高音質な音楽体験を求めると、どうしてもハイエンドの高価なイヤホンに目が行きがちです。
しかし、すべてのリスナーが数十万円クラスの製品を求めているわけではありません。
もっと手の届きやすい価格帯で、音楽の感動をしっかりと味わえるモデルを探している方も多いはずです。
そんなニーズに応えてくれるのが、qdcの「SUPERIOR」です。
qdcはカスタムIEMをはじめとする高級イヤホンブランドとして世界的に知られており、そのサウンドクオリティと独自のデザイン性には定評があります。
その中でも「SUPERIOR」は、ブランドのエントリーモデルという位置づけでありながら、音質・装着感・デザインすべてにおいて高い完成度を誇ります。
価格以上の満足度が得られるとして注目されており、オーディオファンだけでなく、これから本格的にイヤホンを楽しみたいと考える初心者層からも関心を集めています。
この記事では、qdc 「SUPERIOR」の特徴や音質、実際の使用感をレビューしていきます。
加えて、競合モデルとの違いや活用シーンごとの評価も交えながら、購入を検討している方にとって役立つ情報をお届けします。
qdc 「SUPERIOR」のレビューを通じて、このイヤホンが本当に“コスパの優等生”と呼べる存在なのか、その実力を確かめていきましょう。

qdc 「SUPERIOR」の基本情報と特徴

ブランドqdcについて
qdcは中国・深圳を拠点とするイヤホンブランドで、世界のプロミュージシャンや音響エンジニアからも高い信頼を得ています。
特にカスタムIEM分野のリーディングメーカーとして知られ、ライブ現場やスタジオモニター用イヤホンで培った技術を市販モデルにも惜しみなく投入しています。
- プロ仕様に裏打ちされた確かな音作り
- カスタムIEMから派生した高い装着感
- ユーザー層の拡大を狙ったエントリーモデル展開
その流れの中で登場したのが、今回レビューする「SUPERIOR」です。
「SUPERIOR」のスペック・仕様概要
「SUPERIOR」は、10mm口径のフルレンジ・ダイナミックドライバーを1基搭載したシンプルな構成ながら、音の立ち上がりや解像感を追求したエントリーモデルです。
主要スペック
項目 | 内容 |
---|---|
ドライバー | 10mm シングル・フルレンジDD |
周波数帯域 | 10Hz–40,000Hz |
感度 | 100dB SPL/mW |
インピーダンス | 16Ω |
外音遮断性能 | 約26dB |
コネクタ | 0.78mm 2pin(汎用規格) |
ケーブル | OFC 4芯、3.5mmアンバランス |
付属品 | イヤーピース(シングル&ダブルフランジ 各S/M/L)、ケース、クリーニングツール |
カラー展開 | Piano Black / Vermilion Red / Azure Blue |
参考価格 | 14,300円(税込) |
さらに、「SUPERIOR」には音質に直結する独自技術が盛り込まれています。
- 真空成膜の複合膜ダイアフラム:軽量かつ剛性が高く、透明感のある高域を再生
- 同軸デュアル磁気回路:磁束密度を高め、レスポンスの速いサウンドを実現
- デュアルキャビティ構造:内部の空気圧を最適化し、歪みを抑制
このように、見た目はシンプルながらも、設計はハイエンド機譲りの仕様となっています。
デザインと装着感の第一印象
外観は、3Dプリンティング技術によるシェルと光沢感あるミラーパネルを組み合わせたスタイリッシュな仕上がりです。
カラーバリエーションも3色展開で、シックから鮮やかまで幅広く選べるのが魅力です。
デザインの特徴は以下の通りです。
- 光の角度で印象が変わるミラーフェイスプレート
- 耳の形状に沿った立体的な3Dプリントシェル
- 耐久性と音質面を考慮した金属製ノズル
装着感については、耳にぴったり収まる形状と軽量設計により、長時間の使用でも疲れにくい印象です。
また、外音を約26dB遮断するため、通勤やカフェでの作業時にも音楽に没入できます。
実際に耳に装着すると、
- 耳の奥まで自然にフィットする安定感
- 遮音性が高く、環境音をしっかりカット
- フィット感により低音の厚みも感じやすい
といった点が好印象でした。デザイン性と実用性の両立は、さすがqdcらしい仕上がりだといえます。
qdc 「SUPERIOR」の音質レビュー

qdc 「SUPERIOR」の音は、全体としてバランスの良さとレスポンスの速さが際立っています。
価格帯を超える解像度を備えつつ、聴き疲れしにくい自然なチューニングが特徴です。
以下では低音域・中高音域・音場と定位感の3つの観点から詳しくレビューしていきます。
低音域の表現力
低音は量感を強調するのではなく、タイトでキレのある鳴り方が印象的です。
ベースラインの輪郭やドラムのアタックが明瞭で、リズムの推進力をしっかり伝えてくれます。
- 量感:控えめ〜中庸。ブーミーさはなくすっきり
- 質感:締まりのある低音で、余韻は短め
- 特徴:ボーカルや中域を邪魔しない設計
EDMのように“ズンズン響く低音”を好む方にはやや物足りないかもしれませんが、ロックやポップスではバランスの良さが光ります。
中高音域の透明感と解像度
中域はクリアで見通しが良く、ボーカルが一歩前に出るような印象です。
楽器の分離が良いため、アコースティック編成からオーケストラまで幅広く対応できます。
高域は派手に伸びすぎず、耳当たりの柔らかい仕上がりになっています。
- ボーカル:距離感が自然で、歌詞が聴き取りやすい
- 解像感:価格帯を超える細やかな粒立ち
- 高域の伸び:シンバルや弦楽器の響きが繊細で滑らか
刺さるような鋭さが抑えられているため、長時間のリスニングでも疲れにくいのが魅力です。
音場・定位感・リスニング環境での違い
「SUPERIOR」の音場は、過度に広げるタイプではなく自然な広がりを重視しています。
センター定位がしっかりしているため、ボーカルやリード楽器がきちんと中央に収まり、楽曲全体が整理されて聴こえます。
- 音場の広さ:中庸。左右の広がりは十分で、奥行きも自然
- 定位の精度:楽器の位置関係が明瞭で、バンド編成が分かりやすい
- ダイナミクス:小さな音の表情が丁寧に描かれる
機材・環境による変化
- スマホ直挿し:十分鳴らせるが、低音の厚みはやや控えめ
- USB-DAC使用:音場のレイヤー感が増し、分離がより明瞭に
- バランス駆動:背景が静かになり、音の輪郭がシャープに
ジャンル別の適性
ジャンル | 相性 | コメント |
---|---|---|
ポップス/J-POP | ◎ | ボーカルが前に出て聴きやすい |
ロック | ○ | タイトな低音でリズムが締まる |
ジャズ | ◎ | ピアノやシンバルのニュアンスが自然 |
EDM | ○ | キックは明瞭だが、重低音を最重視する人にはやや控えめ |
クラシック | ○ | 分離の良さで楽器の重なりが分かりやすい |
qdc 「SUPERIOR」の音は、一言で表すと「解像度と聴きやすさのバランスが取れたサウンド」です。
低音はタイトに締まり、中高音は透明感が高く、定位の明確さも価格以上の実力。
派手さや重低音の迫力を求める方には控えめに感じられるかもしれませんが、幅広いジャンルで安心して使える万能型といえるでしょう。
qdc 「SUPERIOR」の使用シーン別の魅力と比較

qdc 「SUPERIOR」は、日常リスニングから動画視聴、学習や作業BGMまで幅広く使える万能機です。
音を誇張せず“自然に正しく鳴らす”方向性のため、ジャンルや環境を選ばないのが大きな強みです。
ここでは使用シーンごとの特性を整理し、最後に他モデルとの比較でポジションを明らかにします。
音楽ジャンル別の相性
音楽ジャンルごとに特徴を見ていくと、「SUPERIOR」の“タイトさ”と“解像感”がどんな場面で生きるかがよく分かります。
- ポップス/J-POP:ボーカルが明瞭で前に出る。歌詞のニュアンスも掴みやすい。
- ロック:低音が締まり、ギターの刻みもくっきり。リズムのキレを重視する人向け。
- ジャズ:ブラシやシンバルの余韻が自然。倍音の滑らかさで長時間聴いても疲れにくい。
- EDM/ヒップホップ:キックのアタックが速く、リズムの骨格はしっかり。ただし超低域の量感はやや控えめ。
- クラシック:パート分離が優秀で、編成の層が分かりやすい。音場は自然志向。
ジャンル適性まとめ表
ジャンル | 相性 | コメント |
---|---|---|
ポップス/J-POP | ◎ | ボーカル重視派におすすめ |
ロック | ○ | 低域はタイト。重厚感は控えめ |
ジャズ | ◎ | 楽器のニュアンスが繊細に出る |
EDM/ヒップホップ | ○ | ビートは明瞭だが重低音派は調整必要 |
クラシック | ○ | 自然な音場で編成を聴き分けやすい |
ゲーム・動画・テレワークでの活用度
音楽以外のシーンでも「SUPERIOR」は実用的です。
有線ならではの遅延の少なさと、明瞭な中域がここで効いてきます。
- 動画視聴:セリフがはっきり聴き取れる。音と映像のズレも気にならない。
- ゲーム:定位精度が高く、足音や環境音の位置を把握しやすい。FPSなどで有利。
- テレワーク/学習:外音遮断性が高いため集中しやすい。長時間装着しても耳が痛くなりにくい。
シーン別メリット表
シーン | 強み | 注意点 |
---|---|---|
動画 | セリフ明瞭・低遅延 | 低音の迫力は抑えめ |
ゲーム | 定位精度が高くBGMも聴き分けやすい | 爆発音の迫力は控えめ |
テレワーク | 遮音性と装着感で集中しやすい | 通話にはマイク付きケーブルが必要 |
学習BGM | 聴き疲れしにくいバランス | 完全な開放感は得にくい |
他モデル・他ブランドとの違い
同価格帯のイヤホンには、低音を強調するタイプや高解像寄りのシャープなタイプがあります。
その中で「SUPERIOR」は「ニュートラルで使いやすいバランス型」に位置します。
タイプ | 特徴 | 長所 | 短所 |
---|---|---|---|
低音強調型 | ドンシャリ傾向 | 迫力ある重低音 | ボーカルが埋もれやすい |
高解像型(BA/ハイブリッド) | シャープで緻密 | 細部まで聴ける情報量 | 高域が刺さりやすく疲れる |
SUPERIOR(バランス型) | 自然でタイト | ジャンルを選ばず聴きやすい | 派手さや重低音の量感は控えめ |
「SUPERIOR」が光るポイント
- 音の“盛り”を抑えて中域をクリアに確保
- ケーブルやイヤピースで好みに合わせた調整が可能
- 聴きやすさと定位精度のバランスが良く、常用イヤホンとして優秀
「SUPERIOR」は「日常使いから趣味リスニングまで安心して任せられる万能機」です。
突出した派手さはありませんが、自然で疲れにくい音は毎日の生活に寄り添いやすく、比較的フラットな特性はジャンルもシーンも選びません。
エントリーモデルで迷ったとき、まず候補に挙げやすい一台といえるでしょう。
qdc 「SUPERIOR」はリケーブルも楽しめる

qdc 「SUPERIOR」は、リケーブルにも対応しているので、よりユーザーの好みに近い音を求めてカスタマイズできるというメリットもあります。
リケーブルとは?
リケーブルとは、その名の通りケーブルを交換することです。
単にイヤホンのケーブルと言っても非常に多くの素材や種類があり、リケーブルをすることによって好みのケーブルを使用することができます。
音質の変化を楽しめることはもちろんメリットの一つですが、他にも「ケーブルが断線しても交換できる」というメリットもあります。
高価なイヤホンやお気に入りのイヤホンを長く使用したい場合には特に嬉しいポイントです。
qdc 「SUPERIOR」のリケーブルにおすすめのケーブルは?
「SUPERIOR」のリケーブルのコネクターには、2pinコネクターが採用されています。
ここでは「SUPERIOR」のリケーブルにおすすめのケーブルを紹介します。
NOBUNAGA Labs 「IRIS (イリス)」

- コスパも高く、音の変化も感じやすい一品
- ケーブルがとても柔らかく取り回しがしやすいのも◎
BQEYZ 「Autumn イヤホン ケーブル C12」

- BQEYZのイヤホンで使用されている純正のケーブルで、歪のないクリアなサウンドが特徴
- プラグは2.5mm・3.5mm・4.4mmをラインナップ
TRN 「TX」

- 2.5mm・3.5mm・4.4mmのプラグをマグネットで着脱可能
- 「SUPERIOR」の純正と同じく耳掛けタイプで装着感も快適
いくつか紹介しましたが、「SUPERIOR」の純正ケーブルももちろん素晴らしい品質なので、好みに合わせて自由に選んでみるといいでしょう。
qdc 「SUPERIOR」の価格と価値

qdc 「SUPERIOR」は、その高いパフォーマンスと優れた品質にもかかわらず、手の届きやすい価格帯で提供されています。
このセクションでは、「SUPERIOR」の価格設定と、その価格に見合う価値について詳しく見ていきます。
qdc 「SUPERIOR」の価格帯
「SUPERIOR」は、一般的なハイエンドイヤホンと比較しても非常に競争力のある価格で提供されています。
この価格設定は、多くのオーディオ愛好家や高品質な音楽体験を求める人々にとって、非常に魅力的です。
qdcは、優れたオーディオ体験をより多くの人々に提供することを目指しており、「SUPERIOR」はそのコミットメントの一例です。
コストパフォーマンスと競合比較
「SUPERIOR」のコストパフォーマンスは非常に高く、同価格帯の他のイヤホンと比較しても、音質、デザイン、フィット感の面で優れた選択肢となります。
同じくらいの価格で提供されている他のイヤホンと比較すると、「SUPERIOR」はその優れた音の解像度やバランスの良さで一歩リードしています。
また、qdcの品質保証とアフターサービスも考慮すると、「SUPERIOR」は非常に価値の高い投資と言えるでしょう。
対象ユーザーとおすすめポイント
「SUPERIOR」は、高品質な音楽体験を求める初心者からオーディオ愛好家まで、幅広いユーザーにおすすめできます。
特に、細かな音のニュアンスや音楽の深みを楽しみたい人、長時間の使用でも快適なイヤホンを求めている人には、「SUPERIOR」が最適です。また、デザインと機能性を重視するユーザーにとっても、「SUPERIOR」は魅力的な選択肢となるでしょう。
qdc 「SUPERIOR」の価格と価値は、その卓越したパフォーマンスと高いコストパフォーマンスにより、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。
音質、デザイン、フィット感の三拍子が揃ったこのイヤホンは、音楽を愛するすべての人に新たな体験を提供します。
qdc 「SUPERIOR」を使用した私の感想・レビュー

qdc 「SUPERIOR」を1週間ほど使い込んでみて、最も強く感じたのは「安心して毎日使える信頼感」でした。
音質の傾向だけでなく、装着感や取り回し、シーン別の使い勝手まで含めて体験を整理します。
最初の印象:整理された音と自然なフィット感
開封してすぐに聴いたときの印象は、低音の過剰な膨らみがなく整理整頓されたバランスの良さでした。
ボーカルは前に出つつも伴奏と混ざらず、どの楽器がどの位置で鳴っているかを自然に把握できる感覚があります。
装着に関しても耳にすっと馴染み、軽さと形状の良さで長時間のリスニングも問題なくこなせました。
イヤーピースでの変化
数種類のイヤーピースを試したところ、音のキャラクターが大きく変わるのも印象的でした。
- 薄肉シリコン:抜け感が良く、高域が一歩前へ。アコースティックや女性Voに好相性。
- 厚肉シリコン:低域が厚くなり、ロックやEDMの迫力が増す。
- フォームタイプ:遮音性と低音の密度が向上。電車やカフェで使うと集中しやすい。
イヤーピース次第で“ニュートラル”から“低音重視”“高域抜け重視”まで自在に変化する柔軟さは、「SUPERIOR」の魅力だと実感しました。
機材・ケーブルによる違い
接続する機材やケーブルでも音の伸びしろを感じました。
- スマホ直挿し(ドングルDAC含む):必要十分。ボーカルも明瞭で日常用途には十分満足。
- ポータブルDAC/AMP:低域が安定し、音場のレイヤーが一段クリアに。小音量でも細部が見えやすい。
- バランス接続(4.4mm):背景ノイズが減り、定位や余韻が一層際立つ。夜にじっくり聴くと違いが分かりやすい。
シーン別の使用感
実際に使ったシーンを整理すると、メリットと弱点がはっきり見えてきました。
シーン | 良かった点 | 気になった点 | 改善の工夫 |
---|---|---|---|
通勤(電車) | 遮音性が高く小音量でも聴き取れる | 車内アナウンスが聞きづらい | 浅め装着で外音を少し取り込み |
カフェ作業 | 中域クリアでBGMにしても集中できる | ケーブルのタッチノイズ | 服にクリップで固定 |
動画/映画 | セリフの定位と明瞭さが良好 | 重低音の迫力は控えめ | 厚肉シリコンで補強 |
FPSゲーム | 足音や環境音の位置が分かりやすい | 迫力演出は弱め | バランス接続+厚肉シリコン |
夜のリスニング | 小音量でも情報量が落ちない | 音場の広がりは自然止まり | 据え置きDACで奥行きを補う |
体験談のまとめ:常用機としての安心感
「SUPERIOR」は「派手さで一瞬惹きつけるタイプ」ではありません。
しかし、実際に使い続けると疲れにくいバランス、柔軟な調整幅、快適な装着感がじわじわ効いてきます。
イヤーピースやケーブルを変えると素直に音に反映されるため、ユーザーが自分好みに育てられる懐の深さも魅力です。
一言でまとめるなら、「毎日持ち出して使える常用イヤホン」。
派手さを求めない人にこそ長く付き合えるモデルだと感じました。
qdc 「SUPERIOR」についてのQ&A

qdc 「SUPERIOR」に関してよくありそうな質問とその回答をまとめました。
「SUPERIOR」はどんな人におすすめですか?
タイトで整理された低域とクリアな中域を重視する方におすすめです。派手な重低音よりも、ジャンルを問わず安心して長時間聴ける自然なサウンドを求める人に向いています。
「SUPERIOR」の装着感はどうですか?
3Dプリントシェルと軽量設計により、耳にすっと収まるフィット感が特徴です。長時間装着しても圧迫感が少なく、通勤や作業用など毎日使う場面でも快適です。
リケーブルは可能ですか?
はい、0.78mm 2pin規格を採用しており、社外ケーブルへの交換が可能です。バランス接続に対応したケーブルを使えば、音場の広がりや定位感の向上も期待できます。
「SUPERIOR」は重低音好きにも合いますか?
初期状態では低域はタイトで量感は控えめです。フォームイヤーピースや厚肉シリコンイヤーピースを使うと低音が増し、EDMやヒップホップなどでも迫力を楽しめます。
同価格帯のイヤホンと比べてどうですか?
多くのエントリーモデルが“重低音強調”や“高解像寄り”に振る中で、「SUPERIOR」は自然でバランスの取れた音作りが特徴です。結果としてジャンルやシーンを選ばず、常用機として使いやすい位置づけになっています。
遮音性は十分ですか?
約26dBの遮音性があり、通勤や学習時にも外音をしっかりカットできます。環境音を少し取り入れたい場合は浅め装着に調整することで対応可能です。
「SUPERIOR」は初心者でも扱いやすいですか?
はい。取り回しやすい付属ケーブルと、装着しやすいシェル形状で初心者でも安心です。さらにイヤーピースの種類も豊富に付属するため、フィット感の調整も簡単です。
スマホ直挿しでも十分鳴らせますか?
感度100dB/インピーダンス16Ωと駆動しやすいため、スマホ直挿しでも問題なく使えます。ただし、USB-DACやバランス接続を使うと、音場や分離感が一段と良くなります。
「SUPERIOR」で長時間ゲームをしても疲れませんか?
音の定位が正確で、耳当たりも柔らかいため長時間のプレイにも向いています。低域の迫力は控えめですが、足音や環境音を聞き分けやすいのがメリットです。
「SUPERIOR」は女性ボーカルと相性がいいですか?
非常に相性が良いです。ボーカルが一歩前に出て、サ行の刺さりも抑えられているため、長時間聴いても疲れにくいです。
qdc 「SUPERIOR」レビューのまとめ

qdc 「SUPERIOR」は、タイトな低域・クリアな中域・耳当たりの良い高域を軸に、「毎日使える聴きやすさ」と「価格以上の見通し」を両立したバランス型IEMです。
派手な演出ではなく“情報を整理して正しく鳴らす”方向で、通勤から作業BGM、夜のじっくりリスニングまで破綻しません。
リケーブル/イヤピースの追従性が高いため、好みに合わせた微調整もしやすいのが持ち味。
一方で、超ドンシャリの重低音や超ワイドな音場の演出を求める方には控えめに感じる場面もあります。
良いところ / 気になるところ
良いところ
- 低域は量よりスピードと締まり、中域は見通しと分離、高域は滑らかさ
- 定位の正確さとレイヤー感で、編成が多い曲でも混濁しにくい
- 0.78mm 2pinでリケーブル自由度が高く、イヤピ替えで素直に反応
- 3Dプリントシェル×軽量設計で長時間でも疲れにくい
気になるところ
- 重低音“量”を最優先する人には物足りない
- 音場は自然志向で、誇張した広がりは狙わない
- マイクはケーブル依存(通話用は別途要検討)
総合評価
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
音質バランス | 4.5 | ニュートラル寄りで日常使いに最適 |
低域 | 4.0 | タイト&スピード、量は中庸 |
中高域 | 4.5 | 透明感・分離・聴きやすさが高水準 |
音場/定位 | 4.2 | 自然な広さ+センター結像の良さ |
解像感 | 4.3 | 価格帯以上の粒立ち |
装着感 | 4.6 | シェル形状と軽さが効く |
使い勝手 | 4.4 | リケーブル・イヤピで追い込みやすい |
コストパフォーマンス | 4.6 | エントリー帯の“常用機”筆頭候補 |
用途別おすすめ度
用途 | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
通勤・通学 | ◎ | 遮音性と小音量の情報量で聴きやすい |
作業・学習BGM | ◎ | 中域クリアで集中を妨げない |
動画視聴 | ◎ | セリフ明瞭・有線で遅延が少ない |
ゲーム(FPS/音ゲー) | ○ | 定位とアタック良好、迫力演出は控えめ |
じっくり音楽鑑賞 | ○〜◎ | 機材・イヤピで伸びしろを出せる |
購入前チェックリスト
- 低域は量より締まりを重視できるか
- 自然な音場+正確な定位が好みか
- 0.78mm 2pinでケーブル/イヤピ調整を楽しみたいか
- 通勤・作業など長時間の“常用”比率が高いか
おすすめセッティング例
目的 | イヤーピース | 装着のコツ | 機材のヒント |
---|---|---|---|
低域を少し増やす | 厚肉シリコン/フォーム | 深め装着で密閉度UP | ドングルDACで駆動力底上げ |
抜けとスピード重視 | 薄肉シリコン | やや浅めで開放感 | バランス接続でS/N向上 |
ボーカルを近く | 先細タイプ | 角度を調整しセンター結像を最適化 | 低抵抗ケーブルで中域の見通し強化 |
qdc 「SUPERIOR」レビューの総括
qdc 「SUPERIOR」は、エントリーモデルという立ち位置にありながら、音質・装着感・拡張性のすべてにおいて価格を超える完成度を示すイヤホンです。
サウンドは派手な演出を避け、低域のタイトさと中域のクリアさ、そして高域の耳に優しい伸びを備えることで、長時間でも聴き疲れしにくいチューニングとなっています。
ジャンルを問わず安心して使える点は、初めて本格的なイヤホンを手にする人にも、すでにハイエンドを経験しているユーザーのサブ機としても十分魅力的です。
また、3Dプリントシェルによる軽量かつ快適な装着感や、0.78mm 2pin規格によるリケーブル対応、イヤーピースでの調整幅など、ユーザーが自分のスタイルに合わせて“育てていける”余地を残しているのも大きな強みです。
重低音を体で浴びたい人や極端に広大な音場を求める人には控えめに感じるかもしれませんが、それを補って余りあるのが「毎日手に取りたくなる使いやすさ」と「日常に溶け込む自然さ」です。
総じて、qdc 「SUPERIOR」は派手さではなく実直な性能で日々のリスニングを支えてくれる、信頼できる常用機といえるでしょう。
締めくくるなら、このイヤホンはまさに「音楽を無理なく、そして心地よく楽しませてくれる良き相棒」です。
