骨伝導イヤホン界の絶対王者、Shokz(ショックス)からついに登場した最新フラッグシップモデル「OpenRun Pro 2」。
前作「OpenRun Pro」が高い評価を得ていただけに、「これ以上の進化が本当にあるのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
昨今、BoseやHuaweiなどが「空気伝導式」のオープンイヤーイヤホンを相次いで投入し、市場はまさに群雄割拠の「耳を塞がないイヤホン戦国時代」です。
そんな中、骨伝導のパイオニアであるShokzが満を持して送り出したこの製品は、単なるマイナーアップデートではありませんでした。
結論から申し上げます。
OpenRun Pro 2は、骨伝導イヤホンの「完成形」であり、同時に新しいオーディオ体験の入り口です。
これまでの骨伝導イヤホンが抱えていた「低音の弱さ」「振動の不快感」「専用充電ケーブルの煩わしさ」。
これら全てを過去のものにした本作は、もはやスポーツ用という枠に収まりきらないポテンシャルを秘めています。
この記事では、オーディオガジェットに精通した筆者が、OpenRun Pro 2を徹底的に使い込み、その音質、装着感、アプリ機能、競合比較までを余すことなくレビューします。
なぜこのイヤホンが「2025年のベストバイ」になり得るのか、その理由を紐解いていきます。
- Shokz 「OpenRun Pro 2」の3つの進化と特徴
- Shokz 「OpenRun Pro 2」の実機レビュー:音質・装着感・マイク性能を徹底検証
- Shokz 「OpenRun Pro 2」の徹底比較:旧モデルやライバル機との違い
- Shokz 「OpenRun Pro 2」を使用した私の体験談・レビュー
- Shokz 「OpenRun Pro 2」に関するQ&A
- 雨の中のランニングやシャワーで使用しても大丈夫ですか?
- 従来の骨伝導イヤホンのように、低音でこめかみがくすぐったくなりませんか?
- 音漏れはどの程度ありますか?電車でも使えますか?
- 「標準サイズ」と「Miniサイズ」どちらを選べば良いですか?
- マイク性能はWeb会議(Zoom/Teams)で実用的ですか?
- マルチポイント接続の切り替えはスムーズですか?
- 充電ポートのカバーは耐久性がありますか?
- 前作(OpenRun Pro)から買い替える価値はありますか?
- メガネやサングラス、自転車のヘルメットと干渉しませんか?
- 動画視聴やゲームでの「音ズレ(遅延)」は気になりますか?
- 対応コーデックは何ですか?LDACやaptXには対応していますか?
- 冬場、手袋をしたままでも操作できますか?
- 「OpenSwim Pro」と迷っています。どちらが良いですか?
- Shokz 「OpenRun Pro 2」レビューのまとめ
Shokz 「OpenRun Pro 2」の3つの進化と特徴

OpenRun Pro 2が前作から大きく進化したポイントは、技術的なブレイクスルーを含む以下の3点です。
これらは、ユーザーが長年求めていた改善点への完璧な回答と言えるでしょう。
【音質革命】デュアルドライバーで低音と高音を完全分離
最大の特徴にして最大の進化点は、Shokz史上初となる「DualPitch™(デュアルピッチ)」テクノロジーの採用です。
これは、役割の異なる2つのドライバー(スピーカー)を搭載するハイブリッド構成のことです。
- 骨伝導ドライバー(高音・中音域担当):
従来の技術をさらに磨き上げた新型ユニット。
超薄型の全金属製振動板を採用しており、ボーカルの明瞭度や楽器の繊細な響きを、骨を通じて直接聴覚神経へ届けます。 - 空気伝導ドライバー(低音域担当):
今回新たに追加された、低音再生に特化した18mm×11mmの大型ダイナミックドライバーです。
気導音(空気の振動)を利用することで、骨伝導では物理的に再生が難しかった「深く沈み込むような重低音」を実現しました。
これまでの骨伝導イヤホンは、1つのドライバーで全帯域をカバーしようとしていたため、無理に低音を出そうとすると激しい振動が発生し、結果として高音が埋もれてしまう(マスキング現象)という課題がありました。
しかし、OpenRun Pro 2では「高音は骨で、低音は空気で」と役割を完全に分担。
クロスオーバー(音域の分割)処理もデジタルで行われており、お互いの帯域が干渉せず、まるで高級スピーカーで聴いているかのような分離感と立体感のあるサウンドを実現しています。
【装着感】16%の側圧軽減で長時間でも痛くない
長時間イヤホンを装着するユーザーにとって、「側圧(こめかみへの締め付け)」は深刻な問題です。
OpenRun Pro 2は、流体力学的な設計見直しと膨大なユーザーデータの解析により、前作と比較して側圧を約16%軽減することに成功しました。
素材には、航空宇宙産業でも使われる形状記憶特性を持つニッケルチタン合金を採用。非常に柔軟で、頭のサイズを選ばずに優しくフィットします。
また、肌に触れるシリコン素材も「デュアルシリコン構造」へとアップデートされ、摩擦が少なくサラッとした肌触りを実現しています。
これにより、汗をかいた際のベタつきも大幅に抑制されています。
「しっかりホールドされるのに、締め付けられている感覚がない」。
この絶妙なバランスこそが、一日中着けっぱなしにできる快適さの秘密です。
【利便性】待望のUSB-Cポート搭載と急速充電
多くの既存Shokzユーザーが歓喜したのが、充電ポートのUSB-C化です。
前作までは、高い防水性能を確保するために独自のマグネット式充電ケーブルが必要でした。
これは「防水性」という観点では優秀でしたが、「専用ケーブルを持ち運ぶ必要がある」「ケーブルを紛失すると充電できない」という大きなデメリットがありました。
OpenRun Pro 2では、防水構造を維持したまま、汎用性の高いUSB-Cポートを搭載しました。
| 特徴 | 前作 (OpenRun Pro) | 今作 (OpenRun Pro 2) | メリット |
| 充電端子 | 独自マグネット端子 | USB Type-C | 専用ケーブル不要、スマホと充電器を共有可能 |
| 充電位置 | 本体側面(露出) | 本体側面(防水カバー付) | 防塵・防水性が高く、汎用性も確保 |
| 急速充電 | 5分で1.5時間再生 | 5分で2.5時間再生 | 急なバッテリー切れでも安心 |
特に急速充電の進化は目覚ましく、「出かける直前にバッテリー切れに気づいても、靴紐を結んでいる間にランニング1回分の充電が完了する」レベルです。
旅行や出張時の荷物を減らすことができる点は、実用面で非常に大きな進化です。
Shokz 「OpenRun Pro 2」の実機レビュー:音質・装着感・マイク性能を徹底検証

ここからは、実際にOpenRun Pro 2を使用して感じた「リアルな実力」を深掘りしていきます。
音楽ジャンルごとの聴こえ方や、アプリの使い勝手まで詳細にレポートします。
音楽鑑賞に耐えうる「没入感」と「抜け感」の両立
初めて聴いた瞬間、思わず「おぉ…」と声が漏れました。
これまでの骨伝導イヤホンの常識を覆す音の厚みです。
【ジャンル別・音質チェック】
- ポップス / ボーカル曲:
骨伝導の得意分野である中高域のクリアさが際立ちます。
ボーカルが耳元で歌っているような近さがあり、息遣いまで感じ取れます。
バックの楽器音との分離も良好です。 - ロック / バンドサウンド:
ここが一番の驚きでした。
バスドラムのキック音やベースラインが、輪郭を持ってしっかりと聴こえます。
従来の「ポコポコ」という軽い音ではなく、「ズンッ」と響く芯のある低音です。
ギターのリフも埋もれず、エネルギッシュに再生されます。 - EDM / ヒップホップ:
空気伝導ドライバーの効果が最も発揮されるジャンルです。
サブベース(重低音)の量感もオープンイヤー型としては十分合格点。
ただし、カナル型(耳栓型)のような頭蓋骨を揺らすほどの重低音ではありませんが、リズムに乗るには十分な迫力があります。 - クラシック / ジャズ:
高音の伸びが美しく、ピアノやバイオリンの音が煌びやかに響きます。
コンサートホールのような広がり(音場感)もあり、リラックスして聴くのに適しています。
【特筆すべき「振動のなさ」】
もう一つの革命は、音量を上げても不快な振動がほとんどないことです。
低音を空気伝導ドライバーが担当するため、骨伝導ユニットが無駄に震える必要がなくなったのです。
従来のモデルで感じた「ベース音が鳴るたびにこめかみがくすぐったくなる」という骨伝導最大の弱点は、完全に克服されたと言って良いでしょう。
専用アプリ「Shokz App」で音を自分好みに
OpenRun Pro 2の真価を引き出すには、専用アプリ「Shokz App」の活用が不可欠です。
前作よりもカスタマイズ性が大幅に向上しています。
- 4つのプリセットイコライザー(EQ):
- スタンダードモード: 音楽鑑賞用にバランスの取れた設定。
- ボーカルモード: 中音域を強調。オーディオブックやラジオ、Web会議に最適。
- 低音ブースト: 低音をさらに強調。EDMやアクション映画の視聴に。
- 高音ブースト: より繊細な音を聴きたい時に。
- カスタムEQ機能:
5つの周波数帯域を自由に調整し、自分だけの音質を作成して保存できます。
「もう少し低音を抑えたい」「高音をもっとキラキラさせたい」といった細かい要望に応えてくれます。 - マルチポイント管理:
現在接続されている2台のデバイスをアプリ上で確認・切り替えが可能。
どちらの接続を優先するかといった設定も視覚的に行えます。
ランニング・スポーツ時の安定性と防塵防水性能
実際にキロ5分ペースでのランニング、および軽いトレイルランニングで使用してみましたが、安定感は抜群です。
- ズレないフィット感:
バッテリー配置のバランスが最適化(重量配分が改善)されており、走行時の上下動や、階段の昇り降りなどの衝撃でもイヤホンが暴れません。
汗をかいてもシリコン素材が滑り止めとなり、位置修正をする必要が一度もありませんでした。 - IP55の安心感:
防水防塵性能はIP55。
完全防水(IP67など)ではありませんが、雨の中のランニングや、大量の汗をかくワークアウトには十分対応できます。
使用後は水でサッと洗ってタオルで拭くだけで清潔さを保てるのも、スポーツギアとして優秀です。
※ただし、USB-Cポートのカバーはしっかり閉まっていることを確認してから洗いましょう。
テレワーク・Web会議での通話品質とノイズキャンセリング
OpenRun Pro 2は、ビジネスツールとしても「使える」レベルを超え、「武器になる」レベルです。
- デュアルノイズキャンセリングマイク:
2つのマイクとAIアルゴリズムが連携し、周囲の雑音(エアコンの音、キーボードの打鍵音、カフェの喧騒)を効果的にカットします。
実際に騒がしいカフェで使用してWeb会議を行いましたが、通話相手からは「非常にクリアに聞こえる。周りの雑音は全く気にならない」との評価を得ました。
風切り音低減性能も高く、屋外での通話も快適です。 - 自分の声が自然に聞こえる(側音効果):
耳を塞がないため、自分が話す声が骨伝導と気導音の両方で自然に聞こえます。
密閉型イヤホンのように「自分の声がこもって話しにくい」「声量が大きくなりすぎる」というストレスがなく、長時間のミーティングでも疲労感が段違いに少ないです。
Shokz 「OpenRun Pro 2」の徹底比較:旧モデルやライバル機との違い

購入を迷っている方のために、前作や競合となる他社製品との比較を詳細にまとめました。
比較:OpenRun Pro (初代) vs OpenRun Pro 2
前作ユーザーが買い替えるべきかどうか、スペックと体感差で比較します。
| 項目 | OpenRun Pro (初代) | OpenRun Pro 2 (最新) | 進化のポイント |
| ドライバー | 骨伝導のみ (TurboPitch) | 骨伝導 + 空気伝導 (DualPitch) | 音の厚みと解像度が劇的に向上 |
| Bluetooth | 5.1 | 5.3 | 接続安定性が向上、低遅延 |
| 連続再生 | 最大10時間 | 最大12時間 | 2時間延長。1日中使えるスタミナ |
| 充電端子 | 独自マグネット | USB Type-C | 汎用性が圧倒的に向上 |
| 重量 | 約29g | 約30.3g | わずかに増加したが体感差はなし |
| 風切り音対策 | 標準的 | 強化済み | マイク位置の最適化でよりクリアに |
結論:
音質へのこだわり、USB-Cへの渇望があるなら、間違いなく買い替え推奨です。
特に低音の表現力と振動のなさは「別物」と言って差し支えありません。
比較:他社オープンイヤー(Bose / Huawei)との違い
市場で競合する「空気伝導式」のハイエンド機との比較です。
- Shokz OpenRun Pro 2(ネックバンド型・ハイブリッド):
- 優位点: 圧倒的なホールド力(絶対に落ちない)、ハードなスポーツ対応、物理ボタンの操作性(手袋をしていても操作可能)、バッテリー持ち。
- 弱点: 寝転がるとバンドが当たる、ロングヘアと干渉する場合がある。
- Bose Ultra Open Earbuds(イヤーカフ型・空気伝導):
- 優位点: ファッション性が高い、アクセサリー感覚、寝転がれる。
- 弱点: スポーツ時の安定性はShokzに劣る、価格が高い(約4万円)、ケースの持ち運びが必要。
- Huawei FreeClip(イヤーカフ型・空気伝導):
- 優位点: 装着感が非常に軽い、見た目がユニーク。
- 弱点: 音質の迫力(特に低音)はShokzのデュアルドライバーに軍配が上がる。
結論:
「スポーツをするか」「安定性を重視するか」ならShokz一択。
「ファッション性」や「寝ながら使用」を重視するなら他社製品、という住み分けになります。
サイズの選び方:標準サイズ vs Miniサイズ
OpenRun Pro 2には、バンドの長さが異なる2つのサイズが用意されています。
ドライバー性能やバッテリーなどは全く同じです。
- 標準サイズ: 一般的な成人男性向け。
- Miniサイズ: 小柄な方、女性、またはタイトなフィット感を好む男性向け。バンド部分が標準より約21mm短くなっています。
【選び方の目安】
左右の耳の後ろをメジャーで測り、その長さが23.5cm以下であればMiniサイズ、それ以上であれば標準サイズが推奨されています。
個人的な推奨としては、パーカーのフードや襟の高い服をよく着る方、あるいは背もたれのある椅子やシートによく座る方は、Miniサイズの方がバンドが後頭部で余りにくく、干渉しにくいので快適な場合があります。
Shokz 「OpenRun Pro 2」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、私が実際にOpenRun Pro 2を日常生活に導入して感じた変化を、具体的なシーンを交えてお話しします。
朝のランニングが「孤独な修行」から「エンタメ」へ
これまでのランニング中は、車の音が聞こえないのが怖くて片耳だけイヤホンを外したり、音量を極限まで下げたりしていました。
しかし、OpenRun Pro 2に変えてからは世界が変わりました。
周囲の環境音(車の接近音や鳥のさえずり)はしっかり聞こえるのに、BGMとして好きな音楽が高音質で流れている。
この「現実世界にサウンドトラックがついたような感覚」は、一度味わうと病みつきになります。
特に、デュアルドライバーによるビートの効いた低音は、足運びのリズムを整えるのに最適です。
息が上がるような坂道でも、力強いベースラインが背中を押してくれるようで、走る距離が自然と伸びました。
また、物理ボタンが大きく押しやすいため、走りながら手元を見ずに「曲送り」や「音量調整」ができるのも、タッチセンサー式のイヤホンにはない強みです。
8時間のデスクワークでも「耳ストレス」がゼロだった
在宅勤務中、朝9時から夕方17時までほぼ着けっぱなしで過ごした日がありました。
驚いたのは、夕方になっても「耳が痛くない」「耳の中が蒸れない」こと。
カナル型イヤホン特有の耳穴への圧迫感や痒み、湿気による不快感が皆無です。
PCとスマホに同時に接続できる「マルチポイント機能」も秀逸です。
PCでBGMを流しながら作業し、スマホに着信があれば自動で切り替わって通話開始。
通話が終わればまたPCの音楽に戻る。このシームレスな体験は、一度味わうと手放せません。
メガネ・マスク・ヘルメットとの干渉検証
「耳に掛ける」タイプなので、他のアクセサリーとの干渉が気になる方もいるでしょう。
実際に検証しました。
- メガネ:
筆者は太めのフレームのメガネを常用していますが、全く問題ありません。
Shokzのフック部分は非常に細く設計されており、メガネのツルと重なっても痛みが出にくい形状になっています。
「メガネをかけてからイヤホン」「イヤホンをしてからメガネ」どちらの順序でも快適でした。 - マスク:
紐が干渉することはありますが、装着自体は可能です。
ただし、マスクを外す時にイヤホンが引っかかって落ちそうになることがあるので、その点だけ注意が必要です。 - 自転車用ヘルメット:
ヘルメットのストラップ構造によりますが、一般的なモデルであれば干渉せずに装着可能です。
耳を塞がないため、サイクリング中の周囲確認も問題なく行えます(※地域の条例に従って使用してください)。
家事・育児中に「家族の声」を聞き逃さない安心感
週末、キッチンで料理をしながらポッドキャストを聴くのが日課ですが、以前は家族からの呼びかけを無視してしまい、気まずい思いをすることがありました。
OpenRun Pro 2なら、換気扇の音や包丁の音に混じって、リビングからの声や玄関のチャイム音が自然に耳に入ってきます。
「自分だけの世界」に閉じこもらず、家族と同じ空間を共有しながら音声コンテンツを楽しめる。
これは家庭円満のための重要なガジェットだと感じました。
車や新幹線での移動時における意外な快適性
出張時の新幹線移動でも使用しました。
ここでのポイントは、「アナウンスを聞き逃さない」こと。
車掌さんの検札や、到着駅のアナウンスを自然に耳で拾えるため、乗り過ごしの不安がありません。
カナル型イヤホンの「外音取り込みモード」よりも遥かに自然で、機械的なノイズもありません。
ただし、ネックバンド型特有の注意点として、ヘッドレスト(座席の枕)に深く頭を預けるとバンドが干渉し、イヤホンがずれることがあります。
私は少し浅めに座るか、首用のトラベルピローをうまく使うことで回避しましたが、長時間の移動で完全にリラックスして寝たい場合は、少し工夫が必要かもしれません。
正直気になった点と具体的な対策(音漏れ・振動)
素晴らしい製品ですが、完璧ではありません。
気になった点も正直に書きます。
- 音漏れについて:
オープンイヤー型という構造上、大音量にすれば音漏れはします。
Shokz独自の「DirectPitch™(逆位相の音波で音漏れを消す技術)」によりかなり低減されていますが、ゼロではありません。
静かなエレベーターの中や図書館では、音量を50%以下に下げる配慮が必要です。
ただ、隣に人がいても普通の音量なら「何か鳴ってるかな?」程度で、歌詞まで聞き取られることは稀です。 - 充電ポートのカバー:
USB-Cポートには防水のためのゴム製カバーが付いています。
これが小さく、開閉時に少し手間取る感覚がありました。
また、長期使用でちぎれてしまわないか少し心配です。
充電時は丁寧に扱い、カバーをしっかり閉める癖をつける必要があります。 - 寝ながらの使用は不向き:
構造上、仰向けに寝るとバンドが枕に当たります。
寝ホン(寝ながら使うイヤホン)としての利用をメインに考えているなら、左右独立型の「OpenFit」シリーズの方が適しています。
体験談の総括
OpenRun Pro 2を使用して最も強く感じたのは、「イヤホンを『着ける・外す』という動作が生活から消えた」ということです。
朝起きて装着すれば、そのままランニングへ行き、シャワー後にまた装着して仕事、家事、休憩…。
一日中「着けっぱなし」が許容できる快適さが、生活のシームレス化を加速させました。
これは単に「音楽を聴く道具」ではなく、生活のBGMをコントロールする「体の一部」になった感覚です。
Shokz 「OpenRun Pro 2」に関するQ&A

Shokz 「OpenRun Pro 2」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
雨の中のランニングやシャワーで使用しても大丈夫ですか?
雨や汗は問題ありませんが、シャワーや水泳は推奨されません。 OpenRun Pro 2の防水防塵等級はIP55です。これは「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)」レベルであり、ランニング中の急な雨や大量の汗には十分耐えられます。 ただし、水没に耐えうる(IP67以上)仕様ではないため、お風呂、シャワー、プールでの使用は故障の原因となります。水泳用には完全防水モデルの「OpenSwim Pro」がおすすめです。
従来の骨伝導イヤホンのように、低音でこめかみがくすぐったくなりませんか?
振動は劇的に軽減されており、ほとんど気になりません。 前作までは骨伝導ドライバーで低音を出そうとしていたため、音量を上げると激しい振動が発生していました。しかし、OpenRun Pro 2は低音域を「空気伝導ドライバー」が担当するデュアル構造のため、骨伝導部分が無駄に震える必要がなくなりました。最大音量近くにしない限り、振動による不快感はほぼゼロと言えます。
音漏れはどの程度ありますか?電車でも使えますか?
静かな場所では配慮が必要ですが、生活音のある場所なら問題ありません。 オープンイヤー型である以上、物理的に音は漏れます。しかし、Shokz独自の「DirectPitch™テクノロジー」により、音波を打ち消して音漏れを最小限に抑えています。 目安:
- 屋外・ジム・カフェ: 周囲の騒音があるため、通常の音量なら音漏れは気付かれません。
- 満員電車・図書館・静かなエレベーター: 音量を50%以上にすると隣の人にシャカシャカ音が聞こえる可能性があります。このような場所では音量を下げるか、使用を控えるのがマナーです。
「標準サイズ」と「Miniサイズ」どちらを選べば良いですか?
耳の後ろの左右を結んだ長さ「23.5cm」が基準です。 メジャーで左右の耳の後ろ(一番出っ張っている部分)を後頭部経由で測ってください。
- 23.5cmより長い: 標準サイズ
- 23.5cm以下: Miniサイズ
一般的に、成人男性は「標準サイズ」、女性や小柄な方、頭の小さい男性は「Miniサイズ」がフィットしやすい傾向にあります。また、パーカーのフードや、椅子のヘッドレストへの干渉を極力減らしたい場合、あえてMiniサイズを選んでタイトに装着する男性ユーザーもいます。
マイク性能はWeb会議(Zoom/Teams)で実用的ですか?
非常に実用的で、ビジネスヘッドセットとして十分使えます。 デュアルノイズキャンセリングマイクとAIアルゴリズムにより、周囲のノイズをカットして自分の声をクリアに届けます。 また、カナル型イヤホンのように自分の声がこもって聞こえる現象(閉塞感)がないため、自分が話している声のトーンを自然に調整でき、長時間の会議でも疲れにくいのが大きなメリットです。
マルチポイント接続の切り替えはスムーズですか?
非常にスムーズで、シームレスに切り替わります。 例えば、PCでYouTubeを見ている最中にスマホに着信があると、自動的にスマホの音声に切り替わります。通話が終われば、またPCの音声に戻ります。手動でBluetooth設定を開き直す必要がないため、仕事用PCと私用スマホの2台持ちユーザーには必須の機能です。
充電ポートのカバーは耐久性がありますか?
丁寧な扱いは必要ですが、通常使用なら問題ありません。 USB-Cポートには防塵防水のためのゴム製カバーが付いています。ちぎれにくい構造にはなっていますが、充電のたびに開閉するため、無理に引っ張らないよう注意が必要です。また、カバーがしっかり閉まっていないと防水性能が発揮されないため、使用前には必ず指で押し込んで確認する癖をつけましょう。
前作(OpenRun Pro)から買い替える価値はありますか?
「音質(特に低音)」と「USB-C充電」を重視するなら間違いなく買いです。 前作も完成度は高いですが、OpenRun Pro 2は音の厚みが別次元です。また、専用のマグネット充電ケーブルを持ち歩くストレスから解放されるメリットは非常に大きいです。 逆に、「ポッドキャストなどの音声コンテンツしか聴かない」「専用ケーブルでも不便を感じていない」という場合は、無理に買い替える必要はないかもしれません。
メガネやサングラス、自転車のヘルメットと干渉しませんか?
ほとんどの場合、問題なく併用可能です。 OpenRun Pro 2のフック部分は非常に細く設計されており、メガネのツル(テンプル)と重なっても痛みが出にくい形状になっています。 コツ: 基本的に「メガネをかけた上からイヤホンを装着する」のがスムーズですが、フィット感が気になる場合は順番を逆にしてみてください。自転車用ヘルメットのストラップとも干渉しにくい設計ですが、ストラップの形状によってはイヤホンの上を通すか下を通すか調整が必要です。
動画視聴やゲームでの「音ズレ(遅延)」は気になりますか?
YouTubeなどの動画視聴は快適ですが、競技性の高いゲームには不向きです。 Bluetooth 5.3を採用しており、接続の安定性は高いです。YouTubeやNetflixなどの動画アプリでは、アプリ側で遅延補正が入るため、口の動きと音声のズレはほとんど感じません。 ただし、音ゲー(リズムゲーム)や、一瞬の音が勝敗を分けるFPSゲーム(APEXなど)では、コンマ数秒の遅延が違和感になる可能性があります。ガチゲーマーの方は有線イヤホンや低遅延専用のデバイスをおすすめします。
対応コーデックは何ですか?LDACやaptXには対応していますか?
対応コーデックは「SBC」です。 高音質コーデック(LDAC、aptX、AACなど)には対応していません。 「えっ、SBCだけ?」と思われるかもしれませんが、Shokzは「接続の安定性」と「バッテリー持ち」を最優先に設計されています。また、デュアルドライバー自体の性能が高いため、SBC接続でも十分にクリアで厚みのある音質を実現しています。スペック上のコーデックよりも、実際の聴感上の音の良さを重視したチューニングと言えます。
冬場、手袋をしたままでも操作できますか?
はい、物理ボタンなので非常に操作しやすいです。 ここがタッチセンサー式イヤホンとの大きな違いです。 「音量ボタン(+/ー)」と「マルチファンクションボタン」はすべて物理的なクリック感のあるボタンです。ランニンググローブや軍手をしていても、指先の感触だけで「再生・停止・スキップ・通話応答」などの操作が確実に行えます。汗や雨で濡れた指で触っても、誤動作の心配がありません。
「OpenSwim Pro」と迷っています。どちらが良いですか?
「スマホなしで音楽を聴きたいか」「泳ぐか」で決まります。
- OpenRun Pro 2(本作): スマホとの接続が必須。音質は最高峰。マイク性能が良い。
- OpenSwim Pro: 本体にメモリを内蔵しており、スマホなし単体で音楽再生が可能(MP3プレーヤー機能)。完全防水(IP68)で水中でも使える。
「スマホを置いてランニングに行きたい」あるいは「プールで泳ぎながら聴きたい」ならOpenSwim Pro。「スマホを持って走る」「音質と通話品質を重視する」ならOpenRun Pro 2がおすすめです。
Shokz 「OpenRun Pro 2」レビューのまとめ

Shokz 「OpenRun Pro 2」は、骨伝導イヤホンの分野での革新を象徴する製品です。
デュアルドライバー構成による高音質、長時間快適に使える装着感、そしてスポーツや日常生活においても抜群の利便性を提供しています。
このイヤホンは、耳を塞がずに周囲の音を聞きながら、音楽や音声コンテンツを楽しむことができるため、安全性を保ちながらも快適に使用できます。
以下は、「OpenRun Pro 2」の特に優れた点と、気になる点を整理したものです。
OpenRun Pro 2をおすすめできる人
- ランナー・スポーツ愛好家: 揺れない、蒸れない、安全。これ以上の選択肢はありません。
- 音質にこだわる骨伝導ユーザー: 「骨伝導は音が悪い」という常識を捨ててください。
- 一日中イヤホンを着けていたい人: テレワークや「ながら聴き」の最適解です。
- メガネユーザー: 干渉しにくい設計で、併用しても痛くなりません。
- ガジェットの充電管理を統一したい人: USB-Cケーブル一本で完結します。
OpenRun Pro 2をおすすめできない人
- 完全な遮音(ノイズキャンセリング)を求める人: 電車内やカフェで「無音」を作りたいなら、カナル型(AirPods Proなど)やオーバーヘッド型を選びましょう。
- ヘッドレストに頭を預けて寝たい人: ネックバンドが邪魔になる可能性があります。
- 予算を極力抑えたい人: エントリーモデルの「OpenRun」や「OpenMove」でも十分な性能を持っています。
旧モデルからの買い替えを検討すべきタイミング
もし現在、初代「OpenRun Pro」や「Aeropex」を使用していて、以下のいずれかに該当するなら、今すぐ買い替えても後悔しません。
- 低音の迫力不足に不満がある。
- 専用充電ケーブルをよく忘れる、または無くしたことがある。
- 音量を上げると振動でくすぐったくなるのが嫌だ。
特に3点目の「振動のなさ」は、体験レベルでの快適性を劇的に向上させます。
価格に見合う価値はある?コストパフォーマンスの結論
定価は27,880円(税込)。
決して安い買い物ではありません。
しかし、他社のハイエンドワイヤレスイヤホンと同等の価格帯でありながら、「スポーツギアとしての耐久性」「ビジネスツールとしてのマイク性能」「オーディオ機器としての高音質」を一台で兼ね備えている点を考慮すれば、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
安価な骨伝導イヤホンを何個も買い替えるより、この「完成された一台」を長く使う方が、結果的に満足度は高いでしょう。
Shokz 「OpenRun Pro 2」レビューの総合評価:骨伝導の枠を超えた「日常のパートナー」
Shokz OpenRun Pro 2は、骨伝導技術と空気伝導技術を融合させることで、オープンイヤー型イヤホンの新たな基準を打ち立てました。
もはや「耳を塞がないから音が悪いのは仕方ない」という言い訳は通用しません。
安全で、快適で、そして高音質。 スポーツのパフォーマンスを上げたいアスリートから、効率的に仕事をこなしたいビジネスパーソン、そして家事や育児に追われるパパ・ママまで。
あらゆる人の「日常」に音楽と快適さをプラスしてくれる、現時点で最強の「ながら聴き」デバイスであると断言します。


