2024年から2025年にかけて、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)市場における最大のトレンドは間違いなく「オープンイヤー(耳を塞がない)」デバイスでした。
リモートワークの定着により、「周囲の音を聞き逃さず、かつ耳への負担を減らす」というニーズが爆発的に増加したためです。
しかし、このジャンルには構造上避けられない「2つの大きな課題」が存在していました。
- 音漏れ問題: 耳を塞がないため、スピーカーから出た音が周囲に拡散してしまう。「電車の中で白い目で見られないか?」という不安が常につきまといます。
- 低音不足(音質)問題: 密閉しないため低音が逃げやすく、どうしても「シャカシャカ」とした軽い音、いわゆる「ラジオボイス」になりがちで、音楽鑑賞には不向きとされてきました。
この難題に対し、日本の通信インフラを支えるNTTグループの音響ブランド「nwm(ヌーム)」が提示した回答が『nwm DOTS』です。
前作にあたる「MBE001」は、その圧倒的な音漏れ性能でガジェット界隈を驚かせましたが、一方で「ケースにバッテリーがない」「接続安定性に難がある」といった、初号機ゆえの荒削りな部分もありました。
今作DOTSでは、ユーザーからのフィードバックを元にそれらをすべて解消。
さらに音質と機能性を大幅にアップデートし、「もはやイヤホンではなく、耳に浮く極小のスピーカーである」と胸を張れる完成度になっています。
結論から先に言えば、nwm DOTSは「装着位置の調整さえクリアできれば、オープン型とは思えない高音質と、物理法則を疑うレベルの遮音性を両立した神デバイス」です。
逆に言えば、万人にフィットする「魔法の杖」ではありません。装着には少しコツがいり、慣れが必要です。
しかし、そのコツさえ掴めば、あなたのライフスタイルを劇的に変えるポテンシャルを秘めています。
その「コツ」も含めて、詳しく見ていきましょう。
nwm 「DOTS」の進化と基本スペック:MBE001からの飛躍

まずは、製品の概要と前作からの進化点を、具体的なスペック比較を交えて整理します。
デザインと外観:アクセサリー感覚で使える洗練された5色展開
nwm DOTSをパッケージから取り出して最初に感じるのは、そのデザイン性の高さと、良い意味での「ガジェット感のなさ」です。
従来の黒くて角ばったイヤホンとは異なり、2つの円(DOTS)が重なり合ったような幾何学的なデザインは、まるでモダンアートやファッションアクセサリーのようです。
耳元で主張しすぎず、それでいて「あ、それ何?」と聞きたくなるような個性を放っています。
ケースの質感も秀逸です。
ツルツルしたプラスチックではなく、少しざらつきのある石のような手触り(ストーン仕上げ風)になっており、傷がつきにくく、滑りにくいのが特徴です。
サイズも非常にコンパクトで、ジーンズのコインポケットにも入るほど。
前作MBE001のケースが「ただの充電クレードル(バッテリーなし)」で大きかったことを考えると、携帯性は雲泥の差です。
技術仕様:12mm新ドライバーとPSZ技術・Magic Focus Voiceの融合
nwm DOTSが単なるデザイン家電ではない理由は、NTTが長年の研究で培った「音響技術」が詰め込まれている点にあります。
- 新開発 12mm ダイナミックドライバー
通常のTWSでは6mm~10mm程度のドライバーが一般的ですが、DOTSは大型の12mmを採用。
オープン型特有の「音痩せ」を防ぐため、空気を大きく振動させることで、骨伝導よりも自然でリッチな空気伝導サウンドを実現しています。 - PSZ技術(Personalized Sound Zone)
これがnwmの真骨頂です。
「ある音波(正相)に対し、逆の波形(逆位相)をぶつけて音を消す」という、ノイズキャンセリングと同様の原理を応用しています。
ただし、ノイキャンが「入ってくる音を消す」のに対し、PSZは「出ていく音を消す」技術です。
これを耳元の局所的な範囲で行うことで、「耳元には音楽が聴こえるが、数センチ離れると音が消える」という、まるで自分専用のサウンドドームにいるような体験を生み出します。 - Magic Focus Voice
NTTの「電話事業」のノウハウが生きた通話技術です。2つのマイクを用いた「ビームフォーミング(音の方向検知)」と「スペクトルフィルター(周波数除去)」を組み合わせ、周囲の雑音をカットし、自分の声だけを抽出して相手に届けます。
スペック比較:再生時間32時間&LEオーディオ対応のインパクト
前作MBE001からの進化を分かりやすく比較表にまとめました。
| 項目 | nwm DOTS (新作) | nwm MBE001 (前作) | 進化ポイント・メリット |
| 形状 | 左右独立型 (TWS) | 左右独立型 (TWS) | デザインが小型化し、装着負荷が軽減 |
| 連続再生(本体) | 約8時間 | 約6時間 | 1日の作業時間をカバーできるスタミナ |
| 合計再生(ケース込) | 最大32時間 | 6時間 (ケース充電なし) | ここが最大の進化!長期間の旅行も安心 |
| ドライバー | 12mm ダイナミック | 12mm ダイナミック | 新設計により低音のレスポンスが向上 |
| Bluetooth | Ver 5.3 | Ver 5.2 | 接続安定性が向上し、人混みでも切れにくい |
| コーデック | SBC, AAC, LC3 | SBC, AAC, aptXなど | 次世代規格LE Audio対応で超低遅延を実現 |
| マルチポイント | 対応 (最大2台) | 対応 | スマホとPCの同時待ち受けが可能 |
| 防水性能 | IP54相当 | IPX2相当 | 雨の日のランニングや家事の水濡れもOK |
| 価格 | 約24,200円 | 約24,200円 | 性能は大幅UPで価格は据え置き |
特筆すべきはバッテリーケースの実装です。
前作MBE001はケースにバッテリーが内蔵されておらず、持ち運ぶたびにUSBケーブルが必要という致命的な弱点がありましたが、DOTSは一般的なTWS同様の運用が可能になりました。
これにより、「日常使いの道具」としての完成度が飛躍的に高まっています。
nwm 「DOTS」の音質と音漏れ防止性能の真実

ここからは、実際にさまざまなジャンルの楽曲を再生し、その実力を検証します。
オープン型イヤホンに対する「音質の期待値」を良い意味で裏切る結果となりました。
音質レビュー:オープン型とは思えない「低音の厚み」と「音の定位」
初めて装着して音を鳴らした瞬間、「え、これ本当に耳を塞いでないの?」と驚きの声を上げてしまいました。
骨伝導イヤホン特有の「こめかみがブルブル震える不快感」や「低音がスカスカでAMラジオのような音」といった弱点が、DOTSにはほとんど見当たりません。
【音域別詳細評価】
- 低音域:
オープン型の宿命である「低音の減衰」を、12mmドライバーと音響設計で見事にカバーしています。
例えば、Billie Eilishの『Bad Guy』を聴くと、ベースの重厚感がしっかりと耳奥に届きます。
もちろんカナル型のような「脳を直接揺らすような音圧」はありませんが、ベースラインの輪郭がはっきりしており、リズムを刻む楽しさを損ないません。 - 中音域:
ここがDOTSの最も得意なレンジです。
ボーカルが非常にクリアで、目の前で歌っているような生々しさ(プレゼンス)があります。
宇多田ヒカルの息遣いや、Official髭男dismの高音ボイスも、歪むことなく綺麗に伸びます。
YouTubeの解説動画やPodcast、オーディオブックなど「人の声」中心のコンテンツとは相性抜群です。 - 高音域:
刺さるような鋭さはなく、開放的で抜けの良いサウンド。
「耳スピーカー」の名に恥じない、ステレオスピーカーで音楽を聴いているような広がり(サウンドステージ)を感じます。
クラシックやジャズのハイハット音も、耳元で繊細に鳴り響きます。
【他社製品との比較イメージ】
- vs 骨伝導(Shokz OpenRun Proなど):
DOTSの方が圧倒的に音の解像度が高く、音楽的な表現力が豊かです。
「振動しない」という快適さもDOTSの勝ちです。 - vs イヤーカフ型(HUAWEI FreeClip、Bose Ultra Open Earbuds):
Boseには低音の量感で一歩譲りますが、中高音の自然な響きではDOTSが勝るとも劣りません。
FreeClipと比較すると、DOTSの方が音がダイレクトに鼓膜に届く感覚が強く、没入感が高い印象です。
音漏れ検証:図書館でも使える?PSZ技術の限界と実用レベル
「音漏れ抑制」はNTTの専売特許とも言える領域です。
実際に静かな室内と、カフェのような環境で、家族に協力してもらい検証しました。
検証環境と結果
スマホの音量をiPhoneの表示で50%〜70%に設定して検証しました。
- 静かなリビング(夜間)/ 音量50%(BGMとして快適なレベル)
- 30cmの距離(隣に座る距離): 家族曰く「何か鳴っている気配はあるが、曲名は分からない。空調の音がしていれば全く聞こえない」とのこと。
- 1mの距離: 無音です。
- 静かな図書館 / 音量70%(音楽に没頭するレベル)
- さすがに静寂な空間で70%まで上げると、隣の席の人には「シャカシャカ」という高音成分が漏れます。しかし、従来のインナーイヤー型(AirPodsなど)と比較すると、音漏れの到達距離が明らかに短いです。
- カフェ・オフィス(環境音あり) / 音量60%
- 周囲の話し声やBGMにかき消され、完全に無音と判断されました。
結論:
PSZ技術(逆位相による打ち消し)は「魔法のように完全に音が消滅する」わけではありませんが、「物理法則を無視しているレベル」で漏れにくいのは紛れもない事実です。
エレベーターの中や満員電車で密着するような状況でなければ、周囲への迷惑を気にする必要はほぼありません。
通話品質と遅延:Magic Focus Voiceの効果とLC3接続でのゲーム体験
- Magic Focus Voiceの効果
実際にスターバックスのような騒がしいカフェでZoom会議を行いました。
録音データを確認すると、背景の「ガヤガヤ音」や「食器のカチャカチャ音」が見事に抑制され、私の声だけが少し強調されて相手に届いていました。
AIノイズキャンセリングのような不自然な声の途切れもなく、非常に優秀です。 - 遅延(ゲーミング性能)
特筆すべきはLE Audio(LC3コーデック)への対応です。
Xperia 1 Vなどの対応Android端末と接続すると、遅延が劇的に減少します。
リズムゲーム(音ゲー)をプレイしてみましたが、タップ音とのズレをほとんど感じません。
「ワイヤレス=遅延がある」という常識を覆すレスポンスです。
iPhone(AAC接続)の場合は多少の遅延がありますが、YouTube視聴程度ならリップシンク(口の動きと声)のズレは気になりません。
nwm 「DOTS」の装着感と操作性のリアル:人を選ぶ「フィット感」の攻略法

素晴らしい音質を持つnwm DOTSですが、唯一にして最大のハードルが「装着感」です。
ここを正直に、かつ解決策も含めて解説します。
独特な装着構造:テールチップの調整と「ベストポジション」の探し方
nwm DOTSは、耳穴にプラグを差し込むのではなく、耳輪(耳のフチ)にフックを引っ掛けて、「テールチップ」というシリコンパーツで裏側から支える構造です。
- 浮遊感のある装着感:
うまく装着できると、耳の穴には何も入らず、スピーカーユニットが耳の穴の少し手前に「浮いている」状態になります。
これが圧倒的な蒸れなさや開放感を生みます。 - 調整の難しさ:
人によって耳の厚みや形は千差万別です。
付属のテールチップ(S/M/L)を交換し、さらに取り付け位置をスライドさせて微調整する必要があります。 - 注意点:
ベストな位置が見つかるまで、私は3日ほどかかりました。
位置が悪いと、歩行中にグラグラしたり、低音が逃げてスカスカに聴こえたり、逆に耳が痛くなったりします。
【攻略のヒント】
- まずは鏡を見ながら装着する: 耳のくぼみにスピーカーが正対しているか確認しましょう。
- テールチップは小さめから試す: 最初はLサイズで固定しようとしがちですが、実はSサイズで「軽く添える」くらいの方が痛くなりません。
- 別売り「テールフック」の導入: もしどうしても安定しない、あるいはスポーツで使いたい場合は、別売りのアクセサリー「テールフック」(約1,100円)の導入を強くおすすめします。フック形状になることでホールド力が格段に向上し、激しく頭を振っても落ちなくなります。これは「必須オプション」と言っても過言ではありません。
操作性:タッチセンサーの挙動と専用アプリ「nwm Connect」の活用
操作は本体側面の丸い部分(タッチセンサー)で行います。
- 1回タップ: 再生/一時停止
- 2回タップ: 曲送り
- 3回タップ: 曲戻し
- 長押し: 音量調整(設定変更可)
ここにも少しクセがあります。本体が耳から浮いている構造上、指でタップすると本体がポヨンと揺れてしまい、タッチ判定がうまく認識されないことがあります。
コツは、「人差し指で本体を裏(耳の裏側)から支え、中指で表のセンサーをタップする」こと。
このように挟み込むように操作すると、誤操作が激減しました。
専用アプリ「nwm Connect」は必須インストールです。 イコライザー設定(プリセット:Balance, More Bass, Clear Voiceなど)や、タッチ操作の割り当て変更、ファームウェアアップデートが行えます。
特にイコライザーの「More Bass」は、小音量時の低音不足を補うのに有効でした。
マルチポイントと接続安定性:複数デバイス使い分けの挙動
Webライターとして重宝するのがマルチポイント接続です。
PC(MacBook)とスマホ(iPhone)に同時接続しておけば、PCでYouTubeのBGMを流しつつ、スマホに着信があればPCの音が止まり、即座に通話に応答できます。
切り替えは非常にスムーズで、ストレスを感じませんでした。
ただし、LE Audio(LC3)接続時はマルチポイントが使用できないケースがある(Android側の仕様による)ため、高音質・低遅延を優先するか、2台同時接続の利便性を優先するかで、アプリから設定を使い分ける必要があります。
nwm 「DOTS」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、私が実際に仕事や日常生活でnwm DOTSを使用した、具体的な「SEOライターの1日」を通じた感想をお伝えします。
スペック表には載らないリアリティを感じてください。
開封からセットアップ:所有欲を満たすパッケージとペアリング
パッケージは環境に配慮したクラフト紙素材ですが、デザインは洗練されており、開封体験はワクワクする設計です。
モスグリーンのケースを開けると、コロンとしたDOTSが鎮座しています。
ペアリングはGoogle Fast Pairにも対応しており、Androidスマホなら蓋を開けるだけで画面にポップアップが表示され、一瞬で接続完了。
iPhoneでも通常のBluetooth設定からスムーズに繋がりました。初期設定で迷うことはまずありません。
執筆作業中の使用感:BGMを流しながら「集中」と「周囲への意識」を両立
自宅での記事執筆中、これまでは強力なノイズキャンセリングイヤホンで外界を遮断し、「ゾーン」に入っていました。
しかし、それだと宅配便のチャイムや、家族からの「お茶飲む?」という呼びかけに気づかず、家庭内の空気が悪くなることが悩みでした(笑)。
DOTSに変えてからは、作業環境が激変しました。
YouTubeで「Lo-Fi Hip Hop」をBGMに集中しつつ、「ピンポーン」というチャイム音もしっかり耳に入ってきます。
音楽が環境音に溶け込む感覚は、まるで部屋全体に自分専用のBGMスピーカーを置いているようなリッチな体験です。
耳への圧迫感がないため、気づけば3時間ぶっ通しで執筆していても、耳の疲れを感じませんでした。
装着感の試行錯誤:3日目でようやく見つけた「痛くない」正解位置
正直に告白します。
初日の午後は、耳の裏が少し痛くなりました。
原因は、落とすのが怖くてテールチップを耳の奥にギュッと押し込みすぎていたことです。
2日目、3日目と試行錯誤し、テールチップのサイズをMからSに変え、装着位置を少し浅めに調整したところ、劇的に改善。
「着けていることを忘れる」というキャッチコピーが嘘ではないレベルに到達しました。
この「自分だけのスイートスポット」を見つけるまでの数日間を乗り越えられるかが、この製品の評価を分けるポイントだと感じました。
外出・カフェでの使用:店内の喧騒と音楽がミックスされる不思議な感覚
近所のスタバでのノマドワークにも持ち出しました。
カナル型イヤホンだと、店員さんに「ドリップコーヒーのショートで」と注文する際、イヤホンを外すか、慌てて外音取り込みモードにする必要があります。
しかし、DOTSなら音楽を再生したままでも普通に会話が成立します。
「音楽を聴きながら会話なんて失礼では?」と思われるかもしれませんが、相手の声がクリアに聞こえるため、反応が遅れることがありません。
店内のジャズBGMと、自分の聴いているPodcastが混ざるのが心配でしたが、DOTSの音が耳に近い位置で定位するため、脳内で自然と「自分の聴きたい音」にフォーカスできます。
これは「カクテルパーティー効果」を人工的に作り出しているような、新しい発見でした。
オンライン会議での実力:マイク性能が相手に与える印象とクリアさ
クライアントとのZoom定例会議で使用しました。
会議の冒頭、「マイクの音、大丈夫ですか?」と確認したところ、「えっ、ヘッドセット使ってるんですか? PCのマイクかと思うくらい自然です」との評価。
特に、キーボードを叩くカチャカチャ音があまり拾われていない点に驚きました。
Magic Focus Voiceの指向性がしっかり機能しており、口元の音だけを拾ってくれているようです。
ビジネス用途で十分に主力として使えます。
体験談の総括:ライフスタイルに溶け込む「着けっぱなし」デバイスとしての評価
1週間使い続けて感じたのは、「イヤホンの着脱という動作が生活から消える」という快適さです。
朝起きて顔を洗った後に装着し、家事をして、仕事をして、コンビニに行く。
その間、ずっと着けっぱなしでも耳が蒸れず、痛みもない(調整後)。
音楽を聴くためだけの道具ではなく、「聴覚を拡張する常時装着ウェアラブルデバイス」と呼ぶのがふさわしいと感じました。
Apple Watchが手首の一部になるように、nwm DOTSは耳の一部になります。
nwm 「DOTS」に関するQ&A

nwm 「DOTS」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「音漏れしない」って本当ですか? 満員電車でも使えますか?
「完全にゼロ」ではありませんが、実用レベルでは驚くほど漏れません。
NTT独自のPSZ技術により、従来のオープン型イヤホンとは比較にならないほど音漏れが抑制されています。
- オフィスやカフェ: 全く問題ありません。
- 図書館などの静寂な場所: 音量を上げすぎなければ使用可能です。
- 満員電車(密着状態): 距離が近すぎるため、隣の人にかすかに聴こえる可能性があります。また、周囲の走行音がうるさいと、こちらの音楽が聴こえづらくなるため、ノイズキャンセリング搭載のカナル型の方が向いています。
長時間つけていると耳が痛くなりませんか?
最初の数日は痛くなる可能性がありますが、調整で改善します。
耳の形状に合っていないと、耳輪(耳のフチ)に負荷がかかり痛みが出ることがあります。 解決策として、「テールチップのサイズを小さくする(L→Sなど)」ことや、「装着位置を少し浅めにする」ことを試してください。ベストポジションが見つかれば、着けているのを忘れるほど快適になります。
ランニングやジムでの運動に使えますか?
軽いジョギングならOKですが、激しい運動には「テールフック」推奨です。
IP54相当の防滴仕様なので、汗や小雨は問題ありません。ただし、標準のテールチップだけだと、激しい上下運動でズレる不安があります。スポーツ用途をメインにする場合は、ホールド力を高める別売りの「テールフック」の同時購入を強くおすすめします。
iPhoneでも高音質で聴けますか? 遅延はありますか?
iPhoneでも高音質ですが、超低遅延(LE Audio)は使えません。
iPhoneはAACコーデックでの接続となり、十分にクリアな音質で楽しめます。動画視聴の遅延もほぼ気になりません。 ただし、nwm DOTSの売りの一つである「LE Audio(LC3コーデック)」による超低遅延接続は、対応するAndroid端末が必要になります。音ゲーをガチでやりたい場合はAndroid推奨です。
片耳だけで使用することはできますか?
はい、左右どちらか片方だけでも使用可能です。
片耳をケースに入れたまま、もう片方だけで音楽再生や通話ができます。仕事中に片耳だけ装着して、周囲の音をより聞き取りやすくするといった使い方も便利です。
寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?
快適ですが、横向き寝には注意が必要です。
カナル型のように耳の穴を圧迫しないため、寝る時に使うのにも適しています。ただし、本体に多少の厚みがあるため、横向きに寝ると耳が枕と本体に挟まれて痛い場合があります。仰向けで寝る分には非常に快適です。
メガネやマスクをつけていても邪魔になりませんか?
驚くほど干渉しません。メガネユーザーにこそおすすめです。
多くの耳掛け式イヤホン(Shokzなど)は、耳の裏側にフックが回るため、メガネのツルと干渉して浮いてしまうことがあります。 しかし、nwm DOTSは「耳のフチ(耳輪)」に引っ掛けるだけの構造なので、耳の付け根(メガネがかかる部分)と接触しません。マスクの紐とも絡まりにくく、非常に快適に併用できます。
ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
はい、対応しています。
ケースを置くだけで充電できるワイヤレス充電に対応しています。 デスクワークの合間に充電パッドにポンと置くだけで済むので、ケーブルを抜き差しする手間がありません。「毎日使う道具」として地味ですが非常に大きなメリットです。
イヤホン本体だけで「音量調節」はできますか?
可能ですが、アプリでの設定変更を推奨します。
初期設定では、音量操作が割り当てられていない(または使いにくい)場合があります。 専用アプリ「nwm Connect」を使えば、「右耳を長押しで音量アップ」「左耳を長押しでダウン」といったカスタマイズが可能です。購入後は最初にこの設定を見直すことをおすすめします。
専用アプリは絶対にインストールしないとダメですか?
必須ではありませんが、インストールしないと損をします。
アプリなしでもBluetooth接続して音楽を聴くことは可能です。 しかし、「音質のイコライザー調整(低音増強など)」や「ボタン操作の変更」、「ファームウェアアップデート」はアプリ経由でしか行えません。特にファームウェア更新で接続安定性が向上することもあるため、基本的にはインストール推奨です。
駅や交差点などの人混みで、音途切れはありますか?
Bluetooth 5.3対応で安定していますが、過信は禁物です。
新宿駅や渋谷駅の改札付近など、電波が飛び交う過酷な環境でテストしました。 前作MBE001に比べると接続安定性は格段に向上しており、プツプツ切れる頻度は激減しています。ただし、完全に途切れないわけではありません。もし不安定になった場合は、アプリから接続モードを「音質優先」ではなく「接続優先(ベストエフォート)」に切り替えることで改善します。
ヘッドホン型の「nwm ONE」とどちらを買うか迷っています。
「持ち運びの手軽さ」ならDOTS、「最強の音質・没入感」ならONEです。
同じNTTのnwmシリーズですが、用途が異なります。
- nwm DOTS: ポケットに入るサイズで、着けたまま外出・食事・仕事など一日中過ごしたい人向け。
- nwm ONE: オーバーヘッド型でドライバーも大きく、音質と開放感は圧倒的ですが、持ち運びには少し嵩張ります。自宅での据え置きメインならONE、外でも使うならDOTSがおすすめです。
nwm 「DOTS」レビューのまとめ

最後に、nwm DOTSの良い点・気になる点を整理し、どのようなユーザーにとって「買い」なのかをまとめます。
メリット
- 圧倒的な音漏れ耐性: PSZ技術により、オープン型なのに静かなオフィスやカフェでも安心して使える。
- 自然で厚みのある音質: 12mmドライバーによるリッチなサウンド体験。ラジオボイスからの脱却。
- 長時間バッテリー: ケース込み32時間で、充電ストレスから完全に解放された。
- 低遅延(LE Audio対応): ゲームや動画視聴もズレなく快適。
- 通話品質: Magic Focus Voiceにより、ビジネスの最前線で戦力になるマイク性能。
デメリット
- 装着位置の難易度: ベストポジションを見つけるまで、数日の試行錯誤が必要な場合がある。
- 操作性のクセ: タップ操作時に本体が揺れやすく、慣れるまではコツがいる。
- 重低音の限界: 構造上、EDMなどの「脳を揺らす重低音」を求めるなら、やはりカナル型には勝てない。
別売りアクセサリー「テールフック」の必要性について
耳の形状に自信がない方、耳が小さくてフックが余りそうな方、あるいは移動中や軽い運動時に使うことが多い方は、購入時に「テールフック」も合わせて検討することを強くおすすめします。
これがあるだけで、装着の安定感に対する不安が9割解消されます。正直、標準同梱にしてほしかったレベルの必須アイテムです。
おすすめできる人
- Webライター・デスクワーカー: 長時間BGMを聴きつつ、周囲の状況も把握したい人。
- オンライン会議が多い人: 長時間の会議でも耳が疲れず、自分の話し声がこもって喋りにくくなる現象を防ぎたい人。
- カナル型が苦手な人: 耳穴への圧迫感、外耳炎のリスク、蒸れから解放されたい人。
- 子育て中のパパ・ママ: 子供の泣き声や呼びかけを聞き逃さずに、自分の好きな音楽や動画を楽しみたい人。
おすすめできない人
- 重低音重視のBass Head: ライブハウスの最前列のような音圧を求めるなら、nwm DOTSではなく、良質なカナル型イヤホンを選ぶべきです。
- 激しいスポーツをする人: 標準のテールチップだけでは落下の不安があります(テールフックを購入すれば解決可能)。
- 常に騒音レベルが高い場所で使う人: 地下鉄の中や工事現場の近くなどでは、外音が入りすぎて音楽が聴こえにくくなります。
nwm 「DOTS」レビューの総評:オープンイヤー型イヤホンの新たな基準点
nwm DOTSは、単なる「耳を塞がないイヤホン」のバリエーションの一つではありません。
NTTグループの技術力を結集し、音質とプライバシー(音漏れ防止)を高次元でバランスさせた、「次世代のパーソナルスピーカー」です。
装着感の調整というハードルさえ超えてしまえば、あなたのライフスタイルにこれ以上ないほど馴染む、手放せないパートナーになるでしょう。
私自身、この1週間のレビュー期間を経て、もうカナル型には戻れない体になってしまいました。
「音楽を聴く」という行為を、「音と共に生活する」という体験へとアップデートする。
nwm DOTSで、あなたも新しいオーディオ・ライフスタイルを始めてみませんか?


