【Technics EAH-AZ100 レビュー】2025年最強か?AZ80との決定的な違いと「磁性流体」の凄さを徹底検証

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出店:Technics公式
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2023年、「神機」と称され、オーディオ業界を席巻した「EAH-AZ80」の登場から約2年。
Technics(テクニクス)が満を持して送り出した2025年の最新フラッグシップモデル、それが「EAH-AZ100」です。

発売価格は税抜きで約36,000円、税込では約4万円に迫る価格設定。
昨今の物価高を考慮しても、完全ワイヤレスイヤホンとしては「超高級」の部類に入ります。
「たかがイヤホンに4万円?」と足踏みしてしまうのも無理はありません。

しかし、結論から申し上げます。
このイヤホンは、単なるAZ80の後継機やマイナーチェンジモデルではありません。
「持ち運べるオーディオ部屋」という、新たなカテゴリを確立した怪物級のプロダクトです。

2025年のワイヤレスイヤホン市場は、機能性だけでは差別化が難しい「群雄割拠」の状態にあります。
そんな中、TechnicsがEAH-AZ100で提示したのは、他社との表面的なスペック競争ではなく、「音質の純度」への徹底的な原点回帰でした。

多くのオーディオ評論家やレビュアーが「まるでスピーカーで聴いているようだ」と口を揃えるそのサウンド。
そして、WEBライターや多忙なビジネスパーソンにとって生命線とも言える「装着感」と「通話品質」。
これらがどのように進化し、私たちの生活をどう変えるのか。

この記事では、オーディオガジェットレビューブログを運営する筆者が、自腹で購入したEAH-AZ100を徹底的に使い倒しました。
スペック表の数値だけでは見えてこない、業界初のドライバー技術がもたらす音質の変化、ビジネスシーンを一変させるAI通話性能、そして前作AZ80との細かな違いまで、一切の忖度なしでレビューします。

この記事を読み終える頃には、あなたが今EAH-AZ100を買うべきか、それとも愛用のイヤホンを使い続けるべきか、その答えが明確に出ているはずです。

 

  1. Technics 「EAH-AZ100」のの進化した3つの革新的特徴
    1. ① 業界初採用「磁性流体ドライバー」が生む歪みなき音響
    2. ② 装着感の革命「コンチャフィット形状」と徹底した小型化
    3. ② ビジネス通話を変える「Voice Focus AI」の実力
  2. 【音質レビュー】EAH-AZ100は「聴くスピーカー」へと進化したのか
    1. 低音域・中音域・高音域のバランスと解像度
    2. 名機「EAH-AZ80」との決定的な違いと使い分け
    3. ジャンル別相性診断(ポップス・ロック・クラシック・ジャズ)
  3. Technics 「EAH-AZ100」のノイズキャンセリング・外音取り込み・機能性の実力検証
    1. アダプティブノイズキャンセリングの静寂性と自然さ
    2. 「トランスペアレント」モードの聴こえ方と実用性
    3. 3台マルチポイント接続と「Technics Audio Connect」の使い勝手
  4. Technics 「EAH-AZ100」を使用した私の体験談・レビュー
    1. 開封からセットアップ:高級感と初期設定のシームレスさ
    2. 通勤ラッシュ・カフェでのノイキャン性能と遮音性テスト
    3. 4時間以上の連続使用で検証する「耳への負担」と装着安定性
    4. 付属イヤーピースの進化と他社製(AZLA等)との相性検証
    5. WEBライター視点で見る「作業用イヤホン」としての没入感
    6. 体験談の総括:生活の質はどう変わったか
  5. Technics 「EAH-AZ100」に関するQ&A
    1. EAH-AZ80を持っていますが、買い替える価値はありますか?
    2. 耳が小さいのですが、装着できますか?
    3. iPhoneユーザーですが、LDAC非対応でも高音質で楽しめますか?
    4. 音ゲーや動画視聴での「遅延」は気になりますか?
    5. ランニングやジムなどのスポーツでも使えますか?
    6. 片耳だけで使用することはできますか?
    7. マルチポイント接続時の切り替えはスムーズですか?
    8. ノイズキャンセリングの強さは、SONYやBoseと比べてどうですか?
    9. ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
    10. タッチ操作の割り当ては自由に変更できますか?
    11. イコライザー(EQ)で音質は細かく調整できますか?
    12. 混雑した場所での接続安定性はどうですか?
    13. 屋外での通話時、風切り音(風のボボボ音)は気になりますか?
    14. ZoomやTeamsなどのWEB会議中、イヤホン操作で「マイクミュート」はできますか?
    15. 寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?
  6. Technics 「EAH-AZ100」レビューのまとめ
    1. Technics EAH-AZ100のメリット・デメリット整理
    2. EAH-AZ80から買い替えるべき人・ステイすべき人
    3. ソニー・ゼンハイザーなど他社フラッグシップ機との立ち位置比較
    4. LE Audio・Auracast対応に見る「将来性」と「長く使える理由」
    5. 【結論】価格(約4万円)に見合う価値はあるのか
    6. Technics EAH-AZ100 レビューの総括

Technics 「EAH-AZ100」のの進化した3つの革新的特徴

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出店:Technics公式

EAH-AZ100が市場で注目を集める理由は、バッテリーが伸びた、ノイキャンが強くなったといった単純なスペックアップにとどまらない「構造的な革新」にあります。
ここでは、製品の核となる3つの進化ポイントを深掘りします。

① 業界初採用「磁性流体ドライバー」が生む歪みなき音響

EAH-AZ100の最大のトピックであり、音質の根幹を成すのが、完全ワイヤレスイヤホンとして業界で初めて搭載された「磁性流体ドライバー」です。

「磁性流体」と聞いてピンとくる方は、相当なオーディオマニアかもしれません。
れは本来、Technicsが誇る10万円超えのハイエンド有線イヤホン「EAH-TZ700」などに採用されていた技術です。
それをワイヤレスの筐体に落とし込んだこと自体が、エンジニアリングの奇跡と言えます。

なぜ「磁性流体」が必要なのか?

一般的なダイナミック型ドライバーには、振動板を支え、ボイスコイルを中心に保持するための「ダンパー」という部品が存在します。
しかし、このダンパーは振動板が動く際にわずかな空気抵抗(機械的抵抗)を生み出し、これが微細なノイズや歪みの原因となっていました。

一方、EAH-AZ100の磁性流体ドライバーは、ボイスコイル部に磁性流体を充填することで、このダンパーを不要(ダンパーレス化)にしました。

  • 従来のドライバー: ダンパーの抵抗により、微細な信号に対する反応がわずかに遅れる。
  • 磁性流体ドライバー: 液体がボイスコイルを支えるため摩擦が極限までゼロに近づき、振動板が信号に対してリニアに反応する。

「摩擦がない=歪みがない」
この理屈により、振動板の正確なピストンモーションが可能になります。
その結果、これまでのワイヤレスイヤホンでは再現しきれなかった「音が消え入る瞬間の微細な余韻」や「静寂の表現」、そして「圧倒的な低歪み」が実現しました。
例えるなら、エンジンオイルなしでピストンを動かしていた状態から、最高級のオイルを満たして滑らかに動くエンジンに進化したようなものです。
この技術革新こそが、後述する「スピーカーのような音」の正体です。

② 装着感の革命「コンチャフィット形状」と徹底した小型化

「高音質=ドライバーが大きい=筐体がデカくて重い」というオーディオ界の常識も、AZ100は覆しました。

前作AZ80と比較して、体積は約10%ダウン、重量も約7gから約5.9g(片側)へと大幅に軽量化されています。
しかし、数字以上の変化を耳で感じるのが、人間工学に基づいた「コンチャフィット形状」と呼ばれるデザインです。

「点」ではなく「面」で支える

多くのカナル型イヤホンは、イヤーピースを耳穴(外耳道)に押し込み、ハウジングの一部を耳珠(じじゅ)などに引っ掛けて固定します。
これだと長時間使用時に特定の「点」に負荷がかかり、痛みが発生しやすくなります。

対してAZ100のコンチャフィット形状は、耳のくぼみ(コンチャ)全体の形状に合わせてハウジングを成形しています。
耳穴だけでなく、くぼみ全体にピタリと吸い付くように収まるため、以下のメリットが生まれています。

  1. 圧迫感の分散: 負荷が面で分散されるため、長時間着けていても痛くなりにくい。
  2. 物理的遮音性(パッシブノイズキャンセリング)の向上: 隙間なく埋まるため、ANC(アクティブノイズキャンセリング)に頼らずとも、耳栓のように周囲の音が遮断される。
  3. 脱落防止: 頭を激しく振ったり、小走りで移動したりしてもズレない安定感。

特に、耳が小さく「AZ80のサイズ感では圧迫感が強かった」というユーザーにとって、この小型化とフィット感の改善は、音質以上に購入の決め手となる重要なアップデートです。

② ビジネス通話を変える「Voice Focus AI」の実力

私はWEBライターとして活動する傍ら、クライアントとの打ち合わせや取材などでWEB会議を頻繁に行います。
その中で見逃せないのが「Voice Focus AI」の搭載です。

これは従来の「通話用ノイズリダクション」とは一線を画す技術です。
自分の声をクリアに届ける「JustMyVoice」テクノロジーに加え、「相手の声のノイズも除去して聞きやすくする」という双方向のノイズリダクションを実現しています。

5億件のデータを学習したAIチップ

搭載されたAIチップは、5億件以上もの音声データを学習しています。
これにより、人間の声と環境音を瞬時に識別し、分離します。

  • こちらのメリット: カフェのガヤガヤ音、風切り音、キーボードの打鍵音などをカットし、クリアな声を相手に届ける。
  • 相手へのメリット: 相手が騒がしい場所にいても、相手のマイクから入るノイズをこちらのイヤホン側で低減して再生する。

通話品質の高さは、単なる便利機能ではなく、リモートワークにおける「相手へのマナー」です。
聞き返されるストレス、聞き返すストレスの両方を解消するこの機能は、ビジネスパーソンにとって最強の武器となります。 

 

【音質レビュー】EAH-AZ100は「聴くスピーカー」へと進化したのか

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出店:Technics公式

ここからは、オーディオファンが最も気になり、かつ評価が分かれるポイントでもある「音質」について徹底レビューします。
比較対象は、2023年の名機「EAH-AZ80」です。

※検証環境:

  • 再生機器:Xperia 1 VI(LDAC接続) / iPhone 16 Pro(AAC接続)
  • 音源:Amazon Music Unlimited(ハイレゾ音源)
  • 設定:ANCオン、サウンドモード「ダイレクト(イコライザーなし)」

低音域・中音域・高音域のバランスと解像度

一聴して感じるのは、「圧倒的なS/N比(信号対雑音比)の良さ」と「音場の広さ」です。
イヤホン特有の頭内定位(頭の中で音が鳴っている感覚)が薄れ、顔の少し前方、あるいは周囲の空間から音が鳴っているような感覚を覚えます。

  • 低音域:
    深く、沈み込むような重厚感があります。
    AZ80の低音が「タイトでパンチがある」とすれば、AZ100は「空間を震わせるような量感のある低音」です。
    磁性流体ドライバーの効果か、量感があるのにボワつかず、ベースラインの輪郭が驚くほど鮮明です。
    バスドラムの「ドッ」という音だけでなく、その後の皮の震えや空気の揺らぎまで描写します。
  • 中音域:
    ボーカルは極めて滑らか。「艶(つや)」という表現がぴったりです。息遣いやリップノイズまで生々しく聴こえますが、サ行の刺さり(歯擦音)や、キンキンするような鋭さは皆無。
    非常に耳当たりが良く、長時間聴いていても疲れません。
    男性ボーカルの胸板の厚み、女性ボーカルの繊細な倍音成分が見事に表現されています。
  • 高音域:
    伸びやかで、天井を感じさせません。
    ハイハットやシンバルの金属音が、デジタル特有のジャリジャリした感じ(粒子の粗さ)がなく、アナログレコードのように滑らかに空間に溶けていきます。
    解像度は極めて高いのに、「分析的」ではなく「音楽的」な鳴り方です。

名機「EAH-AZ80」との決定的な違いと使い分け

「AZ80を持っているが、買い換えるべきか?」

この問いに対する答えを出すため、両機種の決定的な違いを比較表と解説で整理しました。

項目EAH-AZ100 (最新)EAH-AZ80 (前作)
音の傾向リスニングライク・広大な音場モニターライク・フラット
低音の質重厚で深く、空気感を含む豊かな鳴りタイトでスピード感重視、引き締まった低音
ボーカル位置楽器と調和し、空間の中央に定位する一歩前に出て主張する、近距離感
解像度極めて高い(微細音・リバーブまで拾う)高い(音の輪郭をくっきり描く)
装着感コンチャフィットで「面」で支える(軽い)人によっては圧迫感あり(しっかり詰まる)
おすすめの聴き方映画鑑賞、クラシック、ライブ音源、R&BJ-POP、アニソン、分析的な聴取、FPSゲーム

結論:キャラクターが違います。

EAH-AZ80は、スタジオモニターのように「音を分析的に聴く」能力に長けています。
ボーカルが近く、一つ一つの楽器の配置が手に取るようにわかる、カチッとしたサウンドです。

対してEAH-AZ100は、「音楽そのものの雰囲気に浸るラグジュアリーなサウンド」です。

低域の量感が増し、音の角が取れて滑らかになったことで、まるで高級オーディオルームのソファに座ってスピーカーを聴いているような体験ができます。
「モニターイヤホン」ではなく「高級スピーカー」を持ち歩きたいなら、AZ100一択です。

ジャンル別相性診断(ポップス・ロック・クラシック・ジャズ)

実際に様々なジャンルの楽曲を試聴し、AZ100との相性を検証しました。

  • クラシック・ジャズ:★★★★★(満点・ベストマッチ)
    AZ100の独壇場です。
    ホールトーンの響き、ウッドベースの胴鳴り、バイオリンの弦が擦れる繊細なニュアンス。
    磁性流体ドライバーの「微細な音を潰さない」特性が遺憾なく発揮されます。
    静寂の中から音が立ち上がる瞬間のゾクゾク感は、他のイヤホンでは味わえません。
  • ライブ音源・サントラ:★★★★★(満点)
    音場の広さが生き、没入感が凄まじいです。
    観客の拍手や歓声の広がり、爆発音の重低音など、映画鑑賞用としても最強のデバイスになり得ます。
  • R&B・ヒップホップ:★★★★☆(極上)
    深く沈み込む低音が、ビートの心地よさを倍増させます。
    量感たっぷりでありながらボーカルをマスクしない(邪魔しない)分離感は見事です。
  • ロック・EDM:★★★★☆
    迫力は十分ですが、AZ80のような「キレッキレのアタック感」「ドライなスネア音」を好む人には、少し音が上品すぎる(滑らかすぎる)と感じるかもしれません。
    激しいツーバス連打などは、AZ80の方が分離良く聴こえる場合があります。
  • J-POP(アイドル・アニソン):★★★★☆
    素晴らしい音質ですが、ボーカルが「オケと一体化して綺麗に響く」チューニングです。
    推しの声を耳元で囁かれているような「近さ」を最優先する場合、AZ80の方が好みの可能性があります。

 

Technics 「EAH-AZ100」のノイズキャンセリング・外音取り込み・機能性の実力検証

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出店:Technics公式

音質以外の「実用性」も、フラッグシップにふさわしい進化を遂げています。
日常使いでストレスを感じさせない機能美について検証します。

アダプティブノイズキャンセリングの静寂性と自然さ

従来の固定フィルター式(強・中・弱を手動で選ぶなど)から、環境に合わせて強度を自動調整する「アダプティブノイズキャンセリング」へ進化しました。

  • 静寂性:
    低音域のロードノイズ(車の走行音、電車のガタンゴトン音、飛行機のエンジン音)は、魔法のようにほぼ完全に消滅します。
    人の話し声などの中高音域も、コンチャフィットによる物理的な遮音性と相まって、音楽を小音量でも再生していれば全く気になりません。
  • 自然さ:
    特筆すべきはANC特有の「ツーンとする圧迫感(耳詰まり感)」がないこと。
    常に最大強度で打ち消すのではなく、周囲の騒音レベルに合わせて最適化してくれるため、長時間ONにしていても耳が疲れない、非常にナチュラルな効き味です。

「トランスペアレント」モードの聴こえ方と実用性

外音取り込み機能(トランスペアレントモード)も優秀です。
「イヤホンをしていない時と完全に同じ」とまでは言いませんが、マイクで拾ったような不自然な強調感(サーッというホワイトノイズ)が激減しています。

コンビニのレジでの会話はもちろん、装着したままWEB会議に参加しても、自分の声が頭の中でこもって響く不快感が少ないです。
また、アプリ設定で「トランスペアレント」と「アテンション(人の声にフォーカス)」を切り替えられるため、駅のアナウンスだけ聞き取りたい場合などにも柔軟に対応できます。

3台マルチポイント接続と「Technics Audio Connect」の使い勝手

Technicsが他社に先駆けて実装し、今や代名詞となった「3台マルチポイント接続」は健在です。
この機能、一度使うと二度と戻れません。

  1. 私用スマホ(iPhoneで音楽操作)
  2. 仕事用スマホ(Androidで電話待受)
  3. 作業用PC(MacBookでWEB会議や動画編集)

この3台すべてに常時Bluetooth接続し、音が出たデバイスに自動で瞬時に切り替わります。
手動でBluetooth設定画面を開く手間はゼロです。
専用アプリ「Technics Audio Connect」のUIも洗練されており、タッチ操作の割り当て変更(シングルタップ、ダブルタップ、長押しなどを左右個別に設定可能)、ノイキャン強度の微調整、接続機器の管理などが直感的に行えます。
特に、接続の安定性は業界トップクラスだと断言できます。

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Technics 「EAH-AZ100」を使用した私の体験談・レビュー

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スペック表や測定データだけでは分からない「リアルな使用感」をお届けします。
私の生活の中にAZ100が入り込んだ数週間の記録です。

開封からセットアップ:高級感と初期設定のシームレスさ

パッケージを開けた瞬間、その質感に息を呑みました。
プラスチックフリーの環境配慮型素材でありながら、ケース天面のヘアライン加工、イヤホン本体の金属的な光沢はまさに工芸品。所有欲を満たす重厚感があります。

Androidユーザーなら「Google Fast Pair」に対応しているので、ケースを開けてスマホに近づけるだけでポップアップが表示され、接続は一瞬。
この「ユーザーを迷わせない導線」に、メーカーとしての品格と優しさを感じます。

通勤ラッシュ・カフェでのノイキャン性能と遮音性テスト

満員電車での通勤時、AZ100の真価を体感しました。
まず、LDAC接続(ハイレゾ転送)であっても、混雑した新宿駅構内で一度も音が途切れませんでした
これはアンテナ設計の優秀さを物語っています。

車内では、アダプティブノイキャンが走行音をカット。アナウンスはうっすら聞こえる程度まで低減されます。
何より「音漏れの少なさ」が素晴らしい。隣の人との距離が近い満員電車でも、安心して音楽を楽しめます。

カフェでの作業においては、AZ100を装着してANCをONにした瞬間、周囲の話し声や食器の音がスッと遠のき、自分だけの書斎が立ち上がる感覚に陥ります。
BGMを流さず、ノイキャンだけONにする「デジタル耳栓」としての運用も、ホワイトノイズがほぼないため極めて快適。集中力が体感で2割増しになる感覚すらあります。

4時間以上の連続使用で検証する「耳への負担」と装着安定性

執筆作業が佳境に入った日、4時間ぶっ通しで装着し続けました。
従来のイヤホンなら2時間程度で耳穴が痛くなり、位置を直したくなるところですが、AZ100は「痛くない」のです。

コンチャ(耳のくぼみ)全体で支えているため、特定箇所への負荷集中がないこと。
そして、新開発のイヤーピースが効いています。
頭を振っても、ガムを噛んでもズレないので、装着していることを忘れる瞬間すらありました。

付属イヤーピースの進化と他社製(AZLA等)との相性検証

付属のイヤーピースは、今回から3層構造になりました。
中心軸が硬く、傘の部分が柔らかい設計で、音の通り道を確保しつつ耳への当たりを優しくしています。
これにより、純正でも十分な遮音性と低音確保ができています。

しかし、オーディオオタクとしてさらなる高みを目指し、サードパーティ製イヤーピースも試しました。
おすすめは「AZLA SednaEarfit Crystal」です。
これに換装したところ、高音域の抜けがさらによくなり、ボーカルの明瞭度が一段階上がりました。
ただし、AZ100はケースの収納スペースが極端に広いわけではないので、他社製を使う際はケースの蓋が閉まるか(充電端子が接触するか)のサイズ確認が必要です。

WEBライター視点で見る「作業用イヤホン」としての没入感

私にとってイヤホンはただの音楽再生機ではなく、重要な仕事道具です。
AZ100の「聴き疲れしない音質」と「強力だが自然なノイキャン」は、長時間の執筆作業において最強のパートナーでした。

特に、締め切り直前の集中モード時。
好きなサウンドトラックを流すと、広大な音場のおかげで、狭いデスクに向かっていることを忘れさせてくれます。
仕事の効率、そして何より「気分の良さ」が格段に向上しました。

体験談の総括:生活の質はどう変わったか

大げさではなく、「移動時間がエンタメ時間に変わり、作業時間が没入時間に変わった」と感じています。
いつものストリーミング再生が、AZ100を通すだけでリッチな体験になる。通話もスムーズになり、ストレスが減る。
4万円という投資は、日々のQOL(生活の質)向上を日割り計算すれば、決して高くはないと感じました。

 

Technics 「EAH-AZ100」に関するQ&A

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Technics 「EAH-AZ100」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

EAH-AZ80を持っていますが、買い替える価値はありますか?

「音場の広さ」と「装着感」に不満があるなら、間違いなく買い替え推奨です。
AZ80は依然として素晴らしい機種ですが、AZ100は「磁性流体ドライバー」により、音の広がりや空気感の表現が別次元に進化しています。特にクラシックやライブ音源をよく聴く方や、AZ80の装着感に少し圧迫感を感じていた方にとっては、4万円を出す価値が十分にあります。逆に、ボーカルが近いモニターライクな音が好みであれば、AZ80を使い続けるのも賢い選択です。

耳が小さいのですが、装着できますか?

AZ80よりもフィットする可能性が高いです。
前作AZ80に比べて体積が約10%小型化されており、耳のくぼみ(コンチャ)全体で支える形状のため、耳の穴が小さい方や、耳全体のサイズが小さめの方でも収まりが良くなっています。付属のイヤーピースもXSサイズから同梱されているため、調整の幅は広いです。

iPhoneユーザーですが、LDAC非対応でも高音質で楽しめますか?

はい、iPhone(AAC接続)でも驚くほど高音質です。
LDAC(ハイレゾ転送)はAndroidの特権ですが、AZ100の音質の良さはコーデック以前に「ドライバーそのものの性能」による部分が大きいです。iPhoneのAAC接続でも、磁性流体ドライバーによる歪みのないクリアなサウンドと、立体的な音場は十分に体感できます。

音ゲーや動画視聴での「遅延」は気になりますか?

動画は問題なし。シビアな音ゲーは「低遅延モード」推奨です。
YouTubeやNetflixなどの動画視聴では、アプリ側の補正も相まって遅延はほぼ感じません。FPSやリズムゲーム(音ゲー)をプレイする場合は、専用アプリで「低遅延モード」をONにすることで、遅延を極限まで抑えることが可能です。ガチ勢でなければ十分プレイできるレベルです。

ランニングやジムなどのスポーツでも使えますか?

はい、IPX4相当の防滴性能と高い安定性があります。
汗や急な雨程度なら問題ないIPX4の防滴仕様です。また、コンチャフィット形状により頭を振ってもズレにくいため、ランニングやジムでのトレーニングにも向いています。ただし、完全防水ではないため、水没や激しいシャワーには注意してください。

片耳だけで使用することはできますか?

はい、左右どちらも片耳のみで使用可能です。
ケースから片方だけ取り出せば、自動的に片耳モードになります。通話時や、周囲の音を聞きながら作業したい時に便利です。もう片方をケースに戻せば充電され、取り出せば自動で両耳ステレオに戻ります。

マルチポイント接続時の切り替えはスムーズですか?

業界最高レベルでスムーズです。
3台までの機器と同時接続でき、再生ボタンを押した側のデバイスに自動で切り替わります。切り替えにかかるタイムラグもほぼなく、例えば「PCで動画を見ている最中にスマホに着信があった」場合でも、自動で通話に切り替わります。手動で設定画面を開く必要はありません。

ノイズキャンセリングの強さは、SONYやBoseと比べてどうですか?

「最強の静寂」ならBose、「自然な静寂」ならTechnicsです。
正直に比較すると、ノイズキャンセリングの「絶対的な消音強度」だけで言えば、BoseのQuietComfort Ultra Earbudsなどがわずかに上回ります。しかし、BoseやSONYは「耳がツーンとする」圧迫感を感じる場合があります。 一方、EAH-AZ100は「圧迫感ゼロで、必要な音だけを自然に消す」というチューニングです。長時間つけていて疲れないのは圧倒的にTechnicsです。

ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?

はい、対応しています。
ケースを置くだけで充電できるQi(チー)規格に対応しています。ただし、ケース裏面の充電コイルの位置が特定の範囲にあるため、使用する充電器によっては少し位置合わせに慣れが必要な場合があります。有線充電(USB-C)ももちろん可能です。

タッチ操作の割り当ては自由に変更できますか?

はい、左右ともにフルカスタマイズ可能です。
専用アプリ「Technics Audio Connect」を使えば、「シングルタップ」「ダブルタップ」「トリプルタップ」「長押し」のすべてのアクションに対して、再生/停止、音量調整、ノイキャン切り替えなどを自由に割り当てられます。「長押しで即座に外音取り込み(アテンションモード)」といった設定も便利です。

イコライザー(EQ)で音質は細かく調整できますか?

かなり自由度が高いです。
プリセット(バスエンハンサー、クリアボイスなど)に加え、5バンドのグラフィックイコライザーで自分好みの音を作れます。元々の音質バランスが良いので「ダイレクト(EQなし)」が推奨ですが、低音をもっとブンブン鳴らしたい場合は「バスエンハンサー」やカスタムEQで低域を持ち上げると、磁性流体ドライバーがしっかり応えてくれます。

混雑した場所での接続安定性はどうですか?

業界トップクラスに途切れにくいです。
Technics独自のアンテナ構造により、Bluetoothの電波強度が非常に安定しています。新宿駅や渋谷のスクランブル交差点など、電波が飛び交う過酷な環境でLDAC接続(データ量が多い通信)を行っても、音飛びやブツブツ切れる現象はほとんど発生しませんでした。接続ストレスとは無縁と言っても過言ではありません。

屋外での通話時、風切り音(風のボボボ音)は気になりますか?

驚くほどカットされます。
Technics独自の通話音声処理技術「JustMyVoice」に加え、イヤホン本体のマイク構造が風を直接受けにくい設計になっています。さらにアプリで「風切り音低減」モードをONにすると、強風の日や自転車での移動中(※安全な場所での停車時に限る)でも、相手にはこちらの声だけがクリアに届きます。この処理能力はスマホのマイクで直接話すよりも優秀な場合があります。

ZoomやTeamsなどのWEB会議中、イヤホン操作で「マイクミュート」はできますか?

はい、可能です。
これが地味ながら最強の機能です。PC画面上のミュートボタンをクリックしなくても、イヤホンをタッチ(設定で割り当て可能)するだけでマイクのON/OFFが切り替えられます。 さらに、ミュート時には「ミュートしました」という音声ガイダンスが流れるため、「喋っているのにミュートだった」という事故も防げます。リモートワーカーには必須級の機能です。

寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?

仰向けなら快適ですが、横向きは少し厳しいです。
コンチャフィット形状により耳からの飛び出しは少ないため、仰向けで寝る分には枕に干渉せず非常に快適です。しかし、完全に耳の中に埋没するわけではないため、横向きで寝て耳を枕に押し付けると、さすがに圧迫感や痛みを感じます。睡眠導入用として使うなら、仰向けスタイル推奨です。

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Technics 「EAH-AZ100」レビューのまとめ

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最後に、EAH-AZ100を検討しているあなたへ、購入の決断を下すための判断材料をまとめます。

Technics EAH-AZ100のメリット・デメリット整理

メリット(買うべき理由)デメリット(注意点)
磁性流体ドライバーによる圧倒的な音場と低歪み価格が高い(約4万円)
長時間でも痛くならないコンチャフィット形状低音量感が増した分、フラット好きには重いかも
ビジネスレベルの強力なAI通話品質ケースのワイヤレス充電位置がややシビア
3台マルチポイント接続の圧倒的な利便性キレのあるドンシャリ好きには「上品すぎる」
物理的に小さく、装着時の見た目がスマート専用アプリの機能が多すぎて最初は迷うかも

EAH-AZ80から買い替えるべき人・ステイすべき人

  • 即買い替えるべき人:
    • より広い音場、ホールで聴くようなスピーカーライクな響きを求めている人。
    • AZ80の装着感にわずかでも不満(耳への圧迫感など)があった人。
    • 通話品質を極限まで高めたい、WEB会議が多いビジネスパーソン。
  • ステイすべき人(AZ80継続):
    • ボーカルが近い、モニターライクな分析的な音が大好きな人。
    • 現状のAZ80に何の不満もない人(AZ80も依然として現役トップクラスの性能です)。

ソニー・ゼンハイザーなど他社フラッグシップ機との立ち位置比較

  • SONY WF-1000XM5:
    ノイキャン性能は世界最高峰だが、音質はデジタル処理感が強く、装着感に癖がある。
  • Sennheiser MOMENTUM True Wireless 4:
    音質は素晴らしいが、マルチポイントの挙動や接続安定性、アプリの完成度でTechnicsに軍配が上がる。
  • Technics EAH-AZ100:
    音質・機能・接続安定性・装着感のすべてのバランスが最も高い水準でまとまっている「優等生中の天才」。弱点らしい弱点が見当たらない。

LE Audio・Auracast対応に見る「将来性」と「長く使える理由」

AZ100は次世代Bluetoothオーディオ規格「LE Audio」および「Auracast」に対応しています。

今はまだ普及途中ですが、今後、駅やジムのテレビ音声、空港のアナウンスなどを自分のイヤホンで直接受信できる「Auracast」が普及する未来がすぐそこまで来ています。

4万円払っても、この先数年は最前線で戦えるスペックを持っているため、長く愛用できることは間違いありません。
ファームウェアアップデートによる進化も期待できます。

【結論】価格(約4万円)に見合う価値はあるのか

間違いなく「あり」です。

毎日の通勤、仕事中の集中、リラックスタイムの音楽鑑賞。

これら全ての質を一段階、いや二段階引き上げてくれるガジェットはそう多くありません。

「高いイヤホンを買って後悔したくない」という人ほど、機能全部入りで音質にも妥協がなく、装着感も万人受けするEAH-AZ100を選ぶべきです。

Technics EAH-AZ100 レビューの総括

EAH-AZ100は、Technicsが長年積み上げてきた音響技術と、現代のライフスタイルに求められる機能性が見事に融合した傑作です。

「ただ音が良いだけ」の時代は終わりました。

これからは、「音が良くて、快適で、仕事にも使えて、未来の規格にも対応している」イヤホンが覇権を握ります。
その筆頭が、間違いなくこのEAH-AZ100です。

あなたの音楽生活をアップデートする準備はできましたか?
この感動と快適さは、ぜひあなたの耳で直接確かめてみてください。

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