「オープンイヤー型イヤホンは、音が軽い」
「低音がスカスカで音楽に没入できない」
「便利だけれど、音質は妥協するもの」
もしあなたがまだそう思っているなら、その認識は今日で終わりを迎えるかもしれません。
そして、その常識を書き換えるのは、やはりこのブランドでした。
2025年1月、骨伝導イヤホンのパイオニアであり、世界中のランナーやビジネスパーソンから絶大な信頼を得ているShokz(ショックス)から、待望のフラッグシップモデル「OpenFit 2」が登場しました。
前作「OpenFit」は、その圧倒的な装着感の良さと「耳を塞がない」という解放感で、「着けていることを忘れる」と話題になり、瞬く間に市場を席巻しました。
家電量販店のイヤホンコーナーでも、常に目立つ位置に陳列されていたことを覚えている方も多いでしょう。
しかし、Shokzはそこで満足しませんでした。彼らが目指したのは、単なる装着感の維持やマイナーチェンジではありません。
今回の「OpenFit 2」が掲げた最大のテーマは、「オープンイヤーの常識を覆す音質」です。
業界初となる「デュアルブーストテクノロジー」を搭載し、これまでの開放型イヤホンでは構造上諦めざるを得なかった「重低音の厚み」と「高音の煌めき」の両立に、真正面から挑戦しています。
さらに、ユーザーからの膨大なフィードバックを元に、待望の「物理ボタン」を追加し、バッテリー性能も劇的に向上させるなど、使い勝手の面でも大きな進化を遂げました。
この記事では、オーディオガジェットを愛してやまない私が、発売日からShokz OpenFit 2を毎日肌身離さず使い倒し、その実力を徹底的にレビューします。
- 前作「OpenFit」から、具体的に何がどう変わったのか?
- スペック表には現れない「音の質感」はどうなのか?
- 「音漏れ」は本当に解消されたのか?
- そして、2万5千円を超える価格に見合う価値は本当にあるのか?
競合他社製品やエントリーモデルとの比較も交えながら、メーカーの宣伝文句だけでは分からない、忖度なしのリアルな情報をお届けします。
読み終える頃には、あなたがこのイヤホンを手にするべきかどうかが、明確になっているはずです。
- Shokz 「OpenFit2」の進化点とスペック比較
- Shokz 「OpenFit2」の音質・装着感・機能性の実力を徹底レビュー
- Shokz 「OpenFit2」の良い点・気になった点(メリット・デメリット)
- Shokz 「OpenFit2」を使用した私の体験談・レビュー
- Shokz 「OpenFit2」に関するQ&A
- 音漏れは本当にしませんか?図書館でも使えますか?
- メガネやマスクと干渉して痛くなりませんか?
- 動画視聴やゲームでの音ズレ(遅延)は気になりますか?
- お風呂やシャワー中に使っても大丈夫ですか?
- 片耳だけでも使用できますか?
- 「OpenFit Air(エントリーモデル)」とどちらを買うべきですか?
- 寝ながら使えますか?(寝ホンとして使えますか?)
- 満員電車や人混みで接続は途切れませんか?
- iPhoneとAndroid、PCなど異なるOS間でもマルチポイントは使えますか?
- アプリを使わなくても使用できますか?
- 骨伝導イヤホン(OpenRun Proなど)と何が一番違いますか? 振動はありますか?
- 通話中にイヤホン側の操作で「マイクミュート」はできますか?
- マスクをしている時、付け外しで引っかかりませんか?
- ランニング中に風切り音(ヒュオオオという音)は気になりますか?
- Shokz 「OpenFit2」レビューのまとめ
Shokz 「OpenFit2」の進化点とスペック比較

まずは、この製品が前作や市場の競合と比べてどのような立ち位置にあるのか、客観的なデータと技術的背景から紐解いていきます。
OpenFit 2の製品概要と基本スペック
OpenFit 2は、耳を塞がずにフックで耳に掛ける「オープンイヤー型(空気伝導)」の完全ワイヤレスイヤホンです。
Shokzといえば骨伝導のイメージが強いですが、OpenFitシリーズは「空気伝導」を採用しており、スピーカーから鼓膜へ直接音を届ける方式です。
しかし、そこにはShokzが長年培った音響技術が惜しみなく詰め込まれています。
主なスペック比較は以下の通りです。
| 項目 | Shokz OpenFit 2 (最新作) | Shokz OpenFit (前作) | 進化のポイント |
| 価格 (税込) | 約 ¥25,880 | 約 ¥24,800 | ほぼ据え置きで性能大幅アップ |
| 形状 | オープンイヤー型 (耳掛け) | オープンイヤー型 (耳掛け) | 人間工学に基づき微調整 |
| ドライバー | デュアルブーストテクノロジー (17.3mm低音D + 高音ユニット) | DirectPitch™テクノロジー (18mm×11mmドライバー) | 最大の進化点。2way化 |
| 再生時間 (単体) | 最大 11時間 | 最大 7時間 | 約1.5倍の長寿命化 |
| 再生時間 (ケース込) | 最大 48時間 | 最大 28時間 | 圧倒的なスタミナを実現 |
| 充電時間 | 10分充電で2時間再生 | 5分充電で1時間再生 | 急速充電の利便性は継続 |
| ワイヤレス充電 | 対応 (一部モデル/プラス版等により異なる場合あり) | 非対応 | 置くだけ充電に対応(便利!) |
| Bluetooth | Ver 5.4 | Ver 5.2 | 通信安定性と省電力性が向上 |
| 対応コーデック | SBC, AAC | SBC, AAC | ここは据え置き |
| 防塵防水性能 | IP55 | IP54 | 防塵性能が少しアップ |
| 操作方法 | 物理ボタン + タッチ | タッチのみ | 誤操作激減の神アップデート |
| 重量 (片耳) | 約 9.4g | 約 8.3g | 1g増だが装着感でカバー |
| マルチポイント | 対応 (2台) | 対応 (アップデートで追加) | 最初から標準対応 |
特筆すべきは、バッテリー性能の劇的な向上と、物理ボタンの搭載、そしてIP55への耐久性アップです。
重量はわずかに増しましたが、後述する装着感の向上技術により、体感的な重さはほとんど変わりません。
むしろバランスが良くなり、軽く感じるほどです。
前作OpenFitからの主要な進化ポイント
前作「OpenFit」も2023年のベストバイに選ばれるほどの名機でしたが、長く使っているユーザーからはいくつかの「もっとこうして欲しい」という要望が挙がっていました。
OpenFit 2はそれらを見事に汲み取り、解消しています。
- 操作性の抜本的改善(物理ボタンの追加):
前作はタッチセンサーのみで、髪をかき上げたり、イヤホンの位置を直そうとしたりするだけで音楽が止まってしまうことがありました。
今作では、誤操作を防ぐために物理ボタンが搭載されました。
「カチッ」という明確なクリック感があるため、手探りでも確実に操作が可能です。
これは地味ながら、日常のストレスを大きく減らす改良です。 - バッテリー持ちの倍増:
ケース込みで最大28時間だったのが、一気に48時間へと進化しました。
これは、1日2時間使用しても約3週間半充電がいらない計算です。
数日の旅行や出張なら、充電ケーブルを持ち歩く必要すらありません。
バッテリー管理という精神的負荷から解放されるのは大きなメリットです。 - 装着感の更なる洗練:
形状記憶合金ワイヤーと、新素材「Shokz Ultra-Soft Silicone 2.0」を採用。
前作よりもシリコンの質感が滑らかになり、長時間の摩擦による皮膚への負担が軽減されました。
耳の形状に合わせてカーブが微妙に見直されており、より多くの人の耳にフィットするよう設計されています。
業界初「デュアルブーストテクノロジー」の仕組み
OpenFit 2がオーディオ業界で注目されている最大の理由、それが「デュアルブーストテクノロジー」です。
従来のオープンイヤーイヤホンは、基本的に1つのフルレンジドライバーですべての音域を鳴らしていました。
しかし、耳を塞がない構造上、どうしても低音は空中に逃げやすく、逆に低音を出そうとすると音が籠もったり、高音が犠牲になったりするのが物理的な課題でした。
OpenFit 2では、この課題を解決するために、高級スピーカーのような「2way構成」を採用しました。
- 17.3mm 大型ダイナミックドライバー:
イヤホンとしては異例の大きさである17.3mmのドライバーを搭載。
これが重低音と豊かな中音域を担当します。
振動板には軽量かつ高剛性な素材を使用し、空気を大きく震わせることで、耳を塞いでいなくても「ズンッ」とくる音圧を生み出します。 - 高周波専用ユニット:
高音域の繊細な表現のみを担当する独立したユニットです。
これにより、ボーカルのサ行の刺さりや、シンバルの金属音などが潰れることなく、クリアで伸びやかに再生されます。
まるで、部屋にウーファーとツイーターを置いたオーディオシステムがあるかのように、役割分担をすることで、「深く沈み込む低音」と「クリアで伸びやかな高音」を両立させています。
これが、これまでの「なんとなく音が軽い」オープンイヤー型とは一線を画す音質の秘密なのです。
Shokz 「OpenFit2」の音質・装着感・機能性の実力を徹底レビュー

ここからは、実際に私がOpenFit 2を使用して感じた詳細なレビューをお届けします。
様々なジャンルの音楽を聴き込み、あらゆるシチュエーションでテストを行いました。
音質検証:低音の迫力と解像度のバランス
結論から申し上げますと、「オープンイヤー型もここまで来たか」と驚愕するレベルです。
前作をお持ちの方が聴けば、最初の10秒でその違いに気づくでしょう。
- 低音域(Bass):
前作OpenFitと比較して、明らかに「圧」と「深み」が増しています。
例えば、EDMやヒップホップを聴いた際、ベースラインのうねりやバスドラムのキック音が、耳の表面だけでなく、頭の中に直接響くような感覚があります。
カナル型(耳栓型)のような密閉感による「圧迫される低音」とは異なり、空間全体が鳴っているような、ライブハウスの後方で聴いているような心地よい低音です。
開放型でここまでリッチな低音が出せるのは、17.3mmドライバーの恩恵でしょう。 - 中音域(Vocal):
非常にクリアで、前に出てくる印象です。
J-POPやアニソンなどのボーカル曲では、歌手の息遣いやビブラートのニュアンスまでしっかり伝わってきます。
男性ボーカルの太さも、女性ボーカルの艶も損なわれていません。
また、YouTubeの動画視聴やPodcast、Audibleなどの音声コンテンツでも、声の輪郭がはっきりしているため、ボリュームを上げすぎなくても内容がスッと入ってきます。 - 高音域(Treble):
専用の高周波ユニットのおかげで、解像度が高いです。
クラシックやジャズを聴くと、ハイハットの刻みやバイオリンの倍音が綺麗に伸びていきます。
オープンイヤー型にありがちな「シャカシャカして耳が痛い」という感覚は皆無で、角が取れた上質な高音です。
ジャンル別相性診断:
- ロック/ポップス:◎ (スネアのアタック感やボーカルの抜けが良く、非常に楽しい)
- EDM/ヒップホップ:◎ (オープンイヤーとは思えない低音のグルーヴ感が味わえる)
- ジャズ/クラシック:○ (楽器の分離感は良好だが、静寂性は無いため環境音に左右される)
アプリのEQ(イコライザー)設定について
Shokzアプリを使えば、音質を好みに合わせてカスタマイズできます。
「スタンダード」が最もバランスが良いですが、映画を見る際などは「低音強調」モードにすると迫力が増します。逆にラジオやオーディオブックを聴く際は「ボーカル」モードにすると声が際立ちます。
Dolby Audio対応については、空間的な広がりを感じさせる効果がありますが、楽曲によっては少し人工的な響きになることもあるため、コンテンツに合わせてオンオフを切り替えるのがおすすめです。
装着感とデザイン:新素材シリコンとフィット感
「着けていることを忘れる」というキャッチコピーは、決して大げさではありません。
私は実際に、着けているのを忘れてお風呂に入りそうになったことがあります。
- 新素材「Shokz Ultra-Soft Silicone 2.0」の恩恵:
耳に直接触れる部分のシリコン素材が進化しました。
指で触ると、赤ちゃんの肌のようにサラサラとしており、摩擦抵抗が絶妙にコントロールされています。
汗をかいてもベタつきにくく、また乾燥している時期でもカサカサしません。 - ドルフィンアーク形状と0.7mmワイヤー:
耳のカーブに沿うように設計された「ドルフィンアークイヤーフック」は、内部に0.7mmの超極細な形状記憶合金ワイヤーを内蔵しています。
このワイヤーのバネの強さが絶妙です。
強すぎれば耳の裏が痛くなり、弱すぎれば運動中にズレてしまいますが、OpenFit 2はこのバランスが完璧です。
耳が厚い人でも薄い人でも、優しく挟み込むようにフィットします。 - メガネ・マスクとの相性:
フック部分が非常にスリムかつフラットな断面形状になっているため、メガネのテンプル(つる)と干渉しにくいです。
私は一日中メガネをかけて仕事をしていますが、OpenFit 2を重ねて装着しても、耳の上部が痛くなることはありませんでした。
マスクの紐とも絡まりにくい形状です。
操作性の革新:物理ボタンとタッチ操作のハイブリッド
個人的に最も評価したい改良点がここです。
OpenFit 2は、イヤホン上部に物理ボタンを備えつつ、側面にタッチエリアも残しています。
これにより、役割分担が可能になりました。
- 物理ボタン(クリック操作):
再生/停止、曲送り/曲戻し、電話に出る/切るなど、「確実に行いたい操作」が割り当てられています。
冬場に手袋をしていても、汗で手が濡れていても、カチッと押せば確実に反応します。 - タッチ操作(長押し・タップ):
音量調整などが割り当て可能です。
このハイブリッド操作のおかげで、「髪をかき上げただけで音楽が止まる」「位置を直そうとしたら電話が切れてしまった」という、タッチセンサー特有のイライラが完全に解消されました。
特にランニング中、走りながら画面を見ずに曲をスキップしたい時、物理ボタンの恩恵を強く感じます。
通話品質とマルチポイント接続の利便性
- 通話品質(AIコールノイズキャンセリング):
4つのビームフォーミングマイクとAI技術により、周囲の騒音をカットして自分の声だけを相手に届けます。
実際に賑やかなカフェでテスト通話をしてみましたが、通話相手からは「店内のBGMや食器の音はほとんど聞こえず、あなたの声だけがクリアに聞こえる」と高評価でした。
風切り音対策も強化されており、歩きながらの通話でも「ボボボボ」という不快な音が入りにくくなっています。 - マルチポイント接続:
PCとスマホ、あるいはタブレットとスマホなど、2台のデバイスに同時接続可能です。
PCでWeb会議をしつつ、会議が終わったらそのままスマホで音楽を再生して外出する、といったシームレスな移行が可能です。
接続の切り替えスピードも非常に速く、約1〜2秒で自動的に音声出力が切り替わります。
現代のハイブリッドワークスタイルには必須かつ強力な機能です。
音漏れ性能:DirectPitch 2.0の実力と限界
Shokz独自の「DirectPitch 2.0」技術により、音波を逆位相で打ち消し合って音漏れを防ぐ仕組みがさらに進化しています。
限界と注意点:
とはいえ、スピーカーである以上、物理的に音漏れをゼロにすることは不可能です。
静まり返った図書館や、深夜のエレベーターのような極端に静かな環境では注意が必要です。
音量を70%以上に上げると、シャカシャカとした高音が漏れて聞こえます。
TPOに合わせて音量を調整する配慮は必要ですが、一般的な生活シーンであれば過度に心配する必要はないレベルに達しています。
実力:
オフィスやカフェ、屋外など、ある程度の環境音(暗騒音)がある場所であれば、iPhoneの音量50〜60%程度で音楽を聴いていても、周囲に音が漏れることはほぼありません。
隣の席の同僚に確認してもらいましたが、「全く聞こえない」と言われました。
Shokz 「OpenFit2」の良い点・気になった点(メリット・デメリット)

素晴らしい製品ですが、すべての人にとって完璧な製品など存在しません。
購入を検討する上で知っておくべきメリットとデメリットを、公平な視点で整理します。
【メリット】オープンイヤーの常識を変える没入感
- 低音の量感:
耳を塞いでいないのに、ここまでの低音が出るのは感動体験です。
「ながら聴き」用イヤホンは音が悪い、という先入観を完全に破壊してくれます。 - 圧倒的な開放感:
耳の穴を塞がないため、自分の咀嚼音や呼吸音が響くことがありません。
食事中に動画を見たり、ガムを噛みながら作業をしたりしても快適です。 - 安心とエンタメの同居:
好きな音楽を楽しみながら、家族の呼びかけ、子供の泣き声、インターホン、駅のアナウンスも逃しません。
この「周囲と繋がっている安心感」は、一度味わうとカナル型に戻れなくなる中毒性があります。
【メリット】最大48時間再生のタフなバッテリー
- イヤホン単体で11時間持つということは、朝の通勤から始まり、仕事中のBGM、昼休み、帰りのジム、帰宅まで、一度もケースに戻さずに使い続けることが可能ということです。
これは驚異的です。 - 万が一充電を忘れていても、出かける準備をしている10分間で充電すれば2時間使える急速充電機能も、忙しい現代人には非常に助かります。
【デメリット】高音質コーデック(LDAC等)非対応の是非
- ここがオーディオマニアにとって最大の懸念点であり、購入を躊躇するポイントかもしれません。
対応コーデックはSBCとAACのみです。
LDACやaptX Adaptiveといったハイレゾ級コーデックには対応していません。 - 私の見解:
ただし、オープンイヤー型は構造上、周囲の音も入ってくるため、ハイレゾ級の微細な音の違い(超高域の減衰など)を聞き分けるのは静寂なリスニングルームでもない限り困難です。
Shokzは「実用的な音質と接続安定性」を優先したと解釈できます。
実際、AAC接続でもiPhoneや多くのAndroidスマホで十分に高音質を楽しめます。
遅延に関しても、YouTube視聴程度ではリップシンク(口の動きと声のズレ)は気になりませんでした。
音ゲーをガチでやる人でなければ問題ないでしょう。
【デメリット】静寂な環境での音漏れリスク
DirectPitch 2.0は優秀ですが、魔法ではありません。
満員電車で肩が触れ合う距離に人がいる場合や、試験勉強中の図書館などでは、音量を絞る必要があります。
そのようなシーンでは、素直にカナル型イヤホンを使うなど、使い分けを推奨します。
Shokz 「OpenFit2」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、Webライターであり、オーディオブログを運営する私が、実際の生活の中でOpenFit 2をどう活用しているか、具体的なシーン別の体験談をお話しします。
スペック表だけでは見えてこない「生活への馴染み方」をお伝えします。
通勤・移動中の使用感:環境音との共存
私は電車通勤をしていますが、以前は強力なノイズキャンセリング(ANC)イヤホンを使っていました。
しかし、没入しすぎて車内アナウンスを聞き逃し、乗り過ごすことが何度かありました。
OpenFit 2に変えてからは、「自分の周りだけBGMが流れている」ような感覚で移動できます。
電車のガタンゴトンという走行音は聞こえますが、デュアルドライバーによるパワフルな音が負けじと音楽を届けてくれるため、ポッドキャストのトーク内容もしっかり聞き取れます。
何より、駅のホームや夜道で、背後から近づく人の気配や車の音を感じられるのは、防犯・安全面で非常に大きなメリットです。
「自分を守りながら音楽を楽しむ」という新しいスタイルが定着しました。
オフィス・テレワークでの長時間使用と疲労度
私は記事の執筆中、何時間も集中してPCに向かいます。
カナル型イヤホンだと、2時間もすれば耳の穴が蒸れたり、痒くなったり、外耳道に鈍痛を感じたりしていました。
OpenFit 2は、大げさではなく8時間つけっぱなしでも全く痛くなりません。
本当に「あれ?今イヤホン着けてたっけ?」と手で触って確認する瞬間があるほどです。
また、オンライン会議でも優秀です。耳を塞ぐイヤホンだと自分の声が頭の中で籠もって響く(閉塞効果)ため話しにくいのですが、OpenFit 2は自然に自分の声が聞こえるため、対面で話しているのと同じ感覚で喋ることができます。
これは地味ですが、毎日の会議ストレスを大きく減らしてくれました。
ランニング・ジムでの安定性と汗への耐性
週末はジムでトレーニングをし、たまに近所をランニングします。
IP55の防塵防水性能があるため、汗だくになっても使用後は軽く水洗い(水で濡らしたタオルで拭く、またはさっと流す程度)できて衛生的です。
ランニングマシンで時速10km程度で走っても、ドルフィンアークがしっかりと耳をホールドしてくれるため、ズレて落ちそうになる不安は皆無でした。
以前使っていた完全ワイヤレスイヤホンは、汗で滑ってポロリと落ちることがありましたが、OpenFit 2のシリコン素材のグリップ力は素晴らしいです。
物理ボタンのおかげで、走りながら曲送りをするのも簡単です。
カフェ作業での集中力とBGMとしての適性
カフェで作業をする際、完全に音を遮断するよりも、店内のガヤガヤした音を少し感じながらの方が集中できるタイプです。
OpenFit 2でインストゥルメンタルやLo-Fi HipHopを小さめの音量で流すと、現実世界の音と音楽が絶妙にミックスされ、自分だけの極上の作業空間が完成します。
店員さんに「コーヒーのおかわりいかがですか?」と話しかけられても、イヤホンを外すことなく「あ、お願いします」とスムーズに対応できるスマートさも気に入っています。
イヤホンを外すという「ワンアクション」が減るだけで、集中力が途切れにくくなりました。
前作やエントリーモデルとの使い分け・比較感
実は、Shokzのエントリーモデル「OpenFit Air」や前作「OpenFit」も使用経験があります。
「OpenFit Air」もコスパは最高で軽量ですが、やはり音の「芯の太さ」や「解像度」においてOpenFit 2は別格です。
Airが「軽快なBGM」なら、OpenFit 2は「鑑賞に耐えうるオーディオ」です。
また、物理ボタンの有無は想像以上に使い勝手に差が出ます。
一度OpenFit 2の快適かつ確実な操作性を知ってしまうと、タッチ操作のみのモデルには戻りにくいのが本音です。
予算が許すなら、間違いなくOpenFit 2をおすすめします。
体験談の総括:生活に溶け込む「音」の正体
OpenFit 2を使って強く感じたのは、これは単なるイヤホンではなく、「身体の一部になるスピーカー」だということです。
音楽を聴くために「さあ、聴くぞ」と構える必要がなく、メガネをかけるように自然に装着し、生活のあらゆるシーンに音楽を添えることができます。
家事をしながら、散歩をしながら、仕事をしながら。
この「ストレスフリーな体験」こそが、2万5千円という価格に対する最大の対価だと感じました。
Shokz 「OpenFit2」に関するQ&A

Shokz 「OpenFit2」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
音漏れは本当にしませんか?図書館でも使えますか?
完全にゼロではありませんが、日常使いではほぼ気になりません。ただし図書館は非推奨です。
「DirectPitch 2.0」技術により、音波を打ち消し合って音漏れを最小限に抑えています。オフィスやカフェ、電車内など、ある程度の環境音(雑音)がある場所であれば、常識的な音量(iPhoneで50〜60%程度)で聴いていても周囲に聞こえることはありません。 ただし、構造上スピーカーが露出しているため、図書館や深夜の自室など「完全な静寂」の空間で、かつ隣に人がいる状況では、シャカシャカとした音が聞こえる可能性があります。そのような場所では音量を絞るか、カナル型イヤホンを利用することをおすすめします。
メガネやマスクと干渉して痛くなりませんか?
非常に細いフック形状のため、干渉しにくく痛みも出にくいです。
私自身、毎日メガネをかけて使用していますが、フック部分がスリムかつフラットな形状になっているため、メガネのテンプル(つる)とうまく共存してくれます。「メガネの上からイヤホン」または「イヤホンの上からメガネ」どちらの順序でも快適ですが、個人的には「メガネをかけた後に、上からイヤホンを被せる」のが最も安定しました。マスクの紐とも絡まりにくい素材感です。
動画視聴やゲームでの音ズレ(遅延)は気になりますか?
YouTubeなどの動画視聴は問題ありませんが、FPSゲームなどは遅延を感じる場合があります。
iPhone(AAC接続)でYouTubeやNetflixを視聴しましたが、口の動きと声がズレるような違和感は感じませんでした。リップシンクは優秀です。 ただし、低遅延モード(ゲーミングモード)などは搭載されていないため、音ゲーやFPS(ApexやPUBGなど)のような、コンマ数秒を争うゲームでは、発砲音がワンテンポ遅れて聞こえるなど、遅延が気になる可能性があります。ガチゲーマーの方は有線や専用のドングル付きヘッドセットを推奨します。
お風呂やシャワー中に使っても大丈夫ですか?
シャワーや入浴中の使用は推奨されません。
防水性能は「IP55」です。これは「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」レベルであり、汗や雨、運動後の水洗い(蛇口から軽く流す程度)には対応していますが、水没やお湯には対応していません。 特にシャンプーなどの石鹸成分やお湯は、防水パッキンを劣化させる原因になります。故障の原因となるため、お風呂場での使用は控えましょう。
片耳だけでも使用できますか?
はい、左右どちらか片方だけでも問題なく使用できます。
ケースから片方だけ取り出せば、自動的にモノラルモード(片耳使用)になります。通話も片耳だけで可能です。使っていない方はケースに入れて充電しておけるので、交互に使えば理論上は倍の時間使い続けることも可能です。
「OpenFit Air(エントリーモデル)」とどちらを買うべきですか?
「音質」と「操作性」にこだわるなら、間違いなくOpenFit 2です。
OpenFit Airもコスパに優れた素晴らしい製品ですが、OpenFit 2は以下の点で明確に優れています。
- 音の厚み: デュアルドライバーによる低音の迫力が全く違います。
- 物理ボタン: 確実な操作ができる物理ボタンの有無は、毎日のストレスに直結します。
- バッテリー: ケース込みの再生時間が長いです。
予算を抑えたい、もしくはとにかく軽さを最優先したい場合はAir、音楽をしっかり楽しみたいならOpenFit 2をおすすめします。
寝ながら使えますか?(寝ホンとして使えますか?)
仰向けなら快適ですが、横向きで寝る場合は注意が必要です。
イヤホン本体が非常に薄型(フラット)なため、仰向けで寝る分には枕に干渉せず、ASMRや睡眠導入音楽を聴くのに最適です。 ただし、横向きに寝ると、どうしても耳と枕の間にイヤホンが挟まる形になります。シリコン素材が柔らかいため痛みは少ないですが、物理ボタンが枕に押し付けられて誤作動(音楽が止まるなど)したり、フックが圧迫されたりする可能性があります。完全な「寝ホン」専用機ではありません。
満員電車や人混みで接続は途切れませんか?
Bluetooth 5.4対応により、接続安定性は非常に高いです。
最新のBluetooth 5.4チップを採用しているため、都内の主要駅(新宿や渋谷など)の混雑時や、満員電車内でもテストしましたが、音がプツプツ途切れることはほとんどありませんでした。人混みでもストレスなく音楽を楽しめます。
iPhoneとAndroid、PCなど異なるOS間でもマルチポイントは使えますか?
はい、OSに関係なく組み合わせて使用可能です。
「iPhone(iOS)とMac(macOS)」はもちろん、「iPhoneとWindows PC」「AndroidスマホとiPad」といった異なるOSの組み合わせでも問題なくマルチポイント接続が機能します。 例えば、Windows PCでWEB会議に参加しつつ、終了後は自動的にiPhoneの着信に応答するといった使い方がスムーズに行えます。
アプリを使わなくても使用できますか?
基本的な使用は可能ですが、アプリの導入を強く推奨します。
Bluetooth設定画面からペアリングするだけで、音楽再生や通話といった基本機能はすぐに使えます。 しかし、「物理ボタンの割り当て変更(長押しやダブルクリックの機能変更)」や「イコライザー調整」「ファームウェアアップデート」はShokz専用アプリが必須です。特に物理ボタンのカスタマイズは使い勝手を大きく向上させるため、購入後はまずアプリをインストールすることをおすすめします。
骨伝導イヤホン(OpenRun Proなど)と何が一番違いますか? 振動はありますか?
最大の違いは「振動の有無」と「低音の質」です。OpenFit 2は振動しません。
Shokzといえば骨伝導のイメージが強いですが、OpenFit 2は「空気伝導(DirectPitch)」方式です。 骨伝導特有の「こめかみがブルブル震える感覚(くすぐったさ)」が全くありません。そのため、骨伝導の振動が苦手だった方でも快適に使用できます。また、空気を振動させて音を届けるため、骨伝導よりも「低音の響き」や「音の広がり」が豊かで、一般的なスピーカーで聴いている感覚に近いです。
通話中にイヤホン側の操作で「マイクミュート」はできますか?
はい、通話中のボタン操作でミュート可能です。
Web会議中、とっさにくしゃみが出そうな時や、家族に話しかけられた時に便利です。デフォルト設定(またはアプリでのカスタマイズ)により、通話中にボタンを長押しするなどの操作でマイクのON/OFFを切り替えられます。 ※ただし、TeamsやZoomなどのPCアプリ側と連動してミュート表示が変わるか(同期するか)は、OSやアプリのバージョンに依存する場合があります。
マスクをしている時、付け外しで引っかかりませんか?
「マスク → イヤホン」の順で着ければ、マスクだけ外す時もスムーズです。
耳掛け型イヤホンの宿命ですが、マスクの紐と場所を取り合います。 コツとしては、「マスクを先に着け、その上からOpenFit 2を掛ける」ことです。こうすれば、食事などでマスクを外す際、イヤホンを装着したままマスクだけをスッと外すことができます。逆にイヤホンの上からマスクをすると、マスクを外す時にイヤホンごと飛んでいってしまうので注意してください。
ランニング中に風切り音(ヒュオオオという音)は気になりますか?
かなり低減されていますが、強風時は多少聞こえます。
マイク位置の最適化とアルゴリズムにより、通話相手への風切り音は強力にカットされます。音楽を聴いている自分自身への風切り音については、流線型のデザインのおかげで、ボコボコという不快な音はかなり抑えられています。 ただし、向かい風が強い土手沿いのランニングなどでは、物理的に耳元を風が通る音はどうしても入ってきます。それでも、一般的なカナル型イヤホンに比べれば「耳の中に風が反響する音」は少ないです。
Shokz 「OpenFit2」レビューのまとめ

Shokz 「OpenFit2」は、オープンイヤ型イヤホンの新たな基準を打ち立てた画期的な製品です。
その特徴を以下にまとめます。
OpenFit 2をおすすめできる人
OpenFit 2は、以下のような悩みや要望を持つ方に、自信を持っておすすめできます。
- カナル型(耳栓型)イヤホンの閉塞感、圧迫感、蒸れが苦手な人
- 耳トラブルを抱えている人にも最適です。
- 仕事や家事、育児をしながら「ながら聴き」をしたい人
- インターホンや子供の声を聞き逃したくないパパ・ママに。
- これまでのオープンイヤー型の「低音不足」に不満があった人
- 「開放型は音が軽い」という常識を覆したい人に。
- 一日中つけっぱなしにできる快適なイヤホンを探している人
- Web会議が多いテレワーカーに。
- タッチ操作の誤作動にイライラしたことがある人
- 物理ボタンでの確実な操作を求めている人に。
おすすめできない人・他製品を検討すべき人
逆に、以下のようなニーズを持つ方には、他の選択肢の方が幸せになれるかもしれません。
- 完全な静寂(強力なノイズキャンセリング)を求めている人
- 電車や飛行機の轟音を消したいなら、Bose QuietComfort Ultra Earbuds や Sony WF-1000XM5 がおすすめです。
- 音漏れが絶対に許されない環境(図書館や静かなオフィス)で使う人
- 周囲への配慮が最優先なら、カナル型を使いましょう。
- LDACなどの高音質コーデックにこだわりがあるオーディオマニア
- スペック上の数値を重視するなら、音質特化のハイエンドTWSを検討すべきです。
競合製品や上位モデルとの選び分け
- Shokz OpenRun Pro 2(骨伝導ネックバンド型)との比較:
より激しいスポーツ(マラソンや自転車など)をするなら、頭を振っても絶対に落ちないネックバンド型のOpenRun Pro 2が安定します。
しかし、ネックバンドが襟に当たるのが嫌な場合や、仰向けに寝転がりたい場合、音質の豊かさを求めるならOpenFit 2が勝ります。 - Huawei FreeClipなどイヤーカフ型との比較:
イヤーカフ型はアクセサリー感覚で装着でき、ファッション性が高いですが、音の迫力と低音の量感、そしてバッテリー持ちでは、大型ドライバーと大型バッテリーを積んだOpenFit 2に軍配が上がります。
購入前に知っておくべきポイント
価格は約25,880円と、完全ワイヤレスイヤホンとしてはミドルハイ〜ハイエンドの価格帯であり、決して安くはありません。
しかし、仕事中のヘッドセットとして、通勤中の音楽プレーヤーとして、自宅でのリラックスアイテムとして、さらにスポーツ用として、「1台3役以上」をこなせると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いです。
安物をいくつも買い替えるより、これ1台で全てをカバーする方が結果的に満足度は高いでしょう。
色はブラックとベージュ(またはホワイト系)の展開があり、ビジネスユースなら汚れの目立たないブラック、肌馴染みを気にするなら柔らかい印象のベージュがおすすめです。
総合評価:2025年のオープンイヤー決定版となるか
間違いなく、現時点でのオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホンの「決定版」と言えます。
「音質」「装着感」「機能性」の三角形が非常に高いレベルでバランスされており、弱点らしい弱点が見当たりません。
前作OpenFitからの進化も著しく、現在前作を使っているユーザーにとっても買い替えの価値は十分にあります。
Shokz 「OpenFit2」レビューの総括
音楽は、じっくりと椅子に座って聴き入るだけのものではありません。
日々の生活の背景に流れるサウンドトラックのような楽しみ方も、また一つの音楽の豊かさです。
Shokz OpenFit 2は、あなたの日常を塞ぐことなく、彩りを加えてくれる最高のパートナーになるはずです。
朝の光の中で聴くポップス、仕事中の集中力を高めるジャズ、夕暮れのランニングでテンションを上げるロック。
それら全てが、耳を塞がない開放感と共に、より鮮やかに響き渡ります。
もしあなたが「耳を塞がない自由」と「妥協のないサウンド」の両方を手に入れたいと願うなら、このイヤホンは決してあなたの期待を裏切りません。
ぜひ、この驚きの開放感と没入感を体験してみてください。
あなたのオーディオライフが、そしてあなたの日常が、より軽やかに、より豊かになることを願っています。


