THIEAUDIO Oracle MK3 レビュー:音質・装着感を徹底検証。10万円で得られる「完璧なバランス」

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「約10万円で、ハイエンドイヤホンの世界に足を踏み入れたい」
「バランスが良く、どんなジャンルでも高音質で鳴らしてくれる一本が欲しい」

オーディオの世界、特に10万円前後の「ハイエンド入門〜ミドルクラス」は、各メーカーが技術の粋を集めた激戦区です。
その中で、THIEAUDIOが放つ「Oracle MK3」は、多くのオーディオファンから「完璧なバランス」と称賛されています。

THIEAUDIOは、2019年の設立以来、革新的な技術と卓越したチューニングで瞬く間に地位を確立したブランドです。
その中でも「Oracle(オラクル)」シリーズは、ブランドの「バランスと解像度の追求」を体現する中核モデルとして知られてきました。

そして2024年、満を持して登場した「Oracle MK3」は、上位モデルに採用されてきた最新技術「IMPACT²」やESTドライバーを惜しみなく投入。
前モデルMK2の弱点とされた部分を徹底的に克服し、「バランス型イヤホンの新基準」として設計されました。

しかし、その高評価は本当なのでしょうか?

この記事では、Oracle MK3の技術的な核心から、高級機ならではのデザイン、そして私が徹底的に使い込んだ本音の「音質レビュー」まで、余すことなく徹底的に検証します。

THIEAUDIOの独自技術がもたらすサウンドは、本当に価格以上の価値があるのか。
この記事を読めば、Oracle MK3があなたにとって「最後のイヤホン」候補となり得るか、その答えが明確になるはずです。

 

  1. THIEAUDIO 「Oracle MK3」の核心:主な特徴と進化した技術
    1. 前モデルMK2から飛躍的進化を遂げたドライバー構成
    2. 迫力と質感を両立する「IMPACT²」サブウーファーシステム
    3. ESTドライバー搭載機としての完成度と高音域の魅力
  2. THIEAUDIO 「Oracle MK3」の開封レビュー:所有欲を満たすデザインと付属品
    1. 芸術的なフェイスプレートと快適な装着感(フィット感)
    2. 3種プラグ対応の高品位なモジュラーケーブル
    3. 豊富なイヤーピースと実用的なキャリングケース
  3. THIEAUDIO 「Oracle MK3」の音質徹底レビュー:全帯域の調和と圧倒的解像度
    1. 高音域:ESTドライバーが奏でる、刺さらず繊細な透明感
    2. 中音域:ボーカルが際立つ、滑らかで表現力豊かなBAドライバー
    3. 低音域:IMPACT²が実現する、深く沈み込むダイナミックな臨場感
  4. THIEAUDIO 「Oracle MK3」を使用した私の体験談・レビュー
    1. ファーストインプレッションとエージング後の音質変化
    2. 長時間使用して感じたメリットと、あえて挙げる注意点
    3. おすすめの音楽ジャンルと相性の良い再生環境(DAP)
    4. Hype 10やMonarch MK3との比較:Oracle MK3を選ぶべき理由
    5. 総評:この音質体験は価格に見合う価値があるか
    6. 体験談の総括:私がOracle MK3を使い続ける理由
  5. THIEAUDIO 「Oracle MK3」に関するQ&A
    1. Oracle MK2(前モデル)とMK3の最も大きな違いは何ですか?
    2. 音質の特徴を簡潔に教えてください。どんな音楽ジャンルに向いていますか?
    3. 音色の傾向はウォーム(暖色系)ですか? それともクール(寒色系)ですか?
    4. サイズが大きいようですが、装着感(フィット感)はどうですか?
    5. 付属ケーブルやリケーブルについて教えてください。
    6. スマートフォンやDAP(音楽プレーヤー)はどんなものを使えばよいですか?
    7. Hype 10やMonarch MK3と迷っています。どう選べばよいですか?
    8. 約10万円の価値はありますか?
    9. エージング(慣らし運転)は必要ですか?
    10. 遮音性や音漏れはどうですか? 通勤・通学に使えますか?
    11. 音場(サウンドステージ)は広いですか?
    12. 音楽鑑賞以外に、ゲームや映画鑑賞(動画視聴)にも使えますか?
    13. 10万円前後の他社製品と比べて、Oracle MK3を選ぶ決め手は何ですか?
  6. THIEAUDIO 「Oracle MK3」レビューのまとめ
    1. Oracle MK3の優れている点(メリット)の再確認
    2. Oracle MK3の注意点(デメリット)と許容範囲
    3. Oracle MK3がおすすめな人
    4. Oracle MK3をおすすめしにくい人
    5. 競合モデルとの最終的な比較とOracle MK3の立ち位置
    6. THIEAUDIO 「Oracle MK3」レビューの総括:10万円以下のハイエンドイヤホンにおける最適解

THIEAUDIO 「Oracle MK3」の核心:主な特徴と進化した技術

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出典:ナイコム

Oracle MK3が「完璧なバランス」と評される理由は、その洗練されたドライバー構成と革新的な技術にあります。
ここでは、その音質を生み出す3つの核心的な特徴を解説します。

前モデルMK2から飛躍的進化を遂げたドライバー構成

Oracle MK3は、3種類・合計6基のドライバーを搭載する「トライブリッド構成」を採用しています。

  • 高音域: 2基 × EST(静電型)ドライバー
  • 中音域: 2基 × BA(バランスド・アーマチュア)ドライバー
  • 低音域: 2基 × DD(ダイナミック)ドライバー

前モデルOracle MK2は「1DD + 2BA + 2EST」でした。
MK3で最も大きく進化したのは、低音域を担当するダイナミックドライバーが1基から2基に増強された点です。

この変更が、次に解説する「IMPACT²」システムの搭載を可能にし、音質全体の土台を劇的に向上させました。

迫力と質感を両立する「IMPACT²」サブウーファーシステム

Oracle MK3の音質を語る上で欠かせないのが、THIEAUDIOの独自技術「IMPACT²」システムです。

【IMPACT²とは?】

2つの10mmダイナミックドライバーを「アイソバリック(等圧)設計」で配置する技術。これにより、強力なサブウーファーのように機能します。

  1. パワフルな低音: 2つのドライバーが連携し、単一のDDでは難しい、深く沈み込むようなパワフルな低音を生み出します。
  2. 歪みの低減: 等圧設計により、ドライバーの動作が安定。歪みを最小限に抑え、量感がありながらも「タイトで質感の高い」低音を実現します。

従来のイヤホンでは、低音の「量」を増やすと、音がぼやけたり(ブーミー)、中音域を邪魔してしまったりすることが多々ありました。

しかし、IMPACT²システムは、低音の「量感」と「質感(解像度)」を犠牲にすることなく両立させます。
これが、Oracle MK3のクリアでありながら迫力のあるサウンドの秘密です。

ESTドライバー搭載機としての完成度と高音域の魅力

Oracle MK3は高音域に2基のEST(静電型)ドライバーを搭載しています。

▼ ESTドライバーの特徴

特徴詳細
超高解像度BAドライバーでは再現が難しい、極めて繊細な超高音域の粒子まで描き出します。
自然な音色金属的な響き(いわゆる「刺さり」)が出にくく、透明感がありながらも滑らかで自然な高音を再生します。
優れた空気感音の余韻や空間の広がり(空気感)の表現に優れています。

ESTドライバーは高性能ですが、その扱いは非常に難しく、チューニングを誤ると他のドライバーとの「繋がり」が悪くなり、音がバラバラに聞こえがちです。

THIEAUDIOはこのESTドライバーの扱いに長けており、Oracle MK3ではBAドライバー(中音域)とのクロスオーバー(音の繋ぎ目)が極めて自然。

「いかにもESTが鳴っている」という不自然さが一切なく、低音から高音までがシームレスに繋がり、一つの完成されたサウンドとして耳に届きます。
このチューニングの上手さこそ、THIEAUDIOの真骨頂と言えるでしょう。

 

THIEAUDIO 「Oracle MK3」の開封レビュー:所有欲を満たすデザインと付属品

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ハイエンドイヤホンは音質だけでなく、手にした瞬間の「所有欲」も重要です。
Oracle MK3は、その点でも一切の妥協がありません。

芸術的なフェイスプレートと快適な装着感(フィット感)

箱を開けてまず目を奪われるのが、その美しいフェイスプレートです。

青を基調としたラメや木目調のディテールが複雑に組み合わされており、光の角度によって表情を変えます。
これは単なる工業製品ではなく、もはや「工芸品」の域。同じ模様は二つとないため、自分だけのイヤホンという特別感を味わえます。

シェル本体は医療グレードの樹脂で精巧に作られており、耳への収まりも非常に良好です。

私の耳(標準〜やや大きめ)では、付属のイヤーピースで完璧に近いフィット感が得られました。
大型のシェルですが、耳の凹凸に沿うように巧みに設計されており、長時間の使用でも痛みを感じることはありませんでした。
ただし、耳が非常に小さい方は、一度試着してみることをお勧めします。

3種プラグ対応の高品位なモジュラーケーブル

Oracle MK3には、非常に高品質なモジュラーケーブルが付属しています。

  • プラグ交換式: 4.4mm(バランス)、3.5mm(アンバランス)、2.5mm(バランス)のプラグが付属し、工具なしで簡単に付け替え可能。
  • 高音質導体: 銀メッキOCC(単結晶銅)リッツ線を採用し、音の情報を余すことなく伝達します。
  • 取り回し: ケーブルは太めで高級感がありますが、非常にしなやかでタッチノイズも少なく、取り回しは良好です。

最近のDAP(デジタルオーディオプレーヤー)は4.4mmバランス接続が主流のため、別途ケーブルを購入する必要がないのは大きなメリットです。
このケーブルだけでも、単体で購入すれば数万円クラスの品質です。

豊富なイヤーピースと実用的なキャリングケース

付属品も充実しています。

  • イヤーピース: シリコンタイプ(3サイズ)とフォームタイプ(ウレタン製、3サイズ)が付属。
  • キャリングケース: ロゴ入りの大型で頑丈なハードケースが付属します。
  • その他: クリーニングクロスなど。

特にキャリングケースはサイズに余裕があり、イヤホン本体だけでなく、小型のDAPや交換用プラグも一緒に収納できる実用性の高さが魅力です。

イヤーピースは、個人的にはフォームタイプが遮音性と低音の迫力を高めてくれるため好印象でした。
シリコンタイプは、よりスッキリとした見通しの良いサウンドになります。
この選択肢の多さも嬉しいポイントです。

 

THIEAUDIO 「Oracle MK3」の音質徹底レビュー:全帯域の調和と圧倒的解像度

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出典:ナイコム

ここからは、Oracle MK3の最も重要な「音質」について、DAP(Shanling M6 Ultra)との4.4mmバランス接続をメインに、各帯域に分けて詳細にレビューします。

結論から言えば、Oracle MK3のサウンドは「極めて高い解像度」「完璧な音域バランス」、そして「豊かな音楽性」を見事に鼎立させています。

高音域:ESTドライバーが奏でる、刺さらず繊細な透明感

ESTドライバーの恩恵が最も分かりやすいのが高音域です。

  • 透明感と伸び:
    シンバルやハイハットの音は、どこまでも細かく、霞むことなく伸びていきます。
    非常にクリアですが、耳に突き刺さるような鋭さ(サ行の刺さり)は一切感じません。
  • 繊細な表現:
    ピアノの最高音域のタッチや、アコースティックギターの弦が擦れる微細な音まで、驚くほどリアルに描き出します。
  • 空気感:
    まるでコンサートホールのS席で聴いているかのような、音場の「空気感」や「余韻」が豊か。音が消えゆく最後の瞬間まで美しく再生します。

これは、ただ解像度が高いだけの「分析的な音」とは一線を画します。
あくまで音楽的で、聴いていて疲れず、心地よい高音です。

中音域:ボーカルが際立つ、滑らかで表現力豊かなBAドライバー

Oracle MK3の真価は、この中音域にあると言っても過言ではありません。

  • ボーカルの表現力:
    ボーカルは近すぎず遠すぎない絶妙な距離感に定位し、息遣いや声の湿度まで伝わってくるかのような生々しさがあります。
    特に女性ボーカルの透明感、男性ボーカルの厚みが両立しています。
  • 楽器の分離:
    BAドライバーのレスポンスの良さが際立ち、複雑なオーケストラやロックバンドの演奏でも、各楽器の音が混ざり合うことなく、明確に分離して聞こえます。
  • 滑らかな繋がり:
    EST(高音)とDD(低音)の間に挟まれた中音域ですが、音の谷間や不自然なピークを一切感じさせません。
    全帯域が滑らかに繋がり、一体感のあるサウンドステージを構築しています。

低音に埋もれず、高音に邪魔されない。まさに「主役」としての中音域がここにあります。

低音域:IMPACT²が実現する、深く沈み込むダイナミックな臨場感

前モデルから最も進化した低音域は、IMPACT²システムの実力を存分に感じさせます。

  • 深さと量感:
    EDMのキックドラムや、映画のサウンドトラックの重低音は、耳だけでなく「身体の芯」に響くような深さがあります。
    量は十分に出ているのに、決して膨らみすぎません。
  • タイトな質感:
    ベースラインは一音一音が明瞭。
    音が「ボワッ」と広がらず、「ドンッ」とタイトに締まります。
    このアタック感とスピード感が、音楽全体のリズムを非常に小気味よくしています。
  • 調和:
    これほどパワフルな低音でありながら、中音域のボーカルや高音域の繊細な音を一切マスクしないことに驚かされます。
    あくまで全体のバランスを支える「上質な土台」としての低音です。

競合機の中には「ベース愛好家向け」を謳うモデル(THIEAUDIO Originなど)もありますが、Oracle MK3の低音は、特定のジャンルのためではなく、あらゆる音楽の臨場感を高めるための「万能な低音」と言えるでしょう。

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THIEAUDIO 「Oracle MK3」を使用した私の体験談・レビュー

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ここからは、スペックや一般的な音質評価だけでは分からない、私が実際にOracle MK3を数週間にわたり徹底的に使い込んで感じた「本音」を、体験談としてまとめます。

ファーストインプレッションとエージング後の音質変化

正直に言うと、箱出し直後(ファーストインプレッション)の音は、少し期待外れでした。

  • 箱出し直後:
    全体的に音が硬く、特に高音域にわずかな硬さを感じました。
    また、低音域も「IMPACT²の実力はこんなものか?」と思うほど、やや控えめに感じられました。

しかし、これは多くのハイブリッドイヤホン、特に複数のダイナミックドライバーやESTドライバーを搭載したモデルによく見られる傾向です。

そこで、DAPに接続し、普段聴く音楽を流しっぱなしにして約50時間ほどのエージング(慣らし運転)を行いました。その結果、音質は劇的に変化しました。

  • エージング後(50時間〜):
    • 高音域: 角が取れ、シルクのような滑らかさとEST本来の伸びやかさが出てきました。
    • 中音域: 艶と厚みが増し、ボーカルの表現力が一段と豊かになりました。
    • 低音域: 最も変化が大きかった部分です。IMPACT²が目覚めたかのように、深く、重く、それでいてタイトな低音が出るようになりました。

Oracle MK3は、間違いなくエージングによって真価を発揮するイヤホンです。
購入直後の音だけで判断せず、ぜひじっくりと鳴らし込んでみてください。

長時間使用して感じたメリットと、あえて挙げる注意点

通勤や自宅での音楽鑑賞で、1日平均2〜3時間、休日には5時間以上連続で使用してみました。

◎ メリット:

  • 圧倒的な疲れにくさ: 装着感の良さに加え、音質が「完璧なバランス」であるため、長時間のリスニングでも全く聴き疲れしません。刺さる高音や、響きすぎる低音による疲労感が皆無です。
  • 高い遮音性: シェルの密閉度が高く、付属のフォームタイプイヤーピースを使えば、通勤電車の中でも音楽に深く没入できました。

△ あえて挙げる注意点:

  • シェルの大きさ: 前述の通り、私の耳にはジャストフィットでしたが、耳が極端に小さい方や、耳の形が特殊な方は、長時間の使用で圧迫感を感じる可能性がゼロではないかもしれません。
  • ケーブルの存在感: 付属ケーブルは高音質でしなやかですが、太さがあるため、夏場の薄着(Tシャツなど)では、人によってはケーブルの存在感を少し感じるかもしれません。(とはいえ、取り回しは非常に良好なレベルです)

おすすめの音楽ジャンルと相性の良い再生環境(DAP)

Oracle MK3の最大の特徴は、その「万能性」です。

  • J-Pop / K-Pop(特に女性ボーカル):
    ボーカルの透明感と、EDM的なビートのキレが両立し、最高に楽しく聴けます。
  • ロック / メタル:
    ドラムのアタック感、ベースの疾走感、ギターリフの分離、すべてが高次元。
    音が団子にならず、熱量をそのまま伝えてくれます。
  • ジャズ / クラシック:
    ESTドライバーの真価が発揮されます。
    楽器の繊細な響き、ホールの空気感、静寂の中の微細な音まで完璧に再現します。
  • アニソン / サウンドトラック:
    音の情報量が多いこれらのジャンルも得意中の得意。
    臨場感と迫力、ボーカルの明瞭さをすべて満たしてくれます。

▼ 相性の良いDAP(再生環境)

Oracle MK3は99dBという標準的な感度で、スマホ直挿しでも鳴らせますが、その真価を引き出すには、やはり駆動力のあるDAP、特に4.4mmバランス接続を強く推奨します。

  • 私が試した組み合わせ:
    • Shanling M6 Ultra: 相性抜群。M6Uの持つウォームで厚みのある中音域と、Oracle MK3の解像度が見事にマッチし、非常に音楽的なサウンドになりました。
    • iBasso DX180: DX180の持つクリアでニュートラルな音質傾向と合わせると、Oracle MK3のモニターライクな側面が引き立ち、より分析的なリスニングにも対応できました。

駆動力があり、ややウォーム〜ニュートラルなDAPと組み合わせると、このイヤホンの持つ「音楽性」と「解像度」のバランスを最大限に楽しめるでしょう。

Hype 10やMonarch MK3との比較:Oracle MK3を選ぶべき理由

THIEAUDIOのラインナップには、他にもIMPACT²を搭載した人気モデルがあります。
Oracle MK3の立ち位置を明確にするため、主要モデルと比較します。

モデルドライバー構成特徴(Oracle MK3との比較)
Oracle MK3 (本機)2DD+2BA+2ESTバランスの頂点。ESTによる高音の伸びと空気感が最大の特徴。全帯域がシームレス。
Hype 102DD+8BAEST非搭載。BAを8基搭載し、中音域の密度と解像度が非常に高い。Oracle MK3よりモニター的で硬質な音。
Monarch MK32DD+6BA+2ESTOracle MK3の上位機種。音場がより広く、低音の沈み込みも一段深い。すべてにおいて上位互換だが、価格も相応に上がる。

▼ Oracle MK3を選ぶべき理由

  • Hype 10と比較して:
    Hype 10は中音域の解像度に優れますが、ESTドライバーがありません。
    「高音域の自然な伸び」や「空気感」を重視するなら、Oracle MK3の方が明確に優れています。
  • Monarch MK3と比較して:
    Monarch MK3は確かに上位機種ですが、価格差も大きいです。
    Oracle MK3は、Monarch MK3のサウンドシグネチャ(音の方向性)を維持しながら、約10万円という価格で驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。
    Monarch MK3に迫る音質を、より現実的な価格で手に入れたいなら、Oracle MK3は最高の選択肢です。

総評:この音質体験は価格に見合う価値があるか

結論から言えば、間違いなく「価格以上の価値がある」と断言します。

約10万円という価格は決して安くありません。
しかし、Oracle MK3が提供する音質体験は、数年前であれば20万円クラスのイヤホンでしか得られなかったレベルです。

  • IMPACT²による深く上質な低音
  • 滑らかで表現力豊かな中音
  • ESTドライバーによる刺さらない超高解像度の高音

これら3つが完璧なバランスで調和したサウンドは、他の同価格帯のイヤホンと比べても頭一つ抜けています。

体験談の総括:私がOracle MK3を使い続ける理由

私がOracle MK3をこれほど高く評価し、メイン機の一つとして使い続けたいと思った理由は、その「聴き疲れしない、完璧なバランス」にあります。

オーディオに凝り始めると、低音が凄いイヤホン、高音が綺麗なイヤホン、と特徴的なモデルを買い集めがちです。
しかし、結局のところ、日常で最も長く使いたくなるのは、どんなジャンルを聴いても、どんな気分で聴いても、常に「良い音だ」と感じさせてくれるイヤホンです。

Oracle MK3は、まさにその「リファレンス(基準)」となり得る一本。
音楽のジャンルを選ばず、再生機器(DAP)の個性も素直に引き出し、何時間聴いても疲れない。

これは「100点満点の優等生」というよりも、「すべての教科で95点以上を取り続ける、音楽性豊かな優等生」という表現がしっくりきます。
これ一本あれば、もう他のイヤホンを探す必要がなくなるかもしれない。
そんな「上がりの一本」にすらなり得るポテンシャルを秘めています。

 

THIEAUDIO 「Oracle MK3」に関するQ&A

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THIEAUDIO 「Oracle MK3」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

Oracle MK2(前モデル)とMK3の最も大きな違いは何ですか?

低音域がまったく違います。 MK3はダイナミックドライバーが1基から2基(IMPACT²)に増強され、前モデルの弱点だった低音の迫力が劇的に向上しました。中高音の美しさはそのままに、パワフルな土台が加わった正統進化モデルです。

音質の特徴を簡潔に教えてください。どんな音楽ジャンルに向いていますか?

「完璧なバランス」と「高い解像度」が特徴です。 刺さらないのに超繊細な高音(EST)、生々しいボーカル(BA)、深くキレのある低音(IMPACT²)が共存しています。 どんなジャンルでも最高レベルで鳴らせる万能型ですが、特にボーカルや楽器の音を細かく聴き分けたい方におすすめです。

音色の傾向はウォーム(暖色系)ですか? それともクール(寒色系)ですか?

「ニュートラル(中立)から、ややウォーム寄り」です。 音のバランスが非常にフラットに近いですが、IMPACT²による豊かな低音域と滑らかな中音域が、ほんのりとした暖かみと音楽的な楽しさを加えています。分析的で冷たいサウンドではなく、解像度と心地よい響きを両立した音色です。

サイズが大きいようですが、装着感(フィット感)はどうですか?

シェルは大きめですが、フィット感は非常に良好です。 耳の形に沿うように立体的に設計されているため、多くの方の耳に吸い付くように収まります。ただし、耳が極端に小さい方は、一度試着してみることをお勧めします。

付属ケーブルやリケーブルについて教えてください。

高品質なケーブルが最初から付属しています。 4.4mm、3.5mm、2.5mmの3種類のプラグが簡単に付け替えられる「モジュラーケーブル」が付属するため、別途購入の必要はほぼありません。リケーブル(交換)にも対応しており、コネクタは汎用性の高い「0.78mm 2Pin」です。

スマートフォンやDAP(音楽プレーヤー)はどんなものを使えばよいですか?

DAP(音楽プレーヤー)の使用、特に「4.4mmバランス接続」を強く推奨します。 スマートフォンでも音は出ますが、Oracle MK3の真価(特に低音の迫力や高音の繊細さ)を引き出すには、駆動力のあるDAPが必要です。

Hype 10やMonarch MK3と迷っています。どう選べばよいですか?

以下の基準で選ぶのがおすすめです。

  • Oracle MK3 (本機): 「高音の空気感」と「低音の迫力」を完璧なバランスで求める方。コスパ最強。
  • Hype 10: 高音の空気感より「中音域の密度」やモニター的な硬質さを重視する方。
  • Monarch MK3: 予算に上限がなく、Oracle MK3のさらに上位(より広い音場)を求める方。

約10万円の価値はありますか?

はい、間違いなく「価格以上の価値」があります。 この「完璧なバランス」と「全帯動の解像度」は、数年前なら20万円クラスの音質です。高品質なケーブルも付属し、あらゆるジャンルに対応できる万能性を考えれば、10万円以下のイヤホンとして非常に完成度の高い一台です。

エージング(慣らし運転)は必要ですか?

はい、エージング(最低50時間程度)を強く推奨します。 箱出し直後は音が硬く、特に低音(IMPACT²)が本領を発揮していません。一定時間鳴らし込むことで、ドライバーがほぐれ、高音は滑らかに、低音は深く豊かになり、全体のバランスが劇的に向上します。

遮音性や音漏れはどうですか? 通勤・通学に使えますか?

遮音性は非常に高く、音漏れもほとんどありません。 シェルの密閉度が高いため、地下鉄の騒音下でも音楽に集中できるレベルです。音漏れも一般的な音量であればまず問題ないため、通勤・通学での使用に最適です。付属のフォームタイプ(ウレタン製)イヤーピースを使うと、さらに遮音性が高まります。

音場(サウンドステージ)は広いですか?

標準よりもやや広く、特に左右の分離と奥行きに優れています。 巨大なホールのような広さではありませんが、頭の中で音が鳴る「頭内定位」は感じさせません。各楽器がどこで鳴っているか明確にわかる定位の良さと、自然な空間の広がり(空気感)を両立しています。

音楽鑑賞以外に、ゲームや映画鑑賞(動画視聴)にも使えますか?

はい、非常におすすめです。 IMPACT²がもたらす迫力のある低音(爆発音や効果音)と、高い解像度(セリフや環境音の聞き取りやすさ)を両立しているため、映画やゲームの臨場感を格段に高めてくれます。特に定位感が優れているため、FPSゲームなどでの足音の聞き分けにも役立ちます。

10万円前後の他社製品と比べて、Oracle MK3を選ぶ決め手は何ですか?

「音のバランス」と「高音の質」です。 この価格帯には様々な強みを持つイヤホンがありますが、Oracle MK3ほど全帯域が破綻なく調和し、ESTドライバーによる「刺さらず繊細な高音」と「迫力ある低音」を両立させたモデルは稀です。特定のジャンルに特化せず、”良い音の基準”となる万能機が欲しいなら、Oracle MK3が最適解となります。

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THIEAUDIO 「Oracle MK3」レビューのまとめ

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この記事では、THIEAUDIO Oracle MK3を技術的な側面から、デザイン、音質、そして長期的な体験談まで、徹底的にレビューしてきました。

最後に、Oracle MK3の評価を総まとめします。

Oracle MK3の優れている点(メリット)の再確認

  • 完璧な音域バランス: 低音・中音・高音のいずれかが突出することなく、全帯域がシームレスに繋がる。
  • IMPACT²による低音: 量感と質感を両立。深く沈み込むのにタイトで、中高音を一切邪魔しない。
  • ESTによる高音: 刺さりが皆無。透明感と解像度が極めて高く、空気感までリアルに再現する。
  • 卓越したボーカル表現: 生々しく、適度な距離感で定位するボーカルは、ジャンルを問わず魅力的。
  • 高い万能性: どんなジャンルでも高次元で鳴らしきるため、これ一本ですべてをカバーできる。
  • 付属品の質: 3種のプラグに対応した高品位なモジュラーケーブルと、実用的なケースが付属。

Oracle MK3の注意点(デメリット)と許容範囲

  • エージングが必要: 箱出し直後の音は本領を発揮していない。最低でも50時間程度の慣らし運転を推奨。
  • シェルのサイズ: 装着感は素晴らしいが、サイズ自体は大きめなため、耳が極端に小さい人は試着推奨。

Oracle MK3がおすすめな人

  • 特定のジャンルに偏らず、色々な音楽を最高音質で楽しみたい人
  • 「バランスが良い」と言われるイヤホンの、一つの到達点を体験したい人
  • 刺さる高音が苦手だが、繊細で解像度の高い高音を求めている人
  • 10万円クラスで、長く愛用できる「決定版」の一本を探している人

Oracle MK3をおすすめしにくい人

  • とにかく低音の「量」だけを求める人(低音の「質」より「量」の人)
  • 極端にフラットで、一切の味付けがない「モニターサウンド」を求める人
  • 5万円以下のイヤホンからのステップアップとして探している人(価格帯が合わない場合)

競合モデルとの最終的な比較とOracle MK3の立ち位置

Oracle MK3は、THIEAUDIOのラインナップにおいて「バランスのリファレンス」という立ち位置を確立しています。

  • Hypeシリーズが「IMPACT²とBAによる解像度」を追求するなら、
  • Monarchシリーズが「IMPACT²とESTによる広大な音場(フラッグシップ)」を追求するなら、
  • Oracle MK3は、その両方の技術(IMPACT²とEST)を使いこなし、「最も調和の取れた音」を「最もコストパフォーマンスの高い形」で実現したモデルです。

THIEAUDIO 「Oracle MK3」レビューの総括:10万円以下のハイエンドイヤホンにおける最適解

これまでTHIEAUDIO Oracle MK3の技術的な核心から、実際の音質、そして長期的な使用感までを徹底的にレビューしてきました。

本作の最大の功績は、IMPACT²システムによって、前モデルで唯一の課題とされた低音域に「深く、それでいてタイト」という理想的な基盤を与えた点にあります。
そして、その迫力ある土台の上で、ESTドライバーが奏でる刺さりのない繊細な高音と、BAドライバーが描く生々しいボーカル(中音域)が、一切の破綻なく完璧に調和しています。

特定のジャンルに特化するのではなく、あらゆる音楽ソースのポテンシャルを最大限に引き出す、まさに「万能の優等生」。
約10万円という価格帯で、数年前なら20万円クラスでしか得られなかった「圧倒的な解像度」と「聴き疲れしない音楽性」の両立を実現したOracle MK3は、間違いなく同価格帯の新たなリファレンス(基準)となるでしょう。

もしあなたが、音楽をジャンルで選ぶのではなく、ただ「良い音」で長く楽しみたいと願うなら、Oracle MK3はその探求の終着点となり得る一本です。
このイヤホンが奏でる音は、あなたの音楽ライブラリに眠る曲の新たな魅力を引き出し、リスニング体験そのものを、より深く豊かなものへと変えてくれるはずです。

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