“耳をふさがない快適さ”と“音質”をどこまで両立できるか——オープンイヤー/イヤーカフ型の真価は、ここに尽きます。
QCY 「Crossky C50」(以下、C50)は、その問いに真正面から挑む最新モデル。
軽さとホールド感を両立したイヤーカフ形状、約35時間クラスのロングバッテリー、マルチポイントや専用アプリによる細かなチューニングなど、日常使いで効く要素を網羅しつつ、開放型でありがちな「軽い・物足りない」を感じさせにくい濃密なサウンドを狙っています。
一方で、ハイレゾ系コーデックの非対応や、操作体系のクセ、ワイヤレス充電や装着検出の非搭載といった割り切りもあるため、購入前に“自分の使い方に合うか”を見極めるのがポイント。
とくに通勤・通学、在宅会議、ジョギングなど「周囲の音を取り込みたい」シーンが多い人には、有力な選択肢になり得ます。
この記事では、以下の観点から「C50」の実力を丁寧に検証します。
- デザイン/装着感:左右自動認識に対応するイヤーカフ形状の実用性と、長時間装着時の快適性
- 基本スペック:10mm級ドライバー+独自補正、マルチポイント、急速充電、ロングバッテリーの“日常力”
- サウンド&通話:開放型としての低音表現、ボーカルの見通し、指向性オーディオによる音漏れ対策、AIノイズ低減の通話品質
- アプリ体験:EQ/ダイナミックEQ/空間オーディオ/ゲームモードなどの効き目と、初期設定の最適解
- 使い勝手の癖:タップ感度や長押し未対応などの操作面、非搭載機能の影響と回避策
結論を先に言えば、「C50」は「ながら聴きの快適さ」「通話の聞き取りやすさ」「電池もち」「価格バランス」を高次元でまとめた“オープンイヤーの現実解”。
一方で、密閉型の迫力やハイレゾ志向を最優先するユーザーには、目的に応じた別解もあり得ます。
本稿を通じて、自分の生活導線に「C50」がフィットするかを具体的に判断できるよう、長所と留意点をフラットに整理していきます。

QCY 「Crossky C50」の概要(デザイン・装着感・基本スペック)

耳をふさがない“イヤーカフ型”の利点を活かしつつ、日常で効く機能(通話・電池・アプリ操作)をバランス良くまとめたのが「C50」です。
まずは「見た目と作り」「装着の快適さ」「主要スペック」の3点で全体像を押さえましょう。
ビルドクオリティとデザインの特徴
見た目は控えめでも、手に取ると質感で差が出るタイプ。
毎日使う“道具感”が強い設計です。
- レザー調ケース+メタル調アクセント:滑りにくく、傷や指紋が目立ちにくい。見た目も上品。
- 左右区別なし(L/Rフリー):装着後に自動で左右判定。取り出してそのまま耳へ、がスムーズ。
- カラー:ブラック/ホワイト。
- 音漏れ対策:指向性オーディオで“耳側へ音を集める”発想。開放型でも気兼ねなく使いやすい。
- 仕上げ精度:ヒンジや継ぎ目の剛性感が高く、前世代より“きっちり感”が向上。
装着感とフィット
“長く着けてもラク”がイヤーカフ型の真骨頂。
「C50」もその文脈で強いモデルです。
- 耳道をふさがない:ムレや圧迫感が少なく、周囲音も取り込みやすい。
- 形状記憶ワイヤー(チタン系):軽い力でしっかり保持。頭を振ってもズレにくい。
- 軽量(片側約5g台):長時間でも耳の負担が小さい。
- シーン適性:通勤・在宅会議・散歩・軽い運動など“ながら聴き”に強い。
装着のコツ
- まずメガネのテンプル位置を決め、その上でイヤホンの角度を微調整すると干渉しにくい。
- 耳の厚みに合わせてワイヤーをほんの少しだけ開閉し、テンションを最小限に。
- 帽子/マスクの着脱時は片手でイヤホンを軽く押さえてズレを防ぐ。
主要スペックと価格感
“日常力”に直結する情報をひと目で。
項目 | 内容 |
---|---|
形式 | イヤーカフ型(オープンイヤー) |
ドライバー | 10.8mm デュアルマグネット/カーボンファイバー振動板 |
チューニング | QCY独自の電子補正(トリプルアルゴリズム) |
コーデック | AACまで(ハイレゾ系は非対応) |
通話 | 4マイク+AIノイズリダクション |
音漏れ対策 | 指向性オーディオ/ビーム制御 |
バッテリー | 単体最大約7.5時間/ケース併用最大約35時間 |
急速充電 | 10分充電で最大約2時間再生 |
接続 | マルチポイント(2台同時待受) |
防水 | IPX5相当 |
アプリ | EQ/ダイナミックEQ/空間オーディオ/ゲームモード/操作割当/感度調整/スリープ・電源タイマー |
操作 | タップ主体(反応音あり)/長押し未割当 |
非搭載 | 装着検出/ワイヤレス充電/リスニング用ANC/ハイレゾコーデック |
価格感 | 6,000円前後(セールで5,000円台も) |
- AACに割り切り:開放型+電子補正の特性上、情報量より“聴きやすさ・電池もち・安定性”を優先。
- ロングバッテリー×急速充電:短時間の外出でも安心、仕事中の“継ぎ足し充電”が効く。
- アプリで最適化:EQ/ダイナミックEQ/空間オーディオで低域や広がりを補強、ゲームモードで遅延を軽減。
- 通話の実用性重視:多マイク+AIでオンライン会議でもクリアに。
ひとことでまとめると…
- ✅ 装着快適・ズレにくい・周囲が聞こえる
- ✅ 電池が長く、マルチポイントで仕事と私用の切替が速い
- ✅ アプリで“足りない所を伸ばせる”
- ❌ 装着検出/ワイヤレス充電/長押し操作がない
- ❌ ハイレゾ志向や“密閉型のド迫力”最優先の人には不向き
QCY 「Crossky C50」のサウンド・通話品質・アプリ機能

“開放型=音が軽い”を避けるために、「C50」は10.8mmデュアルマグネット+電子補正を中心に設計されています。
ここでは音の傾向、通話・音漏れ、アプリ活用を実用目線でまとめます。
ドライバー&チューニング(音の傾向/EQのコツ)
- 10.8mm+カーボン振動板:立ち上がりの速さと低域の押し出しを確保
- 独自の電子補正:開放型で薄くなりがちな量感を底上げ
- AACまでの対応:安定性・電池もち・レイテンシを優先(ハイレゾ志向は割り切り)
項目 | 印象 |
---|---|
低域 | 量感は十分。膨らまずにキックの輪郭が出やすい |
中域 | ボーカルは見通し良好。混雑しても輪郭が保たれる |
高域 | 刺さりにくく聴き疲れしにくい。輝きは控えめ |
音場・定位 | 自然~標準。誇張は少なく素直な広がり |
手早く効くEQの目安
- 低域をもう少し:60–100Hz を +1〜2dB
- ボーカルを近づける:1–2kHz を +1dB
- 透明感を足す:8–10kHz を +1dB(やり過ぎ注意)
ダイナミックEQと手動EQの重ね掛けは最小限。低域を盛り過ぎると音漏れも増えます。
通話品質と音漏れ対策(AIノイズ低減/指向性オーディオ)
通話品質:ここが効く
- 4マイク+AIノイズリダクションで環境ノイズを抑制
- イヤーカフ形状はマイク位置が安定しやすく声が通りやすい
- IPX5相当で汗・小雨の使用に配慮(強風時は角度調整が有効)
音漏れ:設計と使い方の両輪
- 指向性オーディオで耳方向へ音を集中(開放型としては漏れが少なめ)
- 混雑環境では音量50%前後+角度微調整が現実解
シーン別Tips
- 屋外通話:風上に向く+本体をわずかに前傾で風切りを軽減
- オフィス:音量を1段下げ、中域+1dBで聞き取り維持
- 電車内:ダイナミックEQはOFF(低域増強は漏れやすい)
アプリ機能(EQ/ダイナミックEQ/空間オーディオ/ゲームモード)
できること
- EQ(プリセット/カスタム):細かく帯域調整
- ダイナミックEQ:音量や曲調に合わせ低域を自然に補強
- 空間オーディオ:広がり演出(映画や配信向き)
- ゲームモード:レイテンシ低減(動画の口元ズレ対策にも)
- 操作割り当て/タップ感度/反応音、マルチポイント切替、スリープ・電源OFFタイマー、探す など
シーン別おすすめ設定
シーン | 推奨設定 | ねらい |
---|---|---|
通勤・街歩き | 中域+1dB/ダイナミックEQ ON/空間 OFF | 周囲の音を取り込みつつ声を聴きやすく |
在宅会議 | 高域+1dB/ダイナミックEQ OFF/空間 OFF | 子音の明瞭度UP、低域の膨らみ回避 |
ラン&ジム | 低域+1dB/ダイナミックEQ ON/空間 OFF | 推進力を確保しつつ漏れを抑える |
映画・配信 | EQフラット/空間 ON(弱)/ゲームモード ON | 没入感と同期感のバランス |
音ゲー・FPS | EQフラット/ゲームモード ON/空間 OFF | 最低遅延と定位の明確化 |
- アダプティブ音量は環境次第で上がり過ぎることがあるため、基本はOFF推奨
- 空間オーディオは音楽で定位が甘くなる場合がある(映画寄りで活用)
サウンド・通話品質・アプリ機能のまとめ
- ✅ 開放型でも“物足りなさ”を感じにくい調整:低域と明瞭感の両立
- ✅ 通話は実用十分:4マイクAIで会議・外出通話が安定
- ✅ アプリで伸ばせる余地が大きい:EQ/ダイナミックEQ/ゲームモードが柱
- ⚠️ “ONにし過ぎない”運用がコツ:低域補強と空間演出は必要な場面だけ使うとバランス良好
QCY 「Crossky C50」の使い勝手と弱点

「C50」は“ながら聴き”の快適さと日常の実用性を高いバランスでまとめたモデル。
一方で操作体系や非搭載機能に割り切りがあり、相性の見極めが大切です。
操作性と接続(タップ中心/左右フリー/安定接続)
タップ操作が基本。左右自動判定で装着が速く、マルチポイントでデバイス切替もスムーズ。
良いところ
- 左右フリー:取り出してそのまま装着→自動でL/R認識
- 反応音あり:タップ成立が分かりやすい
- マルチポイント:PC+スマホ同時待受で在宅会議に強い
- ゲームモード:動画の口元ズレを緩和
気になるところ&対策
- 長押し未対応 → ダブル=再生/停止、トリプル=次曲など役割を固定
- 感度のムラ → アプリで感度微調整+反応音ONから開始
- 稀な接続乱れ → 端末側BTの再接続で解消しやすい
充電とバッテリー運用(7.5h+35h/急速充電)
“毎日長時間”でなければ余裕。
朝の10分継ぎ足しで1日安心。
スペックの実用換算
- 単体最大約7.5時間/合計約35時間
- 急速充電:10分→最大約2時間再生
- AAC中心:コーデックの割り切りで持ちが安定
使い方の目安
- 通勤+会議 計3–4h/日 → 1.5–2日に一度ケース充電
- スポット利用中心 → 朝10分充電で1日持ちやすい
省エネTips
- アダプティブ音量OFF寄り(環境で上がりすぎるのを防ぐ)
- ゲームモードは必要時のみ
- 週1でケース残量チェック
注意点と非対応(装着検出/ワイヤレス充電/ANC/ハイレゾ)
割り切りポイント
- 装着検出なし:耳から外しても自動停止しない
- ワイヤレス充電非対応:USB-C運用が前提
- ANC(リスニング用)なし:オープンイヤー思想ゆえ妥当
- ハイレゾ系コーデック非対応:安定性・電池もち・補正前提の音作りを優先
現実的な運用
- 自動停止の代わりにダブルタップ停止を習慣化
- 満員電車では音量50%前後+角度微調整で音漏れ抑制
- チタンワイヤーを“少しだけ”開閉して耳形状に微調整
使い勝手の体感
観点 | 評価 | ひとこと |
---|---|---|
取り回し | ◎ | 左右フリーで装着が速い |
快適さ | ◎ | 5g台×チタンワイヤーで長時間ラク |
通話 | ○〜◎ | 4マイクAIで会議・外出通話が安定 |
アプリ | ◎ | EQ/ダイナミックEQ/ゲームモードが有効 |
操作 | △〜○ | タップ中心・長押しなし(設定工夫で改善) |
電池 | ◎ | 7.5h+35h+急速充電で“現実解” |
静寂志向 | △ | ANC非搭載・開放型の性格 |
高音質志向 | △〜○ | AACまで。聴きやすさ重視の調整 |
使い勝手の面で「C50」が向いてる人
「C50」が向いている人
- ✅ 耳をふさがず周囲音も取り込みたい
- ✅ 通勤・在宅会議・軽い運動など横断利用が多い
- ✅ マルチポイントで仕事と私用を行き来する
- ✅ EQやモードで軽く最適化して使うのが苦にならない
ほかを検討したい人
- 🔄 静寂・没入が最優先 → 密閉型+ANC
- 🔄 ハイレゾコーデック必須 → LDAC等対応機
- 🔄 完全ハンズフリー(装着検出・長押し操作)必須
使い勝手と弱点のまとめ
- 強み:装着快適・左右フリー・ロングバッテリー・通話・アプリの総合力
- 弱み:長押し未対応/装着検出・ワイヤレス充電・ANC・ハイレゾ非対応
- 総評:“耳をふさがない日常最適”を狙うなら最有力。静寂やハイレゾ志向が最優先なら別軸を選ぶのが賢明です。
QCY 「Crossky C50」を使用した私の体験談・レビュー

“ながら聴き”“在宅会議”“軽い運動”という日常シーンで「C50」を使い分けた所感を、再現しやすい設定と一緒にまとめました。
試した環境と前提
- 端末:iPhone/Android(いずれも AAC 接続)、マルチポイント併用
- 主な用途:通勤・在宅会議・ウォーキング/トレッドミル
- 基本設定:EQほぼフラット、ダイナミックEQは場面でON/OFF、空間オーディオは映像のみ
- 装着:メガネ併用。チタン系ワイヤーを最小限だけ開閉して耳形状に合わせる
装着感とフィット(長時間のラクさをどう作るか)
イヤーカフ形状は耳道を塞がないため、蒸れや圧迫が少なく、デスク作業~移動まで快適でした。
角度が決まると安定感が一気に増します。
- 長時間:片側5g台+耳道非接触で疲れにくい
- 安定:テンプル外側にやや前傾で装着するとズレにくい
- 運動:ラン・ウォークは問題なし/急な方向転換の多いスポーツは別タイプ推奨
装着のコツ
- 位置決め→ワイヤーを1〜2mmだけ調整→再度位置決め
- 帽子・マスクの着脱時は片手で本体を軽く押さえる
音の印象(“足しすぎない”微調整が効く)
初期チューニングで聴きやすく、必要な場面だけ小さく補うと破綻しにくい印象でした。
- 低域:量感は十分。膨らみを抑えたキックの輪郭
- 中域:ボーカルの見通し良好。+1dBで存在感が自然に
- 高域:刺さりにくく聴き疲れしにくい(輝きは控えめ)
ジャンル別の落としどころ(EQ小幅推奨)
- ポップス/ロック:1–2kHz +1dBで歌が近くなる
- EDM/ダンス:60–100Hz +1〜2dBで推進力をプラス
- アコースティック:基本フラット。必要なら高域 +1dBで空気感を少し
ダイナミックEQと手動EQは重ね掛けを最小限に。低域の盛り過ぎ=音漏れと直結。
通話と音漏れ
4マイク+AIノイズ低減で、在宅会議や外出通話も実用範囲に収まりました。
開放型ゆえ、音量と角度の管理が鍵。
- 在宅会議:高域 +1dBで子音が明瞭、長時間でも疲れにくい
- 屋外通話:本体をわずかに前傾で風切りを緩和
- 電車内:音量50%前後+ダイナミックEQ OFFが現実解
操作・接続・電池(“日常力”の手応え)
- 左右フリーで取り出し〜装着が速い
- タップ中心は慣れが必要 → ダブル=再生/停止、トリプル=次曲 に固定し、反応音ONで確実性UP
- マルチポイントでPC会議⇄スマホ音楽の往復がスムーズ
- バッテリー:通勤+会議で1.5〜2日に1回のケース充電が目安/10分急速充電が外出前の保険に有効
シーン別:最終的に落ち着いた設定
シーン | 音量の目安 | アプリ設定 | ねらい |
---|---|---|---|
通勤(屋外) | 45–55% | 中域 +1dB/ダイナミックEQ ON/空間 OFF | 周囲音を取り込みつつ歌の聞き取りを確保 |
電車内 | 40–50% | EQフラット/ダイナミックEQ OFF | 低域の膨らみ抑制=音漏れ最小化 |
在宅会議 | 35–45% | 高域 +1dB/空間 OFF | 子音が立ち、発話も聞き取りやすい |
ラン&ジム | 50–60% | 低域 +1dB/ダイナミックEQ ON | リズムの推進力を小幅に補強 |
映画・配信 | 45–55% | EQフラット/空間 ON(弱)/ゲームモード ON | 広がりと口元同期のバランス |
よかった点/気になった点/慣れワザ
よかった点
- 耳を塞がない快適さとズレにくさ(5g台+チタン系ワイヤー)
- 左右フリー×マルチポイント×急速充電の“日常力”
- 小さなEQ調整で開放型の物足りなさを補正しやすい
気になった点
- 長押し未対応で操作割り当てに制約
- アダプティブ音量は環境次第で上がりすぎ(基本OFF運用)
- 装着検出/ワイヤレス充電なしは人により物足りない
慣れワザ
- 反応音ON+感度“中”でタップ精度UP
- 満員電車はEQフラット+音量控えめに即切替
- 帽子・マスクは本体を軽く押さえて着脱
ひとことで結論
“耳を塞がない快適さ”と“日常の便利さ”を、価格以上のバランスで実現。
静寂やハイレゾ最優先でなければ、普段使いの現実解として満足度は高い──これが使い分けた末に残った評価です。
QCY 「Crossky C50」に関するQ&A

「C50」はどんなイヤホン?
耳をふさがない“イヤーカフ型”の完全ワイヤレス。左右自動判別(L/Rフリー), マルチポイント, 7.5h+合計35h, 急速充電(10分→最大約2h), IPX5が要点です。
対応コーデックは?
AACまで(ハイレゾ系は非対応)。安定性・電池もち・低遅延寄りの設計です。
音の傾向は?
開放型としては低域の下支えがあり、ボーカルの見通しが良いフラット寄り。高域は刺さりにくく長時間でも疲れにくいチューニングです。
低音が物足りないときの設定は?
アプリのEQで60–100Hzを+1〜2dB、必要ならダイナミックEQをON。やり過ぎは音漏れにつながるので小幅に。
ボーカルを近づけたい
1–2kHzを+1dB。明瞭度が自然に上がります。
空間オーディオは音楽でも使うべき?
映像コンテンツに向きます。音楽では定位が甘くなることがあるので“弱”or OFF推奨。
通話品質は?
4マイク+AIノイズ低減で会議・電話はクリア。屋外の風切りは本体をわずかに前傾させると緩和します。
音漏れは大丈夫?
指向性オーディオで漏れを抑制。とはいえ開放型なので、音量50%前後+EQ控えめが現実的です(満員電車などは特に配慮)。
タップ操作が安定しない
アプリでタップ感度を“中”に、反応音ON。割り当てはダブル=再生/停止、トリプル=次曲のように固定して運用すると安定。
「C30S」と迷っている
「C50」=左右フリー・ビルド感・電池・アプリ周りの総合力。
「C30S」=LDAC対応でハイレゾ寄りのソースに有利。
→ 日常最適「C50」, ハイレゾ志向=「C30S」が分かりやすい基準です。
QCY 「Crossky C50」レビューのまとめ

“耳をふさがない快適さ”と“日常で効く実用性(通話・電池・マルチポイント・アプリ調整)”を手頃な価格帯で両立したのがQCY 「Crossky C50」。
10.8mmデュアルマグネット×電子補正で、オープンイヤーの物足りなさを感じにくい方向へ整えつつ、左右フリーや7.5h+35h、急速充電で使い勝手を底上げしています。
一方で 装着検出/ワイヤレス充電/長押し操作/ANC/ハイレゾ系コーデックは割り切り。ここを受け入れられるかが判断ポイントです。
「C50」の要点
強み
- 耳道をふさがず長時間ラク(約5g台+チタン系ワイヤー/L/Rフリー)
- ロングバッテリー+急速充電+マルチポイントで“日常力”が高い
- アプリでEQ・ダイナミックEQ・ゲームモード等、必要な所だけ足せる
弱み(割り切り)
- 装着検出/ワイヤレス充電/長押し未対応
- ハイレゾ系コーデック非対応、ANC(リスニング用)なし
- タップ操作は慣れが必要(感度・反応音で最適化は可能)
総合評価(使い勝手視点)
観点 | 評価 | コメント |
---|---|---|
音質(開放型として) | ○〜◎ | 低域の下支えとボーカル明瞭。過補正は控えめに |
装着快適性 | ◎ | 5g台×チタンワイヤーで“ながら聴き”が楽 |
通話品質 | ○〜◎ | 4マイクAIで会議・外出通話が安定 |
取り回し | ◎ | 左右フリーで装着が速い/ケース質感も実用的 |
バッテリー | ◎ | 7.5h+35h+急速充電で“現実解” |
アプリ完成度 | ◎ | EQ/ダイナミックEQ/ゲームモードが有効 |
操作性 | △〜○ | タップ中心・長押しなし(設定で改善余地) |
静寂・没入 | △ | ANCなし。満員電車は音量管理が前提 |
ハイレゾ志向 | △ | AACまで。安定・持ち・実用性優先 |
向き・不向き
「C50」が“刺さる”人
- 周囲音を取り込みつつ音楽/通話をしたい(通勤・在宅・散歩・軽運動)
- 2台同時待受(マルチポイント)とロングバッテリーを重視
- EQなど小さく調整して使うのが苦にならない
別モデルを検討したい人
- 静寂・没入が最優先 → 密閉型+ANC
- ハイレゾコーデック必須 → LDAC等対応機
- 完全ハンズフリー(装着検出/長押し操作)重視
購入前の最終チェック
- 満員電車で使う → 音量50%前後+ダイナミックEQ OFFでOK?
- 充電スタイル → USB-C運用(ワイヤレス充電なし)で問題ない?
- 操作 → タップ中心/長押しなしでも困らない?
- 音の方向性 → AAC中心・実用重視で満足できる?
- フィット → ワイヤー“少しだけ”開閉の微調整に抵抗なし?
QCY 「Crossky C50」レビューの総括
総括すると、QCY 「Crossky C50」は“耳をふさがない快適さ”と“毎日使いで効く実用性”を手頃な価格に丁寧に落とし込んだ、完成度の高いオープンイヤー機だと感じます。
左右自動判別のイヤーカフ形状は装着・取り外しの手間を減らし、軽量ボディとチタン系ワイヤーの保持力により長時間でも負担が少ないです。
10.8mmデュアルマグネット×電子補正の組み合わせは、開放型で薄くなりがちな低域をしっかり支えつつ、ボーカルの見通しを保った“聴きやすい濃度”へ整えてくれます。
さらに、単体7.5時間+合計35時間のスタミナ、10分で最大2時間の急速充電、マルチポイントや実用的なアプリ機能によって、通勤・在宅会議・軽い運動まで一台で跨げる“日常力”が光ります。
一方で、装着検出やワイヤレス充電、長押し操作、リスニング用ANC、ハイレゾ系コーデックのような“上積み要素”は割り切られています。
とはいえ、EQやダイナミックEQを小さく足し、使いすぎない運用を意識すれば、音漏れや低域の膨らみを抑えた快適なバランスに着地しやすいはずです。
静寂や規格最優先でない限り、「C50」は“耳を解放しつつ仕事も私用も軽快にこなす”という目的に最短距離で応えてくれます。
――日常を軽くしたいなら、QCY 「Crossky C50」でいきましょう。
