Shanling 「MG100」は、中国のオーディオブランドであるShanlingが手掛けたエントリークラスの有線イヤホンです。
これまでShanlingといえば、ハイエンド志向のデジタルオーディオプレーヤーや上位機種のイヤホンで知られてきましたが、「MG100」はそのノウハウを活かしつつ、より手に取りやすい価格で提供されている点が特徴的です。
搭載されているのはシンプルな1基のダイナミックドライバーで、派手さよりも自然な音の再現を重視した設計となっています。
そのため、初めて本格的な有線イヤホンを選ぶユーザーや、リケーブル対応モデルに挑戦したいと考える人にとって魅力的な選択肢になるでしょう。
この記事では、「MG100」のデザインや装着感、音質の傾向に加え、実際に使ってみて感じた快適性やシーン別での印象などを詳しく紹介します。
ただ音質を分析するだけでなく、実際の使用体験を通して「どんな人に合うのか」「どのようなシーンで力を発揮するのか」という観点まで掘り下げていきます。
読者が購入を検討する際に、本記事が参考になるよう、できるだけ実用的で分かりやすい情報をお届けしていきます。

Shanling 「MG100」のデザインとビルドクオリティ

外観デザインと仕上げの印象
Shanling 「MG100」は、エントリークラスとは思えない精巧な仕上げが魅力です。
航空機グレードのアルミ合金を5軸CNCで切削した筐体は、手にした瞬間に金属ならではの高級感を感じさせます。
表面には酸化防止処理が施され、長期使用でも美しい状態を維持しやすいのも安心できるポイントです。
落ち着いたタングステンブラックのカラーはシンプルでありながら存在感があり、日常使いから外出シーンまで違和感なく馴染みます。
さらに片側約5.6gという軽量設計により、金属シェルながら装着時に重さを感じさせません。
- 航空機グレードのアルミ合金を使用
- 5軸CNC加工+酸化防止処理による耐久性
- タングステンブラックの落ち着いた色合い
- 片側約5.6gの軽量ボディ
素材と装着感のチェック
素材の堅牢さと軽量さを兼ね備えた「MG100」は、装着感の良さも大きな魅力です。
耳の形状に合わせた人間工学的デザインが採用され、自然に耳甲介へ収まるため、長時間リスニングしても負担が少なく快適さが続きます。
側面とノズル部分に設けられたベント(通気孔)が鼓膜への圧迫感を軽減し、低音の膨らみを抑えて自然な響きを実現しています。
また、ノズル部分にはフィルター交換機構が備わっており、真鍮製とステンレス製の2種類が同梱。
交換することで音質のキャラクターを変化させられる点は、カスタマイズ性を重視するユーザーにとって大きな魅力です。
ただしノズル径はやや太めで、耳道が細い方はイヤーピースの選択に注意が必要です。
装着感のポイント
- 耳に自然に収まるエルゴノミクス設計
- 側面+ノズルのベントで鼓膜への圧迫を軽減
- フィルター交換により音質を調整可能
- ノズル径が太めなのでイヤピ選びは重要
ケーブル・付属品の特徴
同梱されるケーブルは、古河電工製の高純度単結晶銅を用いた4芯リッツ構造で、柔軟性と耐久性のバランスに優れています。
取り回しが良くタッチノイズも少なめで、日常使用にストレスを感じにくい設計です。
また、プラグはねじ込み式で3.5mmステレオミニと4.4mmバランスの両方に対応しており、幅広いプレイヤーやアンプ環境で使えます。
アクセサリーも充実しており、サイズ違いのシリコンイヤーピース3種類に加え、フォームタイプも1ペア同梱。さらに専用レザーケースやクリーニングクロスまで付属するため、購入直後から最適なリスニング環境を整えられます。
ケーブル・付属品まとめ表
項目 | 特徴 |
---|---|
ケーブル | 古河電工製 単結晶銅 4芯リッツ構造、取り回し良好 |
コネクタ | MMCX着脱式 |
プラグ | ねじ込み式で3.5mm/4.4mm両対応 |
イヤーピース | シリコン3サイズ(S/M/L)、フォーム1ペア |
ケース | 専用レザーケース |
その他 | クリーニングクロス付属 |
Shanling 「MG100」におけるデザインとビルドクオリティの評価は、質感と実用性の高さが際立ちます。
金属削り出しならではの堅牢さと軽さを兼ね備え、装着感や拡張性の工夫も随所に見られます。
エントリーモデルながら所有欲を満たし、かつ日常使用でも快適に扱える仕上がりは、この価格帯を超えた満足感を与えてくれるでしょう。
Shanling 「MG100」の音質レビュー

全体的なサウンド傾向
Shanling 「MG100」は、全体としてニュートラルに近いチューニングが施されており、わずかに温かみを加えたバランスの良さが特徴です。
低音はタイトに引き締まり、中域は見通しがよく、ボーカルや楽器の質感を自然に再現。
高域は刺激を抑えながらも必要十分に伸び、聴き疲れの少ないサウンドを実現しています。
特に好印象なのは、価格帯を超えた「静けさ」と「粒立ちの細かさ」。
楽曲の情報量を整理して提示してくれるため、ポップスからクラシックまで幅広いジャンルに対応できます。
フィルター交換やイヤーピースの選択によって音の表情を変えやすい点も魅力です。
低音・中音・高音のバランス
それぞれの帯域を丁寧に聴き込むと、「MG100」の個性がよりはっきりと見えてきます。
- 低音:
量感は控えめで輪郭重視。キックやベースはタイトに収まり、もたつきを感じさせません。深い低音は少し控えめですが、スピード感のある曲やリズム重視のジャンルと好相性です。 - 中音:
ボーカルは前に出すぎず自然な距離感で定位し、ギターやピアノのアタックも明瞭に描写されます。音の厚みは十分にありつつ、透明感も損なわないバランスが心地よい印象です。 - 高音:
シンバルや弦楽器の倍音は伸びやかで、刺さりを感じさせない滑らかさがあります。減衰はやや速めですが、明瞭さと抜け感を兼ね備えており、長時間聴いても疲れにくい仕上がりです。
フィルターの違いによる音の変化
フィルター | 特徴 |
---|---|
真鍮(スタンダード) | 低域の厚みと密度を増し、ボーカルにふくよかさを加える |
ステンレス(アンビエンス) | 高域の解放感が強まり、音場が広がり透明感が増す |
音場・定位感・解像度の評価
音場は横方向の広がりが十分で、前後方向は自然な距離感を保っています。
楽器の位置関係が整理され、左右の分離も明瞭です。特にボーカルをセンターに据え、ギターやシンセを左右に配置するような楽曲では、立体的で聞き分けやすいバランスが際立ちます。
- 音場:横に広がり、奥行きは自然。過度な誇張はなく落ち着いた空間表現。
- 定位:ボーカルと伴奏が明確に分かれ、混雑しがちな楽曲でも破綻しにくい。
- 解像度:細かな表現も丁寧に描写し、ザラつきの少ないスムーズな質感。
ジャンル別の相性とおすすめセッティング
ジャンル/用途 | 傾向 | 推奨セッティング |
---|---|---|
J-POP / 女性Vo | 伸びやかなボーカルと自然なサ行表現 | アンビエンス+浅め装着 |
ロック / メタル | ギターリフとキックがタイトに響く | スタンダード+硬めイヤピ |
EDM / ヒップホップ | 低音がタイトに締まり、ビート感重視 | スタンダード+深め装着 |
ジャズ / アコースティック | ブラシの粒感や倍音の表現が豊か | アンビエンス+フォーム系 |
クラシック | セクションごとの分離感が明確 | アンビエンス+浅め装着 |
ゲーム / 映画視聴 | セリフの聞き取りやすさと効果音の明瞭さ | デフォルト+シリコンM |
Shanling 「MG100」は、ニュートラル寄りでジャンルを選ばない音作りをベースに、フィルターやイヤーピースで好みに合わせて調整できる柔軟さを備えています。
低音はタイト、中音はクリア、高音は伸びやかで聴きやすく、解像度や分離感もこの価格帯以上。
エントリーモデルでありながら、音質面での完成度は高く、初めての本格イヤホンとしても安心しておすすめできる内容です。
Shanling 「MG100」の使い勝手と機能性

装着感・長時間リスニングでの快適性
Shanling 「MG100」は、金属シェルながら片側約5.6gと非常に軽く、耳の形に沿うようにデザインされているため、長時間のリスニングでも快適さを保ちやすいモデルです。
ノズルの角度やシェルのカーブが自然にフィットし、安定感のある装着を実現しています。
さらに、筐体の側面とノズル部分にベント(通気孔)が設けられており、鼓膜にかかる圧力を逃がして“こもり感”を抑える工夫がなされています。
装着快適性のポイント
- 耳に沿う低重心デザインでズレにくい
- ケーブルにはイヤーフックが付いており、耳掛けの安定感が高い
- ベント構造により、長時間聴いても鼓膜の圧迫感が少ない
- イヤーピースが3系統+フォームタイプ付属で調整幅が広い
遮音性と音漏れの有無
遮音性は「中の上」といった印象で、通勤やカフェといった日常の環境では十分に機能します。
ただし、完全密閉型のような静寂を求める場面では環境音がやや入ることもあります。
一方で音漏れは少なく、通常のリスニング音量であれば公共の場でも安心して使用できます。
ケーブルの取り回しが軽快で柔らかいため、タッチノイズ(服に擦れるノイズ)も抑えられているのは好印象です。
遮音性・運用の目安
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
遮音性 | 中の上 | 通勤・学習環境で実用的。静寂空間にはやや不足 |
音漏れ | 小 | 通常音量なら周囲にほぼ気づかれない |
タッチノイズ | 低 | 柔らかいケーブルで擦れ音が少ない |
安定性 | 高 | 耳掛け式+軽量設計でズレにくい |
シーン別おすすめ装着
- 通勤・通学:フォームイヤーピースで遮音を強化
- オフィス:シリコンMサイズ+浅め装着で会話も拾いやすく
- 自宅リスニング:アンビエンスフィルター+浅め装着で空間表現を重視
他機種との比較(同価格帯との違い)
同価格帯のIEMは「ドンシャリ寄りの音質」「樹脂シェル採用」「付属品は最小限」といったモデルが多い中、「MG100」は質感や拡張性で頭一つ抜けています。
MG100の優れた点
- 金属削り出しながら軽量で装着感が快適
- フィルター交換・リケーブル・交換式プラグによる高い拡張性
- イヤーピースやケースなど付属品が充実し、購入直後から安心して使える
注意点(人によっては競合優位)
- 遮音性を最重視する人には、ベント構造がマイナスになる場合あり
- 重低音重視のモデルと比べると迫力は控えめ
- 金属シェル特有の“ひんやり感”が苦手な人もいる
比較表:「MG100」と同価格帯モデルの違い
項目 | MG100 | 一般的な同価格帯 |
---|---|---|
音質傾向 | ニュートラル寄り、調整幅あり | 低音寄りドンシャリが多い |
ビルド | アルミ削り出し、軽量 | 樹脂主体、質感に差 |
拡張性 | フィルター交換+MMCX+3.5/4.4両対応 | 固定プラグ、リケーブル非対応も多い |
付属品 | イヤーピース3種+フォーム+ケース+クロス | イヤーピース最小限、ケースなしが多い |
Shanling 「MG100」は、軽快な装着感と適度な遮音性、そして豊富な拡張性により「使い勝手の良さ」で抜きん出ています。
環境や用途に合わせてフィルター・イヤーピース・プラグを切り替えることで、幅広いシーンに対応可能。
エントリークラスでありながら、所有後の満足度や“長く付き合える安心感”があるのが大きな魅力です。
Shanling 「MG100」を使用した私の体験談・レビュー

Shanling 「MG100」を実際に使い始めてまず感じたのは、金属シェルなのに驚くほど軽く、耳に収めて数分で存在感を忘れるほど自然な装着感でした。
最初の数日はフィルターやイヤーピースを入れ替えながら試し、通勤・デスクワーク・夜のリスニングなど、日常のさまざまなシーンで使い比べを行いました。
使用して良かった点
実際の使用を通じて、以下の点が特に好印象でした。
- 長時間の快適さ:2〜3時間聴き続けても耳の奥が疲れにくい
- 小音量でも安心:音量を絞ってもボーカルや楽器の輪郭が崩れない
- 装着調整で変化が出やすい:深めると低音が増し、浅めると高域の抜けが向上
- ケーブルの扱いやすさ:耳掛けが自然でタッチノイズが少なく、外出でもストレスがない
気になった点
もちろん、使ってみて気になる部分もありました。
- ノズル径が太めで、耳道が細い人はイヤーピース選びに工夫が必要
- フィルターが小さいため、取り外しや持ち運び時に紛失に注意
- 冬場は装着直後が冷たいという金属シェル特有のクセ
シーン別の使用感
場面ごとにセッティングを変えると、印象も大きく変化しました。
シーン | セッティング例 | 使用感 |
---|---|---|
通勤電車 | スタンダードフィルター+シリコンM | 低音がしっかり締まり、ボーカルも埋もれにくい |
デスクワーク | デフォルト設定+浅め装着 | 小音量でも定位が安定し、作業に集中しやすい |
夜のリスニング | アンビエンスフィルター+フォーム | 空間表現が広がり、リラックスして聴ける |
ゲーム・映画 | デフォルト+シリコンM | セリフがクリアで効果音もにじまず自然 |
音源ごとの印象
- 女性ボーカル(J-POP):刺さりを抑えながら透明感をキープ。アンビエンスにすると抜けがより良好。
- ロック/メタル:ギターの分離が良く、ドラムの迫力もタイト。スタンダードで重心が安定。
- EDM/ヒップホップ:低音の量感は控えめだが、アタック感が強調されノリやすい。
- クラシック/ジャズ:楽器の重なりが整理され、奥行きやホール感が自然に広がる。
自分なりの最適セッティング
最終的に落ち着いたのは以下の組み合わせでした。
- フィルター:普段はスタンダード、声もの中心の日はアンビエンス
- イヤーピース:外出時はシリコンM、夜の静かな時間はフォーム
- 装着深度:外出はやや深め、自宅は浅めで開放感を重視
- 接続環境:スマホ用ドングルで十分楽しめるが、DAPのバランス出力では低域の安定感と音場の広さが一段上がる
運用の工夫
- イヤーピースは径や素材違いを複数用意すると、最短で“自分のベスト”にたどり着ける
- フィルターや交換プラグは小さなケースにまとめて持ち歩くと安心
- 冬場は装着前にポケットで温めておくと“ひやり感”を和らげられる
体験談のまとめ
実際に使ってみて感じたのは、Shanling 「MG100」は「素直な音作りのベースに、自分好みのチューニングを積み上げられる楽しさ」があるということです。
通勤からリラックスタイムまで幅広く対応でき、環境やジャンルに応じて“ちょっと調整するだけで表情が変わる”のは所有していて飽きません。
エントリー機でありながら、長く付き合える柔軟さを持った一台という印象でした。
Shanling 「MG100」に関するQ&A

Shanling 「MG100」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「MG100」はどんな音の傾向ですか?
ニュートラル寄りでわずかに温かみを加えたバランス型です。低音はタイトで膨らみすぎず、中音はクリアにボーカルを再現、高音は刺さりを抑えつつ伸びやかに鳴ります。ジャンルを選ばず幅広く楽しめます。
長時間のリスニングでも疲れにくいですか?
片側約5.6gと軽量で、耳に沿う低重心設計のため快適です。ベント構造が鼓膜への圧迫を軽減し、2〜3時間のリスニングでも疲れにくい設計になっています。
遮音性や音漏れはどうですか?
遮音性は「中の上」程度で、通勤・カフェなど日常使用には十分です。完全密閉型ほどの静寂は得られませんが、通常音量なら音漏れも少なく周囲に迷惑をかけにくいです。
フィルター交換でどのくらい音が変わりますか?
真鍮製フィルターは低域に厚みを持たせ、ボーカルにふくよかさを加えます。ステンレス製フィルターは高域が伸び、音場が広がり透明感が増します。ジャンルや気分で切り替える楽しみがあります。
ケーブルは交換できますか?
はい。MMCX端子を採用しており、市販のリケーブルと互換性があります。標準ケーブルでも十分ですが、好みに合わせてバランス接続用や銀メッキ線などにアップグレード可能です。
スマホ直挿しでも使えますか?
感度が高めで駆動力もそれほど要求しないため、スマホ+ドングルDACでも十分鳴らせます。ただし、DAPや4.4mmバランス接続環境では低域の安定感や音場の広がりが一段と向上します。
競合機種と比べた強みは何ですか?
金属削り出しの質感、軽量ボディ、交換式プラグやフィルターなどの拡張性が挙げられます。同価格帯の樹脂シェル中心のモデルに比べ、質感や調整幅で優位に立っています。
「MG100」の重量感は使っていて気になりますか?
金属筐体ですが片側約5.6gと非常に軽く、装着していて重さを感じにくいです。耳掛け式のケーブルと相まって、動いてもズレにくい点が好印象です。
ノズルが太めと聞きましたが、装着に困ることはありますか?
耳道が細い方は一部のイヤーピースで装着が難しい場合があります。ただし付属のイヤーピースが複数あり、フォームタイプを使うことで解決できるケースが多いです。
ケーブルの取り回しは良いですか?
柔らかい被覆で取り回しがしやすく、タッチノイズも少なめです。イヤーフック部分はあらかじめ成形されており、安定感も高いです。
「MG100」はゲーム用途にも向いていますか?
はい。定位感が良く、ボーカルや台詞が聞き取りやすいためゲームや映画にも適しています。音の分離も良いため、FPSなどのプレイでも効果音の位置が把握しやすいです。
音量を上げたときに歪みやすいですか?
感度が適度に高く、スマホやポータブルDACでも十分駆動できます。音量を上げても破綻しにくく、解像度を保ったまま安定して鳴らせます。
長く使える耐久性はありますか?
アルミ合金シェルは傷や変形に強く、ケーブルもMMCXで交換可能。消耗品部分を取り替えることで長期間使用できます。
冬場の使用は快適ですか?
金属シェル特有の“ひんやり感”はありますが、装着して体温になじむとすぐに気にならなくなります。ポケットで温めてから装着すると快適です。
「MG100」は初心者でも扱いやすいですか?
はい。標準のままでもバランスよく聴けますし、慣れてきたらフィルターやイヤーピースの交換で音を調整できるため、初心者から上級者まで楽しめます。
音場の広さはどのくらいですか?
横方向の広がりが特に得意で、ステレオ感がはっきりします。奥行きは自然で誇張が少なく、落ち着いた空間表現です。
Shanling 「MG100」のレビューまとめ

Shanling 「MG100」は、エントリー価格帯でありながら金属削り出しの質感と軽快な装着感、そしてニュートラル寄りで聴きやすいサウンドを兼ね備えた完成度の高いイヤホンです。
フィルター交換やリケーブル、さらに交換式プラグといった拡張性によって、自分好みに調整できる“余白”が用意されており、最初の一本としてもサブ機としても長く付き合える魅力があります。
メリットと注意点
良かった点
- 金属削り出しの堅牢な作りながら片側約5.6gと軽量
- ニュートラル寄りでジャンルを選ばない音質
- フィルター・イヤーピース・装着深度で音のキャラクターを調整できる
- 3.5mm/4.4mm交換式プラグや豊富な付属品で汎用性が高い
気になった点
- 重低音を最初から強く求める人にはやや控えめ
- ノズル径がやや太めでイヤーピース選びが重要
- ベント構造のため、完全密閉型ほどの遮音性は得られない
他機種との比較での立ち位置
同価格帯イヤホンと比べると、「MG100」は質感と拡張性で優位に立ちます。
項目 | Shanling MG100 | 一般的な同価格帯モデル |
---|---|---|
音の傾向 | ニュートラル+温かみ | 低域強めのドンシャリが多い |
ビルド | 金属削り出し(軽量) | 樹脂主体が多い |
拡張性 | フィルター交換/MMCX/3.5&4.4両対応 | 固定プラグや拡張性の少ないものが多い |
付属品 | イヤピ複数・フォーム・ケース・クロス付属 | 最小限の付属品に留まることが多い |
おすすめできるユーザー像
「MG100」は、次のような方に特にフィットします。
- 初めて本格的な有線イヤホンを試したい人
- シーンに合わせて音を調整するのが好きな人
- 通勤・在宅ワーク・夜のリラックスタイムまで1本で使いたい人
- 所有欲を満たす質感と日常的な快適さを両立させたい人
逆に、迫力重視の重低音や強力な遮音性を最優先する場合は、別のモデルを検討してもよいでしょう。
初期設定のおすすめ
使い始めの段階で試すと効果的だったセッティングをまとめます。
目的 | フィルター | 装着方法/イヤピ |
---|---|---|
汎用 | スタンダード(真鍮) | シリコンM/中深度 |
ボーカル重視 | アンビエンス(ステンレス) | 浅め+硬めシリコン |
低域強調 | スタンダード | 深め装着+フォーム系 |
リラックス聴き | アンビエンス | 浅め装着+フォーム |
Shanling 「MG100」のレビュー総括
Shanling 「MG100」は、エントリークラスでありながら質感・装着感・音質の三拍子が整った完成度の高いイヤホンでした。
金属削り出しによる堅牢で美しいデザインと片側約5.6gの軽さは、見た目の高級感と日常使いの快適さを両立させています。
サウンドはニュートラル寄りで聴きやすく、フィルター交換やイヤーピースの選択によって自分好みに調整できる柔軟さを備えており、幅広い音楽ジャンルやシーンに対応できる点も魅力です。
さらに、交換式プラグや豊富な付属品など、使い始めから快適に運用できる配慮も光ります。
極端な低音や強力な遮音性を求める人には別の選択肢もありますが、総合的には価格以上の満足度を得られるモデルといえるでしょう。
最初の一歩に優しく、そして長く付き合える頼もしい相棒として、Shanling 「MG100」は間違いなくおすすめできる一台です。
