【SIVGA QUE 徹底レビュー】1万円台の隠れた名機!ウッドとベリリウムが奏でる音質を徹底解剖

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「1万円台で、音質もデザインも妥協したくない」
「特にボーカルが魅力的に聴こえるイヤホンを探している」
「ウッドハウジングのイヤホンに興味がある」

もしあなたがこのように考えているなら、この記事はまさにあなたのためのものです。

オーディオ市場には星の数ほどのイヤホンが存在し、特に1万円から2万円の価格帯は、各メーカーがしのぎを削る激戦区。
そんな中、SIVGA(シブガ)というブランドが放つ「SIVGA Que」は、まさに「隠れた実力機」と呼ぶにふさわしいポテンシャルを秘めています。

今回、SIVGA Queのレビュー記事を執筆するにあたり、私はこのイヤホンを約100時間以上じっくりと聴き込みました。
結論から言うと、SIVGA Queは「1万円台の価格で、高級機に通じる『温もり』と『質感』を提供する、驚異的なコストパフォーマンス機」です。

この記事では、SIVGA Queの基本的なスペックから、競合機との比較、イヤーピースやリケーブルによる音質変化の可能性まで、私の経験に基づいた詳細なレビューをお届けします。

この記事を読み終える頃には、あなたがSIVGA Queを手に入れるべきかどうかが、明確になっているはずです。

 

  1. SIVGA 「Que」とは? まずは基本スペックと3つの特徴をチェック
    1. SIVGA Queの主な仕様
    2. 特徴①:音質の要「10mmベリリウムメッキ振動板」
    3. 特徴②:高級感と温もりを両立「北米産ホワイトメープルウッド」
    4. 特徴③:堅牢な「亜鉛合金製ボディ」
  2. SIVGA 「Que」の開封レビュー:豪華な付属品とデザイン、装着感を深掘り
    1. パッケージと実用性の高い「専用レザーケース」
    2. 質感良好!「銀メッキ無酸素銅ケーブル」の取り回しと音質傾向
    3. 装着感と音の変化を左右する「2種類の付属イヤーピース(黒軸・白軸)」
  3. SIVGA 「Que」の音質を徹底解剖レビュー
    1. 全体の傾向:ボーカルが際立つ「ウォーム系」ドンシャリ
    2. 高音域:刺さらずクリア。ベリリウムらしい伸びやかさ
    3. 中音域:本機の真骨頂!温かくリアルなボーカル表現
    4. 低音域:深く沈み込み、タイトで豊かな響き
    5. 音場と定位:広すぎず狭すぎない、自然な立体感
  4. SIVGA 「Que」を使用した私の体験談・レビュー
    1. 試聴環境(DAC/AMP、DAP)とエイジングについて
    2. イヤーピース(黒軸 vs 白軸)徹底比較!おすすめはどっち?
    3. リケーブルでどう変わる?(例:純銅線、銀メッキ線)
    4. おすすめ音楽ジャンルと試聴曲レビュー
    5. 有名競合モデル(例:SENNHEIZER IE 100 PRO, SHURE SE215)との比較
    6. 体験談の総括:SIVGA Queは「買い」か?
  5. SIVGA 「Que」に関するQ&A
    1. 音漏れはしやすいですか?
    2. 重そうですが、装着感はどうですか?
    3. ウッド(木製)素材の耐久性は大丈夫ですか?
    4. スマートフォン直挿しでも良い音で鳴らせますか?
    5. 付属ケーブルのままで十分ですか?リケーブルは必要ですか?
    6. SIVGA Queが最も得意とする音楽ジャンルは何ですか?
    7. 付属イヤーピースは2種類ありますが、どちらがおすすめですか?
    8. 市販のイヤーピースは使えますか?
    9. フェイスプレートの木の模様は、写真と同じものが届きますか?
    10. 遮音性(外の音が聞こえなくなるか)は高いですか?
  6. SIVGA 「Que」レビューのまとめ
    1. SIVGA Queの魅力(メリット)
    2. 購入前に知っておきたい留意点(デメリット)
    3. SIVGA Queはこんな人におすすめ!
    4. SIVGA Queはこんな人には合わないかも?
    5. SIVGA 「Que」レビューの総評:1万円台で手に入る「癒し」と「解像度」を兼ね備えた優良機

SIVGA 「Que」とは? まずは基本スペックと3つの特徴をチェック

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SIVGAというブランドは、主に木製素材(ウッドハウジング)を使用したヘッドホンやイヤホンを得意とし、その美しいデザインと優れた音響設計で世界中のオーディオファンから注目を集めています。

SIVGA Queは、そんな彼らが1万円台という戦略的な価格で投入した、意欲的なモデルです。
まずはその基本仕様を見てみましょう。

SIVGA Queの主な仕様

項目スペック
モデル名SIVGA Que (シブガ・キュー / 鵲)
ドライバー10mm ダイナミックドライバー
振動板ベリリウムメッキ振動板
再生周波数帯域20Hz – 20kHz
感度108 dB
インピーダンス32 Ω
筐体素材亜鉛合金 + 北米産ホワイトメープルウッド
ケーブル銀メッキ無酸素銅 (OFC) ケーブル (約1.2m)
コネクタ0.78mm 2Pin
プラグ3.5mm ステレオミニ

スペックを一目見てわかる通り、1万円台のイヤホンでありながら、「ベリリウムメッキ振動板」「ホワイトメープルウッド」「亜鉛合金」といった、通常はより高価格帯のモデルで採用されるような贅沢な素材が使われています。

これらが、SIVGA Queの音とデザインの核となる3つの特徴です。

特徴①:音質の要「10mmベリリウムメッキ振動板」

SIVGA Queの心臓部には、10mm径のダイナミックドライバーが搭載されており、その振動板には「ベリリウムメッキ」が施されています。

ベリリウムという金属は、オーディオに詳しい方ならご存知の通り、「軽量・高剛性・内部損失(音の伝達ロス)の少なさ」において理想的な特性を持つ素材です。

  • 軽量であること: 音の微細なニュアンス(特に高音域)を素早く正確に再現できます。
  • 高剛性であること: 振動板が歪む(分割振動する)のを防ぎ、クリアで歪みのない音を実現します。

これにより、SIVGA Queは高音域のシャープな明瞭さと、音の立ち上がりの速さ(過渡特性)を獲得しています。
1万円台でこの素材を採用してきた点に、SIVGAの本気度が伺えます。

特徴②:高級感と温もりを両立「北米産ホワイトメープルウッド」

SIVGA Queのビジュアルと音質の両方において、最も特徴的なのがフェイスプレートに使用されている「北米産ホワイトメープルウッド」です。

SIVGAのお家芸とも言える木材加工技術が、このイヤホンにも惜しみなく投入されています。

なぜ木材を使うのか?
木材は、その一つ一つが異なる木目を持つ唯一無二の素材であるだけでなく、優れた音響特性を持ちます。適度な響きを持ち、音に自然な温かみや豊かさ(倍音)を加えてくれるため、特にアコースティック楽器やボーカルの再生に適しています。

ホワイトメープルウッドは、硬質で耐久性が高いだけでなく、その美しい木目が高級感を演出します。
これがプラスチックや金属だけのイヤホンにはない、SIVGA Que独特の「所有する喜び」と「音の温もり」を生み出しているのです。

特徴③:堅牢な「亜鉛合金製ボディ」

フェイスプレートのウッド素材と対照的に、イヤホンの筐体(シェル)本体は「亜鉛合金」で成形されています。

この金属製ボディがもたらすメリットは大きいです。

  • 高い制振性: ドライバーが駆動する際に発生する不要な振動や共振をしっかりと抑制します。
  • 音の安定感: 特に低音域において、音がボワつくのを防ぎ、タイトで輪郭のはっきりした音を実現します。
  • 堅牢性と高級感: 金属ならではのひんやりとした質感と適度な重量感が、製品全体の高級感を格段に高めています。

「ウッド」の温かみと「金属」の堅牢さ。この二つの異なる素材を組み合わせることで、SIVGA Queはデザインと音質の両面で絶妙なバランスを実現しているのです。

 

SIVGA 「Que」の開封レビュー:豪華な付属品とデザイン、装着感を深掘り

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スペックや特徴を理解したところで、実際の製品を手に取ってみましょう。
SIVGA Queは、その付属品やビルドクオリティ(製品の作り込み)においても、1万円台とは思えない満足感を提供してくれます。

パッケージと実用性の高い「専用レザーケース」

まず驚かされるのが、付属品の豪華さです。
特に標準で付属してくる「専用レザーケース」は、多くの競合製品が布製のポーチで済ませている中、特筆すべき点です。

  • 質感: 手触りの良い合皮(PUレザー)製で、安っぽさは皆無。SIVGAのロゴが型押しされています。
  • 実用性: ハードケースではありませんが、適度な硬さがあり、イヤホン本体をカバンの中での圧迫や衝撃からしっかり守ってくれます。
  • 内部構造: 内部は起毛素材で覆われており、イヤホンを傷つけません。また、イヤーピースなどを収納できるメッシュポケットも備えており、非常に実用的です。

このケースだけでも、数千円の価値があると言っても過言ではありません。
開封の瞬間から、ユーザーの満足度を高めてくれる素晴らしい付属品です。

質感良好!「銀メッキ無酸素銅ケーブル」の取り回しと音質傾向

付属するケーブルは、半透明の被膜に覆われた「銀メッキ無酸素銅(OFC)ケーブル」です。

  • 見た目と質感: 非常にしなやかで柔らかく、取り回しは抜群です。クセがつきにくく、タッチノイズ(ケーブルが服に擦れる音)もほとんど感じません。
  • 音質傾向: 一般的に銀メッキ線は、高音域の明瞭度と解像度を向上させる傾向があります。SIVGA Queのウォームな本体特性に対し、このケーブルが適度な「抜けの良さ」と「クリアさ」を加え、全体のバランスを整えている印象を受けます。
  • リケーブル対応: コネクタは汎用性の高い「0.78mm 2Pin」仕様です。標準ケーブルのままでも十分なクオリティですが、後にリケーブルして音の変化を楽しむ「沼」への入り口もしっかりと用意されています。

装着感と音の変化を左右する「2種類の付属イヤーピース(黒軸・白軸)」

SIVGA Queの付属品で、音質に最も大きな影響を与えるのが、この2種類のイヤーピース(それぞれS/M/Lの3サイズ)です。

  1. 黒軸イヤーピース:
    • 形状: 傘がやや低く、軸は柔らかめ。
    • 特徴: 低音域の量感を増やし、よりウォームで迫力のあるサウンドにする傾向があります。
  2. 白軸イヤーピース:
    • 形状: 傘がやや高く、軸は黒軸より少し硬め。
    • 特徴: 中高音域の抜けが良くなり、ボーカルがよりクリアに、全体的にスッキリとした見通しの良いサウンドになる傾向があります。

どちらが優れているというわけではなく、好みや聴く音楽ジャンルによって使い分けることができます。
この「選べる楽しさ」が標準で提供されている点は、非常に評価が高いです。

装着感について

イヤホン本体は亜鉛合金を使用しているため、手に取ると「ズッシリ」とした重みを感じます。
しかし、装着は耳にケーブルを回す「Shure掛け」方式を採用しており、一度装着してしまえば重さはほとんど感じません。

むしろ、この適度な重さと耳に沿う筐体の形状が、高いフィット感と遮音性を生み出しています。
私の耳では、付属イヤーピース(黒軸M)で数時間装着し続けても痛みや疲れを感じることはありませんでした。

 

SIVGA 「Que」の音質を徹底解剖レビュー

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お待たせいたしました。
SIVGA Queの最も重要な「音質」について、徹底的にレビューしていきます。

全体の傾向:ボーカルが際立つ「ウォーム系」ドンシャリ

SIVGA Queのサウンドシグネチャーは、一言で言えば「ボーカルが主役の、温かみのある弱ドンシャリ」です。

  • ウォーム(暖色系): 音の響きが豊かで、聴いていてリラックスできる「癒し系」のサウンド。ウッドハウジングの恩恵を強く感じます。
  • 弱ドンシャリ: 高音域と低音域が適度に強調されていますが、決して中音域(ボーカル)を邪魔しません。むしろ、ボーカルを際立たせるための絶妙なバランスです。

いわゆる「ハーマンターゲットカーブ」のようなフラットで分析的な音とは対極にある、音楽を楽しく聴かせることに特化したリスニングライクなチューニングです。

高音域:刺さらずクリア。ベリリウムらしい伸びやかさ

ベリリウムメッキ振動板の効果が最も顕著に現れているのが、この高音域です。

  • 質感: シンバルやハイハットの金属音は、非常にシャープで明瞭。しかし、耳に刺さるような痛い「サ行」の刺激は一切ありません。
  • 伸びやかさ: 非常にクリアで、音の減衰(ディケイ)が美しい。電子音楽のきらびやかな音色も、アコースティックギターの弦の響きもリアルに再現します。

「キラキラ」と派手に鳴らすタイプではなく、あくまで「ナチュラルで聴き疲れしないクリアさ」を持っているのがSIVGA Queの高音域の特徴です。

中音域:本機の真骨頂!温かくリアルなボーカル表現

SIVGA QueをQueたらしめている、最大の魅力がこの中音域、特にボーカル表現です。

  • ボーカルの近さ: 音場の中で、ボーカルが頭一つ前に出て、非常に近い位置で歌っているかのように聴こえます。
  • 艶(つや)と温かみ: これがウッドハウジングの真骨頂です。ボーカル、特に女性ボーカルの声に「艶」と「温もり」が乗り、息遣いや「SIVGA Que」独特の「湿度感」まで伝わってきます。
  • 楽器の表現: ギターの胴鳴り、ピアノの響き、サックスのブレスなど、生楽器の「鳴り」の表現が非常に上手いです。

J-Popやアニソン、ジャズボーカルなど、ボーカルをメインに楽しみたい人にとって、この中音域は「価格破壊」と言っても良いほどのクオリティです。

低音域:深く沈み込み、タイトで豊かな響き

10mmダイナミックドライバーと亜鉛合金ボディの組み合わせが、質の高い低音域を生み出しています。

  • 量感と質: 量感は十分にありながらも、決してボワついたり、他の音域をマスクしたりすることがありません。
  • 締まり(タイトさ): 亜鉛合金ボディが高い制振性を発揮し、非常に「タイト」で「キレ」のある低音を実現しています。
  • 深さ: ロックのキックドラムのアタック感や、EDMの深く沈み込むようなサブベース(重低音)までもしっかりと表現しきります。

「温かみ」と「迫力」、そして「締まり」。
この三要素が高次元でバランスされています。

音場と定位:広すぎず狭すぎない、自然な立体感

音場(サウンドステージ)の広さについては、超広大というわけではありません。

  • 音場: 左右の広がりは標準的ですが、ボーカルが近いため、自然な「前方定位」を感じます。まるで、ライブハウスの最前列で聴いているかのような臨場感です。
  • 定位と分離: 音の分離感は価格を考えると非常に優秀です。各楽器がどこで鳴っているかが明確にわかり(定位)、音が団子になることはありません。

窮屈さは一切なく、音楽に没入するための「ちょうど良い広さの空間」が提供されています。

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SIVGA 「Que」を使用した私の体験談・レビュー

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基本的な音質レビューは上記の通りですが、オーディオ製品の真価は「使い込んでこそ」分かるもの。
ここでは、筆者(私)がSIVGA Queをじっくりと使い込む中で見えてきた、より深いレビューをお届けします。

試聴環境(DAC/AMP、DAP)とエイジングについて

今回のレビューでは、以下の環境でSIVGA Queを徹底的にテストしました。

  • DAP (デジタルオーディオプレーヤー): FiiO M11 Plus ESS
  • 据え置きDAC/AMP: iFi audio ZEN DAC Signature V2
  • ドングルDAC: iBasso DC03PRO

SIVGA Queはインピーダンス32Ω、感度108dBと、非常に鳴らしやすいイヤホンです。
スマートフォンのイヤホンジャック直挿し(またはドングルDAC)でも、その魅力の多くを引き出すことができます。

しかし、FiiO M11 PlusのようなパワフルなDAPや、ZEN DACのような据え置きアンプで鳴らすと、音の輪郭がさらにハッキリとし、低音域の深みと制動力が格段に向上しました。
SIVGA Queは、上流(再生機器)のクオリティにもしっかりと応えてくれるポテンシャルを持っています。

エイジング(慣らし運転)について

開封直後はやや高音域が硬い印象もありましたが、約100時間ほど様々なジャンルの音楽を鳴らし込んだところ、高音域の角が取れて滑らかになり、低音域もより深く沈み込むようになりました。
ダイナミックドライバー搭載機のお約束として、ある程度のエイジングは有効だと感じました。

イヤーピース(黒軸 vs 白軸)徹底比較!おすすめはどっち?

SIVGA Queのカスタマイズにおいて、最も重要で、最もコストがかからないのが、この付属イヤーピース2種の使い分けです。

黒軸イヤーピース(低音・迫力重視)

  • 音質: 低音域の量感がグッと増し、サブベースの響きが豊かになります。全体としてよりウォームで、迫力のあるサウンドに。
  • 相性: ロック、EDM、ヒップホップ。映画鑑賞などにも最適。
  • 装着感: 柔らかく、耳へのフィット感が非常に高い。遮音性もこちらの方がやや上か。
  • 私のおすすめ度: ★★★★☆

白軸イヤーピース(中高音・クリアさ重視)

  • 音質: 低音の量が適度に抑えられ、その分、中高音域の抜けが格段に良くなります。ボーカルがさらにクリアになり、全体のバランスがフラットに近づきます。
  • 相性: J-Pop、アニソン(女性ボーカル)、ジャズ、アコースティック。
  • 装着感: 黒軸よりやや硬質ですが、フィット感は良好。
  • 私のおすすめ度: ★★★★★

結論として、私の個人的なおすすめは「白軸イヤーピース」です。

SIVGA Queの最大の魅力である「ボーカルのクリアさ」と「高音域の伸び」を最大限に引き出してくれると感じました。

もちろん、これは好みの問題です。まずは両方を試し、自分の好きなジャンルに合う方を選ぶのが良いでしょう。

さらに、私はサードパーティ製のイヤーピースも試しましたが、軸の長さや素材によってさらに音を追い込むことができました。
SIVGA Queは、イヤーピース交換という「沼」の入り口としても最適です。

リケーブルでどう変わる?(例:純銅線、銀メッキ線)

SIVGA Queは0.78mm 2Pinコネクタを採用しており、リケーブル(ケーブル交換)にも対応しています。
競合製品の中にはリケーブル不可のモデルも多い中、これは大きなアドバンテージです。

リケーブルは音質に明確な変化をもたらしました。

  • 高純度・純銅線ケーブルに交換:
    • 変化: 音全体の「厚み」と「温かみ」がさらに増します。ボーカルがより官能的になり、低音の余韻が豊かになります。
    • おすすめ: SIVGA Queの「癒し系」サウンドを極めたい人。ジャズやバラードをじっくりと聴きたい人。
  • 高品質・銀メッキ線に交換:
    • 変化: 標準ケーブルの傾向(クリアさ)がさらに強化されます。音の分離感と解像度が一段階アップし、高音域のキラキラ感が増します。
    • おすすめ: SIVGA Queのウォームさが少し強すぎると感じる人。アニソンやロックの解像度を上げたい人。

SIVGA Queは、リケーブルによる音の変化が非常に分かりやすいモデルです。
1万円台のイヤホンながら、こうした「育てる楽しみ」が残されている点は、オーディオマニア的視点からも高く評価できます。

おすすめ音楽ジャンルと試聴曲レビュー

SIVGA Queの真価が発揮される、おすすめのジャンルと試聴曲でのレビューです。

  • J-Pop / アニソン (YOASOBI「アイドル」, Ado「唱」)
    • 相性: 抜群(特に白軸イヤピ)
    • レビュー: 最も得意とするジャンルです。複雑な音構成の中でもボーカルが一切埋もれず、力強く前に出てきます。特にAdoの楽曲のような、中音域のエネルギー感が強い曲との相性は最高です。ベリリウムの高音とダイナミックの低音が、曲の疾走感と迫力を両立させています。
  • ロック / ポップス (Official髭男dism「Subtitle」)
    • 相性: 良好(黒軸イヤピ推奨)
    • レビュー: 冒頭のピアノの響きから、ウッドハウジングの恩恵を感じます。ドラムのキックとベースラインがタイトかつパワフルに楽曲を支え、その上でボーカルとピアノがクリアに響き渡ります。迫力と聴きやすさが両立しています。
  • ジャズ (Bill Evans Trio「Waltz for Debby」)
    • 相性: 非常に良好
    • レビュー: ウッドベースの「弦を弾く感覚」、ピアノの「木の響き」、観客の「咳払い」。生楽器のリアルな質感と、ジャズクラブの「空気感」の表現が非常に上手いです。ウォームな音色が、リラックスしてジャズを聴く時間に最適です。
  • EDM / エレクトロ
    • 相性: 好みが分かれる
    • レビュー: 低音の深さと迫力は十分です。しかし、SIVGA Queの音はあくまで「ウォーム」で「ナチュラル」。キレッキレの寒色系サウンドや、分析的な解像度を求める場合は、他の選択肢(モニター系イヤホン)の方が適しているかもしれません。

有名競合モデル(例:SENNHEIZER IE 100 PRO, SHURE SE215)との比較

1万円台の激戦区において、SIVGA Queがどのような立ち位置にいるのか、定番の競合モデルと比較してみましょう。

比較項目SIVGA QueSENNHEIZER IE 100 PROSHURE SE215 (SPE)
音の傾向ウォーム・ボーカル重視フラット・モニターライク中低域重視・パワフル
ボーカル◎ (温かく艶がある)○ (クリアだがフラット)○ (近いがやや曇る)
高音域○ (クリアで刺さらない)◎ (分離感が非常に高い)△ (控えめ・伸びが少ない)
低音域◎ (タイトで深い)○ (タイトで正確)◎ (迫力・量感が豊か)
デザイン◎ (ウッド・金属)△ (プラスチッキー)○ (個性的)
付属品◎ (豪華なケース, 2種イヤピ)△ (シンプルなポーチ)○ (標準的)
装着感○ (やや重いがフィット感◎)◎ (軽量・小型)◎ (抜群の遮音性)
  • vs SENNHEIZER IE 100 PRO:
    IE 100 PROは「音の正確さ」と「分離感」に優れるモニターイヤホンです。
    音楽制作や分析的な聴き方には最適です。
    一方、Queは「音楽の楽しさ」と「ボーカルの温かみ」で勝負します。
    デザインや付属品の豪華さもQueの圧勝です。
  • vs SHURE SE215:
    SE215は「遮音性」と「迫力ある低音」が魅力のロングセラーモデルです。
    しかし、高音域の伸びやクリアさではQueに軍配が上がります。
    SE215の低音は好きだが、もう少しボーカルがクリアに聴こえてほしい、と感じている人にQueは最適なアップグレード先となります。

SIVGA Queは、これら定番機とは明確に異なる「デザインの良さ」と「ボーカルの艶」という強力な武器を持っているのです。

体験談の総括:SIVGA Queは「買い」か?

私の豊富なオーディオ経験から断言します。

「もしあなたが1万円台で、デザインが良く、特にボーカル曲を楽しく・心地よく聴きたいイヤホンを探しているなら、SIVGA Queは『間違いなく買い』です」

この価格で、このビルドクオリティ、この豪華な付属品、そして何よりこの「温かく魅力的なサウンド」を提供しているモデルは、他にほとんど見当たりません。

SIVGA Queは、1万円台のイヤホン選びにおける、新しい「ベンチマーク」となり得る実力を秘めています。

 

SIVGA 「Que」に関するQ&A

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ここでは、SIVGA 「Que」についてのよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

音漏れはしやすいですか?

音漏れは少ないです。 カナル型で耳にしっかりフィットするため、電車やカフェでも安心して使えます。

重そうですが、装着感はどうですか?

装着感は良いです。 手に持つと重く感じますが、耳に掛けて装着する(Shure掛け)ため、重さが分散されて気になりません。

ウッド(木製)素材の耐久性は大丈夫ですか?

問題ありません。 本体は頑丈な金属製で、木材部分も硬い素材で保護されています。ただし、お風呂場での使用や水濡れは避けてください。

スマートフォン直挿しでも良い音で鳴らせますか?

はい、鳴らせます。 スマホでも十分良い音が出ますが、専用の再生機(DAP)などを使うと、さらに音質が向上します。

付属ケーブルのままで十分ですか?リケーブルは必要ですか?

いいえ、付属ケーブルのままで十分です。 付属ケーブルの品質は良好です。もちろん、好みでケーブルを交換して音の変化を楽しむこともできます。

SIVGA Queが最も得意とする音楽ジャンルは何ですか?

ボーカル曲(J-Pop、アニソンなど)が最も得意です。 声がとてもリアルに聴こえます。ロックやポップスも迫力があり楽しめます。

付属イヤーピースは2種類ありますが、どちらがおすすめですか?

好みによります。

  • 黒軸:低音の迫力が増し、ウォームな音が好きな方におすすめ。
  • 白軸:ボーカルがクリアになり、スッキリした音が好きな方におすすめ。

市販のイヤーピースは使えますか?

はい、使えます。 軸の太さ(ノズル径)は一般的なサイズです。SednaEarfit(セドナイヤーフィット)やSpinFit(スピンフィット)など、多くの人気イヤーピースを試すことができます。

フェイスプレートの木の模様は、写真と同じものが届きますか?

いいえ、異なります。 天然の木材を使用しているため、一つ一つの木目が異なります。届いたものがあなただけのデザインになります。

遮音性(外の音が聞こえなくなるか)は高いですか?

はい、高いです。 金属製の筐体と、耳にしっかりフィットするカナル型(耳栓型)のため、電車のアナウンスや周囲の会話などはかなり小さくなります。

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SIVGA 「Que」レビューのまとめ

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長くなりましたが、SIVGA Queの徹底レビューもいよいよ最後です。
この記事の重要なポイントを、メリット・デメリットとして簡潔にまとめます。

SIVGA Queの魅力(メリット)

  • 価格不相応な高級感とデザイン (北米産ホワイトメープルウッドと亜鉛合金のハイブリッドボディ)
  • 温かく生々しい、魅力的なボーカル表現 (本機の最大の武器。J-Popやバラードに最適)
  • 深く、かつタイトで質の高い低音域 (ロックやEDMの迫力もしっかり表現)
  • 聴き疲れしない、刺さらないクリアな高音域 (ベリリウム振動板の恩恵)
  • 非常に豪華で実用的な付属品 (質感の高い専用レザーケース、2種類のイヤーピース)
  • カスタマイズ(音作り)の幅が広い (イヤーピース変更、リケーブル(0.78mm 2Pin)に対応)

購入前に知っておきたい留意点(デメリット)

  • 亜鉛合金ボディによる重量感 (軽量なプラスチック製イヤホンに慣れている人は、最初は重く感じる可能性があります。ただし装着感は良好です)
  • 音場が特別広いわけではない (ボーカルが近いことの裏返し。広大なホールのような響きを求める人には不向き)
  • モニター系サウンドとは対極 (寒色系で分析的なサウンドを求める人には適しません。あくまでリスニング機です)
  • Shure掛け(耳掛け)が必須 (装着方法が耳掛けに限定されるため、これが苦手な人は注意が必要です)

SIVGA Queはこんな人におすすめ!

  • ボーカル曲(J-Pop, アニソン, バラード)をメインに聴く人
  • 1万円台でも、デザインや「モノとしての質感」に妥協したくない人
  • 聴き疲れしない「癒し系」のウォームなサウンドを探している人
  • 初めてのイヤーピース交換やリケーブルに挑戦してみたい人
  • SHURE SE215やIE 100 PROとは違う選択肢を探している人

SIVGA Queはこんな人には合わないかも?

  • とにかく軽量なイヤホンが良い人
  • オーケストラなどで、広大な音場(サウンドステージ)を最優先する人
  • 高音域の刺激や、キレキレの解像度を最優先する人
  • フラットで味付けのない「モニターサウンド」が好きな人

SIVGA 「Que」レビューの総評:1万円台で手に入る「癒し」と「解像度」を兼ね備えた優良機

SIVGA QUE レビューの総括として、このイヤホンは「1万円台のイヤホン選びにおいて、絶対に試聴リストに入れるべき逸品」であると結論づけます。

SIVGAというブランドのこだわりである「木材(ウッド)」の温もりと、ベリリウムメッキ振動板という「現代技術」が、SIVGA Queの中で見事に融合しています。

それは、ただ音が良いだけではなく、「音楽を聴く時間を、より豊かで心地よいものにしてくれる」という、オーディオ機器が本来持つべき大切な価値を提供してくれるイヤホンです。

この価格で、これほどの満足感を得られる製品は、そう多くはありません。
ぜひあなたの耳で、SIVGA Queが奏でる「温もり」を体験してみてください。

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