「ポケットに入るアンプ」――そう呼びたくなるほどの圧倒的な存在感。 英国の老舗オーディオブランドMarshall(マーシャル)から、待望のポータブルスピーカーの第2世代モデルMarshall 「Willen II」がついに登場しました。
昨今、ポータブルスピーカー市場は飽和状態にあります。安価でそこそこの音が鳴る製品は市場に溢れており、選択肢に困ることはありません。
しかし、多くの音楽ファンが「何か物足りない」と感じているのも事実です。
それは、単に音を聞くだけでなく、「音楽を奏でる道具としての美学」や「所有する喜び」を求めているからではないでしょうか。
前作の初代Willenは、そのデザイン性の高さと絶妙なサイズ感で大ヒットを記録し、ファッションアイテムとしても受け入れられました。
しかし、オーディオ機器として厳しく評価すると、「もう少し低音が欲しい」「バッテリー持ちが伸びれば」といったユーザーの声があったのも事実です。
今回レビューする「Willen II」は、そうしたファンの期待に真っ向から応える正統進化モデルです。
一見するとデザインに大きな変化はないように見えますが、中身は別物と言っていいほどパワーアップしています。
特に注目すべきは、このサイズで38WクラスDアンプを搭載したことによる驚異的な音圧の向上と、最大17時間の連続再生時間。
そして、現代のリスニング環境に必須とも言える「マルチポイント接続」への対応です。
「おしゃれなだけのスピーカーなら要らない」
「キャンプでも自宅でも、妥協のない音を楽しみたい」
そんなこだわり派のあなたに向けて、この記事ではMarshall Willen IIを実際に1週間徹底的に使い倒した筆者が、その音質、機能、そして“モノ”としての魅力を余すことなくレビューします。
競合モデルとの比較や、旧モデルからの買い替えの是非についても、プロの視点で詳しく解説していきますので、購入を迷っている方はぜひ最後までお付き合いください。
Marshall 「WILLEN II」のデザインと基本スペック

まずは、Marshall製品を選ぶ最大の理由であり、アイデンティティとも言えるデザインと、進化した基本スペックについて詳しく見ていきましょう。
アンプデザインを継承した外観と質感の向上
Marshallを選ぶユーザーの多くは、そのサウンドと同じくらい、この「デザイン」に惚れ込んでいます。
Willen IIは、半世紀以上にわたりロックの歴史を支えてきたギターアンプのレガシーを、わずか10cm四方のボディに見事に凝縮しています。
- 象徴的なスクリプトロゴ:
フロントグリルの中央には、真鍮(ブラス)のような鈍い輝きを放つ「Marshall」の筆記体ロゴが鎮座しています。
これは安易なプリントではなく、しっかりとした厚みのある立体的なパーツとして配置されています。
光の当たり方で表情を変えるその様は、まさに高級オーディオの風格です。 - アンプ風のメッシュグリル:
スピーカー前面を覆うメッシュ素材は、クラシックなギターアンプのサランネット(保護布)を彷彿とさせる織り込みパターンを採用しています。
指で触れると確かなテクスチャがあり、安っぽいプラスチック感は皆無です。
このグリルが音の抜けを良くしつつ、内部ドライバーをしっかりと保護しています。 - シボ加工のラバーボディとサステナビリティ:
本体側面から背面にかけては、レザーのようなシボ加工(革シボ)が施されたラバー素材で覆われています。
これにより、アウトドアでのラフな扱いにも耐えうる堅牢性と、手に吸い付くようなグリップ感を実現しています。
さらに特筆すべきは、環境への配慮です。
Willen IIはPVC(ポリ塩化ビニル)フリーで作られており、プラスチック部分の約70%にリサイクル素材を使用しています。
使用済みの電子機器や水筒、自動車のライトカバーなどを再利用しており、ロックな見た目とは裏腹に、非常にエコフレンドリーな現代的な製品づくりがなされています。 - ゴールドのコントロールノブ:
右上に配置された真鍮色のマルチディレクショナルコントロールノブは、操作のしやすさだけでなく、デザイン上のアクセントとしても機能しています。
このノブひとつで再生・停止・曲送り・音量調整が可能で、アナログライクな操作感も魅力の一つです。
サイズ・重量・バッテリー性能の進化点
ここでは、具体的なスペックを数値で確認します。
初代Willenと比較して、Willen IIがどのように進化したのかを表にまとめました。
| 項目 | Marshall Willen II (新作) | Marshall Willen (旧作) | 進化ポイント・備考 |
| サイズ (H x W x D) | 105 x 105 x 43.4 mm | 100 x 100 x 40 mm | 縦横5mm、厚み3.4mmアップ |
| 重量 | 約360g | 約310g | 約50gの増量(密度感・安定感向上) |
| アンプ出力 | 38W クラスDアンプ | 10W クラスDアンプ | 約4倍の出力アップ(最大の進化) |
| 連続再生時間 | 約17時間 | 約15時間 | +2時間のスタミナ向上 |
| 充電時間 | フル充電 約2.5時間 | フル充電 約3時間 | 30分の短縮 |
| 急速充電 | 20分充電で約5.5時間再生 | 20分充電で約3時間再生 | 充電効率が大幅に向上 |
| Bluetooth | Ver 5.3 LE Audio対応 | Ver 5.1 | 接続安定性と将来性向上 |
| マルチポイント | 対応 | 非対応 | 2台同時接続が可能に |
| ドライバー構成 | 2インチフルレンジ×1 パッシブラジエーター×2 | 2インチフルレンジ×1 パッシブラジエーター×2 | 構成は同じだがチューニングを一新 |
スペック表で最も目を引くのは、やはりアンプ出力の大幅な向上です。
10Wから38Wへの進化は、ポータブルスピーカーの常識を覆す数値です。
もちろん、消費電力と出力のバランス調整はありますが、瞬発的な音の立ち上がりや、大音量時の余裕に直結します。
また、急速充電性能の向上も見逃せません。
「出かけようとしたら充電がない!」という場面でも、身支度をしている20分の間に5.5時間分(ほぼ半日分)の電力を確保できるのは、実用面で非常に助かります。
IP67防水・防塵性能とマウントストラップの利便性
ポータブルスピーカーとして欠かせないのが「耐久性」です。
Willen IIは、最高クラスのIP67等級の防水・防塵性能を備えています。
- IP6X(防塵): 微細な粉塵が内部に侵入しない完全な防塵構造。キャンプ場の砂埃やビーチの砂も怖くありません。
- IPX7(防水): 水深1mに30分間沈めても有害な影響を受けない防水性能。
つまり、お風呂の中に誤って落としてしまっても、あるいは泥汚れを落とすために水道水でじゃぶじゃぶ洗っても問題ありません。
「精密機器だから」と気を使うことなく、タフなアウトドアギアとして扱えるのは大きな強みです。
また、背面に装備されたラバーストラップもWillenシリーズの大きな特徴です。
このストラップは伸縮性があり、下部のフックを外して様々な場所に巻き付けることができます。
前作よりもラバーの質感が向上しており、千切れそうな不安感はありません。
- バックパックのショルダーストラップに固定してBGMを背負う
- テントのポールやランタンフックに吊り下げてサイト全体を音で満たす
- 自転車のハンドルバーに装着してサイクリングのお供に
- バスルームのタオル掛けやシャワーフックに固定
カラビナを別途用意しなくても、本体だけで「マウント」できる機能性は、実際に使ってみると手放せなくなる便利さがあります。
Marshall 「WILLEN II」の音質と機能性を徹底検証

スペック上の数値が良いことは分かりました。では、実際の「音」はどうなのでしょうか?
ここでは、様々なジャンルの楽曲を用いた試聴テストの結果と、使い勝手を左右する機能面について深掘りします。
38Wアンプ搭載による音圧と「Marshallシグネチャーサウンド」
Willen IIの最大の特徴である「38WクラスDアンプ」。
これまでの小型スピーカーの常識では、サイズ的に10W前後が関の山でした。
しかし、Marshallはエンジニアリングの工夫により、この筐体にハイパワーなアンプを搭載することに成功しています。
実際に音を鳴らして最初に感じるのは、「余裕」です。
音量をMax近くまで上げても音が割れたり、筐体がビビリ音を出したりすることがほとんどありません。
小さなスピーカーが必死に鳴らしている感じがなく、ドライバーを力強く制御している印象を受けます。
【ジャンル別試聴テスト】
- ロック(Queen / Bohemian Rhapsody):
冒頭のアカペラパートのクリアさは鳥肌ものです。
中盤のオペラパートからハードロックへ移行する際のダイナミクス(音の強弱)の追従性が素晴らしく、ギターリフの歪み(ディストーション)が粒立ちよく再現されます。
まさにMarshallが得意とする領域です。 - ジャズ(Bill Evans / Waltz for Debby):
ピアノの打鍵音の硬質さと、ベースの低音の響きが心地よいです。
前作では埋もれがちだったウッドベースのラインが、Willen IIでは「ブーン」という胴鳴りの感覚とともに聞き取れます。
ハイハットの「チリチリ」とした高音も耳に刺さらず、長時間聴いていられます。 - ポップス/ボーカル(宇多田ヒカル / First Love):
ボーカルが楽器隊よりも一歩前に出てくるような定位感があります。
息遣い(ブレス)まで生々しく再現され、声の表現力を余すところなく伝えてくれます。
音質の総評:
全体として、「中低音の厚み」と「高音の煌びやかさ」が見事に両立しています。
Marshallが掲げる「シグネチャーサウンド」とは、単に音が大きいことではなく、「どの音量でもバランスの取れた、アーティストが意図した通りの音」を指します。
Willen IIは、BGMとして小音量で流す時も、キャンプで大音量で流す時も、そのバランスが崩れない点が非常に優秀です。
アプリ連携とイコライザー(プリセット)の効果
専用アプリ「Marshall Bluetooth App」を使用することで、機能のカスタマイズが可能です。
特に重要なのがイコライザー(EQ)設定です。Willen IIには3つのプリセットが用意されています。
- Marshall(デフォルト):
Marshallが最適と考える、最もバランスの取れたチューニング。
基本的にはこの設定が最も完成度が高く、ジャンルを選ばず楽しめます。
低音と高音のバランスが絶妙で、Marshallらしい「乾いたロックサウンド」を体感できます。 - 押し(Push):
いわゆる「低音・高音ブースト」モード。
ドンシャリ傾向になります。
ロックやヒップホップなど、ビートを強調したい時に有効です。
前作ではこのモードにしても変化が乏しかったのですが、Willen IIではアンプ出力の向上のおかげで、明確にアタック感が強まり、ドラムのキック音が「ドスッ」と前に出てくるのを感じられます。 - 音声(Voice):
人の声を聞き取りやすくするモード。
低音を抑え、中音域をクリアにします。
ポッドキャスト、ラジオ、オーディオブック、あるいはWEB会議のスピーカーとして使用する際に最適です。
また、アプリには「バッテリー保護機能」の設定項目があります。
- 標準: 100%まで充電。
- 中: 充電速度や温度を管理。
- 最大: 充電上限を制限し、バッテリー寿命を最大化する。
長く愛用したいユーザーにとって、バッテリーの劣化を防ぐ機能がソフトウェア側で提供されているのは非常に良心的です。
Bluetooth LE Audio対応とマルチポイント接続の実力
Willen IIは最新規格であるBluetooth 5.3に対応しており、さらに次世代規格「LE Audio」にも対応しています(※将来的なアップデートで完全対応予定)。
LE Audioは、低遅延・高音質・省電力を実現する新しい技術であり、特に「Auracast(オーラキャスト)」という機能を使えば、将来的には複数のWillen II(あるいは他のAuracast対応機器)を連携させて、広範囲で同じ音楽を流したり、ステレオ再生を楽しんだりすることが可能になる見込みです。
長く使うガジェットとして、将来性があるのは大きなメリットです。
そして、多くのユーザーが待ち望んでいた機能が「マルチポイント接続」です。
これは、同時に2台のデバイスとBluetooth接続を維持できる機能です。
- iPhoneで音楽を聴いている最中に、iPadで動画再生を始める。
- PCで作業用BGMを流している最中に、個人のスマホに着信がある。
こうしたシチュエーションで、いちいちペアリングを解除して接続し直す必要がありません。
再生デバイスを切り替えるだけで、スムーズに音が切り替わります。
切り替えのタイムラグも1〜2秒程度と短く、ストレスを感じさせません。
Marshall 「WILLEN II」の旧モデル「Willen」および競合モデルとの比較

ここでは、Willen IIの立ち位置を明確にするために、旧モデルやライバル機との比較を行います。
初代Willenから買い替えるべき?変更点の詳細比較
初代Willenユーザーにとって、Willen IIへの買い替えは必要でしょうか?
結論から言えば、「音の厚み」と「マルチポイント」を求めるなら買い替え推奨です。
初代Willenも中高音のクリアさは素晴らしかったのですが、どうしても「ポータブルスピーカーなりの薄い音」という印象が拭えませんでした。
音量を上げると高音がキャンキャンと耳につく場面もありました。
しかし、Willen IIは38Wアンプのおかげで、音の密度が向上しています。
特に、小音量時でも音が痩せない点は大きな進化です。
夜間のリラックスタイムに小さな音で流しても、しっかりと音楽の豊かさを感じられます。
また、物理ボタンの操作感も改善されています。
電源ボタンとBluetoothペアリングボタンが独立した配置になり(前作は兼用等の仕様)、誤操作が減りました。
JBLやBoseなど同価格帯・同サイズモデルとの違い
このクラスのポータブルスピーカーには強力なライバルが存在します。
代表的な2機種と比較してみましょう。
- JBL Clip 5 / Go 4:
JBLの強みは、なんといっても「パンチのある低音」と「元気なサウンド」です。EDM、ダンスミュージック、ヒップホップをノリよく聴きたいならJBLに軍配が上がります。
また、価格もJBLの方が安価な傾向にあります。
しかし、中高音の解像度やボーカルの艶っぽさ、そしてインテリアとしての質感ではMarshall Willen IIが圧倒しています。
JBLは「アクティブ・スポーティー」、Marshallは「プレミアム・ヴィンテージ」という住み分けです。 - Bose SoundLink Micro:
Boseはサイズを超えた重低音が特徴ですが、人によっては「低音が強すぎて音がこもっている」と感じる場合もあります。
また、発売から時間が経過しており、Bluetoothのバージョンや充電端子(USB-C化はされていますが)などのスペック面で、最新のWillen IIの方がモダンな仕様になっています。
Willen IIを選ぶべき理由は、「大人のリスニングに耐えうるバランスの良い音質」と「所有する喜びを感じさせるデザイン」の2点に集約されます。
遅延や接続安定性についての検証結果
動画視聴やゲームでの使用を考えている方にとって、遅延は気になるポイントです。
検証結果:
- 音楽リスニング: 全く問題なし。
- YouTube / Netflix / Prime Video:
アプリ側で遅延補正が入るため、リップシンク(口の動きと声)のズレはほぼ気になりません。
俳優のセリフと口の動きは合っており、快適に視聴可能です。 - ゲーム(音ゲー・FPS):
わずかに遅延を感じます。
0.1〜0.2秒程度のズレがあるため、タイミングがシビアなリズムゲームや、銃声の反応速度が重要なFPSには向きません。
RPGやパズルゲームなら問題ないレベルですが、ゲーミングスピーカーとしての運用は避けたほうが無難です。
これはBluetoothスピーカー全般の宿命でもあります。
Marshall 「WILLEN II」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、実際に私がWillen IIを購入し、生活の中で使い倒してみたリアルな体験談をお届けします。
スペック表からは見えてこない、日常の中での「気づき」を中心にまとめました。
開封の儀:手に取った瞬間に感じる「モノとしての所有感」
パッケージを開けた瞬間、思わず「おぉ…」と声が漏れました。
本体を包む紙の質感、同梱されたUSB-Cケーブル(これにもMarshallロゴの刻印が入っており、ケーブル表面も独特のパターン加工がされています)、そして本体の重厚感。
初代Willenも持っていたのですが、手に持った時の「密度感」が違います。
約360gという重さは、決して重すぎず、かといってチープなおもちゃのような軽さでもない。
「中にぎっしりと良いパーツが詰まっているんだな」と感じさせる、心地よい重みなのです。
ラバーの質感もサラサラとしっとりの中間で、指紋がつきにくく、ずっと触っていたくなる感触でした。
屋内リスニング:デスク設置時の安定感と小音量時のバランス
まずデスクの上に置いて、仕事中のBGM用として使ってみました。
ここで驚いたのが「自立安定性の向上」です。
初代Willenは薄型だったため、少しデスクが揺れたりケーブルが当たったりすると、パタンと倒れてしまうことがありました。
しかし、Willen IIは厚みが増し、底面の設置面積と重量バランスが見直されたのか、どっしりと安定して自立します。
ちょっと指でつついたくらいでは倒れません。
地味な改良点ですが、日常使いでは非常に大きなストレス軽減になりました。
音質については、ボリュームを絞った状態(20〜30%程度)でも、ベースの音が痩せずに聞こえることに感心しました。
カフェジャズなどを流すと、ウッドベースの音がボワつかずにコツコツと心地よく響き、作業に集中できます。
屋外へ持ち出し:キャンプや散歩で感じたストラップの有用性
週末、デイキャンプにWillen IIを連れ出しました。
バックパックのショルダーストラップに、Willen II背面のラバーストラップを通して固定。
歩きながら音楽を流してみましたが、胸元で鳴るスピーカーは臨場感抜群です。
耳元に近い位置で鳴るため、音量を上げすぎなくても迫力があり、周囲への音漏れも最小限に抑えられます。
キャンプサイトでは、ランタンスタンドに吊り下げて使用。
屋外開放空間だと低音が拡散してスカスカになりがちなポータブルスピーカーですが、Willen IIは「押し(Push)」モードにすることで、焚き火を囲むスペース(半径3〜4m程度)を十分に満たす音圧を提供してくれました。
何より、見た目がアンプそのものなので、キャンプギアの中に混ざっても違和感がなく、むしろサイトの雰囲気を格上げしてくれます。
「そのスピーカー、かっこいいね」と友人からも好評でした。
お風呂場での使用:水しぶきを気にせず楽しむポッドキャスト
私は長風呂派で、入浴中にポッドキャストやYouTubeの解説動画を聞くのが日課です。
これまではスマホのスピーカーで聞いていましたが、シャワーの音にかき消されて内容が聞き取れないことが多々ありました。
Willen IIをお風呂場に持ち込み、タオル掛けにストラップで固定。「音声(Voice)」モードに切り替えると、反響しやすい浴室でもパーソナリティの声が驚くほどクリアに聞こえます。
もちろんIP67防水なので、シャワーの水しぶきがバシャバシャかかっても全く気を使う必要がありません。
万が一、浴槽にポチャンと落としても大丈夫という安心感は絶大です。
湯船に浸かりながら、Marshallの良い音で好きなラジオを聴く時間は、至福のリラックスタイムとなりました。
マルチポイント活用術:PCとスマホを行き来する快適さ
仕事中はMacBookに接続してオンライン会議のスピーカーとして使用し、休憩中はiPhoneに切り替えてSpotifyで新曲をチェックする。
この切り替えが、これまでは「Bluetooth設定画面を開く→接続解除→別の端末で接続」という手順が必要でしたが、Willen IIのマルチポイントのおかげでシームレスに行えるようになりました。
MacBookで音声を停止し、iPhoneで再生ボタンを押す。ただそれだけで、スピーカーから流れる音が切り替わります。
特に感心したのは、PC通知音の割り込み制御です。
音楽再生中にPCの通知音が鳴ると、音楽が一瞬フェードアウトして通知音が鳴り、また音楽に戻る。
この挙動が非常にスムーズで、ストレスフリーなデジタル環境が構築できました。
マイク性能に関しても、静かな部屋であれば十分にWeb会議に使用できるレベルです。
相手からは「声が少し遠いが、クリアには聞こえる」という評価でした。
体験談の総括
1週間使ってみて感じたのは、Willen IIは「生活のあらゆるシーンに音楽を持ち込める、最も贅沢なツール」だということです。
単に音が鳴ればいいというだけでなく、その場にあるだけで気分が上がるデザイン、触れるたびに感じる質感の良さ、そして期待以上の高音質。
「スピーカーを持ち運ぶ」という行為自体が楽しくなる、そんな製品でした。
Marshall 「WILLEN II」に関するQ&A

Marshall 「WILLEN II」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
Willen IIを2台使ってステレオ再生はできますか?
現時点のファームウェアではステレオ再生(L/Rの振り分け)には対応していません。ただし、Marshall公式より将来的にBluetooth LE Audioの技術を用いた「Auracast」に対応予定とアナウンスされています。これにより、複数のWillen IIを接続して同時に音を鳴らすことが可能になる見込みですが、完全なステレオペアリングが可能になるかは今後のアップデート次第です。
有線(AUX)接続はできますか?
いいえ、3.5mmステレオミニプラグなどの外部入力端子は搭載されていません。接続はBluetooth(ワイヤレス)のみとなります。
充電しながら音楽を再生しても大丈夫ですか?
はい、可能です。ただし、バッテリーへの負荷を減らすため、満充電付近での長時間のつなぎっぱなしは避けるか、アプリの「バッテリー保護機能」をオンにしておくことをおすすめします。
オートパワーオフ機能はありますか?
はい、あります。Bluetooth接続が切れた状態や音楽が再生されていない状態が一定時間(約20分程度)続くと、バッテリー節約のために自動的に電源がオフになります。
お風呂で使っても本当に壊れませんか?
IP67規格(水深1mに30分間耐えられる)に準拠しているため、シャワーの水しぶきや、誤って湯船に落としてしまった程度では壊れません。ただし、お湯や洗剤(石鹸・シャンプー)は防水パッキンを劣化させる可能性があるため、故意にお湯につけたり、泡だらけにするのは避けてください。使用後は真水で軽く流して乾かすことを推奨します。
対応しているBluetoothコーデックは何ですか?
基本的なSBCに加え、iPhoneなどで高音質再生が可能なAAC、そして次世代規格のLC3に対応しています。なお、LDACやaptX Adaptiveといったハイレゾ相当のコーデックには対応していませんが、Marshall独自のチューニングにより、スペック以上の高音質を感じられる設計になっています。
専用アプリ(Marshall Bluetooth App)は必須ですか?
必須ではありません。アプリなしでもBluetooth接続して音楽を聴くことは可能です。ただし、イコライザーの変更(「押し」や「音声」モードへの切り替え)、ファームウェアのアップデート、バッテリー保護設定などはアプリ経由で行う必要があるため、基本的にはインストールをおすすめします。
Willen IIはステレオスピーカーですか?モノラルですか?
構造上はモノラルスピーカーです(フルレンジドライバー1基+パッシブラジエーター2基)。左右のステレオ感はありませんが、パッシブラジエーターによって筐体全体を振動させることで、サイズを感じさせない広がりと奥行きのあるサウンドを実現しています。
上位機種の「Emberton III」とどちらを買うか迷っています。
判断基準は「携帯性」と「ステレオ感」です。
- Willen II: ポケットやカバンの隙間に入れたい、フックに吊るしたい、ソロキャンプやお風呂メインならこちら。
- Emberton III: もう少し大きくても良いので、より迫力のある音と、左右の広がり(ステレオ再生)を楽しみたい、リビングのメインスピーカーにしたいならこちら。
偽物が出回っていると聞きましたが、見分け方はありますか?
残念ながらMarshall製品は非常に多くの模倣品(コピー品)が流通しており、外見だけで見分けるのは困難なほど精巧です。しかし、アプリに接続できない、音質が明らかに悪いといったケースが多発しています。 最も確実な回避策は、Amazonや楽天で購入する際に「販売元」や「出荷元」が信頼できる家電量販店や、国内正規代理店(完実電気など)であるかを確認することです。極端に安い価格で販売されている並行輸入品には十分ご注意ください。
電源オン/オフ時のギター音(起動音)は消せますか?
はい、消せます。Marshall特有の「ジャラーン」というギターリフの起動音はかっこいいですが、夜間や静かな場所では大きく感じることもあります。専用アプリの設定メニューから「オーディオ・プロンプト」をオフにすることで、無音で起動・終了させることが可能です。
Marshall 「WILLEN II」レビューのまとめ

Marshall 「WILLEN II」は、コンパクトながらも音質、耐久性、機能性のすべてが揃った優れたポータブルスピーカーです。
そのクラシックなデザインとマーシャルらしい迫力のあるサウンドで、ファンにとっては見逃せないアイテムとなっています。
以下に、「WILLEN II」の特徴を振り返り、どのような方におすすめできるかをまとめました。
メリット:圧倒的なデザイン性とサイズを超えた低音の芯
- デザイン: 他の追随を許さない、圧倒的なブランド力とヴィンテージ感あふれるルックス。
- 音質: 38Wアンプによる余裕のある鳴りと、輪郭のはっきりした低音。ボーカルのクリアさは特筆モノ。
- 安定性: 厚みの増加による自立安定性の向上は、デスクユーザーにとって大きな改善点。
- 機能: マルチポイント、IP67、マウントストラップと、現代のポータブルスピーカーに必要な機能は全て網羅。
- サステナビリティ: リサイクル素材の使用による環境配慮。
デメリット:遅延の有無とゲーム用途への適性
- 遅延: わずかな遅延があるため、FPSなどの本格的なゲームには不向き。
- 価格: 競合(JBLなど)と比較すると価格設定はやや高め。しかし、質感や音質を考慮すれば十分に価格以上の価値はある。
- 重低音の限界: サイズの物理的限界はあるため、クラブのような地面を揺らす重低音を期待してはいけない。
初代Willenユーザーへの買い替えアドバイス
初代Willenのデザインが好きで、かつ「もう少し音が良ければ」「マルチポイントがあれば」と感じていた方にとって、Willen IIは間違いなく買いです。
外観の変更はわずかですが、中身の進化は劇的です。
特に音の厚みと使い勝手の向上は、日々の満足度を大きく引き上げてくれるでしょう。
逆に、初代で音質に不満がなく、1台のデバイスでしか使わないのであれば、無理に買い換える必要はありません。
Marshall Willen IIをおすすめできる人
- デザインにこだわりがあり、持っているだけで気分の上がるガジェットが欲しい人。
- ボーカル曲、ロック、ポップス、ジャズなどを中心に聴く人。
- 屋内(デスク、キッチン、お風呂)と屋外(キャンプ、散歩)をボーダレスに1台で済ませたい人。
- PCとスマホなど、複数デバイスを使いこなしている人。
- 大切な人へのセンスの良いプレゼントを探している人(パッケージも製品も高級感があります)。
Marshall Willen IIをおすすめできない人
- とにかく地響きのような重低音(EDMなど)を最優先する人(この場合は大型のスピーカーやJBLの方が合うかもしれません)。
- 1円でも安く防水スピーカーが欲しい人。
- 音ゲーやFPSゲームの外部スピーカーとしてガチで使いたい人。
Marshall 「WILLEN II」レビューの総評:所有欲を満たし、どこでも最高の音楽体験を
Marshall Willen IIは、単なる「音の出る箱」ではありません。
それは、Marshallという伝説的なブランドの歴史と美学を、ポケットに入れて持ち運ぶことができるアイテムです。
初代モデルで完成されていたデザインを崩すことなく、ユーザーが不満に感じていた「音圧」「低音」「安定性」「マルチポイント」を完璧にアップデートしてきた点に、メーカーの誠実さと本気を感じます。
価格は決して安くはありませんが、手に取った質感、部屋に置いた時の佇まい、そして流れてくる音楽の心地よさを体験すれば、その価格にも納得できるはずです。
あなたの日常に、ロックな魂と上質な音楽を。
Marshall Willen IIは、長く愛せる最高の相棒になってくれることでしょう。


