「耳を塞がないイヤホン」は、もはや一過性のブームではなく、現代人のライフスタイルに欠かせないツールとして定着しました。
リモートワークの普及、健康志向によるランニング人口の増加、そして「BGMのある生活」への憧れ。
これらを背景に、骨伝導、イヤーカフ型、オープンイヤー型など、多種多様な製品が市場に溢れています。
しかし、選択肢が増える一方で、ユーザーの悩みも深まっています。
「骨伝導イヤホンを買ったけれど、こめかみがブルブル震えてくすぐったい」
「音漏れが激しくて、電車の中ではとても使えない」
「長時間つけていると、締め付けで頭が痛くなる」
もしあなたがこれらの一つでも不満を感じたことがあるなら、audio-technica(オーディオテクニカ)の最新作、「ATH-CC500BT2」は、まさに救世主となるかもしれません。
本機最大の特徴は、オーディオテクニカが世界で初めて実用化した「軟骨伝導」という独自の音声伝達技術です。
2022年に発売された前モデルは、その自然な聴こえ方で業界に衝撃を与えましたが、今回レビューする第2世代モデル「ATH-CC500BT2」は、音質、装着感、機能性のすべてにおいて劇的な進化を遂げています。
なぜ、数ある「ながら聴き」デバイスの中で、今このモデルを選ぶべきなのか。
競合ひしめく市場において、老舗オーディオメーカーが出した「軟骨伝導」という答えは、私たちの生活をどう変えてくれるのか。
この記事では、WEBライターでありオーディオガジェットに精通した筆者が、実際にATH-CC500BT2を1ヶ月間徹底的に使い倒したリアルな体験談をもとに、その実力を余すことなく解剖します。
スペック表だけでは見えてこない、生活に寄り添う「真の価値」をお伝えします。
- audio-technica 「ATH-CC500BT2」の進化と「軟骨伝導」の技術的特徴
- audio-technica「ATH-CC500BT2」の音質レビュー:ステレオ感と没入感の両立
- audio-technica 「ATH-CC500BT2」のビジネス&スポーツでの実用性検証
- audio-technica 「ATH-CC500BT2」を使用した私の体験談・レビュー
- audio-technica 「ATH-CC500BT2」に関するQ&A
- メガネやマスクをしていても快適に使えますか?
- 従来の「骨伝導イヤホン」と比べて音漏れは少ないですか?
- 動画視聴やゲームでの「音ズレ(遅延)」は気になりますか?
- 寝ながら(就寝用として)使えますか?
- 旧モデル(ATH-CC500BT)を持っていますが、買い替える価値はありますか?
- マルチポイント接続はどのように切り替わりますか?
- お風呂やシャワー中に使っても大丈夫ですか?
- 頭が大きい(または小さい)のですが、サイズ調整はできますか?
- 対応しているBluetoothコーデックは何ですか?
- 充電しながら音楽を聴くことはできますか?
- 通話中に手元で「マイクミュート」はできますか?
- 骨伝導特有の「くすぐったさ」は本当にありませんか?
- audio-technica 「ATH-CC500BT2」レビューのまとめ
audio-technica 「ATH-CC500BT2」の進化と「軟骨伝導」の技術的特徴

まず、この製品のアイデンティティである「軟骨伝導」について、技術的な側面から深く掘り下げていきましょう。
これは単なるマーケティング用語ではなく、聴覚のメカニズムに基づいた革新的なアプローチです。
第3の聴覚経路「軟骨伝導」とは?骨伝導との決定的な違い
私たちが普段音を聞く経路は、主に2つあると言われてきました。
1つは「気導(空気伝導)」。空気が鼓膜を振動させる、一般的な聴こえ方です。
もう1つは「骨導(骨伝導)」。頭蓋骨の振動が直接内耳(蝸牛)に届く聴こえ方です。
しかし、2004年に奈良県立医科大学の細井裕司教授によって発見されたのが、第3の聴覚経路「軟骨伝導(Cartilage Conduction)」です。
【骨伝導との決定的な違い】
従来の「骨伝導イヤホン」は、頭蓋骨を物理的に強く振動させる必要がありました。
そのため、低音再生時などに強い振動(バイブレーション)が発生し、肌がビリビリとくすぐったくなる不快感が避けられませんでした。
また、骨を通すことで音がこもりやすく、ステレオ感(音の広がり)が損なわれやすいという弱点もありました。
対して、ATH-CC500BT2が採用する「軟骨伝導」は、以下のプロセスで音を伝えます。
- 振動ドライバーが耳の入り口にある軟骨(耳珠:じじゅ)に優しく触れる。
- 軟骨が微細に振動し、それが外耳道の壁の軟骨へと伝播する。
- 外耳道の壁がスピーカーの役割を果たし、耳の中で空気を振動させて音を生成する。
- 生成された音が鼓膜に届く。
つまり、最終的には「鼓膜」を使って音を聴くため、通常のイヤホンやスピーカーで聴く音に極めて近い、自然な音質が得られます。
骨を揺らす必要がないため、あの不快な振動もほとんどありません。
これが、「骨伝導のようで骨伝導ではない」と言われる所以です。
先代モデルからの進化点:装着感の改善と軽量化のアプローチ
初代モデルも完成度の高い製品でしたが、ATH-CC500BT2はユーザーからのフィードバックを真摯に受け止め、物理設計をゼロベースで見直しています。
① 重量の最適化と「32g」の秘密
前モデルの約35gから、本機は約32gへと軽量化されました。
「たった3g?」と思われるかもしれませんが、耳に掛けるデバイスにおいて約10%の軽量化は、体感重量を大きく変えます。
特筆すべきは「重量バランス」の改善です。
バッテリーや基板の配置を見直すことで、重心が耳の後ろ側に適切に分散されるようになりました。
これにより、動いた時の揺れが減り、実際の重さ以上に軽く感じられる「無重力感」に近い装着感を実現しています。
② ネックバンドの形状変更
ネックバンドのカーブがより人体工学に基づいた形状に変更されました。
具体的には、後頭部への飛び出しが抑えられています。
これにより、オフィスのハイバックチェアや、電車の座席に深くもたれかかった時でも、バンドが背もたれに干渉してイヤホンがズレるというストレスが激減しました。
リラックスタイムにも使いやすい設計へと進化しています。
③ 触覚に訴える素材感
肌に触れる部分には、医療グレードに近い高品質なシリコン素材が採用されています。
サラサラとした手触りで埃がつきにくく、汗をかいてもベタつきません。
チタンフレームの適度なバネ性とも相まって、側圧(締め付ける力)は極めてソフト。
一日中着けっぱなしにすることを前提とした、「肌着」のような設計思想を感じます。
マルチポイントと専用アプリ「Connect」による機能拡張
ハードウェアだけでなく、ソフトウェア面の進化も見逃せません。
マルチポイント接続の利便性
現代のビジネスパーソンにとって必須機能とも言える「マルチポイント」に完全対応しています。
例えば、PCでオンライン会議に参加しながら、個人のスマートフォンも同時に接続待機させておくことが可能です。
会議中にスマホに急な着信があっても、操作なしで自動的に切り替わります。
ペアリングし直す手間は一切ありません。
このシームレスな接続性は、複数デバイスを行き来する現代のワークスタイルに不可欠です。
専用アプリ「Connect」でのカスタマイズ
前作では本体ボタンのみの操作でしたが、本機からはオーディオテクニカ専用アプリ「Connect」にフル対応しました。
- バッテリー残量の詳細確認: 10%単位ではなく、より細かい残量把握が可能。
- コーデックの切り替え: 音質優先か接続安定性優先かを選択可能。
- ファームウェアアップデート: 将来的な機能追加やバグ修正にも対応。
- キーアサインの変更: 利き手や好みに合わせてボタン操作をカスタマイズ。
アプリのUIは非常に洗練されており、直感的に操作できます。特に後述する「音質モード」の切り替えは、このアプリを使うことで真価を発揮します。
audio-technica「ATH-CC500BT2」の音質レビュー:ステレオ感と没入感の両立

「耳を塞がないから、音質は二の次」という妥協は、ATH-CC500BT2には一切不要です。
オーディオメーカーとしての矜持を感じさせるサウンドチューニングについて詳述します。
中高域の解像度と「耳元にスピーカーがある」ような自然な定位感
実際に様々なジャンルの楽曲を再生して驚かされるのは、その圧倒的な「定位感」の良さです。
一般的な骨伝導イヤホンは、頭蓋骨全体を響かせるため、頭の中心で音が鳴っているような、少しモヤッとした独特の音像になりがちです。
しかし、軟骨伝導である本機は、耳珠という「点」から振動を伝え、外耳道内で音を生成します。
その結果、「自分の耳のすぐそばに、自分専用の高性能な超小型スピーカーが浮いている」ような感覚を得られます。
特に中高音域(ボーカル、ピアノ、ギターの弦など)の解像度は、オープンイヤー型の中ではトップクラスです。
J-POPの女性ボーカルのブレス(息遣い)や、アコースティックギターの弦が擦れる繊細な音までしっかりと拾い上げます。音がこもらず、非常にヌケが良いクリアなサウンドです。
一方で、構造上、密閉型イヤホンのような「脳を揺らす重低音」は期待できません。
しかし、低音が全くないわけではなく、バスドラムのアタック感やベースラインの音程はしっかり聞き取れます。
「迫力」よりも「正確さ」と「聴き疲れのなさ」にフォーカスした、大人のチューニングと言えるでしょう。
アプリで選べる3つの音質モード(Original/Clear Voice/Dynamic)
ATH-CC500BT2の魅力を何倍にも引き上げるのが、アプリで切り替え可能な3つのプリセットイコライザーです。
① Original(オリジナル)モード
オーディオテクニカが考える「軟骨伝導の標準」となるモードです。
フラットで癖がなく、長時間のリスニングでも聴き疲れしません。
また、このモード選択時のみ、独自の「音漏れ抑制機能」が最大限に働きます。
オフィスやカフェなど、周囲への配慮が必要なシーンではこのモード一択です。
② Clear Voice(クリアボイス)モード
人の声の帯域(中音域)を意図的に持ち上げるモードです。
これが真価を発揮するのは、「ポッドキャスト」「オーディオブック」「語学学習」、そして「WEB会議」のシーンです。
例えば、カフェのBGMがうるさい環境でラジオを聴く際、このモードにすると、背景ノイズから話し手の声だけがくっきりと浮き上がって聞こえます。
YouTubeの解説動画などを倍速視聴する際も、滑舌がはっきり聞こえるため情報のインプット効率が上がります。
③ Dynamic(ダイナミック)モード
低音と高音を強調した、いわゆる「ドンシャリ」傾向の元気なサウンドモードです。
映画鑑賞やゲーム、あるいはロックやEDMなど、「迫力」や「没入感」が欲しい時におすすめです。
オープンイヤー型の弱点である低音の量感をDSP(デジタル信号処理)で補うことで、擬似的にリッチな音楽体験を提供してくれます。
【番外編:サウンドスケープ機能】
アプリには「サウンドスケープ」という機能も搭載されています。
「波の音」「焚き火」「森林浴」などの高品質な環境音を再生できる機能です。
仕事に集中したい時や、寝る前のリラックスタイムに、スマホの別アプリを立ち上げることなくヒーリングサウンドを流せるのは、意外と嬉しいポイントです。
音漏れの検証と電車やオフィスでの許容範囲
オープンイヤー型最大の懸念点である「音漏れ」についても、厳密なテストを行いました。
本機は「A.P.S.S(アコースティック・ピュア・サウンド・スタビライザー)」という独自機構を採用しており、音漏れの原因となる外部への不要な振動を物理的に抑制しています。
【検証結果】
- 静かな部屋(深夜の自室):
iPhoneの音量50%で、30cmの距離まで近づくと微かに「シャカシャカ」聞こえますが、1m離れれば無音です。 - オフィス環境(エアコンやPCの動作音あり):
隣の席(約1.2m)の同僚に確認してもらいましたが、音量60%程度まで上げても「全く聞こえない」とのことでした。 - 電車内(走行音あり):
周囲の騒音に負けないよう音量を70〜80%まで上げると、隣に座った人には聞こえる可能性があります。
しかし、軟骨伝導は骨伝導に比べて高音域の音漏れがマイルドなため、不快な「シャカシャカ音」としての拡散は少ない印象です。
結論として、「図書館のような静寂な場所で大音量」でない限り、日常使いでの音漏れはほぼ気にしなくて良いレベルと言えます。
audio-technica 「ATH-CC500BT2」のビジネス&スポーツでの実用性検証

ガジェットとしての完成度だけでなく、実際の「道具」としての使い勝手を検証しました。
AIノイズリダクションによる通話品質とテレワークでの優位性
通話品質には、intelliGo社の最新AIノイズリダクション技術(AIVC)が投入されています。
これは、5億件以上の音声データを学習したAIチップが、「人の声」と「環境ノイズ」をリアルタイムで識別・分離する技術です。
【過酷な環境でのテスト】
- 掃除機をかけながら通話:
驚くべきことに、通話相手には掃除機の「ゴオオオ」という爆音はほとんど聞こえず、私の声だけがクリアに届いていました。 - 強風の屋外:
風切り音もかなり低減されます。
完全にゼロにはなりませんが、会話に支障が出るレベルではありません。
この強力なマイク性能のおかげで、コワーキングスペースやカフェなど、周囲の音が気になる場所でも、相手にストレスを与えることなくWEB会議に参加できます。
「マイク付きイヤホン」としての性能は、ビジネスヘッドセット専用機に匹敵します。
IPX4防滴仕様とスポーツ時のズレにくさ・安全性
IPX4(防沫形)に対応しており、あらゆる方向からの水しぶきに耐えられます。
ランニング中の突然のゲリラ豪雨や、ジムでのハードなトレーニングによる汗程度なら、故障の心配はありません。
使用後は、固く絞った濡れタオルでサッと拭けば清潔を保てます。
装着安定性(ホールド感)
私は実際に本機を着けて10kmのランニングを行いました。
上下動の激しい動きや、ストレッチで頭を下げた際も、ズレる気配は皆無でした。
カナル型イヤホンのように「汗で耳の穴が滑って抜けてくる」という現象も物理的に起こり得ません。
また、「車の接近音」や「自転車のベル」が自然に聞こえるため、ナイトランや交通量の多い道路でのランニングにおける安全性は、ノイズキャンセリングイヤホンとは比較にならないほど高いです。
メガネ・サングラスとの干渉問題
メガネユーザーである筆者が検証しましたが、結論から言うと「ほぼ問題なし」です。
フック部分は細く設計されており、メガネのツル(テンプル)と干渉しにくい形状になっています。
先にメガネをかけ、その上から本機を装着すると、最も安定して快適に使用できました。
バッテリー持ちと急速充電の実力:1日中使えるスタミナ性能
スペック上の連続再生時間は最大約20時間、連続通話は最大約10時間です。
これは完全ワイヤレスイヤホン(単体5〜7時間程度)と比較すると圧倒的なスタミナです。
【実際の1日のバッテリー推移】
- 09:00 始業(100%)
- 12:00 会議2時間+音楽1時間(85%)
- 15:00 休憩中に動画視聴+作業用BGM(70%)
- 19:00 残業終了(55%)
- 21:00 ランニング1時間(50%)
このように、朝から晩までハードに使っても半分も減りません。
充電は2〜3日に1回で十分です。
さらに、約10分の充電で約2時間(120分)再生可能な急速充電に対応しているため、朝起きて充電切れに気づいても、歯磨きと着替えをしている間に1日分のバッテリーを確保できます。
充電端子は汎用性の高いUSB Type-C。
専用のマグネットケーブルを持ち歩く必要がないのも、地味ながら大きなメリットです。
audio-technica 「ATH-CC500BT2」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、スペックや機能説明を超えて、私自身がこのATH-CC500BT2と共に過ごした時間の中で感じた、よりパーソナルで具体的な体験談をお話しします。
ファーストインプレッション:質感と装着した瞬間の「軽さ」
パッケージを開封し、本体を手にした瞬間、オーディオテクニカらしい「モノづくりへの誠実さ」を感じました。
表面は高級感のあるマット仕上げで、指に吸い付くような質感。
プラスチックの安っぽさは微塵もありません。
そして装着した瞬間、思わず「おっ」と声が出ました。
前モデルも持っていますが、明らかにフィット感が違います。
耳珠にスッと寄り添うように収まり、圧迫感がないのに、頭を振っても動かない。まるで自分の頭の形をスキャンして作られたオーダーメイド品のような一体感がありました。
8時間連続装着チャレンジ:側圧と耳への負担はどうだったか
「一日中着けていても痛くない」という謳い文句は本当か。
これを検証するため、朝9時から夕方5時までの8時間、トイレ以外は外さないというルールで生活してみました。
- 開始2時間: 存在を忘れる。音楽が空間から流れている感覚。
- 開始5時間(昼過ぎ): 通常のヘッドホンなら耳が蒸れたり、頭頂部が痛くなったりする頃ですが、全く不快感がありません。耳の穴が開放されているため、蒸れによる痒みも皆無です。
- 終了8時間後: さすがに、振動部が当たっている耳珠の部分にわずかな接触感はありましたが、「痛み」ではありませんでした。こめかみへの締め付けによる頭痛もゼロ。
特筆すべきは、「食事中」の快適さです。
カナル型イヤホンや耳栓をしていると、咀嚼音(噛む音)が頭の中に響いて不快ですが、耳を塞がない軟骨伝導なら、食事中でも自然に音楽や動画を楽しめました。
これは意外な発見でした。
音楽鑑賞レビュー:ボーカル曲とインスト曲の相性チェック
作業用BGMとして様々なプレイリストを流しましたが、「ジャズ・ピアノ」や「アコースティック・カフェミュージック」との相性が最高です。
ピアノの高音の煌びやかさや、ウッドベースの弦の弾ける音が、とても心地よく響きます。
一方で、やはり「重低音が命」の楽曲には弱いです。
試しにヒップホップを聴いてみましたが、バスドラムの重みが「トントン」という軽い音になってしまい、迫力不足は否めません。
しかし、これは「ながら聴き」においてはむしろメリットとも言えます。
低音が強すぎると集中力が削がれるため、作業用BGMとしてはこの軽快なバランスが最適解だと感じました。
Web会議でのマイクテスト:こちらの声は相手にどう届くか
Zoomでの会議中、あえてキッチンの換気扇を「強」にして参加してみました。
同僚に「換気扇の音、聞こえる?」と聞くと、「え? 全く聞こえないよ。静かな部屋にいるんじゃないの?」と驚かれました。
また、特筆すべきは「自分の声のモニタリング」です。
耳を塞ぐイヤホンだと自分の声がこもって聞こえるため、つい大声になりがちですが、本機は自分の声が生で聞こえます。
そのおかげで、自然な声量で話すことができ、会議後の喉の疲れが明らかに軽減されました。
長時間のミーティングが多い日ほど、このメリットを強く感じます。
物理ボタンの操作性と日常生活での「ながら聴き」快適度
最近のイヤホンはタッチセンサー式が主流ですが、ATH-CC500BT2はあえて物理ボタンを採用しています。
これが実に使いやすい。
- 誤操作ゼロ: 髪の毛をかき上げた時や、タオルで汗を拭いた時に誤って音楽が止まることがありません。
- 確実なクリック感: 「カチッ」というフィードバックがあるため、操作できたかどうかが指先だけで分かります。
- 冬場のメリット: 手袋をしたままでも操作可能です。
左側のバンド下部にある3つのボタンは、真ん中のボタンだけ形状が異なっており、手探りでも押し間違えることはありませんでした。
家事をしながら、濡れた手でも躊躇なく操作できる点は、日常生活において非常に大きな利点です。
体験談の総括
約1ヶ月間、寝る時以外ほぼ常に首にかけて生活しましたが、ATH-CC500BT2は「音を着る」という表現が最も適していると感じました。
音楽を聴くために「イヤホンを取り出して、耳に入れて…」という動作が不要になり、常に音楽や情報にアクセスできる状態にある。
それなのに、家族との会話や宅配便のチャイムを聞き逃すこともない。
この「孤独にならない没入感」こそが、私がこのモデルを手放せなくなった最大の理由です。
audio-technica 「ATH-CC500BT2」に関するQ&A

「ATH-CC500BT2」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
メガネやマスクをしていても快適に使えますか?
はい、問題なく使用できます。
ATH-CC500BT2の耳に掛けるフック部分は非常に細く設計されています。実際に私も太めのフレームのメガネを使用していますが、「先にメガネをかけ、その上から本機を装着する」という順番であれば、干渉して痛くなることはありませんでした。マスクの紐とも干渉しにくい形状ですが、マスクを外す際は引っかからないように少し注意が必要です。
従来の「骨伝導イヤホン」と比べて音漏れは少ないですか?
高音域のシャカシャカ音は大幅に抑えられています。
骨伝導は頭蓋骨を揺らすために振動が強く、音量を上げると周囲に振動音が漏れやすい傾向があります。一方、軟骨伝導(ATH-CC500BT2)は効率よく音を伝えるため、同じ聴感上の音量であれば、骨伝導よりも音漏れは少ないと感じます。 さらに、アプリで「Originalモード」を選択し、音漏れ抑制機能をオンにすれば、オフィスやカフェでも安心して使えるレベルになります。ただし、静かなエレベーター内などで大音量で聴けば多少は漏れるため、TPOに合わせた音量調整は必要です。
動画視聴やゲームでの「音ズレ(遅延)」は気になりますか?
専用アプリで「低遅延モード(Low Latency Mode)」をONにすれば気になりません。
デフォルトの状態でもYouTubeなどの動画視聴では口の動きとのズレはほぼ感じませんが、アプリから「低遅延モード」をオンにすることで、さらに遅延を抑えられます。 アクション映画や一般的なスマホゲームなら快適にプレイ可能です。ただし、一瞬の音が勝敗を分ける競技性の高いFPSゲーム(音ゲーなど)では、有線イヤホンに比べるとわずかな遅延を感じる可能性があるため、ガチ勢の方は注意が必要です。
寝ながら(就寝用として)使えますか?
基本的にはおすすめしません。
左右が繋がっている「ネックバンド型」の形状であるため、仰向けに寝るとバンドが枕に当たり、イヤホンがズレたり、首に不快感があったりします。 椅子に座ってのリラックスタイムには最適ですが、ベッドで横になりながらの使用をメインに考えている場合は、左右独立型のイヤホンの方が向いているかもしれません。
旧モデル(ATH-CC500BT)を持っていますが、買い替える価値はありますか?
「アプリ対応」と「装着感」に魅力を感じるなら買い替え推奨です。
音質面では最大音量が上がり、低音の量感も改善されていますが、劇的な変化というよりは「正当進化」です。 しかし、「アプリでイコライザーを変えられる(特にクリアボイスモード)」点と、「重量バランス改善による装着感の向上」は、毎日使うユーザーほど恩恵を感じられます。現在、旧モデルの装着感に少しでも不満がある場合や、Web会議での通話品質をより高めたい場合は、買い替える価値が十分にあります。
マルチポイント接続はどのように切り替わりますか?
音声を再生したデバイスに自動で切り替わります。
例えば、PCで音楽を聴いている最中にスマホに着信があれば、自動的にスマホの通話に切り替わります。手動でBluetooth設定を開く必要はありません。 また、PCとスマホを同時接続している状態で、PCの音楽を止めてスマホで動画を再生し始めれば、数秒で音声出力がスマホに移行します。このシームレスな連携は非常にスムーズで、仕事効率化に大きく貢献します。
お風呂やシャワー中に使っても大丈夫ですか?
いいえ、推奨されません(故障の原因になります)。
本機の防水性能は「IPX4(防滴)」です。これは「あらゆる方向からの飛沫(雨や汗)」には耐えられますが、「流水(シャワー)」や「水没(湯船に落とす)」には対応していません。 また、お風呂場などの高温多湿な環境は、防水性能に関わらずバッテリーや内部基板の劣化を早める原因になるため、浴室での使用は控えたほうが無難です。
頭が大きい(または小さい)のですが、サイズ調整はできますか?
サイズ調整機能はありませんが、柔軟にフィットします。
ネックバンドの長さ自体は調節できませんが、バンド内部に「メモリー形状のチタン合金」が使用されています。この素材は非常に柔軟性と復元力が高いため、頭の大きい人には優しく広がり、小さい人には適度なホールド感で収まるように設計されています。 実際に、帽子サイズがLサイズの筆者と、小柄な女性の知人で試しましたが、どちらも「キツイ」「緩すぎる」といった不満なく装着できました。
対応しているBluetoothコーデックは何ですか?
「AAC」と「SBC」に対応しています。
iPhoneユーザーに最適な高音質コーデック「AAC」に対応しているため、Apple製品との相性は抜群です。Android等の標準である「SBC」にも対応しています。 ハイレゾ級の「LDAC」や「aptX Adaptive」には対応していませんが、軟骨伝導という構造上、超高解像度なコーデックの違いよりも、安定した接続性や遅延の少なさが重視されています。実際のリスニングでも、AAC接続で十分クリアな高音質を楽しめます。
充電しながら音楽を聴くことはできますか?
いいえ、充電中は使用できません。
USB-Cケーブルを接続して充電を行っている間は、Bluetooth接続がオフになり、電源が入らない仕様になっています。 ただ、約10分の充電で約2時間使える急速充電に対応しているため、バッテリー切れで困る時間は最小限で済みます。
通話中に手元で「マイクミュート」はできますか?
はい、本体ボタンでミュート操作が可能です。
Web会議中、急に咳き込んだり、家族に話しかけられたりした際に、PC画面上のミュートボタンをクリックしなくても、ヘッドセット側のボタン操作(+と-ボタンの同時押しなど)で瞬時にマイクをオフにできます。 ミュート時には通知音が鳴るため、「ミュートになっているか分からない」という不安もなく、ビジネスシーンでの使い勝手は非常に良いです。
骨伝導特有の「くすぐったさ」は本当にありませんか?
完全にゼロではありませんが、骨伝導とは比較にならないほど低減されています。
従来の骨伝導は、低音再生時に肌を叩くような強い振動があり、それが「くすぐったい」「痛い」と感じる原因でした。 一方、軟骨伝導(ATH-CC500BT2)は、軟骨を微細に振動させて音を伝える仕組みであり、振動の振幅自体が非常に小さいです。最大音量付近で重低音の激しい曲を聴けば多少の震えは感じますが、通常音量でのリスニングや会話においては、不快な振動を感じることはほぼありません。骨伝導が苦手だった方にこそ試してほしいポイントです。
audio-technica 「ATH-CC500BT2」レビューのまとめ

「ATH-CC500BT2」は、audio-technicaが開発した軟骨伝導技術を搭載した新しいワイヤレスヘッドホンで、従来の骨伝導ヘッドホンとは一線を画す優れた快適性と実用性を備えています。
耳を塞がない構造により、長時間の装着でも耳に負担がかからず、外出時や運動中でも安心して使えることが特徴です。
ATH-CC500BT2のメリット:購入をおすすめできるポイント
- 第3の聴覚経路「軟骨伝導」: 骨伝導のような不快な振動がなく、ステレオ感のある自然な高音質を実現。
- 究極の装着感: 32gの軽量ボディと、人間工学に基づいたバンド設計で、一日中着けても痛みや疲れがない。
- ビジネス最強のマイク性能: AIノイズリダクションにより、騒音下でもクリアな声を相手に届けられる。
- スタミナバッテリー: 最大20時間再生+急速充電対応で、充電切れの不安から解放される。
- マルチポイント&アプリ対応: 2台同時接続や音質カスタマイズなど、現代のニーズを網羅。
ATH-CC500BT2のデメリット:購入前に知っておくべき注意点
- 重低音の限界: 構造上、身体に響くような重低音は出ない。音楽に「迫力」のみを求める人には不向き。
- 大音量環境での弱さ: 地下鉄や航空機内など、環境音が極端に大きい場所では、音がマスクされて聞こえにくくなる。
- 寝転がり使用の制限: ネックバンドが後頭部にあるため、枕に頭を乗せて仰向けになることは難しい。
骨伝導イヤホンと比較してどちらを選ぶべきか
| 特徴 | ATH-CC500BT2 (軟骨伝導) | 一般的な骨伝導イヤホン |
| 音の広がり | 自然 (スピーカーに近い) | 頭内定位 (頭の中で鳴る) |
| 振動 | ほぼ無し | 強い (音量上げると不快) |
| 低音 | 控えめだが正確 | メーカーによっては強調 |
| 音漏れ | 少ない (抑制技術あり) | 構造上漏れやすい |
| 装着感 | ソフト (耳珠に添える) | しっかり (こめかみを挟む) |
「振動が苦手」「より自然な音で聴きたい」「音漏れを気にする」という方は、間違いなく軟骨伝導であるATH-CC500BT2を選ぶべきです。
このモデルがおすすめな人・おすすめできない人
【おすすめな人】
- 在宅勤務やWeb会議が多いビジネスパーソン
- 長時間イヤホンをつけて作業をするクリエイター・ライター
- 家事をしながらラジオやポッドキャストを楽しみたい人
- ランニングやウォーキングを安全かつ快適に行いたい人
- 従来の骨伝導イヤホンの「くすぐったさ」で挫折した人
【おすすめできない人】
- EDM、ヒップホップ、ハードロックを大音量・重低音で楽しみたい人
- 通勤通学のメイン手段が地下鉄で、遮音性(ノイズキャンセリング)を最優先する人
- ベッドに寝転んで使用することがメインの人
価格に対する満足度とコストパフォーマンス評価
実勢価格は約20,000円台前半。
決して安価な製品ではありませんが、Amazonなどで数千円で売られている「なんちゃって骨伝導(実はただの小型スピーカー)」とは次元が違います。
「高性能なビジネス用ヘッドセット」であり、「安全なスポーツ用イヤホン」であり、「高音質な自分専用スピーカー」でもある。
この3役を1台で、しかも最高レベルの快適さでこなしてくれることを考えれば、コストパフォーマンスは極めて高いと断言できます。
安物を買って「耳が痛い」「接続が切れる」とストレスを溜めるくらいなら、オーディオテクニカという信頼できるブランドのこの1台に投資する価値は十分にあります。
ATH-CC500BT2レビューの総評:日常をアップデートする一台
audio-technica「ATH-CC500BT2」は、単なる音楽再生機器ではありません。
それは、「音のある豊かな生活」を、身体的負担ゼロで実現するためのインターフェースです。
耳を塞がないことによる「開放感」。
相手にクリアな声を届ける「信頼性」。
そして、一日中寄り添ってくれる「持続力」。
これらが揃うことで、仕事の効率は上がり、運動はより楽しくなり、リラックスタイムはより深まります。
もしあなたが、日々の生活に「音」を自然に取り入れたいと考えているなら、この軟骨伝導ヘッドホンは、あなたの期待を大きく超える体験をもたらしてくれるはずです。
「ながら聴き」の正解を探している全ての人へ。
ATH-CC500BT2は、間違いなくその「最適解」の一つです。


