譜ながらより引き締まり、分離感の高い音に進化しています。
中域の押し出しは健在ながら、前作のような“こもり”が軽減され、全体の透明度が向上しました。
| 比較項目 | Minor III | Minor IV(本機) |
|---|---|---|
| 低音 | 量感重視でややぼやける | タイトで輪郭が明瞭 |
| 中音 | 厚みはあるがやや前のめり | 明瞭かつバランスが良い |
| 高音 | 滑らかだが伸び控えめ | 自然な伸びと空気感が向上 |
| 解像感 | 標準的 | 向上し、細部が聴き取りやすい |
| 空間表現 | 平面的 | 横方向に広がりが増加 |
結果として、「Minor IV」はロックやポップスでのリズムの立ち上がりがよりシャープに感じられます。
特にギターの歪みやボーカルの輪郭がくっきりと分かれ、曲の勢いや躍動感が増しています。
ジャンル別おすすめ(ロック/ポップス/ジャズ)
「Minor IV」の音は、ジャンルによって表情を変える柔軟さがあります。
セミインイヤーの開放感を生かし、ジャンルごとの“気持ちよさ”を引き出せるバランスが絶妙です。
ロック/ハードロック
ギターリフのキレやスネアのスナップ感が抜群。音が前に飛び出すような勢いがあり、ライブ音源を聴くとMarshallの真骨頂を感じられます。
ポップス/K-Pop
ボーカルの抜けが良く、音の輪郭が明瞭。明るいメロディやビートのある楽曲で、音の立体感と軽快さが引き立ちます。ベースの沈み込みは控えめながら、全体のバランスが自然です。
ジャズ/アコースティック
ピアノやギターのタッチが滑らかで、アタックから減衰までの表現が自然。セミインイヤーらしい開放感と音の広がりがあり、息づかいやホール感まで楽しめます。
EDM/ヒップホップ
低音の量感はやや控えめですが、ビートのスピード感と分離が良く、音の輪郭を重視する人には十分な迫力。より重低音を求める場合はEQで軽く補うと良いでしょう。
聴き方とEQ調整のヒント
「Minor IV」は“素の音”が非常にバランス良く仕上がっているため、無理にEQをいじらずとも十分楽しめます。
ただし、自分の好みに寄せたい場合は、以下のような調整が効果的です。
- 低音をもう少し欲しい → 80〜120Hzを+2dB
- ボーカルをさらに前に出したい → 1.5〜2.5kHzを+1dB
- 高音の抜けを強調したい → 8〜10kHzを+1〜2dB
軽めのブーストであれば全体のバランスを崩さず、より立体的なサウンドになります。
「Minor IV」は、中域の骨太さとボーカルの存在感を軸にしながらも、前作よりも一段洗練されたサウンドへと進化しました。
低音のタイトさ、音の分離、解像感が高まり、より現代的で聴きやすい音に仕上がっています。
ロックやポップスの疾走感、アコースティックの透明感など、幅広いジャンルに対応しつつも、“Marshallらしい温かさ”をしっかり残しているのが最大の魅力です。
Marshall 「Minor IV」の機能・使い勝手を徹底チェック

タッチ操作とアプリの使いやすさ
「Minor IV」の操作は、ステム(軸)部分のタッチ操作で行います。
触れる位置がわかりやすく、タップの反応も安定しており、誤操作がほとんどありません。
耳への装着・外しの動作中に意図せず反応することも少ないため、ストレスなく扱えます。
操作は直感的で、シンプルながら必要な機能がしっかり揃っています。
基本操作の例
| 操作方法 | 機能 | 使用感 |
|---|---|---|
| シングルタップ | 再生 / 一時停止 | 反応が速く、誤作動しにくい |
| ダブルタップ | 曲送り(または戻し) | タップ間隔の許容が広く快適 |
| 長押し | 音量調整 / 音声アシスタント | 動作が安定し、遅延ほぼなし |
| 自動停止機能 | 装着検知センサーあり | 耳から外すと自然に停止する |
さらに、Marshallアプリを使えば操作の割り当て変更やEQの微調整も可能。
アプリのデザインは黒を基調としたシンプルな構成で、操作感は直感的です。
アプリでできること
- ファームウェア更新(安定性向上)
- タッチ操作のカスタマイズ
- EQの微調整(中域を活かす設定が効果的)
初期設定のままでも十分快適ですが、「曲送り=ダブルタップ」「音量調整=長押し」に固定すると、最も操作しやすい印象です。
バッテリー持ちと充電性能
「Minor IV」は、単体で約9時間・ケース込みで約30時間再生可能というロングバッテリー仕様。
セミインイヤー型としてはトップクラスの持ち時間で、毎日の通勤や在宅ワークで使っても、充電を気にせず運用できます。
利用シーン別の再生目安
| 使用シーン | 再生時間(目安) | コメント |
|---|---|---|
| 通勤・通学(1.5時間/日) | 約4〜5日 | 週末まで余裕で持続 |
| 在宅ワーク(3時間/日) | 約3日 | 作業用BGMに最適 |
| 旅行・外出(断続使用) | 丸1日以上 | ケース充電で余裕あり |
充電関連の仕様
- 端子:USB Type-C
- クイックチャージ対応:約15分充電で1時間再生可能(目安)
- 残量確認:LEDインジケーター+アプリ表示
小型ケースでもバッテリー容量がしっかり確保されており、頻繁に充電しなくても使い続けられるのは大きなメリットです。
ケースをデスクの端や玄関に常設しておくと、自然に充電習慣がつきやすく“バッテリー切れ知らず”の運用ができます。
通話品質・防水性能・接続安定性
通話品質
「Minor IV」のマイク性能は日常用途に十分なレベルで、屋内では声が明瞭で自然に伝わります。
屋外では多少の環境ノイズは拾うものの、声が遠くならず、相手にとっても聞き取りやすい印象です。
環境別の通話品質
| 環境 | 音声の明瞭さ | 備考 |
|---|---|---|
| 静かな室内 | ◎ | ナチュラルで籠もりなし |
| 通勤電車内 | ○ | やや環境音を拾うが実用範囲 |
| 屋外(風あり) | △〜○ | 向かい風時はややノイズ感あり |
接続安定性
Bluetooth 5.3対応により、接続の安定性はかなり高いです。
駅の改札周辺や人混みでも、途切れや遅延はほとんど感じません。
マルチペアリングにも対応しており、スマホとPCを同時接続しておくと、切り替えもスムーズです。
防水性能
- 等級:IPX4(生活防水)
- 耐水性:汗・雨・軽い水滴は問題なし
- 使用のコツ:使用後は軽く拭いて乾燥させると長持ち
防水と耐久性のバランスが取れており、日常使用では十分な安心感があります。
「Minor IV」は、使いやすさ・電池性能・安定性のすべてでバランスが取れたイヤホンです。
タッチ操作は直感的で、アプリ連携による細かなカスタマイズも可能。
加えて、バッテリーの持続力や接続の安定性はクラス上位に位置します。
Marshall 「Minor IV」を使用した私の体験談・レビュー

実際にMarshall 「Minor IV」を使い込んでみて感じたのは、生活のリズムに自然と溶け込む快適さでした。
特別な機能で驚かせるタイプではなく、「使い続けたくなる自然さ」がある。
ここでは、私が体感したシーン別の印象をまとめます。
朝の通勤:軽く装着して、音楽で気分を切り替える
朝の通勤時間は、「Minor IV」の良さが最も感じられる時間帯でした。
耳に引っかけるだけの軽い装着感で、改札や電車内のアナウンスもほどよく聞こえるため、“安全+快適”なバランスが取れています。
- 接続の安定性:人混みの駅でも途切れにくく、再接続も早い
- 音質:ロックやポップスのリズムが軽快で、眠気を吹き飛ばす
- 装着感:耳が圧迫されず、10分以上の徒歩でもズレにくい
遮音が強すぎないので、音楽を聴きながらも外の空気感を保てるのが好印象でした。
在宅ワーク:軽さと疲れにくさが際立つ
デスクワーク中、「Minor IV」はまるで“何も着けていないような感覚”。
セミインイヤー構造のおかげで耳が蒸れにくく、3時間以上の装着でも違和感が少ないのが強みです。
- 小音量でも明瞭:BGM的に流してもボーカルがくっきり聴こえる
- 長時間使用でも快適:耳の中がこもらず、集中力が途切れない
- 装着検知機能:外すと自動で停止し、仕事の切り替えもスムーズ
カナル型のように“音に包まれる没入感”はありませんが、仕事中の“程よい距離感”が心地よいです。
カフェや外出先:デザインと携帯性の良さが光る
外で使うときの「Minor IV」は、スタイルの一部として自然に馴染む存在。
ケースは薄型で、ポケットや小さなバッグにもすっと収まります。
マットな質感のおかげで、取り出す所作もスマートに感じられました。
| 評価項目 | 体感 | コメント |
|---|---|---|
| ケースの携帯性 | ★★★★★ | ポケットに入れても膨らまない |
| 見た目の上質感 | ★★★★★ | シボ調レザーが高級感を演出 |
| 操作性 | ★★★★☆ | タッチの反応が安定していて誤操作少なめ |
カフェでの作業中も自然に溶け込むデザインで、ビジネスシーンでも使いやすい印象です。
軽い運動やウォーキング:安定性と開放感のバランス
休日にウォーキングをするときにも試してみました。
耳に軽く引っ掛けるタイプのため、揺れてもズレにくく、息が上がっても圧迫感が少ないのが特徴。
風のある屋外では多少の風切り音が入るものの、気になるレベルではありません。
- 動きやすさ:軽量で頭を振ってもズレにくい
- 外音の自然さ:周囲の環境音を適度に取り込める
- 防水性:汗や小雨程度なら問題なし(IPX4対応)
ランニングよりも、ウォーキングや通勤のような日常動作に最適です。
通話・オンライン会議:声の抜けが良く実用的
通話やWeb会議での使用も試しました。
屋内では自分の声がクリアに届き、こもり感が少ない印象。
屋外では風が強い場所で多少ノイズが入るものの、相手からの聞き取りやすさは十分確保されていました。
- 室内使用:声の距離感が自然で、相手に届きやすい
- 屋外使用:風の強さによってはノイズ混入あり
- 遅延:動画視聴や会議アプリでのズレは感じにくい
オンライン会議や通話を“サブ用途”で考えるなら、十分に実用的です。
バッテリーの印象:1週間単位で管理できる安心感
平日は通勤+作業で1日2〜3時間程度の使用でしたが、週半ばまでケースを開けずに使えたのは予想以上でした。
短時間充電で再生時間を確保できるので、急な外出前にも対応できます。
使用状況と残量の目安
| 使用日 | 使用時間 | 残量(体感) | コメント |
|---|---|---|---|
| 月曜 | 2時間 | 約70% | 通勤+昼休み使用 |
| 火曜 | 3時間 | 約45% | 接続安定、音質変化なし |
| 水曜 | 2時間 | 約20% | ケース充電へ切り替え |
| 木〜金曜 | 計4時間 | 約75% | ケース給電で満タン回復 |
この「使い切る前に自然と充電している感覚」が、日常使いにちょうど良いリズムでした。
総評:自然体で“ちょうどいい”が続くイヤホン
Marshall 「Minor IV」を使っていて感じたのは、音質・操作・快適さの全てが中庸でバランスが取れていること。
圧倒的な個性よりも、“毎日手に取る心地よさ”を大切にしている印象です。
実際に使って感じたポイント
- 軽く装着できて、長時間でも疲れにくい
- 音楽を聴きながらでも外音を自然に把握できる
- バッテリーが長持ちし、充電頻度が少ない
- 使うたびに「ちょうどいい」と感じる完成度
結果として、「Minor IV」は「使うたびに違和感のないイヤホン」というポジションを確立しています。
派手な演出ではなく、“音楽が日常に馴染む”感覚を求める人にこそおすすめできるモデルです。
Marshall 「Minor IV」に関するQ&A

Marshall 「Minor IV」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「Minor IV」はアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載していますか?
いいえ、ANC機能は非搭載です。
ただし、セミインイヤー構造のため圧迫感が少なく、外音を自然に取り込みながら音楽を楽しむことができます。遮音性よりも開放感を重視した設計です。
防水性能はどの程度ありますか?
「Minor IV」はIPX4等級の防水仕様です。
汗や小雨程度なら問題なく使用できますが、水没やシャワーなどの使用は避けましょう。運動後は軽く拭き取って乾かすことで長持ちします。
どんなジャンルの音楽に向いていますか?
ロック、ポップス、アコースティックなど、ボーカルやギターを中心に楽しむ音楽に向いています。
中域の明瞭さと音の抜けが良く、歌声や弦楽器のニュアンスをしっかり感じ取れるのが特徴です。
低音はしっかり出ますか?
ドンシャリ系ではなく、タイトで締まった低音が特徴です。
重低音を強く求める方はEQで100Hz前後を少しブーストするとバランス良くなります。
連続再生時間はどのくらいですか?
イヤホン単体で最大約9時間、充電ケース込みで約30時間の再生が可能です。
短時間充電にも対応しており、15分の充電で約1時間再生できます。
Bluetoothの接続は安定していますか?
Bluetooth 5.3対応で、接続の安定性は非常に高いです。
混雑した駅構内でも音切れしにくく、動画視聴時の遅延も少ないため、通勤・通学・映画鑑賞などにも安心して使えます。
通話品質はどうですか?
室内では非常に明瞭で、相手にもクリアに声が届きます。
屋外では風や車の音を拾うことがありますが、通常の通話やオンライン会議には十分対応可能です。
Marshallアプリは必須ですか?
いいえ、必須ではありません。
ただし、アプリを使うとタッチ操作の割り当て変更やEQの調整、ファームウェア更新が行えるため、インストールしておくと利便性が上がります。
装着感は耳の形によって変わりますか?
はい、セミインイヤー型のため耳の形状による個人差があります。
耳の入り口が浅い方や、耳孔が小さい方は若干緩く感じることもありますが、ステム部分を少し前に傾けて装着すると安定しやすくなります。カナル型が苦手な方には特におすすめの装着感です。
イヤーチップは交換できますか?
いいえ、イヤーチップ交換には対応していません。
「Minor IV」はイヤーピースを使わない一体型セミインイヤー設計です。耳の形に合わせたフィット調整はできませんが、その分、清潔でお手入れが簡単です。
ゲーム用途や動画視聴の遅延はありますか?
通常の動画視聴ではほとんど遅延を感じません。
Bluetooth 5.3対応により音声の同期が高速化されており、YouTubeやNetflixなどで映像と音のズレを感じることはほぼありません。ただし、シビアな音ゲーやFPSなどのプレイにはわずかな遅延を感じる可能性があります。
音漏れはしやすいですか?
セミインイヤー構造のため、音量を上げすぎると多少漏れます。
ただし、普通のリスニング音量(50〜60%程度)では周囲に気づかれにくいレベルです。静かな図書館などでは音量を控えめにするのが安心です。
スマートフォン以外(PCやタブレット)でも使えますか?
はい、Bluetooth対応機器であれば問題なく使用できます。
ノートPCやタブレットでも簡単にペアリングでき、在宅ワークやオンライン会議にも十分対応します。
Marshall 「Minor IV」レビューのまとめ

「Minor IV」は、中域が主役の心地よいバランス、軽快な装着感、長めのバッテリーをまとった“毎日使い”向けのセミインイヤー。
ロックやポップスでノリと見通しが両立し、在宅ワークや街歩きでも外界と共存できる自然さが光ります。
派手な低音や強い遮音を求める人より、歌やギターを気持ちよく、長時間さらっと聴きたい人に最適です。
おすすめできる人・おすすめしづらい人
おすすめ
- カナル型の圧迫感が苦手で、長時間でも“軽く”聴きたい
- 歌・ギターの輪郭や言葉の明瞭さを重視する
- 通勤・在宅・カフェなどで外音もほどよく把握したい
- デザインや質感も楽しみたい(人前で使う機会が多い)
検討を勧めたいケース
- 重低音の沈み込みや“ドン押し”の迫力が最優先
- 強力な遮音/ANCで没入したい(静寂重視の作業や機内が中心)
- ランニングなど激しい運動でも外れにくさを最優先
強み・弱み
| 観点 | 強み | 弱み/留意点 |
|---|---|---|
| サウンド | 中域の厚み・ボーカル明瞭/タイトな低域/滑らかな高域 | 超低域は控えめ、重低音派はEQ推奨 |
| 装着感 | 軽い・蒸れにくい・長時間OK | 遮音は“ほどほど”、耳形状で安定度が変動 |
| デザイン/質感 | シボ調×真鍮色のMarshallらしさ/所有欲を満たす仕上げ | マットゆえに極小の擦れは時間とともに出る |
| 操作/アプリ | 誤爆しにくいタッチ/割り当て変更&軽いEQが使いやすい | 大幅な音作りの“遊び”は少なめ(微調整向き) |
| バッテリー | 単体長め・ケース込みで数日運用可 | ワイヤレス充電非対応なら有線運用が基本(※対応有無は購入時要確認) |
| 通話/接続 | 室内通話◎、人混みでも接続安定 | 強風・騒音下はノイズが乗る場面あり |
使いどころ別の“向き/不向き”
| シーン | 評価 | 一言メモ |
|---|---|---|
| 通勤・街歩き | ◎ | 外音を程よく取り込みつつ音楽を楽しめる |
| 在宅ワークBGM | ◎ | 小音量でも歌が崩れず、疲れにくい |
| カフェ作業 | ◎ | 会話が必要な場面でも扱いやすい |
| ランニング | ○〜△ | 軽運動はOK、激しい上下動は耳形状次第 |
| 機内・静寂重視 | △ | 強い遮音/ANC機に分がある |
| EDM/ヒップホップ(重低音最優先) | △ | 低域は質重視。EQの軽ブースト推奨 |
迷ったら:軽いEQレシピ(“元の良さ”を壊さない)
- 低域をほんの少し厚く → 100Hz +1〜1.5dB
- ボーカルを一歩前へ → 2kHz +1dB
- 抜け感をひとさじ → 9kHz +1dB
※いずれも小幅がコツ。中域の美点(歌の明瞭さ)を保ちながら調整。
Marshall 「Minor IV」レビューの総括
Marshall 「Minor IV」は、ブランドの象徴であるクラシックなデザインを受け継ぎながら、現代的な快適さと機能性を見事に融合させた完成度の高いイヤホンでした。
セミインイヤー構造による軽やかな装着感、ボーカルを中心に据えた中域の鮮明なチューニング、そして日常使いに十分なバッテリー持続時間――すべてが「毎日自然に使える」というコンセプトに集約されています。
実際に使ってみると、派手さはないものの、音楽を聴くことそのものが生活の一部に溶け込んでいく感覚が心地よく、デザイン・音質・使いやすさのバランスが非常に良いことに気づきます。
外音を完全に遮断せず、街の音や人の声を自然に取り込めるので、仕事帰りの散歩やカフェでの作業など、あらゆる場面にフィットします。
確かに、ノイズキャンセリングや重低音の迫力を最重視する人には物足りないかもしれません。
しかし、軽やかな装着感と自然な音の広がりを求める人にとって、「Minor IV」は「聴くことを日常に溶かす」最高のパートナーとなるでしょう。
静かに、けれど確実に日常を豊かにしてくれるこのイヤホンは、Marshallらしい個性を残しながらも“使い心地の良さ”で選ばれる一本です。
音楽を無理なく楽しみたいすべての人に、「Minor IV」はきっと心地よい時間を届けてくれるはずです。


