audio-Technica は、日本を代表するオーディオブランドとして長年にわたり高品質なヘッドホンを世に送り出してきました。
その中でも、モニターヘッドホンの分野で特に高い評価を得ているのがATHシリーズです。
今回紹介するのは、新たに登場した「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」の2機種。
どちらも 開放型モニターヘッドホン というカテゴリーに属し、自然な音の広がりを重視したサウンド設計が施されています。
密閉型ヘッドホンと異なり、開放型ヘッドホンはハウジングの背面を開放することで、空気の流れをスムーズにし、自然な音の響きを実現します。
この特性により、長時間のリスニングでも疲れにくく、プロフェッショナルな音楽制作の現場でも重宝されるヘッドホンです。
この2機種は価格帯も異なり、それぞれに特徴がありますが、どちらもこれからの開放型モニターヘッドホンの定番になり得るモデルだと感じました。
この記事では、それぞれの仕様や音質の違い、使用感について詳しくレビューしていきます。


audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」の概要

audio-Technicaは、これまで数多くのプロフェッショナル向けモニターヘッドホンを開発してきましたが、開放型のヘッドホンにおいては「ATH-R70x」が長らくフラッグシップモデルとして君臨していました。
2024年、同シリーズの新たなラインナップとして「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」が登場。
どちらも開放型のモニターヘッドホンとして設計されており、オーディオテクニカの最新技術を活かした 「トゥルーオープンエアーオーディオ」 のコンセプトを採用しています。
ここでは、それぞれの価格帯や位置付け、開放型ヘッドホンとしての特長を詳しく解説します。
価格とラインナップの比較
まずは、価格について比較してみましょう。
モデル | 価格 (公式ストア) | 発売年 | 備考 |
---|---|---|---|
ATH-R70xa | 約54,400円 | 2025年 | フラッグシップモデル |
ATH-R50x | 約27,800円 | 2025年 | エントリー向け開放型 |
ATH-R70x (旧モデル) | 約48,400円 (市場価格) | 2015年 | R70xaの前モデル |
「ATH-R70xa」は、前モデルである「ATH-R70x」の後継機に位置付けられますが、基本的な音質設計は継承しつつ、装着感や耐久性のアップデートが施されています。
一方、「ATH-R50x」は、新たに追加されたミドルクラスのモデルで、エントリーユーザー向けに設計されています。
価格帯が約2万円台後半に設定されており、プロ向けだけでなく配信者やゲーマーなどの一般ユーザーにも適したモデルとなっています。
フラッグシップモデルとしての位置付け
「ATH-R70xa」は、audio-Technica の開放型ヘッドホンの中で最上位に位置し、プロの音楽制作者やミキシングエンジニアをターゲットにしたハイエンドなモニターヘッドホンです。
前モデルの「ATH-R70x」は、すでに開放型モニターヘッドホンとして高評価を受けており、オーディオテクニカらしい「癖のないフラットな音質」が特徴でした。
今回の「ATH-R70xa」では、重量の軽減やヘッドバンドの改良が加えられ、より快適に使用できるようになっています。
一方、「ATH-R50x」は、より幅広いユーザーに向けたモデルとして開発されており、低インピーダンス (50Ω) であるため、スマホやノートPCなどの一般的なデバイスでも手軽に使用可能です。
この2機種の位置付けをまとめると、以下のようになります。
モデル | ターゲットユーザー | 主な特徴 |
---|---|---|
ATH-R70xa | プロの音楽制作者、ミキシングエンジニア | フラットで自然な音質、ハイインピーダンス (470Ω)、高解像度 |
ATH-R50x | 一般リスナー、配信者、ゲーマー | 低インピーダンス (50Ω)、手軽に使用可能、軽量設計 |
「ATH-R70xa」は、正確な音を求めるプロ仕様のモデルであり、一方の「ATH-R50x」は、一般ユーザーにも扱いやすいバランス型の開放型ヘッドホンと言えるでしょう。
開放型ヘッドホンとしての特徴
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は、どちらも 「開放型」 の設計を採用しており、以下のような特徴があります。
① 空気の流れをスムーズにする「トゥルーオープンエアーオーディオ」
- オーディオテクニカが提唱する「TRUE OPEN AIR AUDIO」の設計により、ハウジングの前面と背面を開放。
- 音が耳に直接届き、自然な音場と広がりのあるサウンドを実現。
- 長時間のリスニングでも疲れにくい音作りが特徴。
② 超軽量設計
- ATH-R70xa:199g、ATH-R50x:207g と、いずれもクラス最軽量レベル。
- ハウジングやヘッドバンドの素材にこだわり、軽量ながらも剛性を確保。
- 長時間のリスニングや作業でも負担を感じにくい。
③ 密閉型との違い
開放型と密閉型の違いを以下の表で比較します。
特徴 | 開放型 (ATH-R70xa / R50x) | 密閉型 (Mシリーズ) |
---|---|---|
音の広がり | 自然で開放的 | やや閉塞感あり |
音漏れ | あり | なし |
外音の遮断 | ほぼなし | 遮音性が高い |
長時間リスニング | 疲れにくい | 疲れやすい |
低域の量感 | やや控えめ | しっかりした低音 |
開放型ヘッドホンは、自然な音場を求めるリスニングや音楽制作に最適ですが、音漏れがあるため外での使用や電車内では不向きです。
そのため、使用環境に応じた選び方が重要になります。
概要まとめ:どちらのモデルを選ぶべき?
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は、どちらも開放型モニターヘッドホンとして魅力的な選択肢ですが、用途や求める音質によって選ぶべきモデルが異なります。
選び方のポイント | おすすめのモデル |
---|---|
プロの音楽制作・ミキシング | ATH-R70xa |
長時間の快適なリスニング | ATH-R70xa |
低価格で開放型を試したい | ATH-R50x |
スマホやPCで手軽に使いたい | ATH-R50x |
「ATH-R70xa」は プロ向けのフラッグシップモデル、「ATH-R50x」は 手軽に使えるエントリー向けモデル という位置付けになっており、それぞれの特徴を理解した上で、自分の用途に合ったモデルを選ぶことが重要です。
audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」のデザインと装着感

audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は、どちらも開放型モニターヘッドホンですが、デザインや装着感にはいくつかの違いがあります。
ここでは、それぞれのヘッドホンの軽量設計、ヘッドバンドやイヤーパッドの違い、長時間使用時の快適性について詳しく解説していきます。
軽量設計と素材のこだわり
「ATH-R70xa」の特徴
「ATH-R70xa」は、audio-Technica の開放型ヘッドホンのフラッグシップモデルであり、その最大の特徴は「クラス最軽量レベルの軽さ」です。
- 重量:約199g(前モデルR70xより約10g軽量化)
- ヘッドホンの軽量化により、長時間の使用でも疲れにくい設計
- ハウジング部分には金属メッシュ素材を採用
→ 開放型らしい音の抜けを重視したデザイン - ヘッドバンド部分は新構造にアップデート
→ フィット感の向上と耐久性の強化
この199gという重量は、一般的な開放型ヘッドホンの中でも最軽量クラスに入ります。
たとえば、他社の代表的な開放型ヘッドホンと比較してみましょう。
モデル | 重量 | タイプ |
---|---|---|
audio-Technica ATH-R70xa | 199g | 開放型 |
Sennheiser HD 600 | 254g | 開放型 |
Beyerdynamic DT 1990 PRO | 370g | 開放型 |
Sony MDR-M1ST | 215g | 密閉型 |
このように、「ATH-R70xa」は圧倒的な軽さを誇ります。
この軽さが、モニターヘッドホンとしての長時間使用において大きなメリットになります。
「ATH-R50x」の特徴
一方、ATH-R50x も開放型ヘッドホンですが、若干の違いがあります。
- 重量:約207g(ATH-R70xaより約8g重い)
- ヘッドバンドがシンプルな構造(R70xaより軽量化のため簡素化)
- ヘッドバンドのパッドが異なる(後述)
- 片耳出しケーブル設計(取り回しがしやすい)
「ATH-R50x」は、フラッグシップモデルの「ATH-R70xa」と比べると若干重いものの、それでも最軽量クラスのヘッドホンであることは変わりません。
ヘッドバンドとイヤーパッドの違い
ヘッドホンの装着感に大きな影響を与えるのが、ヘッドバンドの構造とイヤーパッドの素材です。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」では、ヘッドバンドの設計に大きな違いがあります。
「ATH-R70xa」のヘッドバンド
「ATH-R70xa」は、新設計の「ワイドヘッドバンド」を採用しています。
- 前モデルの「ATH-R70x」のウィングサポート構造から一般的なヘッドバンド構造に変更
- より広いヘッドバンドを採用し、圧力を分散
- 耐久性が向上(旧モデルの R70x は、ヘッドバンドの耐久性がやや不安視されていた)
- 調整の自由度が高まり、より多くの頭のサイズにフィット
このヘッドバンドの改良により、フィット感が向上し、長時間装着しても快適になっています。
「ATH-R50x」のヘッドバンド
「ATH-R50x」は、「ATH-R70xa」のようなワイドヘッドバンドではなく、シンプルな2本のパッド式のヘッドバンド を採用しています。
- 左右2本のパッドが頭を支える方式
- 軽量化のためにシンプルな設計
- ヘッドバンドのクッションが少なめ(長時間使用では R70xa より圧力を感じやすい)
この違いにより、「ATH-R70xa」の方が装着感が優れ、快適性が高いことが分かります。
イヤーパッドの違い
イヤーパッドの素材にも違いがあります。
モデル | イヤーパッドの素材 | 特徴 |
---|---|---|
ATH-R70xa | ベルベット素材(高級感あり) | 柔らかく快適、肌触りが良い |
ATH-R50x | 合皮素材(シンプル) | 適度なクッション性、若干硬め |
「ATH-R70xa」は、より柔らかいベルベット調のイヤーパッドを採用しており、装着時の快適性が高いです。
一方、「ATH-R50x」はコストを抑えた合皮素材になっており、やや硬めの装着感になります。
長時間使用における快適性
モニターヘッドホンは、プロの音楽制作や編集、ゲーム実況、ライブ配信など長時間使用することが前提となるため、装着感は非常に重要な要素です。
「ATH-R70xa」の長時間使用におけるメリット
✅ 超軽量(199g)で負担が少ない
✅ ワイドヘッドバンドにより圧力が分散
✅ イヤーパッドが柔らかく、肌触りが良い
✅ ヘッドホン自体が開放型なのでムレにくい
「ATH-R50x」の長時間使用におけるメリットとデメリット
✅ 軽量(207g)で負担は少ない
✅ 片耳出しケーブルで取り回しがしやすい
❌ ヘッドバンドのパッドが少なく、圧力が集中しやすい
❌ イヤーパッドがやや硬めなので、長時間使用では若干の疲労感あり
実際に使い比べた場合、「ATH-R70xa」の方が長時間の使用に向いているという結論になります。
特に、装着感の快適さを求める人にとっては、R70xaのヘッドバンドとイヤーパッドの違いが大きく影響するでしょう。
まとめ:デザインと装着感のポイント
ポイント | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
重量 | 199g(超軽量) | 207g(軽量) |
ヘッドバンド | 幅広でフィット感が高い | 2本のパッド式で簡素 |
イヤーパッド | 柔らかいベルベット素材 | 硬めの合皮素材 |
快適性 | 長時間でも疲れにくい | 長時間だとやや圧力を感じる |
audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」の音質の特徴と違い

audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は、どちらも開放型モニターヘッドホンですが、音質には明確な違いがあります。
特に音のフラットさ、解像度、低域・中域・高域のバランスにおいて、それぞれのモデルの特徴が表れています。
ここでは、両モデルの音質の特徴や違いを詳しく解説し、どのような用途に適しているかを比較していきます。
フラットで自然なサウンドバランス
開放型モニターヘッドホンの最大の特徴は、音の広がりと自然なサウンドバランスです。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」も例外ではなく、どちらも「モニター用途に適したフラットな音作り」がされています。
ただし、フラットと言っても、メーカーやモデルによって若干のチューニングの違いがあります。
以下のように整理できます。
モデル | 音の特徴 | バランスの傾向 |
---|---|---|
ATH-R70xa | 高解像度、ニュートラルで自然な音、奥行きのある音場 | 完全なフラット |
ATH-R50x | 柔らかく聴きやすい音、ややウォームなサウンド | やや低域が強め |
「ATH-R70xa」は、モニターヘッドホンとして極めて正確な音を再現するため、クセがなくニュートラルなサウンドを実現しています。
プロのレコーディングやミキシング、マスタリング向けの音作りがされており、楽器やボーカルの音が忠実に再現されます。
一方、「ATH-R50x」は、「ATH-R70xa」に比べてややウォームなサウンドになっており、特に低域が若干強調されたバランスになっています。
そのため、よりリスニング用途にも適しており、長時間聴いていても疲れにくい音作りがされています。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」の音質の違い
① 音の解像度
「ATH-R70xa」の方が解像度が高く、細かい音のディテールをしっかりと表現できます。
特に、録音された楽器の微細なニュアンスや、ボーカルの息遣いなどを正確に再現する力が強いです。
- 「ATH-R70xa」 → 高解像度で細部まで聴き取れる
- 「ATH-R50x」→ 柔らかく聴きやすいが、若干ディテールは抑えめ
例えば、クラシック音楽やジャズのような音の細かさや空間表現が重要なジャンルでは、「ATH-R70xa」の方が適しています。
一方、ロックやポップスのようなエネルギッシュなサウンドでは、「ATH-R50x」でも十分に楽しめます。
② 低域(低音)
開放型ヘッドホンの特性として、一般的に密閉型ヘッドホンよりも低域の量感が控えめになりがちですが、「ATH-R50x」 は比較的低域が強めに設計されています。
- 「ATH-R70xa」 → 低域はフラットで自然、締まりがありブーミーにならない
- 「ATH-R50x」 → 低域がやや強調されており、厚みのある低音
「ATH-R70xa」は、低域の再生においても余計な誇張がなく、正確なサウンドを提供します。
例えば、ベースラインやドラムのキック音が過度に強調されることなく、楽曲の本来のバランスがそのまま聴こえます。
「ATH-R50x」は、やや低域が強めに調整されているため、ポップスやロック、EDM などの迫力ある低音が求められるジャンルに適していると言えます。
③ 中域(ボーカル)
ボーカルの表現は、どちらのモデルも非常に優れていますが、微妙なニュアンスに違いがあります。
- 「ATH-R70xa」 → ボーカルが自然でニュートラル、距離感がちょうど良い
- 「ATH-R50x」 → ボーカルが少し前に出る印象、温かみのある音
「ATH-R70xa」は、どのジャンルでもボーカルが前に出すぎず、バンド全体のバランスを崩さない設計になっています。
音の広がりが自然で、長時間聴いても疲れにくいのが特徴です。
「ATH-R50x」は、ややボーカルが前に出るようなバランスになっており、特にJ-POP やアコースティック系の楽曲では、ボーカルをより明瞭に聴くことができるでしょう。
④ 高域(高音)
高域の表現も、「ATH-R70xa」の方がよりニュートラルで、鋭すぎず、自然なサウンドになっています。
- 「ATH-R70xa」 → シルキーで伸びやかな高音、耳に刺さる感じがない
- 「ATH-R50x」 → やや高域が抑えめで、耳に優しい音
「ATH-R70xa」は、高域が細かく表現され、シンバルやストリングスの音がとても繊細に聴こえるのが特徴です。
音が自然に広がり、音楽全体の調和が取れています。
「ATH-R50x」は、やや高域が抑えられたチューニング になっているため、高音が刺さるのが苦手な人にとっては聴きやすいバランスです。
モニター用途とリスニング用途の適性
用途 | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
レコーディング / ミキシング | ◎ 正確な音を求めるプロ向け | ○ 使えなくはないが R70xa の方が向いている |
リスニング(音楽鑑賞) | ○ ニュートラルで自然 | ◎ 柔らかく聴きやすい |
動画編集 / ゲーム実況 | ◎ 正確な音場表現 | ◎ ボイスをクリアに再現 |
映画鑑賞 / ゲーム | ○ 立体的なサウンド | ◎ 迫力ある音が楽しめる |
- 「ATH-R70xa」 → プロの音楽制作やミキシング向け、正確な音質
- 「ATH-R50x」 → リスニングや配信者向け、心地よく聴ける音質
まとめ:どちらの音質が向いているか?
ポイント | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
解像度 | 高い | 普通 |
低域 | タイトで自然 | やや厚みあり |
中域(ボーカル) | 自然な距離感 | 近めで聴きやすい |
高域 | 伸びやかで繊細 | マイルドで聴きやすい |
audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」を使用した私の体験談・レビュー

audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」を実際に使用し、それぞれのヘッドホンが持つ装着感、音質、用途ごとの適性について詳しく検証しました。
ここでは、リスニングや制作、ゲームプレイなど、さまざまなシチュエーションでの体験談を紹介します。
装着感と長時間使用の快適さ
「ATH-R70xa」の装着感
まず、「ATH-R70xa」を装着した瞬間に驚いたのが「とにかく軽い!」ということです。
- 199g という超軽量設計 のおかげで、頭にのせている感覚がほとんどありません。
- ヘッドバンドの幅が広く、圧力が分散されるため長時間つけていても負担を感じにくい。
- イヤーパッドは ベルベット素材 で柔らかく、耳にフィットする感触がとても快適。
- 側圧(ヘッドホンが耳を挟む力)は 適度にあり、しっかり固定されるがキツすぎないバランス になっています。
長時間のリスニングや編集作業で試しましたが、本当に「ヘッドホンをつけていることを忘れるくらい」の装着感です。
これなら、5時間以上の作業でも快適に使えそうです。
「ATH-R50x」の装着感
一方、「ATH-R50x」は「ATH-R70xa」ほどではありませんが、それでも 軽量な部類 です。
- 207g なので R70xa よりは若干重いが、それでも十分軽い。
- ヘッドバンドが2本のパッド式 になっており、フィット感はややシンプルな作り。
- イヤーパッドは合皮素材 で、柔らかさはあるが R70xa のベルベットほど快適ではない。
最初の1〜2時間は問題なく快適でしたが、3時間を超えるとヘッドバンドの圧力がやや気になるようになりました。
長時間の使用を前提にするなら、やはり「ATH-R70xa」の方が快適 です。
音楽リスニングの体験
「ATH-R70xa」の音楽体験
「ATH-R70xa」のサウンドは非常にニュートラルで、音楽制作の現場に適したフラットな音質です。
🎵 試聴した楽曲:
- クラシック → 弦楽器の分離感が抜群。音の広がりが自然で、ホールで演奏を聴いているかのよう。
- ジャズ → トランペットやベースの音の輪郭が明瞭 で、全体のバランスが絶妙。
- ロック → ギターやボーカルがしっかりと分離され、音が混ざらずにしっかり聴こえる。
総じて、「ATH-R70xa」は「楽曲の細部まで忠実に再現し、自然な音場で聴かせてくれる」ヘッドホンでした。
「ATH-R50x」の音楽体験
「ATH-R50x」は、ややウォームな音質で、よりリスニング向けです。
🎵 試聴した楽曲:
- ポップス → ボーカルが少し前に出て、ウォームで聴きやすい音。リスニング用途に最適。
- EDM → 低域が少し強め で、ビート感がしっかりしている。
- アコースティック → ボーカルの表現が優れており、聴きやすいが「ATH-R70xa」ほどの解像感はない。
「ATH-R50x」は「音楽をナチュラルに、少し楽しく聴かせてくれる」ヘッドホンという印象でした。
リスニング目的なら「ATH-R50x」の方が疲れにくく、楽しく聴けるかもしれません。
ゲーム・映画鑑賞での体験
「ATH-R70xa」のゲーム体験
- FPSゲーム → 足音の定位が明確。銃声の方向感もつかみやすい。
- オープンワールド → 環境音の広がりが自然で、没入感が高い。
- 映画 → セリフのクリアさが抜群。音場が広く、劇場で見ている感覚に近い。
「ATH-R70xa」は、ゲームや映画の臨場感を損なわず、正確な音場を再現できるヘッドホンです。
「ATH-R50x」のゲーム体験
- FPSゲーム → 足音の聴こえ方は良いが、「ATH-R70xa」の方が細かい音を拾いやすい。
- オープンワールド → 音場の広がりは「ATH-R70xa」ほどではないが、リラックスしてプレイできる。
- 映画鑑賞 → 低音が少し強めで、アクション映画などでは迫力が増す。
「ATH-R50x」は、ゲーム実況者やカジュアルゲーマー向け、「ATH-R70xa」は、正確な音を求めるガチゲーマー向け、といった印象です。
レコーディング・ミキシングでの体験
「ATH-R70xa」のミキシング体験
音のバランスがとてもフラットで、楽器やボーカルの定位が正確に聴こえます。
ミキシングやマスタリング用途では 「細かいニュアンスを正確に調整できる」 のが大きなメリットです。
「ATH-R50x」のミキシング体験
「ATH-R50x」もミキシングに使えなくはないが、「ATH-R70xa」ほどの正確さはないと感じました。
特に低域の判断が少し難しいため、プロのミキシング用途なら「ATH-R70xa」一択 という印象です。
まとめ:どちらがどんな用途に向いているか?
用途 | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
長時間装着 | ◎ 快適 | ○ やや圧力あり |
音楽リスニング | ◎ 高解像度で忠実 | ◎ 柔らかく聴きやすい |
ゲーム・映画 | ◎ 正確な音場 | ◎ 迫力ある音 |
ミキシング・編集 | ◎ プロ仕様 | △ 簡易的な編集向き |
「ATH-R70xa」は プロ向けのフラッグシップモデル、「ATH-R50x は」カジュアルなリスニングや配信向け です。
audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」に関するQ&A

audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」はどんな人におすすめ?
🔹「ATH-R70xa」が向いている人
- プロの音楽制作者やエンジニア
→ ニュートラルでフラットな音質、細かいディテールの把握が必要な人向け。 - 高解像度でクリアな音を求める人
→ 楽器の生演奏やクラシックなど、音のディテールを重視するリスナーに最適。 - ゲームの定位感を重視するプレイヤー
→ FPSなどのゲームで敵の足音や方向を正確に把握したい人。 - 長時間の使用を想定している人
→ 超軽量で快適な装着感があり、5時間以上の作業でも負担が少ない。
🔹「ATH-R50x」が向いている人
- カジュアルなリスニング用途の人
→ ボーカルや低音が聴きやすく、ポップスやロックなどの音楽を楽しみたい人。 - 配信者や動画編集をする人
→ モニター用途としても使えるが、低価格で導入しやすい。 - ゲームや映画鑑賞をよくする人
→ 低域が少し強めで、迫力のあるサウンドが楽しめる。 - スマホやPCで手軽に使いたい人
→ 50Ωの低インピーダンスなので、特別なアンプがなくても十分に駆動できる。
✅ 結論:音楽制作や正確な音を求めるなら「ATH-R70xa」、リスニングやカジュアルな用途なら「ATH-R50x」
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」の主な違いは何?
項目 | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
価格 | 約54,400円 | 約27,800円 |
インピーダンス | 470Ω(ハイインピーダンス) | 50Ω(ローインピーダンス) |
音質の傾向 | フラットでニュートラル | ややウォームで低域が強め |
解像度 | 非常に高い | 普通 |
音の広がり | 自然で開放的 | ほどよく広がりがある |
装着感 | 軽くて快適 | 軽いが、やや圧迫感あり |
適した用途 | 音楽制作、プロのモニタリング | リスニング、配信、映画鑑賞 |
✅ 結論:価格が倍違うが、プロ用途なら「ATH-R70xa」、気軽に使うなら「ATH-R50x」が適している。
「ATH-R70xa」はスマホやPCで使える?
「ATH-R70xa」は インピーダンスが470Ω と非常に高いため、 スマホやPCの直挿しでは十分な音量が出ない 可能性があります。
- 推奨環境 → オーディオインターフェースやヘッドホンアンプを使用することを推奨。
- スマホやノートPCの直挿し → 音が小さくなりやすく、音質のポテンシャルを発揮できない。
一方で 「ATH-R50x」(50Ω)なら、スマホやPCの直挿しでも問題なく使えるので、手軽に運用したいなら「ATH-R50x」の方が便利です。
✅ 結論:「ATH-R70xa」はアンプ必須、「ATH-R50x」はスマホやPC直挿しOK。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は音漏れする?
両モデルとも開放型ヘッドホンなので、音漏れはします。
- 「ATH-R70xa」 → 完全なオープンバック設計で、外の音もよく聞こえる。
- 「ATH-R50x」→ 「ATH-R70xa」ほどではないが、それでも音漏れは大きい。
音漏れしやすい環境
❌ オフィスやカフェでの使用 → 周囲に音が漏れるため不向き。
❌ 通勤・電車内 → 外のノイズが入りやすく、音漏れも多い。
音漏れが気にならない環境
✅ 自宅でのリスニング・作業
✅ 録音スタジオやDTM環境
開放型ヘッドホンは、音場の広がりや自然な音質が魅力ですが、音漏れを気にする人は密閉型のMシリーズ(ATH-M50xなど)を選ぶ方が良い でしょう。
✅ 結論:音漏れするので、静かな場所での使用が推奨。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」はどんな音楽ジャンルに向いている?
「ATH-R70xa」に向いているジャンル
🎵 クラシック、ジャズ、アコースティック、オーケストラ
🎵 ロック、ポップス(特に細かい音の表現が重要なもの)
🎵 ゲーム音楽、映画音楽(空間表現が求められるもの)
「ATH-R50x」に向いているジャンル
🎵 ポップス、ロック、EDM、R&B
🎵 映画鑑賞、ゲーム用途(迫力あるサウンドが楽しめる)
✅ 結論:「ATH-R70xa」は細かい音が大事な音楽向け、「ATH-R50x」はポップスや映画向け。
長時間使用すると疲れない?
「ATH-R70xa」 → ほとんど疲れない
- 超軽量(199g)で、ヘッドバンドの圧力分散が優秀。
- ベルベット素材のイヤーパッドで、快適なフィット感。
- 音が自然で、耳が疲れにくい。
「ATH-R50x」 → 3時間を超えたくらいからと少し疲れる
- 207g なので軽いが、ヘッドバンドの圧力が若干強め。
- イヤーパッドが合皮なので、長時間だと蒸れやすい。
✅ 結論:「ATH-R70xa」は長時間快適、「ATH-R50x」は3時間超えると少し疲れる。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
ポイント | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
プロ用途(ミキシング・録音) | ◎ | △ |
リスニング(音楽鑑賞) | ◎(解像度重視) | ◎(聴きやすさ重視) |
ゲーム・映画鑑賞 | ◎ | ◎ |
スマホ・PCでの使用 | ✕(アンプ必須) | ◎(直挿しOK) |
長時間使用 | ◎(疲れにくい) | ○(少し疲れる) |
audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」レビューのまとめ

audio-Technicaの新しい開放型モニターヘッドホン「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は、それぞれ異なる特徴を持ちつつ、どちらも優れた性能を備えた製品です。
この記事では、両モデルのデザイン、装着感、音質、用途ごとの適性について詳しく解説しました。
ここで、両モデルのポイントを整理しながら、最終的にどちらがどんな人に向いているのかをまとめます。
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」の主な違い
項目 | ATH-R70xa | ATH-R50x |
---|---|---|
価格 | 約54,400円 | 約27,800円 |
インピーダンス | 470Ω(ハイインピーダンス) | 50Ω(ローインピーダンス) |
音質の傾向 | フラットでニュートラル | ややウォームで低域強め |
解像度 | 非常に高い | 普通 |
音の広がり | 自然で開放的 | ほどよい広がり |
装着感 | 超軽量(199g)で快適 | 軽量(207g)だがやや圧迫感あり |
ヘッドバンド | ワイドで圧力分散が優秀 | 2本のパッド式でシンプル |
イヤーパッド | ベルベット素材で柔らかい | 合皮素材で若干硬め |
長時間使用 | ◎(疲れにくい) | ○(3時間超えるとやや疲れる) |
音漏れ | かなりある | そこそこある |
用途 | プロの音楽制作、精密なリスニング | 一般リスニング、配信、映画鑑賞 |
✅ 結論:
- 「ATH-R70xa」は、音楽制作・精密なモニタリング向けのヘッドホン。
- 「ATH-R50x」は、一般リスニングや配信向けのモデルで、手軽に開放型を試せる。
どちらを選ぶべきか?
🔹 「ATH-R70xa」を選ぶべき人
✅ 音楽制作やミキシングをする人
→ フラットな音質と高解像度が求められる場面で活躍。
✅ クラシックやジャズなど、細かい音の表現を重視する人
→ どの楽器もバランスよく聴こえ、定位感が抜群。
✅ ゲームで正確な音の定位を求める人
→ FPSなどで敵の足音や環境音を正確に把握したいなら最適。
✅ 長時間使用したい人
→ 超軽量で疲れにくく、5時間以上のリスニングや作業でも快適。
✅ ヘッドホンアンプやオーディオインターフェースを持っている人
→ 470Ωの高インピーダンスなので、専用のアンプが必須。
🚨 向かない人
❌ スマホやPC直挿しで使いたい人(アンプ必須)
❌ 音漏れが気になる人(開放型なので音漏れ大)
❌ 低音の迫力が欲しい人(フラットな低域)
🔹 「ATH-R50x」を選ぶべき人
✅ 手軽に開放型ヘッドホンを試したい人
→ 価格が抑えめで、初めての開放型ヘッドホンとしておすすめ。
✅ リスニングや映画鑑賞がメインの人
→ ウォームな音質で、ポップスやロック、EDMなどが楽しく聴ける。
✅ ゲーム実況や配信をする人
→ 50Ωの低インピーダンスで、PCやオーディオインターフェースとの相性が良い。
✅ スマホやPC直挿しで使いたい人
→ 特別なアンプが不要で、すぐに使えるのがメリット。
✅ 低価格で開放型モニターヘッドホンを導入したい人
→ 約2万円台と手頃な価格で、高品質な開放型サウンドを体験できる。
🚨 向かない人
❌ 音楽制作やミキシングのプロ用途には不向き(解像度が R70xa ほど高くない)
❌ 長時間の装着が快適でないと困る人(3時間以上で圧迫感を感じることがある)
❌ 音漏れを避けたい人(開放型なので音漏れあり)
購入前に知っておきたいポイント
1️⃣ 開放型なので音漏れがある → 使用環境を考えることが大事
2️⃣ 「ATH-R70xa」はアンプ必須 → 470Ωの駆動には注意
3️⃣ 「ATH-R50x」はスマホ・PC直挿しOK → 手軽に運用可能
4️⃣ 装着感の違い → 「ATH-R70xa」は長時間使用向け、「ATH-R50x」はやや圧迫感あり
audio-Technica 「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」レビューの総括
「ATH-R70xa」と「ATH-R50x」は、audio-Technicaの開放型モニターヘッドホンとして、それぞれ異なる個性を持ちながらも、どちらも高品質なサウンドを提供する魅力的なモデルです。
「ATH-R70xa」は、プロフェッショナルな音楽制作やミキシング向けに設計され、圧倒的な解像度と自然な音の広がりを実現しています。
一方、「ATH-R50x」は、リスニングや配信、映画鑑賞など、よりカジュアルな用途にも適したモデルで、手軽に開放型ヘッドホンの魅力を体験できる仕上がりです。
どちらを選ぶかは、使用目的や求める音の特性によって変わりますが、どちらのモデルもaudio-Technicaならではの音質の良さを堪能できることに違いはありません。
自分のスタイルに合った一台を見つけ、快適なリスニング体験を楽しんでください。

