ポータブルスピーカー市場に衝撃が走りました。
Boseが送り出すSoundLinkシリーズのフラッグシップモデル、「Bose SoundLink Max Portable Speaker」の登場です。
かつて「SoundLink Mini」が市場の常識を塗り替えたように、多くのファンが待ち望んだ「最強のポータブル機」が、ついにその姿を現しました。
しかし、シリーズ史上「最大(Max)」のパワーと引き換えに、価格もフラッグシップ級。
購入を検討する誰もが、以下のような疑問を抱いているはずです。
- 「FlexやMini IIと比べてどれほど凄いのか?」
- 「他社製品と比べて価格に見合う価値はあるのか?」
- 「実際の音質は?重低音は本当にすごいのか?」
この記事では、オーディオ製品を愛する筆者がSoundLink Maxを徹底的に使い込み、その真価を解き明かします。
音質、機能性、携帯性、ライバル比較まで、購入で失敗しないための全情報を本音でレビューします。
先に結論からお伝えしましょう。
もしあなたが「持ち運べる音質」に一切の妥協をしたくないのであれば、SoundLink Maxはあなたの期待を遥かに超える満足感を提供してくれる、唯一無二の存在です。
なぜそう断言できるのか、その理由をこれからじっくりと解説していきます。
BOSE 「SoundLink Max Portable Speaker」の核心に迫る3つの特徴

SoundLink Maxは、単なる既存モデルの大型版ではありません。
Boseが持つ技術の粋を集め、「ポータブル」の枠内で「最高音質」を追求した、全く新しい設計思想に基づいています。
その核心を理解するために、まずは本機を特徴づける3つの重要なポイントを見ていきましょう。
妥協なき高音質:新設計のドライバーとデュアル・パッシブラジエーター
SoundLink Maxの心臓部には、Bose独自の「Articulated Array(アーティキュレーテッド・アレイ)」設計が採用されています。
これは、音が中央に凝縮せず、驚くほどワイドなステレオサウンドステージを生み出す技術です。
さらに、Boseのお家芸ともいえる「デュアル・パッシブラジエーター」が、小型筐体では不可能な、深く沈み込む重低音を実現します。
▼ SoundLink Maxのサウンドシステム構成
- 前面配置(Articulated Array)
- ツイーター(高音域用)×1基: 中央に配置され、クリアなボーカルや楽器の繊細な音を再生します。
- サブウーファー(中低音域用)×2基: ツイーターの両脇に配置され、パワフルな中低音域を担います。
- 側面配置(重低音用)
- デュアル・パッシブラジエーター×2基: 筐体の両側面に搭載。サブウーファーの空気圧を利用して強力に振動し、豊かな重低音を増幅させます。
この「3つのアクティブドライバー + 2つのパッシブラジエーター」という合計5基のユニット構成こそが、ポータブルスピーカーの常識を覆す音圧と豊かな低音の源泉です。
どこへでも連れ出せる堅牢性:IP67防水防塵と耐衝撃ボディ
Boseは、SoundLink Maxを「どこへでも連れ出せる」スピーカーとして設計しました。
その自信の表れが「IP67」等級の防水防塵性能です。
▼ IP67等級の具体的な性能
| 保護等級 | 内容 | 具体的なシーン |
|---|---|---|
| IP6X(防塵) | 粉塵が内部に侵入しない(耐塵形) | ビーチの砂、キャンプ場の土埃、工事現場の粉塵もシャットアウト |
| IPX7(防水) | 規定の圧力、時間で水中に浸漬しても有害な影響を受けない(一時的に水深1mに30分沈めてもOK) | 突然の豪雨、プールサイドでの水没、お風呂場での使用も問題なし |
さらに、SoundLink Maxは水に落としても水面に浮くフローティング設計を採用。
万が一、プールや川に落としてしまっても安心です。
筐体はシリコンで包まれたスチールボディで構成されており、非常に高い耐衝撃性を誇ります。
Boseの過酷な耐久テスト(1mの高さからのコンクリートへの落下テストなど)をクリアしており、アウトドアでのラフな扱いにも耐えうるタフネスさを兼ね備えています。
まさに「どこへでも最高の音楽を連れて行け」というBoseのメッセージを体現した設計です。
最新技術の搭載:Snapdragon SoundとBoseアプリ連携(イコライザー機能)
SoundLink Maxは、その内部性能も最新スペックにアップデートされています。
- Snapdragon SoundとaptX Adaptive対応
Bluetoothコーデックは、標準的なSBC、iPhoneユーザー向けのAACに加え、「aptX Adaptive」に対応。
これは、通信環境に応じて音質と遅延(レイテンシー)を自動で最適化する最新の規格です。
特にSnapdragon Sound対応のAndroidスマートフォンと組み合わせれば、最大24bit/96kHzのハイレゾ相当のワイヤレス再生と、動画視聴やゲームでも気にならないほどの低遅延を実現します。 - Bose Musicアプリによるイコライザー(EQ)調整
SoundLink FlexやMini IIにはなかった待望の機能が、Bose MusicアプリによるEQ調整です。- 高音(Treble)
- 中音(Mid)
- 低音(Bass)
上記の3バンドを、ユーザーの好みや再生する音楽ジャンルに合わせて自由に調整できます。
「Boseらしい低音は好きだけど、少し抑えたい」「ボーカルをもっと際立たせたい」といった細かなニーズに応えられるようになった点は、非常に大きな進化と言えるでしょう。
さらに、AUX(3.5mmステレオミニ)端子もしっかり搭載。
Bluetooth非対応の機器や、音の遅延を1ミリ秒でも排除したいPCゲームや楽器練習にも有線で対応できる、懐の深さも魅力です。
BOSE 「SoundLink Max Portable Speaker」の音質レビュー:シリーズ史上最強の「Max」サウンド

スペックがいかに優れていても、肝心の「音」が伴わなければ意味がありません。
ここでは、SoundLink Maxのサウンドを「重低音」「中高音」「音量バランス」の3つの側面から徹底的にレビューします。
圧倒的な重低音:深く響くが輪郭はクリア
SoundLink Maxから放たれる音を聴いて、誰もが最初に驚くのが「重低音の質と量」でしょう。
Boseの低音というと、一部では「ボワボワと膨らみすぎている」と評されることもありました。
しかし、SoundLink Maxの低音は全くの別物です。
デュアル・パッシブラジエーターが生み出す低音は、床や空気を振動させるほど「深く」、そして「パワフル」。ロックやEDMを再生すれば、まるで小型のサブウーファーがそこにあるかのような迫力を感じられます。
しかし、特筆すべきはその「コントロール性能」です。
音量を上げても低音が破綻したり、他の音域をマスク(覆い隠)したりすることがありません。
あくまで音楽の土台として、輪郭がぼやけない「締まりのある低音」が鳴り響きます。
▼ SoundLink Max 低音の特徴
- 深くパワフル: 空気を振動させるほどの量感。
- 輪郭がクリア: 膨らみすぎず、締まりがある。
- 破綻しない: 大音量でも歪まず、他の音域を邪魔しない。
この「量感」と「解像度」の両立こそが、SoundLink Maxが他のポータブルスピーカーと一線を画す最大のポイントです。
ボーカルの透明感:中高音域の解像度とバランス
これほど強力な低音を搭載しながら、SoundLink Maxは中高音域のクリアさを見事に両立させています。
中央に配置された専用ツイーターの恩恵は絶大で、女性ボーカルの息遣いや、アコースティックギターの弦を弾く繊細なニュアンス、シンバルのきらびやかな余韻まで、一切マスキングされることなく耳に届きます。
▼ SoundLink Max 中高音の特徴
- 高い解像度: ボーカルの息遣いや繊細な楽器音がクリア。
- ワイドな音場: 一体型スピーカーとは思えない左右の広がり。
- 絶妙なバランス: 強力な低音に埋もれない、透明感のあるサウンド。
低音から高音まで、全ての音域が主役でありながら、決して喧嘩することのない絶妙なサウンドバランス。
これこそBoseが長年培ってきた音響技術の集大成と言えるでしょう。
音量で音が変わらない:アクティブイコライザーの実力
SoundLink Maxには、Bose独自の「アクティブイコライザー」技術が搭載されています。
人間の耳は、音量が小さくなると低音や高音が聞き取りにくくなる特性があります。
アクティブイコライザーは、再生音量を監視し、音量が小さい時は自動的に低音と高音をブースト(強調)し、音量が大きい時はバランスを調整する技術です。
この機能により、SoundLink Maxは「どの音量で聴いても、理想的なサウンドバランスを維持」します。
- 小音量時: 深夜にBGMとして小さな音で流しても、低音の迫力が失われず、スカスカの音になりません。
- 大音量時: 屋外で最大音量にしても音が歪んだり、高音が耳障りになったりすることなく、クリアでパワフルなサウンドを維持します。
いつでもどこでも、Boseが意図した最高のサウンド体験を提供する。
このインテリジェントな音響処理こそが、SoundLink Maxの隠れた強みなのです。
ライバルと徹底比較!SoundLink Maxの立ち位置

約5万円という価格は、ポータブルスピーカーとしては間違いなくハイエンドクラス。
購入をためらう最大の理由も、この価格設定にあるでしょう。
ここでは、Boseの主要モデルや他社製品と比較し、SoundLink Maxの立ち位置を明確にします。
vs SoundLink Flex:携帯性か、絶対的な音質か
現在、Boseのポータブル機で最も人気のあるモデルの一つが「SoundLink Flex」です。
Maxの購入を検討する上で、最大のライバルは身内にいると言えます。
▼ SoundLink Max vs SoundLink Flex スペック比較
| 項目 | SoundLink Max (本機) | SoundLink Flex |
|---|---|---|
| 音響構造 | 3ドライバー + 2パッシブラジエーター | 1ドライバー + 2パッシブラジエーター |
| サウンド | 圧倒的ステレオサウンド、深い低音 | モノラルサウンド(PositionIQで最適化) |
| 重量 | 約2.22kg | 約0.59kg |
| サイズ | 幅26.5 x 高12 x 奥行10.5 cm | 幅20.1 x 高9 x 奥行5.2 cm |
| 連続再生 | 最大20時間 | 最大12時間 |
| 防水防塵 | IP67(水に浮く) | IP67(水に浮く) |
| EQ調整 | Boseアプリで可能 | 不可 |
| コーデック | aptX Adaptive, AAC, SBC | AAC, SBC |
| AUX入力 | あり | なし |
| 実勢価格 | 約58,000円 | 約19,000円 |
比較は一目瞭然です。
音質に関わる全てのスペック(ドライバー構成、コーデック、EQ、AUX)において、SoundLink MaxがFlexを圧倒しています。
▼ 用途別のおすすめ
- SoundLink Flexを選ぶべき人:
- 「音質も大事だが、何よりも軽さと携帯性を重視したい」
- 「リュックに気軽に入れて持ち運びたい」
- 「予算を2万円以内に抑えたい」
- SoundLink Maxを選ぶべき人:
- 「携帯性(重さ)よりも、絶対的な音質を優先したい」
- 「屋外でもパーティーを盛り上げられるほどの大音量が欲しい」
- 「自宅のリビングでもメインスピーカーとして使いたい」
Flexが「優れた音質のタフな相棒」だとしたら、Maxは「どこへでも持ち運べるメイン・オーディオシステム」です。
価格差は約3倍ですが、得られる音のスケール感と満足度は、価格差以上のものがあります。
vs SoundLink Mini II:伝説の名機からの進化点
「BoseのポータブルスピーカーといえばSoundLink Mini II」という方も多いでしょう。
あの小さな筐体から溢れ出す重低音に衝撃を受けた名機です。
▼ SoundLink Max vs SoundLink Mini II スペック比較
| 項目 | SoundLink Max (本機) | SoundLink Mini II SE |
|---|---|---|
| 音響構造 | 3ドライバー + 2パッシブラジエーター | 2ドライバー + 2パッシブラジエーター |
| サウンド | ワイドなステレオサウンド | コンパクトなステレオサウンド |
| 重量 | 約2.22kg | 約0.68kg |
| 連続再生 | 最大20時間 | 最大12時間 |
| 防水防塵 | IP67 | なし |
| EQ調整 | Boseアプリで可能 | 不可 |
| コーデック | aptX Adaptive, AAC, SBC | AAC, SBC |
| 充電端子 | USB Type-C(給電も可) | USB Type-C |
| AUX入力 | あり | あり |
SoundLink Mini IIも非常に優れたスピーカーですが、設計思想は古く、今や「クラシック」の領域です。
SoundLink Maxは、Mini IIが得意とした「サイズを超えた低音」というコンセプトを受け継ぎつつ、以下の全ての点において比較にならないレベルで進化しています。
- 音の広がり(ステレオ感)
- 音の解像度(特に中高音)
- 機能性(防水防塵、EQ、コーデック)
- パワー(絶対的な音量)
Mini IIのサウンドが「箱庭の中で完璧に作り込まれた低音」だとしたら、Maxのサウンドは「コンサートホールの最前列で浴びる音」です。
Mini IIのオーナーが買い替える対象として、これ以上の選択肢は存在しません。
他社ハイエンド機との違い:価格に見合う価値はあるか
JBLの「Boombox 3」やAnkerの「Soundcore Motion X600」など、他社からも大型・高音質のポータブルスピーカーが発売されています。
- JBL Boombox 3:
SoundLink Maxよりもさらに大型・大音量で、「野外フェス」のような圧倒的パワーが魅力です。
しかし、その分サイズと重量(約6.7kg)も桁違いであり、持ち運びの気軽さはMaxに軍配が上がります。
音質もJBLらしいドンシャリ系で、Boseのバランスの取れた深みのあるサウンドとはキャラクターが異なります。 - Anker Soundcore Motion X600:
約2万円という価格で空間オーディオに対応し、優れたコストパフォーマンスを誇ります。
しかし、絶対的な音のパワーや、深く沈む低音の「質」、そして筐体の高級感やブランド力においては、SoundLink Maxが明確に上回っています。
SoundLink Maxの立ち位置は独特です。
「Boombox 3」ほどの超弩級パワーは不要だが、「Motion X600」や「Flex」では物足りない。
「持ち運びの現実的なラインを維持しつつ、音質は一切妥協したくない」という、最も要求レベルの高い層のニーズにピンポイントで応える製品と言えます。
BOSE 「SoundLink Max Portable Speaker」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、筆者が実際にSoundLink Maxを約1ヶ月間、屋内外のあらゆるシーンで徹底的に使い込んだ「生の声」をお届けします。
開封の儀と第一印象:高級感ある質感と確かな重量
パッケージを開封し、本体を初めて手に取った瞬間に感じたのは、以下の2点です。
- 圧倒的な高級感:
粉体塗装されたスチールボディと、それを包むシリコン素材の手触りは非常に上質。
安価なプラスチック製スピーカーとは一線を画す「所有欲」を満たしてくれます。 - ずっしりとした密度感:
約2.22kgという重量は伊達ではありません。
しかし、この重さこそが高音質の証。
筐体が軽いと、強力なドライバーの振動を受け止めきれず、音がビビったり、低音が逃げたりしてしまいます。
この「重さ」は、不要な共振を抑え込み、クリアでパワフルなサウンドを生み出すための「信頼の重さ」だと感じました。
シーン別(屋内):リビングがライブ会場に変わる音の広がり
まずは自宅のリビング(約12畳)で試聴しました。
音量を30%程度に設定するだけで、部屋の隅々までリッチなサウンドが行き渡ります。
驚くべきは、やはりその「音の広がり」です。
スピーカー本体から音が出ているというよりも、まるで壁全体、あるいは空間そのものが鳴っているかのような臨場感。
テレビの前に置いて映画を観たところ、内蔵スピーカーとは比較にならない迫力と、セリフの明瞭さに圧倒されました。
次に、デスクに置きPCスピーカーとして使ってみました。
ニアフィールド(近距離)で聴くと、その解像度の高さをより一層実感できます。
AUX端子で有線接続すれば、音の遅延はゼロ。動画編集やPCゲームにも最適です。
ただし、デスク上で使うには、その存在感と低音のパワーが少々オーバースペック気味かもしれません。
シーン別(屋外):キャンプで主役になる大音量と安心感
次に、友人と参加したデイキャンプに持ち出してみました。
これこそがSoundLink Maxの独壇場です。
開けた屋外では、スピーカーのパワーが真に問われます。
SoundLink Maxは、音量を60%〜70%に上げるだけで、BBQの会話や川のせせらぎに一切かき消されることなく、参加者全員にクリアな音楽を届けることができました。
特に実感したのはIP67の安心感です。
- 突然の小雨
- テーブルから滴る飲み物
- 風で飛んでくる砂埃
そのどれもを気にすることなく、音楽に集中できるストレスフリーな体験は、非防水のスピーカーでは決して味わえません。
汚れたら水道水でそのまま丸洗いできるタフネスさも、アウトドア派には最高のメリットです。
携帯性とバッテリー:ロープハンドルの使い勝手と実際の持続時間
約2.22kgの重量は、リュックに入れて長時間歩き回るには向きません。
しかし、SoundLink Maxの携帯性は「重さ」だけで語るべきではありません。
標準装備されている「ロープ状のハンドル」が、この上なく優秀です。
登山用具にも使われる丈夫な素材でできており、本体の重さを感じさせない絶妙なバランスで持ち運べます。
家の中での部屋移動や、車からキャンプサイトへの移動など、「掴んで運ぶ」シーンにおいて、このハンドルの恩恵は計り知れません。
バッテリーの持続時間(公称最大20時間)も検証しました。
- 屋内でのBGM再生(音量30〜40%): 公称値を上回る約22時間の連続再生が可能でした。
- 屋外での大音量再生(音量70%): 約8〜9時間は余裕で持ちこたえ、1泊2日のキャンプでも充電不要なスタミナを確認できました。
接続性の評価:Bluetoothの安定性とAUX(有線)の価値
Bluetooth 5.3の接続性は極めて安定しています。
一度ペアリングすれば、電源を入れるだけですぐにスマートフォンに自動接続。
音途切れやノイズは、1ヶ月の使用中一度も発生しませんでした。
そして、個人的に高く評価したいのが「AUX入力(3.5mm端子)」の存在です。
ハイエンドモデルになるほど省略されがちなこの端子ですが、その価値は計り知れません。
- 動画視聴・ゲーム: Bluetooth特有の「音の遅延」がゼロになるため、映画やYouTube、リズムゲームも完璧に楽しめます。
- 高音質DAPとの接続: aptX Adaptive非対応のiPhoneや、高音質なポータブルオーディオプレーヤー(DAP)と有線接続することで、音源のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
無線(Bluetooth)の手軽さと、有線(AUX)の信頼性・高音質。その両方を備えている点が、SoundLink Maxの完成度をさらに高めています。
体験談の総括:1ヶ月使って感じた「Max」の真価
約1ヶ月間、文字通り寝食を共にするようにSoundLink Maxを使い倒して、今確信していることがあります。
それは、「本機は単なるスピーカーではなく、生活の質(QOL)を劇的に向上させる投資である」ということです。
▼ 私が感じた「生活の変化」
- 朝: お気に入りのジャズを流せば、いつものリビングがカフェのような上質な空間に変わる。
- 週末: 友人を招いたホームパーティーで、パワフルなサウンドが場を最高に盛り上げてくれる。
- 夜(屋外): キャンプの焚き火の前で聴くアコースティックな音色の深みは、他のスピーカーでは味わえない感動的な体験だった。
確かに「重い」し「高価」です。
しかし、使い込むほどに、その重さは「高音質のための信頼感」に、その価格は「日常を豊かにする対価」へと変わっていきました。
屋内でのリラックスタイムから、屋外でのアクティブな時間まで、全ての瞬間の「音の体験」をアップグレードしてくれる。
これが、1ヶ月使い込んだ私の偽らる総括です。
BOSE 「SoundLink Max Portable Speaker」に関するQ&A

BOSE 「SoundLink Max Portable Speaker」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
スピーカーで通話はできますか?
いいえ、マイクが搭載されていないため通話はできません。音楽再生専用です。
2台でステレオ再生はできますか?
はい、Boseアプリを使えば、2台のSoundLink Maxでステレオ再生(L/R分離)が可能です。
iPhone(AAC接続)で使っても高音質ですか?
はい、iPhoneでも全く問題なく高音質を楽しめます。スピーカー本体の性能が非常に高いため、AAC接続でも十分その実力を発揮します。
イコライザー(EQ)はありますか?
はい、Bose Musicアプリで「低音・中音・高音」の3バンドを自由に調整できます。
動画やゲームで使う時、音の遅延はありますか?
動画視聴(YouTubeやNetflixなど)では、遅延はほとんど気になりません。ただし、音ゲーやPCでの対戦ゲームなど、シビアなタイミングが求められる場合は、有線(AUX)接続をおすすめします。
バッテリーは実際どのくらい持ちますか?
音量によります。室内でのBGM再生(小~中音量)なら20時間以上持ちます。屋外での大音量再生時は、8~9時間程度が目安です。
スマホを充電できますか?
はい、USB-Cポートからスマートフォンなどに給電できます。ただし、本体のバッテリーを使うため、緊急用と考えるのが良いでしょう。
お風呂やプールサイドで使えますか?
はい、全く問題ありません。IP67の強力な防水・防塵性能を備えており、水にも浮きます。汚れたら水洗いも可能です。
やはり重さ(約2.22kg)は気になりますか?
正直、リュックに入れて気軽に持ち歩くには重いです。ただ、優秀なハンドルが付いているので、「掴んで運ぶ(家の中の移動や車からキャンプ地までなど)」のは得意です。
SoundLink Flexを2台(ステレオ)と、Maxを1台なら、どちらがおすすめですか?
1台で完結する音のパワーと低音の「質」を求めるなら、Max 1台がおすすめです。Max 1台の音圧はFlex 2台を上回ります。もし設置の自由度や携帯性を最優先するならFlex 2台も良い選択です。
SoundLink Mini IIと比べて、音はどれくらい違いますか?
全くの別物と考えてください。音のパワー、低音の深さ、音の広がり(ステレオ感)、解像度のすべてにおいて、MaxがMini IIを圧倒しています。
テレビに接続してサウンドバー代わりに使えますか?
はい、使えます。テレビのヘッドホン端子とSoundLink MaxのAUX(有線)端子を接続すれば、遅延なく迫力のあるサウンドを楽しめます。ただし、テレビのリモコンでの音量操作はできなくなる場合があります(スピーカー本体で操作)。
レビューのまとめ:SoundLink Max購入判断ガイド

これまでのレビュー内容を踏まえ、SoundLink Maxの「買い」判断を総まとめします。
メリット:SoundLink Maxの優れた点まとめ
SoundLink Maxがライバル製品と比べて明確に優れている点は、以下の通りです。
- 妥協のない圧倒的な高音質: 深くパワフルな低音と、クリアで伸びやかな中高音域の見事な両立。
- ポータブル機の常識を超える音場: 1台で完結するとは思えないワイドなステレオサウンド。
- 万全の堅牢性: IP67の防水防塵性能と高い耐衝撃性で、あらゆるシーンに対応。
- 洗練されたデザインと高級感: どんなインテリアにも馴染む上質な質感。
- BoseアプリによるEQ調整: 遂に対応したイコライザーで、自分好みのサウンドを追求可能。
- 充実の接続性: 最新のaptX Adaptiveと、信頼性の高いAUX入力を両搭載。
- 強力なバッテリー: 通常使用なら20時間以上持つ、安心のスタミナ。
デメリット:購入前に知るべき注意点(重さ・価格・マイク非搭載)
一方で、購入前に許容すべき点も存在します。
- 価格: 約5万8千円という価格は、ポータブルスピーカーとして最高クラス。この価値を見出せるかが最大の焦点です。
- 重量: 約2.22kgという重さ。リュック一つで身軽に移動したい人には不向きです。「持ち運ぶ」というより「据え場所を移動させる」感覚に近いでしょう。
- マイク非搭載: スピーカーフォンとしての機能(通話機能)はありません。音楽再生に特化したモデルです。
これらのデメリットが、あなたにとって致命的でないかを確認してください。
コストパフォーマンスの評価:価格は妥当か?
SoundLink Maxの「コストパフォーマンス(費用対効果)」は、評価が分かれるでしょう。
「とにかく安く、それなりの音を」と望むなら、Ankerなどの製品が優れています。
しかし、SoundLink Maxで評価すべきは「プライスパフォーマンス(価格対満足度)」です。
本機が提供するのは、「ポータブル」という制約の中でBoseが出し得る「最高のサウンド体験」そのものです。
リビングでも、キャンプ場でも、旅先でも、妥協のない音に包まれるという満足感。
この「体験価値」に対して、約5万円を高いと感じるか、妥当(あるいは安い)と感じるか。
それが本機の評価の分かれ目です。筆者個人の見解としては、この音質と機能性、所有欲を満たす作り込みを考えれば、価格に見合う満足度は十二分にあると断言します。
SoundLink Maxはこんな人におすすめ!
- ポータブルスピーカーの音質に、一切の妥協をしたくない人
- Boseの深く、迫力のある重低音が大好きな人
- リビングでもメイン機として使えるパワフルなスピーカーが欲しい人
- キャンプやBBQなど、屋外で大音量の音楽を楽しみたい人
- SoundLink Mini IIやFlexからの、明確なアップグレードを求めている人
SoundLink Maxはこんな人には不向きかも?
- 音質よりも「軽さ」「小ささ」を最優先する人 (→ SoundLink Flexがおすすめです)
- スピーカーに5万円以上の予算をかけることに抵抗がある人 (→ Anker Soundcore Motion X600などが候補になります)
- スピーカーで通話(ハンズフリー通話)もしたい人
BOSE 「SoundLink Max Portable Speaker」レビューの総括:高価だが後悔なし!最高のポータブルサウンド体験を
「Bose SoundLink Max」は、BoseがSoundLinkシリーズの「王座」を本気で奪還しに来た、渾身の一作です。
そのサウンドは、ポータブルというカテゴリの限界を押し上げる、まさに「Max」の名にふさわしいものでした。
確かに高価です。
そして、重いです。
しかし、その重厚なボディから解き放たれるサウンドを一度体験してしまえば、その価格と重さが「最高の音」のために必要な対価であったと、誰もが納得するはずです。
SoundLink Maxに興味を持ち 、この記事にたどり着いたあなたが、もし「どこへでも持ち運べる、妥協のない最高の音」を求めているのであれば、迷う必要はありません。
SoundLink Maxは、あなたの音楽体験を、屋内でも屋外でも、かつてないレベルへと引き上げてくれる、最高の相棒となるでしょう。


