【JBL Sense Proレビュー】オープン型の常識を破壊する“重低音”と“完璧な装着感”。音質・音漏れを徹底検証。

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出典:JBL公式
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「オープンイヤー型イヤホンは、耳を塞がない快適さと引き換えに、音質はある程度妥協しなければならない」

あなたも、漠然とそんなイメージをお持ちではないでしょうか?

確かに、周囲の音を聞きながらBGM感覚で音楽を楽しめる「ながら聴き」は、現代のライフスタイルに欠かせないものとなりました。
しかし、その構造的な特性上、どうしても低音域の迫力が失われがちで、「音楽に没入する」体験とは程遠い製品が多かったのも事実です。

私自身、これまで数多くのオープン型イヤホンをレビューしてきましたが、その多くが「快適さ」と「音質」のトレードオフを抱えていました。

しかし、2025年秋。
その長きにわたる常識を、オーディオ界の巨人「JBL」が自ら根本から覆す、まさに「オープン型の最終兵器」とも呼べるフラッグシップモデルを市場に投下しました。

それが、今回徹底的にレビューする「JBL Sense Pro(ジェイビーエル センスプロ)」です。

JBLのオープン型といえば、約2年前に登場し、その高い完成度で市場を席巻した「Soundgear Sense(サウンドギアセンス)」が記憶に新しいところ。
しかし、このSense Proは、単なる後継機ではありません。

ハイレゾワイヤレスの「LDAC」コーデックに対応し、JBLオープン型としては初の「空間サウンド」を搭載。さらに、装着感を極限まで高める「無段階角度調整」機構や、強力な音漏れ防止技術まで備えた、まさに「全部入り」のモンスターマシンです。

この記事では、オーディオ専門のレビュアーである私が、JBL Sense Proを数週間にわたり徹底的に使い込み、その実力をあらゆる角度から検証しました。

JBLは、なぜこのタイミングで「本気」のオープン型を世に送り出してきたのか。そのサウンドは、本当に「ながら聴き」の常識を覆すのか。本音のレビューをお届けします。

  1. JBL Sense Proとは?「ながら聴き」の常識を覆すフラッグシップモデル
    1. サウンドギアセンスから正統進化!JBLの本気度が伺える一台
    2. LDAC・空間サウンド対応。「全部入り」の妥協なきスペック
    3. 新開発16.2mm DLCドライバーと音漏れ防止技術
  2. 「完璧」と評されるJBL Sense Proの装着感の秘密
    1. 快適さと安定性を両立するリキッドシリコンイヤフック
    2. 20°の無段階「角度調整」が実現する究極のフィット感
    3. 眼鏡やスポーツ時も快適なIP54の防塵防水性能
  3. オープン型の限界を超えたJBL Sense Proの「ヘッドホン級」迫力サウンド
    1. 常識破りの重低音とJBLらしい躍動感
    2. 埋もれないボーカルとクリアな高音域の分離感
    3. 高音質LDACと空間サウンドの「二者択一」という注意点
  4. 私の体験談:JBL Sense Proを徹底的に使い込んで感じたこと
    1. まず驚いたのは装着感。角度調整は「必須」の機能
    2. 「これがオープン型?」と耳を疑う低音の質と量感
    3. VPU搭載は伊達じゃない!騒音下でも声が届く通話品質
    4. あると便利なワイヤレス充電と安定したマルチポイント
    5. 音漏れは最小限。カフェでも音量次第で実用レベル
    6. 体験談の総括
  5. JBL Sense Pro に関するQ&A
    1. Sense Proの最大の特長は何ですか?
    2. 「Soundgear Sense」から買い換える価値はありますか?
    3. 音漏れはしますか?電車やカフェで使えますか?
    4. 眼鏡と干渉しませんか?
    5. スポーツ中に外れませんか?
    6. iPhoneで使っても高音質ですか?
    7. LDACと空間サウンドは同時に使えますか?
    8. 音ゲーやFPSに使えますか?
    9. マルチポイント接続(2台同時接続)はできますか?
    10. バッテリーはどのくらい持ちますか?
    11. 防水性能はIP54ですが、お風呂やプールで使えますか?
    12. 「Auracast(オーラキャスト)」とは何ですか?
    13. VPU(ボイスピックアップユニット)とは何ですか?
    14. 「Personi-Fi」とはどんな機能ですか?
  6. レビューのまとめ:JBL Sense Proの総合評価とおすすめする人
    1. JBL Sense Proの優れた点(メリット)
    2. 購入前に知っておきたい注意点(デメリット)
    3. 音質に妥協したくない「ながら聴き」ユーザーに最適
    4. スポーツやビジネス通話など、あらゆる場面で活躍
    5. JBL Sense Pro レビューの総括:オープン型イヤホンの新たな頂点を体験せよ

JBL Sense Proとは?「ながら聴き」の常識を覆すフラッグシップモデル

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出典:JBL公式

サウンドギアセンスから正統進化!JBLの本気度が伺える一台

JBL Sense Proは、既存の「Soundgear Sense」や「Sense Lite」といった同社のオープン型イヤホンラインナップにおいて、最上位に君臨するフラッグシップモデルとして開発されました。

Soundgear Senseも、JBLらしい迫力あるサウンドで「オープン型でもここまで鳴らせるのか」と私たちを驚かせてくれた名機です。
しかし、Sense Proは、その評価点すべてを凌駕するべく設計されています。

「ながら聴き」の快適さは当然のこと、「音楽に集中して没入できる高音質」という、オープン型が最も苦手としてきた領域に、JBLが持つ最新技術を惜しみなく投入。
まさに「妥協なき音質」を追求したモデルであり、JBLの本気度が伺えます。

LDAC・空間サウンド対応。「全部入り」の妥協なきスペック

Sense Proのスペックシートは、現在のワイヤレスイヤホン市場において「これ以上何を望むのか」と言いたくなるほど充実しています。

▼ JBL Sense Pro 主要スペック一覧

カテゴリスペック詳細
ドライバー新開発 16.2mm径 DLC(ダイヤモンドライクカーボン)ドライバー
高音質コーデックLDAC, AAC, SBC
BluetoothVer. 5.3 (LE Audio対応)
空間サウンドJBL空間サウンド対応 (Movie / Music / Gaming)
音漏れ防止JBLオープンサウンドテクノロジー (逆位相技術)
通話機能4マイク + VPU (ボイスピックアップユニット)
バッテリーイヤホン単体: 最大8時間 / ケース込み: 最大38時間
充電ワイヤレス充電 (Qi) 対応 / USB-C急速充電 (10分で4時間再生)
防水防塵IP54 (イヤホン本体)
接続機能マルチポイント接続対応 (LDACオンでも利用可)
その他機能Auracast対応, Personi-Fi 3.0, 専用アプリ対応

専門的な視点から見ても、このスペックは驚異的です。

特に注目すべきは、オープン型イヤホンでありながら「LDAC」「空間サウンド」「ワイヤレス充電(Qi)」の3つを同時に搭載してきた点。
これらすべてを網羅するオープン型モデルは、市場全体を見渡しても極めて稀であり、JBLがいかにSense Proを「フラッグシップ」として位置づけているかが明確にわかります。

新開発16.2mm DLCドライバーと音漏れ防止技術

Sense Proがなぜ「高音質」を実現できたのか。その心臓部には、2つの重要な技術があります。

一つは、新開発の「16.2mm径 DLC(ダイヤモンドライクカーボン)ドライバー」です。

DLCとは、非常に硬く軽量な特性を持つ炭素素材のこと。
高級なカナル型イヤホンやヘッドホンで採用されることはありましたが、オープン型での採用は珍しい試みです。

  • 「硬さ」がもたらすメリット:
    ドライバーが振動する際に余計なたわみ(歪み)が発生するのを防ぎます。
    これにより、音が濁ることなく、特に低音域の輪郭をクッキリと、高音域をクリアに再生できます。
  • 「軽さ」がもたらすメリット:
    音の信号に対する反応速度(レスポンス)が向上します。
    これにより、音の立ち上がりが速く、JBLらしいキレと躍動感のあるサウンドを生み出します。

そして二つ目の技術が、音漏れを根本から対策する「JBLオープンサウンドテクノロジー」です。

これは、耳に向かって音を再生すると同時に、外側に向かって「逆位相(音の波形を反転させたもの)」の音を発生させる技術。
いわば、音漏れに対してノイズキャンセリングをかけるようなものです。

これにより、音が外に拡散するのを物理的に打ち消し、オープン型最大の懸念事項であった音漏れを最小限に抑え込むことに成功しています。

 

「完璧」と評されるJBL Sense Proの装着感の秘密

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出典:JBL公式

どれほど音質が良くても、装着感が悪ければ長時間の使用には耐えられません。
Sense Proは、その点においても一切の妥協がありません。

快適さと安定性を両立するリキッドシリコンイヤフック

Sense Proを手に取ってまず感じるのが、イヤフック部分のしなやかさです。

このフック部分には、医療機器にも使用される高品質な「リキッドシリコン」が採用されています。
肌への当たりが非常に柔らかく、まるで体の一部であるかのように耳に馴染みます。

しかし、ただ柔らかいだけではありません。
内部には形状記憶特性を持つ「チタン合金ワイヤー」が内蔵されており、耳の形に沿ってしっかりとフィット。
これにより、「長時間着けても痛くならない快適さ」と、「ランニングをしてもズレない安定性」という、相反する要素を見事に両立させています。

20°の無段階「角度調整」が実現する究極のフィット感

本機の装着感を「完璧」たらしめている最大の要因。それが、イヤホン本体の角度を調整できる独自の機構です。

前モデルのSoundgear Senseでも4段階の調整が可能で画期的でしたが、Sense Proはさらに進化。
20°の範囲内で「無段階」に角度をスライド調整できるようになりました。

これがなぜ重要なのか? 理由は3つあります。

  1. 究極のパーソナライズ:
    人の耳の形、特に耳の穴の位置は千差万別です。
    無段階調整により、ドライバー(音の出口)を自分の耳の穴にジャストフィットさせることが可能になります。
  2. 音質の最大化:
    ドライバーが耳の穴に正対することで、音のエネルギーがロスなく鼓膜に届きます。
    これにより、特に低音の迫力や音のディテールが劇的に向上します。
  3. 音漏れの低減:
    音が耳にダイレクトに届くため、必要以上に音量を上げる必要がなくなります。
    結果として、周囲への音漏れも最小限に抑えることができます。

この無段階調整機能は、単なる「フィット感を良くする機能」ではなく、Sense Proの「高音質」を引き出すための最重要機構であると断言します。

眼鏡やスポーツ時も快適なIP54の防塵防水性能

イヤフック型で常に議論になるのが、「眼鏡との干渉」です。

Sense Proのイヤフックは非常に細く、かつしなやかに設計されているため、眼鏡のツルと重ねて装着しても、圧迫感や違和感が最小限に抑えられています。
私自身も眼鏡ユーザーですが、長時間のデスクワークでも痛みを感じることはありませんでした。

さらに、本体はIP54の防塵防水性能を備えています。

  • IP5X(防塵): 砂埃が舞うような屋外でのランニングやアウトドアシーンでも、内部への粉塵の侵入を防ぎ、故障のリスクを低減します。
  • IPX4(防水): 激しいワークアウトでかく汗や、突然の雨にも耐えうる防水性能。あらゆる方向からの水の飛沫を防ぎます。

この堅牢性により、Sense Proは日常のリスニングから、ジムでのトレーニング、悪天候時のランニングまで、シーンを選ばず活躍するタフなパートナーとなります。

 

オープン型の限界を超えたJBL Sense Proの「ヘッドホン級」迫力サウンド

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出典:JBL公式

さて、いよいよ音質の核心に迫ります。
技術的な解説はさておき、「JBL Sense Proの音は、本当に凄いのか?」という問いに、専門家としてお答えします。

結論から言えば、「これは、オープン型の音ではない」です。

常識破りの重低音とJBLらしい躍動感

Sense Proのサウンドを聴いて、誰もが真っ先に衝撃を受けるのが「重低音の質と量感」です。

オープン型イヤホンは、構造上、音が抜けてしまうため低音がスカスカになりがちです。
しかし、Sense Proは、前述の16.2mm DLCドライバーと、音量に応じて低音を自動調整する「アダプティブ低音強調アルゴリズム」の相乗効果により、この常識を完全に破壊しました。

そのサウンドは、まるで良質な密閉型ヘッドホンで聴いているかのよう

ロックのバスドラムのアタック感、EDMやヒップホップの地を這うようなサブベース(非常に低い音)の振動まで、一切ごまかすことなくリアルに描き出します。

それでいて、JBLの伝統とも言える「レスポンスの良さ」と「躍動感」は健在。音がこもったり、ブーミーになったりすることは一切なく、あくまでもキレが良く、聴いていて体が自然とリズムを刻んでしまうような楽しさがあります。

埋もれないボーカルとクリアな高音域の分離感

これだけ低音が豊かだと、「ボーカルが埋もれてしまうのではないか?」と懸念するのがオーディオレビューの常です。

しかし、Sense Proの真価は、その「分離感の高さ」にあります。

分厚いベースラインやドラムスの迫力の中でも、ボーカルラインは一切埋もれることなく、クリアに、そして生々しく定位します。
これは、DLCドライバーの高い解像度と、JBLの巧みなチューニングの賜物です。
男性ボーカルの低音の厚みから、女性ボーカルの息遣いやハイトーンの伸びまで、しっかりと描き分けます。

高音域も同様です。
シンバルやハイハットの音は、刺さるような硬さがなく、非常に滑らかでありながら、最後までしっかりと伸び切ります。
オープン型特有の自然な音の抜けも相まって、非常に開放的で聴き疲れのないサウンドステージを構築しています。

高音質LDACと空間サウンドの「二者択一」という注意点

音質に関して、ほぼ完璧とも思えるSense Proですが、一点だけ、専門家として指摘しておくべき「仕様上の注意点」があります。

それは、高音質コーデックである「LDAC」と、「JBL空間サウンド」および聴覚特性を最適化する「Personi-Fi 3.0」が、同時に使用できないという点です。

  • LDACをONにする: 空間サウンドとPersoni-Fiは自動的にOFFになります。
  • 空間サウンドをONにする: LDACはOFFになり、コーデックはAACまたはSBCに切り替わります。

これは、AndroidスマートフォンなどでLDAC接続による最高音質を追求したいユーザーにとっては、悩ましいトレードオフと言えます。

  • 音質最優先の音楽鑑賞: LDACをONにする(情報量が最も多く、解像度の高い音を楽しめる)。
  • 映画やライブ映像の鑑賞: 空間サウンドをONにする(AAC接続になるが、圧倒的な臨場感と音の広がりを楽しめる)。

このように、コンテンツに応じてアプリで設定を切り替える必要があります。
これはデメリットというよりは、高度な機能を両立させるための「仕様」と理解するのが適切でしょう。
iPhoneユーザー(コーデックがAAC固定)の場合は、この制約は関係なく、空間サウンドやPersoni-Fiを自由に楽しむことができます。

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私の体験談:JBL Sense Proを徹底的に使い込んで感じたこと

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ここからは、私が実際にJBL Sense Proを数週間にわたり、日常生活のあらゆるシーンで徹底的に使い込んで感じた「本音」を詳細にレポートします。

まず驚いたのは装着感。角度調整は「必須」の機能

まず、箱から取り出して装着した瞬間、「あ、これは違う」と直感しました。
リキッドシリコンのフックが耳に吸い付くように柔らかく、11.9g(片耳実測値)という重量をまったく感じさせません。

そして、本機の真価を発揮させる「角度調整」を試しました。

最初はデフォルト位置で装着。「まあ、良い音だ」と感じる程度でした。

しかし、そこからイヤホン本体をスライドさせ、自分の耳の穴にピッタリと向く位置に調整した瞬間、世界が一変しました。

音が、鼓膜に直接「発射」される感覚。

それまでぼんやりと広がっていた低音が中央に集まり、ボーカルが目の前に現れました。
装着感を最適化するプロセスが、そのまま音質のチューニングになるという体験は衝撃的でした。
これはもはや「おまけ」機能ではありません。Sense Proの性能を100%引き出すための「必須」の儀式です。

「これがオープン型?」と耳を疑う低音の質と量感

LDAC接続(Xperia 1 Vを使用)に切り替え、いつもリファレンスに使っている楽曲を再生し、私は二度目の衝撃を受けました。

  • King Gnu『SPECIALZ』: 冒頭から地を這うようにうねるサブベース。オープン型ではまず聴こえないはずの超低音域が、耳の奥を明確に振動させます。
  • Ado『唱』: 複雑に打ち込まれたビートと分厚いシンセベースの渦の中でも、ボーカルが一切埋もれず、その高いテンションをダイレクトに伝えてきます。
  • Jamiroquai『Virtual Insanity』: イントロの流麗なピアノの響きと、ファンキーなベースラインの分離が完璧。音の粒立ちが非常に細かく、情報量の多さに驚かされます。

これはもはや「ながら聴き」の音質ではありません。「音楽と真剣に向き合う」ためのサウンドです。
耳を塞いでいないのに、音の密度と迫力は高級カナル型イヤホンに匹敵します。

VPU搭載は伊達じゃない!騒音下でも声が届く通話品質

私はオンライン会議や電話も多いため、マイク性能はシビアにチェックします。
Sense Proは、4つのマイクに加え、自分の声帯の振動を直接拾う「VPU(ボイスピックアップユニット/骨伝導センサー)」を搭載しています。

この効果を試すため、あえて騒がしい環境でテストしました。

▼ 通話品質テストの結果

テスト環境マイクの音声品質 (相手側の評価)
静かな自室「非常にクリア。すぐ隣で話しているかのよう」
騒がしいカフェ「周囲のガヤガヤ音はほぼ聞こえず、声だけがハッキリ届く。驚いた」
風の強い屋外「風切り音は少し入るが、他のイヤホンと比べて圧倒的に声が聞き取りやすい」

結果は明白でした。
VPUが、騒音と「私の声」を正確に分離し、声だけをクリアに抽出しています。
これは、Soundgear Sense(VPU非搭載)からの明確な進化であり、ビジネス用途でイヤホンを探している人にとって、これ以上ない決め手となるでしょう。

あると便利なワイヤレス充電と安定したマルチポイント

地味ながら、日常生活の質を確実に向上させたのが「ワイヤレス充電(Qi)対応」です。

デスクの充電パッドにケースをポンと置くだけで充電が始まる手軽さは、一度体験すると元には戻れません。
バッテリー持ち自体も非常に優秀(単体8時間)なため、充電切れのストレスは皆無でした。

また、専門家として「LDAC接続時のマルチポイント」の安定性も検証しました。

PC(AAC接続)とスマートフォン(LDAC接続)に同時接続し、PCで動画を再生中にスマホに着信があっても、シームレスかつ安定して切り替わりました。高音質と利便性を両立させている点は、高く評価できます。

音漏れは最小限。カフェでも音量次第で実用レベル

JBLオープンサウンドテクノロジー(逆位相技術)が、どれほど音漏れを防いでくれるのか。
これも意地悪なテストをしてみました。

  • テスト環境: 静かなオフィスの自席(隣との距離1.5m)
  • テスト内容: 隣の同僚に音漏れのチェックを依頼

▼ 音量別・音漏れ検証結果

  • 音量 30%: 「まったく聴こえない」
  • 音量 40%: 「耳を澄ませば、微かにシャカシャカ鳴ってるかも?程度」
  • 音量 50%: 「あ、何か曲が鳴ってるのがわかる」
  • 音量 70%: 「普通に何の曲か聴こえる」

Sense Proは音がダイレクトに耳に届くため、そもそも大音量にする必要がありません。
私の場合、室内では30〜40%で十分すぎるほどの音量でした。

結論として、静寂な図書館のような場所では当然控えるべきですが、カフェや電車内、オフィスなど、ある程度の環境音がある場所であれば、常識的な音量(50%以下)でまず問題になることはないでしょう。
これは、他のオープン型イヤホンと比較してもトップクラスの優秀さです。

体験談の総括

JBL Sense Proを徹底的に使い込んだ私の総括は、「これは、オープン型イヤホンのカテゴリーを再定義する製品だ」というものです。

これまでの「ながら聴き」は、利便性のために音質を犠牲にする、いわば「妥協の産物」でした。

しかしSense Proは、その妥協を一切排除しました。

  • 通勤中: 周囲の音を聞きながら、ハイレゾ級の迫力ある音楽に没入できる。
  • 仕事中: 完璧なフィット感でオンライン会議をこなし、そのままPCとスマホをシームレスに行き来できる。
  • ジム: 激しい運動でもズレず、IP54で汗を気にせず、鼓舞する音楽を楽しめる。
  • 自宅: ワイヤレス充電で手軽に充電し、映画を観る際は空間サウンドで臨場感に浸る。

Sense Proは、生活のあらゆるシーンの「音の質」を、耳を塞ぐことなく劇的に向上させる、唯一無二のデバイスです。

 

JBL Sense Pro に関するQ&A

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JBL Sense Pro に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

Sense Proの最大の特長は何ですか?

耳を塞がないのに、まるでヘッドホンのような「迫力ある重低音」が楽しめることです。音質に一切妥協しない、オープン型の最上位モデルです。

「Soundgear Sense」から買い換える価値はありますか?


価値は十分にあります。特に「音質(LDAC対応)」「通話品質(VPU搭載)」「フィット感(無段階調整)」「ワイヤレス充電」が大きく進化しています。

音漏れはしますか?電車やカフェで使えますか?

オープン型としてはトップクラスに音漏れが少ないです。逆位相の技術で音を打ち消します。常識的な音量であれば、カフェや電車でも問題なく使えます。

眼鏡と干渉しませんか?

フックが細く柔らかいため、干渉は最小限です。多くの場合、眼鏡と併用しても痛みや違和感なく快適に使えます。

スポーツ中に外れませんか?

非常に外れにくいです。角度調整で耳に完璧にフィットさせられるため、ランニングなどの激しい運動でも安定しています。IP54の防塵防水なので汗も安心です。

iPhoneで使っても高音質ですか?

はい、高音質を体験できます。LDACは使えませんが、イヤホン自体の性能(16.2mm DLCドライバー)が非常に高いため、AAC接続でも迫力あるサウンドを楽しめます。

LDACと空間サウンドは同時に使えますか?

いいえ、同時に使えません(排他仕様です)。アプリで「高音質(LDAC)」か「臨場感(空間サウンド)」のどちらかを選ぶ必要があります。

音ゲーやFPSに使えますか?

LE Audio対応で遅延は少ないですが、競技レベルのシビアな用途には不向きです。カジュアルなゲームなら問題ありません。

マルチポイント接続(2台同時接続)はできますか?

はい、対応しています。PCとスマートフォンなどに同時に接続でき、LDAC(高音質モード)がオンの状態でも利用可能です。

バッテリーはどのくらい持ちますか?

イヤホン単体で最大8時間、充電ケースと併用すると最大38時間です。10分の充電で4時間使える急速充電にも対応しています。

防水性能はIP54ですが、お風呂やプールで使えますか?

いいえ、使えません。IP54は「汗や雨などの水しぶき」に耐えられるレベルです。水に沈める(水没させる)ことには対応していません。

「Auracast(オーラキャスト)」とは何ですか?

1つの再生機器(例:テレビやスマホ)の音を、複数の対応イヤホンで同時に共有できる新しいBluetooth技術です。

VPU(ボイスピックアップユニット)とは何ですか?

自分の声の「振動(骨伝導)」を検知するセンサーのことです。周囲の騒音とあなたの声を正確に区別し、クリアな通話を実現します。

「Personi-Fi」とはどんな機能ですか?

アプリで簡単な聴力テストを行い、あなたの耳の聞こえ方(どの音域が聞き取りにくいか)に合わせて、音質を自動で最適化(補正)してくれる機能です。

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レビューのまとめ:JBL Sense Proの総合評価とおすすめする人

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JBL Sense Proの優れた点(メリット)

これまでのレビュー内容を基に、JBL Sense Proの明確な利点を整理します。

  • 常識破りの高音質: オープン型とは思えないヘッドホン級の重低音と、DLCドライバーによる高い解像度。
  • 完璧な装着感: 無段階の角度調整機構とリキッドシリコンフックによる、究極のパーソナライズフィット。
  • トップクラスの通話品質: VPU(骨伝導)搭載により、騒音下でも声をクリアに届けるマイク性能。
  • 全部入りの機能性: LDAC、空間サウンド、ワイヤレス充電、マルチポイント、IP54など、フラッグシップに相応しい全方位のスペック。
  • 最小限の音漏れ: 独自の逆位相技術により、実用上まったく問題ないレベルまで音漏れを低減。

購入前に知っておきたい注意点(デメリット)

一方で、購入前に把握しておくべき注意点(仕様)も存在します。

  • LDACと空間サウンドの排他仕様: 高音質と臨場感はトレードオフであり、同時に使用することはできません。
  • 付属品の簡素化: 環境配慮の観点から、USB-C充電ケーブルが付属していません。別途用意が必要です。
  • 価格: フラッグシップモデル相応の価格帯であり、安価なオープン型イヤホンとは一線を画します。

音質に妥協したくない「ながら聴き」ユーザーに最適

JBL Sense Proを最も強くおすすめしたいのは、

耳を塞ぐのは嫌だ。でも、音質、特に低音の迫力は絶対に妥協したくない

という、最も贅沢な要求を持つユーザーです。

Sense Proは、その要求に完璧に応えてくれます。
「ながら聴き」をBGMとして消費するのではなく、メインの音楽鑑賞機として、高音質にどっぷり浸かりたい。
そんな人にこそ、選ぶ価値があります。

スポーツやビジネス通話など、あらゆる場面で活躍

Sense Proが活躍するシーンは音楽鑑賞だけではありません。

  • スポーツ愛好家: IP54の防塵防水性能と、激しく動いてもズレない安定した装着感を求める人。
  • ビジネスパーソン: オンライン会議や通話が多く、騒音下でもクリアな音声を相手に届けたい人。
  • Soundgear Senseユーザー: 現状に満足しつつも、さらなる音質、通話品質、装着感を求めてステップアップしたい人。

これらすべての人々にとって、Sense Proは投資に見合う価値を提供する、強力なツールとなるでしょう。

JBL Sense Pro レビューの総括:オープン型イヤホンの新たな頂点を体験せよ

JBL Sense Proは、これまで「快適さ」と引き換えに「音質」を妥協するのが常識だったオープンイヤー型イヤホンの歴史に、明確な終止符を打つ一台です。

新開発のDLCドライバーが放つ、オープン型とは思えない深く重厚な低音と、LDAC対応の圧倒的な情報量。
そして、20°の無段階角度調整が可能にする「完璧」と呼ぶべき装着感は、まさに圧巻の一言に尽きます。

さらに、VPU搭載によるビジネスグレードのクリアな通話品質、ワイヤレス充電や安定したマルチポイントといった機能性も一切妥協がありません。

もはや「ながら聴き」のためのサブ機ではなく、音楽への深い没入から、仕事、スポーツまで、生活のあらゆるシーンの「音の質」を劇的に向上させるメインデバイスと呼ぶべき存在です。

JBL Sense Proは、「耳を塞がない快適さ」と「妥協なき高音質」という二律背反を見事に両立させた、オープン型イヤホンの新たな頂点と言えるでしょう。
ぜひ、この新しい音の世界をご自身の耳で体感してみてください。

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