ワイヤレスヘッドホン市場において、音質とデザインの両立を高水準で実現する製品はそう多くはありません。
その中で、英国の名門オーディオブランド Bowers & Wilkins(バウワース&ウィルキンス)が送り出す「Px7 S3」は、まさに“所有する喜び”を味わえる一台として注目されています。
本モデルは、前作「Px7 S2」の後継機に位置づけられながら、ドライバーユニット以外をフルリニューアルした実質的なフルモデルチェンジ。
音質面だけでなく、デザイン、装着感、ノイズキャンセリング、マルチポイント対応といった機能面でも大きく進化を遂げています。
オーディオファンからファッション感度の高いユーザーまで幅広く支持されてきたPxシリーズ。
この記事では、「Px7 S3」の特徴や前モデルとの違い、実際の使い勝手や音質の印象までを多角的にレビューし、どんなユーザーにおすすめできるのかを明らかにしていきます。
これからワイヤレスヘッドホンの購入を検討している方や、Px7シリーズに興味がある方にとって、有益な参考情報となることを目指して解説していきます。

Bowers & Wilkins 「Px7 S3」とは?

イギリス発の高級オーディオブランド「Bowers & Wilkins(B&W)」が展開するプレミアムワイヤレスヘッドホンシリーズ「Px7」の最新モデルが「Px7 S3」です。
本機は、単なるマイナーチェンジではなく、ドライバー以外を一新したフルモデルチェンジに近い刷新が行われており、音質・装着感・機能性すべてにおいて前作を大きく上回る完成度を誇ります。
ブランド「Bowers & Wilkins」の魅力
- 創業年:1966年(英国)
- ルーツ:高級スピーカー開発のパイオニア
- 実績:著名な音楽スタジオや映画館での採用実績多数
- 近年の動向:デイビッド・ベッカムとのパートナーシップ締結(2024年)
Bowers & Wilkinsは、長年にわたり音の正確さ・解像度・品位の高さを追求してきたブランドであり、その音響技術を受け継いで設計されたワイヤレスヘッドホンシリーズも、音楽愛好家やオーディオマニアから高く評価されています。
「Px7 S3」の基本スペックと注目機能
以下は、「Px7 S3」の主な仕様と注目ポイントをまとめた一覧表です。
項目 | 内容 |
---|---|
Bluetoothバージョン | 5.3 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX / aptX Adaptive / aptX Lossless(96kHz/24bit) |
ドライバー構成 | 40mm バイオセルロース製ダイナミックドライバー |
ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング(マイク8基搭載) |
外音取り込み | 対応(自然で実用的な音質) |
マルチポイント接続 | 対応(接続の自動切り替え改善) |
再生時間 | 最大30時間(15分充電で7時間使用可能) |
重量 | 約300g |
カラー展開 | アンスラサイトブラック / インディゴブルー / キャンバスホワイト |
アプリ対応 | Bowers & Wilkins Music App(5バンドEQ、ノイキャン調整、ファーム更新など) |
特筆すべきは、aptX Lossless対応によるCD品質を超える高音質再生と、8基に増設されたノイキャン用マイクによる遮音性と外音取り込み精度の大幅向上です。
前モデルとの主な違い
前作「Px7 S2」や「S2e」との比較において、Px7 S3は以下の点で進化しています。
比較項目 | Px7 S2 / S2e | Px7 S3 |
---|---|---|
ドライバー構成 | 40mm(同一) | 40mm(同一) |
コーデック対応 | aptX Adaptive(48kHz/24bit) | aptX Lossless(96kHz/24bit)対応 |
ノイキャンマイク数 | 6基 | 8基(強化) |
本体デザイン | やや厚みあり | 薄型ハウジング、スマートなシルエット |
装着感 | 軽めの密閉感 | やや密閉感強化、遮音性向上 |
ボタン操作 | ハウジング外側 | 側面へ移動しデザイン向上 |
マルチポイント | 実質1台+手動切替 | 2台同時+自動切替に対応 |
EQバンド数 | 2バンド(制限あり) | 5バンド対応 |
特に、実用性と音質向上の両立が実現されたこと、およびデザインや装着性においても日常使いでの快適さが向上している点が「S3」の大きな進化といえます。
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」のデザインと装着感の進化

Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、単なる音響機器としてだけでなく、ファッションアイテムとしての存在感も重視されています。
ここでは、「S2」から「S3」にかけてどのようなデザイン的・構造的進化があったのかを紐解いていきます。
高級感とスタイリッシュさを兼ね備えた外観
Px7 「S3」のデザインは、高級感・機能性・ミニマルな美しさを両立しています。
主なデザインの特徴:
- 外観素材:
メタル調パーツとファブリック素材の組み合わせにより、上質な印象を演出。 - 曲線美:
側面から見ると滑らかなカーブを描くボディラインは、B&Wらしい上品さを体現。 - カラー展開:
- アンスラサイトブラック(シックでプロフェッショナル)
- インディゴブルー(個性的で爽やか)
- キャンバスホワイト(上品で軽やか)
- パーツ配置の見直し:
ボタン類がハウジングの側面に移動。見た目がより洗練されたうえ、誤操作防止にもつながっている。
薄型ハウジングによるシルエットの変化
見た目だけでなく、立体構造そのものも大きく進化しています。
S2とS3のハウジング構造比較:
項目 | Px7 S2 / S2e | Px7 S3 |
---|---|---|
ハウジング厚み | やや厚め、飛び出し感あり | 薄型化、スマートな印象 |
フォルム | 縦長楕円 | やや角ばったスクエア寄り |
側面デザイン | フラットなメタルリング | チャック風ディテール入り(好みが分かれる) |
折りたたみ機構 | 水平回転のみ | 同様だがより薄く収納可能 |
この薄型化により、前面から見た際の装着バランスが向上し、顔まわりがすっきり見えるようになりました。
フィット感と快適性のバランス
装着感においても、ユーザーの声を反映して大幅な改良が加えられています。
主な進化ポイント:
- イヤーパッド:
- メモリーフォームを使用し、耳の形に沿ってしっかり密閉。
- クッション性がやや強化され、密閉度アップと遮音性向上に貢献。
- ヘッドバンド:
- 厚みが増し、頭頂部の圧力を分散。
- 無段階調整式で、より細かくフィットさせられる。
- 密閉感と圧迫感のトレードオフ:
- S3は密閉度重視で、ややタイトな装着感。
- S2の方が軽快だが、遮音性は劣る。
- 重さ: 約300g
ワイヤレスヘッドホンとしてはやや重めだが、高級感や安定感を求めるユーザーには好意的に受け入れられている。
フィット感の目安:
評価軸 | Px7 S2 | Px7 S3 |
---|---|---|
密閉感 | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
圧迫感 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
軽快さ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
スマートな見た目 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
Px7 「S3」は、視覚的な高級感を保ちつつ、より洗練された装着体験と実用性のあるフィット感を追求したモデルです。
長時間使用するユーザーや、屋外でもファッション性を大切にしたいユーザーにとって、特に魅力的な選択肢となるでしょう。
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」の音質・機能・使い勝手の実力

Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、単なる高級デザインのワイヤレスヘッドホンではなく、音質と機能性の両立を図った“実用重視の高音質モデル”です。
以下では、音のチューニング傾向やノイズキャンセリング機能、操作性まで総合的に検証していきます。
音質の傾向とジャンル別相性
基本構成と音響設計
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、以下のような音響的な要素が音質に直結しています:
- 40mm バイオセルロースドライバー
→ 軽量かつ剛性の高い振動板素材で、歪みが少なく、シャープな音を実現。 - 専用設計のサスペンション構造
→ ドライバーの不要な振動を排除し、音像のブレを防ぐ設計。 - 薄型ハウジングと角度調整
→ 耳との距離を最適化し、密閉感と音響空間の両立を実現。 - 24bit DSPチップによる音声処理
→ 微細な音の輪郭や空間表現を向上。 - aptX Lossless対応(最大96kHz / 24bit)
→ Bluetooth経由でも有線並みの情報量を確保。
音域別の音質評価
音域 | 特徴 | 比較ポイント |
---|---|---|
低音域 | 引き締まったタイトさと重低音の量感を両立。サブベースの響きが明確で深みもある。 | S2ではやや膨らんだ低音だったが、S3はコントロールされた“スマートな低音”に進化。 |
中音域 | ボーカルの立体感が向上。口元の息遣いやブレスの描写も丁寧。 | Px7 S2に比べて、ボーカルの距離感が近く、よりリスナーに寄り添う印象。 |
高音域 | シンバルやハイハットの余韻が自然。高域の伸びが改善され、金属音の美しさが際立つ。 | S2ではやや詰まっていた高域が、S3では透明感と自然な減衰で表現されるようになった。 |
音場 | 密閉型とは思えない広さ。音が前後左右にふわっと広がる感覚あり。 | イヤーパッドの密閉感向上が、定位と音の拡がりの両立に寄与。 |
解像度 | 各パートが明瞭で、混濁感が少ない。空間内の音の「粒立ち」が良い。 | チューニングの最適化により、aptX未対応デバイスでも差を感じられるレベル。 |
ジャンル別の音楽との相性
ジャンル | 相性 | 理由 |
---|---|---|
クラシック | ★★★★★ | オーケストラの重なりを空間的に再現。音場の広さと解像度が強み。 |
ジャズ | ★★★★★ | サックスやウッドベースの残響が艶やか。定位と輪郭が秀逸。 |
ロック/メタル | ★★★★☆ | バスドラムのアタック感がくっきり。ギターのカッティングも鋭い。 |
ポップス | ★★★★★ | ボーカル帯域が明瞭で、歌メインの構成と相性抜群。全体バランスも良好。 |
EDM/ヒップホップ | ★★★★☆ | サブベースの振動が力強く、ビート感がしっかり伝わる。少し柔らかめな印象もあり。 |
アコースティック | ★★★★★ | ナチュラルで飾りすぎない音。弦のニュアンスまでクリアに描写。 |
有線接続時の音質向上
「Px7 S3」はUSB Type-Cによるデジタル有線接続にも対応しており、Bluetoothよりもさらに高音質な再生が可能です。
- 対応フォーマット:最大96kHz / 24bit
- 特徴:空間の解像感、奥行き表現がさらに明確に。ボーカルの肉付きや低音の深みが増す
- ノイズキャンセリングも併用可能(有線時でも)
iPhoneなどAAC接続になる端末ユーザーにとっては、USB接続による有線再生がベストな音質体験になることも。
音質に関する総合評価
項目 | 評価(5点満点) | 備考 |
---|---|---|
解像度 | 5.0 | 同価格帯最高クラス |
バランス | 4.8 | W型チューニングで広範な音楽に対応 |
空間表現 | 4.7 | 密閉型ながら広がりあり |
没入感 | 4.9 | 密閉感・遮音性・サウンド設計が連携 |
ジャンル対応力 | 4.8 | オールラウンダー。特にジャズ・クラシックに強み |
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、単なる“美音”ではなく、リアルで力強い音楽体験を提供できるバランス型のハイエンドヘッドホンです。
Bluetoothでも高品位、かつ有線でさらに深く音楽と向き合える構造は、音質に妥協したくないリスナーに最適です。
ノイズキャンセリング・外音取り込み性能
アクティブノイズキャンセリング(ANC)
項目 | 内容 |
---|---|
マイク数 | 8基(前モデル比+2基) |
特徴 | 中高域の環境ノイズ(人の声・空調音など)への遮音効果が特に高い |
圧迫感 | 少なく、自然な使用感 |
評価 | 強すぎない自然派ANC(静寂志向より快適性重視) |
外音取り込み(アンビエントモード)
- 音量・自然さともに大幅に改善
- 自然な会話や店頭でのやりとりに対応
- 自分の声もこもらず、クリアでストレスの少ない使い心地
総合評価
機能 | 評価 |
---|---|
ノイズキャンセリング | 高精度かつ自然な遮音性能。耳圧なし |
外音取り込み | 自然で実用的。違和感のない聴こえ方 |
操作性・アプリ・マルチポイント対応
操作性
- すべて物理ボタン式:タッチ操作による誤動作なし
- 電源ボタン:スライド式で直感的
- 再生/停止・音量調整:ギザ加工により触覚で識別可能
- 残念点:ノイキャン⇔外音モード切替時に“ノーマルモード”を必ず経由(操作ステップがやや多い)
アプリ(Bowers & Wilkins Music App)
主な機能 | 内容 |
---|---|
EQ調整 | 5バンドのカスタムイコライザー対応 |
環境モード制御 | ノイキャン/外音取り込みの切替 |
クイックアクション設定 | ボタン機能の割当が可能 |
ファームウェア更新 | 今後の空間オーディオ対応などを見据えて必須 |
マルチポイント対応
- 2台同時接続に完全対応(自動切替可能)
- 旧モデルに見られた「2台目手動接続」問題を解消
- オーディオ再生の優先順位制御あり(再生と同時にスイッチ)
遅延と通話性能
項目 | 評価 | 内容 |
---|---|---|
映像視聴時の遅延 | ◎ | YouTubeや動画鑑賞は問題なし |
ゲーム用途 | △ | 低遅延モード非搭載のため、遅延あり(USB有線推奨) |
通話品質 | ◯〜◎ | ビームフォーミングマイクによる明瞭な音声。風環境下はやや注意 |
「Px7 S3」は、音質・快適性・操作性のすべてを実用レベルでバランス良く仕上げたハイエンドモデルです。
特に、aptX Losslessやマルチポイントの挙動改善といった技術面での進化により、オーディオファンにもビジネス用途にも対応できる万能機といえるでしょう。
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」を使用した私の体験談・レビュー

Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、私にとって「音楽を聴く行為」そのものの価値を再認識させてくれたヘッドホンでした。
使用期間は約2週間、主に日常生活・仕事・外出・集中作業・リラックスタイムの5シーンに分けて使用。
その中で感じた実体験を機能別・状況別に詳しくお伝えします。
シーン①:自宅での音楽鑑賞
使用環境:
- 夜のリラックスタイム(照明を落としての試聴)
- 主にSpotifyのロスレス配信(aptX Adaptive・iPhoneではAAC)
実感したポイント:
- 音場の広さと定位の正確さが印象的で、アコースティック曲では「演奏者の配置」が明確に伝わる。
- 特に女性ボーカルの距離感が絶妙で、「スピーカーで聴いているような自然さ」がありました。
- 低音は誇張されすぎず、ベースラインの“動き”が細かく追える感覚。深夜の静けさに溶け込むような音。
- 有線接続時は情報量が一段上がり、ストリングスの響きやギターのタッチがよりリアルに。
使用ジャンル別感想:
ジャンル | 所感 |
---|---|
クラシック | ピアノの余韻が空間全体に広がる。ハンマーの響きも繊細に再現。 |
ジャズ | トランペットの金属的な響きと、ウッドベースの温かみの両立が心地よい。 |
ロック | ドラムの立ち上がりがシャープで、ボーカルの推進力が強く、ライブ感がある。 |
ボーカル | 息遣いやブレスの微細な動きも伝わり、感情表現がストレートに伝わる。 |
シーン②:カフェ・外出先での使用
使用環境:
- カフェでの作業時や電車移動中
- 周囲に人の話し声やBGMがある環境
実感したポイント:
- ノイズキャンセリングは静寂をつくるというより、“集中できる静けさ”を演出してくれる。
- 特に人の話し声やキーボード音の遮音性が高く、耳障りな中高音がマスキングされる感覚。
- 外音取り込みをONにすると、自分の声が自然に聞こえ、イヤホンを外す必要がない快適さを感じた。
- イヤーカップを薄型にしたことで、首掛けスタイルでも自然な見た目になったのは予想以上に便利。
シーン③:デスクワーク・リモート会議
使用環境:
- 自宅のワークスペースでの使用
- Zoom/Teamsでの会議多数(マイク内蔵での使用)
実感したポイント:
- 長時間装着していても側圧は適度で、頭頂部への圧迫も少ない(ただし3時間以上は少し疲れあり)。
- マイク性能が思った以上にクリアで、「声が聞き取りやすい」とのフィードバックが多かった。
- マルチポイント機能でPCとスマホを自動で行き来できるのは圧倒的に便利。音楽再生中でも着信がすぐ切り替わる。
シーン④:集中作業時(ライティング・プログラミング)
使用環境:
- 無音またはホワイトノイズを流す空間で作業
- 音楽はインスト中心
実感したポイント:
- ノイキャンON+環境音で“音のバリア”が作れる感覚。思考が深く集中モードに入れる。
- 高解像度で空間表現が巧みなため、長文執筆中でも耳疲れが起きにくかった。
- EQで低音を軽く持ち上げると、タスクがテンポよく進む印象も。
シーン⑤:移動・通話・日常利用
実感したポイント:
- 通話時、周囲の雑音(カフェのBGM・風)を適度に抑えてくれるので、会話がスムーズ。
- マイクが自分の声を自然に拾い、自分でも喋りやすい感覚があった。
- 通勤時の使用では、首にかけた際のフィット感・デザインが絶妙で“ただのガジェット感”がないのが好印象。
総合評価
項目 | 評価(5点満点) | コメント |
---|---|---|
音質 | ★★★★★ | ジャンルを問わず高解像度。aptX Losslessの恩恵は大きい。 |
ノイキャン | ★★★★☆ | “静けさ”よりも“集中できる音場”を提供。 |
外音取り込み | ★★★★★ | 自然な聞こえ方で、耳にこもらずストレスなし。 |
装着感 | ★★★★☆ | 密閉感◎、側圧は好みが分かれるかも。 |
操作性 | ★★★★☆ | 物理ボタン◎、ただしモード切替はやや煩雑。 |
通話性能 | ★★★★☆ | ビジネス通話には十分な明瞭さ。風環境だけ注意。 |
所有満足度 | ★★★★★ | デザイン・機能・音質、どれも高水準で所有欲が満たされる。 |
「Px7 S3」は、「日常に音楽を根付かせたい人」「音に集中できる時間を作りたい人」にとって最良のパートナーとなるヘッドホンです。
高音質かつ実用性の高い装着感、機能、そしてなにより所有する喜びを感じさせてくれる完成度の高さが、長く使いたくなる理由です。
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」に関するよくあるQ&A

Bowers & Wilkins 「Px7 S3」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「Px7 S2」や「S2e」との違いは何ですか?
「Px7 S3」はドライバーユニットを除くほぼ全てが新設計されたモデルです。
主な違いは以下の通りです。
項目 | Px7 S2 / S2e | Px7 S3 |
---|---|---|
ドライバー構成 | 40mm バイオセルロース | 同左(同構成) |
ノイズキャンセリング | マイク数:4基 | マイク数:8基で大幅強化 |
Bluetoothコーデック | aptX Adaptive / HD | aptX Adaptive / Lossless 対応 |
外音取り込み性能 | 実用レベル | より自然な聞こえ方に進化 |
デザイン | やや厚みあり | 薄型&高密閉設計に変更 |
アプリ機能 | EQ:2バンド | EQ:5バンド対応など強化 |
マルチポイント | 実用性に課題あり | 切替速度が大幅改善 |
LDACには対応していますか?
LDACには非対応です。代わりに、aptX LosslessやaptX Adaptiveに対応しており、対応端末との組み合わせでCD音質を超える高解像度再生が可能です。
ノイズキャンセリング性能はどのくらい強いですか?
SONYやBOSEの最上位機種に比べると若干マイルドですが、人の話し声や中高音ノイズには非常に強く、自然な静けさを実現します。密閉感と相まって、音楽への集中度は非常に高いです。
長時間使用しても疲れませんか?
側圧はやや強めでフィット感と密閉感を優先した設計です。2〜3時間程度の連続使用は快適ですが、個人差によっては短い休憩を挟むことで快適さが持続します。
USB接続での有線再生は可能ですか?
USB-Cケーブルでの有線接続に対応しています。この場合、最大96kHz/24bitのハイレゾ再生が可能で、Bluetooth接続以上の解像感を体験できます。
外音取り込み機能は自然ですか?
非常に自然です。自分の声がこもらず、会話も違和感なく可能。マイクの進化により、ヘッドホンを外すことなく会話やアナウンスの確認がしやすくなっています。
ゲーム用途にも使えますか?
Bluetooth接続では低遅延モードが非対応のため、シューティングや音ゲーにはやや不向きです。ただし、USB接続なら遅延はほぼ感じません。動画視聴はBluetoothでも問題ないレベルです。
アプリでできることは何がありますか?
Bowers & Wilkinsのアプリでは以下の操作が可能です:
- ノイズキャンセリング/外音取り込みの切替
- 5バンドEQの調整
- 装着検出センサーの設定
- クイックアクション(物理ボタンのカスタム)
- バッテリー残量確認
- ファームウェアアップデート
Px8と迷っています。どちらが良いでしょうか?
Px8はより高級素材を使用し、音質チューニングもさらに濃密で重厚な傾向です。
一方、Px7 S3は音質・機能・デザインのバランスが良く、価格とのコストパフォーマンスに優れています。
比較軸 | Px7 S3 | Px8 |
---|---|---|
音の傾向 | 明瞭で万能型 | 濃厚で密度感重視 |
素材 | アルミ&ファブリック | 高級レザー&削り出しアルミ |
価格 | 約68,200円 | 約96,800円前後 |
総評 | 実用性・コスパ◎ | 音質と所有欲を極めたい人向け |
iPhoneでも高音質で聴けますか?
AACコーデックで高品質な再生が可能です。さらに、USB-C to Lightningアダプターを使用すれば、有線接続で96kHz/24bitのハイレゾ再生も可能です。iPhoneユーザーでも十分な音質を楽しめます。
外で使っても目立ちすぎませんか?
「Px7 S3」はスタイリッシュで落ち着いた高級感を持つデザインで、ブラック系やホワイト系を選べばスーツにも私服にも自然に溶け込みます。派手すぎない上質感があるため、ビジネス街でも違和感はありません。
充電時間とバッテリー持ちはどれくらいですか?
- 再生時間:最大30時間(ノイズキャンセリングON時)
- 急速充電:15分の充電で約7時間使用可能
- フル充電時間:約2時間
普段使いなら数日に1回の充電で十分持ちます。
折りたたんでコンパクトに収納できますか?
完全な折りたたみ構造ではありませんが、ハウジングが180°回転するため、キャリングケースにはフラットに収納できます。付属のセミハードケースはしっかりした造りで持ち運びにも安心です。
軽い運動中でも使えますか?
日常の軽いウォーキングや移動中であれば問題ありませんが、防滴・防水性能は非搭載です。汗や雨にさらされる場面では使用を控えた方が良いでしょう。
有線接続時にもノイズキャンセリングは使えますか?
USB-Cケーブルで有線接続した場合でもノイズキャンセリング機能は使用可能です。環境音を遮断しながら、より高解像度な音を楽しめます。
音漏れはしにくいですか?
密閉型&高い密閉感を持つイヤーカップ構造により、音漏れは非常に少ないです。図書館やオフィスなど静かな場所でも、周囲に迷惑をかけにくい設計になっています。
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」レビューのまとめ

Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、音質・デザイン・装着感・ノイズキャンセリング・操作性・アプリ機能など、すべての要素において高い完成度を誇るワイヤレスヘッドホンです。
前モデルである「Px7 S2」や「S2e」と比べると、もはや「マイナーチェンジ」では語れないほどの進化を遂げており、実質的にはフルモデルチェンジに近い内容といえます。
特に優れているポイント
項目 | 内容 |
---|---|
音質 | aptX Adaptive/Lossless対応、40mmバイオセルロースドライバー、最適化されたDSPにより高解像度かつ立体感あるサウンドを実現。 |
デザイン | 薄型ハウジング&洗練された素材構成。ファッション性と高級感を両立し、ビジネスにもカジュアルにも対応。 |
装着感 | 密閉性が高く、ノイズアイソレーション性能も向上。やや側圧はあるが、安定したフィット感。 |
機能性 | 8マイク構成の強化ノイズキャンセリング、自然な外音取り込み、USB有線再生にも対応。 |
アプリ・操作性 | EQカスタム・装着センサー・マルチポイント接続など、細かい設定も可能で実用的。 |
惜しいと感じた点
項目 | コメント |
---|---|
外音切替操作 | ノーマルモードを経由する仕様はやや煩雑。ワンタップでノイキャン→外音に切り替えたい。 |
LDAC未対応 | aptX系には対応しているが、LDACに非対応なのは一部Androidユーザーにとって惜しい。 |
側圧の強さ | 密閉感とのトレードオフだが、長時間装着では小休憩を挟みたくなることも。 |
こんな人におすすめ
- 音質にとことんこだわりたい人
- ノイズキャンセリングの性能と自然さを両立させたい人
- デザイン性にも強いこだわりがある人
- ビジネスシーンでも私用でも使いたい人
- aptX Losslessに対応したスマホやDAPを持っている人
総合評価
評価項目 | 点数(5点満点) | コメント |
---|---|---|
音質 | 5.0 | Bluetoothヘッドホンとしては最高クラス。 |
デザイン | 5.0 | 所有欲を満たす美しい仕上がり。 |
装着感 | 4.5 | 密閉性は高評価。ただし長時間利用は個人差あり。 |
機能性 | 4.8 | ノイキャン・外音・アプリ連携、すべてが高水準。 |
コスパ | 4.5 | 高価格帯だが、それに見合う品質と満足感。 |
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」レビューの総括
Bowers & Wilkins 「Px7 S3」は、ワイヤレスヘッドホンに求められる音質・機能・装着感・デザインのすべてを高い次元で融合した、まさにプレミアムモデルにふさわしい一台です。
aptX Lossless対応による高解像度な音質、8マイク構成による強化されたノイズキャンセリング、ファッション性の高い洗練されたデザイン、そしてマルチポイントや5バンドEQなどの実用的な機能性は、日常の音楽体験を一段と豊かにしてくれます。
確かに価格は高めではありますが、それに見合うだけの価値をしっかり感じさせてくれる完成度の高さが魅力です。
機能や音質に一切妥協したくない、真の“良い音”と“所有感”を追求したい方にとって、このヘッドホンは有力な選択肢となるでしょう。
音楽が“聴こえる”だけでなく、“心に響く”体験へと変わる——それが、「Px7 S3」がもたらす真の価値です。
