【Anker 「Soundcore Liberty Buds」 レビュー】「カナル型は疲れる」人の救世主か? 装着感・音質・ノイキャンを徹底評価

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出典:Anker公式
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完全ワイヤレスイヤホン市場は、「カナル型」の高い遮音性と、「オープンイヤー型」の快適さという、二極化が進んでいます。
しかし、多くのユーザーが「カナル型の圧迫感は嫌だ、でもオープン型の音質や音漏れも妥協したくない」というジレンマを抱えています。

この「カナル疲れ」層の切実な悩みに、AnkerのSoundcoreブランドが真正面から応えたのが、新作Anker 「Soundcore Liberty Buds」です。

本製品は、耳の入り口に乗せる「インナーイヤー型」の快適さを持ちながら、落下防止の「イヤーウィング」、そして「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」と「LDAC(高音質コーデック)」を搭載するという、まさに”全部盛り”の意欲作です。

この記事は、筆者がオーディオレビュアーとして、また一人の「カナル疲れ」に悩む消費者として、本製品を約2週間徹底的に使い込んだ経験に基づいた詳細なレビューです。
「インナーイヤー型でノイキャン?本当に効くの?」といった疑問に、忖度なくお答えしていきます。

  1. Anker 「Soundcore Liberty Buds」とは?
    1. 「カナル型」と「オープン型」のジレンマを解消する選択肢
    2. 快適さと安定性を両立する「イヤーウィング」という革新
    3. インナーイヤー型に搭載された「アクティブノイズキャンセリング」
  2. Anker 「Soundcore Liberty Buds」のスペックと主要機能の徹底解剖
    1. 【音質】LDAC対応と11mm大口径ドライバー
    2. 【利便性】マルチポイント接続とAI搭載マイク
    3. 【耐久性】最大30時間再生とIP55防塵防水
  3. Soundcoreアプリによる「Soundcore Liberty Buds」の無限のカスタマイズ性
    1. あなた専用の音を作る「HearID」
    2. プリセットEQと8バンドカスタムイコライザー
    3. 3Dオーディオとゲームモード
    4. 操作の完全割り当てと「イヤホンを探す」機能
  4. 【実機レビュー】「Soundcore Liberty Buds」を使用した私の詳細な体験談
    1. [体験1: 装着感] まるで着けていないかのような開放感
    2. [体験2: 音質] インナーイヤー型のイメージを覆す低音の質
    3. [体験3: ANC] 「強すぎない」が心地よい、実用的なノイズ軽減
    4. [体験4: 通話・会議] 自分の声がこもらない圧倒的な快適性
    5. [体験5: 連携機能] PCとスマホを行き来するマルチポイントの威力
    6. [総括] 日常のあらゆる不満を解消する「万能な相棒」
  5. Anker 「Soundcore Liberty Buds」に関するQ&A
    1. インナーイヤー型は、耳から落ちやすいですか?
    2. 長時間着けていると耳は痛くなりませんか?
    3. ノイズキャンセリング(ANC)は、本当に効果がありますか?
    4. iPhone(AAC接続)で使っても音は良いですか?
    5. オンライン会議や通話でのマイク音質はどうですか?
    6. マルチポイント接続はスムーズに切り替わりますか?
    7. 弱点・注意点はありますか?
    8. インナーイヤー型ですが、音漏れは気になりますか?
    9. 動画(YouTubeなど)やゲームで、音の遅延(音ズレ)はありますか?
    10. 片耳だけでも使えますか?
    11. IP55の防水性能はどの程度ですか?シャワーでも使えますか?
  6. Anker 「Soundcore Liberty Buds」レビューのまとめ
    1. 「Soundcore Liberty Buds」が最適な人、そうでない人
    2. 徹底比較:カナル型(Liberty 5など)との違い
    3. 徹底比較:オープンイヤー型(Soundcore Clipなど)との違い
    4. 購入前に知っておくべき唯一の注意点
    5. Anker 「Soundcore Liberty Buds」レビューの総評:1万円台で手に入る「インナーイヤー型の完成形」

Anker 「Soundcore Liberty Buds」とは?

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出典:Anker公式

まず、本製品がどのようなポジショニングのイヤホンなのかを明確にしましょう。

「カナル型」と「オープン型」のジレンマを解消する選択肢

前述の通り、現在のイヤホン市場は大きく分けて3つのタイプに分類されます。
それぞれのメリット・デメリットを整理したのが以下の表です。

タイプカナル型 (例: Liberty 5, AirPods Pro)インナーイヤー型 (例: Liberty Buds, AirPods 3)オープンイヤー型 (例: Soundcore Clip, Shokz)
装着方法耳栓のように耳奥に押し込む耳の入り口(耳甲介)に乗せる耳の穴を完全に塞がない(耳掛け、挟む等)
メリット◎ 圧倒的な遮音性・ANC効果
◎ 音質(特に低音)
○ 音漏れが少ない
◎ 圧倒的な快適さ(圧迫感ゼロ)
◎ 通話・会議がしやすい(声がこもらない)
○ 着脱が容易
◎ 究極の快適さ(無装着感)
◎ 周囲の音を常時把握(安全性)
○ 蒸れ・疲れが皆無
デメリット△ 圧迫感・疲労感(カナル疲れ)
△ 通話時の閉塞感(声がこもる)
△ 周囲の音が聞こえにくい
△ 音漏れ(カナル型より多い)
△ 遮音性(カナル型より低い)
△ ANC効果がマイルド
△ 音質(特に低音)
△ 音漏れ
△ 騒がしい場所では聞こえない

「Soundcore Liberty Buds」は、この「インナーイヤー型」に分類されます。

このタイプの最大の魅力は、カナル型の「圧迫感・閉塞感」と、オープンイヤー型の「音質・音漏れ」という、両者の最大のデメリットを回避できる点にあります。

「Liberty Buds」は、そのインナーイヤー型のメリットを最大限に活かしつつ、弱点であった「遮音性」と「音質」を、後述するANCとLDACというテクノロジーで補強した、非常に戦略的なモデルなのです。

快適さと安定性を両立する「イヤーウィング」という革新

従来のインナーイヤー型(AirPodsなど)には、「耳から落ちやすい」という致命的な弱点がありました。
耳の形は千差万別であり、万人にフィットさせるのが難しかったのです。

Ankerは、この問題を「イヤーウィング」で解決しました。

「Liberty Buds」には、形状の異なる4サイズ(0, 1, 2, 3)のシリコン製ウィングが付属します。
このウィングが耳の内側のくぼみ(耳甲介)に絶妙に引っかかり、イヤホン本体を物理的に固定します。

  • サイズ0: ウィングが一切ない、従来型のインナーイヤー型と同じ形状。
  • サイズ1〜3: ウィングの大きさが異なり、自分の耳に最適なホールド感を選べる。

これにより、従来のインナーイヤー型では考えられなかったほどの安定性を獲得。
筆者が実際に装着してランニングやジムでのトレーニングを試しましたが、頭を強く振っても、汗をかいても、イヤホンがズレたり落ちたりする不安は一切ありませんでした。

片耳わずか4.9gという軽量設計も相まって、「着けていることを忘れるほどの快適さ」と「スポーツにも耐える安定性」という、相反する要素を見事に両立させています。

インナーイヤー型に搭載された「アクティブノイズキャンセリング」

本製品の最大の目玉機能が、インナーイヤー型でありながら「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」を搭載した点です。

「耳を塞いでいないのに、どうやってノイズを消すのか?」

通常、ANCは「物理的な遮音(パッシブノイズキャンセリング)」と「電子的な騒音打ち消し(アクティブノイズキャンセリング)」の掛け合わせで最大の効果を発揮します。
耳を塞がないインナーイヤー型は、前者(物理的な遮音)がほぼ期待できません。

しかし、Ankerは「Liberty Buds」の形状に合わせてANCアルゴリズムを最適化。
耳の形状を検知し、音漏れをリアルタイムで補正しながらノイズを打ち消す技術を採用しました。

もちろん、カナル型のハイエンドモデル(AirPods Pro 2やSoundcore Liberty 4 NCなど)のように「周囲が無音になる」ほどの強力なものではありません。
しかし、エアコンの送風音、電車の走行音、カフェの環境音といった持続的な低周波ノイズ(ゴー、サーといった音)を、音楽の邪魔にならないレベルまで自然に軽減してくれます。

これは、カナル型の「圧迫感はあるが静寂」、オープンイヤー型の「快適だが騒がしい」という両極端の間に位置する、「快適さと実用的な静けさを両立する」という新しい体験です。

 

Anker 「Soundcore Liberty Buds」のスペックと主要機能の徹底解剖

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出典:Anker公式

Soundcore 「Liberty Buds」は、1万円台前半という価格帯ながら、機能面に一切の妥協が見られません。
主要なスペックを表にまとめ、その意味を解説します。

項目スペック詳細
ドライバー11mm ダイナミックドライバー(LCP振動板)
コーデックLDAC, AAC, SBC
ノイキャンアクティブノイズキャンセリング(ANC)
外音取り込み対応
接続方式Bluetooth 6.1
マルチポイント対応(LDAC併用可能)
マイク合計4マイク(AIノイズリダクション搭載)
防水防塵IP55(イヤホン本体)
再生時間イヤホン単体: 最大7時間(通常) / 最大6時間(ANCオン)
ケース込み: 最大30時間(通常) / 最大26時間(ANCオン)
急速充電10分の充電で最大4時間再生
充電方式USB Type-C(※ワイヤレス充電非対応)
重量約4.9g(イヤホン片耳)
アプリSoundcoreアプリ対応(HearID, EQ, 3Dオーディオ等)
カラーパールホワイト / ミッドナイトブラック / スカイブルー

【音質】LDAC対応と11mm大口径ドライバー

音質はイヤホンの核です。「Liberty Buds」はここに2つの強力な武器を搭載しています。

  1. 11mm 大口径ダイナミックドライバー (LCP振動板)
    インナーイヤー型は構造上、音が抜けてしまうため低音が弱くなりがちです。
    Ankerはこれを、TWSとしては非常に大きい11mmのドライバーで補いました。
    これにより、空気を震わせる物理的なパワーが向上。さらに、応答性が高く歪みの少ないLCP(液晶ポリマー)振動板を採用することで、迫力がありながらもクリアで解像度の高いサウンドを実現しています。
  2. 高音質コーデック「LDAC」対応
    LDACは、従来のSBCやiPhoneで使われるAACと比べ、最大約3倍の情報量を伝送できるハイレゾ対応コーデックです(※Android端末のみ対応)。
    これにより、音源のディテール、空気感、アーティストの息遣いまで、より生々しく再生することが可能になります。
    インナーイヤー型の開放的な鳴り方とLDACの高解像度が組み合わさることで、非常に抜けが良く、立体的な音場を生み出します。

【利便性】マルチポイント接続とAI搭載マイク

現代のイヤホンは、もはや音楽を聴くだけの道具ではありません。

  • マルチポイント接続(LDAC併用可能)
    「PCでオンライン会議をしていたら、スマホに電話がかかってきた」こんな時、「Liberty Buds」ならシームレスに接続先を切り替えられます。
    PCとスマホ、スマホとタブレットなど、2台のデバイスに同時に接続できるため、Bluetoothの接続設定をいちいち切り替える手間がありません。
    さらに特筆すべきは、高音質コーデックLDACを有効にした状態でも、このマルチポイント接続が利用できる点です。
    これは他社製品では省かれがちな機能であり、Ankerの技術力の高さが伺えます。
  • AIノイズリダクション搭載
    マイク合計4つのマイクとAIアルゴリズムにより、通話中の自分の声と周囲のノイズを分離。
    騒がしい交差点や駅のホームでも、環境音を抑えて自分の声だけをクリアに相手に届けます。
    インナーイヤー型は自分の声がこもらないため、マイク性能と合わせ、通話・会議用のデバイスとして最高レベルの適性を持っています。

【耐久性】最大30時間再生とIP55防塵防水

日常使いでの安心感も万全です。

  • 最大30時間のロングバッテリーイヤホン
    単体で最大7時間、ケース込みで最大30時間。これだけ持てば、数日間の出張や旅行でもバッテリー切れの心配はほぼありません。
    10分で4時間再生できる急速充電も、うっかり充電を忘れた朝に役立ちます。
  • IP55の防塵防水性能
    IP55は「粉塵の侵入をある程度防ぎ、かつ、あらゆる方向からの水の直接噴流(シャワーなど)に耐える」レベルを意味します。
    これにより、ジムでの汗、ランニング中の突然の雨など、アクティブなシーンでも故障を恐れずに使用することが可能です。

 

Soundcoreアプリによる「Soundcore Liberty Buds」の無限のカスタマイズ性

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出典:Anker公式

Anker製品の真価は、ハードウェアだけでなく、作り込まれた「Soundcoreアプリ」との連携にあります。
このアプリが、「Liberty Buds」の体験を何倍にも引き上げます。

あなた専用の音を作る「HearID」

これは単なるイコライザーではありません。
アプリの指示に従い、様々な周波数の音が聞こえるかどうかをテストしていく(健康診断の聴力検査のようなもの)だけで、ユーザー個人の聴覚特性に最適化されたEQプロファイルを自動で作成してくれます。

年齢や体調によって聞こえにくい音域は人それぞれです。
HearIDはそれを補正し、自分が最も聞きやすい、バランスの取れた「リファレンスサウンド」を提供してくれます。

プリセットEQと8バンドカスタムイコライザー

もちろん、HearIDを使わずに自分で音質を追い込むことも可能です。

Ankerが用意した「R&B」「ロック」「ポップス」「ポッドキャスト(声の強調)」など、20種類以上の豊富なプリセットEQが選べるほか、8バンド(周波数帯)のグラフィックイコライザーを自分で操作し、±6dBの範囲で細かく調整することもできます。

「低音をもう少し強くしたい」「高音の刺さりを抑えたい」といった好みに完璧に応えてくれます。

3Dオーディオとゲームモード

  • 3Dオーディオ
    音に広がりと臨場感を持たせるサラウンド機能です。
    映画やライブ映像を観る際にオンにすると、まるでその場にいるかのような没入感が得られます。(音楽再生時は好みが分かれます)
  • ゲームモード
    映像と音声のズレ(遅延)を最小限に抑えるモードです。
    音の反応がシビアなリズムゲームやFPS(シューティングゲーム)をプレイする際に有効です。

操作の完全割り当てと「イヤホンを探す」機能

「Liberty Buds」のタッチ操作(1回タップ、2回タップ、長押し)は、左右それぞれに好きな機能を割り当てることができます。

【割り当て可能な機能】

  • 再生 / 一時停止
  • 音量を上げる / 下げる
  • 次の曲へ / 前の曲へ
  • ノイキャン / 外音取り込み / 標準モード の切り替え
  • 音声アシスタント起動(Siri, Googleアシスタント)
  • ゲームモード オン/オフ

デフォルトでは音量調整が割り当てられていない場合もありますが、アプリで設定すれば、スマホを取り出せずにイヤホン側だけで全ての操作を完結できます。

また、「イヤホンを探す」機能を使えば、Bluetooth接続範囲内にあるイヤホンから大きな音を鳴らし、部屋の中で見失ったイヤホンを見つける手助けをしてくれます。

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【実機レビュー】「Soundcore Liberty Buds」を使用した私の詳細な体験談

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スペックや機能は十分理解できました。
では、実際の使用感はどうだったのか。
私が約2週間、様々なシーンで使い込んだリアルな感想を共有します。

[体験1: 装着感] まるで着けていないかのような開放感

私はデスクワーク中、集中するためにイヤホンを着けっぱなしにすることが多いのですが、
カナル型(Liberty 4 NC)では2〜3時間が限界でした。耳の奥が圧迫されて痛痒くなってくるのです。

「Liberty Buds」を初めて装着した時、その圧倒的な開放感に驚きました。

耳の入り口に軽く乗っているだけ。圧迫感はゼロ。
4サイズのウィングを試した結果、私には「サイズ2」が最適で、耳のくぼみにカチッとハマり、完璧に固定されました。

そのまま6時間のデスクワークをぶっ通しで行いましたが、耳の痛み、蒸れ、疲れは一切発生しませんでした
これは革命的です。
装着していることを忘れる瞬間が何度もありました。
スライド式のケースも片手で開閉しやすく、質感も良好です。

[体験2: 音質] インナーイヤー型のイメージを覆す低音の質

音質は、正直「インナーイヤー型だから低音はスカスカだろう」と高を括っていました。

デフォルト設定で聴き始めたところ、その予想は良い意味で裏切られました。
11mmドライバーのおかげで、インナーイヤー型とは思えないほど豊かで、芯のある低音が鳴ります。

もちろん、カナル型のように鼓膜に直接響くような「重低音」ではありません。
しかし、ベースラインはしっかりと追え、バスドラムのアタック感も感じられます。

HearIDで最適化し、LDAC接続(Xperia 1 Vを使用)でハイレゾ音源を聴いたところ、その真価が発揮されました。
高音域は刺さることなく伸びやかで、ボーカルは非常にクリア。
何より、音場が広く、音が頭の中で鳴るのではなく、自分の周囲で鳴っているかのような自然な広がりを感じます。
これは、耳を塞がないインナーイヤー型とLDACの解像度の高さがなせる技でしょう。

[体験3: ANC] 「強すぎない」が心地よい、実用的なノイズ軽減

最も懸念していたANC性能。

まず、カナル型の「無音」を期待してはいけません。人の話し声や、キーボードのタイプ音(高周波)は普通に聞こえます。

しかし、ANCをオンにした瞬間、エアコンの送風音(サー)や、PCのファンノイズ(フォー)といった持続音がスッと消えました。
電車(地下鉄)で試したところ、「ゴーッ」という強烈な走行音が、一段階遠くで鳴っているような感覚に変わりました。音楽を流せば、走行音はほぼ気にならなくなります。

カナル型のANCは時に「キーン」とした耳鳴りのような感覚や、気圧の変化に似た圧迫感を伴うことがありますが、Liberty BudsのANCはそれが一切ありません。
これは「音楽を快適に聴くために、邪魔なノイズだけを減衰させる」という、非常に実用的で「強すぎない」心地よいANCです。

[体験4: 通話・会議] 自分の声がこもらない圧倒的な快適性

これは本製品が持つ最大の強みだと断言できます。

私はオンライン会議(Zoom, Teams)が非常に多いのですが、カナル型を使うと、自分の声が頭蓋骨に響いてしまい、どれくらいの声量で話せば良いか分からなくなるのがストレスでした。

Liberty Budsは、そのストレスを完全に解消しました。
耳を塞いでいないため、イヤホンをしていない時と全く同じ感覚で、自分の声を自然に聞きながら話すことができます。

加えて、AIノイズリダクションマイクの性能も優秀です。カフェやコワーキングスペースで会議に参加しましたが、相手からは「声が非常にクリアで、周りの雑音もほとんど気にならない」と高評価でした。
通話や会議の頻度が高い人にとって、これ以上の選択肢はないかもしれません。

[体験5: 連携機能] PCとスマホを行き来するマルチポイントの威力

マルチポイント接続は、一度体験すると戻れない機能です。

私の環境(Windows PCとAndroidスマホ)では、接続は極めて安定していました。

PCでYouTubeを見ている最中に、スマホにLINE通話がかかってくると、シームレスにスマホ側に切り替わり、通話が終了すると自動でPCのYouTube再生に戻ります。

この「音の入り口」を意識させない体験は、生産性を確実に向上させます。

[総括] 日常のあらゆる不満を解消する「万能な相棒」

約2週間の使用を経て、「Soundcore Liberty Buds」は私のメインイヤホンになりました。

それは、特定の性能が突出してNo.1だからではありません。

「長時間着けても疲れない」「音質も十分良い」「ノイキャンも実用的」「会議が最高に快適」「マルチポイントが便利」…
このように、日常生活で感じるあらゆる「小さな不満」を、高いレベルでまとめて解消してくれたからです。

カナル型ほどの没入感はありませんが、その代わりに「一日中着けていられる快適性」という、何物にも代えがたい価値を提供してくれます。

 

Anker 「Soundcore Liberty Buds」に関するQ&A

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Anker 「Soundcore Liberty Buds」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

インナーイヤー型は、耳から落ちやすいですか?

付属の「イヤーウィング」(4サイズ)のおかげで、非常に外れにくいです。ウィングが耳のくぼみにしっかり固定されるため、ランニングなどの運動でも安定していました。

長時間着けていると耳は痛くなりませんか?

耳の奥に押し込まないため、圧迫感がなく快適です。私の場合、長時間のデスクワーク(6時間以上)でも痛みや疲れは感じませんでした。

ノイズキャンセリング(ANC)は、本当に効果がありますか?

はい、効果はあります。ただし、カナル型のように無音にはなりません。エアコンの送風音や電車の「ゴーッ」という低い音を自然に減らしてくれる、実用的な効き方です。

iPhone(AAC接続)で使っても音は良いですか?

はい、iPhoneでも十分高音質です。11mmの大型ドライバーを積んでいるため、LDAC(Android)でなくても、迫力のあるクリアなサウンドを楽しめます。

オンライン会議や通話でのマイク音質はどうですか?

非常に快適です。マイク音質がクリアなことに加え、自分の声がこもらず自然に話せるため、カナル型特有の話しにくさがありません。

マルチポイント接続はスムーズに切り替わりますか?

はい、とてもスムーズです。PCとスマホで使いましたが、電話がかかってきた時の切り替えも、通話後にPCの再生に戻るのも速くて快適でした。

弱点・注意点はありますか?

ケースが「ワイヤレス充電(Qi)に非対応」な点です。充電はUSB-Cケーブルでのみ行います。これが気にならなければ、弱点はほぼありません。

インナーイヤー型ですが、音漏れは気になりますか?

カナル型(耳栓タイプ)よりは音が漏れやすい構造です。ただし、常識的な音量で聴いている分には、電車内やオフィスで隣の人に聞こえてしまうほどではありません。静かな図書館などで大音量にするのは避けた方が良いでしょう。

動画(YouTubeなど)やゲームで、音の遅延(音ズレ)はありますか?

動画視聴では、遅延はほとんど感じませんでした。ゲーム(特に音ゲーやFPS)をシビアにプレイする場合は、アプリの「ゲームモード」をオンにすることで、遅延をさらに少なくできます。

片耳だけでも使えますか?

はい、左右どちらか片方だけでも問題なく使用できます。(モノラル再生に対応しています)

IP55の防水性能はどの程度ですか?シャワーでも使えますか?

IP55は「あらゆる方向からの水の飛沫(汗や雨など)」に耐えるレベルです。シャワーやお風呂のように、水が直接勢いよく当たる環境での使用は推奨されていません。ランニング中の汗や小雨程度なら問題ありません。

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Anker 「Soundcore Liberty Buds」レビューのまとめ

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最後に、「Soundcore Liberty Buds」の評価を総括します。

「Soundcore Liberty Buds」が最適な人、そうでない人

本製品の特性を踏まえ、どのような人に最適かをまとめました。

✅ 最適な人(強くおすすめ)

  • カナル型の圧迫感や蒸れ、閉塞感が苦手な人(カナル疲れを感じる人)
  • オンライン会議や通話の頻度が非常に高い人
  • 長時間のデスクワークや勉強で、BGMを「ながら聞き」したい人
  • PCとスマホなど、2台のデバイスをシームレスに使い分けたい人
  • カナル型は嫌だが、オープンイヤー型では音質やANC機能が物足りない人
  • インナーイヤー型でも、フィット感と高音質(LDAC)に妥協したくない人

⚠️ あまり適していない人

  • 飛行機や新幹線などで、周囲の音を完全に遮断する「最強の静寂」を求める人
  • 鼓膜に響くような「重低音」を最重要視する人
  • 音漏れを(図書館など)コンマ1デシベルでも気にする環境で使いたい人

徹底比較:カナル型(Liberty 5など)との違い

Ankerの高性能カナル型(例:Soundcore Liberty 5)と比較した場合、どちらを選ぶべきでしょうか。

比較項目Soundcore Liberty Buds (本作)カナル型 (例: Liberty 5)
装着感◎ 圧迫感ゼロ、長時間でも快適△ 圧迫感あり、蒸れやすい
通話快適性◎ 自分の声がこもらない△ 自分の声がこもる
ANC性能○ 実用レベル(低周波メイン)◎ 強力(全帯域で遮音)
音質 (低音)○ 迫力あり◎ より深く重い
音質 (音場)◎ 自然で開放的○ 密閉的でパワフル
音漏れ耐性△ 構造上、カナルよりは漏れる◎ 非常に漏れにくい
推奨シーンデスクワーク、会議、長時間利用通勤ラッシュ、飛行機、集中

徹底比較:オープンイヤー型(Soundcore Clipなど)との違い

Ankerのオープンイヤー型(例:Soundcore Clip)との比較です。

比較項目Soundcore Liberty Buds (本作)オープンイヤー型 (例: Clip)
装着感○ 快適(ウィングで固定)◎ 究極(無装着感)
安全性△ 外音取り込み併用が必要◎ 常に周囲の音を把握
ANC性能○ 実用レベル× 非搭載
音質 (低音)◎ 迫力あり△ 軽い
音質 (全体)◎ LDAC対応で高解像度○ ながら聞きとして十分
音漏れ耐性○ オープンよりは漏れない△ 構造上、漏れやすい
推奨シーン会議、騒がしい場所での利用ランニング、家事、オフィス

購入前に知っておくべき唯一の注意点

これだけ多機能で弱点が見当たらない「Liberty Buds」ですが、購入前に知っておくべき注意点が一つだけあります。

それは「ケースがワイヤレス充電(Qi)に非対応」であることです。

充電はUSB Type-Cケーブルで行う必要があります。最近のハイエンドモデルはワイヤレス充電対応が標準になりつつあるため、充電パッドに置くだけの運用を想定している人は注意が必要です。

とはいえ、最大30時間というバッテリー持ちを考えれば、充電頻度は週に1〜2回程度であり、個人的には大きなデメリットとは感じませんでした。

Anker 「Soundcore Liberty Buds」レビューの総評:1万円台で手に入る「インナーイヤー型の完成形」

「Soundcore Liberty Buds」は、「カナル疲れ」に悩む現代人のための、完璧な回答の一つです。

インナーイヤー型の圧倒的な「快適性」と「通話性能」をベースに、ウィングによる「安定性」、LDACと11mmドライバーによる「高音質」、実用的な「ANC」、そして「マルチポイント接続」という、現代のイヤホンに求められるほぼ全ての要素を、1万円台前半という価格で実現しています。

カナル型のような絶対的な静寂や、オープンイヤー型のような無装着感はありません。

しかし、日常のあらゆるシーンで「不満を感じさせない」その絶妙なバランス感覚こそが、本製品の最大の価値です。

リモートワークが主流となり、イヤホンを「着けている」時間が飛躍的に長くなった今、「Soundcore Liberty Buds」は、多くの人のイヤホンライフをより快適なものに変えてくれる、「インナーイヤー型の完成形」と呼ぶにふさわしい一台です。

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