「Ankerのイヤホンといえば、安くて高性能」 そんなこれまでの常識を覆す、Soundcoreシリーズの最新フラッグシップモデル「Soundcore Liberty 4 Pro」がついに登場しました。
これまでのコスパ重視の姿勢から一歩踏み出し、「Soundcore史上最高傑作」を目指して開発された本作。
しかし、価格は19,990円(税込)。
前作の『Liberty 4』から約5,000円アップし、ついに2万円の大台に乗りました。
ここで多くの人が抱く疑問はただ一つ。 「優秀な格安モデル(P40iやLiberty 4 NC)がある中で、あえて2万円を出してProを買う価値はあるのか?」 ということでしょう。
結論から申し上げますと、Liberty 4 Proは「機能全部入りイヤホンの新たな到達点」であり、Ankerが持てる技術(音質・ノイキャン・ギミック)を全て注ぎ込んだ意欲作であることは間違いありません。
しかし、万人に手放しでおすすめできるかと言うと、用途や予算によっては他の選択肢の方が賢い場合があるのも事実です。
この記事では、自称・Ankerマニアでありオーディオ好きの筆者が、Soundcore Liberty 4 Proを徹底的に使い倒して検証しました。
- 「ACAA 4.0」と「ウルトラノイズキャンセリング3.5」による実力差
- 充電ケースに搭載された「スクリーン」は本当に便利なのか?
- 旧作や競合モデルとの残酷なまでの比較
これらを、忖度なしの辛口視点も交えつつ、詳細にレビューしていきます。
Ankerの新しい挑戦が、あなたのライフスタイルに合うかどうか、ぜひ最後まで見届けてください。
- Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」の基本スペックと3つの進化点
- 【徹底比較】Liberty 4 Proは旧作・他モデルと何が違う?
- Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」の音質・ノイキャン・操作性の詳細レビュー
- Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」を使用した私の体験談・レビュー
- Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」に関するQ&A
- iPhoneでもハイレゾ音質(LDAC)で聴けますか?
- スポーツやジムでの運動中に使っても大丈夫ですか?
- ゲームや動画視聴時の音ズレ(遅延)は気になりますか?
- 片耳だけで使用することはできますか?
- 寝ながら使う(寝ホン)として使えますか?
- 2台同時接続(マルチポイント)はどのように動作しますか?
- 空間オーディオ(3Dオーディオ)はヘッドトラッキングに対応していますか?
- 万が一イヤホンを無くした際、「探す」機能はありますか?
- ぶっちゃけ、AirPods Pro 2と比べてどうですか?
- 会話すると自動で音楽が止まる機能(スピーク・トゥ・チャット)はありますか?
- Sonyの最高峰「WF-1000XM5」と比べてどうですか?
- Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」レビューのまとめ
Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」の基本スペックと3つの進化点

Soundcore Liberty 4 Proは、単なる「型番更新」のモデルではありません。
内部構造からソフトウェアのアルゴリズムに至るまで、Ankerのエンジニアリングチームが「現在できること」を全て詰め込んだ意欲作です。
ここでは、スペック表を見るだけでは伝わりにくい、3つの革新的な進化点について深掘りします。
構造が変わった!新技術「ACAA 4.0」による音質の変化
まず特筆すべきは、音質の要となるドライバー構造の刷新です。
Ankerはこれまでも「ACAA(同軸音響構造)」という、2つのドライバーを一直線上に配置する独自の特許技術を採用してきました。
これが今回、「ACAA 4.0」へとメジャーアップデートを遂げています。
デュアルドライバー構成の詳細
具体的には、以下の2つの異なる役割を持つドライバーが同軸上に配置されています。
- 10.5mm 低音域用ダイナミックドライバー
迫力ある重低音と、厚みのある中低音を担当。大口径ならではの空気感の震えを再現します。 - 4.6mm 中高音域用ダイナミックドライバー
チタンコーティング振動板を採用し、繊細なボーカルや金管楽器の煌びやかさを担当。
デジタルクロスオーバーテクノロジーの初採用
そして、ACAA 4.0の真髄は「デジタルクロスオーバーテクノロジー」の搭載にあります。
これは、高級スピーカーシステムでよく用いられる技術を、完全ワイヤレスイヤホンサイズに落とし込んだものです。
従来のイヤホンでは、1つの信号を物理的なフィルタ等で分けていましたが、Liberty 4 Proではデジタル処理によって「低音信号は低音ドライバーへ」「高音信号は高音ドライバーへ」と、極めて正確に音を振り分けています。
これにより、互いの音が干渉して濁ることがなくなり、「低音がズンズン鳴っているのに、ボーカルの声が一切埋もれずにクリアに聞こえる」という、魔法のような音響体験が可能になりました。
特に音が重なり合う複雑な楽曲(オーケストラや轟音ギターロック)で、その真価を発揮します。
静寂の極みへ。「ウルトラノイズキャンセリング3.5」の実力
Ankerのノイズキャンセリング技術は「ウルトラノイズキャンセリング」として進化を続けてきましたが、今回は一気に「Ver 3.5」へと到達しました。
気圧センサーがもたらす「飛行機モード」の革新
最大のトピックは、Anker製品として初めて「気圧センサー」を搭載したことです。
これまでのノイズキャンセリングイヤホンは、地上での騒音カットには優れていても、飛行機の離着陸時のような急激な気圧変化が起こる環境では、耳への圧迫感が増したり、ノイキャン効果が不安定になったりする弱点がありました。
Ver 3.5では、毎分180回の頻度で以下の3要素をリアルタイム検知します。
- 外部の騒音レベル
- イヤホンの装着状態(隙間がないか)
- 気圧の状態
これらを統合してアルゴリズムを調整することで、飛行機内のような特殊な環境でも、耳詰まり感を軽減しながら最大の静寂を作り出すことが可能になりました。
出張や旅行が多いユーザーにとっては、これだけで買い換える理由になり得る機能です。
充電ケースにスクリーン?進化した操作性と機能美
Liberty 4 Proのアイコンとも言えるのが、充電ケースに搭載された「スマートディスプレイ」です。
「イヤホンのケースに画面なんて必要か?」という懐疑的な意見もあるでしょう。
しかし、実際に触れると、そのギミックとしての完成度の高さに驚かされます。
スマホ不要で完結する操作
ケース手前にあるタッチバーをスライド、またはタップすることで以下の操作が可能です。
- バッテリー残量の詳細確認: 左右のイヤホン単体、およびケースの残量を%単位で表示。
- ノイズキャンセリング強度の調整: ダイヤルを回すようにバーをスライドさせ、NCの強さを1〜5段階で微調整。
- 空間オーディオの切り替え: 音楽モード、ムービーモードなどを即座に変更。
例えば、PCで作業中にスマホが手元にない場合や、スマホで別のアプリ(ゲームや動画)を開いていてSoundcoreアプリを立ち上げたくない場合に、ケースだけで設定変更が完結するのは非常にスマートです。
また、充電中はスクリーンにバッテリー残量が表示されるため、「あとどれくらいで満充電になるか」が一目瞭然なのも、地味ながら大きなメリットと言えます。
【徹底比較】Liberty 4 Proは旧作・他モデルと何が違う?

「性能が良いのは分かった。でも、本当に2万円出す必要があるの?」
この問いに答えるため、Ankerのラインナップ内での立ち位置を明確にします。
旧作『Liberty 4』、ノイキャン特化の『Liberty 4 NC』、そして高コスパ機『P40i』との違いを徹底的に洗い出しました。
vs Liberty 4:音質の傾向と機能性のバランス対決
前フラッグシップ『Soundcore Liberty 4』(約14,990円)との比較です。
| 比較項目 | Liberty 4 Pro | Liberty 4 (無印) | 勝敗・備考 |
| ドライバー | ACAA 4.0 (デジタルクロスオーバー) | ACAA 3.0 | Proの勝ち:解像度と音の分離感が向上 |
| ノイキャン | Ver 3.5 (気圧センサー) | Ver 2.0 | Proの圧勝:静寂の質が明らかに違う |
| ヘルスケア | 非搭載 | 搭載 (心拍モニタリング) | 無印の勝ち:Proではオミットされた機能 |
| 操作性 | 感圧 + スワイプ | 感圧のみ | Proの勝ち:音量調整がスワイプで快適 |
| ケース | スクリーン&タッチバー | スライド開閉 (LED演出) | 好みによるが機能性はPro |
Liberty 4(無印)は、ワークアウト中に心拍数を計測できるヘルスケア機能を搭載していましたが、Proではその機能が削除されました。
その分、音質とノイズキャンセリングという「イヤホンの本質」にコストを全振りした印象です。
音質の傾向も少し異なります。
無印は「元気で派手なドンシャリ」ですが、Proは「派手さは残しつつ、より繊細で大人びたチューニング」になっています。
音楽をじっくり聴き込むならProが優位です。
vs Liberty 4 NC:ノイキャン性能とコスパの比較
ノイズキャンセリング特化モデル『Soundcore Liberty 4 NC』(約12,990円)との比較です。
| 比較項目 | Liberty 4 Pro | Liberty 4 NC | 勝敗・備考 |
| ノイキャン | Ver 3.5 (気圧対応・リアルタイム検知) | Ver 3.0 | Proの微差勝ち:NC単体ならNCも優秀 |
| 音質 | 同軸デュアルドライバー | シングルドライバー | Proの圧勝:高音の伸びが全く違う |
| 再生時間 | ケース込み40時間 | ケース込み50時間 | NCの勝ち:バッテリーお化け |
| ハイレゾ | LDAC対応 | LDAC対応 | 引き分け |
Liberty 4 NCは、その名の通りノイズキャンセリング性能が非常に高く、Proと比較しても「騒音を消す」という点では肉薄しています。
しかし、決定的な差は「音質」です。
NCはシングルドライバーのため、低音は強いものの、高音域の解像度や音場の広がりにおいてProには及びません。
「静かになれば音質はそこそこでいい」ならNCが最強のコスパですが、「良い音で聴きたい」欲求があるなら、7,000円の差額を出してでもProを選ぶ価値があります。
vs Soundcore P40i:価格差1.2万円の価値はあるか?
現在Amazonランキング上位常連の『Soundcore P40i』(約7,990円)との比較です。
【圧倒的な「質感」の差】
P40iは1万円以下としては最高傑作ですが、Liberty 4 Proと並べると、どうしてもプラスチック感(チープさ)が目立ちます。
Proは鏡面仕上げやマットなケースの質感など、所有する喜びを感じさせるビルドクオリティです。
【機能面の差】
P40iのノイズキャンセリングは「必要十分」なレベルですが、地下鉄の走行音や風切り音に対してはProほどの遮断性はありません。
また、Proは5分の充電で4時間再生できる急速充電に対応していますが、P40iはそこまでの速度はありません。
「道具として使い倒すP40i」に対し、「嗜好品として楽しむLiberty 4 Pro」という棲み分けになります。
Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」の音質・ノイキャン・操作性の詳細レビュー

ここからは、実際に私がLiberty 4 Proを2週間毎日使用し、様々なシチュエーションで検証した結果をレポートします。
カタログスペックでは分からない「感覚的な部分」を中心にお伝えします。
音質評価:現代的なドンシャリの洗練とEQ活用のすすめ
試聴環境:iPhone 15 Pro(AAC接続)およびAndroid DAP(LDAC接続)
【全体的なサウンドキャラクター】
一言で言えば「Ankerサウンドの正統進化系」です。
Anker特有の、バスドラムがドスドスと響くパワフルな低音は健在。
しかし、ACAA 4.0の恩恵で、低音が中高音をマスクしてしまう(邪魔してしまう)現象が劇的に改善されています。
ボーカルが、分厚いベースラインの一歩前で歌っているような立体感を感じられます。
【ジャンル別相性】
- EDM・ヒップホップ(相性:◎): 文句なしに最高です。沈み込む重低音のキレが良く、ビートの圧を感じられます。
- 現代的なポップス(相性:○): YOASOBIやAdoのような音数が多い楽曲でも、各楽器の音が団子にならず分離して聞こえます。ただし、デフォルト設定だと高音が少し刺さるかもしれません。
- クラシック・ジャズ(相性:△〜○): 悪くはありませんが、原音忠実なフラットサウンドではないため、少し脚色された音に聞こえます。EQでの調整推奨です。
【LDAC接続時の変化】
Android端末でLDAC(ハイレゾコーデック)接続を行うと、明らかに音の粒立ちが細かくなります。
特にシンバルの余韻や、アコースティックギターの弦の響きなど、微細な音が「空気感」として伝わってくるようになります。
Androidユーザーは絶対にLDACをオンにすべきです。
ノイキャン評価:気圧センサー搭載で電車・飛行機はどう変わる?
ノイズキャンセリングの効果を、具体的なシチュエーションでテストしました。
【検証1:地下鉄の通勤ラッシュ】
効果は絶大です。
「ゴーッ」という低い轟音はほぼ無音化されます。
車内アナウンスもうっすら聞こえる程度まで減衰するため、音楽のボリュームを普段より2〜3段階下げても十分に楽しめます。
耳を守るという意味でも効果的です。
【検証2:カフェでの作業】
周囲の話し声や、食器がカチャカチャぶつかる音など、突発的な高音ノイズに対しても、従来のモデルより反応が良いと感じました。
完全に消えるわけではありませんが、「音が遠くなる」感覚です。
集中力が途切れにくくなるため、ノマドワーカーには強力な武器になります。
【検証3:強風時の屋外】
風切り音低減機能が自動で働くため、「ボボボボ」という不快な風切り音もかなり抑制されます。
これは散歩中にポッドキャストを聴く際に非常にありがたいポイントでした。
ケース機能と操作性:スクリーンの利便性と感圧&スワイプの使用感
【感圧+スワイプのハイブリッド操作】
個人的に最も評価したいのが、イヤホン本体の操作系です。
前作の「つまんで操作(感圧式)」に加え、軸を上下になぞる「スワイプ操作」が追加されました。
- つまむ: 物理的なクリック感(擬似的な音)があるため、確実に押したことが分かります。誤操作が起きにくいです。
- スワイプ: 音量調整に割り当てられています。スマホを取り出さずに、耳元でサッとなぞるだけで微調整ができるのは、満員電車などで非常に便利でした。
【スクリーンの実用性】
ケースのスクリーンは、最初は面白がって使っていましたが、慣れてくると「確認用」としての役割がメインになりました。
「充電できているかな?」と不安な時に、ケースを少し動かすだけで残量が表示される安心感。
そして、カメラのリモートシャッターとしても使える機能(ケースのタッチバーを押すとスマホのシャッターが切れる)は、集合写真を撮る際に意外な活躍を見せました。
ニッチですが、Ankerらしい遊び心です。
Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」を使用した私の体験談・レビュー

スペックや機能紹介だけでは伝わらない、私の個人的な「生活の中での体験」を赤裸々に綴ります。
良い点だけでなく、気になった点も正直に書きます。
開封とデザイン:高級感の有無とケースサイズの第一印象
パッケージは、これまでのSoundcoreシリーズとは一線を画す「プレミアム感」のあるデザインでした。
箱を開けると、プラスチックフリーのエコな梱包材の中に、まるで宝石のようにイヤホンが鎮座しています。
私が選んだ「ミッドナイトブラック」は、深みのある黒で、指紋は少し目立ちやすいものの、高級ガジェットとしての風格は十分です。
ただ、ケースのサイズ感には少し戸惑いました。
Liberty 4(無印)やP40iと比べると、明らかに一回り大きいです。
スクリーンを搭載した分、厚みも増している印象。スキニーパンツのポケットに入れると、ボコッと膨らんでしまうレベルです。
「世界最小クラス」を謳うイヤホンが多い中で、このサイズアップは逆行しているようにも思えますが、高機能とのトレードオフと割り切れるかどうかがポイントになりそうです。
装着感の検証:他社製イヤーピースとの相性とフィット感
イヤホン本体の形状は、人間工学に基づいたデザインで、私の耳には完璧にフィットしました。
2時間ほど映画を観続けましたが、耳が痛くなることはありませんでした。
【他社製イヤーピースへの交換について】
オーディオ好きとして気になるのが、「お気に入りのイヤーピースが使えるか」です。
結論から言うと、「軸が短いタイプ(TWS専用設計)」なら概ねOKですが、一般的な有線イヤホン用のものはケースに干渉します。
- AZLA SednaEarfit Crystal for TWS: 装着可能。ケースの蓋も閉まり、充電もOK。
- SpinFit CP360: 装着可能。
- 一般的なSonyハイブリッドイヤーピースなど: 軸が長いため、ケースの底に当たり、充電接点が浮いてしまうことがありました。
ケースの収納スペース(くぼみ)は比較的広めに取られていますが、深さはあまりないため、イヤーピース交換を考えている方は「TWS用(ショートタイプ)」を選ぶ必要があります。
通勤ラッシュでの実力テスト:走行音の遮断性と接続安定性
毎朝の満員電車(都内某線)での使用感です。
ノイズキャンセリングを「最大」にし、音楽を再生し始めると、周囲の殺伐とした空気が一変し、自分だけのプライベート空間になります。
特に、動画視聴時の没入感が素晴らしい。
電車の走行音に邪魔されず、セリフがはっきりと聞き取れるため、字幕なしでもドラマを楽しめました。
接続安定性についても、新宿駅の乗り換え改札付近など、電波が飛び交う過酷なエリアでも試しましたが、音途切れは一度も発生しませんでした。
Bluetooth 5.3の恩恵か、アンテナ設計の優秀さを感じます。
Web会議と通話品質:クリアなマイク性能はビジネスで使えるか
私は普段、ライターとしてWeb会議に参加する機会が多いのですが、Liberty 4 Proは仕事道具としても極めて優秀です。
【マルチポイント接続の速さ】
PCとスマホの2台同時接続(マルチポイント)に対応していますが、特筆すべきはその切り替えの速さです。
PCでYouTubeを見ていて、スマホに着信があった際、ほぼ瞬時に音声が切り替わります。
競合機種(P40iなど)では数秒のラグを感じることがありましたが、Liberty 4 Proは約1秒程度でシームレスに移行します。
このストレスのなさは、仕事の効率に直結します。
【マイク性能】
Zoom会議の録音を後で聞き返してみましたが、私の声は非常にクリアで、まるでPCの前に高性能なUSBマイクを置いているかのような音質でした。
ノイズリダクション機能が優秀で、キーボードを叩く音(打鍵音)も相手にはほとんど聞こえていなかったようです。
ここが惜しい!正直に感じるデメリットと改善点
絶賛してきましたが、2週間使って感じた「惜しい点」も隠さずに共有します。
- デフォルトの音質バランス(高音の刺さり)
開封直後の状態でロック系の曲を聴いた際、シンバルの音が「シャリシャリ」としすぎて耳が痛く感じることがありました。
ドライバーのエージング(慣らし運転)で多少マイルドにはなりますが、初期設定では高音が強めです。
「HearID」で自分の耳に合わせた調整を行うことは必須だと感じました。 - ケースのスクリーンへの指紋付着
スクリーン部分は光沢仕上げのため、操作するたびに指紋がベタベタと付きます。
綺麗好きの方は、こまめに拭きたくなるかもしれません。 - 外音取り込みの自然さ
AirPods Pro 2のような「イヤホンをしていないかのような圧倒的な自然さ」には、あと一歩及びません。
十分に会話はできますが、やはりマイクで拾った音というデジタル感は残ります。
また、静寂な場所でのホワイトノイズ(サーッという音)もわずかに気になりました。
体験談の総括
総じて、Soundcore Liberty 4 Proを使って感じたのは「所有する満足感」と「頼もしさ」です。
通勤中は最強の耳栓になり、仕事中は優秀なヘッドセットになり、リラックスタイムには高音質スピーカーになる。
これ一台あれば、日常のあらゆるシーンが高品質にアップデートされます。
確かに、ケースのサイズや高音の癖など、細かい不満点はあります。
しかし、それを補って余りあるほどの「多機能性」と「基本性能の高さ」がこの製品には詰まっています。
「これさえ持っていれば大丈夫」と思わせてくれる、まさに全部入りの王道イヤホンだと確信しました。
Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」に関するQ&A

Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
iPhoneでもハイレゾ音質(LDAC)で聴けますか?
いいえ、iPhoneはLDACコーデックに対応していないため、AAC接続となります。 ただし、Liberty 4 Pro自体のドライバー性能(ACAA 4.0)が高いため、AAC接続でもiPhone純正イヤホン以上の高音質・高解像度で音楽を楽しむことができます。LDACはAndroid端末や専用のDAP(デジタルオーディオプレイヤー)で使用可能です。
スポーツやジムでの運動中に使っても大丈夫ですか?
はい、問題ありません。 本機は「IP55」の防水・防塵規格に対応しています。前作(IPX4)よりも防塵性能が追加されており、汗や小雨はもちろん、砂埃が舞うような屋外でのランニングでも安心して使用できます。ただし、完全防水ではないため、お風呂やプールでの使用は避けてください。
ゲームや動画視聴時の音ズレ(遅延)は気になりますか?
通常モードでもYouTubeなどの動画視聴ではズレはほぼ気になりません。 FPSゲームや音ゲーなど、シビアなタイミングが求められる場合は、アプリから設定できる「ゲームモード」の使用を推奨します。遅延が大幅に短縮され、快適にプレイできます。
片耳だけで使用することはできますか?
はい、左右どちらか片方だけでも使用可能です(モノラルモード)。 片方をケースに入れたまま、もう片方だけで通話や音楽再生ができるため、周囲の音を聞きながら作業したい時や、バッテリーを節約したい時に便利です。
寝ながら使う(寝ホン)として使えますか?
あまりおすすめしません。 スティック型の形状であり、イヤホン本体に厚みがあるため、横向きに寝ると耳が圧迫されて痛みを感じる可能性があります。また、感圧センサーやタッチバーが枕に触れて誤操作する可能性もあります。
2台同時接続(マルチポイント)はどのように動作しますか?
PCとスマホなど、2台のデバイスに同時にBluetooth接続できます。 例えば、PCでYouTubeを見ている最中にスマホに着信があると、自動的にスマホの通話音声に切り替わります。手動で設定画面を開き直す必要がないため、デスクワークには必須の機能です。ただし、2台の音を「同時に(ミックスして)」流すことはできません。
空間オーディオ(3Dオーディオ)はヘッドトラッキングに対応していますか?
はい、対応しています。 イヤホン単体で処理を行うため、iPhoneやAndroid、PCなどデバイスを問わず利用可能です。「音楽モード」や「ムービーモード」でヘッドトラッキングをオンにすると、顔の向きに合わせて音の聞こえる方向が変わり、まるでスピーカーで聴いているような臨場感を味わえます。
万が一イヤホンを無くした際、「探す」機能はありますか?
Soundcoreアプリ独自の「デバイスを探す」機能があります。 Bluetooth接続範囲内にイヤホンがある場合、アプリ操作でイヤホンから大きな高音(ビープ音)を鳴らして場所を知らせることができます。ただし、Appleの「探す」アプリやGoogleの「デバイスを探す」ネットワークには対応していません。
ぶっちゃけ、AirPods Pro 2と比べてどうですか?
「自然さ」と「連携」ならAirPods Pro 2、「音の楽しさ」と「コスパ」ならLiberty 4 Proです。 ノイズキャンセリングと外音取り込みの自然さは、依然としてAirPods Pro 2が世界最高峰です。しかし、Liberty 4 Proはその半額以下の価格でありながら、バッテリー持ち、LDAC対応(ハイレゾ)、ケースの機能性においてはAirPodsを上回っています。iPhoneユーザーであっても、コストを抑えたいなら有力な選択肢です。
会話すると自動で音楽が止まる機能(スピーク・トゥ・チャット)はありますか?
はい、「会話検知(Easy Chat)」機能が搭載されています。 この機能をオンにすると、自分が話し始めた声を検知して、自動的に音楽の音量を下げ、外音取り込みモードに切り替わります。コンビニのレジや、ちょっとした挨拶の際にイヤホンを外す必要がないため非常に便利です。検知感度もアプリで調整可能です。
Sonyの最高峰「WF-1000XM5」と比べてどうですか?
音質の「自然さ」とノイキャンの「絶対的な静寂」では、価格が倍近く違うWF-1000XM5(約4万円)に軍配が上がります。 しかし、WF-1000XM5はイヤホン本体が滑りやすく取り出しにくいという弱点がありますが、Liberty 4 Proはスライドケースで取り出しやすく、操作性も直感的です。「4万円の85〜90%の性能を2万円で買える」と考えれば、Liberty 4 Proのコスパは異常に高いと言えます。
Anker 「Soundcore Liberty 4 Pro」レビューのまとめ

長くなりましたが、Soundcore Liberty 4 Proのレビューをまとめます。
果たして、2万円を払う価値はあるのか? 結論を出します。
メリットの総括:圧倒的な機能性と静寂体験
- ACAA 4.0 & デジタルクロスオーバー: 立体感と解像度が段違いの音質体験。
- NC 3.5 & 気圧センサー: 電車や飛行機でも快適な、最強クラスの静寂。
- スクリーン搭載スマートケース: ガジェット心をくすぐるだけでなく、実用的なステータス確認が可能。
- 5分で4時間再生: 朝の準備中に充電するだけで一日使える驚異の急速充電。
- ビジネスレベルのマイク品質: マルチポイント切り替えも爆速でストレスフリー。
デメリットの総括:価格上昇と機能の必要性
- 価格(約2万円): コスパ最強ブランドのAnkerとしては高価な部類。
- 携帯性: ケースが一回り大きく、厚みがある。
- 高音の調整: デフォルトでは鋭すぎる場合があり、アプリでのEQ調整が前提。
- 外音取り込み: 実用的だが、Apple製品ほどの自然さはない。
おすすめできる人:Ankerの最高技術を体感したい方
- 「Ankerのイヤホンが好きだが、もっと良い音が聴きたい」 と感じている既存ユーザー。
- 電車通勤や出張(飛行機・新幹線)が多く、強力なノイズキャンセリングを最優先したい人。
- Web会議と音楽鑑賞を一台で高レベルにこなしたいビジネスパーソン。
- 充電ケースのスクリーンなど、新しいテクノロジーやギミックにワクワクする人。
おすすめできない人:コスパ最優先・音質超こだわり派
- 「イヤホンに2万円は高い、1万円以下で十分」と考える人(Soundcore P40iがベストバイです)。
- ノイズキャンセリングさえ強ければ、音質にはそこまでこだわらない人(Liberty 4 NCで幸せになれます)。
- 味付けのない、モニターライクな原音忠実サウンドを好むオーディオマニア(有線イヤホンか、他社製モニターモデルを検討すべきです)。
競合製品との最終的な選び分けガイド
最後に、迷っている方への選び分けチャートです。
- 予算を抑えつつ、全部入り機能が欲しい 👉 Soundcore P40i (約7,990円)
- とにかく騒音を消したい!バッテリー持ち最優先 👉 Soundcore Liberty 4 NC (約12,990円)
- ヘルスケア機能(心拍測定)を使ってみたい 👉 Soundcore Liberty 4 (約14,990円)
- 予算2万円で、音質・ノイキャン・機能の全てで妥協したくない 👉 Soundcore Liberty 4 Pro (約19,990円)
総評:機能全部入りイヤホンの新たな到達点
Soundcore Liberty 4 Proは、Ankerがこれまでの「安くて良い」という殻を破り、「高くても欲しい」と思わせる製品作りに挑戦した意欲作です。
同価格帯(2万円前後)を見渡しても、ここまで多機能で、かつ基本性能(音質・NC)が高いレベルでまとまっている製品は稀有です。
SonyやAppleのハイエンド機(3〜4万円台)と比較しても、8〜9割の性能を半額程度で実現していると考えれば、実はこの価格でも「コスパは高い」と言えるかもしれません。
もしあなたが、今のイヤホンの音質やノイズキャンセリングに少しでも物足りなさを感じているなら、Liberty 4 Proへの投資は間違いなく正解です。
毎日の通勤時の音楽が、そして仕事中の集中タイムが、ワンランク上の体験へと変わることをお約束します。


