近年、ワイヤレスヘッドホン市場は「高音質」と「利便性」の両立が急速に進化しています。
その中で、オーディオブランドEDIFIERが満を持して送り出したのが「STAX SPIRIT S5」です。
本機は、EDIFIERが傘下に持つ伝説的ブランド「STAX」の技術思想を継承した平面磁界駆動(プラナー)型ヘッドホンであり、ワイヤレスでありながら有線クラスの解像度を追求した一台です。
STAXといえば、静電型ヘッドホンの代名詞ともいえる存在。
そのノウハウをベースに、「STAX SPIRIT S5」では最新の“プラナー磁気ドライバー”を採用し、STAXの音作りをBluetooth環境下で体験できることが最大の魅力です。
さらに、LDAC・Snapdragon Sound・aptX Adaptiveといったハイレゾ対応コーデックを網羅。
加えて、マルチポイント接続や長時間再生、専用アプリによるEQカスタマイズにも対応するなど、機能面でも抜かりがありません。
音質面では、低域の制動力と伸びやかな高域、そして中域の透明感を兼ね備えた“モニターライクなHi-Fiサウンド”を実現。
一方で、デザイン面ではメタルとレザーを組み合わせた高級感あふれる仕上がりで、所有欲を満たすプロダクトとしても完成度が高いモデルです。
この記事では、実際の使用感や音質の傾向、装着感、操作性などを総合的にレビューします。
高音質とワイヤレスの快適さを両立したい方、そして“STAXの音”を気軽に楽しみたい方にとって、このレビューは最適な指針となるはずです。
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」の概要と特徴

ブランド「EDIFIER」と「STAX」技術の融合
EDIFIERは、傘下にある老舗オーディオブランド「STAX」の技術思想を受け継ぎ、STAX SPIRITシリーズを開発しました。
この「S5」では、平面磁界(プラナー)型ドライバーを搭載し、STAXで培った「繊細な音の再現力」と「レスポンスの速さ」をBluetooth環境下で体験できる点が最大の特徴です。
さらに、最新のBluetooth 5.4を採用し、伝送の安定性や遅延の低減を実現。
ハイレゾ対応コーデックも幅広くサポートしており、スマートフォンでも高品位なサウンドを楽しめます。
主な対応コーデックは以下の通りです。
- LDAC / LHDC:ハイレゾ相当の高音質伝送
- Snapdragon Sound(aptX Lossless / Adaptive / HD)対応
- AAC / SBCにも対応し、機種を選ばず使用可能
有線クラスの音質をBluetoothで実現した、まさに“STAX流”ワイヤレスヘッドホンです。
外観デザインと質感:高級感と堅牢性のバランス
「STAX SPIRIT S5」は、第一印象から「上質さ」と「実用性」の両立を感じさせます。
メタル調のアームとレザー調のパッドが高級感を演出し、シンプルながら存在感のあるデザインです。
また、ANC(アクティブノイズキャンセリング)は非搭載ですが、分厚いイヤーパッドによるパッシブ遮音性が非常に高く、自然な静寂感を得られます。
デザインと快適性のポイント
- メタル×レザーの上質な仕上げで、ビジネスにもカジュアルにも馴染む
- クッション性の高いイヤーパッドで長時間リスニングも快適
- 頑丈なヒンジ構造と軽量ボディで、日常使いでも安心
- 折りたたみ式+専用ケース付きで持ち運びも容易
ノイズを「遮断」するのではなく、原音の細部を「聴かせる」設計思想が光ります。
主なスペックと機能一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドライバー | 平面磁界(プラナー)型、2μm超薄膜+EqualMass™配線 |
| Bluetooth | 5.4 |
| 対応コーデック | LDAC / LHDC / aptX Lossless / aptX Adaptive / aptX HD / AAC / SBC |
| バッテリー持続時間 | 最大約80時間(AAC・音量80%条件) |
| 入力方法 | Bluetooth / 3.5mm有線 / USB Type-Cデジタル入力 |
| ノイズキャンセリング | 非搭載(高いパッシブ遮音性) |
| アプリ対応 | EDIFIER ConneX(EQカスタム、プリセット保存、設定書き込み) |
| その他機能 | マルチポイント接続対応、専用キャリングケース付属 |
機能面の注目ポイント
- マルチポイント接続:PCとスマホを同時接続し、仕事とプライベートをシームレスに切り替え可能。
- 長時間バッテリー:最大80時間の連続再生で、出張や旅行でも安心。
- 高解像度伝送:LDACやaptX Lossless対応端末では、細やかな音のニュアンスまで再現。
- 専用アプリのEQ調整:自分好みの音作りを本体メモリに保存できる。
「STAX SPIRIT S5」は、「ANCより音質重視」という明確なコンセプトを持つワイヤレスヘッドホンです。
STAX由来のプラナードライバーが描く繊細なサウンド、80時間のロングバッテリー、マルチポイント接続など、“オーディオ的満足”と“日常的な利便性”を高い次元で両立しています。
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」の音質レビュー:STAXテクノロジーの実力を検証

低音域:締まりと深みを両立したベース表現
「STAX SPIRIT S5」の低音は、平面磁界ドライバー特有の速い立ち上がりと高い制動力が魅力です。
量感は控えめながらも、キックやベースラインの輪郭が非常に明瞭で、濁りのない引き締まったサウンドを聴かせます。
EDMやロックなどでも、ドラムの一打一打が正確に再現され、余分な膨らみがないため中高域の透明感も損なわれません。
特徴まとめ:
- 低域は「沈み込む重低音」よりも「タイトで反応の速い低音」
- ベースラインやバスドラムがクリアに分離
- ボリュームを上げても音がにじまない高い安定感
- EQ調整により、31〜62Hz付近を軽くブーストすれば深みを補強可能
“ドンシャリ”ではなく“引き締まった低域”を求めるリスナーに最適なチューニングです。
中音域:ボーカルの定位とクリアさの完成度
中域は「S5」の最大の魅力といえる部分です。
ボーカルは中央にしっかり定位し、息遣いや口の動きが感じられるほどの解像感を持っています。
ギター、ピアノ、ストリングスといった中域帯の楽器同士も分離が良く、複数の音が重なっても音像が崩れません。
聴感のポイント:
- 1〜3kHz付近が非常に滑らかで、ボーカルが自然に前へ出る
- サ行やシンバルの刺さりが少なく、長時間でも聴き疲れしにくい
- コーラスのレイヤーも立体的に再現
- 男性ボーカルは厚み、女性ボーカルは透明感が際立つ
おすすめの音楽ジャンル:
- J-POP、アコースティック、女性ボーカル、シティポップ
「情報量の多い音を整理して届ける」──そんなSTAXの音作りが、ワイヤレスでも忠実に表現されています。
高音域:繊細さと伸びを両立するハイレンジ再生
高域は繊細で、かつ刺激の少ない絶妙なチューニングです。
シンバルの金属音やアコースティックギターの弦の響きが自然で、10〜12kHz帯の空気感と余韻の伸びが印象的。
解像感は高いものの“シャリつき”はなく、長時間リスニングでも耳に優しいサウンドです。
特徴まとめ:
- 細部まで描写するが、ピーキーさを抑えた設計
- スネアやハイハットの粒立ちが明瞭
- 空間の天井を感じさせる伸びやかさ
- EQで12kHz付近を+1dBほど上げるとさらに煌びやかに
向いているジャンル:
- ジャズ、クラシック、アンビエント、アコースティック系
高域の“線の細さ”ではなく、“空気を含んだ柔らかさ”を感じさせる音。
これが「S5」の上品な魅力です。
音場と解像度:ハイブリッドドライバーの空間表現力
「STAX SPIRIT S5」は、STAXの技術を応用した平面磁界+ハイブリッド構造によって、ワイヤレスとは思えない広がりと分離感を実現しています。
音場は左右の広がりよりも前後の奥行きが秀逸で、ライブ音源ではボーカルと伴奏の距離感がリアルに再現されます。
音場・解像度のポイント:
- 音像定位が明確で、立体的なステージ感を再現
- 各パートの分離が高く、混雑した楽曲でも輪郭が崩れない
- 音の層(前後・上下)をきちんと描き分ける空間設計
- 解像度は同価格帯ワイヤレスの中でもトップクラス
| 要素 | 印象 |
|---|---|
| ステレオ感 | 広がりよりも「奥行き重視」 |
| 分離性能 | パートごとの明瞭さが抜群 |
| 音場の高さ | ボーカルが耳よりやや上で自然な配置 |
| 解像感 | 小音量でも細部が潰れない高解像チューニング |
空間表現力の高さにより、スタジオ収録音源もライブ音源も立体的に再生。まさに“聴く位置まで再現する”音場感です。
「STAX SPIRIT S5」の音質は、STAXの哲学である「原音忠実」をワイヤレスに落とし込んだ完成度の高いチューニングです。
低域は速く締まり、中域は鮮明、高域は滑らかで伸びやか。
さらに音場と解像度の高さにより、一音一音が“浮き立つ”ような立体感を感じられます。
音楽を細部まで味わいたいリスナーにとって、「S5」はまさに“STAXテクノロジーの到達点”といえる仕上がりです。
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」の使い勝手・機能性レビュー

装着感とフィット感:長時間でも“ブレない安定性”
「STAX SPIRIT S5」は、素材や構造に徹底的にこだわった設計が光ります。
イヤーパッドには本革ラムスキン素材を採用し、肌触りが非常に柔らかく、長時間でも快適。
さらに通気性の高いメッシュパッドも付属しており、季節や用途に合わせて交換可能です。
側圧はややしっかりめで、頭を動かしてもズレにくい安定した装着感。
遮音性も高く、パッシブタイプながら外音の侵入をしっかり防ぎます。
装着感のポイント
- 柔らかなラムスキンとメッシュ素材の2種類パッドを付属
- 長時間のリスニングでも頭や耳が痛くなりにくい
- 側圧は程よく、歩行や軽い運動でもズレにくい
- 眼鏡をかけても干渉しにくい設計
ANC(アクティブノイズキャンセリング)は非搭載ですが、高い密閉性による遮音効果が静寂感を生み出しています。
操作性・アプリ機能・EQ調整の自由度
「S5」は操作性にも優れています。
右ハウジングに集約された物理ボタンで、電源ON/OFF・音量調整・再生/停止・通話操作が直感的に行えます。
加えて、専用アプリ「EDIFIER ConneX」を使えば、EQ設定やマルチポイント接続の管理、ボタン割り当て変更まで細かく調整できます。
主な操作・アプリ機能
- 物理ボタン操作:電源・音量・通話などを誤操作なく操作可能
- EQカスタマイズ:周波数・Q値・ゲインを自由に調整
- プリセットモード:クラシック、ロック、ポップなどジャンル別プリセット搭載
- マルチポイント接続:PCとスマホを同時接続し、自動で音源を切り替え
- 設定保存:EQ設定をヘッドホン本体に保存可能(別デバイスでも反映)
活用のコツ
- 音楽鑑賞ではLDACモードを推奨(より高解像な音)
- 通話や動画再生ではaptX Adaptiveを選ぶと安定性が高い
「物理ボタン+高機能アプリ」の組み合わせで、操作性とカスタマイズ性を両立しています。
ノイズキャンセリングと外音取り込み:潔い“非搭載主義”
「S5」はあえてANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載していません。
これは、“音の純度を最優先”するEDIFIERの設計思想によるもの。
DSP処理を排除することで、音の遅延やノイズ補正による副作用を避け、より自然な音場を実現しています。
メリット
- 音の立ち上がりが速く、解像感が損なわれない
- バッテリー持ちが非常に長くなる(最大80時間)
- 電源OFFでも有線接続で再生可能
デメリット
- 騒がしい屋外では外音を拾いやすい
- 飛行機や地下鉄などでは遮音性が不十分な場合も
「S5」は“静かな場所で音を聴くことに特化したヘッドホン”。
音質を最優先するピュアリスナーに向けた仕様といえます。
バッテリー持ち・充電・接続安定性
バッテリー性能は「S5」の大きな強みのひとつ。
最大約80時間の連続再生が可能で、週に数回の充電でも十分に使えます。
さらにクイック充電機能を備え、15分の充電で約10時間再生が可能(使用環境による)。
Bluetoothは最新のVer.5.4に対応し、通信の安定性・低遅延性・省電力性が大幅に向上。
屋外でも途切れにくく、音切れのストレスを感じにくい仕様です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Bluetoothバージョン | 5.4 |
| 対応コーデック | LDAC / LHDC / aptX Lossless / aptX Adaptive / AAC / SBC |
| バッテリー持続時間 | 最大約80時間(AAC使用時) |
| 急速充電 | 約15分で10時間再生 |
| 入力端子 | Bluetooth / USB Type-C / 3.5mm有線接続 |
| マルチポイント | 対応(2台同時待受可能) |
実使用での印象
- スマホとPCの同時接続が安定しており、作業環境との相性が抜群
- LDACモードでも接続は安定、通信範囲も広い
- 有線接続すれば電源OFF時でも再生可能(音質はさらに明瞭)
「一度充電すれば1週間以上もつ」──その安心感は日常使いで大きなメリットです。
「STAX SPIRIT S5」は、快適な装着感・緻密な操作性・圧倒的なバッテリー性能を兼ね備えたワイヤレスヘッドホンです。
ANC非搭載という一見割り切った仕様も、音質重視派にはむしろ魅力。
長時間リスニングやPC作業、在宅ワークなど、“音を中心にした生活”にフィットする完成度の高い設計です。
シンプルながら高機能──「S5」は「聴く」「使う」両面で満足度を高めてくれる1台です。
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」を使用した私の体験談・レビュー

「STAX SPIRIT S5」を2週間ほど、仕事中や移動中などさまざまなシーンで使用して感じた印象をまとめました。
音質面だけでなく、装着感や使い勝手の“リアルな使用感”を中心に紹介します。
セットアップと初回の印象
ペアリングは驚くほどスムーズで、電源を入れるだけで端末を自動認識。
LDACモードでも接続が安定しており、初めての再生から「情報量の多いクリアな音」と「自然なバランス」に感心しました。
使い始めの感想
- 低音は締まりがあり、輪郭がくっきり
- ボーカルが前に出て、定位が明確
- 高域が伸びやかで、刺さりのないチューニング
- 全体的に“静寂の中で音が浮かび上がる”ような印象
装着直後に耳を包み込むような密閉感があり、遮音性は高め。
ANC非搭載ながらも、外部音が自然に抑えられます。
シーン別の使い心地
1. 自宅作業中(文章作成・音楽鑑賞)
低音の出方が自然で、作業中に流しても耳が疲れにくい。
小音量でも音の芯がしっかりしており、長時間リスニングとの相性が抜群でした。
2. カフェ(人の話し声・環境音あり)
パッシブ遮音だけでも会話音がある程度カットされ、集中力が保てます。
LDAC接続は安定しており、音切れはほぼなし。
3. 通勤電車
走行音に一部マスクされるものの、EQで低音を少し補正すれば問題なし。
イヤーパッドの密着感が高く、音漏れの心配も少ないです。
曲別の印象
| ジャンル | 聴いた印象 | コメント |
|---|---|---|
| アコースティック | ボーカルが近く、息づかいまで感じられる | 中音の明瞭さが際立つ |
| ロック | ギターの輪郭が鋭く、キックが力強い | 低音がタイトでスピード感あり |
| ジャズ | シンバルの余韻が自然で心地よい | 高域が柔らかく長時間でも疲れない |
| EDM | 音場が広く、ビートが締まって聴こえる | EQで低音を+1dBすると迫力UP |
EQ設定とアプリ活用
EDIFIER ConneXアプリを使い、以下のような軽いチューニングで常用しました。
どれも±1.5dB以内の微調整にとどめることで、S5本来の音の純度を維持できます。
おすすめEQ設定
- 31Hz:+1.5dB(低音に少し厚みを追加)
- 3.5kHz:–1.0dB(子音をややソフトに)
- 12kHz:+0.8dB(空気感をわずかに補う)
アプリの便利ポイント
- EQを本体メモリに保存できる(端末を変えても反映)
- ボタン操作のカスタマイズが可能
- 再接続が速く、Bluetoothの切り替えもスムーズ
装着感・操作感・バッテリー
イヤーパッドは柔らかく、側圧もほどよい。長時間でも耳が痛くなりにくく、首への負担も少ないです。
使用感まとめ
- ボタン配置が直感的で、ブラインド操作も快適
- メッシュパッドは蒸れにくく、夏場でも使いやすい
- 約80時間のバッテリーで、週1回の充電でも十分
- 15分のクイック充電で約10時間再生できる
毎日の仕事や外出で使っても、充電切れの不安を感じたことはありません。
良かった点と気になった点
良かった点
- 解像度が高く、ジャンルを問わず聴きやすい
- 有線接続時はさらに静寂感が増し、スタジオモニター的な音に
- 長時間装着しても疲れにくいパッド構造
- マルチポイントでPCとスマホを同時接続可能
気になった点
- ANC非搭載のため、騒がしい環境では音量調整が必要
- ケースがやや大きく、持ち歩くときにかさばる
- 低音好きには、やや物足りなさを感じる場合も
体験談の総括
「STAX SPIRIT S5」は、派手な演出よりも原音の再現性と静かな没入感を重視するヘッドホンだと感じました。
装着感の良さと解像度の高さが両立しており、日常使いでもオーディオリスニングでもバランスが取れています。
通勤・カフェ・自宅──どの環境でも、音が“整って聴こえる”安心感。
そして、長時間使っても疲れない点は、他のハイエンドワイヤレスと比べても大きなアドバンテージでした。
音質を優先しつつ、日常的に使えるヘッドホンを探している人にとって、「S5」は非常に完成度の高い選択肢です。
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」に関するQ&A

「STAX SPIRIT S5」はどんな特徴を持ったヘッドホンですか?
「S5」はEDIFIERが開発した平面磁界(プラナー)ドライバー搭載のワイヤレスヘッドホンです。
ワイヤレスでありながら有線級の解像度とレスポンスを実現し、LDAC・Snapdragon Soundなどの高音質コーデックにも対応しています。音の立ち上がりが速く、タイトで正確な低域と高い透明感が魅力です。
ANC(ノイズキャンセリング)は搭載されていますか?
いいえ、ANCは非搭載です。
その代わりにイヤーパッドの密閉構造による高いパッシブ遮音性で静かなリスニング環境を確保します。音質面を最優先に設計されているため、ノイズキャンセリング特有の音質劣化がありません。
マルチポイント接続には対応していますか?
はい、対応しています。
2台のデバイスを同時に接続できるため、スマートフォンとPCを切り替えながら使用することが可能です。
音楽再生中に電話がかかってきても、自動で接続が切り替わります。
バッテリーの持ちはどのくらいですか?
フル充電で最大約80時間の連続再生が可能です。
さらに急速充電にも対応しており、15分の充電で約10時間の再生が可能です。長時間の作業や旅行にも安心して使えます。
どんな音の傾向ですか?
STAXらしい「原音忠実・モニターライク」なチューニングです。
低音はタイトで締まりがあり、中音域はクリア、高音域は繊細で滑らか。派手さは控えめですが、情報量が多くバランスの取れたサウンドが楽しめます。
有線でも使用できますか?
はい、使用可能です。
USB Type-Cデジタル入力および3.5mm有線入力の両方に対応しています。
有線接続時はさらにノイズフロアが下がり、より高い解像度で音楽を楽しめます。
競合モデルと比べたときの強みは?
Sony WH-1000XM5やMomentum 4に比べると、ANCやスマート機能は控えめですが、
音の解像度・空間表現・自然なトーンバランスではS5が上回ります。
「ノイズを消す」より「音を正確に聴く」タイプのリスナーに適しています。
外観や質感はどうですか?
メタルフレームとレザー調のパッドで仕上げられた高級感のあるデザインです。
見た目の重厚さに反して重量は比較的軽く、折りたたみ構造と専用ケースで携帯性も高いです。
「STAX SPIRIT S5」の重さはどのくらいですか?
本体重量は約360g前後です。
プラナードライバーを搭載しているヘッドホンとしては比較的軽量で、装着バランスも良好。長時間の使用でも首や頭への負担を感じにくい設計です。
ゲームや動画視聴での遅延はありますか?
aptX Adaptive / aptX Lossless対応端末では、映像とのズレをほとんど感じません。
音ゲーなど“シビアな同期”が必要なジャンルでなければ、YouTube・Netflix・映画鑑賞にも十分実用的なレベルです。
※LDAC使用時は若干の遅延が発生するため、動画視聴時はaptX系コーデックを推奨します。
どんな音楽ジャンルに向いていますか?
「STAX SPIRIT S5」は、音数の多い楽曲や空間的な表現を重視するジャンルに特に向いています。
| 向いているジャンル | 特徴 |
|---|---|
| ジャズ/クラシック | 空間の広がりと倍音の美しさを表現 |
| アコースティック | ボーカルの質感と楽器の定位が自然 |
| ロック/ポップス | ドラムやギターの分離感が良い |
| シティポップ/フュージョン | 解像感とスピード感のバランスが秀逸 |
EDMやヒップホップなど重低音重視のジャンルも、EQで31〜62Hzを+1〜2dBすれば迫力を補えます。
充電しながらの再生は可能ですか?
はい、可能です。
USB-C接続時には充電と同時に再生(USB-DACモード)が可能で、音質も非常にクリア。
ただし、バッテリーを長持ちさせたい場合は満充電後の過充電を避けるのが理想です。
有線接続時は電源OFFでも使えますか?
はい、使えます。
3.5mm有線接続時は電源OFF状態でも再生可能。
USB-Cデジタル接続の場合は内部DACが動作するため、電源ONが必要になります。
頭のサイズが大きくてもフィットしますか?
ヘッドバンドの可動域が広く、頭囲60cm前後まで快適にフィットします。
側圧はやや強めですが、イヤーパッドの柔らかさで圧をうまく分散。眼鏡ユーザーでも長時間の使用に耐えます。
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」レビューのまとめ

「STAX SPIRIT S5」は、ANCより“音の純度”を優先したワイヤレス・プラナー。
タイトな低域、クリアな中域、伸びのある高域、そして整然とした音場で、情報量を丁寧に見せるリスニングが得意です。
80時間級のスタミナと複数入力(BT/USB-C/3.5mm)、本体保存できるEQで“日常と趣味”の両立も上手。
静かな環境で音楽をしっかり味わいたい方に強くすすめられます。
メリット / デメリット
メリット
- プラナードライバーらしい速い立ち上がりと高解像
- 中域の見通しとボーカル定位が優秀
- 80時間クラスのロングバッテリー
- LDAC / aptX Lossless ほか広いコーデック対応
- 本体保存EQ+物理ボタンで運用が安定
- BT/USB-C/3.5mmの三刀流で用途が広い
デメリット
- ANC非搭載:騒音環境では音量/EQ調整が前提
- サブベース量は控えめ(深い重低音は少し補助が必要)
- 付属ケースがややかさばる
こういう人に刺さります
- 原音志向・ディテール重視のワイヤレスを探している
- 屋内ワークや自宅で長時間リスニングすることが多い
- 端末を跨いで使うため、本体保存EQや複数入力が欲しい
- “聴き疲れしにくい高解像”を求める
こういう人は再検討
- 騒音カットを最優先(飛行機・地下鉄メイン)
- 超ドンシャリ/重低音最優先のチューニングが好み
競合とのざっくり住み分け
| 観点 | STAX SPIRIT S5 | Sony WH-1000XM5 などANC特化 | Momentum 4 等バランス型 |
|---|---|---|---|
| 音の傾向 | タイト&高解像、定位明確 | リスニング向けの心地良さ | 量感と明瞭さのバランス |
| 静粛性 | パッシブ遮音中心 | 強力ANC | 良好ANC |
| スタミナ | 非常に長い | 長い | 長い |
| コーデック幅 | 広い(LDAC/Lossless系) | 広い(端末依存) | 広い |
| 向く環境 | 静かな屋内・作業 | 交通機関・出張 | 万能型 |
最後に:買う前チェックリスト
- 使用環境は静かな屋内が中心か?(S5の真価が出ます)
- 端末側がLDAC/aptX系に対応しているか?
- 深い重低音が必要なら軽いEQで足せることを理解しているか?
- 複数入力(BT/USB-C/3.5mm)を活用するシーンがあるか?
おすすめ初期設定(手早く“ちょうど良く”)
- プリセット:Naturalをベース
- EQ微調整:31Hz +1.5dB / 62Hz +1.0dB(環境騒音があるとき)
- 子音が気になる録音のみ:3.5kHz −1.0dB
- 小音量鑑賞:12kHz +0.5〜0.8dBで空気感を足す
- 接続:鑑賞はLDAC、作業/動画はaptX Adaptive/Lossless
EDIFIER 「STAX SPIRIT S5」レビューの総括
「STAX SPIRIT S5」は、単なるワイヤレスヘッドホンではなく、「静けさの中で音楽と向き合うための道具」という印象を強く残すモデルでした。
STAX譲りの技術を受け継いだ平面磁界ドライバーによって、一音一音が丁寧に描かれ、空間の奥行きや立体感までもが鮮明に感じ取れます。
派手な演出はなくとも、音楽そのものの表情を損なわずに伝える誠実なサウンドチューニングは、まさにSTAXの血統を感じさせる仕上がりです。
装着感の快適さや80時間というロングバッテリー、マルチポイント対応など、実用面も抜かりがなく、日常の中で自然に使える完成度の高さも特筆すべき点です。
ANC非搭載という割り切りも、音質を最優先するという明確な設計思想の表れであり、静かな環境でじっくり音を聴くスタイルにぴったりと寄り添います。
ワイヤレスでここまで純度の高い音を届けられるヘッドホンは多くありません。
「STAX SPIRIT S5」は、オーディオを趣味とする人だけでなく、仕事や生活の中で「良い音」を自然に取り入れたいすべての人におすすめできる、完成度の高い一台です。
最後に一言で表すなら──「STAX SPIRIT S5」は、“日常の中にSTAXの音を持ち込む喜び”を教えてくれるヘッドホンです。


