近年、1万円以下という価格帯でありながら、音質や機能性の面で高評価を得ているSOUNDPEATS(サウンドピーツ)のオーディオ製品。
その中でも、2025年6月に発売されたSOUNDPEATS 「Space Pro」は、従来モデル「Space」の正統な進化版として登場しました。
このモデルは、40mm+10mmの同軸デュアルダイナミックドライバーを搭載し、ハイレゾ音源に対応。
さらにはUSBオーディオ再生や最大151時間の連続再生時間、アクティブノイズキャンセリング(ANC)までサポートするなど、まさに「低価格でも妥協しない」ことを目指した一台です。
価格は通常8,980円前後とリーズナブルながら、Amazonのタイムセールやクーポン適用で6,000円台にまで値下がりすることもあり、コストパフォーマンスに優れたヘッドホンとして多くの注目を集めています。
この記事では、SOUNDPEATS 「Space Pro」のスペックや実際の使い心地、音質・装着感・機能面などを総合的にレビュー。
前モデルとの違いや、どんなユーザーにおすすめできるのかまで、徹底的に解説していきます。

- SOUNDPEATS 「Space Pro」の特徴と進化点
- SOUNDPEATS 「Space Pro」の外観と装着感の実力
- SOUNDPEATS 「Space Pro」の実際の音質とリスニング体験
- SOUNDPEATS 「Space Pro」を使用した私の体験談・レビュー
- SOUNDPEATS 「Space Pro」に関するQ&A
- 「Space Pro」はどんな人におすすめですか?
- iPhoneでも高音質で使えますか?
- LDACとマルチポイント接続は同時に使えますか?
- ノイズキャンセリング性能は本当に実用的ですか?
- USBオーディオって何が良いの?Bluetoothとどう違う?
- 外音取り込み機能の精度はどうですか?
- 長時間使っても耳や頭が痛くなりませんか?
- 操作はタッチ式ですか?物理ボタン式ですか?
- ゲームや動画の音ズレはありますか?
- LDACって誰でも使えますか?
- ANCはオンにしたままでも長持ちしますか?
- ヘッドホンで電話やビデオ通話はできますか?
- アプリはインストール必須ですか?
- バッテリーの充電時間はどれくらい?
- 音楽以外にも向いていますか?(映画・ゲームなど)
- SOUNDPEATS 「Space Pro」レビューのまとめ
SOUNDPEATS 「Space Pro」の特徴と進化点

SOUNDPEATS 「Space Pro」は、従来モデル「Space」のエントリークラスの性能を踏襲しつつ、明確な進化を遂げたワイヤレスヘッドホンです。
ここでは、「上位モデルとしての位置づけ」「主なスペックと機能」「再生時間やノイズキャンセリング性能の強化」など、進化点と特徴を多角的に解説していきます。
上位モデルとしての位置付けと進化のポイント
「Space Pro」は、2023年11月に発売された「Space」の後継かつ上位互換モデル。
従来機と比較して、音質面・機能面ともに複数の明確なアップグレードが施されています。
項目 | Space(前作) | Space Pro(本モデル) | 進化のポイント |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | 40mmシングル | 40mm + 10mm同軸デュアル | 分離感と解像感が向上 |
ノイズキャンセリング | 最大-35dB程度 | 最大-47dB | 実用性の高い強力ANC |
再生時間 | 最大123時間(ANCオフ) 最大61時間(ANCオン) | 最大151時間(ANCオフ) 最大56時間(ANCオン) | 圧倒的なロングバッテリー ※ANCオン時は前作の方が優秀 |
コーデック対応 | SBC / AAC | SBC / AAC / LDAC | ハイレゾ対応 |
USBオーディオ | 非対応 | 対応 | 遅延・劣化のない再生が可能 |
ムービーモード | 非対応 | 対応 | 臨場感あるサウンド体験 |
マルチポイント | 対応 | 対応(※LDACと併用不可) | 安定性の高い同時接続が可能 |
これらの進化により、音質に加えて利便性・拡張性の面でも非常に強力な仕様となっています。
主なスペックと機能概要
本機はコストパフォーマンスに優れるだけでなく、スペックそのものも非常に優秀です。
項目 | 詳細内容 |
---|---|
ドライバー | 40mm + 10mm 同軸デュアルダイナミック |
Bluetoothバージョン | 5.4 |
コーデック対応 | SBC、AAC、LDAC |
ノイズキャンセリング | ハイブリッドANC(最大-47dB) |
外音取り込み | 対応(やや実用性に欠ける) |
再生時間 | 最大151時間(ANCオフ)/約58時間(ANCオン) |
急速充電 | 5分充電で最大4時間再生 |
接続方式 | Bluetooth、USB-C(USBオーディオ)、3.5mm AUX |
マルチポイント | 対応(LDACと排他) |
アプリ対応 | SOUNDPEATSアプリに対応、EQ設定・モード切替・ファームウェア更新可能 |
モード | 通常/ゲームモード/ムービーモード(LDACと排他) |
注目すべきは「USBオーディオ対応」「ムービーモード」「マルチポイント」「LDAC対応」など、上位機に匹敵する機能を網羅している点です。
対応コーデック・再生時間・ノイキャン性能の進化
- LDACによる高音質再生
LDAC対応により、Bluetoothでも最大96kHz/24bitのハイレゾ音源に対応。高音質でのワイヤレスリスニングが可能になりました(※LDAC使用時はマルチポイント不可)。 - 151時間という圧倒的再生時間
バッテリー性能は驚異的で、ANCオフ時は最大151時間もの連続再生が可能。これは1日1時間の使用なら5ヶ月充電不要というレベルです。ANCオンでも約58時間と十分な長さ。 - 最大-47dBのアクティブノイズキャンセリング
ノイズキャンセリングは前作よりも明確に強化されており、飛行機内や電車内などの環境でも効果を発揮。特に低音ノイズの除去能力に優れています。
SOUNDPEATS 「Space Pro」は「1万円以下で買えるヘッドホンの枠を超えた」実力を持つモデルです。
SOUNDPEATS 「Space Pro」の外観と装着感の実力

SOUNDPEATS 「Space Pro」は、価格以上の質感と装着性を兼ね備えたヘッドホンです。
見た目の高級感だけでなく、日常的な使いやすさや長時間リスニングへの配慮も随所に見られます。
ここでは、デザイン面・装着感・携帯性に分けて詳しく解説していきます。
デザイン・質感の向上と比較
「Space Pro」は、前モデル「Space」からデザイン面でも明らかな進化を遂げています。
- レザー調ハウジングと質感の向上
ハウジング部分にはレザー調の表面加工が施されており、実際の素材は合成皮革ながらも安っぽさを感じさせません。指紋や擦り傷が目立ちにくく、実用面でもメリットがあります。 - 各部パーツの素材がアップグレード
ヘッドバンドの上部やイヤーパッドの素材には、柔らかいメモリーフォームとプロテインレザーを採用。手触りもよく、見た目の高級感に大きく寄与しています。 - ボタン配置の最適化
操作系統は左右に分かれており、ANCモードや音量調整、再生/停止などを直感的に操作可能。物理ボタンなので、タッチ式と比べて誤操作が起きにくいのもポイントです。
装着感と重量バランスの評価
「Space Pro」の装着感は、価格帯を超えた快適さを実現しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
重量 | 約282g(公称値) |
クッション性 | イヤーパッド・ヘッドバンドともに柔らかく、低反発 |
側圧(頭を締めつける力) | ややしっかりめだが、圧迫感は少なめ |
フィット感 | 耳全体を包み込み、密閉性が高い |
長時間使用 | 1時間以上の使用でも疲れにくい設計 |
特に、ヘッドバンドのクッション性やイヤーパッドの肌触りはこの価格帯では驚くほど良好で、「耳が痛くならない」「頭が圧迫されない」というレビューも多数見られます。
唯一の注意点は、約280g超の重量。
軽量モデル(250g未満)と比べると「少しずっしり」した印象を持つ方もいるかもしれません。
ただし、そのぶん安定感があり、歩行中や電車内でもズレにくいというメリットにもつながります。
携帯性と収納性
普段の持ち運びに関しても、「Space Pro」はよく設計されています。
- 折りたたみ可能な構造
ヘッドホン本体は内側にコンパクトに折りたたむことができる構造。カバンの中にも無理なく収納できます。 - 収納ポーチが付属
本体価格が1万円未満でありながら、付属のソフトポーチが標準装備。本体を保護しながら持ち運びたい人には嬉しいポイントです。 - 耐久性にも配慮
ヒンジ部分やアームの作りがしっかりしており、頻繁な折りたたみにも耐えうる構造です。全体的に「安かろう悪かろう」とは無縁の作りです。
外観・装着感の面でも、SOUNDPEATS 「Space Pro」は「1万円以下とは思えない」と評されるにふさわしい完成度となっています。
SOUNDPEATS 「Space Pro」の実際の音質とリスニング体験

SOUNDPEATS 「Space Pro」の音質体験は、単に“良い”という表現では足りないほど緻密に作られており、1万円以下の価格帯では異例とも言えるクオリティを実現しています。
ここでは、「音の傾向」「ジャンルとの相性」「各モードでの変化」「USBオーディオでの改善点」など、より深く分析します。
音の傾向とジャンル適性
■ 音の全体傾向:キレの良い弱ドンシャリ
- ドンシャリ型ではあるが、過度に尖ったチューニングではなく、バランスよくまとめられている。
- 解像感が高く、音の一つひとつがくっきりと浮き上がるような感覚。
- 同軸デュアルドライバー構成(40mm+10mm)により、周波数ごとの分離感と音圧の安定感が両立されている。
■ 各帯域の細かな特徴
帯域 | 特徴 | 印象的なポイント |
---|---|---|
低音域 | 深さは控えめだが輪郭は明確。締まりがあり、膨らみすぎない。 | エレキベース、キック、打ち込みのビートがタイトに鳴る。 |
中音域 | ボーカルが近く、明瞭度が高い。中域の抜け感が良く、埋もれない。 | 女性ボーカル、アコースティックギターが特に映える。 |
高音域 | 繊細かつ鮮明。伸びすぎず、刺さらず。金物系(シンバルなど)が心地よい。 | シンセやエレキギターなどの電子系高音が鮮やか。 |
■ 音場・定位
- 音場は「やや近め」。解像感が高いため、音が“迫ってくる”感覚があり、没入感が強い。
- 音の定位は正確で、左右の振り分けや楽器の配置がリアルに感じられる。
■ 得意ジャンルとリスニングスタイル
ジャンル | 適性 | 理由 |
---|---|---|
ロック・ポップス | ◎ | ボーカルとバンドサウンドの分離が良く、ノリ良く聴ける |
EDM・ヒップホップ | ◎ | タイトな低音が映える。ビート重視の曲と好相性 |
アニソン | ◎ | 高音域の煌びやかさと中域の明瞭さがマッチ |
ジャズ・クラシック | △〜○ | 繊細さはあるが、音場が近めなので広がり感は控えめ |
USBオーディオ/有線接続による違い
■ USBオーディオ接続(USB-C)
- 圧縮を介さず、ロスレス音源をそのまま再生可能。
- 特に効果が大きいのが中高音域の質感向上。Bluetooth接続時にあった軽いザラつきがなくなり、音の厚みが一段階アップ。
- iPhoneなどで「USB-C to Lightning」変換を使えば、Appleデバイスでも同様の音質向上が得られる。
■ 有線AUX接続
- 3.5mmケーブルでのアナログ接続も可能。
- 電源オフでも使用可能だが、電源オン時のほうが内部アンプが有効になり、音質が良くなる。
- 通勤・通学中の緊急用にも便利。
■ 総評:接続方式の選び方
接続方法 | 音質評価 | 遅延 | 使用場面 |
---|---|---|---|
Bluetooth(LDAC) | ◎(高音質) | △(動画視聴はややズレる) | ワイヤレス音楽再生 |
Bluetooth(AAC) | ○(iPhone) | ◎ | iPhone利用時、日常使いに最適 |
USBオーディオ | ◎(最も高音質) | ◎(無遅延) | 自宅・据え置き向き |
AUX接続 | ○ | ◎ | バッテリー切れ対策、遅延回避用 |
ノイズキャンセリングと外音取り込みの効果
■ アクティブノイズキャンセリング(ANC)
- 最大-47dBというスペック通り、特に低域のノイズ除去性能が高い。
- 車のエンジン音、電車の走行音、空調のファン音などを明確に低減。
- 中高音(人の声やアナウンス)にはやや弱めだが、音楽をかければ気にならない程度。
- ANCオン時、低音が若干強調されるため、より迫力のあるサウンドを楽しめる。
■ 外音取り込み(Ambient Mode)
- マイクで周囲の音を取り込むが、音質はややデジタルっぽく、自然さは控えめ。
- 静かな環境では実用的だが、騒がしい場所では不自然に聞こえることも。
- 会話時やアナウンス確認には十分使えるが、精度・自然さは中堅クラス以下。
■ 使用シーン別のおすすめ設定
シーン | おすすめモード | 理由 |
---|---|---|
通勤・通学 | ANCオン | 電車内やバスの騒音を軽減 |
カフェや作業中 | ANCオン or 通常モード | 音に集中できる環境を構築 |
屋外ランニング | 外音取り込み | 周囲の環境音を確認できて安全 |
自宅リスニング | USBオーディオ+ANCオフ | 最高の音質でじっくり聴ける |
補足:ムービー/ゲームモードの体験
- ムービーモード
360°の音場表現を意識したモード。音量がやや下がるが、臨場感が高まり、映画やアニメ鑑賞に最適。 - ゲームモード
Bluetooth接続でも遅延が大きく減少。音ゲーやFPSなど、タイミングが重要なゲームでも実用範囲内に収まる。
総合的なリスニング評価
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
音質(Bluetooth) | ★★★★☆ | ドンシャリ傾向だが全体のバランス良好 |
音質(USBオーディオ) | ★★★★★ | ワイヤレスを超える情報量と厚み |
ANC性能 | ★★★★☆ | 実用十分。低音カットに強い |
外音取り込み | ★★★☆☆ | 音質は改善の余地あり。実用レベルは確保 |
装着感+遮音性 | ★★★★☆ | クッション性◎ 密閉性も良好 |
遅延対策 | ★★★★☆ | ゲームモードがかなり優秀 |
SOUNDPEATS 「Space Pro」を使用した私の体験談・レビュー

SOUNDPEATS 「Space Pro」を数日間、仕事中や通勤時、自宅でのリスニングなど、さまざまなシーンで使用してみました。
価格を考えれば正直、期待値はそこまで高くなかったのですが、想像以上に「使える」一台であると感じました。
以下、具体的な使用体験を交えながら感想をお伝えします。
■ 通勤時:ノイズキャンセリングの頼もしさを実感
電車通勤中にANC(アクティブノイズキャンセリング)をオンにして使ったところ、車両の走行音やエアコンの低音がかなり軽減されました。
完全に無音とはいきませんが、音楽をかければ外音はほとんど気になりません。
- 空調の「ゴー」という音が消え、音楽に集中できる。
- ANCオン時に低音が増して音が締まるため、より迫力のあるサウンドになる。
反面、人の話し声やアナウンスは少し残るので、「騒音全カット」を期待しすぎないことがポイントです。
■ デスクワーク中:集中力アップに貢献
自宅での作業中、USB-C接続でPCに繋ぎ、プレイリストを流して作業用BGMとして使いました。
Bluetoothと比べて中音域の明瞭さや高音の繊細さがワンランクアップしていて、文字通り“耳が疲れない音”という印象です。
- USB接続時は明らかに音が太くなり、奥行きと艶感が増す。
- 無線接続ではやや軽く感じていた音が、より濃密に響くようになる。
- 低音が膨らまず、音の分離も良いため、BGM用途としても最適。
このUSBオーディオ対応は、価格帯を考えても明らかに特異で、大きなアドバンテージに感じました。
■ 移動中:外音取り込みは状況によって評価が分かれる
ウォーキング中などに外音取り込みモードを試してみたところ、確かに周囲の音が聞こえるようにはなりますが、自然さや定位感は今ひとつ。
環境音が少し「こもったような」「フィルターがかかったような」印象を受けました。
- 良かった点:
- 足音や車の通過音が確認でき、安全性には貢献。
- 近くの人との会話は、注意すればある程度聞き取れる。
- 気になった点:
- 集音力はあるが、音が少し不自然で、環境音がザラザラ聞こえる。
- 自然な会話用としては少し物足りない。
■ 映像視聴:ゲームモードとムービーモードが効果的
自宅でアニメや映画を観る際には「ムービーモード」、スマホで軽くゲームをする際には「ゲームモード」を活用。
モードごとに明確な変化があるため、用途に応じた使い分けができます。
- ムービーモード:
- 音の広がりが強調され、特に環境音やBGMが後方から包み込むように聞こえる。
- 音量がやや下がるが、臨場感重視の演出には効果大。
- ゲームモード:
- 遅延がしっかり抑えられており、YouTubeや音ゲーでもタイミングがずれにくい。
- 音の反応速度が上がることで、カジュアルに遊ぶゲームには十分実用的。
■ 長時間使用:装着感は想像以上に快適
装着して最も驚いたのは、イヤーパッドとヘッドバンドの柔らかさ。
長時間装着しても頭部や耳周りに痛みが出にくいため、仕事中に2~3時間つけっぱなしにしていてもストレスを感じませんでした。
- 物理ボタンはやや硬めだが、誤操作しづらくて安心。
- 重量は280g台と少し重めだが、側圧がちょうどよく分散されており重さは気にならない。
■ 総合的な印象
使っていて感じたのは、「1万円以下」という価格設定が信じられないほどの完成度です。
音質・装着感・機能性のどれかに特化しているわけではなく、全体のバランスが非常に良い。
特に印象的だったポイントは:
- USBオーディオの明らかな音質向上
- ノイズキャンセリングの実用性
- 長時間装着できる快適さ
- 音楽ジャンルに対する汎用性
反面、外音取り込みの精度やLDACとマルチポイントの併用不可など、細かい不満点はあるものの、「価格対効果」で見れば完全に許容範囲です。
SOUNDPEATS 「Space Pro」に関するQ&A

SOUNDPEATS 「Space Pro」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「Space Pro」はどんな人におすすめですか?
音質を重視しながらも価格は抑えたい人に最適です。特に、LDAC対応のAndroidスマホを使っている方、長時間再生やUSBオーディオを活用したい方には強くおすすめできます。また、EDMやポップスなど、低音と高音のキレを重視した音楽を好む人にも向いています。
iPhoneでも高音質で使えますか?
はい、iPhoneではAACコーデックで接続され、非常に安定した音質が得られます。LDACほどの情報量はありませんが、1万円以下のヘッドホンとしては十分に満足できる音質です。
LDACとマルチポイント接続は同時に使えますか?
いいえ。LDAC(高音質コーデック)とマルチポイント(2台同時接続)は排他仕様になっており、どちらか一方しか使えません。高音質を求めるときはLDAC、複数デバイスを使いたいときはマルチポイントと、シーンに応じて切り替えて使うのがおすすめです。
ノイズキャンセリング性能は本当に実用的ですか?
実用性は非常に高いです。最大-47dBのANCは、空調音・車の走行音・地下鉄の振動音などをしっかりカットしてくれます。特に低音ノイズに強く、音楽をかければ外音はほとんど気にならなくなります。
USBオーディオって何が良いの?Bluetoothとどう違う?
USBオーディオは有線によるロスレス再生が可能なため、Bluetoothでのワイヤレス再生よりも音の解像感や厚みが向上します。特に中高音の質感がクリアになり、「音がひと皮むけたような」感覚があります。遅延もなく、映像視聴や音楽鑑賞を高音質で楽しみたい人に最適です。
外音取り込み機能の精度はどうですか?
集音力はありますが、音がややデジタルっぽく、不自然に感じることがあります。会話補助や周囲の安全確認などの用途には十分ですが、自然な聞こえ方を重視する場合は注意が必要です。
長時間使っても耳や頭が痛くなりませんか?
イヤーパッドとヘッドバンドには柔らかい低反発素材が使われており、装着感は非常に良好です。280g台と少し重めではありますが、重量が分散されているため、2〜3時間連続で使用しても疲れにくい設計になっています。
操作はタッチ式ですか?物理ボタン式ですか?
物理ボタン式です。誤操作が起きにくく、直感的に使えるのがメリットです。ただし、ボタンの押下音がやや大きいため、気になる方はアプリから音量調整も可能です。
ゲームや動画の音ズレはありますか?
通常モードではやや遅延がありますが、ゲームモードをオンにすると遅延が大幅に軽減されます。YouTube視聴やカジュアルなゲーム用途であれば、問題なく使えます。
LDACって誰でも使えますか?
LDACを使用するには、Androidスマートフォンなどで、LDAC対応のデバイスが必要です。iPhoneではAACまでの対応となり、LDACの恩恵は受けられませんが、それでも十分に高音質な再生が可能です。
ANCはオンにしたままでも長持ちしますか?
はい、ANCオンの状態でも最大58時間と非常に長持ちします。他社製のANC対応ヘッドホンでは30時間前後が一般的なので、それと比べてもかなり優秀です。
ヘッドホンで電話やビデオ通話はできますか?
はい、内蔵マイクが搭載されており、通話やZoomなどのWeb会議にも対応可能です。ただし、騒がしい環境では若干バックノイズが入りやすいため、静かな場所での使用が推奨されます。
アプリはインストール必須ですか?
必須ではありません。基本的な操作は本体の物理ボタンで完結します。ただし、イコライザーの調整やモード切り替え、ファームウェアの更新を行いたい場合は、専用アプリ「SOUNDPEATS」をインストールしておくと便利です。
バッテリーの充電時間はどれくらい?
フル充電まで約2.5時間。さらに急速充電に対応しており、5分の充電で最大4時間の再生が可能です。急に使いたくなったときにも安心です。
音楽以外にも向いていますか?(映画・ゲームなど)
非常に相性が良いです。ムービーモードは映画やドラマ視聴に、ゲームモードはスマホやPCでのプレイ時に遅延を減らす効果があります。映像コンテンツに没入したい方にも適した仕様です。
SOUNDPEATS 「Space Pro」レビューのまとめ

SOUNDPEATS 「Space Pro」は、1万円以下の価格帯で購入できるワイヤレスヘッドホンとして、音質・機能・装着感のすべてにおいて、驚くほどバランスの取れた完成度を見せています。
単に「安くて悪くない」ではなく、「価格を忘れるほど満足感が高い」ことが、このモデルの最大の価値です。
■ 音質:クラスを超えた透明感と迫力
まず特筆すべきは音の仕上がりです。
40mm+10mmの同軸デュアルドライバーは、エントリーモデルとしては異例の構成。
これにより、低音から高音までの分離感と密度感が飛躍的に向上しています。
- 低音はしっかりと締まり、迫力ある表現を実現しつつ、ブーミーにならずタイト。
- 中音域ではボーカルが明瞭で、特に女性ボーカルの輪郭がクリア。
- 高音域は伸びやかで、金属音やシンセなどのディテールも繊細に描写。
LDAC接続時はもちろん、USBオーディオ接続ではさらに解像感がアップし、「この価格帯でここまで聴けるのか」と驚かされるレベルです。
■ 接続性・モード:用途に応じた柔軟性が魅力
Bluetooth接続だけでなく、有線(3.5mm)やUSB-C経由のロスレス再生にも対応しており、場面に応じて最適な接続方法を選べる自由度も高評価ポイントです。
さらに、
- ゲームモードでは遅延が大幅に軽減され、スマホゲームでも快適にプレイ可能。
- ムービーモードは360°サウンド演出で、映像コンテンツに没入感を与えてくれる。
このように「音楽用」「映像鑑賞用」「ゲーム用」と、モードごとに明確なチューニングの違いがあるため、使い方に応じたカスタマイズが可能です。
■ ノイキャンと外音取り込み:日常使いに十分な実用性
ノイズキャンセリングは最大-47dBと公式にうたわれており、実際の使用でも空調音や車のエンジン音をしっかり低減してくれます。
特に低音のノイズには強く、電車やバスの移動時にも効果を実感できました。
一方、外音取り込み機能についてはやや評価が分かれます。
- 集音力はあるものの、自然さにはやや欠ける。
- 周囲の会話やアナウンスを確認する程度であれば十分だが、音質自体は“機械的”な印象。
それでも、1万円以下の機種としては実用十分なレベルに仕上がっており、「とにかく無いよりは便利」と感じる場面も多いです。
■ 装着感と物理的な使いやすさ
装着感に関しても、1万円以下とは思えない快適さがあります。
- イヤーパッドやヘッドバンドは低反発素材で柔らかく、肌あたりも優しい。
- 側圧(締めつけ感)も適度で、1〜2時間の連続使用でも疲れにくい。
- 折りたたみ構造と付属ポーチにより、持ち運びや収納もスマートにこなせます。
重量は約280gとやや重ためではありますが、分散設計が工夫されており、「ずっしり重い」と感じることはほとんどありませんでした。
■ アプリ・操作性:初めてでも迷わず使える設計
専用アプリ「SOUNDPEATS App」は非常に使いやすく、以下のような機能が用意されています:
- ノイズキャンセリング/外音取り込みモードの切り替え
- ゲーム・ムービーモードの設定
- イコライザー(プリセット9種、カスタムEQあり)
- ファームウェアアップデート対応
- 音声ガイダンスの音量・言語設定(日本語あり)
操作自体も物理ボタンで直感的に行え、誤操作も少なく、初めてワイヤレスヘッドホンを使う人でも安心できる設計です。
■ 総合的に見て、「価格破壊」では済まない完成度
ここまで述べてきた通り、SOUNDPEATS 「Space Pro」は単に「安い割に良い」ではなく、“価格を超えた価値を持つ”というのが最もふさわしい表現です。
項目 | 評価 | 補足 |
---|---|---|
音質(LDAC/USB) | 9.5 / 10 | 価格帯を考えると驚異的 |
音質(Bluetooth SBC/AAC) | 8.0 / 10 | iPhone使用でも十分満足 |
装着感・使いやすさ | 8.5 / 10 | 快適性が高く、長時間使用でもOK |
ノイズキャンセリング | 8.0 / 10 | 実用十分な効き。静かな作業環境に最適 |
外音取り込み | 6.5 / 10 | 今後の改善に期待 |
接続・モード切替 | 9.0 / 10 | USB/BT/モード切替の柔軟性が素晴らしい |
コストパフォーマンス | 10 / 10 | このスペックで6,000円台(セール時)は異常レベル |
■ SOUNDPEATS 「Space Pro」レビューの総括
SOUNDPEATS 「Space Pro」は、ただの「低価格ヘッドホン」という枠に収まらない、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る製品です。
40mm+10mmの同軸デュアルドライバーによる豊かな音場と高い解像感は、1万円以下とは思えない音質体験を実現しており、BluetoothだけでなくUSBオーディオにも対応している点は、音にこだわるユーザーにとって大きな魅力です。
さらに、最大151時間という長時間再生、最大-47dBのノイズキャンセリング、ゲームモードやムービーモードなど、用途に応じた細かな最適化も施されています。
一方で、外音取り込みの自然さやLDACとマルチポイントの併用不可といった細かな制約もありますが、それらを踏まえてもなお、音質・機能・装着感の全体バランスは非常に優秀です。
「音楽をもっと気軽に、だけど妥協はしたくない」――そんなニーズにしっかり応えてくれる、まさに価格以上の価値を提供する一台です。
高音質・高機能・高快適を求めるすべての人に、ぜひ一度体験してほしいヘッドホンです。
