近年、完全ワイヤレスイヤホンやワイヤレスヘッドホンが市場を席巻し、利便性を重視するユーザーにとって「有線イヤホンやヘッドホンを使う機会」は大幅に減少しました。
しかし、有線オーディオの持つクリアな音質や深みは、多くのオーディオファンにとって今でも魅力的な要素です。
そんな中、FiiO 「BTR17」は、「有線イヤホン・ヘッドホンの音質を最大限に引き出しつつ、ワイヤレスの利便性も享受したい」という欲張りなニーズに応える製品として登場しました。
FiiOのBTRシリーズは、過去にも数々の優れたBluetoothアンプを提供してきましたが、今回の「BTR17」は、その中でもまさにフラッグシップと呼ぶにふさわしい性能を備えたモデルです。
- デュアルES9069Q DACチップによる圧倒的な音質
- THX AAA 78+アンプの搭載による高出力・低ノイズ設計
- デスクトップモードで外部電源を利用し、据え置きアンプに匹敵する駆動力
これらの要素が組み合わさることで、「BTR17」は「スマホ+ワイヤレス+高音質」という新しいオーディオ体験を提供します。
この記事では、FiiO 「BTR17」の特徴や実際の音質体験、操作性、使用感を徹底的にレビューし、有線イヤホン・ヘッドホンを再び日常に取り入れるための最高の選択肢かどうかを検証します。
FiiO 「BTR17」とは?
FiiOの最新Bluetooth DACアンプ「BTR17」は、ポータブルオーディオ市場で高い評価を受けた「BTR7」の後継機として登場しました。
「BTR7」がすでに「Bluetoothアンプの完成形」とも評された中、「BTR17」はその性能・利便性・機能性をさらにブラッシュアップし、オーディオファンの期待を超える製品となっています。
FiiO 「BTR17」の基本スペック
「BTR17」は、スマートフォンやPCとBluetoothで接続し、有線イヤホン・ヘッドホンの性能を最大限に引き出すことを目的としたBluetooth DACアンプです。
以下が主なスペックです:
- DACチップ:据え置き機器向け「ES9069Q」をデュアル搭載
- アンプ:THX AAA 78+(左右独立4基搭載、完全バランス設計)
- Bluetoothチップ:Qualcomm製「QCC5181」
- Bluetoothバージョン:5.4対応
- 対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive、aptX Lossless、aptX HD、LDAC
- USB DACモード:最大PCM 768kHz/32bit、DSD512(Native)、MQAフルデコード対応
- 出力:
- 3.5mmシングルエンド出力:最大280mW(32Ω負荷時)
- 4.4mmバランス出力:最大650mW(32Ω負荷時)
- ディスプレイ:1.3インチIPSカラーディスプレイ
- 操作インターフェース:ナビゲーションホイール、専用アプリ「FiiO Control」
- バッテリー:最大8時間(LDAC使用時)、USB-C急速充電対応
- サイズ・重量:16.3×41.2×86.6mm、約73.4g
これらのスペックからもわかる通り、「BTR17」はBluetoothアンプとしてだけでなく、USB DACアンプとしても高性能を発揮するデバイスです。
前作「BTR7」からの進化ポイント
「BTR7」はその完成度から多くのオーディオファンを魅了しましたが、「BTR17」では以下の点が大きく進化しています。
- DACチップのアップグレード:「BTR7」では「ES9219C」が採用されていましたが、「BTR17」では据え置き機器向けの「ES9069Q」をデュアル搭載。これにより、より高解像度・低ノイズ・高ダイナミックレンジのサウンドが実現されています。
- アンプの強化:「BTR7」の「THX AAA-28」に対し、「BTR17」は「THX AAA 78+」を左右独立で4基搭載。合計8チャンネルの完全バランス設計により、低歪みかつパワフルな出力を実現しています。
- デスクトップモードの搭載:据え置き用途を意識した「デスクトップモード」が新たに追加されました。USB-C給電ポートから電力を確保することで、安定した高出力(バランス出力で最大650mW)を実現。これにより、高インピーダンスのヘッドホンやIEM(カスタムインイヤーモニター)も余裕で駆動できます。
- 操作性の向上:従来のボタン操作から、新たに「ナビゲーションホイール」を搭載。音量調整から再生/停止、モード切り替えまで直感的な操作が可能になりました。
- 最新Bluetooth規格対応:Bluetooth 5.4に対応し、より安定した接続と低遅延を実現。さらに「LE Audio」規格にも対応し、最新のBluetoothオーディオ環境をサポートしています。
デスクトップモードの革新性
「BTR17」の最大の革新ポイントの一つが「デスクトップモード」です。
これにより、従来のモバイルBluetoothアンプの弱点であった「出力不足」「バッテリー消耗」の問題を解決しました。
- 外部電源供給:USB-C給電ポートから外部電源を供給し、最大650mW(バランス出力時)の高出力を実現。
- バッテリー保護:バッテリー駆動ではなく外部電源を使用することで、バッテリー寿命を延ばすことができます。
- 高駆動力:デスクトップアンプ並みの高出力が得られ、鳴らしにくい高インピーダンスのヘッドホンやイヤホンでも余裕のあるサウンドを楽しめます。
さらに、モード切替スイッチにより、シーンに合わせて以下の3つのモードを選択可能です。
- PCモード:USB DACとして使用(外部給電で動作)
- BTモード:Bluetoothレシーバーモード(内蔵バッテリーで動作)
- PHONEモード:スマホ接続時のUSB DACモード(スマホのバッテリー消費を抑制)
これにより、「BTR17」は「デスクトップ」と「モバイル」の両方でシームレスに使用できる多機能デバイスとなっています。
FiiO 「BTR17」は、単なる「Bluetoothアンプ」を超えた、多機能かつ高性能なオーディオデバイスです。
FiiO 「BTR17」の音質レビュー
FiiO 「BTR17」は、単なるBluetoothアンプを超え、「有線の音質」と「無線の利便性」の両立を高い次元で実現したデバイスです。
ここでは、「BTR17」の音質について以下の3つの視点から詳しく解説します。
Bluetooth接続での音質体験
Bluetooth接続は「音質が劣化する」という先入観を持つ人も多いですが、「BTR17」はその常識を覆します。
高音質コーデックをフルサポートし、ワイヤレスであっても驚異的な音質を実現しています。
対応Bluetoothコーデック
- LDAC:最大990kbpsの高音質伝送。ハイレゾ音源もワイヤレスで楽しめる。
- aptX Adaptive:環境に応じてビットレートを自動調整し、途切れにくく高音質を維持。
- aptX Lossless:理論上ロスレス伝送が可能。原音に忠実な音が楽しめる。
- Snapdragon Sound:Qualcomm独自のオーディオ技術で安定性と高音質を両立。
実際の音質体験
- 高域:クリアで伸びやか。シンバルの音や高音域のボーカルが鮮明に響く。
- 中域:ボーカルの表現力が豊かで、声の細かなニュアンスが伝わる。
- 低域:ズシンと沈み込む重低音。引き締まった輪郭があり、ボワつきがない。
- ギターの弦の爪弾き音が鮮明に聞こえ、空間の広がりが感じられる。
- ボーカルの息遣いやブレス音がリアルに再現され、まるでライブ会場にいるかのような臨場感。
Bluetooth接続でも、LDACやaptX Adaptiveを活用すれば、有線接続に匹敵するほどの音質が楽しめます。
特にLDAC接続では、空間表現の広がりが顕著で、ワイヤレス特有の圧縮感をほとんど感じませんでした。
USB DACモードでの実力
「BTR17」は単なるBluetoothアンプではなく、USB DACアンプとしても優れた性能を発揮します。
デスクトップ環境やPCとの接続で、その真価を発揮します。
DAC性能
- デュアルES9069Q DACチップ:据え置き機器向けの高性能DACをデュアル搭載。
- 最大PCM 768kHz/32bit、DSD256対応:ハイレゾ音源を余すことなく再生。
- USBコントローラーチップ:XMOS XU316で高速かつ安定した伝送。
USB DACモードでの音質体験
- 高域:より繊細で透明感が増し、空間にスッと伸びる印象。
- 中域:ボーカルがより際立ち、歌声の息遣いや小さなニュアンスまで鮮明に聞こえる。
- 低域:深く沈み込み、輪郭が明確。力強さがありながら締まりもある。
- USB DAC接続では音の密度が増し、ボーカルの艷やかさが際立つ。
- ドラムや低音楽器の描写がよりタイトになり、音場の奥行きが深まる。
デスクトップモード
- 最大650mW(32Ω負荷時)の高出力で、鳴らしにくい高インピーダンスヘッドホンも余裕で駆動。
- USB給電で安定した電力供給が可能。バッテリーへの負担が軽減される。
- 据え置きDAC/アンプに匹敵するサウンドクオリティ。
USB DACモードでは、Bluetooth接続とは一線を画す解像感と音の密度が感じられます。
デスクトップモードを活用することで、高インピーダンスヘッドホンやIEMも余裕で駆動可能です。
コーデックごとの違い
「BTR17」は主要なBluetoothコーデックに対応しており、環境や用途に応じて最適なコーデックを選べます。
コーデック別の音質傾向
- LDAC:高解像度、広い音場、ハイレゾ音源に最適。
- aptX Adaptive:バランスが良く、安定性も高い。
- aptX Lossless:理論上ロスレス音質で、ほぼ有線に匹敵。
- AAC:Appleデバイスでの標準コーデック。音質は良好だがLDACには劣る。
実際の違い
- iPhone + AAC:音の密度や透明感は十分。ただし、LDACには及ばない。
- Android + LDAC:高解像度の音場描写と臨場感が際立つ。
- aptX Lossless:LDACよりもさらに自然な音質。圧縮感がほとんど感じられない。
「BTR17」は各コーデックの特性を最大限に引き出し、環境や使用デバイスに応じた最適な音質を提供します。
音質レビューの総括
FiiO 「BTR17」はBluetooth接続でもUSB DAC接続でも、クラス最高峰の音質を提供するデバイスです。
- Bluetooth接続:LDACやaptX Losslessで高音質ワイヤレス体験。
- USB DAC接続:据え置きDAC並みの密度感と解像度。
- デスクトップモード:高出力で駆動力を最大化。
「BTR17」は「ワイヤレスでも音質に妥協したくない」「据え置きでもポータブルでも使いたい」という欲張りなオーディオファンにとって、まさに理想的なデバイスです。
FiiO 「BTR17」の操作性とユーザビリティ
FiiO 「BTR17」は、音質や性能だけでなく、操作性やユーザビリティの面でも大幅な進化を遂げています。
ここでは、その使いやすさや細かい配慮が施されたインターフェースについて、以下の3つのポイントで解説します。
ナビゲーションホイールの使いやすさ
ナビゲーションホイールの革新性
「BTR17」では、従来のボタン式コントロールからナビゲーションホイールが採用されました。
このホイールは、以下の機能を直感的に操作できます。
- 音量調整:ホイールを回すことで100段階の音量調整が可能。細かい音量調整がスムーズに行えます。
- 再生/停止:ホイールを押し込むことで、楽曲の再生・停止が可能。
- 曲送り/戻し:ホイールを回しながら特定の操作で曲をスキップまたは戻すことができます。
使用感
- ホイールは適度なクリック感があり、誤操作を防ぐ絶妙な硬さを備えています。
- 表面には細かな刻みが施され、滑りにくくなっているため、指先で確実に操作できます。
- 従来のボタン操作よりも直感的であり、一気に音量を上げたり下げたりする操作もスムーズです。
「BTR17」のナビゲーションホイールは、従来のボタン式操作よりも直感的かつスピーディー。
特に頻繁に音量を調整するユーザーにとっては、劇的に操作性が向上しました。
また、ポケットの中でも直感的に操作することができました。
専用アプリ「FiiO Control」の機能
「BTR17」は、スマートフォン専用アプリ「FiiO Control」と連携することで、さらに細かな設定やカスタマイズが可能です。
FiiO Controlでできること
- Bluetoothコーデックの選択
- LDAC、aptX Adaptive、aptX Losslessなどのコーデックを手動で選択可能。
- 自動モードで最適なコーデックを選ぶことも可能。
- イコライザー設定 (EQ)
- プリセットEQだけでなく、カスタムEQを作成可能。
- インターネット経由で他のユーザーが作成したEQをダウンロード・適用可能。
- ディスプレイ設定
- ディスプレイの明るさや自動消灯時間を調整。
- 使用しているBluetoothコーデックやビットレートを画面上で確認可能。
- ファームウェア更新
- アプリ経由で簡単に最新のファームウェアをインストール可能。
- 詳細音質設定
- デジタルフィルターの選択。
- 歪み最適化や2次高調波最適化など、オーディオマニア向けの高度な設定も可能。
使い勝手
- UIはシンプルかつ直感的で、初めてのユーザーでもすぐに設定が可能。
- 設定項目が豊富で、自分好みの音質や操作感に細かくカスタマイズできます。
- アプリと「BTR17」のペアリングも非常にスムーズ。
FiiO Controlは、ただの付属アプリではなく、「BTR17」の可能性を最大限に引き出す必須ツールです。
特にEQ機能やBluetoothコーデックのカスタマイズ性は、他社製品と比較しても高い完成度です。
コンパクトながら優れたデザイン
筐体デザイン
- 高級感のある金属製ボディ:触れた瞬間に感じる冷たさや重厚感が、所有欲を満たします。
- 背面レザー調仕上げ:人工皮革によるエンボス加工が施されており、手触りが良く滑りにくい。
- ディスプレイ:1.3インチIPSカラーディスプレイは高解像度で、Bluetoothコーデックや再生状態がひと目で分かります。
ボタン配置とインターフェース
- USB-Cポート×2:1つは給電用、1つはデータ通信用。デスクトップモードでの利便性を高めます。
- 3.5mmシングルエンド出力:一般的なイヤホン・ヘッドホンとの互換性あり。
- 4.4mmバランス出力:ハイエンドイヤホン・ヘッドホンの真価を引き出す。
- マイク内蔵:通話やリモート会議にも使用可能。
ポータビリティ
- 重量:73.4g:軽量でポケットに入れても邪魔にならない。
- サイズ:16.3×41.2×86.6mm:胸ポケットにも収まるコンパクト設計。
- 専用ケース付属:保護性能が高く、持ち運びも安心。
使用モードの切り替え
側面の物理スイッチで、以下のモードが切り替えられます:
- PCモード:USB DACとして動作。
- BTモード:Bluetoothレシーバーとして動作。
- PHONEモード:スマホ接続時のUSB DACモード。
ディスプレイの視認性
- コーデックやビットレートが色分けされて表示され、瞬時に確認可能。
- 表示が明瞭で、暗所でも見やすい設計。
「BTR17」は、高級感あふれるデザインとユーザビリティの高さを両立。
細部にわたる設計のこだわりが感じられます。
操作性とユーザビリティの総括
- ナビゲーションホイールで直感的な操作が可能。
- 専用アプリ「FiiO Control」で細かなカスタマイズができる。
- コンパクトで洗練されたデザインは持ち運びやすさと操作性を両立。
- デスクトップモードや豊富なポート構成で柔軟な使用シーンに対応。
FiiO 「BTR17」は、単なるオーディオ機器ではなく、使いやすさと高音質を追求したポータブルオーディオの理想形です。
FiiO 「BTR17」を使用した私の体験談・レビュー
FiiO 「BTR17」を数週間にわたって実際に使用し、その魅力や気付いた点、日常生活での活用シーンについて詳しくお伝えします。
「BTR17」は単なる「Bluetoothアンプ」ではなく、音楽体験をアップデートするデバイスであることを実感しました。
外出先での使用 – スマホとワイヤレス接続
外出時、特に通勤中やカフェでの作業時にはBTR17をスマートフォンとBluetooth接続して使用しました。
- ペアリングの手軽さ
- スマホとのBluetoothペアリングは非常にスムーズで、一度設定すれば次回からは自動接続。
- ディスプレイに接続コーデック(AAC)が表示され、確認も簡単。
- 音質の違い
- いつも使っている完全ワイヤレスイヤホンと比較して、空間表現力の豊かさ、ボーカルの生々しさ、楽器の細部の描写が圧倒的に優れていました。
- 高解像度音源では、Bluetooth接続にもかかわらず、有線接続に匹敵するクオリティを感じました。
- 操作性
- ナビゲーションホイールで音量調整や再生・停止が簡単に行えるため、スマホをポケットから取り出す必要がほとんどありませんでした。
- ホイールのクリック感が心地よく、細かな音量調整も直感的に行えます。
外出先では「スマホ+BTR17+有線イヤホン」の組み合わせが最強でした。
完全ワイヤレスイヤホンでは得られない音質体験と、ワイヤレスの利便性が両立されていると感じました。
自宅での使用 – USB DACモード
自宅では「BTR17」をUSB DACモードで使用し、より高音質な環境を構築しました。
音質の違い
- USB DAC接続では、Bluetooth接続以上に音の細部がクリアになり、音場が広がる印象を受けました。
- ボーカルはより前面に浮かび上がり、楽器は個々の音が際立ちながらも調和しています。
- 低域は締まりがあり、沈み込みも深く、ライブ会場にいるかのような迫力がありました。
デスクトップモードの活躍
- 高出力650mWにより、ヘッドホンが余裕を持って駆動されました。
- 外部給電モードを使用することで、長時間使用してもバッテリーを気にする必要がありませんでした。
- MacBookとの接続はシームレスで、遅延も感じられず快適に映画や音楽を楽しめました。
USB DACとしての利便性
- NetflixやYouTubeの動画視聴時にも遅延はなく、映像と音が完璧に同期していました。
- PCモードへの切り替えもスイッチひとつで簡単に行えました。
「BTR17」はUSB DACとしてもデスクトップアンプに匹敵する性能を発揮し、特にデスクトップモードではその真価を存分に発揮します。
高インピーダンスヘッドホンの駆動力
「BTR17」のデスクトップモードでは、高インピーダンスヘッドホンでも余裕を持って駆動することができました。
高インピーダンスヘッドホンの感想
- 音がしっかりと前に出てきて、音量も十分に確保されていました。
- 低域はタイトで力強く、高域は伸びやか。音場の広がりも申し分ありません。
- 特にクラシック音楽やライブ音源では、細かな音の表現が際立っていました。
「BTR17」はポータブルサイズでありながら、高インピーダンスのヘッドホンを十分にドライブできるパワーを備えています。
アプリ「FiiO Control」の便利さ
FiiO Controlアプリを使用することで、より細かなカスタマイズが可能になりました。
- Bluetoothコーデックの手動選択:LDACやaptX Losslessに簡単に切り替え可能。
- EQ設定:音楽のジャンルや気分に合わせてプリセットEQやカスタムEQを調整。
- 音質調整:デジタルフィルターや高調波補正を使って微調整。
- ファームウェアのアップデート:アプリ経由で常に最新の状態に保てる。
アプリのUIはシンプルで直感的。ペアリング後すぐに使い始めることができ、設定の保存・反映もスムーズでした。
持ち運びやすさとバッテリー
- バッテリー持続時間:最大8時間(LDAC使用時)
- 充電時間:約2時間でフル充電
- 軽量・コンパクト:73.4gで胸ポケットに収まるサイズ感。
- 専用ケース:高級感があり、保護性能も高い。
ポータブル用途でもBTR17は非常に使いやすく、長時間の外出時にも安心して使用できました。
私の体験談総括
FiiO 「BTR17」は、日常のあらゆるシーンで「音楽を楽しむ」という体験を飛躍的に向上させてくれました。
- 外出先:スマホとBluetooth接続で手軽に高音質を楽しめる。
- 自宅:USB DACモードで高音質な据え置き環境を構築。
- 高インピーダンスヘッドホン:余裕の駆動力で本格的なリスニング体験。
「もうこれでいい」いや、「これがいい」という感想が自然と口から出るほど、完成度の高いデバイスでした。
FiiO 「BTR17」に関するQ&A
FiiO 「BTR17」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「BTR17」はどんな人に向いていますか?
- 高音質を求める人:有線イヤホンやヘッドホンの音質を最大限に引き出したい人。
- ワイヤレスの利便性も重視する人:スマホとBluetooth接続しながら高音質を楽しみたい人。
- デスクトップとポータブルを両立したい人:USB DACとして据え置きでも、持ち運びでも使いたい人。
- ハイインピーダンスヘッドホンを使用する人:鳴らしにくいヘッドホンもしっかり駆動したい人。
前作「BTR7」と「BTR17」の違いは何ですか?
- DACチップ:「BTR7」は「ES9219C」、「BTR17」は据え置き機器向け「ES9069Q」をデュアル搭載。
- アンプ:「BTR7」は「THX AAA-28」、「BTR17」は「THX AAA 78+」を4基搭載。
- デスクトップモード:「BTR17」では新たにデスクトップモードが追加。
- 出力:「BTR17」は最大650mW(バランス出力時)と、「BTR7」より高出力。
- 操作性:「BTR17」ではナビゲーションホイールを新採用し、直感的な操作が可能。
デスクトップモードとは何ですか?
デスクトップモードは、USB-C給電ポートから外部電源を供給し、内蔵バッテリーを使わずに動作するモードです。
- メリット:高出力(最大650mW)で高インピーダンスのヘッドホンやイヤホンを余裕で駆動できる。
- バッテリー保護:内蔵バッテリーを使わないため、長時間使用でもバッテリー劣化の心配が少ない。
- 据え置きDAC/アンプ並みの性能:USB DACモードとしても優れたパフォーマンスを発揮。
「BTR7」はUSB DACとして使えますか?
「BTR7」はUSB DACモードとして使用可能です。
- 対応フォーマット:最大PCM 768kHz/32bit、DSD 256。
- USB接続:MacBook、Windows PC、スマホなどと簡単に接続可能。
- 音質:有線接続ならではの高解像度、ノイズの少ないクリアな音質を楽しめます。
どのBluetoothコーデックが一番音質が良いですか?
使用環境や対応デバイスによりますが、以下が一般的な優先度です:
- LDAC:最大990kbpsの伝送で、ハイレゾ音源を高音質で楽しめる。
- aptX Lossless:理論上ロスレス音質で、より自然な音が再現される。
- aptX Adaptive:安定性と音質を自動調整。
- AAC:Apple製品では安定した高音質が得られる。
Androidデバイスを使用している場合はLDAC、Appleデバイスの場合はAACが最適です。
バッテリー持続時間はどのくらいですか?
- 最大8時間(LDAC使用時)。
- 充電時間:約2時間でフル充電可能。
- 給電しながら使用:デスクトップモードで外部電源を使用すれば、バッテリーを消耗せずに長時間使用できます。
スマホでFiiO Controlアプリを使うと何ができますか?
FiiO Controlアプリでは以下のことが可能です:
- Bluetoothコーデックの選択(LDAC、aptX Adaptiveなど)
- イコライザー(EQ)のカスタマイズ
- デジタルフィルターの切り替え
- 本体ディスプレイの設定
- ファームウェアのアップデート
特にEQ設定は細かくカスタマイズできるため、自分好みの音質に調整可能です。
高インピーダンスのヘッドホンは駆動できますか?
「BTR7」は高インピーダンスのヘッドホンでも余裕で駆動できます。
- 最大出力:650mW(32Ω負荷時、バランス出力)
- デスクトップモードを使えば、電力供給も安定し、より高出力を維持できます。
「BTR7」はゲームや動画視聴にも向いていますか?
「BTR7」は低遅延コーデック(aptX LLやaptX Adaptive)をサポートしているため、ゲームや映画視聴にも適しています。
- 音ズレなし:リップシンクのズレがほとんど発生しない。
- 高音質:映画や動画の音響効果も臨場感を保ったまま再現。
持ち運びしやすいですか?
「BTR7」は非常に持ち運びやすいです。
- 重量:わずか73.4g
- サイズ:16.3×41.2×86.6mm(胸ポケットに収まるサイズ)
- 専用ケース:保護性能が高く、安心して持ち運べる。
外出先やカフェなど、どこでも気軽に高音質を楽しめます。
FiiO 「BTR17」レビューのまとめ
FiiO 「BTR17」は、単なるBluetoothアンプの枠を超え、高音質・高機能・高操作性をすべて兼ね備えた次世代のオーディオデバイスとして完成されています。
ここでは、「BTR17」の特長や実際の使用感、そしてどのようなユーザーに最適かを振り返ります。
FiiO 「BTR17」の総評
「BTR17」は、これまでのBluetoothアンプ市場における「妥協点」を見事に解消し、ポータブルと据え置きの両立を実現しました。
音質面
- DACチップ:据え置き機器向けの「ES9069Q」をデュアル搭載し、ハイレゾ音源の精密な再現が可能。
- アンプ:THX AAA 78+を4基搭載し、最大650mW(32Ω負荷時)の高出力を実現。
- Bluetoothコーデック:LDAC、aptX Lossless、aptX Adaptiveなどの最新コーデックをサポート。
- USB DACモード:最大PCM 768kHz/32bit、DSD256に対応し、有線接続での極上の音質を提供。
操作性
- ナビゲーションホイール:直感的な音量調整や再生/停止が可能。
- 専用アプリ「FiiO Control」:BluetoothコーデックやEQのカスタマイズ、ファームウェアの更新が簡単に行える。
- モード切替スイッチ:PCモード、BTモード、PHONEモードをシームレスに切り替え可能。
デザイン・携帯性
- 高級感あるデザイン:メタルボディ+レザー調の背面デザイン。
- コンパクトサイズ:16.3×41.2×86.6mm、重量73.4gで持ち運びに便利。
- ディスプレイ:1.3インチIPSカラーディスプレイで、情報がひと目で確認可能。
- 専用ケース付属:高い保護性能と携帯性を両立。
デスクトップモード
- 外部電源供給:バッテリーを使わずに安定した電源供給が可能。
- 高出力:バランス接続時に最大650mWの出力を確保。
- 高インピーダンスヘッドホン対応:鳴らしにくいヘッドホンも余裕で駆動。
実際に使用して感じたポイント
良かった点
- 有線イヤホン・ヘッドホンの音質を最大限に引き出す:ワイヤレス接続でもUSB DAC接続でも、圧倒的な音質を提供。
- ワイヤレスと有線のベストバランス:Bluetooth接続の利便性とUSB DACの高音質を両立。
- 直感的な操作性:ナビゲーションホイールとアプリが使いやすく、ストレスフリー。
- デスクトップモードの高出力:据え置き機器に匹敵する出力で高インピーダンスヘッドホンも快適に駆動。
- 優れたデザインとポータビリティ:洗練されたデザインとコンパクトさで、持ち運びも簡単。
改善してほしい点
- ディスプレイの操作感:タッチパネルではないため、メニュー操作はホイールやボタンに頼る。
- バッテリー持続時間:最大8時間はモバイル用途としては十分だが、もう少し長ければより安心。
- アプリUIの日本語対応:一部メニューが英語表記のままで、日本語対応が待たれる。
強いて言えばこの3点が挙げられますが、実際にはそこまで気にならないです。
「BTR17」はこんな人におすすめ
- 音質に妥協したくないオーディオファン:Bluetooth接続でも高音質を楽しみたい人。
- 高級イヤホン・ヘッドホンを持っている人:鳴らしにくい高インピーダンス機器をしっかり駆動したい人。
- デスクトップDACとしても使いたい人:据え置きとポータブルの両方で使用したい人。
- 利便性を重視する人:Bluetooth接続の快適さとUSB DAC接続の音質を切り替えながら楽しみたい人。
- 外出先でも最高の音楽体験をしたい人:通勤やカフェで高音質を堪能したい人。
購入を迷っている方へ
「BTR17」は、BluetoothアンプとしてもUSB DACとしても「音質」「操作性」「拡張性」のすべてにおいて高い完成度を誇ります。
特に以下のポイントに魅力を感じるなら、購入する価値は十分にあります。
- Bluetoothでも高音質を求めたい
- スマホやPCとの互換性を重視したい
- 手軽に持ち運べる高音質デバイスを探している
- デスクトップモードで据え置きアンプ並みの駆動力を得たい
FiiO 「BTR17」レビューの総括
FiiO 「BTR17」は、ただのBluetoothアンプやUSB DACではなく、音楽体験を次のレベルへ引き上げるデバイスです。
- 「もうこれがいい」:この言葉が自然と出てくるほど、「BTR17」7は完成度の高いデバイスです。
- 有線イヤホンやヘッドホンをもう一度外に持ち出したくなる:そんな気持ちにさせてくれる製品です。
ワイヤレス時代に逆行するかのように見える「有線イヤホン・ヘッドホン」の魅力を、FiiO BTR17は最新技術で再定義し、日常に取り戻してくれます。
音楽をもっと自由に、もっと高音質で。
FiiO 「BTR17」は、次世代のポータブルオーディオの新たなスタンダードです。
この記事が購入を検討されている方や、すでにお使いの方にとって参考になれば幸いです。