オープンイヤー/イヤーカフ型の完全ワイヤレスは、「耳をふさがない快適さ」と引き換えに、音質や低音量感、音漏れが課題になりがちです。
SOUNDPEATS 「Clip1」は、その弱点を正面から潰しにきた最新モデルとして登場しました。
12mmデュアルマグネット・ダイナミックドライバー、ハイレゾ相当のLDAC対応、選択式のDolby Audio、同社独自のDynamic EQ Pro、そして左右を自動で見分けるAutoSenseなど、実用性に直結するアップデートが一気にまとまっています。
基本仕様も日常使いを想定した堅実さです。
イヤホン単体で最大8時間、ケース併用で最大40時間の再生、10分充電で約2時間使える急速充電、Bluetooth 5.4、低遅延モード、IPX5相当の防滴、マルチポイントといった“欲しいところ”をしっかり網羅。
メガネやマスクとの干渉が少ない装着設計や、衝撃/タッチセンサー主体の操作系も、ながら聴き用途との相性が良好です。
一方で、LDAC・Dolby・Dynamic EQ Pro・マルチポイントなど一部機能は同時併用できない場面があり、使い方に合わせた“最適解の選び方”が重要になります。
この記事では、その選び方まで含めて整理していきます。
「耳をふさがない快適さ」と「音の満足度」を両立したい――そんなニーズに、SOUNDPEATS 「Clip1」がどこまで応えてくれるのかを、次章から具体的に検証していきます。

SOUNDPEATS 「Clip1」の概要と注目ポイント

イヤーカフ型×オープンイヤーの設計意図
耳を塞がずに音を楽しめる“ながら聴き”特化の設計です。
メガネ・マスクと干渉しにくく、日常の装着ストレスを抑えます。
- Cブリッジ構造:超薄型の形状記憶合金ワイヤーで耳を挟み込み、動いてもズレにくい安定感。
- 装着検出&落下検知:外すと一時停止・付けると再生。落下検知で安心感も高めます。
- 左右自動識別(AutoSense):装着後に左右を付け替えても数秒で自動反転。日々の取り回しが楽になります。
- 留意点:枕に耳を押し当てる姿勢では異物感が出やすく、寝ホン用途は非推奨。オープン型ゆえ大音量では音漏れもし得ます。
12mmドライバー/LDAC・Dolby・Dynamic EQ Proの要点
“耳を塞がない=低音が薄い”という弱点を、ハード&ソフトの両面で補うのが狙いです。
- 12mmデュアルマグネットDD:前世代より大径化。PVD系コーティング振動板で量感と伸びの両立を狙います。
- 音づくりの三本柱(同時選択不可)
- LDAC:情報量・解像感を最優先。ハイレゾ相当。
- Dolby Audio:音楽/ムービー2モードで空間表現を拡張。
- Dynamic EQ Pro:同社独自の可変EQ。低域の厚み補強が得意。
併用ルール(混同しやすいポイント)
- LDACはマルチポイント/低遅延モード/Dolby/Dynamic EQ Proと併用不可。
- DolbyとDynamic EQ Proはどちらか一方。
欲しい体験 | おすすめ設定 |
---|---|
解像感・分離感を最大化 | LDAC |
低音の迫力を底上げ | Dynamic EQ Pro(AAC/SBC) |
映画・ライブの臨場感 | Dolby(音楽/ムービー) |
低遅延で動画・ゲーム | 低遅延モード(AAC/SBC) |
- アプリ(Peats Audio):適応型EQ(簡易聴力テストベース)、10種前後のプリセット+カスタムEQ、操作割り当て(基本はダブル/トリプルタップ中心。シングルは誤操作対策で無効の場合あり)。
基本仕様(電池・ケース・防滴・操作まわり)
“毎日使う”前提で、電池・取り回し・耐候性が実直に強化されています。
項目 | 内容 | 補足 |
---|---|---|
連続再生(本体) | 最大約8時間 | LDAC時は目安で約半減 |
合計再生(ケース込) | 最大約40時間 | ケース容量アップで余裕あり |
急速充電 | 10分=約2時間再生 | 外出前の“ちょい足し”に便利 |
充電時間 | 本体約1時間/ケース約2時間 | ワイヤレス充電非対応 |
Bluetooth | 5.4 | 省電力・安定接続 |
対応コーデック | SBC/AAC/LDAC | aptX系は非対応 |
低遅延モード | あり | LDACとは併用不可 |
マルチポイント | あり | LDACとは併用不可 |
防滴性能 | IPX5 | 通勤・ランでも安心 |
操作 | 衝撃(振動)検知式中心 | “コツコツ”操作で誤タッチ低減 |
音漏れ対策 | 独自リーク低減設計 | オープン型のため大音量は注意 |
AutoSense | 左右自動識別 | 付け替え後もしばらくで自動反転 |
重量 | 片側約5.0g/ケース+本体約55.5g | ケースはやや厚めで取り出しやすい |
外観 | 本体ブラック/ケースシルバー系 | 指紋が目立ちにくい仕上げ |
SOUNDPEATS 「Clip1」の概要の要点
- “耳を塞がない快適さ”と“音の厚み”を12mmドライバー+可変EQで両立。
- LDAC/Dolby/Dynamic EQ Proはシーン別に切替、全部乗せ不可。
- 8h+40h/10分=2hで電池不安が少なく、AutoSenseや振動センサー操作で日常の使い勝手が向上。
SOUNDPEATS 「Clip1」の音質検証とコーデックの使い分け

音質レビュー
開放型としては情報量と厚みの両立が優秀。
AACでも日常用途は十分クリア、LDACに切り替えると微小音や余韻の見通しが一段伸びます。
用途に応じてDynamic EQ Pro(低域補強)とDolby(広がり付与)で“味変”できるのが強み。
- 低域:輪郭はタイト。Dynamic EQ Proで量感と押し出しを素早く加算。
- 中域:ボーカルの芯が安定し、楽器の分離も良好。LDAC時はハーモニーの重なりが明瞭。
- 高域:減衰が自然で耳当たりは滑らか。LDACで空気感が一段クリアに。
モード | 聴感の要点 | 向く用途 |
---|---|---|
LDAC | 解像感・分離が最上。遅延と電池は増 | 静かな環境での“聴き込み” |
AAC(素) | バランス良好で扱いやすい | 通勤・作業のながら聴き |
AAC+Dynamic EQ Pro | 低域の量感アップ | EDM/ヒップホップ/屋外 |
AAC+Dolby | 横/奥行きの広がり | 映画/ライブ/Vlog |
LDACで“描写力”、Dynamic EQ Proで“厚み”、Dolbyで“広がり”。
切り替えだけで最適な音にすぐ届きます。
LDACとAACの聴感差・使いどころ
まずは土台となるコーデック選びから。
LDAC=解像感最優先、AAC=実用性最優先と覚えるとシンプルです。
- LDAC(主にAndroid):微細音・定位・分離が鮮明。腰を据えて“聴き込む”日に最適。
※電池消費・遅延・機能の制限が増えます。 - AAC(iPhone標準/Androidでも可):扱いやすく遅延も少なめ。日常のながら聴き・動画・会議に向きます。
観点 | LDAC | AAC |
---|---|---|
解像感・分離 | とても高い | 良好 |
遅延 | 大きめ | 小さめ |
電池持ち | 短くなりがち(本体8hが目安で約半減) | 仕様どおりに近い |
併用できる機能 | 少ない(排他多い) | 多い(Dolby/Dynamic EQ/低遅延/マルチポイント) |
向くシーン | 音楽の“聴き込み” | 仕事・通勤・動画視聴・会議 |
iPhoneはLDAC非対応のため、基本はAAC+(必要に応じて)Dolby/Dynamic EQ/低遅延が現実解です。
Dynamic EQ Pro/Dolbyの最適シーン
LDACと併用不可になる2つの“味付けスイッチ”。
オープン型の弱点を補い、目的に寄せて仕上げます。
Dynamic EQ Pro(可変EQ)
- 狙い:低域の量感・押し出しを補強。キックやベースに厚み。
- コツ:低域過多なら100–200Hzを少し下げる/2–4kHzを少し持ち上げて抜け感を調整。
- 合う場面:EDM/ヒップホップ/屋外BGMなど“ノリ重視”。
Dolby Audio(音楽/ムービー)
- 狙い:音場の広がり・臨場感を付加。声や効果音の距離感が掴みやすい。
- 音楽モード=素直に広がる、ムービーモード=高域穏やかで長時間向き。
- 合う場面:ライブ音源、映画/Vlog、トーク番組。
欲しい効果 | おすすめ |
---|---|
低音の迫力を増やす | Dynamic EQ Pro(AAC/SBC) |
広がり・臨場感を出す | Dolby(音楽/ムービー) |
解像感を最優先 | LDAC(単独運用) |
LDACとDynamic EQ ProとDolbyは同時ON不可。
ジャンルや気分で切り替えましょう。
低遅延モード・遅延体感・マルチポイントの注意点
快適さは“組み合わせ”で決まります。
機能の同時使用の可否を先に把握しておくと迷いません。
- 低遅延モード:口元とのズレを感じにくくする動画/ゲーム向けスイッチ。LDACとは併用不可。
- マルチポイント:2台同時待受け対応(再生中のデバイスが優先)。LDACとは併用不可。
- 操作の目安(アプリ):
- その日の用途でLDAC/AACを決定
- AACのときはDynamic EQ or Dolby/低遅延/マルチポイントを必要に応じてON。
目的 | コーデック/機能の組み合わせ | 備考 |
---|---|---|
高解像で音楽を味わう | LDAC 単独 | 電池・遅延・排他に注意 |
“開放型でも低音が欲しい” | AAC+Dynamic EQ Pro | 量感を底上げ |
映画・ライブの没入感 | AAC+Dolby(音楽/ムービー) | 広がり・距離感が出やすい |
動画・ゲームのズレ軽減 | AAC+低遅延モード | 体感差がわかりやすい |
PC+スマホの2台待受け | AAC+マルチポイント | 再生停止で自動切替が基本 |
SOUNDPEATS 「Clip1」の装着感と使い勝手

オープンイヤーの利点(圧迫感の少なさ・外音の取り込み)を、イヤーカフ構造で安定させたのが「Clip1」の設計思想。
日常使いでの“ラクさ”が前面に出ますが、寝ホン運用など一部は割り切りが必要です。
フィット感・安定性・メガネ/マスクとの相性
まずは装着の“土台”を確認します。
軽さとホールドのバランスがよく、ながら聴きに最適です。
- 装着感の方向性:片側約5.0g。耳を“挟む”Cブリッジで圧迫感を抑えつつ安定。外音は自然に入ります。
- 安定させるコツ:耳上部から角度を微調整→前後に数ミリずらすと固定感が増す。髪が長い場合は装着前に軽く払うと引っ掛かりを回避。
- メガネ/マスク:つる・紐と干渉しにくい配置で長時間でも快適。
- 非推奨シーン:センサー部がやや立つため横向き就寝や枕圧迫には不向き。
- 携行性:ケース+本体で約55.5g。ケースはやや厚めだが取り出しやすい開口とつまみやすさが◎。
- 耐汗・耐候:IPX5で通勤・軽運動に十分。使用後は汗や水滴を拭き取りましょう。
操作性(タッチセンサー/割り当て/アプリ)
“探さずに操作できる”のが快適さに直結。
アプリと組み合わせて、自分仕様に整えます。
- 操作感:タッチセンサーでダブル/トリプルタップが中心(シングルは誤操作対策で無効の場合あり)。
- 自動系の便利さ:
- 装着検出:外すと一時停止、付けると再生。
- AutoSense:装着後に左右を付け替えても数秒で自動反転。
- アプリ(Peats Audio)でできること:
- LDAC/AAC切替、Dynamic EQ Pro/Dolby、低遅延モード、マルチポイントON/OFF
- 適応型EQ+プリセット/カスタムEQ、タッチ割り当て編集、ファーム更新、イヤホンを探す、音声ガイダンス変更 など
おすすめの割り当て例(迷ったらこれ)
用途 | 左イヤホン | 右イヤホン | 補足 |
---|---|---|---|
音楽重視 | ダブル:音量↓/トリプル:前曲 | ダブル:音量↑/トリプル:次曲 | 再生/停止は装着検出を活用 |
動画・会議 | ダブル:低遅延ON/OFF | トリプル:マイクON/OFF | 低遅延はLDAC併用不可 |
2台運用 | ダブル:入力切替 | トリプル:音量↑ | LDACとマルチポイントは併用不可 |
音漏れ傾向・マイク品質・日常利用シーン
オープン型ゆえ、音量次第で漏れます。場面に合わせた“音量コントロール”が肝心です。
音漏れの目安(iphoneで検証)
- 50%前後:1m程度なら周囲に届きにくい場面が多い
- 70%前後:静かな室内では聞こえやすい → 図書館・会議室では控えめ推奨
マイクの使いこなし
- 通話はクリア傾向。風・騒音下では口元寄りの発声と環境ノイズ源から身体をずらすと明瞭度が上がる。
- 安定性重視ならはAAC+単一デバイス接続が安定しやすい(マルチポイントやPC録音同時利用は稀にノイズ源)。
シーン別おすすめ設定(サクッと選べる早見表)
シーン | 最適な組み合わせ | ひと言メモ |
---|---|---|
通勤・散歩・家事 | AAC+Dynamic EQ Pro | 低域を少し盛って“ノリ良く” |
映画/ライブ視聴 | AAC+Dolby(音楽/ムービー) | 広がり・臨場感を重視 |
動画・ゲーム | AAC+低遅延モード | 口元ズレを抑える(※LDAC不可) |
PC+スマホ待受け | AAC+マルチポイント | 再生中デバイスが優先で切替 |
じっくり音楽鑑賞 | LDAC(単独運用) | 電池・遅延・機能の併用制限に配慮 |
静かなオフィス | 音量~50% | オープン型は大音量で漏れやすい |
装着感と使い勝手の要点まとめ
- 軽量×Cブリッジで“ズレにくい快適さ”。メガネ/マスクとも相性良好、ただし寝ホン運用は非推奨。
- 振動センサー+AutoSense+装着検出で操作ストレスが少ない。細かい機能はアプリで一括管理。
- 音漏れは音量管理でコントロール。通話の重要場面はAAC・単一接続が安全策です。
SOUNDPEATS 「Clip1」を使用した私の体験談・レビュー

オープンイヤー型の快適さを保ちつつ「どこまで音に満足できるか」をテーマに、しばらく日常のあらゆる場面で試しました。
シーン別の最適セットアップ(早見表)
シーン | 選んだ設定 | 良かった点 | 注意点 |
---|---|---|---|
通勤(徒歩+電車) | AAC+Dynamic EQ Pro | 騒がしい環境でも低域の芯が出てBGMが埋もれにくい | 静かな車内は音量の上げ過ぎに注意 |
デスクワーク(PC+スマホ待受け) | AAC+マルチポイント | 着信の受け替えがスムーズで作業が中断しにくい | 割込みは強くないため再生停止→切替が基本 |
動画・配信視聴 | AAC+低遅延モード | 口元のズレが目立ちにくく視聴に集中できる | LDACと併用不可のためその日は実用性優先 |
音楽の“聴き込み” | LDAC(単独) | 微小音や残響の見通しが良く、定位もシャープ | 電池持ちと遅延に配慮。会議併用とは両立しづらい |
映画・ライブ | AAC+Dolby(音楽/ムービー) | 広がりと距離感が出て没入感が増す | Dynamic EQ Proと同時ON不可 |
音の“味付け”3パターンの印象
- LDAC:解像感・分離が際立ち、倍音や余韻が自然に伸びます。静かな室内での鑑賞に向きます。
- Dynamic EQ Pro(AAC):キックとベースの量感が増し、屋外でもリズムが前に出ます。低域過多に感じたら100–200Hzを少し下げるとバランスが整いました。
- Dolby(音楽/ムービー):音場が広がり、声や効果音の“距離感”がつかみやすくなります。長時間でも聴き疲れしにくい傾向でした。
装着・取り回しの所感
Cブリッジの角度を耳上部で微調整すると収まりがよく、歩行や小走りでもズレにくい印象です。
メガネやマスクとの干渉も少なく、長時間のながら聴きに向きます。
一方で、センサー部がやや立つ形状のため横向き就寝は非推奨。
充電ケースは厚みがあるものの、イヤホンをつまみやすく取り出しやすい点は日々の快適さに効きました。
通話・会議でのポイント
- 通話品質はクリアで日常利用に問題ありません。
- AAC+単一デバイス接続にすると安定しやすく、まれなノイズや挙動の重さを避けられました(マルチポイントやPC録音の同時利用は負荷になりがちです)。
使ってわかった長所と気になる点
良かったところ
- 誤動作の少ないタッチセンサーで物理ボタン探しが不要
- AutoSense(左右自動識別)で付け替え後もしばらくで定位が正しく整う
- 適応型EQでベースの聴こえ方が自然になり、以降の調整が少なく済む
気になったところ
- シングルタップ無効(誤操作対策)のため、操作割り当てがやや窮屈
- LDAC利用時の排他(低遅延・マルチポイント・Dolby・Dynamic EQ Pro)が多く、用途の割り切りが前提
体験談のまとめ
- 日常はAAC基軸:低遅延/マルチポイント/Dolby/Dynamic EQが使え、汎用性が高いです。
- 鑑賞日はLDAC単独:音の描写力を優先し、機能は割り切ると満足度が上がります。
- 装着は“角度のひと手間”が鍵:Cブリッジを微調整すると安定感が段違いでした。
オープンイヤーの快適さと音の満足度を、シーン別のスイッチングで作り分けるのが「Clip1」を気持ちよく使うコツだと感じました。
SOUNDPEATS 「Clip1」に関するQ&A

「Clip1」はどんなイヤホンですか?
耳をふさがない“イヤーカフ型”のオープンイヤーTWSです。12mmダイナミックドライバー、LDAC/Dolby/Dynamic EQ Proに対応し、ながら聴きと音質を両立します。
iPhoneでも高音質で使えますか?
はい。iPhoneはLDAC非対応のためAACでの接続になりますが、Dynamic EQ ProやDolbyを使って音の厚み・広がりを調整できます。
LDAC使用時に一緒に使えない機能は?
マルチポイント/低遅延モード/Dolby/Dynamic EQ ProはLDACと併用不可です。
マルチポイント(2台同時待受け)はできますか?
はい(AAC/SBC時)。再生中のデバイスが優先で、もう一方は再生を止めると切り替わります。※LDAC時は使えません。
低遅延モードはどれくらい効きますか?
口元のズレが体感しにくくなり、動画・ライトなゲームに有効です。※LDACと併用不可。競技レベルの超低遅延を求める場合は専用規格の方が適します。
Dynamic EQ ProとDolbyは同時に使えますか?
いいえ。どちらか一方を選びます。
- 低音量感を底上げ → Dynamic EQ Pro
- 音場の広がり・臨場感 → Dolby(音楽/ムービー)
音漏れは気になりますか?
オープン型のため大音量では漏れます。目安として音量50%前後なら1mで聞こえにくい場面が多く、70%前後は静かな室内で目立ちやすいです。
装着感は?メガネやマスクと干渉しませんか?
Cブリッジ構造で軽く安定し、メガネ/マスクと干渉しにくい設計です。横向き就寝や枕に押し付ける姿勢は不向きです。
左右を入れ替えて装着しても大丈夫?
AutoSense(左右自動識別)が装着後に数秒で正しく反転します。取り回しが非常に楽です。
連続再生時間は?
イヤホン単体で最大約8時間、ケース併用で最大約40時間。10分充電で約2時間再生の急速充電にも対応します(LDAC時は再生時間が目安で約半減)。
防水性能は?運動で使えますか?
IPX5相当で汗や小雨に対応。使用後は軽く拭き取ると長持ちします。
ワイヤレス充電はできますか?
非対応です。USB-Cケーブルで充電します。
通話の安定性は?
日常の通話はクリアです。AAC+単一デバイス接続が安定。稀にPC録音やマルチポイント同時待受けで挙動が重く感じる場合は機能を絞るのがおすすめです。
SOUNDPEATS 「Clip1」レビューのまとめ

SOUNDPEATS 「Clip1」は、“耳をふさがない快適さ”と“音の満足度”の両立に本気で取り組んだオープンイヤー(イヤーカフ)型です。
12mmドライバー、LDAC/Dolby/Dynamic EQ Proという三本柱の音づくり、左右自動識別や装着検出、8h+40hの電池設計など、日常で効く実装がそろっています。
一方で、LDAC利用時の一部機能の同時使用制限やケースの厚み、寝ホン非推奨といった割り切りも明確です。
総評
- 快適さ×安定性:軽量×Cブリッジでズレにくく、メガネ/マスクと干渉しにくい装着感。
- 音の作り分け:
- 解像感重視=LDAC
- 低音補強=Dynamic EQ Pro
- 広がり・臨場感=Dolby(音楽/ムービー)
- 使い勝手:左右自動識別(AutoSense)、装着検出、急速充電(10分→約2時間)、IPX5。
- 留意点:LDAC時はマルチポイント/低遅延/Dolby/Dynamic EQ Proと併用不可。オープン型ゆえ大音量で音漏れしやすい。横向き就寝は不向き。
シーン別・最適セットアップ早見表
目的 | 設定 | メモ |
---|---|---|
高解像で“聴き込む” | LDAC | 遅延・電池消費・排他に配慮 |
通勤・散歩(ノリ良く) | AAC+Dynamic EQ Pro | 低域を底上げしてBGMが埋もれにくい |
映画・ライブ・Vlog | AAC+Dolby(音楽/ムービー) | 広がり・距離感が出やすい |
動画・ゲームのズレ軽減 | AAC+低遅延モード | LDACとは排他 |
PC+スマホの2台待受け | AAC+マルチポイント | 再生中デバイスが優先で切替 |
こんな人に向いています/向きません
向いています
- 外音取り込みを最優先しつつ、曲や用途で音のキャラを切り替えたい人
- メガネ・マスク前提で長時間ラクに使いたい人
- 平日はAAC中心の実用運用、週末はLDACで鑑賞…とメリハリを付けたい人
向きません
- 図書館など極端に静かな環境で大音量を使う場面が多い人(音漏れ配慮が必要)
- 完全無音の低遅延を求める競技ゲーマー(専用規格の方が適合)
- 横向き就寝での常用を想定している人
購入前チェックリスト
- 使う端末はLDAC対応か(iPhoneはAAC運用が前提)
- マルチポイント/低遅延とLDACは同時に使えない → どちらを優先?
- オープン型の特性上、音量管理(~50%目安)を守れる環境か
- 収納はやや厚めのケースでも許容できるか
SOUNDPEATS 「Clip1」レビューの総括
SOUNDPEATS 「Clip1」は、耳をふさがないイヤーカフ型の快適さに、12mmドライバーとLDAC/Dolby/Dynamic EQ Proという“選べる音作り”を組み合わせ、ながら聴きの満足度を着実に引き上げるモデルでした。
左右自動識別のAutoSenseや装着検出、8時間+40時間の電池設計、10分充電で約2時間使える急速充電など、日常の使い勝手もそろっており、メガネやマスクとの併用でもストレスが少ない点は好印象です。
一方で、LDAC使用時は低遅延やマルチポイント、Dolby、Dynamic EQ Proと同時に使えないなどの排他関係があること、ケースがやや厚めで、横向き就寝の“寝ホン”用途には向かないことは、購入前に理解しておくべきポイントでしょう。
実運用としては、平日の日常はAACを基軸に必要な機能を切り替え、腰を据えて音楽を味わう日はLDAC単独で楽しむ、という二段構えがもっとも満足度の高い選択になります。
快適さも音の良さも諦めない——SOUNDPEATS 「Clip1」は、あなたの毎日を軽やかにアップグレードしてくれる一台です。
