昨今のワイヤレスイヤホン市場において、「イヤーカフ型(オープンイヤー型)」は完全に市民権を得ました。
耳穴をふさがないことによる「蒸れない快適さ」や「周囲の音が聞こえる安心感」は、一度体験するとカナル型(耳栓型)には戻れないというユーザーも少なくありません。
しかし、その一方で、イヤーカフ型には構造上避けられない「弱点」が存在していたことも事実です。
「低音がスカスカで、音楽の迫力が足りない」
「電車やカフェでは騒音がうるさくて、結局音量を上げすぎてしまう」
「音漏れが気になって、人がいる場所では使いにくい」
これらは、開放型という構造を選択する上でのトレードオフとして、半ば諦められていた要素でした。
しかし、2025年、EDIFIERから登場した「LolliClip(ロリクリップ)」は、これらの常識を技術の力でねじ伏せようとする意欲作です。
この製品の最大にして最強の特徴は、「イヤーカフ型でありながら、実用的なアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載している」という矛盾への挑戦です。
さらに、ソニーが開発した高音質コーデック「LDAC」に対応し、ハイレゾ相当の情報量を伝送可能に。
加えて、13mmの大口径ドライバーで物理的な音圧を確保し、心拍数などを測定する健康モニタリング機能まで内蔵しています。
「全部入り」という言葉はガジェットレビューで頻繁に使われますが、ここまでカテゴリーの壁を越えて機能を詰め込んだ製品は稀有です。
私はこれまで、ハイエンドオーディオから中華イヤホンまで数多くの製品をレビューしてきましたが、この「LolliClip」は単なる機能の詰め合わせではありませんでした。
実際に使い込むほどに、「なぜ今までこのバランスの製品がなかったのか」と思わせる、理にかなった設計思想が見えてきたのです。
この記事では、EDIFIER 「LolliClip」のデザイン、装着感、音質、そして賛否両論あるノイズキャンセリング性能について、忖度なしで徹底的にレビューします。
カタログスペックだけでは見えてこない、日常使いでのリアルなメリット・デメリットを余すところなくお伝えしますので、購入を検討されている方はぜひ最後までお付き合いください。
- EDIFIER 「LolliClip」の主な特徴とスペック
- EDIFIER 「LolliClip」のデザイン・装着感・アプリ機能の検証
- EDIFIER 「LolliClip」の音質・ノイキャン・基本性能の徹底レビュー
- EDIFIER 「LolliClip」を使用した私の体験談・レビュー
- EDIFIER 「LolliClip」に関するQ&A
- イヤーカフ型なのにノイズキャンセリング(ANC)は本当に効果がありますか?
- 音漏れは気になりますか?電車やオフィスで使えますか?
- iPhoneでも高音質で聴けますか?(LDAC非対応ですが…)
- ワイヤレス充電には対応していますか?
- ランニングやスポーツで使っても落ちませんか?
- メガネやマスクと干渉して痛くなりませんか?
- 片耳だけで使用することはできますか?
- ゲームをする時の遅延はありますか?
- マルチポイント接続はLDAC使用時でも使えますか?
- 「寝ホン」(睡眠用イヤホン)として使っても耳は痛くなりませんか?
- LDAC、ANC、健康モニタリングを全てONにするとバッテリーはどれくらい持ちますか?
- アプリは必ずインストールしないといけませんか?
- ピアスやイヤリングをしていても装着できますか?
- PCでのWEB会議(Zoom/Teams)で、イヤホン側から「マイクミュート」はできますか?
- EDIFIER 「LolliClip」レビューのまとめ
EDIFIER 「LolliClip」の主な特徴とスペック

まずは、「LolliClip」が市場においてどのような立ち位置にあるのか、その基本スペックと、他社製品と一線を画す際立った特徴を詳細に解説します。
業界激震?イヤーカフ型なのにANC(ノイズキャンセリング)搭載
これまでのオーディオ業界の常識では、「耳の穴が空いている状態でノイズキャンセリングを行う」というのは、技術的に非常に困難であり、効果も薄いとされてきました。
なぜなら、ANCは「外部の音と逆位相の音をぶつけて相殺する」仕組みですが、隙間から直接入ってくる音までは消しきれないからです。
しかし、LolliClipは「適応型アクティブノイズキャンセリング」という技術でこの壁に挑みました。
これは、マイクが拾った外部騒音のレベルに合わせて、キャンセリングの強度や周波数特性をリアルタイムで調整するものです。
具体的には、イヤーカフ型の構造上、高音域(人の話し声や金属音)の遮断は物理的に不可能ですが、LolliClipは「低周波ノイズ」にターゲットを絞っています。
エアコンの「ゴーッ」という駆動音、PCファンの回転音、遠くで響く車の走行音など、環境音のベースとなる不快な低音域をソフトウェア処理で的確にカットします。
これにより、オープン型特有の「周囲の音に音楽がかき消されて、低音が聞こえなくなる」という現象(マスキング効果)を劇的に改善しています。
これは、「静寂を作る」というよりも、「音楽を聴きやすくする土台を作る」というアプローチに近いでしょう。
ハイレゾ(LDAC)対応&13mmドライバーが描く高音質
音質面での最大のトピックは、間違いなくLDACコーデックへの対応です。
多くのイヤーカフ型イヤホンは、接続安定性を優先してSBCやAACといった標準的なコーデックに留まることが多いですが、LolliClipは日本オーディオ協会の「ハイレゾオーディオワイヤレス」ロゴを取得しています。
- SBC/AAC: データ転送量が制限されており、細かい音の情報が欠落しやすい。
- LDAC: 最大990kbpsの転送レートを持ち、SBCの約3倍の情報量を伝送可能。
これにより、ワイヤレスでありながら、原音に近い緻密な表現が可能になります。
さらに、この高解像度データを受け止めるのが、13mmの大口径ダイナミックドライバーです。
一般的なカナル型イヤホンが6mm〜10mm程度であることを考えると、かなり大型の振動板を採用していることが分かります。
オープン型は音が拡散しやすいため、どうしても低音が痩せてしまいがちですが、LolliClipはドライバーサイズを大きくすることで物理的に空気を震わせる量を増やし、リッチで厚みのある中低音を実現しています。
イヤホンで健康管理?心拍数・血中酸素測定機能の全貌
オーディオ機器の枠を超え、ウェアラブルデバイスとしての側面も持っているのが本機の特徴です。
イヤホン本体(耳の後ろに当たる部分)の内側に高精度な光学センサーを搭載しており、以下の項目を測定可能です。
- 心拍数
- 血中酸素濃度
耳は血管が密集しており、皮膚も薄いため、実は手首(スマートウォッチ)よりも正確なバイタルデータが取得しやすいと言われています。
専用アプリ「Edifier ConneX」と連携することで、測定データを記録・グラフ化して管理することができます。
ランニング中やワークアウト中に、わざわざスマートウォッチを確認しなくても、音声アナウンス等で状態を把握できるポテンシャルを秘めています。
「健康データは気になるけれど、寝る時や仕事中に腕時計をつけるのは鬱陶しい」と感じている層にとって、イヤホンで代用できるというのは大きなメリットとなるでしょう。
【スペック一覧表】
| 項目 | スペック詳細 | 備考 |
| 製品名 | EDIFIER LolliClip | |
| 型式 | イヤーカフ型(クリップ型) | インナーイヤー型に近い装着感 |
| Bluetooth | Version 5.4 | 最新規格により接続安定性が向上 |
| 対応コーデック | LDAC / AAC / SBC | ハイレゾワイヤレス対応 |
| ドライバー | 13mm ダイナミックドライバー | 大口径でパワフルな出力 |
| 再生時間 | 本体最大9時間 / ケース込み最大39時間 | ANC ON時は若干短くなる |
| ノイズキャンセリング | 対応(適応型ANC) | オープン型専用チューニング |
| 防水防塵 | IP56 | 汗や雨、埃に強い仕様 |
| 重量 | 片耳 約7g | 装着安定性重視の設計 |
| マルチポイント | 対応(2台同時接続) | LDAC接続時も併用可能 |
| その他機能 | 装着検出、空間オーディオ、低遅延モード | アプリでカスタマイズ可能 |
| カラー展開 | ブラック / ホワイト(予定) | |
| 参考価格 | 約12,000円〜16,000円前後 | セール時期により変動あり |
EDIFIER 「LolliClip」のデザイン・装着感・アプリ機能の検証

カタログ上の数値がいかに優れていても、毎日身につけるウェアラブルデバイスとしての質感が伴っていなければ意味がありません。
ここでは、実際の質感、装着のコツ、アプリの使い勝手について深掘りしていきます。
インナーイヤー×クリップ型の独自構造が生む装着感
「LolliClip」を初めて手に取った時、その独特な形状に少し戸惑うかもしれません。
一般的なイヤーカフ型(HUAWEI FreeClipやBose Ultra Open Earbudsなど)は、スピーカー部分が耳の穴から少し離れた位置に浮くように設計されています。
しかし、LolliClipは「スピーカー部が、EarPodsのようなインナーイヤー型の形状をしており、それが耳穴(外耳道)の入り口にピタリとハマる」という構造をしています。
装着方法は、耳の横から挟み込むというよりは、「耳の上からスライドさせて、スピーカー部を耳穴に落とし込む」イメージです。
- 装着感の特徴:
通常のイヤーカフ型のような「完全開放感」とは少し異なり、耳の穴に「何かがある感覚」はあります。
しかし、カナル型のような圧迫感(耳栓を詰め込まれた感覚)は皆無です。
この「セミ・オープン」とも言える絶妙な密着具合が、後述する音質の良さとANCの効果を最大化しています。 - メガネ・マスクとの相性:
ブリッジ部分(左右をつなぐアーム)は柔軟性のあるシリコン素材で覆われており、細身に設計されています。
そのため、メガネのツルやマスクの紐と干渉しても、痛みを感じにくい形状です。
実際にメガネをかけた状態で3時間使用しましたが、耳裏が痛くなることはありませんでした。
高級感あるデザインと携帯性・防水性能(IP56)
充電ケースとイヤホン本体は、艶やかなピアノブラック(またはホワイト)の光沢仕上げが施されています。
- デザインと質感:
ケースは角のない球体に近いデザインで、まるで磨き上げられた小石のような美しさがあります。
ヒンジの開閉はスムーズで、閉じた時の「パチン」という音にも安っぽさがありません。
高級イヤホンとしての所有欲を満たしてくれる仕上がりです。
ただし、この美しい光沢ボディには代償があります。指紋や皮脂汚れが非常に目立ちやすいのです。
特にブラックモデルは、一度触っただけで指紋がつきます。
気になる方は、マイクロファイバークロスなどでこまめに手入れをするか、スキンシールなどを貼るのも手かもしれません。 - 携帯性:
ケースは厚みが抑えられており、ジーンズのコインポケットやシャツの胸ポケットにもスッと収まります。
TWS(完全ワイヤレス)において、持ち運びやすさは正義です。 - 防水性能 IP56: 「IP56」という等級は、実はかなり頼もしい数値です。
- 5(防塵): 粉塵が内部に侵入することを防ぐ(若干の侵入はあっても動作に支障なし)。
- 6(防水): あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない。 つまり、ランニング中の突然のゲリラ豪雨や、大量の汗はもちろん、汚れた際にサッと水洗いする(水没はNGですが)程度なら耐えられる耐久性を持っています。スポーツ用途としても一級品です。
専用アプリ「Edifier ConneX」でできるカスタマイズ詳細
EDIFIER製品の強みの一つが、完成度の高い専用アプリ「Edifier ConneX」です。
LolliClipもこのアプリに完全対応しており、驚くほど細かな設定が可能です。
- イコライザー(EQ)設定:
現時点では、「標準」「低音ブースト」「ボーカル」「高域ブースト」の4つのプリセットから選択する形式です。
カスタムEQ(自由に周波数をいじる機能)が見当たらないのは少し残念ですが、プリセットの完成度は高く、曲調に合わせてワンタップで雰囲気を変えられます。 - タッチ操作のフルカスタマイズ:
左右のイヤホンの「ダブルタップ」「トリプルタップ」に割り当てる機能を自由に変更できます。
音量上げ/下げ、曲送り/戻し、再生/一時停止、音声アシスタント呼び出し、ゲームモード切り替えなどを自由に配置可能です。
誤操作防止のため「シングルタップ」の割り当てがないのは賢明な判断だと感じます。 - 健康モニタリング機能:
アプリ内の「健康」タブから、心拍数や血中酸素濃度の測定を開始できます。
測定履歴はグラフで表示され、日・週・月単位でのトレンド確認も可能です。 - 「イヤホンを探す」機能:
地味ですが非常に重要な機能です。
イヤホンが見当たらない時、アプリ操作でイヤホンから高音のアラーム音を鳴らすことができます。
イヤーカフ型は外した時に転がりやすいため、この機能には何度も助けられました。 - LDACのビットレート設定:
接続品質優先(330kbps/660kbps)か、音質優先(990kbps)かを選択できます。
人混みでは接続優先にするなど、状況に応じた使い分けが可能です。
EDIFIER 「LolliClip」の音質・ノイキャン・基本性能の徹底レビュー

オーディオガジェットとしての本質である「音」について、徹底的にメスを入れます。
ブログ運営者のプライドにかけて、良い点も悪い点も率直に記述します。
【音質】オープンイヤーの限界を超えた低音と空間オーディオ
結論から申し上げますと、「これまでのイヤーカフ型の音質イメージを塗り替えるレベル」に到達しています。
- 低音域:
通常、オープン型は低音が逃げてしまい、「シャカシャカ」した軽い音になりがちです。
しかし、LolliClipは13mmドライバーと「耳穴の入り口を塞ぐ」構造のおかげで、ベースラインの唸りやバスドラムの重みをしっかりと感じ取ることができます。
骨伝導イヤホンのような「振動で誤魔化す低音」ではなく、空気が震える本物の低音です。 - 中音域:
ボーカルは非常にクリアで、少し前に出てくるようなチューニングです。
男性ボーカルの厚みも損なわれておらず、ポッドキャストやラジオ音声も非常に聞き取りやすいです。 - 高音域:
LDAC接続時の高音の伸びは素晴らしいの一言。
ハイハットの刻みやアコースティックギターの倍音成分が、刺さることなく綺麗に伸びていきます。
SBC接続だと少し粒が荒くなる印象があるため、可能であればLDAC対応スマホで真価を発揮させたいところです。
【ジャンル別試聴インプレッション】
- J-POP / アニソン: ボーカルが際立ち、歌詞が頭に入ってきやすい。相性抜群。
- EDM / ヒップホップ: さすがにカナル型のような「脳を揺らす重低音」は無理だが、リズムに乗るには十分な量感がある。
- ジャズ / クラシック: 空間表現が上手く、楽器の配置が分かりやすい。特にピアノの音色が美しい。
- ロック: ギターのディストーションも潰れずに解像度高く鳴る。
さらに特筆すべきは「空間オーディオ」機能です。
ヘッドトラッキング(顔の向きに合わせて音源が移動する機能)も搭載されており、アプリでONにすると、音が頭内定位(頭の中で鳴る感じ)から、ふっと外に広がるような感覚に変わります。
Netflixでアクション映画を見た際、ヘリコプターが移動する音や、背後での爆発音がリアルに感じられ、没入感が一段階上がりました。
音楽だけでなく、動画視聴用のイヤホンとしても極めて優秀です。
【ANC性能】実用レベルか?空調音や走行音での遮音性テスト
「イヤーカフ型でノイキャンなんて、どうせオマケ程度でしょ?」と疑ってかかりましたが、良い意味で裏切られました。
- 室内(オフィス・自宅):
ここが最も効果を実感できるフィールドです。
ANCをONにした瞬間、エアコンの送風音、換気扇の音、PCのファンノイズといった「生活環境ノイズ」が、スッと消えます。
完全に無音になるわけではありませんが、フィルターが一枚かかったように静かになります。
これにより、小さな音量でも音楽の細部が聞き取れるようになります。 - 屋外(街中・カフェ):
車の走行音や人々の話し声の「ガヤガヤ感」が軽減されます。
感覚的には、騒音レベルが30%〜40%カットされるイメージです。
近くの席の会話内容は聞こえますが、意識しなければ気にならないレベルまで遠ざけてくれます。 - 電車・地下鉄:
ここでは過度な期待は禁物です。
「ガタンゴトン」という低い轟音はある程度抑えられますが、レールが軋むキーキー音や車内アナウンスは普通に聞こえてきます。
しかし、ANCなしの状態と比較すると、音楽のボリュームを2〜3段階下げても快適に聴けるため、耳への負担軽減という意味では確実に効果があります。
総じて、「静寂を作るためのANC」ではなく、「快適なリスニング環境を整えるためのANC」と捉えるのが正解です。
【機能性】マルチポイント接続の挙動とゲームモードの遅延検証
現代のユーザーにとって必須級の機能も、しっかりと検証しました。
- マルチポイント接続の優秀さ:
iPhone(仕事用)とAndroidスマホ(プライベート用)の2台に同時接続して使用しました。
Androidで音楽再生中にiPhoneに着信があると、自動的に音声が切り替わり、通話が始まります。
通話終了後にはまたスムーズに音楽再生に戻ります。切り替えのタイムラグは約1〜2秒程度で、ストレスはありません。
特筆すべきは、「LDAC接続しながらマルチポイントが使える」点です。
多くの機種では帯域幅の問題でどちらか一方しか選べないことが多い中、この両立は技術力の高さを示しています。 - ゲームモード(低遅延モード):
通常モードでの遅延は、YouTube視聴程度ならリップシンク(口の動きと声のズレ)は気になりませんが、FPSゲーム(APEXモバイル等)では射撃音のズレを感じます。
アプリまたはトリプルタップで「ゲームモード」をONにすると、公称0.08秒レベルまで遅延が短縮されます。
実際にプレイしてみると、カジュアルなプレイなら全く問題ないレベルまで改善しました。
ただし、判定がシビアな音ゲー(プロセカ等)では、やはり僅かなズレを感じるため、タイミング調整が必要です。
RPGやアクションゲームなら常時ONで快適に遊べます。
EDIFIER 「LolliClip」を使用した私の体験談・レビュー

スペックや機能テストだけでなく、私が実際に朝起きてから寝るまで、LolliClipを「生活の相棒」として使い倒した1週間の記録から、リアルな気づきをシェアします。
長時間装着テスト:2時間を超えると耳への負担はどうなるか
私は在宅ワークが中心で、1日8時間以上イヤホンをつけていることも珍しくありません。
- 装着直後〜1時間:
全く違和感がありません。
耳穴が開放されているため、カナル型特有の湿気や熱がこもる不快感がなく、非常に爽快です。 - 3時間経過時:
連続して会議などが続いた後、ふと耳の軟骨(クリップで挟んでいる部分)に、鈍い感覚を覚えました。
「痛み」まではいきませんが、「挟まれているな」という圧迫感です。
LolliClipは音質と安定性を確保するため、他社の超軽量モデル(5g以下)に比べると、約7gとわずかに重く、ホールド力も強めに設計されています。 - 対策:
2〜3時間に一度、耳から外して5分ほど休憩するか、少し装着位置(挟む場所)をずらすだけで解消しました。
逆に言えば、ランニング中に頭を激しく振っても絶対に落ちないという安心感の裏返しでもあります。
屋外・オフィスでの使用感:音漏れレベルと外音取り込みのバランス
オフィスで実際に使用し、同僚に音漏れのチェックをお願いしました。
静かな執務室で、私が普段聞く音量(iPhoneのボリューム50%程度)で音楽を再生したところ、隣の席(約1.5m)の同僚は「全く聞こえない」とのことでした。
EDIFIER独自の指向性技術により、音波を耳穴に向けて集中させている効果でしょう。
ただし、音量を80%以上に上げて激しいロックを再生すると、さすがにシャカシャカとした音が漏れて聞こえたそうです。
エレベーター内や、図書館のような極めて静かな場所では、音量への配慮が必要ですが、一般的なオフィスやカフェ、電車内であれば、常識的な音量で使う限り音漏れを心配する必要はありません。
外音取り込みに関しては、非常に自然です。
マイクで拾った音を増幅する「外音取り込みモード」ではなく、物理的に耳が開いているため、自分の話し声もこもらず、違和感ゼロで会話ができます。
レジでのやり取りや、急に話しかけられた時も、イヤホンを外す動作がいらないのは本当にストレスフリーです。
操作性のリアル:タッチコントロールの感度と慣れについて
ここだけは少し慣れが必要だと感じました。 タッチセンサーは、左右のイヤホンをつなぐ「ブリッジ部分」にあります。
耳の形状によっては、このブリッジが耳の裏側に回り込んでいたり、浮いていたりするため、指先で正確にタップするのにコツがいります。
使い始めの数日は、曲送りをしようとして反応しなかったり、位置を直そうとして誤タップしてしまったりすることがありました。
しかし、アプリの設定で「タップ感度」を調整できることに気づいてからは劇的に改善しました。
私は感度を少し高めに設定することで、軽いタッチでも反応するようにし、誤操作のストレスを解消できました。
これから購入する方は、真っ先にこの設定を行うことを強く推奨します。
ヘルスケア機能の活用法:ランニングと睡眠時のモニタリング体験
週末のジョギング時に、スマホを持たずにLolliClipだけで走り(音楽はウォッチから再生)、帰宅後にアプリでデータを同期してみました。
心拍数の推移は、私の所有しているApple Watchのデータと比較しても、大きな乖離はなく、運動強度の目安としては十分に信頼できるデータが取れていました。
面白いのは「リラックス度」のような指標も見れる点です。仕事中にBGMを聴きながら作業している時のストレスチェックにも使えそうです。
「常時測定」ではなく、能動的に測定する必要がある点は惜しいですが、オーディオ機器のオマケとしては十分すぎる機能です。
通話品質チェック:騒がしい場所でのマイク性能とクリアさ
交通量の多い交差点付近で通話テストを行いました。
AIノイズリダクション機能が搭載されているため、周囲の車の走行音や風切り音はかなり強力にカットされ、相手には私の声だけが届いているようでした。
ただ、ノイズキャンセリング処理が強力すぎるせいか、私の声が少し「ロボットっぽい」「デジタル処理されたような声」に聞こえる瞬間があったようです。
静かな室内でのWEB会議(ZoomやTeams)では、非常にクリアで自然な音声を届けられました。
ビジネス用途での信頼性は高いですが、騒音が激しい屋外での長電話には、少し気を使うかもしれません。
体験談の総括:サブ機ではなく「メイン機」になり得る完成度
正直なところ、使い始めるまでは「イヤーカフ型は、音質を犠牲にして楽さを取るサブ機」という認識でした。
しかし、LolliClipを使ってその考えは変わりました。
しっかりとした低音、美しい高音、そして没入感を高めるANC。
これらがあれば、「今日はじっくり音楽を聴きたい」という日でも、あえてLolliClipを選びたくなるのです。
カナル型の閉塞感から解放されつつ、音楽体験も諦めなくていい。
この「いいとこ取り」こそが、私がLolliClipをメイン機として使い続けている理由です。
EDIFIER 「LolliClip」に関するQ&A

EDIFIER 「LolliClip」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
イヤーカフ型なのにノイズキャンセリング(ANC)は本当に効果がありますか?
はい、効果は実感できますが、カナル型(耳栓型)のような「完全な静寂」とは異なります。 エアコンの駆動音やPCのファンノイズ、遠くの車の走行音など「低周波の騒音」を軽減する効果が高いです。一方で、人の話し声や高音域のノイズは物理的に耳が開いているため聞こえてきます。「周りの音を消す」というよりは、「騒音を抑えて音楽を聴きやすくする」機能と捉えるのがおすすめです。
音漏れは気になりますか?電車やオフィスで使えますか?
指向性技術により、音漏れはかなり抑えられています。 静かなオフィスやカフェで、常識的な音量(50%程度)で使用する分には周囲に聞こえる心配はほとんどありません。ただし、構造上、満員電車やエレベーターなど人と密着する距離で、大音量(80%以上)で再生するとシャカシャカと音が漏れる可能性があります。
iPhoneでも高音質で聴けますか?(LDAC非対応ですが…)
はい、iPhone(AAC接続)でも十分にバランスの良い高音質を楽しめます。 LDAC接続に比べると、高音域の微細な伸びや空気感は控えめになりますが、13mmの大型ドライバーによる豊かな低音やボーカルのクリアさはiPhoneでも健在です。アプリもiOSに対応しています。
ワイヤレス充電には対応していますか?
残念ながら、ワイヤレス充電(Qi)には非対応です。 充電には付属のUSB Type-Cケーブルを使用する必要があります。ただし、急速充電に対応しており、15分の充電で約3時間の再生が可能です。
ランニングやスポーツで使っても落ちませんか?
非常に安定しており、スポーツに最適です。 一般的な「挟むだけ」のイヤーカフ型と異なり、スピーカー部が耳穴に軽くフィットする構造のため、激しく頭を振ってもズレにくいのが特徴です。IP56の防塵・防水性能があるため、汗や突然の雨でも安心して使用できます。
メガネやマスクと干渉して痛くなりませんか?
基本的には問題ありません。 左右をつなぐブリッジ部分は細く、柔軟なシリコン素材で作られているため、メガネのツルやマスクの紐と重なっても干渉しにくい設計です。ただし、耳の形状には個人差があるため、数時間の連続使用で違和感が出る場合もあります。
片耳だけで使用することはできますか?
はい、左右どちらか片方だけでも使用可能です。 片耳使用時も、もう片方をケースに戻すだけで自動的にモノラルモード(必要に応じて)等の挙動に切り替わります。通話やWEB会議で片耳ヘッドセットとして使うのにも便利です。
ゲームをする時の遅延はありますか?
通常モードではわずかな遅延がありますが、ゲームモードをONにすれば改善されます。 アプリまたは本体操作でゲームモード(低遅延モード)にすると、0.08秒クラスの低遅延になり、FPSやアクションゲームでも違和感なくプレイ可能です。ただし、タイミング判定が非常にシビアな音ゲー(リズムゲーム)では、微細なズレを感じる可能性があります。
マルチポイント接続はLDAC使用時でも使えますか?
はい、使用可能です。 多くのワイヤレスイヤホンでは「LDAC(高音質)」と「マルチポイント(2台同時接続)」は排他仕様(どちらかしか選べない)になりがちですが、LolliClipは両機能を併用できます。Androidスマホで高音質音楽を聴きながら、PCでのWEB会議を待機するといった使い方が可能です。
「寝ホン」(睡眠用イヤホン)として使っても耳は痛くなりませんか?
仰向けで寝る分には非常に快適ですが、横向き寝にはあまり向きません。 耳穴をふさがないため、ASMRやリラックス音楽を聴きながら寝落ちするのには最適です。ただし、イヤホン本体に厚みがあり、かつクリップ構造があるため、横を向いて枕に耳を押し付けると物理的に圧迫されて痛みを感じやすいです。寝返りをよく打つ方は注意が必要です。
LDAC、ANC、健康モニタリングを全てONにするとバッテリーはどれくらい持ちますか?
公称値(9時間)よりも短くなり、体感では5〜6時間程度になります。 「LDAC(高ビットレート転送)」と「ANC(常時処理)」はバッテリー消費が激しい機能です。これらをフル活用して長時間の移動や作業をする場合は、ケースでのこまめな充電をおすすめします。逆に、AAC接続でANCをOFFにすれば、スペック通り非常に長持ちします。
アプリは必ずインストールしないといけませんか?
必須ではありませんが、インストールしないとこのイヤホンの魅力が半減します。 「イコライザー変更」「タッチ操作のカスタマイズ」「ゲームモード切替」「健康データの確認」「ファームウェアアップデート」など、主要な機能の多くがアプリ経由で管理されています。購入後はまずアプリを入れることを強く推奨します。
ピアスやイヤリングをしていても装着できますか?
ピアスの位置と形状によります。 耳たぶ(ロブ)にある小さなピアスなら問題ありませんが、軟骨ピアス(ヘリックス等)や、大ぶりのイヤリングをしている場合は、LolliClipのブリッジ部分や挟み込む位置と干渉する可能性が高いです。装着前に一度ピアスを外すか、干渉しない位置を探る必要があります。
PCでのWEB会議(Zoom/Teams)で、イヤホン側から「マイクミュート」はできますか?
いいえ、イヤホン本体の操作でマイクミュート(消音)をする機能は割り当てられていません。 会議中にミュートをする場合は、PC画面上のZoomやTeamsの操作画面で行う必要があります。通話の応答・終了はイヤホンのタップ操作で可能です。
EDIFIER 「LolliClip」レビューのまとめ

EDIFIER 「LolliClip」は、イヤーカフ型イヤホンの新たな可能性を示した、ユニークかつ多機能なモデルでした。
従来のイヤーカフ型イヤホンと比べると、高音質、安定した装着感、長時間バッテリー、マルチポイント接続など、多くの面で進化しており、「オープン型でありながらリスニング体験を向上させる」ことに成功した製品だと感じました。
一方で、ノイズキャンセリングの効果は限定的であり、装着感も人によっては圧迫感を感じる可能性があるため、万人向けとは言えない部分もあります。
ここでは、「LolliClip」を総合的に評価し、どんな人におすすめなのかを解説していきます。
LolliClipを選ぶべき6つのメリット
- イヤーカフ型最高峰の音質体験: 13mmドライバーと密閉性の高い構造が生む、本物の低音と迫力。
- LDAC対応による高解像度: Androidユーザーなら、ワイヤレスの限界に挑むハイレゾサウンドを享受できる。
- 「使える」ノイズキャンセリング: 空調ノイズを消し、音楽をクリアにする適応型ANCの効果は本物。
- 隙のない機能性: マルチポイント、装着検出、ゲームモード、IP56防水など、現代のTWSに求められる機能を網羅。
- ユニークな付加価値: 健康状態を可視化できるヘルスケア機能は、他社にはない面白さ。
- 所有欲を満たすデザイン: ジュエリーのような光沢ボディとコンパクトなケースは持ち歩く喜びがある。
購入前に知っておくべき3つのデメリット・注意点
- 装着感の個人差: ホールド感がしっかりしているため、耳が薄い人や小さい人は、長時間使用で痛みを感じる可能性がある。
- ANCの過度な期待はNG: カナル型(耳栓)のような「完全な静寂」を求める製品ではない。あくまで「快適化」機能。
- ワイヤレス充電非対応: この価格帯の全部入りモデルとしては、唯一にして最大の欠点。ケーブル充電が必須。
他社の人気イヤーカフ型イヤホンとの比較
| 比較項目 | EDIFIER LolliClip | 一般的な軽量イヤーカフ | 骨伝導イヤホン |
| 音質(低音) | ◎(厚みと芯がある) | △(軽く、逃げやすい) | ◯(振動で補う独特の音) |
| 没入感 | ◯(ANC効果で高い) | ✕(外音そのまま) | ✕(外音そのまま) |
| 装着の軽快さ | ◯(安定感重視) | ◎(羽のように軽い) | △(側圧やバンドがある) |
| 音漏れの少なさ | ◯(指向性技術で優秀) | △(構造上漏れやすい) | ◎(構造上漏れにくい) |
| バッテリー | ◎(ケース込み39時間) | ◯(平均的) | △(単体のみが多い) |
「おすすめな人」と「向かない人」の決定的な違い
【こんな人には、間違いなくベストバイ!】
- 「ながら聴き」の快適さは欲しいが、音質のスカスカ感だけは許せない人。
- カナル型イヤホンの圧迫感や蒸れが苦手だが、仕事や勉強のためにある程度の遮音性は欲しい人。
- PCとスマホをシームレスに行き来する(マルチポイント必須)ビジネスパーソン。
- Androidスマホを使っていて、LDACの高音質を試してみたい人。
【こんな人は、他のモデルを検討すべき】
- 「着けていることを完全に忘れる」ような、羽のような軽さだけを最優先する人。(装着感の存在感はあるため)
- 電車や飛行機での移動がメインで、「外界の音を完全に遮断したい」人。(強力なANC搭載カナル型を買うべき)
- ワイヤレス充電(Qi)が生活に必須で、ケーブルを繋ぐのがどうしても嫌な人。
コストパフォーマンスの評価:1万円台の価値はあるか
実売価格1万円台前半〜中盤という価格設定ですが、結論として「コストパフォーマンスは極めて高い」と言えます。
通常、LDAC対応、マルチポイント、高性能ANC、空間オーディオ、装着検出といった機能をすべて搭載したカナル型イヤホンであっても、大手メーカー製なら2万円〜3万円クラスが相場です。
それを、技術的に難易度の高い「イヤーカフ型」という筐体に詰め込み、かつ音質も妥協していない。
このパッケージングを1万円台で提供できるEDIFIERの生産力と技術力には脱帽です。
同価格帯の競合製品を見渡しても、「音質」「機能」「ビルドクオリティ」の総合点でLolliClipに並ぶ製品は今のところ見当たりません。
間違いなくお値段以上の価値を提供してくれる製品です。
EDIFIER 「LolliClip」レビューの総評:機能性と音質を欲張りたい人への最適解
EDIFIER 「LolliClip」は、これまでの「イヤーカフ型は音が悪い」「ノイキャンがない」という固定観念を打ち砕く、ゲームチェンジャー的な存在です。
開放型の「自由さ」と、密閉型の「没入感」、そして最新ガジェットの「万能さ」。
これらを絶妙なバランスで融合させた本機は、多くの人にとって「これさえあればいい」と思わせるポテンシャルを秘めています。
「耳をふさぎたくないけれど、いい音で聴きたいし、ちょっと静かにもしたい」
そんな、ある意味ワガママな願いを叶えてくれる、現時点で唯一無二の選択肢。
それがLolliClipです。
ぜひ、この新しい「聴く体験」をあなたの耳で確かめてみてください。


