「ノイズキャンセリング機能は欲しい。でも、耳の穴をギュッと塞ぐカナル型(耳栓型)の圧迫感がどうしても苦手で、長時間つけていられない……」
これは、ワイヤレスイヤホン市場において、長年解決されることのなかった「二律背反」の悩みでした。
遮音性を高めて静寂を手に入れるには、耳を密閉しなければならない。
しかし、密閉すればするほど、耳への物理的な負担は増し、蒸れや痛みが生じる。
このトレードオフは解消不可能だと、誰もが思っていました。
しかし2024年、Appleはその常識を技術力でねじ伏せました。
「AirPods 4(アクティブノイズキャンセリング搭載モデル)」の登場です。
従来、開放型(オープンイヤー)のイヤホンにノイズキャンセリングを搭載することは「無駄」だと言われてきました。
物理的な遮音性がない状態で、デジタル処理だけで騒音を消すことなど不可能だと。
しかし、Appleは自社製シリコン「H2チップ」の圧倒的な演算能力を駆使し、耳を塞がないまま静寂を作り出すという「魔法」を実現しました。
この記事では、この革新的なイヤホンを、オーディオ機器に精通したライターの視点と、毎日WEB会議や執筆作業でイヤホンを酷使するヘビーユーザーの視点の双方から徹底的にレビューします。
上位モデルである「AirPods Pro 2」との詳細な比較、前作からの進化点、そしてスペック表には載らない「実際の生活での使い心地」や「音漏れ」の真実まで、余すことなくお伝えします。
- Apple 「AirPods4」のの基本スペックとデザインの劇的進化
- Apple 「AirPods4」の常識を覆すノイズキャンセリングと音質性能
- Apple 「AirPods4」の日常の使い勝手を左右する機能・操作性
- Apple 「AirPods4」を使用した私の体験談・レビュー
- Apple 「AirPods4」に関するQ&A
- 走ったり、ジムで運動しても落ちませんか?
- 「寝ホン(寝ながら使用)」には向いていますか?
- Androidスマホでも使えますか?
- 音ゲーやFPSでの「音ズレ」は気になりますか?
- 結局、8,000円安い「ANCなしモデル」じゃダメですか?
- 前使っていた「AirPods 3」のケースカバーはそのまま使えますか?
- 片耳だけで使えますか?(仕事中に片方空けておきたい)
- 飛行機の座席モニターで映画は見られますか?
- iPhoneとMac、iPadの切り替えはスムーズですか?
- イヤホンの軸をなぞって「音量調整」はできますか?(Pro 2みたいに)
- 初代や第2世代(軸が長いタイプ)から買い替える価値はありますか?
- Web会議中、イヤホン操作だけで「マイクミュート」はできますか?
- 「空間オーディオ」って、正直使いますか?
- Apple 「AirPods4」レビューのまとめ
Apple 「AirPods4」のの基本スペックとデザインの劇的進化

まずは、AirPods 4が前作からどのように進化したのか、基本スペックとデザイン面から掘り下げていきます。
一見すると前作「AirPods 3」と似ていますが、中身は完全に別物と言っていいほどの進化を遂げています。
ANC(ノイズキャンセリング)あり・なしモデルの違い
今回のAirPods 4には、非常に重要な注意点があります。
それは「2つのラインナップ」が存在することです。
ここを理解せずに購入すると、後で大きな後悔をすることになります。
まずは以下の比較表で整理しましょう。
| 機能・仕様 | AirPods 4 (ANC搭載) | AirPods 4 (通常版) |
|---|---|---|
| 価格 (税込) | 29,800円 | 21,800円 |
| チップセット | H2チップ | H2チップ |
| アクティブノイズキャンセリング | 対応 | 非対応 |
| 外部音取り込みモード | 対応 | 非対応 |
| 適応型オーディオ | 対応 | 非対応 |
| 会話検知機能 | 対応 | 非対応 |
| ケースのワイヤレス充電 | 対応 (MagSafe/Apple Watch/Qi) | 非対応 (USB-C有線のみ) |
| ケースのスピーカー | あり (「探す」機能用) | なし |
| サイズ・重量 (片耳) | 4.3 g | 4.3 g |
【結論:選ぶべきは「ANC搭載モデル」一択】
価格差は約8,000円です。
しかし、この差額で「実用的なノイズキャンセリング」と「ワイヤレス充電の利便性」、「探す機能のスピーカー」が手に入ると考えれば、コストパフォーマンスはANCモデルの方が圧倒的に高いと言えます。
特に、充電のたびにケーブルを挿す手間が省けるワイヤレス充電機能の有無は、毎日のストレスに直結します。基本的にはANC搭載モデルの購入を強く推奨します。
史上最小クラスへ:充電ケースの小型化とUSB-C移行
パッケージを開けて実機を手にした瞬間、誰もがその「小ささ」に驚くはずです。
前作のAirPods 3や上位機のAirPods Pro 2と比較しても、体積比で約30%もの小型化が図られています。
- ポケットの「異物感」が消滅
ジーンズのコインポケットや、シャツの胸ポケットにもすんなり収まるサイズ感です。
スキニーパンツのポケットに入れてもシルエットが崩れず、座った時の太ももへの圧迫感もありません。
これまで「ケースが邪魔だから」と持ち運びを躊躇していた場面でも、AirPods 4なら気軽に携帯できます。 - 待望のUSB-C端子採用
ついにLightningケーブルから解放されました。
iPhone 15/16シリーズやMacBook、iPadと同じケーブルで充電可能です。
旅行や出張の際、専用のケーブルを持ち歩く必要がなくなったのは、Appleユーザーにとって悲願とも言えるアップデートです。 - 「探す」機能とスピーカー(ANCモデルのみ)
この小ささでありながら、ANC搭載モデルのケース底面にはスピーカー穴があります。
家の中でケースが見当たらない時、「探す」アプリから音を鳴らして場所を特定できます。
この機能は地味ですが、忙しい朝には救世主となります。
耳への「乗せ心地」が変わった?形状変更とフィット感
「オープンイヤー型は外れやすい」「自分の耳に合うか不安」という懸念を持つ方も多いでしょう。
Appleはこの課題に対し、フォトグラメトリ(写真測量)と3Dモデリングを駆使し、世界中の数千もの耳の形状データを解析してデザインを刷新しました。
- 「丸」から「角の取れた四角」へ
前作AirPods 3が全体的に丸みを帯びていたのに対し、AirPods 4はわずかに角を感じさせる絶妙なカーブを描いています。
これは、耳珠(耳の手前の突起)と対珠(軟骨部分)に引っかかりやすくするための工夫です。 - 点ではなく面で支える
耳の穴に無理やり押し込むのではなく、耳介(耳のくぼみ)の複数のポイントに優しくフィットして固定される感覚です。
「刺さっている」のではなく「乗っている」のに、首を振ってもズレない。
この不思議な安定感は、内部コンポーネントの配置見直しによる重心バランスの最適化も寄与しています。
実際に装着して軽いジョギングをしてみましたが、前作よりも明らかに「収まり」が良く、汗をかいても滑り落ちる不安が軽減されていました。
Apple 「AirPods4」の常識を覆すノイズキャンセリングと音質性能

ここが今回のレビューのハイライトであり、AirPods 4の存在意義そのものです。
耳を塞がないスカスカの状態で、本当にノイズキャンセリングは効くのでしょうか?
オープンイヤー型でなぜ消える?ANCの実力を検証
AirPods 4のノイズキャンセリング性能は、技術的な観点から見ても「魔法」と表現したくなるレベルです。
通常、ノイズキャンセリングは「パッシブな遮音(耳栓効果による物理的なカット)」と「アクティブな相殺音(デジタル処理)」の組み合わせで成立します。
しかし、AirPods 4には耳栓効果がほぼありません。
それにもかかわらず、ANCをオンにした瞬間、世界がスッと静まり返ります。
これは、搭載された「H2チップ」が毎秒48,000回もの処理を行い、オープンイヤー特有の音響特性に合わせてリアルタイムでノイズを打ち消しているからです。
【実際に消える音・消えない音】
- 劇的に消える音(◎)
- エアコンや換気扇の「ゴーッ」という空調音
- 飛行機内、新幹線、地下鉄の「ゴゴゴゴ」というロードノイズ
- PCの冷却ファン、冷蔵庫のモーター音
- 軽減される音(○)
- カフェのガヤガヤした環境音(全体的に音が遠くへ行く感覚)
- 車の走行音
- 残る音(△)
- 人の話し声(特に高音域)
- 救急車のサイレン、店内の呼び出しベル
- 食器のカチャカチャ音、キーボードの打鍵音
「完全な無音」ではありませんが、「不快な低周波ノイズだけをピンポイントで抜き取る」ような感覚です。
これにより、音楽のボリュームを上げなくても、歌詞や楽器の繊細な音がはっきりと聞き取れるようになります。
カナル型「AirPods Pro 2」とのノイキャン性能比較
多くの人が最も気になる「AirPods Pro 2」との比較です。
忌憚のない評価をお伝えします。
【静寂性の勝者:AirPods Pro 2】
やはり物理的に耳を塞ぐシリコンイヤーチップの壁は厚いです。
飛行機内や工事現場の近くなど、極限の騒音下で「完全な無音」を作りたいなら、間違いなくPro 2に軍配が上がります。
数値化するなら、Pro 2の遮音性を100とすれば、AirPods 4は70~75程度です。
【快適性の勝者:AirPods 4】
一方で、強力すぎるノイキャン特有の「耳が詰まるような圧迫感(ツーンとする感じ)」が、AirPods 4には一切ありません。
「Pro 2のノイキャンは強すぎて酔う」という人でも、AirPods 4なら快適に使える可能性が高いです。
日常使いにおける「適度な静寂」としては、むしろAirPods 4の方がバランスが良いと感じる場面も多々あります。
H2チップがもたらす音質向上と空間オーディオ
音質に関しても、Pro 2と同等のH2チップと新しい音響アーキテクチャのおかげで、オープンイヤーとは思えない厚みのあるサウンドを実現しています。
- 低音の迫力
「オープン型は低音がスカスカになる」という定説を覆し、しっかりと芯のある低音(バスドラムやベース)が響きます。
密閉型のような「脳を揺らす低音」ではありませんが、空気感を含んだ抜けの良い、気持ちの良い低音です。 - アダプティブイコライゼーション
耳の形は人それぞれ異なります。
AirPods 4は内向きのマイクで耳の中の音の反響を測定し、低域と中域の周波数を自動調整します。
これにより、誰が着けてもアーティストが意図した通りのサウンドバランスで聴くことができます。 - 空間オーディオ
ダイナミックヘッドトラッキングに対応しており、映画やライブ映像を見ると、まるで映画館にいるかのような臨場感を味わえます。
頭を動かしても音の位置が固定されるため、映像コンテンツへの没入感が段違いです。
Apple 「AirPods4」の日常の使い勝手を左右する機能・操作性

Apple製品の真骨頂は、スペック表には現れない「使い勝手」の良さにあります。
AirPods 4もその例に漏れず、生活に溶け込む機能が満載です。
装着したままでOK?「外部音取り込み」と「会話検知」
オープンイヤー型なので元々外の音は聞こえますが、ANC搭載モデルには「外部音取り込みモード」も搭載されています。
これをオンにすると、マイクが集音した周囲の音を自然に増幅して再生するため、「何も着けていないとき以上に周囲の音がクリアに聞こえる」という不思議な感覚になります。
さらに「会話検知機能」が非常に優秀です。
コンビニのレジなどで自分が話し始めると、自動的に以下の動作が行われます。
- 音楽のボリュームを下げる
- 周囲のノイズを抑える
- 目の前の人の声を強調する
会計が終わって会話が止まると、自動的に元の音量に戻ります。
イヤホンを外す動作はおろか、一時停止の操作すら不要になるのです。
首を振ってSiri応答:ハンズフリー操作の進化
地味ながら非常に便利なのが、iOS 18の新機能として搭載された「Siriに対するジェスチャー操作」です。
例えば、満員電車でつり革を持っていて両手が塞がっている時、あるいは静かなエレベーターの中で声を出せない時に電話がかかってきたとします。
Siriが「着信です。応答しますか?」と尋ねてきたら:
- 首を縦に振る(うなずく) → 電話に出る
- 首を横に振る(いやいや) → 着信拒否
加速度センサーの精度が高く、小さな動作でも正確に認識してくれます。
声を出さずに、指一本動かさずに操作ができるのは、スマートデバイスとしての完成度を一段階引き上げています。
バッテリー持続時間と多彩なワイヤレス充電対応
バッテリー性能は以下の通りです。
- イヤホン単体:最大5時間(ANCオン時は約4時間)
- ケース込み:最大30時間(ANCオン時は約20時間)
単体の持ち時間はPro 2(最大6時間)に若干劣りますが、ケースの充電速度が速いため(5分で約1時間再生)、日常使いで困ることはまずありません。
また、ANCモデルのケースはApple Watchの充電器でも充電可能です。
iPhone、Watch、AirPodsの充電器を統一できるのは、Appleユーザーにとって非常に大きなメリットです。
旅行時に「Apple Watchの充電器1本」だけ持っていけば、WatchもAirPodsも充電できるため、荷物を減らすことができます。
Apple 「AirPods4」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、実際に私がAirPods 4をカフェ、通勤電車、自宅、そしてWEB会議で徹底的に使い倒して感じた「生の感想」をお届けします。
3時間つけっぱなしでも耳が痛くならない「開放感」
これがAirPods 4を購入する最大の理由であり、最大のメリットでしょう。
私は普段、カナル型のAirPods Pro 2を使っていましたが、1時間もすると耳の奥が痒くなったり、物理的な異物感で外して休憩したくなったりしていました。
しかし、AirPods 4は「着けていることを忘れる」レベルです。
朝の作業開始から昼休憩までの3時間、音楽を流しっぱなしにしていても、耳への物理的な負担はゼロ。
耳穴に何もねじ込まれていないという開放感は、一度味わうともうカナル型には戻れません。
外耳道の蒸れも気にならないため、耳のトラブルを抱えやすい方にも最適だと感じました。
通勤電車やカフェの騒音はどこまで消えるか
最も心配だったのが「通勤電車(地下鉄)」での実用性です。
- 地下鉄の走行音
「ゴゴゴゴ」という轟音が、「ココココ」という遠くで鳴っている音に変わります。
音楽のボリュームを上げなくても、ポッドキャストの話し声が十分に聞き取れるレベルまで騒音が低減されます。
以前のオープン型イヤホンでは音量をMAX近くまで上げないと聞こえなかった環境でも、AirPods 4なら60%程度の音量で快適です。これは耳の健康にとっても素晴らしいことです。 - カフェでの使用
隣の席の会話内容は分かってしまいますが、音の角が取れて「背景音(BGM)」の一部になる感覚です。
集中力を削がれるような不快なノイズはしっかりカットされており、作業用BGMを流せば十分に「自分の世界」に入れます。
気になる「音漏れ」チェック:静かな場所でも使える?
オープンイヤー型の宿命である「音漏れ」。
家族に協力してもらい、静かなリビングで検証しました。
- 検証結果
- 音量50%:距離50cmでほぼ聞こえない。
- 音量70%:距離50cmで微かにシャカシャカ音が聞こえる。
- 音量80%以上:明確に音が聞こえる。
【結論】
カナル型に比べると、構造上どうしても音漏れはしやすいです。
ただし、重要なのは「ANCのおかげで、今までよりも小さいボリュームで音楽がハッキリ聞こえる」という点です。
騒がしい場所でも音量を爆上げする必要がないため、結果として実質的な音漏れのリスクは管理しやすいと感じました。
図書館のような極めて静かな場所では注意が必要ですが、電車内やオフィス環境では常識的な音量であれば全く問題ないレベルです。
通話マイク性能:風の強い屋外やWEB会議でのクリアさ
「声を分離」機能の効果は絶大でした。
風速5mほどの屋外(河川敷)で通話テストを行いましたが、通話相手には私の声だけがクリアに届き、風切り音はほとんど聞こえていなかったそうです。
「今、外にいるの?」と驚かれるほどでした。
WEB会議(Zoom/Teams)でも使用しましたが、マイクの品質は有線のビジネスヘッドセットに匹敵するほどクリアです。
自分の声がこもらず、相手の声も自然に聞こえるため、長時間の会議でも疲労度が段違いに低いです。
ビジネス用途でもメイン機として十分通用します。
買って実感した「Pro 2」にはない気軽さとメリット
AirPods Pro 2を使っていた頃は、装着するたびに「イヤーピースを耳の奥にしっかりフィットさせる」という微細な調整儀式が必要でした。
また、外した後にイヤーチップを拭くなどのメンテナンスも気を使います。
対してAirPods 4は、「耳にポンと置くだけ」。
この1秒にも満たない差が、毎日のストレスを大きく減らしてくれます。
- 着脱が速い
- 耳が蒸れない
- 外音との繋がりが自然
- ケースが小さくて持ち運びが楽
これらは、スペック表の数値には現れない「体験としての軽やかさ」です。
生活に溶け込む道具としては、Pro 2よりもAirPods 4の方が優れていると感じる場面が多々ありました。
体験談の総括
正直に言うと、購入前は「中途半端な製品ではないか?」と疑っていました。
「ノイキャンならPro、開放感なら従来のAirPodsでいいのではないか」と。
しかし、実際に使い倒してみて分かりました。
AirPods 4は「中途半端」ではなく「いいとこ取り」の完成形です。
「耳への優しさ」と「騒音からの解放」という、今まで両立し得なかった2つの要素を、Appleは高い次元で融合させました。
カナル型が苦手な方にとって、これは10年に一度の神ガジェットと言っても過言ではありません。
Apple 「AirPods4」に関するQ&A

Apple 「AirPods4」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました
走ったり、ジムで運動しても落ちませんか?
ジョギング程度なら大丈夫ですが、激しい動きは注意が必要です。
前作(AirPods 3)よりも耳へのフィット感は格段に向上しており、軽く走ったり頭を振ったりする程度ではビクともしません。ただ、バスケットボールのような接触があるスポーツや、汗だくになるような強度の高いトレーニングだと、カナル型に比べて滑り落ちるリスクはあります。
「寝ホン(寝ながら使用)」には向いていますか?
最高です。ただし「行方不明」に注意。
耳の穴を圧迫しないので、横向きに寝ても耳が痛くなりにくいです。YouTubeを見ながら寝落ちするには最高のパートナーです。 ただし、本体が小さくてツルツルしているので、朝起きると布団のどこかに紛れて「捜索願い」を出すことになる確率は高いです(「探す」機能が役立ちます)。
Androidスマホでも使えますか?
使えますが、正直あまりおすすめしません。
Bluetoothイヤホンとして音は聴けますし、ノイキャンも効きます。しかし、「自動耳検出(外すと止まる)」や「バッテリー残量の詳細表示」、「空間オーディオのパーソナライズ」など、AirPodsの魅力である魔法のような機能の多くが使えません。この価格を出すなら、Android向けの最適化されたイヤホンを買った方が幸せになれると思います。
音ゲーやFPSでの「音ズレ」は気になりますか?
ガチ勢でなければ気になりません。
H2チップのおかげで遅延はかなり抑えられています。動画視聴やRPG、パズルゲームなら違和感はゼロです。ただ、0.1秒を争うリズムゲームや、競技レベルのFPSプレイヤーにとっては、有線イヤホンに比べるとわずかな遅延を感じるかもしれません。
結局、8,000円安い「ANCなしモデル」じゃダメですか?
悪いことは言いません。「ANCあり」にしてください。
「ノイズキャンセリング」は、一度体験すると戻れない快適さがあります。それに加えて「ワイヤレス充電」と「探す機能のスピーカー」がないのは、日々の使い勝手でじわじわとストレスになります。 長く使うものですから、日割り計算すれば差額は誤差のようなもの。迷わずANCモデルを行っちゃいましょう。
前使っていた「AirPods 3」のケースカバーはそのまま使えますか?
残念ながら、使えません。
AirPods 4のケースは、前作よりもひと回り小さくなっています(体積比で約30%減)。無理やり入れようとするとガバガバだったり、蓋が閉まらなかったりします。心機一転、新しいケースカバーを選んであげてください。
片耳だけで使えますか?(仕事中に片方空けておきたい)
もちろん可能です。
片方をケースに入れたまま、もう片方だけで音楽を聴いたり通話をしたりできます。その場合、自動的にステレオからモノラル(左右の音がミックスされる状態)に切り替わるので、聞こえないパートが出ることもありません。宅配便を待っている時や、オフィスの様子を伺いながら作業したい時に便利です。
飛行機の座席モニターで映画は見られますか?
そのままでは見られません。
飛行機のモニターはまだ有線ジャックが主流です。AirPods 4で機内エンタメを楽しむには、「AirFly」のようなBluetoothトランスミッター(送信機)を別途用意して、座席のジャックに挿す必要があります。これがあると、機内でも完全ワイヤレスで映画が見られるので、長距離フライトが劇的に快適になりますよ。
iPhoneとMac、iPadの切り替えはスムーズですか?
これぞAppleの魔法。爆速です。
例えば、iPhoneで音楽を聴きながら通勤し、オフィスに着いてMacを開くと、自動的に接続先がMacに切り替わります。そして電話がかかってくれば、またiPhoneに戻る。 この「マルチポイント接続」的な挙動のシームレスさは、他社製イヤホンでは味わえないApple純正ならではの特権です。
イヤホンの軸をなぞって「音量調整」はできますか?(Pro 2みたいに)
残念ながら、できません。
ここがAirPods Pro 2との数少ない機能差です。Pro 2は軸を上下にスワイプして音量を変えられますが、AirPods 4にはそのセンサーがありません。音量を変えるには、iPhoneのボタンを押すか、Siriに頼むか、Apple Watchのデジタルクラウンを回す必要があります。Apple Watchユーザーなら手元で操作できるので不便はありません。
初代や第2世代(軸が長いタイプ)から買い替える価値はありますか?
「ガラケーからスマホ」くらいの衝撃があります。
もしあなたが第1世代・第2世代を使っているなら、音質、接続の速さ、そしてノイキャンの有無で、完全に別次元の体験になります。「もっと早く買えばよかった」と後悔するレベルなので、今すぐ買い替えて幸せになってください。
Web会議中、イヤホン操作だけで「マイクミュート」はできますか?
できます!これ、地味に神機能です。
通話中に軸(ステム)を1回「カチッ」とつまむだけで、マイクのミュート/ミュート解除が切り替えられます。 ZoomやTeamsの画面上のボタンを探して慌てる必要がなく、トイレや急な来客時にもスマートに対応できます。テレワーク勢には必須機能と言えるでしょう。
「空間オーディオ」って、正直使いますか?
映画やドラマを見るなら、世界が変わります。
音楽だけでなく、NetflixやDisney+などの動画コンテンツで真価を発揮します。 「ダイナミックヘッドトラッキング」をオンにすると、顔を横に向けても、セリフが「画面のある方向(正面)」から聞こえてきます。まるで映画館にいるような臨場感で、タブレットでの動画鑑賞がリッチな体験に化けますよ。
Apple 「AirPods4」レビューのまとめ

最後に、AirPods 4(ANCモデル)は誰が買うべきなのか、競合と比較してどうなのかをまとめます。
AirPods Pro 2ではなくAirPods 4を選ぶべき人
以下に当てはまるなら、迷わずAirPods 4を選ぶべきです。
- カナル型(耳栓タイプ)の圧迫感、異物感がとにかく苦手な人
- 長時間のWEB会議や動画視聴、作業BGM用としてイヤホンをつけっぱなしにしたい人
- 周囲の音を完全に遮断する「デジタルな静寂」よりも、自然に把握できる「適度な静寂」を好む人
- 予算を3万円以内に抑えたい人(Pro 2は約4万円)
旧モデル(AirPods 3)や他社製品から乗り換える価値
AirPods 3(または第2世代)を使っているなら、今すぐ乗り換える価値があります。
「ノイズキャンセリング」の有無は、音楽体験を別次元に変えます。
音量を上げずに済むので耳の健康にも良く、H2チップによる接続の安定性や音質の向上も顕著です。
また、Lightning端子を使っている旧モデルユーザーにとって、USB-Cへの移行は生活の質を向上させる大きな要因になります。
カナル型(耳栓型)が苦手なユーザーへの最終回答
今まで「ノイキャンを使うには、我慢して耳栓型を使うしかない」と諦めていた方へ。
もう我慢する必要はありません。
AirPods 4は、あなたの耳を解放しつつ、静寂を与えてくれます。
これは、カナル型が体質的に合わない人々にとっての「救世主」であり、現時点で世界で唯一の、実用的なノイズキャンセリング搭載オープンイヤー型イヤホンです。
価格差8,000円:ANCなしモデルを選んでも良い人
基本的にはANCモデルを強く推奨しますが、以下のような方は通常モデル(21,800円)でも満足できるでしょう。
- 静かな自室でしか使わず、外には持ち出さない人
- どうしても予算を極限まで抑えたい学生の方
- ワイヤレス充電が不要で、ケーブル充電で十分な人
- 「探す」機能のスピーカーが不要な人
しかし、後から「やっぱりノイキャンが欲しかった」と思っても機能追加はできません。
迷ったらANCモデルを選んでおくのが正解です。
リセールバリュー(中古買取価格)もANCモデルの方が高くなる傾向にあります。
SonyやBoseなど競合製品との比較
AirPods 4のライバルとなりうる製品との比較を整理しました。
- vs Sony LinkBuds Open (WF-L910)
- 特徴:リング型ドライバーで耳の穴を完全に塞がない。
- 比較:Sonyは「開放感」が最強ですが、構造上ノイズキャンセリングがありません(または効果が極薄)。騒音対策もしたいならAirPods 4、外の音を100%聞きたいならLinkBudsです。
- vs Bose Ultra Open Earbuds
- 特徴:イヤーカフ型でファッション性が高い。
- 比較:Boseは耳の縁に挟むタイプで負担は皆無ですが、価格が約4万円と高額です。また、Apple製品との連携(デバイス切り替えの速さなど)においては、AirPods 4に圧倒的な分があります。
Apple 「AirPods4」レビューの総括:「快適な装着感」と「静寂」のベストバランス
AirPods 4の登場は、私たちオーディオファンや日常的にイヤホンを使用するユーザーにとって、長年強いられてきた「静寂か、快適さか」という過酷な二者択一からの解放を意味します。
これまではノイズキャンセリングの恩恵を受けるために、耳への圧迫感や蒸れを我慢してカナル型を選ばざるを得ませんでした。
しかし、AppleがH2チップという頭脳を用いて物理的な制約を乗り越えたことで、私たちは耳を塞ぐことなく、周囲の騒音だけを美しく削ぎ落とすという全く新しい体験を手にすることができました。
もちろん、絶対的な静寂性能だけを比べれば上位機のProモデルには及ばない側面もありますが、AirPods 4が提供してくれるのは、周囲の気配を適度に残した「自然で優しい静けさ」です。
朝の通勤電車からオフィスでのデスクワーク、そして帰宅後のリラックスタイムまで、一日中着けっぱなしにしていてもストレスを感じないその軽やかさは、スペック表の数値だけでは語り尽くせない生活の質の向上をもたらしてくれます。
音楽を聴く道具としてだけでなく、日常生活をより快適に過ごすための体の一部として、これほど馴染むデバイスは他に存在しません。
もしあなたが、今までのイヤホンに対して「耳が痛い」「疲れる」といった不満を少しでも抱いていたのなら、このAirPods 4こそが待ち望んでいた最終回答になるはずです。
あなたの耳と心を解き放つ、魔法のような軽さと静寂をぜひその身で体験してください。


