「今どき、音楽はスマホで十分じゃない?」
確かに、スマートフォンの性能は向上し、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスではロスレス音源も楽しめるようになりました。
しかし、本当に「いい音」で「快適に」音楽に浸りたいと考えた時、スマートフォンにはいくつかの妥協点が見えてきます。
- 音質面での限界: 内蔵DACやアンプはコストやスペースの制約を受けます。
- 通知による中断: 音楽に集中している時に届くLINEやSNSの通知。
- バッテリーの消耗: 音楽を聴けば聴くほど、スマホ本体のバッテリーが減っていく不安。
- ドングルDACの煩わしさ: 高音質化はできても、結局スマホに「ぶら下がる」形になり、操作性や携帯性が犠牲になります。
ACTIVO P1は、これらの「音楽体験の質を下げる要因」をすべて解決するために生まれました。
音楽再生のためだけに最適化されたオーディオ回路、通知に邪魔されない集中できる環境、スマホから独立したバッテリー、そしてAndroid OSによるストリーミングアプリへの完全対応。
これは単なる「音楽プレイヤー」ではなく、あなたの音楽への「没入感」を劇的に高めるための専用デバイスなのです。
- ACTIVO P1 とは?Astell&Kernの技術を受け継ぐDAPの全貌
- ACTIVO P1 の使い勝手と機能性:Android OS搭載で何が変わった?
- ACTIVO P1 の音質を徹底レビュー
- ACTIVO P1 を使用した私の体験談・レビュー
- ACTIVO P1 に関するQ&A
- SpotifyやApple Musicなどのストリーミングアプリは使えますか?
- 音質はどんな傾向ですか? Astell&Kernの音と違いますか?
- バッテリーの持ちは実際どのくらいですか?
- USB-DACとして使う時、スマホのバッテリーは減りませんか?
- 文字入力(フリック入力)が使いにくいと聞きました。
- 4.4mmバランス接続と3.5mm接続は、どれくらい音が違いますか?
- ワイヤレスイヤホン(Bluetooth)で使っても高音質ですか?
- ドングルDACと比べて、結局どっちがいいですか?
- ストリーミング再生中に本体は熱くなりますか?
- 内蔵ストレージが64GBですが、少なくないですか?
- 画面(4.1インチ)でYouTubeなどの動画は見られますか?
- 画面を消した状態で、ポケットに入れたまま曲送りはできますか?
- DAR(アップサンプリング)やクロスフィード機能は、Spotifyなどストリーミング再生時にも使えますか?
- ACTIVO P1 レビューのまとめ
ACTIVO P1 とは?Astell&Kernの技術を受け継ぐDAPの全貌

ACTIVO P1を語る上で欠かせないのが、その出自です。
まずは、このDAPがどのような背景を持って開発されたのかを見ていきましょう。
Astell&Kernのサブブランド「ACTIVO」復活!P1のコンセプトと位置づけ
「ACTIVO(アクティヴォ)」は、ポータブルオーディオの世界で頂点に君臨するハイエンドブランド「Astell&Kern(アステルアンドケルン)」のサブブランドです。
Astell&Kernが高価格帯で培ってきたオーディオ技術や設計思想を、よりカジュアルに、より多くの音楽ファンに届けることをコンセプトにしています。
ACTIVO P1は、その復活第一弾となるモデル。単なる廉価版ではなく、Astell&Kernのコア技術を惜しみなく投入しつつ、現代のリスニングスタイル(=ストリーミング)に最適化させた、戦略的なモデルと言えます。
ACTIVO P1の位置づけ
- 親ブランド: Astell&Kern(AK)
- 技術ベース: AKのサウンドチューニングとオーディオ回路設計
- ターゲット: スマホの音質からステップアップしたい層、高音質なサブスク環境を求める層、DAP初心者~中級者
まさに「いいとこ取り」を実現したのがP1なのです。
開封レビュー:手に馴染む「絶妙なコンパクトさ」と洗練されたデザイン
パッケージは白を基調としたシンプルで洗練されたデザイン。
開封してまず驚くのが、その「サイズ感」です。
- 絶妙なコンパクトさ:
最近のDAPは大型化が進む傾向にありますが、P1は縦長(約119.2mm x 62mm)で、片手でしっかりホールドできます。
重量も約155gと軽量で、シャツの胸ポケットやパンツのポケットに入れても邪魔になりません。
この「無理のないコンパクトさ」が、日常的な持ち運びにおいて非常に重要です。 - 上質なデザイン:
本体上部はホワイトのポリカーボネート、下部はアルミニウムというツートンデザインを採用。
マットな仕上がりで指紋が目立ちにくく、カジュアルながらも安っぽさを感じさせません。
側面には物理ボタン(再生/停止、曲送り/戻し、音量)が配置され、画面を見なくても直感的に操作できます。 - 充実の付属品:
- USB Type-C to Type-Cケーブル(約1m)
- USB Type-C to Type-Cショートケーブル(約10cm)
- 画面保護シート
特筆すべきは、USBケーブルが2本付属する点。
長い方は充電やPC接続に、短い方はスマートフォンとOTG接続(USB-DACとして使う)ために用意されており、メーカーの「多様な使い方」への配慮が感じられます。
スペック解説:ESSデュアルDACと「TERATON ALPHA」搭載のこだわり
ACTIVO P1の心臓部には、その価格帯を超えるほどのこだわりが詰まっています。
| 主要スペック | 詳細 | 搭載されていることの価値 |
|---|---|---|
| DACチップ | ESS ES9219Q ×2 (デュアルDAC) | 音の心臓部。左右のチャンネルを個別のDACで処理することで、音の分離(クロストーク)が劇的に改善し、クリアで立体的な音場を実現します。 |
| 独自技術 | TERATON ALPHA AMP | Astell&Kernが誇る独自のサウンドソリューション。DACチップ内蔵アンプを使わず、AKが設計した独自のアンプ回路を搭載。ノイズを効果的に除去し、効率的な電力管理を行うことで、歪みのない純粋な音をスピーカー(イヤホン)に届けます。 |
| OS | Android OS (Google Playストア対応) | 最大の強みの一つ。Spotify, Apple Music, YouTube Musicなど、あらゆるストリーミングアプリを自由にインストールできます。 |
| 出力端子 | 4.4mm 5極バランス出力3.5mm 3極アンバランス出力 | 近年の高音質イヤホンの主流である「4.4mmバランス接続」に標準対応。よりパワフルでノイズの少ない、分離感の高いサウンドを楽しめます。 |
| 連続再生 | 約20時間(FLAC, 44.1KHz/16bit基準) | DAPとしては非常に優秀。通勤・通学や長時間の移動でもバッテリーを気にする必要がありません。急速充電(PD 3.0)にも対応。 |
| ストレージ | 内蔵64GB + microSD (最大1.5TB) | 内蔵メモリは控えめですが、microSDカードで大容量のハイレゾ音源も安心して持ち運べます。 |
| Bluetooth | Ver 5.3 (SBC, AAC, aptX HD, LDAC対応) | ワイヤレスイヤホンとも高音質コーデック(LDAC)で接続可能。送信だけでなく、受信(BTレシーバー)にも対応。 |
注目すべきは、やはり「TERATON ALPHA AMP」です。
多くのエントリーDAPがコスト削減のためにDACチップ内蔵のアンプ機能で妥協する中、P1はAstell&Kernの血統である「独自アンプ回路」を搭載しています。
これが、P1の音質が単なる「スマホの上位互換」に留まらない、決定的な理由となっています。
ACTIVO P1 の使い勝手と機能性:Android OS搭載で何が変わった?

どれだけ音質が良くても、使い勝手が悪ければ日常使いはできません。
ACTIVO P1が「最適解」と呼べる理由は、この優れた機能性にあります。
動作感レビュー:ストリーミングアプリはサクサク動く?UIの操作性
P1は汎用のAndroid OSを搭載しており、Google Playストアから好きなアプリをインストールできます。
動作感(レスポンス)
CPUはOcta-coreを搭載。
スマートフォンのハイエンド機のような爆速レスポンス…とまではいきませんが、音楽ストリーミングアプリ(Spotify, Apple Music, Amazon Music HD)を操作する上では、ストレスを感じさせない「サクサク」とした動作感を実現しています。
- アプリの起動:速い
- 曲の検索:ほぼ遅延なし
- アルバムアートワークの表示:スムーズ
- 再生中の曲送り:瞬時
Astell&Kernの上位モデル(独自OS機)や、一部のエントリーDAPがストリーミングアプリの動作にもっさり感を抱えることがあったのに比べ、P1の快適性は特筆すべき点です。
UI(ユーザーインターフェース)
UIはシンプルで直感的。
Androidスマホを使ったことがあれば迷うことはありません。
音楽再生に特化したAstell&Kernの独自UIも内蔵されており、ローカル音源の再生時にはそちらを利用することも可能です。
スマホが高音質化!USB-DAC機能(充電ON/OFF対応)とBluetoothレシーバー
P1の真価は、DAPとして「完結」するだけでなく、他の機器と連携できる「拡張性」にあります。
- USB-DAC機能(超重要)
付属のショートケーブルでスマホやPCと接続すると、P1が「外付けの高音質サウンドカード(DACアンプ)」として機能します。
特筆すべきは、「バッテリー充電のON/OFF設定」が可能な点。
ドングルDACの最大の弱点は「スマホのバッテリーを消費する」ことでしたが、P1は充電をOFFにすれば、スマホ側のバッテリーを一切消費せずに高音質化できます。
これは革命的です。 - Bluetoothレシーバー(BTレシーバー)
スマホからBluetooth(LDAC対応)で音楽を飛ばし、P1で受信。
P1に接続した有線イヤホンで高音質に聴く、という使い方も可能です。
スマホをカバンに入れたまま、胸ポケットのP1で操作する、といったスマートな運用ができます。
Astell&Kern譲りの高音質機能(DAR、クロスフィード、DACフィルター)を試す
P1には、Astell&Kernの上位モデルに搭載されている音質調整機能がそのまま移植されています。
- DAR (デジタルオーディオリマスター)
いわゆるアップサンプリング機能です。
再生する音源を、より高いサンプリングレート(PCM 最大384kHzやDSD256)に変換して再生します。- 試した感想: OFFの状態だと音がクッキリしているのに対し、DARをONにすると、音の角が取れて「なめらか」で「アナログライク」な響きに変化します。特にストリーミング音源や古い録音のCD音源で試すと、音の粗さが軽減され、聴きやすさが向上するのを感じました。これは好みが分かれますが、面白い機能です。
- クロスフィード
ヘッドホン試聴時に起こりがちな「頭の中で音が鳴る(頭内定位)」のを軽減し、まるでスピーカーで聴いているかのように、前方で音が鳴るような自然な音場感を作り出す機能です。- 試した感想: ONにすると、左右の音がわずかに混ざり合い、音の定位が中央にグッと寄ります。ライブ音源やジャズなどで試すと、臨場感が増して聴き疲れしにくくなります。
- DACフィルター
ESS製DACに搭載されている7種類のデジタルフィルターから、音の響き方の微細なニュアンスを選べます。
大きな変化はありませんが、自分好みの音を追求できるマニアックな楽しみもあります。
これらの機能がストリーミングアプリ(Apple MusicやSpotify)にも適用されるのが、P1の非常に強力な点です
ACTIVO P1 の音質を徹底レビュー

いよいよ本題の音質レビューです。
Astell&Kernの技術を継承したP1は、一体どんな音を鳴らしてくれるのでしょうか。
4.4mmバランス接続と3.5mmシングルの音質を聴き比べ
P1は2つの出力端子を備えており、その音質には明確な違いがあります。
- 3.5mm シングルエンド出力
クリアで見通しが良く、クセのない素直なサウンド。
スマホやPCのイヤホンジャック直挿しとは比較にならないほどの解像度とノイズの少なさです。
ボーカルが自然に中央に定位し、非常に聴きやすい音です。 - 4.4mm バランス出力(本領発揮)
P1の真価は間違いなくこちらにあります。 3.5mmと比較して、まず音の「パワー(駆動力)」が格段に上がります。- 音場の広がり: 左右の分離が完璧になり、音が横に、そして前後に広く展開します。
- 解像度と分離: 一つ一つの楽器の音がクッキリと聴き分けられるようになり、コーラスや複雑な打ち込みの音も一切混濁しません。
- S/N比: 背景のノイズが皆無になり、音が鳴る瞬間の「静寂」が際立ちます。
もしP1の購入を検討しているなら、ぜひ4.4mmバランス接続が可能なイヤホン・ケーブルを同時に用意することを強く推奨します。
音の傾向:クリアで「なめらか」なボーカルと聴き疲れしないサウンド
ACTIVO P1の全体的な音の傾向をまとめると、以下のようになります。
- 音の傾向:
ややウォーム(温かみがある)寄りのフラット。 - 高音域:
刺さるような刺激的な音は一切出さず、シルクのように「なめらか」で伸びやか。
解像度は高いのに、聴き疲れしません。 - 中音域(ボーカル):
P1が最も得意とする帯域です。
ボーカルの質感が非常にリアルで、息遣いや「サ行」の刺さりが絶妙にコントロールされています。
解像度一辺倒ではなく、声の「なめらかさ」「艶っぽさ」を重視したチューニングで、Astell&Kernの血統を強く感じさせます。 - 低音域:
量感は控えめですが、タイトで制動が効いています。
ボワつくことがなく、楽曲の土台をしっかりと支えます。
音質を一言で表すなら「上質なリスニングサウンド」。
分析的に音の粗探しをするモニター的な音ではなく、あくまで音楽を心地よく、長時間楽しむための音作りが徹底されています。
J-POP、アニソン、ロック、ジャズ…ジャンル別相性チェック
この「なめらかなボーカル」重視のサウンドは、どんなジャンルと相性が良いのでしょうか。
- J-POP / アニソン(女性ボーカル): 非常に得意
ボーカルの表現力が素晴らしく、AdoやYOASOBI、星街すいせいなどのハイトーンボイスも刺さらず、艶やかに聴かせてくれます。
打ち込みの音も分離が良く、相性抜群です。 - ロック / メタル: 得意
意外にも相性が良いです。
過度にドンシャリにならず、ギターリフのディテールをしっかり描き出しつつ、ボーカルを埋もれさせません。
激しい曲でも聴き疲れしないのは大きなメリットです。 - ジャズ / クラシック: 良好
音場が広いため、小編成のジャズやオーケストラの空気感もよく伝わります。
DAR機能をONにすると、よりホールで聴いているようなアナログ的な響きになり、リラックスして楽しめます。 - EDM / ヒップホップ: 普通
低音の「量感」や「沈み込み」を最重要視する人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
しかし、低音の「質」は高いため、決して悪くはありません。
総じて、「ボーカルやメロディラインを重視するジャンル」全般と非常に相性が良いDAPと言えます。
ACTIVO P1 を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、私がACTIVO P1を約1ヶ月間、日常のあらゆるシーンで徹底的に使い込んで感じた、リアルな評価をお伝えします。
なぜ今DAP? 私がスマホやドングルDACではなくP1を選んだ理由
私も以前は「スマホ + ドングルDAC(数千円~2万円クラス)」の構成で満足していました。
しかし、拭えない不満点がありました。
- スマホのバッテリーが異常に早く減る。
- 有線接続が煩わしく、ポケットの中がゴチャゴチャする。
- ドングルDACがスマホからぶら下がり、断線が怖い。
- 音楽を聴いている最中に通知が来て、集中が途切れる。
これらの不満をすべて解決し、「音楽を聴く体験そのものを快適にしたい」と考えた結果、ストリーミングに対応したDAP、その中でも「コンパクトさ」「音質」「価格」のバランスが最も優れていたACTIVO P1の購入に至りました。
感動したポイント:ストリーミング音源が「化ける」瞬間
P1を使い始めて最も感動したのは、普段Apple Musicで何気なく聴いていたストリーミング音源が、まるで「ハイレゾ音源のように」聴こえたことです。
TERATON ALPHA AMPによるノイズのないクリアな背景と、4.4mmバランス接続による圧倒的な分離感。
これにより、ストリーミング音源に圧縮された(あるいはそう思っていた)情報が、実はこんなにも豊かだったのかと気づかされます。
- ボーカルの口元の動きが見えるような生々しさ。
- 今まで聴こえていなかった、微細なコーラスやリバーブ(残響)の成分。
- 楽曲の「空気感」や「立体感」。
これらが明確に感じ取れた時、「ああ、P1を買って本当に良かった」と実感しました。
これはスマホ直挿しや安価なドングルDACでは決して到達できない領域です。
正直な感想:気になった点とオススメの解決策(文字入力・操作性など)
もちろん、完璧な製品ではありません。
使っていて「惜しい!」と感じた点も正直にレビューします。
- 気になる点①:文字入力のクセ
デフォルトのキーボード(AOSPキーボード)のフリック入力が、スマホの感覚と少し異なります(長押ししてからフリックする感覚)。- 解決策: Google Playストアから「Gboard(Google 日本語入力)」をインストールすることで、スマホと全く同じ快適なフリック入力が可能になります。これは必須の対策です。
- 気になる点②:画面端のスワイプ操作
スマホのように画面の左端からスワイプして「戻る」操作がデフォルトではできません。- 解決策: これもアプリで解決可能です。私は「ジェスチャー操作」アプリをインストールし、スワイプ操作を割り当てて快適に使っています。
- 気になる点③:ケースが付属しない
本体は上質ですが、傷がつくのが怖いためケースは欲しくなります。
現状、専用ケースは別売り(またはサードパーティ製)です。
これらはいずれも、Android OSの自由度を活かした「アプリの導入」で解決可能な問題です。
通勤から休日まで:私の具体的な活用シーンとバッテリー持ち
P1は私の生活にすっかり溶け込んでいます。
- 通勤時(電車):
胸ポケットにP1を入れ、Bluetoothでスマホと接続(BTレシーバーモード)。
スマホはカバンの中。P1の物理ボタンで曲操作。通知に邪魔されず、高音質で音楽に没入できます。 - カフェや自宅での集中作業:
P1単体でストリーミング再生。
スマホは通知が来ても気にならないよう、伏せておきます。作業効率が上がりました。 - 休日のじっくり鑑賞:
PCとUSB-DACモードで接続。PC上のYouTube MusicやAmazon Musicの音源を、P1経由で高音質化。充電OFFモードでP1のバッテリーも減りません。
バッテリー持ちについて
公称約20時間とありますが、これはローカル音源(FLAC)再生時の話。
私の実測では、「ストリーミング(Wi-Fi)+4.4mmバランス接続」という最も負荷がかかる使い方でも、12~15時間程度は余裕で持ちました。
通勤(往復2時間)+α程度の使い方なら、3~4日は充電なしでも全く問題ありません。
このバッテリー持ちの良さは、スマホ運用と比べて圧倒的なアドバンテージです。
結論:スマホ直挿しには戻れない「音楽への没入感」
ACTIVO P1を使い始めて、私の音楽体験は「ながら聴き」から「向き合う鑑賞」へと変わりました。
スマホが「便利な多機能ツール」であるのに対し、P1は「音楽のためだけの贅沢な道具」です。
通知に邪魔されず、ただ純粋に音に集中できる環境が、これほどまでに豊かだとは思いませんでした。
この「没入感」を一度体験してしまうと、もうスマホ直挿しの環境には戻れません。
ACTIVO P1 に関するQ&A

「ACTIVO P1」について、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
SpotifyやApple Musicなどのストリーミングアプリは使えますか?
はい、使えます。 Android OSとGoogle Playストアを搭載しているので、あらゆるストリーミングアプリを自由にインストールできます。動作も快適です。
音質はどんな傾向ですか? Astell&Kernの音と違いますか?
「なめらかでクリア」な音質で、特にボーカルが得意です。 Astell&Kern上位機が持つ超高解像度とは異なり、P1は音楽を心地よく「聴き疲れしない」サウンドを重視しています。
バッテリーの持ちは実際どのくらいですか?
非常に良いです。 ストリーミング(サブスク)再生が中心でも、12時間以上は余裕で持ちます。通勤・通学程度なら数日は充電不要です。
USB-DACとして使う時、スマホのバッテリーは減りませんか?
減りません。 P1本体の設定で「充電OFF」が可能です。スマホのバッテリーを一切消費させずに高音質化できる、非常に強力な機能です。
文字入力(フリック入力)が使いにくいと聞きました。
デフォルトではクセがありますが、アプリ(無料)で解決できます。 Google Playストアから「Gboard」(Google 日本語入力)をインストールすれば、スマホと全く同じ快適な入力が可能です。
4.4mmバランス接続と3.5mm接続は、どれくらい音が違いますか?
明確に違います。P1の真価は4.4mm接続にあります。 4.4mmバランス接続にすると、音のパワー、広がり、クリアさ(分離感)が格段に向上します。P1の性能を最大限引き出すなら4.4mm接続を強く推奨します。
ワイヤレスイヤホン(Bluetooth)で使っても高音質ですか?
はい、LDACやaptX HDなどの高音質コーデックに対応しています。 P1はBluetooth 5.3に対応しており、LDACなどの高音質コーデックでワイヤレスイヤホンに接続できます。スマホから直接接続するよりも、再生処理が安定しノイズが少ないため、音質向上が期待できます。
ドングルDACと比べて、結局どっちがいいですか?
「音楽への没入感」と「快適さ」を求めるならP1です。 ドングルDACは安価ですが、スマホのバッテリーを消費し、操作もスマホに依存します。 P1は「音楽専用機」として独立しているため、通知に邪魔されず、スマホのバッテリーを気にせず、快適な操作で音楽に集中できます。音質も専用アンプを積むP1が有利です。
ストリーミング再生中に本体は熱くなりますか?
ほんのり温かくなる程度で、高温になることはありませんでした。 長時間のストリーミング再生や、ハイレゾ音源の再生(特にDAR機能ON)を行うと、スマホ同様に本体が温かくなります。しかし、触れないほど熱くなることはなく、動作も安定していました。
内蔵ストレージが64GBですが、少なくないですか?
ストリーミングがメインなら問題ありません。ハイレゾ音源が多い場合はmicroSDカードが必須です。 64GBの内、OSやシステム領域で実際に使えるのはもう少し少なくなります。ストリーミングアプリで「オフライン保存」を多用したり、ハイレゾ音源を大量に入れたりする場合は、別途microSDカード(最大1.5TB対応)の追加をおすすめします。
画面(4.1インチ)でYouTubeなどの動画は見られますか?
見ることは可能ですが、あくまで「オマケ機能」程度と考えるのが良いです。 Android OSなのでYouTubeアプリは動作しますし、MV(ミュージックビデオ)の確認程度なら十分です。 しかし、画面サイズは小さく、昨今のスマートフォンと比べると快適とは言えません。P1はあくまで「音楽プレイヤー」であり、動画視聴を主目的とするデバイスではありません。
画面を消した状態で、ポケットに入れたまま曲送りはできますか?
はい、可能です。 本体の側面に物理ボタン(再生/停止、曲送り、曲戻し)が搭載されています。画面がオフの状態でも、このボタンを使って直感的に操作できるため、スマホのようにわざわざ画面を点灯させる必要がなく非常に便利です。
DAR(アップサンプリング)やクロスフィード機能は、Spotifyなどストリーミング再生時にも使えますか?
はい、使えます。 これらの音質調整機能は、P1のOSレベル(システム全体)で適用されます。そのため、microSDカードに入れたハイレゾ音源だけでなく、SpotifyやApple Musicなどのストリーミング音源に対しても、DARやクロスフィードの効果を適用して楽しむことができます。
ACTIVO P1 レビューのまとめ

ACTIVO 「ACTIVO P1」は、Astell&Kernの技術を取り入れた高性能なポータブル音楽プレイヤーであり、その価格帯で驚くべき音質と多機能性を提供しています。
以下に、「P1」の総合的な評価をまとめます。
ACTIVO P1の魅力とメリットを再確認
- Astell&Kernの独自技術「TERATON ALPHA」による圧倒的S/N比とクリアな音質。
- 特に「ボーカルのなめらかさ」と「聴き疲れしない」絶妙なサウンド。
- 4.4mmバランス接続時の、価格を超えた音場の広さと分離感。
- Android OS搭載でストリーミングアプリがサクサク動く快適性。
- スマホのバッテリーを消費しない「充電OFF/ON」対応のUSB-DAC機能。
- 約20時間(実用12時間以上)のタフなバッテリー。
- 片手で操作できる「絶妙なコンパクトさ」と軽量設計。
購入前に知りたいデメリット(惜しい点)
- デフォルトの文字入力にクセがある(→Gboardインストールで完全解決)。
- 画面端からのスワイプ操作に非対応(→ジェスチャーアプリで解決可能)。
- ケースが付属しない(→別途購入が必要)。
- EDMなどの深い低音を最重視する人には、やや物足りない可能性がある。
Astell&Kern A&norma SR35やドングルDACと迷ったら?
| 比較対象 | ACTIVO P1が優れる点 | 相手が優れる点 |
|---|---|---|
| Astell&Kern SR35 | ・価格が約4~5万円安い。・Android OSで動作が快適。・カジュアルなデザイン。 | ・Astell&Kern独自のUI。・Quad-DAC搭載による、より高い解像度とキレ。・ブランドの所有感。 |
| ドングルDAC(~2万円クラス) | ・P1が圧倒的に高音質。・スマホのバッテリーを消費しない。・操作性が独立しており快適。・通知に邪魔されない。 | ・価格が圧倒的に安い。・DAPを持つ必要がない(荷物が減る)。 |
SR35と迷う方へ:
音質(特に解像度)の「絶対値」を追求するならSR35も選択肢です。
しかし、ストリーミングアプリの快適性、コストパフォーマンス、カジュアルなデザインを重視するなら、P1は非常に賢い選択です。
ドングルDACと迷う方へ:
「音質」と「音楽への没入感」を本気で向上させたいなら、迷わずP1にステップアップする価値があります。
ACTIVO P1を強くおすすめしたい人
- スマホの音質から本気でステップアップしたい人。
- 音楽ストリーミングサービスを、最高の音質と快適な操作で楽しみたい人。
- ドングルDACの「スマホへの依存(バッテリー消費、操作性)」に不満がある人。
- Astell&Kernの「なめらかでクリアな音」に憧れるDAP初心者の人。
- すでにハイエンドDAPを持っているが、サブスク用の「小型・軽量なサブ機」が欲しい人。
こういう人には向かないかも?
- 荷物は1gでも減らしたい、スマホ一つで完結させたい人。
- 音楽はBGMとして聴ければ十分で、音質にそこまでこだわりがない人。
- EDMやヒップホップの「重低音の量」を何よりも優先する人。
ACTIVO 「ACTIVO P1」レビューの総括:音楽ファンに「ちょうどいい」ファーストDAP・サブ機として
ACTIVO P1は、ハイエンドの音質を追求するあまりに「使いやすさ」や「携帯性」を犠牲にすることなく、かといって「音質」で妥協もしない、まさに現代の音楽ファンにとって「最高にちょうどいい」一台です。
約7万円という価格は決して安くはありませんが、Astell&Kernの技術が詰まったDAP、多機能なUSB-DAC、高音質BTレシーバーがすべて手に入ると考えれば、そのコストパフォーマンスは計り知れません。
スマホでは体験できない「音楽に浸りきる時間」を、ACTIVO P1で手に入れてみてはいかがでしょうか。


