「スマホで音楽を聴くのは便利だけど、バッテリーの減りが気になる」
「ドングルDACを使っているけれど、ケーブルが邪魔で結局使わなくなってしまった」
「高級DAPには手が出ないけれど、もっといい音で音楽を楽しみたい」
「1万円台のDAPなんて、安物買いの銭失いにならないか?」
そんな悩みや疑問を抱える音楽好きの方に、今、強烈な選択肢として現れたのがHiBy Musicの「R1」です。
現在のポータブルオーディオ市場は二極化が進んでいます。
数万円〜数十万円する「高級DAP」か、数千円でスマホに繋ぐ「ドングルDAC」か。
かつて存在した「手頃な価格で買える音楽専用プレーヤー(iPod nanoやWalkmanのエントリー機のような存在)」は、スマホの進化と共に絶滅危惧種となっていました。
そこに投入されたのが、実売価格1万円台という「破壊的」な安さを誇るHiBy R1です。
シーラス・ロジック社製の定評あるDACチップ「CS43131」を搭載し、ストリーミング再生にも(限定的とはいえ)対応。
さらにBluetoothレシーバー機能まで詰め込んだ、まさに「全部入り」の意欲作です。
しかし、安すぎるがゆえに不安もよぎります。
「操作性は悪くないのか?」「本当にスマホより音がいいのか?」「安っぽいおもちゃではないのか?」
この記事では、実際にHiBy R1を使い込み、その音質から操作性、メリットだけでなく、競合製品と比較した際の立ち位置、そして「購入前に絶対に知っておくべきUIの癖と解決策」まで、徹底的にレビューします。
初めてのDAPを探している方も、サブ機を検討している玄人の方も、この記事を読めばR1の全てが分かります。
- HiBy Music 「R1」の概要とスペック:なぜ今、このエントリーDAPが注目されるのか
- HiBy Music 「R1」の音質レビュー:フラット志向とMSEBによる無限の可能性
- HiBy Music 「R1」の独自OS「HiBy OS」の実力検証:操作性とストリーミングの真価
- HiBy Music 「R1」を使用した私の体験談・レビュー
- HiBy Music 「R1」に関するQ&A
- SpotifyやApple Musicなどのアプリをインストールして聴けますか?
- 本体に楽曲を保存する容量(内部ストレージ)はありますか?
- 4.4mmバランス接続には対応していますか?
- パソコンのUSB-DACとして使えますか?
- 歌詞表示には対応していますか?
- バッテリー持ちは実際どのくらいですか?
- 楽曲の転送はどうやって行いますか?
- 曲と曲の間の無音をなくす「ギャップレス再生」には対応していますか?
- ドングルDACのように本体が熱くなりますか?
- プレイリストは作成できますか?
- ファームウェアのアップデートにPCは必要ですか?
- 日本語の表示はおかしくないですか?
- ワイヤレスイヤホン(TWS)は使えますか?
- 充電にはどのくらいの時間がかかりますか?
- 保護ケースやフィルムは最初から付いていますか?
- 電子書籍を読んだり、ラジオを聴いたりできますか?
- HiBy Music 「R1」レビューのまとめ
HiBy Music 「R1」の概要とスペック:なぜ今、このエントリーDAPが注目されるのか

まずは、なぜ今このスペックのDAPが注目されているのか、その背景とハードウェアとしての実力を深掘りします。
基本スペックとCS43131搭載の意義
HiBy R1のスペックにおいて、最も特筆すべきは心臓部であるDACチップです。
| 項目 | HiBy R1 スペック詳細 | 解説・備考 |
| OS | HiBy OS (Linuxベース独自OS) | Androidではないためアプリ追加は不可だが、動作は軽快 |
| SoC | Ingenic X1000E | 省電力プロセッサ。音楽再生に特化した制御を行う |
| DACチップ | Cirrus Logic CS43131 | 高級機にも採用される実績あるチップ。低消費電力・高音質が特徴 |
| ディスプレイ | 3インチ IPSタッチスクリーン (800×480) | ジャケット表示には十分な解像度。視認性は良好 |
| 対応フォーマット | 最大 PCM 384kHz/32bit, DSD256 | 一般的なハイレゾ音源はほぼ全て再生可能 |
| 出力端子 | 3.5mm シングルエンド | 4.4mmバランス端子は非搭載(価格なりの割り切り) |
| 最大出力 | 101mW (32Ω負荷時) | 一般的なイヤホンなら余裕で鳴らす駆動力 |
| Bluetooth | Ver 5.1 (送受信対応) | 送信・受信ともに高音質コーデックに対応 |
| 対応コーデック | 送信: LDAC, aptX, AAC, SBC 受信: LDAC, AAC, SBC | iPhoneユーザーもLDAC受信機として活用可能 |
| Wi-Fi | 2.4GHz | ストリーミング、OTAアップデート、Wi-Fi伝送に使用 |
| バッテリー | 1150mAh | 連続再生 最大約15時間(待機時間は約400時間) |
| サイズ / 重量 | 83.5 × 51.1 × 12.35 mm / 約70g | 圧倒的な軽さ。卵Lサイズ1個分と同等 |
| ストレージ | 内蔵なし (microSDカード 最大2TB対応) | microSDカードが必須。別途購入が必要 |
| 価格 | 約16,800円 (税込) | ドングルDAC+αの価格帯 |
【DACチップ「CS43131」の凄さとは?】
オーディオに詳しくない方のために補足すると、この「CS43131」というチップは、ポータブルオーディオ界隈では「名石」の一つとして知られています。
特徴は、非常に低い消費電力でありながら、「S/N比(信号対雑音比)」と「ダイナミックレンジ」が極めて高いこと。
つまり、無音時の「サーッ」というホワイトノイズが限りなくゼロに近く、小さな音から大きな音までを明瞭に描き分ける能力に長けています。
1万円台のDAPに、数万円クラスのドングルDACや中級機と同じチップを載せてきたこと自体が、HiByの本気度(あるいは価格設定のバグ)を物語っています。
「スマホ+ドングルDAC」ではなく「DAP」を持つメリット
「最近はスマホに5,000円〜1万円のドングルDAC(スティック型DAC)を挿せばいい音になる。
わざわざ別の端末を持ち歩く必要はあるのか?」
これは非常に合理的な疑問です。
コスパ(音質に対する価格)だけで見れば、ドングルDACは強力なライバルであり、数値上のスペックも拮抗しています。
しかし、「DAP(専用機)」を持つことには、数値には表れない明確な体験の差があります。
- 独立した電源回路による「音の安定感」
- ドングルDACはスマホのバッテリーから電力を吸い上げて駆動します。スマホ側の電圧変動やノイズの影響を受けやすく、バッテリー残量が減ると動作が不安定になることもあります。
- 対してR1は、独立したバッテリーとオーディオ専用に設計された電源回路を持っています。これにより、低域の押し出し感や背景の静寂性(黒い背景)において、同価格帯のドングルDACよりも有利に働きます。
- スマホのバッテリーを守る
- ドングルDACを使用すると、スマホのバッテリーは激しく消耗します。音楽を聴きすぎて、肝心な時にスマホの充電がない……という本末転倒な事態を防げます。
- 「音楽に没入する」という儀式
- スマホで音楽を聴いていると、LINEの通知音が割り込んだり、SNSの通知が目に入ったりします。DAPを使うことは、物理的に通信と音楽を切り離すこと。「再生ボタンを押したら、そこは音楽だけの世界」という没入感は、専用機ならではの贅沢です。
外観とサイズ感:約70gがもたらす圧倒的携帯性
実機を手に取った瞬間、誰もが「軽っ!」と声を漏らすはずです。
約70g。これは最新のiPhone 15 Pro(約187g)の半分以下、およそ3分の1に近い重さです。
胸ポケットに入れてもシャツが型崩れしません。ランニングポーチに入れても揺れが気になりません。
「重いから今日は置いていこう」とならないサイズ感こそが、ポータブルオーディオにおいて最も重要なスペックかもしれません。
筐体の質感:
素材はポリカーボネート(プラスチック)です。アルミやステンレスの削り出し筐体を持つ高級DAPと比べれば、正直なところ「おもちゃ感」は否めません。
しかし、安っぽいというよりは、90年代のスケルトンブームや、レトロフューチャーを感じさせるポップなデザインとして昇華されています。
側面には、電源ボタン、音量ボタン(+/−)、再生/停止ボタン、曲送り/戻しボタンが配置されています。
これらは適度なクリック感があり、ポケットの中での手探り操作も容易です。
携帯性の革命:
胸ポケットに入れてもシャツが型崩れしません。
ランニングポーチに入れても揺れが気になりません。
「重いから今日は置いていこう」とならないサイズ感こそが、ポータブルオーディオにおいて最も重要なスペックかもしれません。
HiBy Music 「R1」の音質レビュー:フラット志向とMSEBによる無限の可能性

DAPにおいて最も重要なのはやはり「音」です。HiBy R1のサウンドは、価格の安さから想像する「妥協した音」とは一線を画しています。
様々なイヤホン・ヘッドホンを接続して検証しました。
音質傾向:特定の帯域を強調しない「素材の味」重視
一聴して感じるのは、非常にフラットでニュートラル、かつ現代的な解像度を持ったサウンドです。
- 低域:
過度なブースト感(ドンシャリ傾向)はありません。
ボワつきのないタイトな低音で、バスドラムのアタック感やベースラインの運指が明瞭に聴き取れます。
重低音重視のイヤホンを使えばしっかり鳴りますし、モニターイヤホンを使えば分析的に鳴ります。
DAP側での色付けは最小限です。 - 中域:
ボーカルは近すぎず遠すぎず、適切な定位感です。
CS43131の特徴である「歪みの少なさ」が効いており、女性ボーカルのサ行の刺さりも滑らかに処理されています。
アコースティックギターやピアノの余韻も、この価格帯としては驚くほど綺麗に伸びます。 - 高域):
煌びやかさはありますが、耳に痛い成分は抑えられています。
高い解像感を持ちつつも、長時間聴いても聴き疲れしない「優しいクリアさ」があります。
【ジャンル別相性】
- POPS/アニソン: ◎(ボーカルが埋もれず、スピード感のある曲も追従する)
- JAZZ/クラシック: ◯(静寂性は高いが、壮大な音場感には少し欠ける。後述のMSEBで調整推奨)
- EDM/ROCK: ◯(デフォルトだと少し大人しいかも? MSEBで低音を盛ると化ける)
魔法の杖「MSEB」:直感操作で自分好みの音を作る
R1を「ただの安いDAP」で終わらせない最大の武器が、HiBy独自の音質調整機能「MSEB(MageSound 8-ball)」です。
これは一般的な10バンドイコライザー(Hz単位で周波数を上げ下げする、素人には難しいもの)とは全く概念が異なります。
「オーディオ用語」ではなく「感覚的な言葉」で音を整形できるのが特徴です。
【MSEBおすすめ設定レシピ】
- 「ロックやEDMで迫力が欲しい!」設定
- 低音の弾力(Bass extension): 「深い(Deep)」側に+20
- 低音の質感(Bass texture): 「重い(Thumpy)」側に+15
- インパルス応答(Impulse response): 「速い(Fast)」側に+10
- 結果: キックドラムのドスンという重みが増し、スピード感のあるキレキレのサウンドになります。
- 「女性ボーカルをしっとり聴きたい」設定
- 温度感(Temperature): 「温かい(Warm)」側に+15
- ボーカル(Note thickness): 「厚い(Thick)」側に+10
- 女性毒(Vocals): 「甘い(Sweet)」側に+20
- 結果: 少しドライ気味だったボーカルに艶が乗り、耳元で歌われているような生々しさが加わります。
- 「ライブ音源のような広がりが欲しい」設定
- 音場(Air): 「広い(Soft?)」側に調整(※翻訳によって表記が異なる場合あり)
- 結果: 擬似的ではありますが、頭内定だった音がふわっと外側に広がり、開放感が生まれます。
このように、まるで画像編集アプリでフィルタをかけるように、「今の気分」に合わせて音を着せ替えられる楽しさは、R1ならではの体験です。
音質比較:iPhone直挿し・格安ドングルDACとの壁
比較対象として、以下の環境と聴き比べを行いました。
音の解像度だけで言えば、同等のDACチップを積んだドングルDACと大きな差はありません。
しかし、R1の方が「低音の腰が座っている(ふらつかない)」印象を受けます。
これは前述の通り、独立電源の恩恵でしょう。
また、スマホ側のノイズ(電波干渉など)を拾わないため、背景の静けさ(S/N感)においてはR1に分があります。
vs iPhone(Lightning/USB-C 変換アダプタ使用)
判定: R1の圧勝
iPhone直挿し(変換アダプタ)は、手軽ですがどうしても「膜が一枚かかったような」曇りや、高域のザラつきを感じます。
R1に変えると、その膜が取れ、視界がクリアになったように音が鮮明になります。
特に小音量時の微細な音の拾い方は雲泥の差です。
vs 格安ドングルDAC(5,000円〜1万円クラス / 例: FiiO KA11, iBasso DC03Proなど)
判定: 互角だが、安定感でR1
音の解像度だけで言えば、同等のDACチップを積んだドングルDACと大きな差はありません。
しかし、R1の方が「低音の腰が座っている(ふらつかない)」印象を受けます。
これは前述の通り、独立電源の恩恵でしょう。
また、スマホ側のノイズ(電波干渉など)を拾わないため、背景の静けさ(S/N感)においてはR1に分があります。
HiBy Music 「R1」の独自OS「HiBy OS」の実力検証:操作性とストリーミングの真価

Androidを採用せず、Linuxベースの軽量な独自OS「HiBy OS」を採用したこと。
これがR1の最大のメリットであり、同時に理解が必要なポイントでもあります。
爆速の起動時間とバッテリー持ち:Android機にはない軽快さ
Android搭載DAP(例:HiBy M300やWalkman A300シリーズ)の弱点は、「スマホと同じOSを積んでいるがゆえの重さ」です。
起動に30秒〜1分かかり、バックグラウンドで不要なプロセスが動いてバッテリーを食います。
対して、R1の起動時間はわずか約4秒。
電源ボタン長押し→ロゴ表示→ホーム画面。この流れがあっという間です。
「聴きたい」と思った瞬間に音楽がスタートする。
このレスポンスの良さは、ガラケー時代の即応性を思い出させます。
バッテリー持ちに関しても、待機時の消費電力(スリープ時の減り)が非常に少ないのが優秀です。
Android機のように「カバンに入れておいたら、何もしてないのに2日で電池が切れていた」ということがほとんどありません。
ストリーミング機能の実際:QobuzとAirPlayの使い分け
R1は「ストリーミング対応」を謳っていますが、Android機のようにGoogle Playストアから好きなアプリ(Apple Music, Spotify, Amazon Musicなど)をインストールできるわけではありません。
ここには注意が必要です。
【R1でストリーミングを楽しむ2つの方法】
- Qobuz / TIDAL(本体内蔵アプリ)
- 日本で正式サービスが開始された高音質ストリーミング「Qobuz」のアプリがプリインストールされています。Wi-Fiに繋げば、R1単体で検索・再生が可能です。
- 注意点: 画面が小さく、日本語入力ができない(ローマ字検索になる)場合があるため、検索性は良くありません。スマホで「お気に入り」に入れたアルバムを、R1側の「マイライブラリ」から再生する使い方が現実的です。
- AirPlay / DLNA(レシーバー機能) ← これが最強の運用法!
- iPhoneユーザーであれば、AirPlayレシーバーとしてR1を使えます。
- 手順: R1とiPhoneを同じWi-Fi(テザリングでも可)に繋ぐ → iPhoneでApple Musicを再生 → 出力先を「HiBy R1」に選択。
- これだけで、iPhoneの快適な操作画面で曲を選び、音はR1の高音質回路を通して聴くことができます。Bluetooth接続よりも帯域が広く、音質劣化が少ないため、「iPhoneをコントローラーにして、R1を無線DACアンプとして使う」スタイルが非常に快適です。
ライブラリ管理とUIの注意点:大量の曲を入れる際の作法
ここで、購入前に必ず理解しておくべきR1の「癖(ウィークポイント)」について正直にお伝えします。
SDカード内の楽曲データベース(タグ情報)の読み込みにおいて、いくつかの課題が報告されています。
- ソート(並び順)の仕様:
- 「ジャンル」から楽曲を探そうとすると、そのジャンルに含まれる「全曲」がフラットに並んでしまったり、アルバム単位の表示が見づらかったりと、独特な挙動をします。
- また、アルバム内の曲順がトラック番号順ではなく、曲名のアルファベット順になってしまう現象も一部で報告されています(タグ情報の形式に依存するようです)。
【解決策:フォルダ閲覧(Folder View)を使う】
この問題を回避する最も確実な方法は、「タグ管理」ではなく「フォルダ管理」で運用することです。
- 推奨運用法:
- microSDカードに曲を転送する際、PC上で整理されたフォルダ構成(例:
Music>Artist Name>Album Name)をそのままコピーする。 - R1での再生時、トップメニューの「音楽」ではなく「ファイル(フォルダアイコン)」を選択し、ディレクトリを辿って曲を選ぶ。
- microSDカードに曲を転送する際、PC上で整理されたフォルダ構成(例:
- この方法であれば、R1側のデータベース作成(スキャン)時間も不要で、PCで整理した通りの順番・構成で確実に再生できます。
この「昔ながらのMP3プレーヤー的な運用」に割り切れるかどうかが、R1の評価を分けるポイントになります。
HiBy Music 「R1」を使用した私の体験談・レビュー

実際に私が数週間、メインの高級DAP(価格10倍以上)のサブ機として、また日常の持ち歩き用としてR1を使ってみたリアルな使用感をレポートします。
通勤・通学での運用:胸ポケット運用の快適さ
朝の満員電車において、R1のサイズ感は正義でした。 重たいDAPだとポケットが垂れ下がり、ドングルDACだとスマホとケーブルが絡まってイライラします。
R1を胸ポケットに入れ、50cm程度の短いケーブルのイヤホンを接続する。このスタイルが驚くほど快適です。
満員電車の中でも、ポケットの上から物理ボタンの手探りで「音量アップ」「曲送り」が確実に操作できます。
タッチパネルを見なくても操作が完結する物理ボタンの配置(右側面に集中している)は人間工学的に理にかなっています。
iPhoneユーザーとしてのR1:Bluetoothレシーバーとしての最適解
AirPlayの話は前述しましたが、Wi-Fiのない環境(移動中など)では「Bluetoothレシーバー機能」が活躍しました。
- iPhoneユーザーへの福音:
- iPhoneは通常「AAC」コーデックまでしか対応していませんが、R1をレシーバーにすることで、擬似的ではありますが、スマホの音をR1のアンプを通して高音質化できます。
- Androidユーザーであれば、スマホから「LDAC」でR1に飛ばすことができます。これにより、ワイヤレスでありながらハイレゾ級の音質で、サブスク音源をR1で鳴らすことが可能です。
- 通信安定性も良好で、ズボンのポケットにスマホ、胸ポケットにR1という距離感なら途切れはほぼありませんでした。
就寝前のリスニング:スリープタイマーと物理ボタンの恩恵
寝る前のひととき、スマホのブルーライトを見たくない時にR1が活躍します。
スリープタイマーを設定し、枕元で静かなジャズを流す。スマホだとつい通知が気になってSNSを見てしまい、目が冴えてしまうことがありますが、機能が絞られたR1なら音楽だけに没入してそのまま眠りにつけます。
「最小音量」もしっかり絞れるのが地味ながら良い点です。
安価なプレーヤーだと「音量1でもうるさい」ということがありますが、R1は細かく調整できるため、寝ホン(寝ながら使うイヤホン)との相性も抜群でした。
気になった点:ストラップホールの仕様とプラスチック筐体
正直にネガティブな点も挙げます。
- 謎のストラップホール仕様:
本体下部にストラップホールがあるのですが、構造が独特です。
穴が内部でL字に曲がっているようで、普通に紐を押し込んでも出てきません。
付属の「SIMピンのような棒」を使って、内部から紐を引っ掛けて押し出す/引き出す必要があるようです。
説明書にも詳しい記載がなく、最初は不良品かと思いました。
一度つければ外さないので問題ないですが、装着難易度は高いです。 - 指紋と傷:
表面・背面ともに光沢のあるプラスチック素材なので、指紋は目立ちます。
また、落としたら確実に傷が入る(あるいは割れる)質感なので、気になる方は付属の保護フィルムを貼り、何らかのケースやポーチに入れることを強く推奨します。
体験談の総括:割り切った使い方ができるなら「最高の相棒」
R1は「何でもできる万能機」ではありません。
検索機能は弱いし、高級機のような所有欲を満たす重厚感もありません。4.4mmバランス接続もできません。
しかし、「手軽にいい音を持ち出す」という一点においては、現在最強の選択肢だと感じました。
「今日はガッツリ聴くぞ」という日は高級機を、「とりあえず音楽は持っていきたい」という日はR1を。
この使い分けができるようになってから、音楽生活のストレスが激減しました。
特に「スマホの電池を気にしなくていい」という精神的安定感は、想像以上に大きかったです。
HiBy Music 「R1」に関するQ&A

HiBy Music 「R1」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
SpotifyやApple Musicなどのアプリをインストールして聴けますか?
いいえ、R1単体にアプリをインストールすることはできません。
HiBy R1はAndroidではなく独自OSを採用しているため、Google Playストアは利用できません。 ただし、以下の方法でストリーミングサービスを楽しむことが可能です。
- AirPlay(iPhoneユーザー向け): スマホで再生した音をWi-Fi経由でR1に飛ばす(音質劣化が少なくおすすめ)。
- Bluetoothレシーバー機能: スマホとBluetooth接続し、R1をワイヤレスアンプとして使う。
- TIDAL / Qobuz: これら2つのサービスに限り、プリインストール機能として単体再生が可能です。
本体に楽曲を保存する容量(内部ストレージ)はありますか?
いいえ、内部ストレージはありません。
音楽を保存するためには、別途microSDカードが必要です。 最大2TBまでのカードに対応しています。ハイレゾ音源をたくさん入れる予定の方は、最低でも128GB〜256GB程度のカードを用意することをおすすめします。
4.4mmバランス接続には対応していますか?
いいえ、3.5mmシングルエンド(通常のイヤホンジャック)のみです。
筐体の小型化と低価格化のため、バランス端子は非搭載です。ただし、搭載されているDACチップ(CS43131)とアンプ回路の質が良いため、3.5mm接続でも十分にクリアで力強い音を楽しめます。
パソコンのUSB-DACとして使えますか?
現時点では、純粋なUSB-DACとしての利用は推奨されません。
PCと接続してデータ転送や充電は可能ですが、一般的なドングルDACのように「PCの音をR1から出す」機能については、ファームウェアの仕様や相性により動作が限定的である場合があります。基本的には「ポータブルプレーヤー」または「Bluetooth/AirPlayレシーバー」としての運用がメインの機種です。
歌詞表示には対応していますか?
はい、対応しています。
楽曲データと同じフォルダに「lrcファイル」を入れるか、タグ情報に歌詞が埋め込まれていれば表示可能です。アルバムアート(ジャケット画像)も表示されます。
バッテリー持ちは実際どのくらいですか?
公称値は最大15時間ですが、使い道によります。
有線イヤホンでローカル(SDカード)の音楽を聴く場合は公称値に近い持ちですが、Wi-Fiを使ってストリーミング再生をしたり、Bluetoothで飛ばしたりする場合は消費電力が増え、およそ8〜10時間程度になるイメージです。それでも、スマホのバッテリーを消費しない点は大きなメリットです。
楽曲の転送はどうやって行いますか?
2つの方法があります。
- USB接続: R1にmicroSDカードを入れた状態で、PCとUSBケーブルで接続すると外部ストレージとして認識されます。そこにドラッグ&ドロップで曲を入れます。
- カードリーダー: microSDカードをPCのカードリーダーに挿して曲を書き込み、その後R1に挿入します(大量の曲を入れる場合はこちらが高速でおすすめです)。
曲と曲の間の無音をなくす「ギャップレス再生」には対応していますか?
はい、対応しています。
設定メニューからギャップレス再生をオンにすることで、ライブアルバムや、曲がつながっているコンセプトアルバムなどを途切れなくスムーズに再生できます。
ドングルDACのように本体が熱くなりますか?
ほんのり温かくなる程度です。
スマホのバッテリーを使って高負荷で駆動するドングルDACはかなり発熱することがありますが、R1は自前のバッテリーで効率よく駆動するため、持てなくなるほど熱くなることはまずありません。
プレイリストは作成できますか?
はい、本体操作で作成可能です。
再生中の曲画面から「プレイリストに追加」を選択することで、お気に入りのリストを作ることができます。また、m3u形式のプレイリストファイルをPCで作成して読み込ませることも可能です。
ファームウェアのアップデートにPCは必要ですか?
いいえ、Wi-Fiがあれば単体で可能です。
「OTA(Over The Air)」アップデートに対応しているため、R1をWi-Fiに接続し、システム設定からアップデートを確認・実行するだけで最新の状態にできます。
日本語の表示はおかしくないですか?
基本的に問題ありませんが、一部に「中華フォント」っぽさはあります。
曲名やアーティスト名の日本語表示は問題なく行えます。システム言語も日本語を選択可能です。ただし、一部の漢字のフォントが少し不自然だったり、翻訳が直訳調(例:アーティストが「歌い手」と表示されるなど)だったりする箇所はあります。実用上で意味が通じないレベルではありません。
ワイヤレスイヤホン(TWS)は使えますか?
はい、問題なく使えます。
Bluetooth機能を搭載しているため、AirPodsやSony、Boseなどの完全ワイヤレスイヤホンと接続して音楽を聴くことができます。コーデックもLDACに対応しているため、対応イヤホンであればハイレゾ相当の高音質で伝送可能です。
充電にはどのくらいの時間がかかりますか?
0%から満充電まで、約2〜3時間程度です。
急速充電(PD)には対応していないため、5V/1A〜2A程度の充電器でゆっくり充電する形になります。バッテリー容量自体が1150mAhとスマホに比べて小さいため、そこまで待たされる感覚はありません。
保護ケースやフィルムは最初から付いていますか?
簡易的なポーチとフィルムは付属しますが、専用ケースは別売りの場合があります。
付属品は製造ロットや販売代理店により異なる場合がありますが、一般的に「画面保護フィルム(予備含む)」「メッシュポーチ」「充電ケーブル」は同梱されています。本体にぴったりフィットするシリコンケースやレザーケースは、同梱されていない場合が多いため、傷が気になる方は同時購入を検討してください。
電子書籍を読んだり、ラジオを聴いたりできますか?
いいえ、音楽再生機能に特化しています。
FMラジオチューナーは搭載していません。また、テキストファイルを表示する電子書籍リーダー機能も(簡易的なものはある場合がありますが)実用的ではありません。あくまで「音楽を聴くための単機能マシン」と割り切ってください。
HiBy Music 「R1」レビューのまとめ

最後に、HiBy R1の良い点・悪い点を整理し、どんな人に適しているかをまとめます。
HiBy R1のメリット総ざらい
- 価格破壊: 1万円台でCS43131搭載。音質のコストパフォーマンスは間違いなく市場トップクラス。
- 超軽量: 70gという軽さは、持ち出し頻度を劇的に高める。
- 独自OSの恩恵: 起動が爆速(約4秒)、バッテリー持ちが良い、動作がサクサク。
- MSEB機能: 難しい知識なしで音質を自分好みに変えられる楽しさ。
- 拡張性: AirPlay、Bluetoothレシーバー/トランスミッター、USB-DAC(※ファームウェアにより挙動が異なる場合あり)と多機能。
購入前に知っておくべきデメリット
- UIの癖: 楽曲検索やソート機能が弱い。大量のライブラリを入れる場合は「フォルダ管理」での運用を推奨。
- ストリーミングの制限: 単体でアプリ追加不可。Apple MusicなどはスマホからのAirPlayかBluetooth受信が必須。
- 質感: プラスチッキーで高級感はない。ストラップ装着にコツが要る。
- 端子: 3.5mmシングルエンドのみ(4.4mmバランス接続非対応)。
スマホからのステップアップを考えている方へ
間違いなく「買い」です。
スマホ直挿しや、数千円の完全ワイヤレスイヤホンからの変化に驚くはずです。
「音楽専用機を持つ」という体験が、あなたの音楽ライフを確実に豊かにしてくれます。
操作の癖も、フォルダから選ぶスタイルさえ覚えれば問題ありません。
最初の1台として、これほど財布に優しく、かつ音が良い機種は他にありません。
すでに高級DAPを持っている方のサブ機として
「お散歩用」「ジョギング用」として極めて優秀です。
数十万円のDAPをジムで汗まみれにしたり、満員電車で圧迫されるリスクに晒すのは怖いです。
しかしR1なら、壊れても(精神的ダメージが)少なく、気軽に持ち出せます。
音質も「価格なり」以上に健闘しており、MSEBで味付けを変えれば、メイン機とは違ったキャラクターを楽しめるでしょう。
ドングルDACで満足できない方への回答
ドングルDACの「ブラブラする邪魔さ」「スマホの電池減り」「接続不良のストレス」に嫌気がさしているなら、R1が解決策になります。
音質レベルは同等クラスですが、「運用ストレスのなさ」「背景の静寂性」という点でR1を選ぶ価値は十分にあります。
総評:1万円台で得られる「音楽専用機」の価値
HiBy R1は、完璧なDAPではありません。
コストカットの影響は筐体の質感やUIの一部に見られます。
しかし、音質に関わる部分(DACチップ、回路、MSEB)や、ポータブル機としての本質(サイズ、軽さ、起動速度)には一切妥協していません。
「余計な機能はいらない。安くて、軽くて、音が良ければそれでいい」
そんな潔いニーズに対し、これほど真っ直ぐに応えてくれる製品は貴重です。
この小さな箱の中に、あなたの好きな音楽を詰め込んで、街へ出かけてみませんか? スマホの通知に邪魔されない、あなただけの純粋な音楽空間が、たった16,800円で手に入ります。


