2025年6月27日、SHANLINGの新モデル「M3 Plus」が登場しました。
前作「M3 Ultra」から名称は変わったものの、実際は大幅にアップグレードされた注目のエントリーDAPです。
最大の特徴は、Cirrus Logic製「CS43198」×4基によるクワッドDAC構成と、OPA1612+SGM8262のフルバランスアンプ回路。
これにより、解像度と駆動力が大きく向上し、最大800mW(@32Ω)の出力を実現。
Snapdragon 665とAndroid 13搭載で、操作性やストリーミング対応も充実しています。
デザイン面でも、航空機グレードのアルミ筐体と新しいウェーブデザインにより、高級感と実用性を両立。
価格は約6.2万円と、同価格帯の中でも非常に高コスパな一台です。
この記事では、「M3 Plus」の魅力や使用感を、他モデルとの比較を交えながら詳しく解説していきます。
DAP選びの参考にぜひご覧ください。

- Shanling 「M3 Plus」の基本スペックと進化ポイント
- Shanling 「M3 Plus」のデザイン・筐体・付属品の詳細レビュー
- Shanling 「M3 Plus」の音質レビューと比較
- Shanling 「M3 Plus」を使用した私の体験談・レビュー
- Shanling 「M3 Plus」に関するQ&A
- 「M3 Plus」はどんな人におすすめですか?
- M3 UltraやDX180と比べて音質はどう違いますか?
- どんなイヤホンやヘッドホンと相性が良いですか?
- ストリーミング再生は快適にできますか?
- ギャップレス再生に対応していますか?
- 「M3 Plus」のバッテリー持ちはどのくらいですか?
- USB-DACとしても使用できますか?
- 本体のサイズ感や携帯性はどうですか?
- 「M3 Plus」はmicroSDカードに対応していますか?
- Wi-FiやBluetoothの安定性はどうですか?
- 音楽再生以外の使い方はできますか?
- 本体は熱くなりやすいですか?
- AGLO(Android Global Lossless Output)って何?
- 他のShanling製品とどう差別化されていますか?
- Shanling 「M3 Plus」レビューのまとめ
Shanling 「M3 Plus」の基本スペックと進化ポイント

Shanling 「M3 Plus」は、エントリー価格帯ながら上位機種に迫るスペックと最新機能を詰め込んだ、非常に完成度の高いDAPです。
ここでは、その基本スペックと前モデル(M3 Ultra)からの主な進化ポイントを詳しく解説します。
クワッドDAC構成とフルバランスアンプ回路
「M3 Plus」の音質の核となるのが、Cirrus Logic CS43198を4基使用したQuad DAC構成。
同価格帯では珍しいマルチDAC仕様で、以下のようなメリットがあります:
- 解像度・情報量の向上
- 音の定位や空間表現の強化
- DACごとの役割分担によるノイズ低減と高S/N比の実現
さらに、OPA1612+SGM8262を使用したフルバランスアンプ回路を搭載。
左右のチャンネルが完全に独立した信号経路を持つことで、以下のような恩恵があります:
- クロストークの低減
- 出力の安定性とパワー感向上
- 歪みの少ないクリアなサウンド再生
Snapdragon 665搭載とAndroid 13対応
操作性とアプリの快適さにも配慮されており、「M3 Plus」にはスマートフォンでも使われるSnapdragon 665(8コア、11nmプロセス)を採用しています。
項目 | M3 Plus | M3 Ultra |
---|---|---|
SoC | Snapdragon 665 | Snapdragon 665 |
OS | Android 13 | Android 10 |
RAM | 4GB | 3GB |
ROM | 64GB(+microSD最大2TB) | 32GB(+microSD) |
主な進化点:
- Android 13に対応:最新のストリーミングアプリにも広く対応
- AGLO(Android Global Lossless Output)技術搭載:AndroidのSRC(サンプリングレート変換)を回避し、原音を忠実に出力
- DLNA / AirPlay / SyncLink対応:ネットワーク機能強化で利便性アップ
高出力800mWとロングバッテリーの両立
「M3 Plus」は非常に高い出力性能を持ち、特にバランス接続時のパワーが秀逸です。
出力(@32Ω) | M3 Plus |
---|---|
3.5mm(シングルエンド) | 最大200mW |
4.4mm(バランス) | 最大800mW |
この出力により、イヤホンだけでなく駆動力を要するフルサイズヘッドホンも鳴らし切ることができます。
加えて、ゲイン設定はLow / Mid / Highの3段階あり、機器に応じた調整も可能です。
また、3500mAhのバッテリーを搭載し、以下のような再生時間を実現しています:
- シングルエンド(Dual DAC):最大14時間
- シングルエンド(Quad DAC):最大11時間
- QC3.0対応で18W急速充電にも対応
その他の主要スペック
項目 | 内容 |
---|---|
ディスプレイ | 4.7インチ(720×1280) |
サイズ | 115×70.5×18mm |
重量 | 約205g |
Bluetooth | Ver 5.0(送受信対応) |
対応コーデック(送信) | LDAC / aptX HD / aptX / AAC / SBC |
対応コーデック(受信) | LDAC / SBC |
USB-DAC機能 | 対応(PCM 384kHz/32bit, DSD256) |
ハイレゾ対応 | PCM768kHz/32bit、DSD512、MQA x16展開対応 |
基本スペック総評:エントリーモデルの枠を超えた仕様
「M3 Plus」は、エントリークラスの価格帯にありながら、上位機にも通用する仕様を数多く取り入れたモデルです。
特に音質、出力性能、OSの新しさの3点で、他機種と大きな差別化が図られています。
コストを抑えつつ、性能に妥協したくない方には非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
Shanling 「M3 Plus」のデザイン・筐体・付属品の詳細レビュー

Shanling 「M3 Plus」は、見た目・質感・使い勝手のどれを取っても「エントリーDAPとは思えない」ほどの完成度を誇ります。
ここでは、「M3 Plus」のデザイン面、筐体構造、そして付属品の内容について詳しく解説していきます。
高級感あふれるウェーブデザインと操作性
「M3 Plus」では、従来のM3シリーズのカジュアル寄りな丸みを帯びたデザインから一転、高級感あるシャープなデザインへ刷新されています。
主なデザインポイント:
- 筐体素材:航空機グレードのアルミニウム合金(CNC加工)
- サイドデザイン:新しいウェーブデザインを採用し、光の反射による美しい質感と快適なグリップ感を両立
- ボタン形状:丸型から縦長の高級感あるボタンに変更
- カラー展開:ブラック/モカ/シルバー(※モカは特に高級感があり人気)
操作性について:
- 片手でも持ちやすい横幅で、親指操作がしやすい設計
- ディスプレイ位置や端子の配置は実用性を重視(ただし、端子が若干端に寄り過ぎているという意見も)
豊富な付属品と専用レザーケース
「M3 Plus」は、購入時点ですぐに使える付属品がしっかり揃っているのもポイントです。
付属品 | 内容 |
---|---|
TPUクリアケース | 本体をしっかり保護し、手触りも良好 |
スクリーンプロテクター | ディスプレイの傷防止(貼付済み) |
USB Type-Cケーブル | 充電・データ転送用 |
クイックスタートガイド | 初期設定や使い方を簡潔に解説 |
製品保証書 | 安心のサポートあり |
さらに、別売りでPUレザーケースも用意されています。
- カラー:グレー、パープル
- 構造:サイドマグネット式フリップカバーで着脱しやすい
- デザイン:初代M3Xなどと比べて、現行モデルは非常にスタイリッシュ
ディスプレイサイズ・本体サイズの比較と携帯性
「M3 Plus」は「大画面とコンパクトボディの両立」を目指した設計となっています。
項目 | M3 Plus | M3 Ultra | iBasso DX180 |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 4.7インチ(720×1280) | 4.2インチ | 5.0インチ相当 |
サイズ | 115×70.5×18mm | 約109×70.5×18mm | 約123×75×16mm |
重量 | 約205g | 約199g | 約206g |
- 視認性・操作性:大画面によりアプリのUIやアルバムアートが見やすく、タッチ精度も良好
- 厚みと重量:若干厚みと重さは増したが、スマホ1台分ほどのサイズ感で持ち運びも問題なし
- 比較しての持ち心地:
- M3 Ultra:手になじむフィット感
- M3 Plus:ややシャープでスリム、操作しやすさが向上
- DX180:やや大きめで、片手操作が厳しい場面も
デザイン総評:見た目と使い勝手も価格以上の完成度
「M3 Plus」は外観の高級感だけでなく、実用面でもしっかり作り込まれており、ユーザー体験を損なわない工夫が随所に見られます。
エントリーモデルながら所有欲を満たす美しいデザインと、手に馴染む実用性の高さは、日常的に使う上で大きな魅力となるでしょう。
Shanling 「M3 Plus」の音質レビューと比較

Shanling 「M3 Plus」は、エントリークラスとは思えないほどの高解像度かつナチュラルな音作りが特徴です
CS43198を4基搭載したQuad DAC構成と、フルバランスアンプによって繊細さと力強さを両立しており、音楽ジャンルを問わず高い適応力を見せてくれます。
M3 Ultraとの音質の違い
同じShanlingの「M3 Ultra」との比較では、音の方向性と質感に明確な違いがあります。
項目 | M3 Plus | M3 Ultra |
---|---|---|
DAC構成 | CS43198 × 4(Cirrus Logic) | ES9219C × 2(ESS) |
出力(@32Ω) | 最大800mW(4.4mm) | 約260mW(4.4mm) |
音の傾向 | ナチュラルで温かみのある俯瞰的サウンド | 押し出し感がありパワフルな音 |
「M3 Plus」の特徴:
- 音の見通しが良く、空間表現が広い
- 音が“前に出過ぎない”ため、長時間のリスニングでも疲れにくい
- M3 Ultraよりも「上品」「しっとり」した印象
一方、「M3 Ultra」は音が前に押し出されるような力強さがあり、ロックなどのジャンルでは好まれる傾向があります。
iBasso DX180との比較評価
Shanling 「M3 Plus」の価格帯が近い競合モデルとして挙げられるのがiBasso 「DX180」。
こちらも高評価を得ているDAPで、両者の音の方向性はやや異なります。
項目 | M3 Plus | iBasso DX180 |
---|---|---|
音の傾向 | ナチュラル系、暖かみあり | ソリッド系、シャープでクリア |
音の距離感 | やや遠めで広がり重視 | 近めで解像感重視 |
得意なジャンル | ジャズ、シティポップ、クラシック | ロック、EDM、ボーカル重視系 |
出力 | 最大800mW(4.4mm) | 最大690mW前後(4.4mm) |
音の違い:
- M3 Plus:全体的に落ち着いたトーンで、音楽を包み込むような表現力。ややアナログ的な印象。
- DX180:キレのあるシャープな音像で、楽器のアタック感や分離の良さが目立つ。
このため、好みが明確に分かれる部分でもあります。
ジャンル適性とチューニングの特徴
「M3 Plus」は、Shanlingらしい「ナチュラルさ」と「繊細さ」を重視した音作りがなされています。
チューニングの特徴:
- 完全なニュートラルではなく、柔らかな温かみやアナログ感を加えた自然な音色
- 高域は伸びやかで耳当たりがよく、刺さりを感じにくい
- 中域はやや丸みがあり、ボーカルやピアノの響きが心地よい
- 低域はタイトで引き締まっているが、沈み込みも十分
得意なジャンル:
ジャンル | 適性 |
---|---|
ロック | ◎(力強さより滑らかさ重視) |
ポップス | ◎(ボーカルが聴きやすい) |
ジャズ | ◎(空間表現と余韻が映える) |
クラシック | ○(俯瞰的な音場) |
EDM / Hip-Hop | △(迫力より繊細さ重視のため) |
音質の総評:長時間聴いても疲れにくい、万能DAP
「M3 Plus」は、「癖のないナチュラルサウンド」をベースにしながらも、適度な温もりと空間の広さを備えたチューニングが魅力です。
力強さや刺激感を求めるユーザーにはやや物足りないかもしれませんが、疲れにくく、様々なイヤホンとの相性も良い万能型DAPとして高く評価できます。
また、出力が高いため、イヤホンからヘッドホンまで幅広く駆動できる汎用性の高さも大きなアドバンテージです。
価格以上の音質体験を求めるユーザーにとって、非常に満足度の高いモデルと言えるでしょう。
Shanling 「M3 Plus」を使用した私の体験談・レビュー

Shanling 「M3 Plus」を実際に使い込みながら感じたことを、音質・操作性・運用面・他機種との比較といった観点から詳しく紹介していきます。
■ 音質面で感じたこと
最初に再生した瞬間、「あ、これはシャンリンらしい音だ」と感じました。
「M3 Ultra」と比較して明確に違うのは、音の“距離感”と質感の丁寧さ。
「Ultra」は前に押し出してくるようなエネルギッシュな音ですが、「M3 Plus」は一歩引いて音楽を見渡すような、落ち着きのある広がりが印象的でした。
特に以下のような点が耳に残りました:
- 中高域:非常に滑らかで、女性ボーカルやアコースティック楽器が心地よく響く
- 低域:ズンズン響くタイプではないが、質感は豊かで音楽全体を支えるような安定感
- 空間表現:広くて自然。閉塞感はまったくなく、ライブ音源やクラシックの再生にも向いています
また、ゼンハイザーの「HD 660S」や「HD 620S」といったインピーダンス高めのヘッドホンでも、バランス出力なら駆動力に不安なし。
音が薄くなることなく、しっかりと芯のある鳴りを見せてくれました。
これは800mWという高出力仕様の恩恵を大いに感じる部分でした。
■ ストリーミングとの相性
私は普段、Apple Music(ロスレス/ハイレゾ)とAmazon Music HDを多用しており、「M3 Plus」ではそれらをアプリで直接使用しています。
- Android 13の安定感とSnapdragon 665の軽快さにより、アプリの切り替えや再生操作もスムーズ
- AGLO機能(Android Global Lossless Output)のおかげで、SRC回避も実感できる透明感のあるサウンド
- DLNAやAirPlayもテスト済みで、NAS音源の再生やiPhoneからのストリーム再生も問題なし
ストリーミング派には非常に相性が良いDAPだと感じました。
■ 日常使用で感じた良さと課題
▶ よかった点
- ウェーブデザインの筐体が手にフィットし、滑りにくい
- 片手操作しやすいサイズ感で、ポケットに入れても邪魔にならない
- オートシャットダウン・スリープタイマーが便利:DAPは電源切り忘れが多いので、これは非常にありがたい
- 通知バーからのゲイン調整やDAC構成変更(2DAC⇔4DAC)が簡単
▶ 気になった点
- 純正アプリでのギャップレス再生非対応:特にクラシックやライブ盤では違和感がある
- 端子の配置が端に寄りすぎている:一部ケーブルが干渉しやすい印象
- バックグラウンドアプリが増えるとやや動作が重くなる:4GB RAMとはいえ、なるべく常駐アプリは減らすべき
■ 他機種との比較体験
同価格帯のiBasso 「DX180」とも比較しました。
個人的には以下のような印象です:
比較項目 | M3 Plus | DX180 |
---|---|---|
音の方向性 | ナチュラル・滑らか | シャープ・ソリッド |
アプリ操作性 | 安定・軽快 | やや重いが高機能 |
音質傾向 | 空間重視で心地よい | 情報量重視で分析的 |
使用感 | 軽くてコンパクト | やや大きく重め |
「DX180」の“ガチ感”に対し、「M3 Plus」はリスニングを純粋に楽しめる音作りと扱いやすさが魅力。
音の傾向が好みに合えば、「M3 Plus」の方が多くのユーザーにとって親しみやすいモデルに感じました。
■ 最終的な感想
「M3 Plus」は、日常的に音楽を楽しむためのDAPとして、非常にバランスの取れた完成度を持っています。
細部にまで気が利いた設計で、ストレスなく使えるうえ、音質にも満足感がある。
この価格でこの体験が得られるなら、DAP入門にも、サブ機としても“買い”だと自信を持って言える1台です。
Shanling 「M3 Plus」に関するQ&A

Shanling 「M3 Plus」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「M3 Plus」はどんな人におすすめですか?
ナチュラルで疲れにくい音が好みの方や、ストリーミング音楽を高音質で楽しみたい方に特におすすめです。DAP初心者でも扱いやすく、バランス接続やヘッドホン使用も想定している方にはぴったりの一台です。
M3 UltraやDX180と比べて音質はどう違いますか?
「M3 Plus」は俯瞰的で広がりのあるナチュラルなサウンド、M3 Ultraは前に出るパワフルな音、DX180はシャープでクリアな解像感重視の音という印象です。音の好みや使用スタイルによって選ぶのが良いでしょう。
どんなイヤホンやヘッドホンと相性が良いですか?
音の癖が少ないため、幅広いイヤホン・ヘッドホンと相性が良いです。中でもゼンハイザーHDシリーズや中華IEMとの組み合わせでその実力を発揮しやすい印象です。バランス接続の機器との組み合わせがおすすめです。
ストリーミング再生は快適にできますか?
はい。Android 13搭載により、Apple MusicやAmazon Music、Spotifyなど主要アプリに対応しています。AGLO機能で音質劣化も抑えられており、ハイレゾストリーミングも問題なく再生できます。
ギャップレス再生に対応していますか?
純正の再生アプリでは非対応です。ただし、Apple Musicや他のストリーミングアプリを使用すればギャップレス再生が可能です。プレイリストやアルバムを途切れずに聴きたい方はアプリ選定に注意が必要です。
「M3 Plus」のバッテリー持ちはどのくらいですか?
接続方式やDAC使用数によって異なりますが、最大で約14時間(Dual DAC時)、Quad DAC使用時は約11時間の連続再生が可能です。急速充電(QC3.0)にも対応しています。
USB-DACとしても使用できますか?
はい。PCやスマートフォンと接続すればUSB-DACモードとして使用可能です。最大384kHz/32bit、DSD256のハイレゾ再生にも対応しています。
本体のサイズ感や携帯性はどうですか?
スマートフォンよりやや小ぶりで、ポケットにも入るサイズ感です。重量も約205gと軽量で、持ち運びしやすく、外出先での使用にも向いています。
「M3 Plus」はmicroSDカードに対応していますか?
はい。最大2TBまでのmicroSDカードに対応しています。内蔵ストレージ64GBに加えて、ハイレゾ音源の保存にも十分な容量を確保できます。
Wi-FiやBluetoothの安定性はどうですか?
Wi-FiはQualcomm製モジュール+MIMO技術による複数アンテナ接続で安定しています。BluetoothもVer5.0で送受信に対応し、コーデックもLDACやaptX HDなど高音質に対応しており、ワイヤレスでも音質劣化が少ない印象です。
音楽再生以外の使い方はできますか?
Android 13搭載のため、Google Play非対応ながらもAPK経由で任意のアプリを導入可能です。YouTubeやブラウジングもできますが、基本は音楽再生専用端末としての使用が前提です。
本体は熱くなりやすいですか?
バランス出力時や高負荷アプリ使用時は若干発熱しますが、アルミ筐体が熱を効率よく逃がす設計になっているため、使用に支障が出るほどの熱さにはなりにくいです。
AGLO(Android Global Lossless Output)って何?
Androidでよくある音質劣化の原因であるSRC(サンプリングレート変換)を回避し、DACにネイティブな信号をそのまま出力できる機能です。AGLO搭載により、純正アプリ以外でも音質が安定します。
他のShanling製品とどう差別化されていますか?
「M3 Plus」は「M3 Ultra」よりも出力やOSの面で進化しており、上位機種の「M6」などよりは価格を抑えつつも使い勝手と音質を両立させたモデルです。ミドルクラスのベストバランスモデルという立ち位置です。
Shanling 「M3 Plus」レビューのまとめ

Shanling 「M3 Plus」は、音質・機能性・デザイン・操作性・コストパフォーマンスのすべてにおいて、エントリークラスの枠を大きく超えた実力を備えたDAPです。
ここでは、あらためて本機の魅力を総合的に整理し、どのようなユーザーに最適かを詳しくまとめていきます。
■ 音質:ナチュラルかつ余裕あるチューニング
- Cirrus Logic CS43198 × 4基によるクワッドDAC構成
- OPA1612+SGM8262のフルバランス回路
- 出力:最大800mW(@32Ω)で、フルサイズヘッドホンも余裕で駆動可能
- サウンド傾向は「ナチュラル」「暖かみあり」「聴き疲れしにくい」
- 特にジャズ、クラシック、シティポップなどとの相性が良好
■ 操作性:スマホライクな軽快さと安心感
- Snapdragon 665搭載+Android 13により、アプリ動作が軽快で快適
- DLNA / AirPlay / SyncLink対応で、ネットワーク再生やスマホからの操作もスムーズ
- AGLO技術によってSRC回避が可能 → ストリーミングでも高音質
- フリック入力も可能なタッチパネルで、DAPにありがちなもたつきが少ない
■ デザイン・携帯性
- 航空機グレードのアルミ筐体とウェーブデザインで高級感あり。
- 約205gと軽量、手にフィットするサイズで持ち運びも快適。
- カラバリも豊富で所有感も高めです。
■ 気になる点
- 純正アプリでギャップレス再生ができないのは残念。
- 端子の位置がやや端寄りで、ケーブルによっては気になる人も。
■ 総合的なおすすめポイント
Shanling 「M3 Plus」は、次のような方におすすめです:
- 初めてのDAP選びで失敗したくない人
- ストリーミングを高音質で楽しみたい人
- イヤホンもヘッドホンも両方使いたい人
- ナチュラルで聴き疲れしにくい音が好みの人
■ Shanling 「M3 Plus」レビューの総括
Shanling 「M3 Plus」は、エントリークラスという枠を大きく超えた完成度を持つDAPであり、音質・操作性・機能性・デザインのすべてにおいて非常に高いレベルでバランスが取れています。
CS43198を4基搭載したクワッドDAC構成により、情報量と音場の広さ、そしてナチュラルで心地よいチューニングが両立されており、長時間のリスニングでも疲れにくいサウンドが印象的です。
Snapdragon 665とAndroid 13による快適な操作性、AGLO機能による高音質ストリーミング再生、バランス接続対応の高出力設計など、実用面でも抜かりはありません。
また、航空機グレードのアルミシャーシと新たなウェーブデザインによって外観も上質に仕上がっており、所有欲をしっかりと満たしてくれます。
純正アプリでのギャップレス再生に対応していない点や端子の配置など、細かな弱点もありますが、それを補って余りある完成度と使いやすさを実感できました。
ストリーミング中心のリスニングスタイルを取り入れたい方や、イヤホンからヘッドホンまで幅広く使いたいユーザーにとって、「M3 Plus」は非常に信頼できる選択肢です。
手頃な価格でありながら音楽体験を本質から引き上げてくれる、そんな一台を探しているなら、Shanling 「M3 Plus」は間違いなくその期待に応えてくれるはずです。
音と向き合う時間が、もっと楽しく、もっと深くなる――それを実感できるDAPです。
