LETSHUOER 「S08」 レビュー|音質評価・装着感・S12/D13比較まで徹底解説

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出典:LETSHUOER公式
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LETSHUOER(レットシュオア)は、独自の音作りと確かな技術力でオーディオファンから注目を集める中国のイヤホンブランドです。
これまでにも「S12」や「D13」などの名機を生み出してきましたが、今回レビューする「S08」は、その中でも特にバランスの取れた完成度を誇るモデルとして話題になっています。

「S08」は、ダイナミックドライバーとバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを組み合わせたハイブリッド構成を採用しており、低音の深みと高音の繊細さを両立しています。
重厚で沈み込むような低音と、透明感のある中高域の響きが特徴で、価格帯を超えた表現力を感じさせる仕上がりです。
その音のクオリティは、同ブランドの人気機種「S12」と比較しても決して見劣りせず、むしろ全体のまとまりでは上回る印象さえ受けます。

この記事では、LETSHUOER 「S08」を実際に使用して得られた印象をもとに、音質・装着感・デザイン・他モデルとの比較を詳しくレビューします。
単なるスペック紹介にとどまらず、実際のリスニング体験から感じたリアルな使い心地を中心にまとめています。
もし「S12との違いが気になる」「初めてのLETSHUOER製品としてS08はどうか」と迷っている方がいれば、本記事が購入の判断材料になるはずです。

LETSHUOER 「S08」は、コストを抑えながらも質感や音の完成度を高めた、いわば“実力派の隠れた名作”と呼べるイヤホンです。
その魅力をこれからじっくりと紐解いていきます。

 

  1. LETSHUOER 「S08」の基本情報とデザイン
    1. LETSHUOERとはどんなブランドか?
    2. スペック・構造・付属品
    3. 外観・装着感・ビルドクオリティ
  2. LETSHUOER 「S08」の音質レビュー
    1. 低音域:深く沈み込む重厚感と正確な制動
    2. 中音域:ボーカルを中心に自然な広がり
    3. 高音域:繊細で伸びやかな透明感
    4. 音場・定位・分離感:立体的な空間表現
    5. ケーブル・イヤーピース変更による変化
  3. LETSHUOER 「S08」の他モデルとの比較とおすすめ用途
    1. LETSHUOER 「S08」 vs 「S12」:解像度と自然さの違い
    2. LETSHUOER 「S08」 vs「D13」:バランス派とノリ重視派
    3. 他ブランド(7Hz・Kiwi Earsなど)との比較
    4. 音楽ジャンル別おすすめ用途
  4. LETSHUOER 「S08」を使用した私の体験談・レビュー
    1. 初日の印象:整ったバランスに驚かされる
    2. 数日使って分かった「S08」の“奥行きの魅力”
    3. シーン別の使用感
    4. イヤーピースとケーブルによる違い
    5. 音楽ジャンル別の印象
    6. 使って気づいた「S08」の魅力と注意点
    7. 体験のまとめ
  5. LETSHUOER 「S08」に関するQ&A
    1. 「S08」はどんな音の傾向ですか?
    2. 「S12」や「D13」との違いは何ですか?
    3. スマートフォン直挿しでも使えますか?
    4. イヤーピースを変えると音は変わりますか?
    5. 音場の広さはどんな印象ですか?
    6. どんな音楽ジャンルに向いていますか?
    7. 長時間使用しても疲れませんか?
    8. コスパは良いですか?
    9. リケーブルで音は変わりますか?
    10. 初めてのLETSHUOER製品としておすすめできますか?
    11. 通勤・通学用途でも使えますか?
  6. LETSHUOER 「S08」レビューのまとめ
    1. 良い点/気になる点
    2. こんな人におすすめ/おすすめしにくい
    3. 用途・ジャンル別の最適解
    4. 「S08」 と 「S12」/「D13」 の選び分け
    5. 購入前チェックリスト
    6. LETSHUOER 「S08」レビューの総括

LETSHUOER 「S08」の基本情報とデザイン

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出典:LETSHUOER公式

LETSHUOERとはどんなブランドか?

LETSHUOER(レットシュオア)は、ハイブリッド構成や平面駆動ドライバーを得意とする中国発のイヤホンブランドです。
高いコストパフォーマンスと完成度の高いチューニングで、オーディオファンの間でも人気を確立しています。
代表作である「S12」や「D13」は、いずれも同価格帯を超える表現力を持つモデルとして知られています。

その流れを汲む「S08」は、ブランドの技術を凝縮したエントリーモデル。ダイナミックドライバーとBAドライバーを組み合わせたハイブリッド構成を採用し、力強い低音と繊細な高域を両立しています。
特に、新開発のドライバー構造によって、平面型イヤホンのような解像感と立体的な音場を生み出している点が特徴です。

スペック・構造・付属品

LETSHUOER 「S08」の基本仕様は以下の通りです。

項目内容
形式ハイブリッド型IEM(1DD+1BA)
ドライバーサイズ10mm ダイナミック+BAドライバー
インピーダンス26Ω
感度105dB
再生周波数帯域20Hz〜40kHz
ケーブル端子0.78mm 2pin
プラグ3.5mm / 4.4mm モジュラープラグ式
ハウジング素材CNC切削アルミ合金
付属品シリコンイヤーピース、ケーブル、収納ケース など

「S08」のケーブルは4芯の銀メッキ単結晶銅線で構成されており、付属品としては非常に品質が高い部類です。
さらに、3.5mm/4.4mm交換式のモジュラープラグを採用しており、ポータブルDACやDAPなど使用機器に応じて柔軟に使い分けができます。

技術面のポイント

  • ナノスケールスパッタリング技術による振動板加工で高精度な駆動を実現。
  • 26Ω / 105dBというバランス設計で、スマートフォン直挿しでも鳴らせるが、ドングルDACを使うとより深みが出る。
  • 同ブランドの上位機種と同等の組み立て精度を持ち、製品の品質が安定している。

これらの特徴により、「S08」は“エントリーモデル”でありながら、上位機種に迫る完成度を備えています。

外観・装着感・ビルドクオリティ

「S08」の筐体は、CNC切削によるアルミ合金製で、手に取った瞬間に分かる金属の精密さと質感の高さが印象的です。
マットな仕上げは指紋が付きにくく、シンプルながらも高級感のあるデザインに仕上がっています。
耳にフィットしやすい形状で、装着時の安定感も抜群です。

外観の特徴

  • スリムで流線的なフォルムが耳にしっかりフィット。
  • ブラックとシルバーの2色展開で、どちらも落ち着いた雰囲気。
  • フェイスプレートのデザインは控えめで、長く使っても飽きがこない。

装着感・使い勝手

  • アルミ筐体ながら軽量で、長時間の装着でも疲れにくい。
  • ノズルの角度が自然で、耳の奥にスッと収まる設計。
  • イヤーピースの交換によって音場の広がりや低音の量感を微調整できる。
  • 2pin端子なので、リケーブルも容易。

総じて、「S08」はデザイン・快適さ・品質の三拍子が揃ったモデルと言えるでしょう。
価格以上の高級感を感じさせるビルドクオリティであり、実際に手に取った際の満足度は非常に高いです。


LETSHUOER 「S08」は、エントリー価格帯ながらも上位機種に匹敵する構造・質感・付属品の完成度を持つIEMです。
ハウジングの質感、モジュラープラグの利便性、安定した装着感のどれを取っても、コストパフォーマンスの高さは際立っています。
ブランドとしての信頼性と設計思想がしっかり反映された一本であり、次章の音質レビューへの期待を十分に高めてくれます。

 

LETSHUOER 「S08」の音質レビュー

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出典:LETSHUOER公式

低音域:深く沈み込む重厚感と正確な制動

「S08」の低域は、沈み込みの深さとタイトな制動が両立しています。
過剰に膨らまず、必要な場面で的確に主張するタイプです。
キックのアタックは鋭く、サブベースの伸びも十分。
低音が多すぎて中域を覆うようなことはなく、リズムの輪郭をくっきりと描き出します。

特徴

  • 30Hz付近まで自然に伸びる深い低域
  • タイトでスピード感のあるアタック
  • ブーミーさを感じさせない制御力
  • EDM・ロック・ヒップホップなど、ビートが重要な楽曲で高い安定感

低音の質感は“量より質”という印象で、静かな楽曲では重心を下げ、激しい曲では力強く支えるような柔軟さがあります。
耳障りな低音の滞留がなく、長時間聴いても疲れにくい点も好印象です。

中音域:ボーカルを中心に自然な広がり

「S08」の中域は、ボーカルがわずかに前へ出るチューニングで、人の声を中心にした自然な表現が魅力です。
ボーカルの定位が安定しており、ギターやピアノなどの中音楽器がバランスよく溶け込みます。

中音域の印象

  • ボーカルの厚みと透明感のバランスが良い
  • サ行などの刺さりが少なく、聴き疲れしにくい
  • 楽器同士の距離感が保たれており、音の重なりが整理されている
  • 声と楽器のバランスがナチュラルで、ジャンルを選ばない

このレンジでは、アコースティックやポップス、ジャズなどボーカル主体の音源が特に映えます。
男性ボーカルでは厚み、女性ボーカルでは透明感をそれぞれ活かせる万能型の中域と言えます。

高音域:繊細で伸びやかな透明感

「S08」の高域は繊細かつ伸びやか。
10kHz以降の抜けが良く、空気感をしっかりと再現します。シンバルやストリングスの響きは細かく粒立ち、刺さるような鋭さはありません。
情報量の多さと聴きやすさが絶妙に両立されています。

高音のポイント

  • シンバルの減衰が自然で耳に優しい
  • ストリングスやハイハットの倍音が綺麗に伸びる
  • 高域の強調は控えめで、全体のバランスを崩さない
  • クラシックやアンビエント系でも空間の奥行きを感じられる

派手に輝く高域ではありませんが、全体の音場に立体感を与える重要な要素として機能しています。

音場・定位・分離感:立体的な空間表現

「S08」は横方向の広がりよりも、前後の奥行きを感じさせる音場が特徴です。
ボーカルが前に定位し、楽器が後方に層を作るように配置されるため、ライブステージを俯瞰しているような自然な空気感があります。

項目評価
音場の広がり中~やや広め(前後の奥行きが秀逸)
定位の正確性非常に高く、音の位置関係が明瞭
分離感各音が重ならず、細部が見通しやすい
ダイナミクス小音量でも表現力があり、音の抑揚が豊か

定位感が優れているため、録音の質が良い音源では立体感が際立ちます。
ドラムのセンター感、ギターの左右定位、ベースの下支えなどがきれいに分離し、音の整理された空間を楽しめます。

ケーブル・イヤーピース変更による変化

「S08」はリケーブルやイヤーピース交換によって音の印象が変わりやすく、自分好みに調整する楽しさもあります。
以下のような傾向が確認できます。

イヤーピースによる変化

  • 付属シリコンイヤピース:フラットでバランスが良い。基準となる音。
  • 厚手シリコンタイプ:低域の量感が増し、力強いサウンドに。
  • フォームタイプ:高域が丸くなり、ボーカルが近く聴こえる。
  • 広口タイプ:高域の抜けが良く、音場が広がる印象。

ケーブルによる変化

  • 付属ケーブル(銀メッキ銅):全体の解像感と分離感を保つ標準チューニング。
  • 無メッキ銅ケーブル:中低域の厚みと温かみが増し、ボーカルがより滑らかに。
  • バランス接続(4.4mm):ノイズフロアが下がり、音場の奥行きとS/N比が改善。
組み合わせ低音中音高音音場
付属構成(標準)標準透明明瞭標準
厚手シリコン+無メッキ銅豊か温かやや抑標準
広口タイプ+4.4mmバランスタイト明瞭抜け良広い

自分の好みや音楽ジャンルに合わせてチューニングできる点も、「S08」の大きな魅力です。


LETSHUOER 「S08」は、低域の深み・中域の見通し・高域の繊細さが高い次元でまとまった、完成度の高いサウンドです。
派手さよりも自然なバランスと聴きやすさを重視した設計で、長時間リスニングにも向いています。
平面型らしい解像感を持ちながら、硬さや冷たさを感じさせないナチュラルな音作りが特徴です。

「S08」は、「日常的に音楽をじっくり楽しみたい」「解像感とバランスの取れたサウンドを求めている」ユーザーに最適な一本と言えるでしょう。

 

LETSHUOER 「S08」の他モデルとの比較とおすすめ用途

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※画像はイメージです

LETSHUOER 「S08」 vs 「S12」:解像度と自然さの違い

同ブランド内で比較されやすい「S12」は、よりモニターライクで情報量重視のチューニング。
一方「S08」は、ややリスニング寄りで聴き心地を重視しています。
両者は似た系統ながら、狙う方向性が異なります。

  • S12:明瞭でエッジの立った解像感。速い音の再現が得意。
  • S08:柔らかく自然な音の流れ。長時間聴いても疲れにくい。
比較項目LETSHUOER S08LETSHUOER S12
音傾向バランス重視、自然で聴きやすい解像感とキレを強調したモニター寄り
低音深く沈み込み、タイト弾むような速さとパンチ
中音ボーカルが自然な距離で定位やや前に出て明瞭
高音滑らかで穏やか、刺さりにくいシャープで情報量が多い
音場前後の奥行きが広め左右の広がりが明瞭
向いている人長時間聴きたい人、自然派解像度・分析力を求める人

「S12」が「音の粒を見たい人」に向く一方、「S08」は「音楽全体を心地よく楽しみたい人」におすすめです。

LETSHUOER 「S08」 vs「D13」:バランス派とノリ重視派

「D13」は1DD構成らしい勢いと躍動感が特徴で、ロックやEDMなど“ノリの良さ”を重視する層に人気があります。
「S08」は、より整理された中高域と正確な音像で、全体の調和を取るタイプです。

  • D13は元気で明るく、S08は滑らかで落ち着いた音。
  • 聴く音楽のジャンルによって使い分けると最も楽しめます。
比較項目LETSHUOER S08LETSHUOER D13
音傾向フラット寄りで自然明るく元気、低音のノリ重視
低音沈み込み重視でタイト量感多めで迫力がある
中音透明感がありバランス良好やや前に出て存在感強め
高音滑らかで刺さらない明るく、曲によっては主張強め
音場奥行きが自然で立体的横方向の広がり重視
向いている人落ち着いて聴きたい人ノリの良さ・ライブ感を楽しみたい人

「D13」が「明るく楽しい音」を志向するのに対し、「S08」は「正確で自然な再生」を重視したモデルです。

他ブランド(7Hz・Kiwi Earsなど)との比較

同価格帯の他ブランドと比べても、「S08」は「派手さよりも完成度」で勝負している印象です。
チューニングのバランスがよく、日常使いに適した万能機に仕上がっています。

モデル特徴S08との違い
7Hz Salnotes Zero 2解像感と明瞭なエッジS08の方が低域の深さと奥行きが自然
Kiwi Ears Cadenza滑らかで優しい音S08はより立体的で、全体の厚みがある
Moondrop Aria 2透明感のある繊細さS08の方が温度感が高く、全域の統一感がある

「S08」は“優等生的な音作り”を得意とし、ジャンルを選ばずに使える万能さが魅力です。
他社の個性派モデルよりも、安定感と自然なバランスを求める人にマッチします。

音楽ジャンル別おすすめ用途

「S08」は「低域の深さ」「中域の透明感」「高域の繊細さ」をバランスよく備えており、幅広いジャンルに対応します。
特に中音域の見通しが良いため、ボーカル中心の楽曲で高いパフォーマンスを発揮します。

◎相性が良いジャンル

  • ポップス/J-POP:声が自然で、サ行が刺さらず聴き疲れしにくい。
  • ロック/バンド系:ベースラインが分離良く、ギターの響きがクリア。
  • ジャズ/アコースティック:空間の奥行きが表現され、ライブ感がリアル。
  • クラシック/映画音楽:弦や管楽器の質感が滑らかで、立体感のある再生。

△調整で楽しめるジャンル

  • EDM/ヒップホップ:イヤーピースを厚手タイプに交換し、低域を増やすと迫力が向上。
  • メタル/高速系ロック:バランス接続や出力の高いDAPを使用すると、分離感とスピードが際立つ。
音楽ジャンル推奨設定コメント
ポップス/ロック標準構成(3.5mm+付属イヤピ)ナチュラルでバランス良好
ジャズ/クラシック広口イヤピ+4.4mmバランス空気感と音場の奥行きが増す
EDM/ヒップホップ厚手シリコン+銅ケーブル低域の力感アップ
ボーカル中心フォームイヤピ近接感と温かみが向上

「S08」は、

  • 派手すぎずナチュラルなチューニングを求める人
  • 長時間聴いても疲れないイヤホンを探している人
  • 音のバランスと質感の良さを両立したい人
    に特におすすめです。

一言で表すなら、「S08」は「日常使いに最適な“万能型ハイブリッドIEM”」。
「S12」の解像感や「D13」の派手さには及ばない部分もありますが、そのどちらよりも自然で滑らかに音楽を描くイヤホンです。
高解像ながら温かみもあり、ジャンルを問わず“安心して聴ける”一本に仕上がっています。

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LETSHUOER 「S08」を使用した私の体験談・レビュー

※画像はイメージです

初日の印象:整ったバランスに驚かされる

LETSHUOER 「S08」を手に取ってまず感じたのは、見た目以上に軽くフィット感が良いことでした。
金属製ながら耳当たりが柔らかく、長時間でも負担になりません。
音を出した瞬間に気づいたのは、派手さを抑えた自然なバランス。
初日から“どんなジャンルでも無理なく聴ける”安定感がありました。

  • 低音は沈み込み重視で、過剰に膨らまない
  • 中音域は透明で、ボーカルが自然に浮かび上がる
  • 高音は滑らかで刺さらず、空気感の表現が得意

「どの音も主張しすぎず、全体がきれいに整っている」というのが第一印象です。

数日使って分かった「S08」の“奥行きの魅力”

数日間聴き続けるうちに、「S08」は左右の広さよりも前後の奥行きで空間を描くタイプだと実感しました。
音が層をなして立体的に広がり、ボーカルを中心に楽器が自然に配置されるため、長時間でも聴き疲れしません。

印象に残ったポイント

  • ベースとドラムの位置関係が明確で、リズムの厚みが感じられる
  • ギターやピアノが背後に“面”で広がる
  • 音の密度が適度で、窮屈さを感じない

この前後方向の見通しの良さは、1万円前後のイヤホンとしてはかなり上質です。

シーン別の使用感

シーン使用環境使い心地・印象
通勤時スマホ+ドングルDAC遮音性が高く、音量を上げすぎずに楽しめる。ケーブルの取り回しも快適。
デスクワーク中PC接続+低音量再生小音量でも解像感を保ち、BGM用途に最適。刺さりがないので集中しやすい。
夜間リスニングDAP(4.4mmバランス)音場が一段広がり、静かな空間での没入感が抜群。余韻の滑らかさが際立つ。

どの環境でも音の印象が大きく変わらず、安定した再現力を感じました。
特に夜の静かな環境では、「S08」の空気感が際立ちます。

イヤーピースとケーブルによる違い

「S08」はリケーブル対応の2pin端子と、交換式モジュラープラグを採用しており、環境に合わせたチューニングが楽しめます。
実際にいくつかの組み合わせを試してみると、音の方向性が明確に変化しました。

組み合わせ音の変化おすすめの使い方
付属シリコン+3.5mmバランス重視のニュートラル傾向日常的なリスニングに最適
広口イヤピ+4.4mm抜け感と音場の広がりが向上アコースティックやクラシック向き
厚手シリコン+銅ケーブル低音の量感が増し、温かみが出るEDMやロックに好相性
フォームタイプ高域がやや抑えられ、ボーカルが近くなるボーカル中心の楽曲におすすめ

音の個性を自分で“微調整できる”自由度が高く、使うたびに違う表情を楽しめます。

音楽ジャンル別の印象

実際にさまざまなジャンルを聴き比べた結果、「S08」の得意分野と特徴がより明確に見えてきました。

  • ポップス/J-POP:ボーカルが前に出すぎず、全体のまとまりが良い
  • ロック/バンド系:ギターの輪郭がくっきりし、ベースがタイト
  • ジャズ/アコースティック:楽器の距離感と空間の奥行きがリアル
  • クラシック/サウンドトラック:弦の滑らかさとホール感が豊か
  • EDM/ヒップホップ:低音は沈み込み重視で、重厚感よりも“締まり”を感じる

特にJ-POPやアコースティック系の楽曲との相性は抜群で、ボーカルの質感を自然に再現してくれます。

使って気づいた「S08」の魅力と注意点

長期間使うほど、その完成度の高さと弱点が見えてきました。

気に入った点

  • 派手さを抑えた自然なバランスで、どんな曲にも合う
  • 長時間聴いても耳が疲れにくい
  • 音場の奥行きと前後定位の表現が優秀
  • アクセサリー変更で音を自在に調整できる

もう少し惜しい点

  • 明るく刺激的なサウンドを好む人にはやや地味に感じる
  • 小出力機器では音の厚みが少し物足りないことがある
  • 低域のインパクトを求める場合は、イヤピやケーブルの工夫が必要

体験のまとめ

「S08」は、最初に聴いた時の“感動”よりも、使い続けて感じる安定感と心地よさが際立つイヤホンでした。
どのジャンルでも破綻せず、日常のBGMから集中したリスニングまで幅広く対応できるバランス型。

一言で表すなら、

「驚きではなく、信頼で聴かせるイヤホン」。

派手な演出に頼らず、音楽の本質を静かに描く「S08」は、毎日の相棒として長く使える一台だと感じました。

 

LETSHUOER 「S08」に関するQ&A

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LETSHUOER 「S08」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

「S08」はどんな音の傾向ですか?

「S08」はナチュラルで聴き疲れしにくいバランス型のサウンドです。
低音は沈み込みが深くタイト、中域は見通しが良くボーカルが自然、高域は滑らかで刺さりが少ないのが特徴です。
派手さはありませんが、長時間聴いても快適に楽しめます。

「S12」や「D13」との違いは何ですか?

  • S12は解像度重視で輪郭がシャープ、モニターライクな傾向。
  • D13は低音のパンチと明るさが魅力のドンシャリ系。
  • S08はその中間で、自然で安定したチューニング。
    つまり、「聴きやすさ」重視ならS08、「刺激」や「迫力」を求めるならS12/D13がおすすめです。

スマートフォン直挿しでも使えますか?

感度105dB/26Ωと比較的鳴らしやすく、スマートフォンでも音は出ます。
ただし、出力の高いドングルDACやDAPを使用すると、低音の沈み込みと音場の奥行きが明確に向上します。

イヤーピースを変えると音は変わりますか?

はい、大きく変わります。

  • 厚手シリコン:低音が増し、温かい音に。
  • 広口タイプ:高域の抜けが良くなり、音場が広がる。
  • フォームタイプ:高域が落ち着き、ボーカルが近くなる。
    自分の好みに合わせてチューニングできる自由度が魅力です。

音場の広さはどんな印象ですか?

「S08」は左右方向よりも前後方向の奥行きが豊かなタイプです。
ボーカルが手前に定位し、楽器が段階的に奥へ配置されるため、立体的なステージ感を感じられます。

どんな音楽ジャンルに向いていますか?

ポップス、ロック、アコースティック、ジャズなど中音域を重視したジャンルに最適です。
クラシックも相性が良く、自然な残響表現が魅力。EDMなどの重低音系は、イヤピ調整で量感を足すと楽しめます。

長時間使用しても疲れませんか?

はい。高域が穏やかで、低音もタイトに制御されているため聴き疲れしにくい設計です。
筐体も軽量で、装着感が良く耳への負担も少ないです。

コスパは良いですか?

非常に高いです。
約1万円台ながらアルミ筐体・高品質ケーブル・モジュラープラグ付属と装備が充実。
音の完成度も高く、「価格以上の仕上がり」と評価されています。

リケーブルで音は変わりますか?

はい。「S08」は2pin端子を採用しており、ケーブルの素材や構造によって音の印象が変化します。
銀メッキ線は解像感が増し、銅線は温かみが出ます。自分好みに音をカスタマイズできる点が魅力です。

初めてのLETSHUOER製品としておすすめできますか?

ぜひおすすめできます。
「S08」はLETSHUOERのチューニング哲学を体現した“バランス型の代表”で、初心者でも扱いやすく、経験者も納得できる完成度です。

通勤・通学用途でも使えますか?

十分に実用的です。
筐体が軽く、遮音性も高いため屋外でも安定した装着感があります。
ただし、外音を完全に遮断するため、交通量の多い場所では片耳を外すなど安全に配慮しましょ

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LETSHUOER 「S08」レビューのまとめ

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「S08」は、低域の沈み込みとタイトさ/中域の見通し/高域の滑らかさを高い次元で両立した“日常使いの基準機”。
派手な演出は控えめですが、聴き疲れしにくい自然なバランス前後方向の奥行き表現が強みで、長時間のリスニングや作業BGMにも適しています。
拡張性(2pinリケーブル+3.5/4.4モジュラー)も優秀で、イヤピ・ケーブルでの微調整に素直に反応します。

良い点/気になる点

良い点

  • 深く沈むのにブーミーにならない低域、見通しの良い中域、刺さらない高域
  • 長時間聴いても疲れにくいチューニング
  • 前後のレイヤーがわかりやすい立体的な音場
  • 2pin+モジュラープラグで使い回し・拡張が容易
  • 付属ケーブルの質が良く、標準構成でも満足度が高い

気になる点

  • 瞬間的な“派手さ”を求める人には大人しめに感じる
  • 小出力の直挿し環境では音の厚みが物足りない場合がある(ドングル/DAPで改善)
  • 低域の量感を増やすにはイヤピやケーブルの工夫が前提

こんな人におすすめ/おすすめしにくい

判定ユーザー像理由
◎ 強くおすすめ自然なバランスで長時間聴きたい刺さらず疲れにくい/前後奥行きの描写が上手
◎ 強くおすすめボーカルも楽器も等距離に楽しみたい中域の見通しが良く、レイヤーが崩れにくい
○ おすすめ仕事や勉強のBGMで集中したい小音量適性が高く、集中を妨げない
△ 調整すれば可低音をもっと量的に欲しい厚手イヤピ・銅ケーブルで“足せる”
△ 別機種推奨強いキレ味の解像・刺激が欲しいS12等の“鋭い系”が適合しやすい

用途・ジャンル別の最適解

用途/ジャンル推奨セッティングねらい所
作業用BGM・長時間付属シリコン+3.5mm疲れにくさと自然さを最優先
じっくり鑑賞広口イヤピ+4.4mm抜け感と前後奥行きを底上げ
ポップス/ロック付属 or 広口+3.5/4.4ボーカルの自然さとギターの輪郭
ジャズ/クラシック広口+4.4mm残響の滑らかさ・ホール感
EDM/ヒップホップ厚手シリコン+無メッキ銅低域の量感・重心を強化

「S08」 と 「S12」/「D13」 の選び分け

  • S12:切れ味・瞬発力・“粒立ちの強調”が好み → S12
  • D13:元気で明るいノリ、低域のわかりやすい迫力 → D13
  • S08:自然で落ち着いたバランス、長時間・多ジャンル対応 → S08

迷ったら“今の環境で一番聴く音量とジャンル”で選ぶのが正解。
小音量中心・多ジャンル派なら「S08」が外しにくいです。

購入前チェックリスト

  • 手持ちの再生環境に4.4mm(バランス)はあるか? → あれば伸びしろ大
  • 低域の“量”より“質(沈み込み・制動)”が好みか?
  • 長時間聴くことが多いか? → 聴き疲れ耐性重視のS08が適合
  • リケーブルやイヤピで自分好みに合わせていく楽しさを求めるか?

LETSHUOER 「S08」レビューの総括

LETSHUOER 「S08」は、音楽を長く、深く楽しむための「安定感」を備えたイヤホンだと感じました。
派手な刺激や過度な演出はありませんが、その代わりに、聴くほどにじわじわと伝わる安心感と完成度があります。
低音は沈み込みが深く、それでいてタイトに引き締まり、中域はボーカルと楽器の距離感が自然で、どんなジャンルでも破綻しない。
高域は滑らかで刺さらず、長時間のリスニングでも耳が疲れにくい。
まるで音の層が丁寧に重なり合い、ひとつの調和を作り出しているような印象です。

また、筐体の作りや付属ケーブルの質感も素晴らしく、使うたびに信頼できる感触を与えてくれます。
リケーブルやイヤーピースの交換によって音の表情を変化させられる点も大きな魅力で、ユーザーの好みに合わせて育てていける懐の深さがあります。
「S12」の切れ味や「D13」の明るさに比べると控えめな印象かもしれませんが、「S08」にはそのどちらにもない「音楽と日常に溶け込む自然さ」があります。

派手さではなく、誠実なチューニングで勝負するイヤホン。
それがLETSHUOER 「S08」の本質です。
日々の生活の中で、音楽を静かに、そして確かに支えてくれる相棒として、長く寄り添ってくれる存在になるでしょう。

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