audio-technica(オーディオテクニカ)の「ATH-S300BT」は、2024年に登場した軽量ワイヤレスヘッドホンです。
シンプルで洗練されたデザインと、同社らしいナチュラルで聴き疲れしにくいサウンドチューニングが魅力のモデルで、普段使いから在宅ワーク、動画視聴まで幅広く対応できる万能型として注目を集めています。
特に注目したいのは、最大70時間という圧倒的なバッテリー駆動時間と、マルチポイント接続への対応。
この価格帯では珍しいほどの使い勝手を実現しており、通勤・通学などの長時間利用でもバッテリー切れの心配が少なく、スマホとPCの同時接続もスムーズに行えます。
さらに、約180gという軽量設計により、長時間装着しても首や耳への負担が少ないのも大きな魅力。
オーディオテクニカが長年培ってきた快適な装着感へのこだわりが、しっかりと感じられる仕上がりです。
この記事では、そんな「ATH-S300BT」を実際に使用して感じたデザイン・音質・機能性・装着感のリアルな印象を、詳しくレビューしていきます。
audio-technica 「ATH-S300BT」のデザインと装着感の魅力

シンプルながら存在感のあるデザイン
落ち着いたマット仕上げで、ロゴや装飾は控えめ。日常使いに馴染む“無理のないミニマル”がテーマで、ビジネス~カジュアルまで持ち出しやすい印象です。
ハウジングやアームの継ぎ目は段差が少なく、触れたときの引っかかりが抑えられているため、装着・脱着の所作もスムーズ。
表面は指紋が目立ちにくく、通勤・通学でのヘビーな運用でも見た目が崩れにくいのが好印象です。
細部の使い勝手
- 物理ボタンは左右に分散し、誤操作を避けやすい配置
- クリック感ははっきりしており、手探り操作がしやすい
- 端子周りも干渉が少なく、ケーブル着脱時の煩わしさが少ない
「派手さはないけれど、長く飽きずに使える」——所有欲よりも実用性を優先する人に刺さる外観です。
軽量設計と快適なフィット感
第一印象は軽さ。
首や頭頂部への負担が少なく、長時間リスニングでも疲れにくいのが最大の魅力です。
クランプ圧(側圧)は中庸で、耳周りをやさしく包み込むホールド感。
頭を振っても不安が少ない一方、締め付けが強すぎない“ちょうど良さ”に落とし込まれています。
装着感の要点
- イヤーパッド:やわらかめのクッションで接地面が広く、圧力が分散。肌当たりがなめらかで、頬骨まわりの痛みが出にくい
- ヘッドバンド:クッションは過度に厚すぎず、長時間でも頭頂部が熱を持ちにくい
- メガネ併用:テンプルの太さにもよりますが、こめかみの圧迫は比較的少なめ。耳殻の上部に局所的なストレスが集中しにくい
- 密着感:過度に密閉しないため、自分の声がこもりにくく、在宅会議や学習用途でも違和感が少ない
サイズ感の目安(体感)
| 項目 | 体感の基準 |
|---|---|
| 頭囲(小さめ~大きめ) | 幅広くカバー。頭囲が大きめの方もスライダーを1~2段伸ばせば安定 |
| メガネ併用 | ○:長時間でもストレス少なめ |
| 長時間再生(2~3h) | ○:側圧・頭頂圧ともに疲れにくい |
| 汗・蒸れ | 春~秋の屋内は快適。真夏の屋外は短い休憩を挟むと◎ |
フィット微調整のコツ
- まずはスライダーを短めにして頭頂の重心を安定→必要に応じて1クリックずつ伸ばす
- イヤーカップを前後にほんの少し回すと、耳の上部の圧が和らぎやすい
- メガネ使用時は、テンプルがパッドの縁にまっすぐ抜ける角度を探すと圧迫感が減る
折りたたみ構造と携帯性の良さ
ハウジングは内側へスイーベルしてフラットにでき、バッグの中でかさばりにくいのが便利。
コンパクトにたたむ際も可動部の剛性感がしっかりしており、開閉でのガタつきが少ないため、毎日の出し入れに安心感があります。
持ち運び評価
- 折りたたみ後の厚みが控えめで、薄型バックパックやブリーフにも収まりやすい
- イヤーパッド表面は引っかかりにくい素材感で、他の荷物との干渉が起きにくい
- 可動部のバネが強すぎないため、静かな図書室・カフェでも開閉音が気になりにくい
シーン別の使いやすさ
| シーン | 使い勝手のポイント |
|---|---|
| 通勤・通学 | 軽量+フラット収納で毎日携帯しやすい |
| 在宅ワーク | 長時間装着でも頭頂部・こめかみの負担が少ない |
| カフェ作業 | 物理ボタンで音量・曲送り操作が直感的 |
| ベッドやソファでの視聴 | 横向き姿勢でもイヤーカップの干渉が比較的少ない |
主張しすぎないミニマルな外観、扱いやすい物理ボタン、そして軽さに裏打ちされた快適な装着感。
毎日“気負わず手が伸びる”ことこそ、「ATH-S300BT」の価値です。
旅行や出張の移動~作業~リラックスまで一台で通せる携帯性は、同価格帯の中でも強みとして光ります。
audio-technica 「ATH-S300BT」の音質レビュー

「ATH-S300BT」の音質は、オーディオテクニカらしいナチュラルで聴き疲れしにくいチューニングが特徴です。
派手さよりも、長く付き合える「日常使いの心地よさ」を重視したバランス。全体的にクセが少なく、ボーカルを中心に音の輪郭が丁寧に描かれます。
低音域:量感よりもタイトでキレのある低音
低音は「重さ」よりも「速さ」で聴かせるタイプ。
キックやベースラインのリズムがしっかりと立ち、全体を引き締める役割を果たしています。
膨らみすぎず、どんなジャンルでも中域を濁らせないのがポイントです。
特徴まとめ
- 量感:控えめ~中程度。低音が前に出すぎず、他帯域とのバランスが良い
- 質感:スピード感があり、粒立ちが明瞭
- 沈み込み:必要十分。無理に迫力を出さず自然な深さ
- 分離感:ベースとバスドラムを個別に聴き取れる解像度
| 評価軸 | 印象 |
|---|---|
| パンチ感 | ★★★☆☆(自然で軽快) |
| タイトさ | ★★★★★(締まりが良い) |
| 低音の厚み | ★★★☆☆(上品で控えめ) |
EDMやヒップホップなど、低音重視のジャンルでは少し物足りなさを感じる場合もありますが、EQで60~80Hzを+2〜3dB程度上げると程よい迫力が得られます。
中高音域:ボーカルの明瞭さと自然な抜け感
中高域は、オーディオテクニカの伝統が最も感じられるポイント。
ボーカルが前に出すぎず、それでいて言葉の輪郭や息づかいがしっかり伝わる仕上がりです。
高域も伸びやかで、金物系の音やアコースティックギターの余韻が美しく再現されます。
中高音の魅力
- ボーカル帯域(1〜3kHz)が非常にクリア。歌詞が聞き取りやすい
- 高域(8〜10kHz)は粒立ちが細かく、シンバルの金属感も自然
- 長時間聴いても耳が痛くならないバランスの良さ
- 楽器と声の距離感がちょうどよく、音場の広がりも自然
| 要素 | 印象 |
|---|---|
| 明瞭感 | ★★★★★ |
| 伸びやかさ | ★★★★☆ |
| 刺さりの少なさ | ★★★★★ |
| 解像度 | ★★★★☆ |
ボーカルをより艶やかにしたい場合は2.5kHzを+1〜2dB、高域の煌びやかさを加えたい場合は8〜10kHzを+1dB程度上げるのがおすすめです。
全体のバランスとジャンル別の相性
「ATH-S300BT」のサウンドは、全体的にフラットで落ち着いたチューニング。
低域・中域・高域のどれもが主張しすぎず、日常的に長時間使うことを前提に設計されています。
そのため、作業BGMや動画視聴、ボーカル中心の楽曲などに特に相性が良いです。
サウンド全体の傾向
- トーン:ナチュラルフラット
- 温度感:ややクールでドライ
- 音場:中規模ながら立体感あり
- 聴き疲れ:非常に少ない(長時間リスニング向き)
ジャンル別の相性一覧
| ジャンル | 相性 | コメント |
|---|---|---|
| J-POP・邦ロック | ◎ | ボーカルが明瞭で、歌詞がしっかり伝わる |
| アニソン・女性ボーカル | ◎ | 高域の伸びが美しく、華やかさと透明感を両立 |
| ジャズ | ○ | 管楽器やピアノの倍音が自然で上品 |
| EDM・ヒップホップ | ○ | 低音の締まりは良いが、迫力重視派には物足りないかも |
| クラシック | ○ | 弦楽器と空間の広がりが自然で聴きやすい |
| ポッドキャスト・動画 | ◎ | 声がクリアに聞こえ、長時間でも疲れにくい |
「ATH-S300BT」は、派手な低音や煌びやかな高音で“瞬間的なインパクト”を狙うタイプではありません。
むしろ、「すべての音をバランスよく、心地よく聴かせる」ことを目指した、非常に誠実なサウンドです。
- 低音は引き締まり、ベースラインが心地よく響く
- 中域は声の質感を丁寧に再現
- 高域は滑らかで耳に優しい
長時間リスニング、作業中のBGM、通勤中の音楽など、どんなシーンにも馴染む万能タイプ。
特に「聴き疲れしにくいナチュラルサウンド」を求める人には、価格以上の満足感を与えてくれる1台です。
audio-technica 「ATH-S300BT」の機能・操作性・バッテリー性能

「ATH-S300BT」は、シンプルな見た目とは裏腹に、マルチポイント対応・高精度ノイズキャンセリング・圧倒的なバッテリー駆動時間を兼ね備えた実用性重視のモデルです。
特に「日常使いの快適さ」を重視して設計されており、誰でもすぐに使いこなせる操作性が魅力です。
マルチポイント対応と接続の安定性
Bluetooth 5.1に対応し、スマートフォンとPCなど2台同時接続(マルチポイント)が可能です。
音楽再生中でも別デバイスからの着信にスムーズに切り替えられるため、在宅勤務や通勤時に非常に便利です。
接続性能の特徴
- マルチポイント対応:スマホ+PCなど2台を同時に接続可能
- 接続安定性:Bluetooth 5.1による低遅延・安定通信
- 対応コーデック:SBC / AAC(iPhone・Android問わず高い互換性)
- 接続再開が速い:一度ペアリングすれば、次回電源ONで自動接続
実際の使用では、YouTubeをPCで再生中にスマホの着信へ自動で切り替わるなど、切替レスポンスはスムーズ。音途切れもほとんどありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Bluetoothバージョン | 5.1 |
| コーデック | SBC / AAC |
| マルチポイント | 〇(2台同時接続) |
| 通信安定性 | 高(屋内・通勤電車内でも途切れにくい) |
物理ボタン中心の操作と直感的なUI
「ATH-S300BT」は、あえてタッチ操作ではなく物理ボタンを採用。
クリック感がしっかりしているため、ブラインド操作でも誤操作が起きにくく、外出中でも快適に扱えます。
ノイズキャンセリング(NC)と外音取り込み(ヒアスルー)の切替も、専用ボタンで一発操作できるのが便利です。
主な操作体系
- 再生/一時停止:中央ボタン1回押し
- 曲送り/戻し:長押しまたは2回押し
- 音量調整:上下ボタンで直感的に操作
- ノイズキャンセリング/ヒアスルー切替:左側の専用ボタン
- 通話操作:着信応答・終了・マイクON/OFFすべて物理ボタンで対応
操作感のポイント
- ボタンのストロークが浅く、軽い力で操作可能
- ボタンの位置が左右で分かれており、誤操作が少ない
- 手袋をしたままでも操作がしやすい
| 操作系 | 方式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 音量・再生 | 物理ボタン | 押下感があり確実に反応 |
| NC/ヒアスルー | 専用ボタン | ワンタッチで即切替 |
| 通話・マイク | 内蔵マイク | 声の明瞭度が高く、通話も安定 |
タッチパネルのような誤反応がないため、「確実に操作したい派」には特に向いています。
圧倒的バッテリー持ちと急速充電対応
「ATH-S300BT最大」の魅力が、最長90時間の連続再生。
さらに急速充電(3分で約2.5時間再生可能)にも対応しており、バッテリー切れの心配がほとんどありません。
USB Type-C充電に対応し、有線接続も可能なので、PC作業やゲーム用途にも柔軟に使えます。
バッテリー関連の仕様
| 項目 | 数値・仕様 |
|---|---|
| 連続再生時間(NC OFF) | 約90時間 |
| 連続再生時間(NC ON) | 約60時間 |
| 充電時間 | 約2.5時間 |
| 急速充電 | 3分で約2.5時間再生可能 |
| 端子 | USB Type-C |
| 有線接続 | 〇(付属ケーブル使用時) |
実使用で感じたポイント
- 通勤+在宅ワークでも週1回の充電で十分
- 満充電でも発熱がほぼなく、安全性が高い
- バッテリーインジケーターは音声で通知されるため、残量確認も容易
「気づけば1週間以上充電していないのにまだ使える」──そんな安心感が、このモデルの最大の強みです。
「ATH-S300BT」は、派手なガジェット感よりも、“毎日快適に使える安定感”を追求したモデルです。
- マルチポイント対応で、仕事とプライベートをシームレスに切替
- 物理ボタン+専用NCボタンで迷わず操作できる安心感
- 最長90時間+急速充電で、長時間移動や旅行にも余裕
この実用性こそ、同価格帯ヘッドホンの中でも際立つ魅力。
「毎日使うことを前提にした、ストレスのないヘッドホン」を求める人にとって、「ATH-S300BT」はまさに理想的な一台です。
audio-technica 「ATH-S300BT」を使用した私の体験談・レビュー

実際に「ATH-S300BT」を日常で使い続けてみて、最初に感じたのは“生活の中で自然に馴染む”という点でした。
派手さはありませんが、通勤や在宅ワーク、リラックスタイムなど、どんなシーンでも違和感なく溶け込みます。
ここでは、実際に使用して感じたことを、具体的なシーンごとに紹介します。
通勤・通学時:軽くて疲れず、音も漏れにくい
通勤電車の中では、軽さと装着の安定感が何よりありがたいポイントでした。
長時間の着用でも首や耳が痛くならず、肩掛けバッグとの干渉も少ないので取り回しがスムーズです。
感じたメリット
- 側圧がちょうどよく、満員電車でもズレにくい
- ノイズキャンセリングをONにすると車内音が心地よく抑えられる
- ボーカルが明瞭で、音量を上げすぎずに楽しめる
少し気になった点
- 風の強い日には、マイク部に風切り音が入ることがある
- 電車の出入り時に耳元が少し温かくなる
| 評価項目 | 満足度 | コメント |
|---|---|---|
| 装着感 | ★★★★★ | 長時間でも快適。耳まわりの圧迫が少ない |
| 騒音カット | ★★★★☆ | 電車音を程よく抑え、外音は聞き取り可能 |
| 音漏れ防止 | ★★★★☆ | 高音量でも周囲への影響が少ない |
在宅ワーク・リモート会議:マルチポイントが超便利
仕事中はPCで会議、スマホで音楽という使い方が多く、マルチポイント接続が非常に役立ちました。
会議が始まると自動でPC側に切り替わり、終わると音楽再生へスムーズに戻る動作は本当にストレスがありません。
特に良かった点
- 会議中の音声がクリアで、相手の声がこもらない
- マイクの感度が良く、声が自然に伝わる
- PCとスマホ間の接続切替が直感的で、操作の手間がない
一度慣れてしまうと、「マルチポイントなしには戻れない」と感じるほど快適です。
| 項目 | 使用感 |
|---|---|
| 会議音質 | 相手の声が明瞭で、こもりが少ない |
| マイク性能 | クリアで雑音が入りにくい |
| 接続安定性 | 切替もスムーズで途切れなし |
カフェ・外出先:静けさと集中力の両立
カフェで作業する際には、周囲の話し声やBGMを自然に抑えてくれるノイズキャンセリング機能が活躍しました。
集中したい時はノイズを遮断、注文時などはヒアスルー(外音取り込み)で周囲と自然に会話でき、シーンごとの切替が簡単です。
使用感まとめ
- 音量を抑えても音の輪郭がはっきりしている
- 長時間装着しても耳が痛くならない
- 操作ボタンが物理式なので誤操作が少ない
ちょっとした注意点
- カップを外して首にかけると、ボタンが衣服に触れて誤作動することがある
- 長時間のカフェ利用では、耳まわりにほんのり熱を感じる
音楽・動画視聴:素直で疲れにくいサウンド
休日には動画や音楽をゆっくり楽しむことも多いのですが、「ATH-S300BT」は長時間聴いても疲れない音質が魅力です。
ボーカルが自然に浮かび、低音は過剰にならずタイト。映画のセリフやYouTubeのナレーションも聞き取りやすいバランスです。
ジャンル別の印象
| ジャンル | 音の印象 | 相性 |
|---|---|---|
| J-POP/アニソン | ボーカルが明瞭で、歌詞がしっかり届く | ◎ |
| ジャズ/アコースティック | 空気感が自然で楽器の分離も良い | ◎ |
| EDM/ヒップホップ | 低音のキレが良くリズムが心地よい | ○ |
| 映画・アニメ視聴 | セリフとBGMのバランスが最適 | ◎ |
映像作品のボイスがこもらず、深夜の音量を下げた環境でも聴き取りやすかったのが印象的です。
バッテリーと利便性:一度使うと手放せない安心感
何より驚いたのはバッテリーの持続力。
通勤・在宅・動画視聴を合わせても1週間以上充電不要で、残量を気にするストレスがありません。
さらに急速充電対応で、「出かける前の3分」で2時間以上再生できるのも頼もしいポイント。
実際の使用感
- 週5~6回、平均3〜4時間使用でも10日ほど持続
- フル充電まで約2.5時間で完了
- バッテリー音声ガイドが便利(残量低下時にアナウンス)
体験談の総評:生活に馴染む“ストレスフリー”ヘッドホン
「ATH-S300BT」は、「音質」「軽さ」「使いやすさ」のバランスが絶妙です。
特別な機能を追い求めるというより、“日常の中でずっと使える安心感”を重視した設計が光ります。
私が感じた総まとめ
- ✅ 毎日使っても疲れない軽さと装着感
- ✅ マルチポイントで仕事とプライベートを快適に切替
- ✅ 90時間の長時間再生で、バッテリーの心配が不要
- ✅ ボーカル主体の音楽や動画視聴に最適な自然な音質
- ✅ シンプルでどんな服装にも合うデザイン
どんなシーンにも寄り添ってくれる、“生活の相棒”のようなワイヤレスヘッドホン。
「ATH-S300BT」は、派手さよりも「確実に便利で、ずっと使いたくなる心地よさ」を求める人にぴったりの一台でした。
audio-technica 「ATH-S300BT」に関するQ&A

「ATH-S300BT」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「ATH-S300BT」は有線でも使えますか?
はい。付属の1.2mオーディオケーブル(マイク付き)を使用すれば有線接続が可能です。
バッテリーが切れても音楽再生できるため、飛行機内や遅延を避けたい動画編集時にも便利です。
「ATH-S300BT」のノイズキャンセリング性能はどの程度ですか?
中~高周波の環境音を中心に自然に抑えてくれるタイプです。
完全な無音化ではありませんが、電車内やカフェなどの「生活ノイズ」をほどよく軽減し、耳疲れを防ぎます。
外の音を取り込むヒアスルーモードも搭載されているため、コンビニの会計時などにも便利です。
マルチポイント接続はどんな使い方ができますか?
スマホとPCを同時に接続でき、PCで会議をしながらスマホ通知を受け取るなどが可能です。
会議終了後は自動で音楽再生に戻るなど、シームレスな切替が快適です。
ビジネス利用や在宅ワークにも適しています。
バッテリーはどのくらい持ちますか?
公称では最大90時間再生(NC OFF)、約60時間(NC ON)と非常に長持ちします。
さらに、3分充電で約2.5時間再生できる急速充電にも対応しており、出かける前の短時間でも十分に使えます。
「ATH-S300BT」の音質はどんな傾向ですか?
オーディオテクニカらしいナチュラルで明瞭な中高音域が特徴です。
ボーカルの輪郭がはっきりしており、ポップス・アコースティック・アニソンとの相性が抜群。
低音はタイトでキレのあるタイプなので、派手な重低音を求める方は軽くEQ調整すると良いでしょう。
装着感は長時間でも大丈夫ですか?
はい。約180gの軽量設計で、側圧も程よく調整されています。
耳あたりの柔らかいクッションが快適で、メガネ使用者でも長時間疲れにくい仕上がりです。
実際の使用では2~3時間の連続リスニングでも痛みを感じにくいレベルです。
「ATH-S220BT」との違いは?
| 比較項目 | ATH-S300BT | ATH-S220BT |
|---|---|---|
| ノイズキャンセリング | あり | なし |
| 外音取り込み | あり | なし |
| マルチポイント | 対応 | 対応 |
| バッテリー駆動 | 最大90時間 | 最大60時間 |
| 音質傾向 | フラット寄りで自然 | やや明るく軽快 |
| 重量 | 約180g | 約180g(ほぼ同等) |
「ATH-S300BT」は機能強化版といえる内容で、より多用途・高機能な万能モデルです。
ゲームや動画視聴に向いていますか?
遅延は非常に少なく、動画視聴には快適です。
ただし、タイミング精度を求める音ゲーやFPSでは、Bluetooth特有のわずかな遅延が発生するため、有線接続がおすすめです。
防水性能はありますか?
防水・防滴仕様ではありません。
汗や雨に強いスポーツモデルではないため、屋外利用時は注意が必要です。
軽い雨なら問題ないものの、雨天や運動用途では避けた方が安心です。
充電端子は何ですか?
USB Type-Cです。
上下の向きを気にせず差し込めるうえ、急速充電にも対応。
汎用性が高く、スマホと同じケーブルで充電できるのも利点です。
ノイズキャンセリングとヒアスルーの切替は簡単ですか?
はい。左側の専用ボタンを1回押すだけでモードを切り替えられます。
ノイズキャンセリング → オフ → ヒアスルーの順に循環するため、外出中でも直感的に操作可能です。ボイスガイドで状態が分かるのも便利です。
音漏れはしますか?
音量を極端に上げない限り、音漏れはほとんど気にならないレベルです。
密閉型ハウジングと柔らかいイヤーパッドにより、耳にしっかりフィットします。
通勤電車内でも、周囲に配慮しつつ快適に使えます。
aptXやLDACには対応していますか?
いいえ、SBCとAACのみ対応です。
ただしBluetooth 5.1による通信安定性が高く、YouTubeやSpotifyなどの一般的なストリーミング再生では音質的な不満はほとんど感じません。
他ブランドの同価格帯と比べてどんな強みがありますか?
同価格帯のSONY 「WH-CH520」やJBL 「Tune 520BT」と比べても、「ATH-S300BT」は装着感・バッテリー・音の自然さで優れています。
派手さはないものの、「毎日長く使う」という点では頭一つ抜けた安定感があります。
audio-technica 「ATH-S300BT」レビューのまとめ

「ATH-S300BT」は、軽さ・操作の分かりやすさ・圧倒的スタミナを三本柱に、毎日の「ながら聴き」を快適にしてくれるバランス型ワイヤレスヘッドホンです。
音は派手さよりも輪郭・明瞭感・聴き疲れしにくさを優先。
マルチポイントや物理ボタンの使いやすさもあって、通勤・在宅・動画視聴まで“迷わず使える”のが最大の魅力です。
推しポイント/気になった点
良いところ
- 長時間でもラク:軽量×適度な側圧×やわらかいパッド
- 聴きやすい音:ボーカル明瞭、低音はタイトで作業BGMに最適
- マルチポイント対応:スマホ+PCの切替がスムーズ
- スタミナ抜群:最長クラスの再生時間+急速充電
- 物理ボタン:ブラインド操作で誤反応が少ない
惜しいところ
- 重低音の量感は控えめ(EQで底上げすると◎)
- 横になっての視聴はイヤーカップの当たりが気になることがある
- 衣類や袖が当たるとボタン誤押しがまれに発生
こんな人におすすめ/そうでない人
| タイプ | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 通勤・通学で毎日使う | ◎ | 軽く、操作が簡単。収納もしやすい |
| 在宅ワーク(会議+音楽) | ◎ | マルチポイントで端末切替が快適 |
| ボーカル中心の楽曲が多い | ◎ | 中域がクリアで歌詞が聞き取りやすい |
| EDM・ヒップホップで重低音重視 | ○ | キレは良いが量感は控えめ(EQ推奨) |
| 競技系ゲームで無遅延重視 | △ | 有線なら可、ワイヤレスは用途次第 |
代替候補とのざっくり比較(選び分けの目安)
| 目的・好み | ATH-S300BT | SONY WH-CH520 | JBL Tune 520BT |
|---|---|---|---|
| 装着のラクさ | ◎ 軽く長時間◎ | ○ | ○ |
| 音の傾向 | フラット寄りで明瞭 | ややウォーム | 低域にノリ |
| 操作 | 物理ボタンで確実 | 物理ボタン | 物理ボタン |
| 端末切替 | マルチポイント快適 | 対応 | 対応 |
| 低音の迫力 | ○(質重視) | ○ | ○~◎(量感) |
※ 迫力重視ならJBL系、長時間ラク&聴きやすさ重視なら「ATH-S300BT」が有力。
使いこなしのコツ(手軽なEQと運用術)
- 低音ちょい足し:63~80Hz を +1~2dB
- ボーカル艶出し:2~3kHz を +1dB
- きらめき微調整:8~10kHz を +1dB
- 会議終了後に出力が戻りにくい時は、OSの音声出力先を手動切替で即解決
- 収納はスイーベルでフラット化 → 薄型スリーブが型崩れ防止に◎
audio-technica 「ATH-S300BT」レビューの総括
「ATH-S300BT」を使い込むほど感じるのは、「派手さよりも確かさに優れたヘッドホン」ということです。
軽くて装着感が良く、物理ボタンの操作も直感的。Bluetooth接続の安定性やマルチポイントの便利さ、そして90時間という圧倒的なスタミナが、日常のストレスを限りなく減らしてくれます。
音質はオーディオテクニカらしく自然で聴きやすく、ボーカルが明瞭に浮かび上がるバランスの良いサウンド。
長時間の作業や移動中でも耳が疲れず、どんなジャンルの音楽にも素直に寄り添ってくれる印象です。
また、シンプルで控えめなデザインは使う人を選ばず、ビジネス・カジュアルのどちらのシーンにも違和感なく馴染みます。
強い個性で主張するモデルではありませんが、毎日無意識に手が伸びる“定番”の存在感を持っています。
総じて、「ATH-S300BT」は「使いやすさ・快適さ・自然な音」を高次元で両立した、オーディオテクニカらしい誠実なヘッドホンです。
音楽を楽しみながらも、日々の作業や移動を穏やかに支えてくれる。
そんな“生活の伴走者”のような1台だと感じました。
静かに確かに、あなたの毎日に寄り添う――「ATH-S300BT」は、まさにそんなヘッドホンです。


