完全ワイヤレスイヤホン市場において、今最も熱い視線が注がれている「イヤーカフ型」イヤホン。
耳を塞がない開放感と、ながら聴きの利便性が支持され、急速に普及しています。
しかし、市場を見渡すと「スポーツ特化」の無骨なデザインや、逆にプラスチック感が強く「チープ」に見えてしまう製品が多く、ファッションやビジネスシーンにマッチする選択肢は意外と少なかったのが現状です。
そんな中、日本の老舗オーディオブランドVictor(ビクター)が満を持して投入したのが、「HA-NP1T」です。
メーカーが掲げるコンセプトは「音アクセ(音の鳴るアクセサリー)」。
機能性だけでなく、ファッションアイテムとしての美しさに大きく舵を切った意欲作です。
一見すると、これが最新のデジタルガジェットだとは気づかないほど洗練されたデザインですが、果たしてその実力は見た目だけなのでしょうか?
オーディオ機器としての本質である「音質」や「使い勝手」は、老舗の名に恥じないものなのでしょうか。
この記事では、オーディオガジェットを愛してやまない筆者が、Victor「HA-NP1T」を実際に1週間、あらゆるシーンで使い倒し、音質、装着感、使い勝手を徹底的にレビューします。
競合ひしめくイヤーカフ市場において、なぜあえて今Victorを選ぶべきなのか。その理由を深掘りしていきます。
Victor 「HA-NP1T」のデザインと機能美

まず最初に目を奪われるのは、その圧倒的な「美しさ」です。
多くのガジェットが機能性を誇示するために「機械」であることを主張する中で、HA-NP1Tは「装飾品」としての立ち位置を確立しています。
アクセサリー感覚で纏う「音アクセ」としての品格
「HA-NP1T」の最大の特徴は、イヤホンであることを忘れさせるデザイン言語です。
本体のドライバー部とバッテリー部をつなぐブリッジ部分(メタリックパーツ)は、単なる連結部品ではなく、デザインの核として扱われています。
光沢のある金属的な仕上げは、まるでジュエリーのような輝きを放ちます。
特にイヤーカフ型は耳の軟骨部分に挟んで装着するため、ピアスやイヤリングと位置が近く、ファッションアイテムとして自然に溶け込みます。
他社のイヤーカフ型が「シリコンの塊」に見えてしまうのに対し、HA-NP1Tは異素材の組み合わせによる質感が所有欲を満たしてくれます。
安価なイヤホンにありがちな「バリ」や「安っぽい継ぎ目」も見当たらず、細部まで丁寧に仕上げられている点に、日本のモノづくりの矜持を感じます。
Victorブランドの象徴「ニッパー」と所有する喜び
Victorファン、ひいては犬好きにはたまらないのが、ブランドの象徴である「ニッパー(Nipper)」君の存在です。
この犬のマークには、「亡き主人の声が聞こえる蓄音機を不思議そうに覗き込む」という感動的な逸話があります。
- 充電ケースの天面: Victorロゴと共にニッパー君のシルエットが上品にプリントされています。
- 充電ケースを開けた内部: イヤホンを取り出した底面に、さりげなくニッパー君が鎮座しています。
かつて蓄音機に耳を傾けていたあの名犬が、最新の完全ワイヤレスイヤホンにも刻印されている。
この「伝統と最新技術の融合」こそが、新興メーカーには出せないVictorならではの「重み」です。
ケースを開けるたびにニッパー君と目が合う体験は、単なる道具以上の愛着を湧かせてくれます。
「ただ音楽を聴く」という行為に、少しの温かみを加えてくれる演出です。
マルチポイント対応と基本スペックの評価
デザインだけでなく、現代のTWSに求められる機能もしっかり網羅されています。
スペック表の数字だけでは見えてこない実用性を解説します。
【Victor HA-NP1T 基本スペック詳細評価】
| 項目 | スペック詳細 | 評価・解説 |
| ドライバー | 10mm径 高磁力ネオジムドライバー | イヤーカフ型としては大型の部類。低音の再現性と音圧確保に貢献しています。 |
| 通信方式 | Bluetooth Ver 5.3 | 最新規格に近いVer 5.3を採用。人混みでの接続安定性が高く、省電力性にも優れています。 |
| 対応コーデック | SBC / AAC | aptX系やLDACには非対応。ハイレゾワイヤレスではありませんが、iPhoneユーザーには最適解。Androidでも実用上は十分な音質です。 |
| マルチポイント | 対応(2台同時接続) | 必須機能。PCでWeb会議待機中に、スマホで音楽を聴くといった運用が可能。切り替えもスムーズです。 |
| 再生時間 | イヤホン単体:約8時間 ケース込み:約24時間 | 競合製品と比較しても平均以上のスタミナ。丸一日つけっぱなしでもバッテリー切れの心配はほぼありません。 |
| 防水性能 | IPX4(防滴) | 急な雨や、ランニング中の汗なら問題なし。水洗いや水没はNGなので注意が必要です。 |
| 重量 | 片耳 約4.9g | 5gを切る軽量設計。耳への負担分散設計と相まって、物理的な重さをほとんど感じさせません。 |
| マイク | 搭載(マイクミュート機能あり) | 通話用ノイズリダクション機能も搭載しており、クリアな通話が可能。 |
特筆すべきはマルチポイント接続に対応している点です。
例えば、PCで作業用BGMを流している最中にスマホに着信があっても、操作なしで自動的にスマホへ音声が切り替わります。
この機能があるかないかで、ビジネスユースでの評価は天と地ほど変わります。
HA-NP1Tはしっかりとここを押さえてきました。
Victor 「HA-NP1T」の音質検証:イヤーカフ型の枠を超えるサウンド表現

「耳を塞がない=音がスカスカ」「低音がなくてラジオみたい」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかし、HA-NP1Tはその先入観を良い意味で裏切ってくれます。
Victorが長年培ってきた音響技術が、開放型特有の欠点を巧みにカバーしています。
10mmドライバーが描く音場と解像度
実際に聴いてみて驚いたのは、「音のクリアさ」と「ボーカルの近さ」です。
10mmという(この筐体サイズにしては)大型の高磁力ネオジムドライバーを搭載している恩恵か、中高音域の解像度が非常に高いです。
骨伝導イヤホンと比較するとその差は歴然です。
骨伝導は「頭蓋骨を振動させる」ため、音量を上げるとくすぐったかったり、音の帯域が狭く感じたりすることがあります。
対してHA-NP1Tは、あくまで空気を震わせて鼓膜に届ける「空気伝導」です。
そのため、スピーカーで音楽を聴いているような自然な広がりと空気感を感じることができます。
- 高音域:
刺さることなく、キラキラとした伸びやかさがあります。
ハイハットの刻みや、ピアノの残響音が美しく消えていく様が表現できています。 - 中音域:
このイヤホンの真骨頂です。
ボーカルが非常に聞き取りやすく、艶があります。
J-POPやアニソン、ラジオの音声など、人の声を主体としたコンテンツとの相性は抜群です。 - 低音域:
構造上、カナル型(耳栓型)のような脳を揺らす重低音は物理的に難しいですが、バスドラムのアタック感やベースラインの輪郭はしっかり追えます。
「ドズン」ではなく「トントン」という軽快な低音ですが、音楽のグルーヴを損なうことはありません。
3つのサウンドモード(NORMAL/HIGH/BASS)の使い分け
HA-NP1Tには、専用アプリや本体操作で切り替え可能な3つのサウンドモードが搭載されています。
これが単なるイコライザープリセットではなく、実用性に特化したチューニングになっています。
- NORMALモード(バランス)
- 初期設定です。最も癖がなく、長時間のリスニングでも聴き疲れしないチューニング。BGMとして流すならこれ一択です。Victorらしい、原音に忠実で温かみのあるサウンドです。
- HIGHモード(明瞭度アップ)
- 中高音をブーストし、人の声を際立たせるモードです。
- 検証結果: 騒がしいカフェや、交通量の多い道路沿いで威力を発揮しました。騒音に埋もれがちな「カ行」「サ行」の子音がはっきり聞こえるようになります。語学学習やオーディオブックにも最適です。
- BASSモード(低音増強)
- 開放型で逃げがちな低音を補強するモードです。
- 検証結果: ロックやEDM、アクション映画を見る際にオンにすると、迫力が一段階増します。ただし、無理に低音を持ち上げるため、曲によっては中音域に干渉し、全体が少しブーミー(こもった感じ)になることもありました。静かな部屋で映画を見る時などに使うのがおすすめです。
個人的には、「HIGHモード」の完成度が高いと感じました。
イヤーカフ型は騒音下では低音がマスクされやすいため、あえて中高音を突き抜けさせることで「聴こえやすさ」を確保するという理にかなった設定です。
動画・ゲームでの遅延と接続安定性の確認
ワイヤレスイヤホンの弱点である「遅延」についても検証しました。
HA-NP1Tは「低遅延モード」を搭載しています。
これをオンにすることで、映像と音声のズレを大幅に抑制できます。
- 動画視聴(YouTube/Netflix):
通常モードでも違和感はありませんが、低遅延モードにすると、俳優の口の動きと声が完全にシンクロします。
トークバラエティやドラマでもストレスフリーです。 - ゲームプレイ(音ゲー/FPS):
流石に1フレームを争う「音ゲー」の最高難易度や、競技性の高いFPSでは有線に劣りますが、RPGやパズルゲーム、『ポケモンGO』などの位置情報ゲームであれば全く問題ありません。
足音がワンテンポ遅れるといった致命的なズレは感じませんでした。
また、接続安定性に関しても、満員電車(新宿駅の朝のラッシュ時)でテストしましたが、プツプツと切れることは一度もありませんでした。
左右の通信も安定しており、Victorの無線技術の高さが伺えます。
Victor 「HA-NP1T」の装着感・操作性:日常に溶け込むストレスフリー設計

イヤーカフ型イヤホンを選ぶ最大の理由、それは「装着感」です。
HA-NP1Tには、長時間つけていても痛くならないためのVictor独自の工夫が詰め込まれています。
フレキシブルアジャスト機構による「挟む」装着感の真価
多くの安価なイヤーカフ型イヤホンは、プラスチックの形状が固定されており、「耳が厚い人は痛い」「耳が薄い人は落ちる」という相性問題が発生しがちでした。
しかし、HA-NP1Tは「フレキシブルアジャスト機構」を採用しています。
これは、ドライバー部分(耳の穴側)とバッテリー部分(耳裏側)をつなぐアーム部分に、適度な可動域とバネ性を持たせたもの。
単に柔らかいだけでなく、「形状記憶合金のように戻ろうとする力」が絶妙に調整されています。
これにより、ユーザーの耳の厚みに合わせて「優しく、かつしっかり」挟み込むことが可能です。
- 装着のコツ: 耳の上の薄い部分から差し込み、耳たぶの上の軟骨のくぼみにスライドさせて固定します。
- 安定感: 実際にヘッドバンギングをしてみましたが、ズレません。ランニング程度の上下動ならビクともしない固定力がありながら、締め付けによる痛みは皆無です。
メガネ・マスク・ピアスとの干渉を徹底チェック
現代人の耳周りは過密状態です。
メガネ、マスク、そしてピアス。ここにイヤホンを加えるのは至難の業ですが、HA-NP1Tは見事に共存します。
- 対メガネ・サングラス:
Shokzなどの耳に引っ掛ける「フック型」は、メガネのツルとイヤホンのフックが喧嘩し、耳の上が痛くなることがあります。
しかし、HA-NP1Tは「クリップ型」なので、メガネのツルと接触する面積が極小です。
私は極太フレームのメガネを愛用していますが、干渉はほぼゼロと言って良いでしょう。 - 対マスク:
マスクの紐は耳の付け根を通りますが、HA-NP1Tは耳の側面を挟んでいます。
マスクの着脱時に紐が引っかかってイヤホンが飛んでいく…という「あるある」事故が劇的に減ります。花粉症シーズンには最強の味方となるでしょう。 - 対ピアス:
イヤーロブ(耳たぶ)のピアスとは干渉しません。
軟骨ピアス(ヘリックス等)をしている場合は装着位置をずらす必要がありますが、クリップ位置を上下にスライド調整できるため、多くの場合で回避可能です。
誤操作を防ぐ物理ボタンとアプリのカスタマイズ性
最近の流行りはスタイリッシュな「タッチセンサー」ですが、髪の毛が触れたり、装着位置を直そうと触れただけで曲が止まったりと、ストレスになることも多いです。
HA-NP1Tは、あえて「物理ボタン」を採用しています。 本体の側面(耳の裏側に来る部分)にある小さな突起ボタンを押すことで操作します。
- メリット:
「カチッ」というクリック感があり、手袋をしていても確実に操作できます。
誤操作が皆無なのは、日常使いにおいて非常に重要です。 - 操作のコツ:
ボタンを押す際、耳を挟む方向に力が加わるため、そのまま押し込むと少し耳が圧迫されます。
親指と人差指で本体を上下からつまむようにしてボタンを押すと、耳への負担なくスムーズに操作できます。
専用アプリ「Victor Headphones」を使えば、キー割り当ての変更も可能です。
「1回押しで再生/停止」「長押しで音量調整」「3回押しで音声アシスタント」など、左右それぞれに自分好みの機能を割り当てられるのは大きな加点ポイントです。
での快適な使用感を重視した製品として、幅広いユーザーにおすすめです。
Victor 「HA-NP1T」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、実際に私が1週間、寝る時以外ほぼつけっぱなしで生活してみたリアルな体験談をお届けします。
開封の儀から初回ペアリングまでのスムーズさ
パッケージは環境に配慮した紙製ですが、デザインはシンプルで洗練されており、チープさは感じません。
開封してまず行うペアリングですが、ケースから取り出すだけでスムーズにスマホのBluetooth設定画面に現れました。
注意が必要だったのはマルチポイントの接続方法です。
1台目を接続した後、一度Bluetoothを切断するか、アプリ側で操作する必要があるなど、少し手順に癖がありました(説明書を読めば問題ありませんが、直感的とは言い難いかも)。
しかし、一度設定してしまえば、PCとスマホの切り替えは爆速です。
テレワークと家事で実感した「ながら聴き」の利便性
在宅ワーク中、このイヤホンの真価が発揮されました。
カナル型イヤホンでWeb会議をしていると、自分の話し声が頭の中で響く(閉塞感)のが苦手だったのですが、HA-NP1Tは耳が開いているため、自分の声が自然に聞こえ、話しやすさが段違いです。
マイク性能もテストしましたが、通話相手から「声が遠い」「環境音がうるさい」と言われることは一度もありませんでした。
マイクミュート機能が本体操作でできるのも地味ながら神機能です。
また、家事の最中も最高です。
料理中、換気扇の音でリビングのテレビが聞こえない時、HA-NP1Tでラジオを聴きながら作業。
それでも、インターホンの音や、家族からの「ご飯まだ?」という呼びかけには即座に反応できます。
「音楽には没頭したいが、社会との繋がりは遮断したくない」という現代のニーズに完璧にマッチしています。
外出時の環境音の聞こえ方と音漏れの実態
屋外での使用、特にウォーキング中に使ってみました。
カナル型やノイズキャンセリング機にある「外音取り込みモード」は、マイクで拾った音を再生するため、どうしても「サーッ」というホワイトノイズが入ったり、風切り音が強調されたりします。
しかし、HA-NP1Tは「生の外音」です。背後から近づく自転車の走行音、遠くの車の気配、鳥のさえずり。これらを自然に感じながら、BGMとして音楽が流れる体験は、AR(拡張現実)のようです。
気になる「音漏れ」について徹底検証しました。
Victorは指向性を制御して、耳の穴に向かってピンポイントで音を届ける技術を採用しています。
静かな室内(図書館レベル)で、iPhoneの音量50%程度で音楽を再生し、家族に隣に座ってもらいました。
結果は…「何か鳴ってるのは分かるけど、曲名は分からない。シャカシャカ音はほとんどしない」レベル。
流石に静まり返ったエレベーターや病院の待合室では配慮が必要ですが、オフィスの雑踏や屋外、電車内(隣の人と肩が触れない距離)であれば、常識的な音量で聴く分には音漏れを気にする必要はなさそうです。
他社の人気イヤーカフ型イヤホンと比較して感じた違い
私はこれまで、Shokzの骨伝導やAnkerのイヤーカフ、HUAWEIのFreeClipなども試してきました。
それらと比較してHA-NP1Tが優れていると感じたのは、やはり「安定感」と「デザインの高級感」のバランスです。
- vs Shokz OpenFit:
音質はShokzも素晴らしいが、耳掛け式なのでメガネユーザーの私は長時間つけると耳上が痛くなることがあった。
HA-NP1Tはその痛みが皆無。 - vs HUAWEI FreeClip:
FreeClipも装着感は軽いが、デザインが前衛的すぎて服を選ぶ。
HA-NP1Tの方がカジュアルからフォーマルまで合わせやすく、プラスチックっぽさが少ない。
あえて言いたい「もう少し改善してほしい」ポイント
ベタ褒めするだけでは嘘になりますので、気になった点も正直に挙げます。
- ワイヤレス充電非対応:
この価格帯(約2万円弱)なら、Qi充電には対応してほしかった。
毎回ケーブルを挿すのは少し手間に感じます。 - ケースからの取り出しにくさ:
マグネットが強力で、かつイヤホン本体がツルッとしたデザインのため、指が乾燥していると滑って取り出しにくいことが何度かありました。 - 重低音の限界:
BASSモードにしても、やはりドラムのキック音などの「圧」はカナル型には勝てません。
「重低音命!」という方には物足りないでしょう。
体験談の総括:生活の一部になるイヤホン
1週間使い終わる頃には、「イヤホンをつけている」という感覚が消えていました。
朝起きて顔を洗ったら装着し、BGMと共に朝食、通勤、仕事、帰宅後のリラックスタイムまで。
バッテリーが持つ限り、ずっと耳に居座り続けるパートナー。
それがHA-NP1Tでした。 「音楽を聴くために構える」のではなく、「生活音に音楽をレイヤードする」という新しい体験を提供してくれるデバイスです。
Victor 「HA-NP1T」に関するQ&A

ここでは、Victor 「HA-NP1T」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
メガネやマスクと干渉しませんか?
干渉はほぼありません。
耳の上から掛ける「フック型」ではなく、耳の横を挟む「クリップ(カフ)型」のため、メガネのツルやマスクの紐と場所が被りません。メガネユーザーや、花粉症でマスクが手放せない方には、最も相性の良いタイプのイヤホンです。
ランニングやスポーツで使っても落ちませんか?
かなり激しく動いても落ちません。
Victor独自の「フレキシブルアジャスト機構」により、耳の厚みに合わせてしっかりとグリップします。また、IPX4相当の防滴性能があるため、汗や急な雨でも安心して使用できます。
長時間つけていると耳が痛くなりませんか?
痛みは非常に出にくい構造です。
挟む強さを可動部で調整できるため、自分の耳に合った強さで装着できます。ただし、装着位置が悪いと軟骨が押されて痛くなる場合があるため、痛みを感じたら少し挟む位置をずらすのがコツです。
電車の中やオフィスでの音漏れは気になりますか?
常識的な音量であれば問題ありません。
指向性の高い音響設計により、耳の穴に向かってピンポイントで音を届けます。ただし、構造上、完全に音漏れを防ぐことはできません。満員電車で肩が触れ合う距離や、図書館のような静寂な場所では音量を下げる配慮が必要です。
骨伝導イヤホンとは何が違いますか?
音の伝え方が違います。
骨伝導は頭蓋骨を振動させますが、HA-NP1Tは小さなスピーカーを耳元で鳴らす「空気伝導」です。骨伝導特有の「くすぐったさ」がなく、一般的なイヤホンに近い自然な音の広がりと、クリアなボーカル再生が特徴です。
Web会議(テレワーク)で使えますか?
非常に適しています。
自分の声がこもらず自然に話せるほか、マイクミュート機能が本体ボタンで操作できます。また、マルチポイント対応なので、PCで会議中にスマホへ着信があってもスムーズに対応可能です。
ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
対応していません。
充電は付属のUSB Type-Cケーブルを使用する必要があります。
片耳だけで使用できますか?
はい、可能です。
左右どちらか片方だけをケースから取り出して使用できます。片耳で通話やラジオを聞きながら、もう片方の耳で周囲の音を完全に聞くといった使い方が可能です。
ゲームや動画の遅延(音ズレ)はありますか?
低遅延モード」を使えば気になりません。
アプリや本体操作で低遅延モードをONにすることで、動画の口の動きと声のズレ(リップシンク)はほぼ感じなくなります。RPGやパズルゲームも快適ですが、競技性の高いFPSや音ゲーには向きません。
誤操作は起きませんか?タッチセンサーですか?
物理ボタン式なので、誤操作はほぼ起きません。
タッチセンサーではなく、本体側面に「カチッ」と押せる物理ボタンがついています。髪の毛が触れたり、マスクを着け外したりするだけで勝手に反応してしまうストレスがありません。手袋をしたままでも操作可能です。
ハイレゾ(LDACやaptX Adaptive)には対応していますか?
対応していません。コーデックはSBCとAACのみです。
ハイレゾ再生はできませんが、iPhoneユーザー(AAC接続)であれば最適な音質で楽しめます。Androidユーザーでも、耳を塞がないオープンイヤー型という構造上、超高音質なコーデックでなくても十分きれいな音に聞こえるチューニングが施されています。
「寝ホン」(睡眠用)として使えますか?
仰向けなら快適ですが、横向き寝には向きません。
耳の穴に入れないため、仰向けで寝る分には耳への負担が少なく快適です。しかし、耳の外側にパーツがある構造上、横を向いて寝ると枕とイヤホンが干渉し、耳が圧迫されて痛みを感じたり、本体が破損する恐れがあるため推奨しません。
Victor 「HA-NP1T」レビューのまとめ

Victor HA-NP1Tは、単なる「耳を塞がないイヤホン」の枠を超え、ファッションアイテムとしての地位を確立した意欲作です。
音質、機能、装着感のバランスが非常に高次元でまとまっています。
HA-NP1Tのメリット・デメリット総まとめ
【メリット】
- デザイン性: アクセサリー感覚で使える洗練された外観と質感。
- 装着感: フレキシブルアジャスト機構で痛くなりにくく、ズレない。
- メガネ・マスクフリー: 干渉ストレスから開放されるクリップ型。
- 音質: 声が聴き取りやすいクリアなサウンドと、実用的な3つのモード。
- 機能: マルチポイント、物理ボタン、IPX4防滴と死角なし。
【デメリット】
- ワイヤレス充電(Qi)に非対応。
- カナル型に比べると低音の迫力は控えめ。
- ケースから少し取り出しにくい場合がある。
このイヤホンを買うべき人・見送るべき人
【こんな人におすすめ!】
- メガネやマスクを常時着用している人(最強の選択肢の一つです)。
- イヤホンの「機械っぽい」デザインが苦手で、おしゃれに身に着けたい人。
- 家事、育児、仕事中に「呼びかけ」や「インターホン」を逃したくない人。
- 耳の穴を塞ぐ圧迫感が苦手で、長時間BGMを流していたい人。
- Victorの「ニッパー君」グッズを集めている人。
【こんな人は見送るべき】
- 重低音で脳を揺らしたい、没入感を最優先する人(カナル型を買いましょう)。
- 周囲の騒音を完全にシャットアウトしたい人(ノイズキャンセリング機を買いましょう)。
- ワイヤレス充電が必須条件の人。
ファッションアイテムとしてのコストパフォーマンス
実勢価格は約19,000円前後。
激安ではありませんが、アクセサリーを一つ買う感覚と、高機能なオーディオ機器を買う感覚、その両方を満たしてくれると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
安価なプラスチック製イヤーカフを買って「安物買いの銭失い」になるくらいなら、所有欲を満たしてくれるHA-NP1Tを選ぶのが正解です。
骨伝導やカナル型とは違う「イヤーカフ型」の価値
骨伝導のような振動の違和感がなく、カナル型のような閉塞感もない。
「イヤーカフ型(空気伝導)」は、最も自然に、BGMのように音楽を生活に溶け込ませるスタイルです。
HA-NP1Tはその中でも、装着の調整幅が広く、多くの人の耳にフィットする完成形に近いモデルです。
日本ブランド「Victor」を選ぶ安心感と信頼性
海外メーカーの台頭が著しいオーディオ市場ですが、やはり日本の老舗ブランドの安心感は別格です。
日本人の耳の形を知り尽くした設計、分かりやすい日本語アプリ、そして丁寧なサポート体制。
これらはスペック表には現れない「隠れた性能」です。
HA-NP1T レビューの最終結論
Victor HA-NP1Tは、単なる「音が出るガジェット」の枠を超え、ファッションの一部として成立する稀有なイヤホンです。
多くのイヤーカフ型イヤホンが機能性を重視するあまりスポーティーな外観やチープな質感に寄ってしまう中で、本機はアクセサリーのような美しさと、一日中着けていても苦にならない極上の装着感を両立させています。
特に、Victor独自のフレキシブルアジャスト機構が生み出すフィット感は、メガネやマスクが手放せない現代人のライフスタイルにおけるストレスを、見事に解消した正解と言えるでしょう。
音質に関しても、ながら聴きデバイスにありがちな「ただ聴こえればいい」という妥協は一切感じられません。
空気伝導ならではの自然な空間表現と、人の声が際立つクリアなサウンドは、日常のBGMとして生活に彩りを加えるのに最適です。
さらに、マルチポイント接続による利便性や、誤操作を防ぐ物理ボタンの採用など、デザインだけでなく道具としての実用面でも非常に高い完成度を誇ります。
構造上、重低音の迫力こそカナル型には及びませんが、それを補って余りある「開放感」と「安心感」がここにはあります。
もしあなたが、音楽を楽しむために周囲とのつながりを遮断したくない、あるいは無機質な機械を耳につけることに抵抗があったのなら、このイヤホンは間違いなく最良のパートナーとなります。
耳元の小さなニッパー君と共に、日常のあらゆるシーンがお気に入りの音楽で満たされる、そんな新しいライフスタイルをぜひ手に入れてください。


