2024年、イヤホン市場にまた一つ革新的なモデルが登場しました。
Bowers & Wilkins(バウアーズ&ウィルキンス)の最新完全ワイヤレスイヤホン「Pi8」です。
オーディオの世界では名門ブランドとして知られるBowers & Wilkinsが、約6万5千円という高価格帯で送り出すこの製品は、ただのイヤホンではありません。
まるでプロフェッショナル仕様のオーディオ機器が小さな筐体に凝縮されたかのような逸品です。
近年、イヤホン市場では「コスパ」の高い製品が多く登場していますが、Bowers & Wilkinsはその流れとは一線を画し、最高級の音質とデザインを追求する姿勢を貫いています。
「Pi8」は、まさにその象徴とも言えるモデルです。
この記事ではは、この「Pi8」の特徴を細かく掘り下げ、他のモデルとの比較や実際の使用感についても詳しく解説していきます。
価格に見合った価値があるのか、その答えを見つけてみてください。
Bowers & Wilkins 「Pi8」の概要
Bowers & Wilkins 「Pi8」は、同社の最新フラッグシップモデルとして登場した完全ワイヤレスイヤホンです。
「Pi7S2」の成功を基に、さらに進化した音質と機能性を備え、オーディオファンや音質重視のユーザーに向けて開発されました。
ここでは、「Pi8」の主な特徴と技術的進化、デザイン、内部構成について詳しく解説します。
「Pi7S2」からの進化点
「Pi8」は、前作の「Pi7S2」から大幅な進化を遂げています。
最大の違いは、ドライバー構成と音質処理の仕組みにあります。
「Pi7S2」は、ハイブリッド型のドライバー構成を採用しており、異なるサイズのドライバーを組み合わせて音域ごとに最適なサウンドを提供していました。
一方、「Pi8」では12mmカーボンコーティングドライバーを1基のみ搭載することで、よりシンプルでありながらも高音質を実現しています。
このドライバーは、同社のハイエンドヘッドホン「PX8」にも採用されているもので、音質面での大きな飛躍を象徴しています。
さらに、「Pi8」はディスクリート構成と呼ばれる技術を採用しています。
この技術によって、音を処理するDSP(デジタル信号プロセッサ)、DAC(デジタルアナログコンバーター)、アンプが個別に設置され、各パーツが最適化されています。
これにより、従来の一体型チップとは異なり、より高い精度で音質を追求することが可能となりました。
「Pi8」のデザインとカラーバリエーション
「Pi8」のデザインは、洗練されたエレガントな外観が特徴です。
前作の「Pi7S2」と比べると、ケースや本体の形状が大きく変わり、よりコンパクトでシンプルなスタイルになっています。
ケースのデザインは、高級感を漂わせる仕上げで、前面にBowers & Wilkinsのロゴが入った控えめなバンドがアクセントとなっています。
さらに、筐体の素材や仕上げにもこだわりが感じられ、上品な質感が手に伝わります。
カラーバリエーションも豊富で、クラシックなブラック、エレガントなホワイト、そして落ち着いたネイビーやグリーンなど、ユーザーの好みに合わせた選択が可能です。
これらの色は、それぞれ異なる印象を与え、どれを選んでも高級感が損なわれることはありません。
特にホワイトは、上品でありながらも飽きのこない絶妙な色味が特徴で、特別な場面でも使用できるデザインです。
搭載技術と内部構成
「Pi8」の最大の特徴は、その内部構成にあります。
ディスクリート構成を採用することで、従来のワイヤレスイヤホンでは難しかった音質の向上を実現しています。
通常、イヤホン内部の音質処理チップは、複数の機能を一つのチップに統合していますが、「Pi8」ではそれぞれの機能が独立したチップに分かれています。
これにより、DSP、DAC、アンプなどが個別に最適化され、音質の向上に寄与しています。
具体的には、DSPがデジタル信号を高精度で処理し、DACがその信号をアナログに変換、そしてアンプがその信号を増幅して耳に届けるという流れです。
この一連のプロセスが、通常の一体型チップよりもはるかに高精度で行われるため、音の細部までクリアに再現され、スタジオでの録音そのままの音が体感できるようになります。
さらに、「Pi8」は高音質コーデックであるaptX AdaptiveやaptX Losslessに対応しており、対応デバイスと組み合わせることで、ワイヤレスでも驚異的な音質を楽しむことができます。
特に、iPhoneのようにaptX系コーデックに対応していないデバイスでも、トランスミッター機能を使うことで高音質を実現できる点は、他にはない強みです。
これらの要素が組み合わさり、「Pi8」はワイヤレスイヤホンの中でも突出した音質と機能性を持つ製品として位置付けられています。
Bowers & Wilkins 「Pi8」の高音質実現の特徴
Bowers & Wilkins 「Pi8」の音質は、同社が誇るオーディオ技術の集大成とも言える品質で、多くのオーディオファンから高い評価を受けています。
特に、「Pi8」が提供する音の広がり、解像度、バランスは、他のワイヤレスイヤホンと一線を画すレベルです。
このセクションでは、「Pi8」の音質に影響を与える主要な要素について詳しく説明します。
12mmカーボンドライバーの効果
「Pi8」の音質を語る上で欠かせないのが、12mmカーボンドライバーの存在です。
このドライバーは、Bowers & Wilkinsのハイエンドヘッドホン「PX8」と同じ技術が投入されており、非常に高い解像度と音の広がりを実現しています。
カーボンコーティングされたドライバーは、音の振動を極めて正確に再現するため、クリアで歪みの少ない音を提供します。
特に、「Pi8」のドライバーは一基のみで構成されており、これが音の一貫性と繋がりを確保しています。
従来のハイブリッド型ドライバーとは異なり、音域ごとにドライバーを分けることなく、一つのドライバーで全ての音域をカバーするため、音の繋がりが非常にスムーズで、聴いていて違和感がありません。
これにより、特に中高音域において、楽器やボーカルのディテールが非常に豊かに表現されます。
ディスクリート構成による音質の違い
「Pi8」の内部構成は、ディスクリート(独立型)構成を採用しており、これが音質に大きな影響を与えています。
通常のワイヤレスイヤホンでは、DSP(デジタル信号プロセッサ)、DAC(デジタルアナログコンバーター)、アンプなどが一つのチップに統合されていますが、Pi8ではこれらの機能が個別のチップに分かれて配置されています。
このディスクリート構成により、各機能が最高のパフォーマンスを発揮できるように最適化されています。
具体的には、DSPがデジタル信号を高精度で処理し、DACがその信号をアナログに変換、アンプがその信号を増幅するというプロセスが非常にスムーズに行われます。
この結果、音の精度が高まり、スタジオで録音された原音に忠実なサウンドが再現されます。
特に、ディスクリート構成は、通常のチップ統合型に比べて音質の向上が顕著であり、細かい音のニュアンスや音場の広がり、そして音のリアルな質感が感じられるようになります。
これにより、リスナーはまるで目の前で演奏が行われているかのような没入感を得ることができます。
高音質コーデック対応とその効果
「Pi8」は、高音質コーデックであるaptX AdaptiveおよびaptX Losslessに対応しており、ワイヤレスでありながらも非常に高い音質を提供します。
aptX Adaptiveは、音質と接続の安定性を両立させるために、使用環境に応じてビットレートを自動調整する機能を持っています。
これにより、接続が安定している場合は高音質を、接続が不安定な場合は途切れの少ない音声を提供します。
さらに、aptX Losslessは、ハイレゾ相当の音質をワイヤレスで実現するためのコーデックです。
これにより、CD品質を超える高解像度の音楽を楽しむことができます。
特に、対応デバイスと組み合わせた際には、他のワイヤレスイヤホンでは得られないようなクリアでダイナミックなサウンドを体験することができます。
また、「Pi8」にはトランスミッター機能が搭載されており、aptX系の高音質コーデックに対応していないiPhoneやGalaxyなどのデバイスでも、この機能を利用することで高音質を楽しむことが可能です。
この機能により、通常は対応していないデバイスでも、最大限の音質で音楽を楽しむことができるのは、オーディオファンにとって非常に魅力的なポイントです。
これらの技術が組み合わさることで、「Pi8」はワイヤレスイヤホンの中でもトップクラスの音質を実現しており、音楽の細部まで楽しむことができる製品となっています。
Bowers & Wilkins 「Pi8」の 音質の印象
Bowers & Wilkins 「Pi8」は、音域ごとに非常にバランスが取れた音質を提供します。
ここでは、低音域、中音域、高音域のそれぞれについて、「Pi8」がどのようなサウンドを実現しているかを詳しくレビューします。
高音域
「Pi8」の高音域は、非常に優れたパフォーマンスを発揮します。
広がりのあるクリアな高音は、シンバルや弦楽器の繊細な音を美しく再現します。
特に、トランペットやバイオリンなどの高音域の楽器の表現力が豊かで、伸びやかでありながらも刺々しさを感じさせない滑らかなサウンドが特徴です。
また、ディスクリート構成による高精度な音質処理が効果を発揮し、細かな音のニュアンスや余韻までしっかりと再現します。
高音域が際立ちすぎることなく、全体のバランスの中で調和しながらも、必要なときにはしっかりと主張してくる、そんな高音域の表現がPi8の魅力です。
中音域
「Pi8」の中音域は非常にクリアで、豊かなディテールを持っています。
特に、ボーカルやアコースティック楽器の表現が素晴らしく、自然でありながらも前に出すぎない絶妙なバランスが取られています。
ボーカルの声の質感や、ギター、ピアノなどの楽器の響きがとてもリアルに再現され、まるでスタジオ録音の空気感をそのまま耳に届けるかのようです。
また、ミッドレンジの表現がしっかりしているため、オーケストラや合唱曲でも各パートが明確に分離され、複雑な音楽構造も楽しめます。
特に、ボーカルが埋もれることなく、全体のサウンドバランスの中でしっかりと存在感を示している点が秀逸です。
低音域
低音域においても、深みとパワーを兼ね備えたサウンドを提供します。
12mmカーボンドライバーの効果により、低音が力強く、しっかりとした土台を築いていますが、決して過剰ではなく、他の音域を圧倒することはありません。
低音はタイトで制御されており、特にベースやバスドラムの音が正確に再現され、音楽のリズムをしっかりと支えます。
特にクラシック音楽やジャズにおいては、コントラバスやティンパニの音が豊かに広がり、ホールの空気感まで伝わってくるようなリアルな低音が楽しめます。
また、EDMやロックでも、グルーヴ感を失わず、バランスの取れた低音域を提供します。
音質の総評
「Pi8」は、低音域、中音域、高音域のすべてにおいてバランスが取れており、それぞれの音域が独立しつつも相互に補完し合うことで、非常に豊かなサウンド体験を提供します。
これにより、どのジャンルの音楽でも、その楽曲が持つ本来の魅力を最大限に引き出すことができます。
特に、音楽のディテールを楽しみたいオーディオファンにとって、「Pi8」は最高の選択肢となるでしょう。
Bowers & Wilkins 「Pi8」のその他の機能
Bowers & Wilkins 「Pi8」は、音質だけでなく、その機能性においても高いレベルを誇ります。
ここでは、「Pi8」が備えているその他の注目すべき機能について詳しく解説します。
特に、トランスミッター機能、ノイズキャンセリングと外音取り込み機能、そしてマルチポイント接続や操作性について説明します。
トランスミッター機能の利便性
「Pi8」にはユニークなトランスミッター機能が搭載されています。
通常、ワイヤレスイヤホンはスマートフォンやオーディオ機器とBluetoothで接続して音楽を再生しますが、この際に利用されるコーデック(音声圧縮方式)は、デバイスの種類によって制限があります。
特に、iPhoneなどのApple製品はaptXコーデックに対応していないため、対応デバイスと比べて音質が劣ることが一般的です。
しかし、「Pi8」ではこの問題を解決するために、ケース自体をトランスミッターとして利用できる機能を搭載しています。
具体的には、スマートフォンや音楽再生デバイスと「Pi8」のケースをUSBケーブルで有線接続し、ケースとイヤホン本体をBluetoothで接続するという仕組みです。
この方法を使用することで、たとえスマートフォンがaptXに対応していなくても、aptX AdaptiveやaptX Losslessなどの高音質コーデックを利用して音楽を再生することができます。
この機能は、特に飛行機の中や、音質にこだわるシチュエーションで大いに役立ちます。
例えば、飛行機内のエンターテインメントシステムと「Pi8」のケースを有線で接続し、ワイヤレスで高音質の音楽や映画を楽しむことが可能です。
これは、オーディオファンや出張が多いビジネスユーザーにとって非常に魅力的な機能です。
ノイズキャンセリングと外音取り込み機能
「Pi8」には、現代のワイヤレスイヤホンでは欠かせない機能であるアクティブノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み機能が搭載されています。
これらの機能は、日常生活や通勤、旅行など、さまざまな環境で快適に音楽を楽しむために重要です。
まず、ノイズキャンセリング機能ですが、「Pi8」のANCは特に低音域のノイズを効果的にカットする設計になっています。
電車の走行音や飛行機のエンジン音といった低周波ノイズを抑え、静寂を提供します。
このため、音楽の細部までクリアに聞き取ることが可能です。特に音楽再生中は、ノイズキャンセリング効果が一層強調され、外界の音をほとんど気にせずに集中して聴ける環境が整います。
ただし、「Pi8」のノイズキャンセリングは、中音域から高音域のノイズに対してはやや弱めで、人の声やアラーム音などは完全には遮断されません。
しかし、これはむしろ安全面を考慮した設計とも言え、外部の音が全く聞こえなくなるわけではないため、通勤や街中での使用時にも安心して使うことができます。
一方、外音取り込み機能は、イヤホンを装着したまま外部の音を自然に取り込むことができます。
これは、左側のイヤホンを長押しすることで簡単に切り替えが可能で、音楽を聴きながらでも周囲の音を認識できるため、例えば駅のアナウンスや車の接近音などを聞き逃す心配がありません。
特に、外音取り込みモードの精度が向上しており、会話や環境音を自然に取り込むことができます。
これにより、イヤホンを外すことなく周囲の音を聞き取ることができ、利便性が大幅に向上しています。
マルチポイント接続と操作性
「Pi8」はマルチポイント接続にも対応しており、複数のデバイスを同時に接続することができます。
例えば、スマートフォンとPCを同時に接続しておけば、スマートフォンで音楽を聴きながら、PCからの通知や着信にも即座に応答することが可能です。
この機能により、デバイス間の切り替えがシームレスに行え、ストレスフリーな使用感が得られます。
さらに、「Pi8」の操作性も非常に優れています。
タッチコントロールを採用しており、再生・停止、曲送り、曲戻し、ノイズキャンセリングのオン/オフなどが直感的に操作できます。特に感度が絶妙で、誤操作が少なく、使いやすさが際立っています。
また、左側のイヤホンを長押しすることで、外音取り込み機能に切り替えることができる点も便利です。
しかし、操作のカスタマイズ性に関しては、若干の制限があります。
タッチコントロールの設定は左右で個別にカスタマイズすることはできず、左右同じ操作が割り当てられる仕様になっています。
例えば、左側でノイズキャンセリングの切り替え、右側で音量調整を行いたいという場合に、両方を一括で設定しなければならないため、カスタマイズの自由度はやや低いと感じるかもしれません。
また、「Pi8」は防塵・防水性能も備えており、IP54相当の耐久性を持っています。
これにより、多少の雨や汗でも安心して使用できるため、アウトドアでの使用にも適しています。
総じて、「Pi8」は音質だけでなく、その機能性も非常に高く、様々なシチュエーションで最大限のパフォーマンスを発揮できるイヤホンとなっています。
Bowers & Wilkins 「Pi8」の他製品との比較
Bowers & Wilkins 「Pi8」は、価格帯や音質、機能性において非常に高いレベルを誇る完全ワイヤレスイヤホンです。
ここでは、「Pi8」を前作の「Pi7S2」および同価格帯の他社製品と比較し、それぞれの強みや違いについて詳しく解説します。
「Pi7S2」との比較
まず、Bowers & Wilkinsの前作である「Pi7S2」との比較です。
「Pi7S2」は、ハイブリッド型ドライバーを採用し、大小異なるドライバーを組み合わせることで、音域ごとに最適なサウンドを提供していました。
この構成により、特に中高音域において豊かな音場が実現されていました。
一方、「Pi8」は12mmカーボンコーティングドライバーを1基のみ搭載し、よりシンプルかつ洗練された音質を追求しています。
このドライバーの変更により、音の繋がりが非常にスムーズになり、より一貫した音のバランスが実現されています。
特に、全体的な音場の広がりと、音のディテールが「Pi7S2」と比べて大幅に向上しており、細かな音のニュアンスや空気感までも再現する能力が高まっています。
また、「Pi8」はディスクリート構成を採用し、DSP、DAC、アンプが独立して配置されています。
これにより、各パーツが最適化され、より高精度な音質が実現されています。
「Pi7S2」は、これらの機能が一体型チップに統合されていたため、Pi8と比べると音質の精度や繊細さで劣る点がありました。
他社製品との比較
次に、「Pi8」を他社製品と比較してみます。
この価格帯で競合する製品としては、Sonyの「WF-1000XM5」やSennheiserの「Momentum True Wireless 4」、「AppleのAirPods Pro」(第2世代)などが挙げられます。
Sony 「WF-1000XM5」との比較
「WF-1000XM5」は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)性能において業界トップクラスの評価を受けており、特に低音域のノイズキャンセリング効果が非常に高いです。
また、「WF-1000XM5」は、DSEE Extremeや360 Reality Audioといった独自の音響技術を搭載しており、音質面でも非常に優れています。
しかし、「Pi8」は音質のクオリティにおいて、特に中高音域の繊細さと音場の広がりで優れています。
「WF-1000XM5」はANCの性能が特に際立っていますが、音質においては「Pi8」の方がよりディテールが豊かで、音楽の細部まで楽しむことができると感じるユーザーも多いでしょう。
また、「Pi8」のトランスミッター機能は、Sony製品にはないユニークな特徴であり、特に音質にこだわるユーザーにとっては魅力的なポイントです。
Sennheiser 「Momentum True Wireless 4」との比較
Sennheiserの「Momentum True Wireless 4」との比較です。
Momentumシリーズは、音質に特化した製品として非常に高い評価を得ています。
特に、低音域の力強さと中音域のクリアさが特徴的で、全体的にバランスの取れたサウンドを提供します。
「Momentum True Wireless 4」は、aptX Adaptiveに対応しており、音質面でも優れたパフォーマンスを発揮します。
「Pi8」と「Momentum True Wireless 4」を比較すると、「Pi8」の方が中高音域の繊細さや音の広がりにおいて優れている点が挙げられます。
また、ディスクリート構成による高精度な音質処理や、トランスミッター機能などの独自技術により、「Pi8」はより一歩進んだ音質体験を提供します。
特に、クラシック音楽やジャズなど、音のディテールを楽しみたいユーザーには、Pi8がより適していると感じられるでしょう。
Apple 「AirPods Pro」との比較
最後に、Appleの「AirPods Pro」との比較です。
「AirPods Pro」は、Apple製品とのシームレスな連携が最大の特徴であり、操作性や利便性の面で非常に高い評価を得ています。
また、空間オーディオやAdaptive EQなどの機能により、ユーザーにパーソナライズされた音響体験を提供します。
しかし、音質面においては、「Pi8」の方がよりクリアで高精度な音を提供します。
AirPods Proは利便性や機能性に優れていますが、音質に関しては「Pi8」が圧倒的に優れています。
特に、ディスクリート構成や12mmカーボンドライバーを搭載した「Pi8」は、音楽の細部まで忠実に再現し、プロフェッショナルレベルの音質を提供します。
総じて、「Pi8」は他社の人気製品と比較して、音質面で圧倒的な優位性を持っていることが分かります。
特に音の繊細さや広がり、トランスミッター機能による対応力など、他製品にはない独自の魅力が詰まっています。
これにより、「Pi8」は音質に徹底的にこだわるユーザーにとって、最適な選択肢のひとつとなるでしょう。
Bowers & Wilkins 「Pi8」を使用した私の体験談・レビュー
Bowers & Wilkins 「Pi8」を実際に使用してみて、その性能と魅力を肌で感じた体験談をお伝えします。
私は普段からオーディオ機器にこだわりを持っており、さまざまなイヤホンを試してきましたが、「Pi8」はその中でも特に印象に残る製品でした。
第一印象
まず、「Pi8」を手にしたときの第一印象は、そのデザインの美しさと高級感でした。
シンプルでありながらエレガントなデザインは、まさにBowers & Wilkinsのブランドイメージにふさわしいものでした。
ケースの光沢感や、本体のコンパクトさ、そしてカーボンコーティングが施されたドライバー部分の質感は、所有する喜びを感じさせてくれます。
音質の評価
装着して最初に音楽を再生した瞬間、耳に広がる豊かな音場に驚かされました。
特に、クラシック音楽やジャズを聴いたときの中高音域のクリアさと、楽器のディテールの再現性には目を見張るものがありました。
これまで使用していたイヤホンでは感じられなかった微細な音の響きが、まるで目の前で演奏されているかのように生々しく再現され、思わず聞き入ってしまいました。
特に印象的だったのは、「Pi8」のディスクリート構成による音質の精度です。
DSP、DAC、アンプが独立して配置されていることによる効果は明らかで、音の繋がりが非常にスムーズで、一貫したサウンドが楽しめます。
スタジオ録音の楽曲を聴いた際、その空気感や臨場感がリアルに伝わってきて、まるでその場にいるような没入感を味わうことができました。
ノイズキャンセリング性能
ノイズキャンセリング機能についても、非常に満足しています。
電車の中や街中で使用した際、低音域のノイズがしっかりとカットされ、音楽に集中することができました。
外音取り込み機能も試してみましたが、自然な音の取り込みができ、周囲の音を聞き逃すことなく安全に使用できる点も評価が高いです。
惜しいと感じた点
一方で、「Pi8」には一部改善してほしい点もありました。
まず、タッチコントロールのカスタマイズ性がもう少し高ければ、さらに使い勝手が良くなると感じました。
現在の仕様では、左右の操作を個別にカスタマイズすることができないため、使用シーンに合わせた細かな設定ができない点がやや不便でした。
また、充電ケースのデザインは高級感がありますが、ケース自体の質感がやや軽く、安っぽさを感じる部分もありました。
もう少し質感が向上すると、全体としてのバランスがさらに良くなると思います。
総合的に見ると、Bowers & Wilkins 「Pi8」は、音質、デザイン、機能性のいずれにおいても非常に高いレベルにある製品です。
音質にこだわる方、特にクラシック音楽やジャズなど、音のディテールを楽しみたい方には、間違いなく満足できるイヤホンだと思います。
私自身、「Pi8」を使用してみて、その圧倒的な音質と機能性に非常に満足しており、今後も愛用していく予定です。
Bowers & Wilkins 「Pi8」に関するQ&A
Bowers & Wilkins 「Pi8」に関してよく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「Pi8」の音質は他のワイヤレスイヤホンと比べてどう違いますか?
「Pi8」は、12mmカーボンドライバーとディスクリート構成を採用しており、音質の精度と繋がりの良さで他のワイヤレスイヤホンを圧倒します。特に中高音域のクリアさと、音場の広がりが際立っており、スタジオ録音された音楽を忠実に再現します。楽器やボーカルの細部まで聞き取ることができるので、音楽の新たなディテールを発見できるでしょう。また、aptX AdaptiveやaptX Losslessに対応しているため、ワイヤレスでありながら非常に高い音質を提供します。
ノイズキャンセリング性能はどの程度ですか?
「Pi8」のノイズキャンセリング機能は、特に低音域のノイズを効果的にカットする設計になっています。電車の走行音や飛行機のエンジン音といった低周波ノイズをしっかりと抑え、静寂を提供します。ただし、中音域から高音域のノイズ、例えば人の話し声やアラーム音などは完全には遮断されないため、周囲の音が必要なシーンでも安心して使用できます。また、外音取り込み機能を利用することで、必要に応じて周囲の音を自然に取り込むことができます。
トランスミッター機能とは何ですか?
「Pi8」トランスミッター機能とは、「Pi8」のケースをBluetoothトランスミッターとして利用できる機能です。通常、ワイヤレスイヤホンはスマートフォンやオーディオ機器とBluetoothで直接接続しますが、iPhoneやGalaxyなどのデバイスはaptX系の高音質コーデックに対応していない場合があります。この場合、「Pi8」のケースをデバイスと有線で接続し、ケースとイヤホンをBluetoothで接続することで、aptX AdaptiveやaptX Losslessなどの高音質コーデックを利用して音楽を再生することができます。この機能により、非対応デバイスでも高品質な音を楽しむことができます。
バッテリー持ちはどのくらいですか?
「Pi8」のバッテリー持ちは、ノイズキャンセリング機能をオンにしている場合でも、本体のみで約6.5時間、充電ケースを使用することで合計約13.5時間の再生が可能です。これは、通勤や長時間の移動中にも十分なバッテリーライフを提供します。また、ケースはワイヤレス充電にも対応しているため、充電も簡単で便利です。
防水仕様ですか?
「Pi8」はIP54相当の防塵・防水性能を備えています。これにより、多少の雨や汗に対しても耐久性があり、アウトドアやスポーツシーンでも安心して使用することができます。ただし、完全防水ではないため、水中での使用や激しい水しぶきにさらされる環境での使用は避けることが推奨されます。
操作性はどうですか?
「Pi8」はタッチコントロールを採用しており、直感的な操作が可能です。再生・停止、曲送り、曲戻し、ノイズキャンセリングのオン/オフなどを簡単に行うことができます。また、外音取り込み機能への切り替えもワンタッチでできるため、非常に便利です。ただし、タッチコントロールのカスタマイズ性が制限されているため、左右の操作を個別に設定することはできません。左右の操作が一括設定となる点は、ユーザーによっては不便に感じるかもしれません。
複数のデバイスに同時接続できますか?
「Pi8」はマルチポイント接続に対応しており、複数のデバイスを同時に接続することが可能です。例えば、スマートフォンとPCを同時に接続し、音楽を聴きながら、PCでのビデオ会議にもすぐに応答することができます。この機能により、デバイス間の切り替えがスムーズに行えるため、非常に便利です。
Bowers & Wilkins 「Pi8」レビューのまとめ
Bowers & Wilkins 「Pi8」は、完全ワイヤレスイヤホンの中でもトップクラスの音質と機能性を誇る製品です。
この記事を通して紹介してきた通り、Pi8は音楽愛好家やオーディオファンにとって、間違いなく満足できる製品と言えるでしょう。
ここでは、これまでのポイントを振り返りながら、「Pi8」の魅力を再確認します。
卓越した音質
まず、「Pi8」の最大の魅力はその卓越した音質です。
12mmカーボンドライバーとディスクリート構成を採用することで、音のクリアさ、解像度、音場の広がりが他のイヤホンを凌駕しています。
特に中高音域の表現力は素晴らしく、ボーカルや楽器の細部まで忠実に再現します。
aptX AdaptiveやaptX Losslessといった高音質コーデックにも対応しており、ワイヤレスでありながら有線イヤホンに匹敵する音質を楽しむことができます。
充実した機能
音質だけでなく、「Pi8」はその充実した機能も大きな魅力です。
トランスミッター機能により、aptX系コーデックに対応していないデバイスでも高音質で音楽を楽しむことができる点は、他のワイヤレスイヤホンにはないユニークなポイントです。
また、ノイズキャンセリング機能も非常に効果的で、特に低音域のノイズをしっかりとカットしてくれるため、音楽に集中できる環境を提供します。
外音取り込み機能も自然で使いやすく、外部の音を取り込むことで、安全に使用できる点も高く評価されています。
マルチポイント接続にも対応しており、複数のデバイスを同時に接続できるため、仕事や日常生活の中で非常に便利です。
これにより、デバイス間の切り替えがスムーズに行え、ストレスフリーな体験を提供します。
デザインと使い勝手
「Pi8」のデザインは、シンプルでありながら高級感があり、所有する喜びを感じさせるものです。
コンパクトな筐体とエレガントなカラーバリエーションは、どのようなシーンでもスタイリッシュに使用できます。
タッチコントロールの操作性も良好で、直感的に使える点が魅力です。
ただし、操作のカスタマイズ性がやや制限されているため、もう少し自由度が高ければさらに良かったと感じます。
また、防塵・防水性能(IP54相当)も備えており、アウトドアやスポーツシーンでも安心して使用できるため、非常に汎用性が高い製品です。
一部惜しいと感じた点
一方で、「Pi8」にはいくつか改善の余地がある点も見受けられます。
例えば、充電ケースの質感がやや軽く感じられるため、もう少し高級感を持たせる工夫があれば、全体的な印象がさらに向上するでしょう。
また、タッチコントロールのカスタマイズ性に関しても、左右個別に設定できるようになれば、より使い勝手が良くなると感じました。
Bowers & Wilkins 「Pi8」レビューの総括
総じて、Bowers & Wilkins 「Pi8」は、音質、機能性、デザインの全てにおいて非常に高いレベルにある製品です。
特に、音楽に対して妥協しないこだわりを持つユーザーにとっては、最高の選択肢となるでしょう。
「Pi8」は高価ではありますが、その価格に見合った価値を提供しており、むしろ価格以上の満足感を得られる製品です。
もしあなたが、これまでのワイヤレスイヤホンに満足していない、または音楽のディテールをさらに深く楽しみたいと考えているのであれば、「Pi8」は間違いなく検討する価値があります。
「Pi8」を手に入れることで、新たな音楽体験があなたを待っています。