オーディオファンや高音質を手軽に楽しみたいと考えるすべての人にとって、デジタルオーディオプレイヤー(DAP)選びは悩ましくも楽しい瞬間です。
特に7万円〜8万円台のエントリーからミドルクラスは激戦区であり、「どれを選べば正解か?」と迷う方も多いでしょう。
今回徹底的にレビューするiBasso Audio 「DX180」は、そんな激戦区に投入された注目のモデルです。
約7〜8万円という価格ながら、上位モデル「DX260」から受け継いだ技術、驚くほどサクサク動く操作性、そしてiBassoらしいクリアで高解像度なサウンドを実現しています。
この記事では、iBasso Audio 「DX180」を約1ヶ月間じっくり使用した私が、その特徴から音質、実際の使用感(バッテリーや発熱)まで、以下の点を中心に徹底的にレビューします。
- 前作DX170や上位機DX260と何が違うのか?
- 「FIRフィルター」って本当に音質が変わるのか?
- ストリーミング(Amazon Music等)は快適に使えるのか?
- 競合モデルと比較して「買い」なのか?
「DX180のレビューが知りたい」「エントリークラスで失敗しないDAPが欲しい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
- iBasso Audio 「DX180」の概要と特徴
- iBasso Audio 「DX180」の外観デザインとパッケージ内容
- iBasso Audio 「DX180」の音質徹底レビュー
- iBasso Audio 「DX180」を使用した私の体験談・レビュー
- iBasso Audio 「DX180」に関するQ&A
- 「DX180」の最大の魅力は何ですか?
- 音の傾向を教えてください。
- 「FIRフィルター」機能は、音にどれくらい違いが出ますか?
- Amazon MusicやSpotifyなどのストリーミングアプリは快適に動きますか?
- 前作の「DX170」から買い換える価値はありますか?
- 上位モデルの「DX260」と迷っています。どちらがおすすめですか?
- Bluetoothレシーバーとして使えますか?(スマホの音をDX180で聴けますか?)
- PCやMacに接続して「USB-DAC」として使えますか?
- 「ラインアウト(LO)」機能はありますか? 外部アンプに接続できますか?
- ボリュームノブの操作感は良いですか?
- microSDカードは最大何TBまで対応していますか?
- iBasso Audio 「DX180」レビューのまとめ
iBasso Audio 「DX180」の概要と特徴

iBasso 「DX180」は、単なる「DX170」の後継機ではありません。
中身はほぼフルモデルチェンジと言っていいほどの進化を遂げています。
まずは、「DX180」の音質と操作性の核となる技術的な特徴を見ていきましょう。
上位機譲りの技術:クアッドDACとFPGA-MASTER 2.0
「DX180」の最大の注目点は、この価格帯でありながら上位モデルの技術を惜しみなく投入している点です。
- クアッドDAC構成 (CS43131 x4)
「DX180」は、シーラス・ロジック社のDACチップ「CS43131」を4基搭載しています。
これは前作「DX170」(2基)から倍増しており、上位モデル「DX260」(CS43198を8基)の設計思想を受け継ぐものです。
DACチップを複数搭載することで、S/N比(信号とノイズの比率)やダイナミックレンジが向上し、よりクリアで歪みの少ないサウンドを実現します。 - FPGA-MASTER 2.0
iBassoが独自に開発したオーディオ処理用ICチップです。
一般的なDAPがCPU(SoC)に処理を任せる部分を、このオーディオ専用チップが担当することで、CPUの負荷を減らし、より正確なオーディオクロック(信号のタイミング)を生成します。
これが、iBasso製品の音の正確さ、ノイズの少なさに大きく貢献しています。
前作「DX170」からの進化点とスペック比較
「DX180」は、音質面だけでなく、DAPとしての「使い勝手」も大幅に向上しています。
前作「DX170」と主要スペックを比較してみましょう。
| 項目 | iBasso DX180(本機) | iBasso DX170(前作) |
|---|---|---|
| OS | Android 13 | Android 11 |
| SoC | Snapdragon 665 | RK3566 |
| RAM | 4GB | 2GB |
| DAC | CS43131 x4 | CS43131 x2 |
| FPGA | FPGA-MASTER 2.0 | FPGA-MASTER |
| 内蔵ストレージ | 128GB | 32GB |
| 連続再生 | 約15.5時間(4.4mm Low Gain) | 約11時間(4.4mm) |
| 充電 | 1時間で83%(急速充電) | – |
| FIRフィルター | 搭載 (FIR 2X) | 非搭載 |
| サイズ | 123 x 75 x 16 mm | 124.5 x 70 x 15 mm |
| 重量 | 206g | 165g |
この表を見ても分かる通り、進化は一目瞭然です。特に「SoC(CPU)」「RAM」「OS」の強化は、日常的な操作感に直結する非常に重要なポイントです。
競合を凌駕する操作性:Snapdragon 665とAndroid 13
多くのDAPユーザーが不満を感じがちなのが「動作のモッサリ感」です。
しかし、「DX180」はその不満を完全に解消してくれました。
Android 13
最新のOSを搭載することで、セキュリティ面が安心なだけでなく、今後長く使えるというメリットもあります。
もちろんGoogle Playストアに対応しており、あらゆるストリーミングアプリ(Amazon Music, Spotify, Apple Musicなど)を自由にインストール可能です。
Snapdragon 665 + RAM 4GB
スマートフォンではミドルクラスにあたるSnapdragon 665と4GBのRAMを搭載。
これにより、音楽再生アプリの起動、曲の検索、アルバムアートのスクロールなど、あらゆる動作が非常にスムーズです。競合他社の同価格帯モデルと比較しても、この操作性の良さは頭一つ抜けています。
iBasso Audio 「DX180」の外観デザインとパッケージ内容

次に、パッケージ内容と本体のデザインをチェックしていきます。
開封レビュー:付属品(TPUケース等)をチェック
シンプルなパッケージを開封すると、本体と共に充実した付属品が入っています。
主な付属品
- DX180本体
- 専用TPUクリアケース
- スクリーンプロテクター(1枚は本体貼付済、予備あり)
- USB-C to A ケーブル
- クイックスタートガイド
- 保証書
最初からTPUケースとスクリーンプロテクターが付属しているのは非常に親切です。特にTPUケースは本体の角張ったデザインを和らげ、グリップ感を向上させてくれるため実用的です。
インダストリアルな本体デザインと質感
「DX180」のデザインは、上位モデル「DX260」と同様の「インダストリアル・デザイン」を採用しています。
直線的でソリッドなアルミニウム合金のボディは、前作「DX170」の丸みを帯びたデザインから一新され、非常にシャープで高級感のある印象を受けます。
サイズ感は「DX170」とほぼ同じですが、厚みはわずかに増しています(16mm)。
重量も206gとなり、手に持つと適度な重みを感じます。
操作ボタンと端子類(ボリュームノブの感触)
操作系はシンプルにまとめられています。
- 右側面: 電源ボタン兼ボリュームノブ、再生/一時停止、曲送り、曲戻しボタンが配置されています。
- 天面: USB-Cポート(充電・データ転送・DAC機能)、microSDカードスロット。
- 底面: 4.4mmバランス出力(ラインアウト兼用)、3.5mmシングルエンド出力(ラインアウト・同軸デジタル兼用)。
特に印象的なのがボリュームノブです。
上位機「DX260」では「軽すぎる」という意見もありましたが、「DX180」のノブは適度な重さと「カチカチ」というクリック感があり、非常に操作しやすい感触に調整されています。
誤操作の心配も少ないでしょう。
iBasso Audio 「DX180」の音質徹底レビュー

いよいよ本題の音質レビューです。
今回は4.4mmバランス接続をメインに、愛用のイヤホン(AFUL Performer 8など)と組み合わせて試聴しました。
iBassoらしい高解像度でクリアなサウンド
「DX180」のサウンドを一言で表すなら「高解像度で見通しの良いクリアサウンド」です。
iBasso製品に共通する音の輪郭がハッキリとした傾向を踏襲しつつ、クアッドDAC構成のおかげか、サウンドステージ(音場)が広く、S/N比が非常に高いと感じました。
- 高音域: 刺さることなく、繊細で透明感があります。シンバルやハイハットの余韻が綺麗に伸びていきます。
- 中音域: ボーカルや楽器の音が非常にクリア。変な色付けがなく、音源の情報をストレートに描き出します。
- 低音域: 過度に膨らむことなく、タイトでキレがあります。全体の解像度を邪魔しない、バランスの取れた低音です。
「DX170」が「元気でパワフル」なサウンドだったのに対し、「DX180」はより「落ち着きと繊細さ」を手に入れ、音の立体感や分離感が格段に向上しています。
劇的な音質変化?「FIRフィルター」の実力を検証
「DX180」には、「DX260」から受け継いだ「FIRフィルター」機能が搭載されています。
これはFPGA-MASTER 2.0で制御されるハードウェア・アナログフィルターで、2つのモードを切り替えられます。
- Normalモード: いわゆる通常のモード。
- 2x FIRモード: 複数のDAC間のクロックをわずかにズラして平均化することで、歪みを低減し、より滑らかな音質を目指すモード。
実際に切り替えて聴き比べてみました。
正直なところ、「劇的に音が変わる」というものではありません。
しかし、注意深く聴き込むと、「2x FIRモード」の方が音の角が取れてわずかに滑らかになり、音場が少し奥に広がるような印象を受けました。
Normalモードが「シャープでクッキリ」なら、2x FIRモードは「アナログ的で自然」な響きです。
この違いは、デジタルフィルター(Short Delay Slow Roll offなど)の切り替えよりも繊細ですが、自分の好みに音を追い込める面白い機能だと感じました。
DX260(上位機)にどこまで迫れるか?
「DX180」の価格は約8万円、対して「DX260」は約16万円。価格はちょうど半分です。
「音質も半分か?」と言われれば、答えは明確に「No」です。
もちろん、「DX260」(Octa DAC搭載)と比較すれば、音の粒立ちの細かさ、静寂の中から音が立ち上がるような圧倒的な解像度感では一歩譲ります。
しかし、「DX180」は「DX260」の「音の傾向(クリアさ、見通しの良さ)」を確かに受け継いでいます。
操作性に関しては(SoCが新しいため)「DX180」の方が快適とさえ感じます。
そう考えると、「DX180」のコストパフォーマンスは驚異的と言わざるを得ません。
iBasso Audio 「DX180」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、私が実際に1ヶ月間メインDAPとして使用して感じた、カタログスペックだけでは分からない「リアルな使用感」をレビューします。
ストリーミング(Amazon Music等)での快適性
結論から言うと、「驚くほど快適」です。
Snapdragon 665とRAM 4GBの恩恵は絶大で、Amazon Music HDアプリの起動、高解像度なアルバムアートが並ぶライブラリのスクロール、再生開始までの速度、すべてにおいてストレスがありません。
以前私が使っていた同価格帯のDAP(RK3566搭載機)とは雲泥の差です。
もはや「DAPは動作がモッサリしている」という時代は終わったのかもしれません。ストリーミングメインでDAPを使いたい人にとって、「DX180」は最高の選択肢の一つです。
バッテリー性能:公称15.5時間は本当か?
メーカー公称値は「4.4mmバランス / Lowゲインで約15.5時間」です。
私は主に「4.4mmバランス / Highゲイン」でストリーミング(Wi-Fi常時接続)と内部音源を半々くらいで使っていましたが、その状態でも実働で11〜12時間程度は余裕で持ちました。
Lowゲインで内部音源のみなら、公称値に近い再生時間も十分可能でしょう。
また、急速充電に対応しており、バッテリーが減っていても1時間ほど充電すれば80%以上回復するのが非常に便利でした。
発熱は気になる?長時間の使用感
DAP、特にAndroid搭載機は発熱が懸念されます。
「 DX180」も、ストリーミング(特に高ビットレート)を連続再生したり、急速充電しながら操作したりすると、本体が「ほんのり温かい」と感じるレベルの発熱はあります。
しかし、競合モデルで時折みられる「カイロのように熱くなる」といった状態には一度もなりませんでした。
付属のTPUケースを装着していれば、発熱はほとんど気にならないレベルです。
温度管理は非常に優秀だと感じました。
ポータビリティと画面の見やすさ
重量206gは、最近のスマートフォン(iPhone 15 Pro Maxが221g)と比べても同等か軽いくらいで、持ち運びに苦はありません。
5インチのフルHD(1080×1920)スクリーンは非常にシャープで、アルバムアートや文字が鮮明に表示されます。
屋外での視認性も良好でした。
1ヶ月使って感じたメリットとデメリット
最後に、「DX180」を使い込んで感じた良い点と、人によっては気になるかもしれない点をまとめます。
メリット(良かった点)
- 圧倒的な操作性: ストリーミングがスマホ並みにサクサク動く。
- 価格を超えた音質: 非常にクリアでS/N比が高く、音場が広い。
- 優れたバッテリー持ち: 実使用でも丸一日は余裕で持つ安心感。
- クリック感のあるノブ: ボリューム操作が快適で確実。
- 充実した付属品: ケースとフィルムが最初から付いてくる。
デメリット(気になる点)
- やや大柄なボディ: DX170や小型DAPから乗り換えると、少し大きく重く感じるかも。
- FIRフィルターの効果が繊細: 音の激変を期待すると肩透かしをくらうかも。(あくまで味変程度)
- デザインの無骨さ: 直線的なデザインは好みが分かれるかもしれません。
iBasso Audio 「DX180」に関するQ&A

iBasso Audio 「DX180」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「DX180」の最大の魅力は何ですか?
「圧倒的なコストパフォーマンス」です。約8万円という価格ながら、上位モデル(DX260)譲りのクアッドDAC構成やFIRフィルターといった高音質技術と、Snapdragon 665とAndroid 13が実現するスマートフォン並みの快適な操作性を両立させている点です。音質も操作性も妥協したくない人にとって、クラスの常識を超える一台となっています。
音の傾向を教えてください。
iBassoらしい「高解像度でクリア、見通しの良いサウンド」が特徴です。S/N比が非常に高く、ノイズのない静寂な背景から音が立ち上がります。音場も広く、特定の帯域を強調するような色付けが少ないため、イヤホンやヘッドホンが持つ本来の性能を引き出してくれます。
「FIRフィルター」機能は、音にどれくらい違いが出ますか?
「劇的に変わる」ものではなく、音を微調整する「味付け」機能と捉えるのが良いでしょう。「Normalモード」がシャープでクッキリした音なのに対し、「2x FIRモード」に切り替えると、音の角が取れてわずかに滑らかになり、アナログ的な自然な響きが加わる印象です。大きな変化を期待するより、好みに合わせて追い込むためのマニアックな機能として楽しむのがおすすめです。
Amazon MusicやSpotifyなどのストリーミングアプリは快適に動きますか?
「非常に快適に動作します」。DAPにありがちな「動作のモッサリ感」はほとんどありません。Snapdragon 665プロセッサと4GBのRAMを搭載しているため、アプリの起動、アルバムアートのスクロール、曲の検索などがスムーズで、スマートフォンとほぼ変わらない感覚で使用できます。
前作の「DX170」から買い換える価値はありますか?
「十分にあります」。「DX170」も良いDAPでしたが、「DX180」は中身がほぼ別物です。
- SoC(CPU): RK3566 → Snapdragon 665
- RAM: 2GB → 4GB
- OS: Android 11 → Android 13
- DAC: 2基 → 4基
- 機能: FIRフィルター追加 操作性(特にストリーミング)が飛躍的に向上し、音質もより繊細で立体的になっています。DX170の動作に少しでも不満があった方なら、買い換える価値は非常に高いです。
上位モデルの「DX260」と迷っています。どちらがおすすめですか?
予算と何を最優先にするかによります。
- DX260(約16万円): 8基のDACを搭載し、音の粒立ちの細かさ、究極の解像度感を求めるならこちらです。
- DX180(約8万円): DX260のクリアな音の傾向を受け継ぎつつ、価格は約半分です。また、SoCが新しいため、操作性の快適さだけならDX180の方が上と感じる可能性もあります。
「圧倒的なコストパフォーマンスで、音質も操作性も高いレベルで満足したい」なら「DX180」を、「予算に上限はなく、とにかく最高の音質を追求したい」なら「DX260」をおすすめします。
Bluetoothレシーバーとして使えますか?(スマホの音をDX180で聴けますか?)
はい、双方向Bluetoothに対応しています。「DX180」からBluetoothイヤホンに音を飛ばす「送信」だけでなく、スマートフォンから音声をBluetoothで受け取り、「DX180」に接続した有線イヤホンで高音質に聴く「受信(レシーバー機能)」も可能です。LDACやaptXといった高音質コーデックにも対応しています。
PCやMacに接続して「USB-DAC」として使えますか?
はい、高性能なUSB-DACとして使用可能です。付属のUSB-CケーブルでPC/Macと接続し、「DX180」側で「DACモード」を選択するだけです。PCのノイズから切り離されたDX180のクアッドDACと強力なアンプ部を経由することで、PCでの音楽鑑賞(サブスクや動画鑑賞も含む)の音質を飛躍的に向上させることができます。
「ラインアウト(LO)」機能はありますか? 外部アンプに接続できますか?
はい、4.4mmバランス出力と3.5mmシングルエンド出力の両方がラインアウトに対応しています。設定メニューから「Phone Out (PO)」と「Line Out (LO)」を切り替えることができます。 ラインアウトモードにすると、「DX180」のボリュームコントロールがバイパスされ(最大音量で固定)、純粋なライン信号として外部のポータブルアンプや据え置きアンプに出力できます。これにより、「DX180」を純粋なプレーヤー/トランスポートとして活用し、さらに強力なアンプと組み合わせるという拡張性も持っています。
ボリュームノブの操作感は良いですか?
はい、非常に良好です。上位モデルのDX260のノブは「軽すぎて誤操作しやすい」というフィードバックがありましたが、「DX180」のノブは適度な重さと「カチカチ」という明確なクリック感があるタイプに調整されています。ポケットの中などでも誤ってボリュームが変わってしまう心配が少なく、確実な操作が可能です。
microSDカードは最大何TBまで対応していますか?
公式スペックでは最大2TBまでのmicroSDカード(SDXC規格)に対応しています。大容量のハイレゾ音源ライブラリも安心して持ち運ぶことが可能です。
iBasso Audio 「DX180」レビューのまとめ

iBasso Audio 「DX180」は、エントリーからミドルクラスのDAP市場において、一つの「答え」を示したモデルだと感じました。
「DX180」の優れた点 3選(音質・操作性・コスパ)
- クラス最高の操作性: Snapdragon 665搭載でストリーミングが本当に快適。
- 上位機譲りのクリアサウンド: クアッドDACとFPGA-MASTER 2.0が実現する高S/N比。
- 驚異的なコストパフォーマンス: 音質・操作性・バッテリー全てが高水準で約8万円。
「DX180」の気になる点・注意点
- 小型軽量のDAPを求めている人には不向き。
- iBasso特有のクリアで分析的なサウンドが好みでない場合(例:もっとウォームでアナログライクな音が好き)は、他の選択肢も検討すべき。
「DX180」はどんな人におすすめ?
- スマホの音質から本格的にステップアップしたい人
- DAPでもストリーミングを快適に使いたい人
- 動作がモッサリするDAPにうんざりしている人
- 10万円以下で音質と操作性を両立したい人
競合モデル(FiiO M23等)との簡易比較
| モデル | iBasso DX180 | FiiO M23 |
|---|---|---|
| SoC | Snapdragon 665 | Snapdragon 660 |
| DAC | CS43131 x4 | AKM AK4191+AK4499EX |
| OS | Android 13 | Android 12 |
| 価格帯 | 約7〜8万円 | 約10〜11万円 |
| 強み | 圧倒的な操作性、最新OS | FiiO独自のデスクトップモード |
価格帯は異なりますが、FiiO 「M23」なども競合となります。
「DX180」は、より新しいSoCとOSを搭載し、価格も抑えられている点で優位性があります。
音の傾向は異なるため(FiiOはよりパワフル、iBassoはより繊細クリア)、ここは好みで選ぶと良いでしょう。
iBasso Audio 「DX180」レビューの総括
iBasso Audio 「DX180」は、「エントリークラスのDAPは、音質か操作性のどちらかを妥協しなければならない」というこれまでの常識を、完全に過去のものとしました。
上位モデルに迫るクアッドDAC構成のクリアで高解像度なサウンドと、Snapdragon 665が実現するスマートフォンと遜色ない快適な操作性を、約8万円という驚異的なコストパフォーマンスで両立させています。
特にストリーミングサービスをストレスフリーで楽しみたいユーザーにとって、これほど魅力的な選択肢は他にないでしょう。
初めてのDAP選びで失敗したくない方から、旧世代機の動作の遅さに不満を抱えていたベテランのオーディオファンまで、音楽を愛するすべての人に自信を持って推薦できる、まさにクラスの「新しい基準」となる一台です。


