ここ数年で完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の性能は飛躍的に進化し、音質や機能面での妥協をほとんど感じさせない製品が次々と登場しています。
その中でも、オーディオファンやガジェット愛好家の間で特に注目されているのが「平面磁気駆動ドライバー(Planar Magnetic Driver)」を搭載したモデルです。
かつては大型のヘッドホンや高級有線イヤホンにしか搭載されていなかったこのドライバーを、コンパクトなTWSに収めたのが、EDIFIERの「NeoBuds Planar(ネオバッツ プラナー)」です。
EDIFIERといえば、中国発のオーディオブランドでありながら、世界的に高い評価を得ている実力派。
特にNeoBudsシリーズは、高音質・高機能を両立したTWSとして多くのレビューアーから支持されています。
本機「NeoBuds Planar」は、そんなシリーズの中でもひときわ異彩を放つ存在です。
平面磁気ドライバーをTWSに搭載した時点で、すでに“挑戦的”といえる構成ですが、驚くべきはその完成度の高さ。
クリアで歪みの少ない音、強化された操作性、幅広いコーデック対応、そしてLDACやLHDCといった高音質転送にも対応しており、音楽体験に対するこだわりが随所に見られます。
この記事では、「NeoBuds Planar」がどのような特徴を持ち、どんなユーザーに適しているのかを、音質や使い勝手を中心に解説していきます。
単なるスペック紹介にとどまらず、実際の装着感やリスニング体験にも触れながら、平面磁気駆動TWSの真価を探っていきましょう。

- EDIFIER 「NeoBuds Planar」とは?
- EDIFIER 「NeoBuds Planar」の音質・リスニング体験の実力
- EDIFIER 「NeoBuds Planar」の機能性と装着感の進化
- EDIFIER 「NeoBuds Planar」を使用した私の体験談・レビュー
- EDIFIER 「NeoBuds Planar」に関するQ&A
- 「NeoBuds Planar」は他のNeoBudsシリーズと何が違いますか?
- 平面磁気ドライバーって何がすごいの?
- ノイズキャンセリングは強力ですか?
- 外音取り込み機能は自然に聞こえますか?
- LDACやaptX Adaptiveに対応していますか?
- マルチポイント接続はできますか?
- バッテリーの持ちはどうですか?
- 音の傾向はどういうタイプですか?
- 装着感はどうですか?重さやサイズ感は?
- 平面ドライバー搭載のイヤホンは珍しいのですか?
- ゲーム用途にも向いていますか?
- イヤホン単体で音量調整はできますか?
- 専用アプリがなくても使えますか?
- イヤホンを紛失した場合の追跡機能はありますか?
- ワイヤレス充電には対応していますか?
- マイクの音質はどうですか?
- EDIFIER 「NeoBuds Planar」レビューのまとめ
EDIFIER 「NeoBuds Planar」とは?

「NeoBuds Planar」は、EDIFIERが展開する完全ワイヤレスイヤホン「NeoBudsシリーズ」の最新モデルであり、TWS(完全ワイヤレス)では非常に珍しい平面磁気駆動ドライバーを搭載した意欲作です。
単なる「最新モデル」ではなく、同社の高音質・高機能志向の集大成とも言える本機は、従来のTWSでは難しいとされていた「有線イヤホン級の解像度・自然さ・ダイナミクス」を見事に実現しています。
NeoBudsシリーズにおける位置づけ
NeoBudsシリーズは、EDIFIERの中でも上位に位置するプレミアムラインです。
モデル名 | 主な特徴 |
---|---|
NeoBuds Pro | LDAC対応・ハイブリッドドライバー搭載。高音質と高機能のバランス型 |
NeoBuds Pro 2 | 上記の進化版。ノイキャン性能・通話性能が強化されたフラグシップ |
NeoBuds Planar | 平面磁気駆動ドライバーを搭載した唯一のTWS。シリーズ中もっとも音質重視 |
「NeoBuds Planar」は、同シリーズの中でも「音質特化型」という明確なポジションで開発されており、「音で感動したい人」のための選択肢といえるモデルです。
平面磁気駆動ドライバーの特徴と搭載意義
「NeoBuds Planar」最大の特徴は、12mmの平面磁気駆動ドライバーを搭載していることです。
これにより、TWSながら以下のような恩恵が得られます。
平面磁気駆動ドライバーの主な特徴
- 歪みが極めて少ない:コイルが膜全体に均一に配置されており、音の波形が安定
- 反応速度が早い:音の立ち上がりが鋭く、楽器のアタック感が明瞭
- 分離感・解像度が高い:ボーカル・楽器の定位が明確で混ざらない
- 全音域における滑らかさ:高音から低音まで一貫性のある再現力
これまでは主に大型の高級ヘッドホンや有線イヤホンで採用されてきた技術であり、TWSへの搭載はまさに技術革新といえるでしょう。
圧倒的コストパフォーマンスの背景
「NeoBuds Planar」の価格は、約30,000円弱。
この価格帯で、これだけの仕様を詰め込んだモデルは非常に稀です。
主な対応スペックと機能:
機能・仕様 | 内容 |
---|---|
ドライバー | 12mm 平面磁気駆動(EqualMass™第2世代) |
対応コーデック | LDAC / LHDC / aptX Adaptive / aptX Lossless / AAC / SBC |
ノイズキャンセリング(ANC) | アダプティブハイブリッドANC(軽度) |
バッテリー持続時間 | 最大30時間(ケース含む)、本体単体で5〜7.5時間 |
ワイヤレス充電対応 | あり |
アプリ連携 | EDIFIER CONNECTアプリでEQ/ノイキャン/ライト等をカスタマイズ可能 |
防水性能 | IP55準拠 |
マルチポイント | あり(LDACとは排他) |
この構成は、3万円超えのハイエンドモデルと競合しうる内容でありながら、価格を抑えている点が非常に魅力的です。
特に、STAXブランド(静電型の高級オーディオ)を傘下に持つEDIFIERだからこそ実現できた高コスパ設計とも言えるでしょう。
EDIFIER 「NeoBuds Planar」の音質・リスニング体験の実力

「NeoBuds Planar」最大の魅力は、やはりその驚異的な音質にあります。
平面磁気駆動ドライバーをTWSに搭載したことで、従来のダイナミック型やBA型では味わえなかった、透明感・分離感・解像度の高さを兼ね備えています。
高音域:繊細かつ鋭いサウンドの再現性
「NeoBuds Planar」の高音域は、極めてシャープで透明感に優れたサウンドが特徴です。
その音質は「キラキラ」や「パリッ」といった表現よりも、「スーッと伸びる」「エッジが立った明瞭な輪郭」といったイメージに近いです。
特徴まとめ:
- シンバルやストリングスの響きがクリアで自然
- 高音の粒立ちが明確で、細かなニュアンスまで描写
- ハイトーンボーカルや女性ボーカルも刺さりすぎず鮮明
なお、刺さりやすい楽曲を再生した場合でも、EQ(静電器モードなど)を使用すれば、刺激の強さをやや抑えることも可能です。
中音域〜ボーカル:ナチュラルで明瞭な輪郭
中音域は、ボーカルやアコースティック系の楽器表現で真価を発揮します。
平面ドライバー特有の分離感とスムーズなつながりにより、複数の音が同時に鳴っていても混濁しません。
特徴まとめ:
- ボーカルは近すぎず遠すぎず、自然な距離感
- 息遣いや舌の動き、ハスキーな声なども忠実に再現
- 音の“密度感”と“空間の抜け感”のバランスが秀逸
ポップスやアニソンのボーカルが立体的に浮かび上がり、ライブ感のある音場を楽しめます。
低音域:引き締まった量感と自然な響き
「NeoBuds Planar」の低音は、「ドカンと響く」よりも「深く沈み、輪郭がはっきりした」低音です。
サブベース(超低域)の量感こそ控えめですが、ミッドベース(中低域)はタイトでリズミカルな鳴り方をします。
評価ポイント | 内容 |
---|---|
アタック感 | キックの立ち上がりが早く、パンチが効いている |
余韻・深み | ジャズのウッドベースやオーケストラの低音楽器の表現力に優れる |
電子音・ビート系との相性 | EDM・ヒップホップ系の厚みあるベースにも問題なく対応可能 |
なお、「ドンシャリ傾向」を求める場合は、EQを「ダイナミック」にすることで定域が強調され、より迫力のあるサウンドに調整可能です。
総合的な音質評価
「NeoBuds Planar」は、以下のような特性を持つTWSです。
評価軸 | 内容 |
---|---|
解像度 | 全帯域で非常に高く、分析的に音を聴きたい人に最適 |
分離感 | 楽器・ボーカルの音像が明確で、混ざらず聞き分けられる |
空間表現 | 横方向への広がりが強く、音場に立体感あり |
サウンド傾向 | クッキリ・シャープで明瞭。歪みが極端に少なく、透明感が際立つ |
EDIFIER 「NeoBuds Planar」の機能性と装着感の進化

「NeoBuds Planar」は、音質だけでなく操作性・カスタマイズ性・装着感といった日常使用の快適性にも大きな進化を遂げています。
TWSとしての完成度を高めた「実用性重視の改良」が随所に見られます。
操作性・アプリ連携・カスタマイズ性
EDIFIER独自の「EDIFIER CONNECTアプリ」により、細かな設定が可能です。
操作性においても、タッチではなく圧力感知式の物理ボタン(感圧センサー)を採用しており、誤操作の心配が少なくなっています。
主なカスタマイズ内容
項目 | 内容 |
---|---|
感圧センサー操作 | シングル・ダブル・トリプルタップ、長押しを左右独立でカスタマイズ可能 |
イコライザー(EQ)設定 | 原音/ダイナミック/静電機/カスタム(4バンド調整可能) |
ノイズ制御モード | 適応型ANC/通常ANC/外音取り込み(ボーカル強調などのモードあり) |
ゲームモード | 超低遅延(約0.08秒)のゲーミングモードに切り替え可能 |
ライト演出 | ケースのLEDライトの色や演出を変更可能(装飾的な楽しみ) |
その他 | マルチポイント接続切替、装着検出のON/OFF、コーデック選択、ファームウェア更新 |
操作性のポイント
- 反応の良い圧力センサーで快適な物理操作
- タップではなく「押す」感覚なので誤作動がほぼなし
- 音量調整やゲームモードの切り替えも指先で完結
ノイズキャンセリング・外音取り込みの精度
「NeoBuds Planar」はアダプティブ・ハイブリッドANCを搭載していますが、他社のノイキャン特化モデルと比べると効きは控えめです。
ANC性能まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
ノイズ抑制レベル | 中程度(Pro 2などの-50dB級モデルよりやや劣る) |
効果の感じやすい場面 | 街中・電車内などの中〜高騒音環境でBGM再生中に効果あり |
効果の薄い場面 | 無音時や静かなクラシック鑑賞などでは周囲音が目立ちやすい |
外音取り込みモードの評価
- 会話は“ぎりぎり可能”レベル
- 音楽を流しながらの会話はやや厳しい
- 雑音を含む環境では取り込みの明瞭度はやや低め
装着感・サイズ・携帯性について
平面ドライバーを搭載している都合上、イヤホン本体はやや大型です。
とはいえ、装着時のバランス感は良く、長時間装着でも違和感が少ないと感じるユーザーが多い印象です。
装着感の特徴
- ショートスティック型:重心が安定しやすい
- シェル形状:耳穴にフィットしやすく、遮音性を確保
- イヤーピース:5サイズ付属で、微調整が可能
- 圧迫感が少なく、軽くホールドされるような自然な装着感
携帯性
項目 | 内容 |
---|---|
ケースの大きさ | やや厚めだが、ポケットに入る程度 |
ケースの仕様 | USB-C + ワイヤレス充電対応 |
ケースの演出 | フロントLEDイルミネーション搭載、デザイン性も高い |
「NeoBuds Planar」は、音質特化型でありながらも、実際の使用シーンにおける「小さなストレス」を極限まで削減しています。
とくに感圧操作の安定性と、細かなアプリ設定の自由度は、他のTWSと比べても抜群です。
EDIFIER 「NeoBuds Planar」を使用した私の体験談・レビュー

■ 初めて聴いたときの衝撃
正直、最初に「NeoBuds Planar」を試聴したとき、完全ワイヤレスイヤホンでここまでの音が出せるのか…と驚かされました。
普段からLDAC対応モデルやハイエンドの有線イヤホンにも触れているため、多少の期待はあったものの、平面磁気ドライバーの解像度とキレ味の良さは、その想像を超えてきました。
EQはまず「原音」で試したのですが、音のバランスが自然で、定位も明確。高域のエッジは鋭く、ピアノや女性ボーカルの「抜け感」がとにかく気持ちいい。
その後、「ダイナミック」モードに切り替えると、低域がグッと前に出て、EDMやロックに合うエネルギッシュな音に変貌。1台でジャンルを問わず楽しめる柔軟性があると感じました。
■ 実際の使用シーン
以下のような場面で「NeoBuds Planar」を使用してみました。
使用シーン | 使用感・印象 |
---|---|
通勤中(電車内) | ノイキャンの効きは“そこそこ”。音楽を流せば周囲音は気にならないレベル |
カフェ作業時 | 外音取り込みONで、注文や呼び出しも問題なく聞こえるが、自然さはやや弱め |
散歩・ウォーキング | 装着感が軽く、長時間でも耳が痛くならない。風切り音もほとんど気にならなかった |
リモート会議・通話 | マイク性能は標準的。静かな部屋であればクリアに声が通る。カフェなど騒がしい環境では若干ノイズ拾う |
■ アプリ操作・カスタマイズ
EDIFIER CONNECTアプリは使い勝手が良く、直感的に操作できました。
特に感動したのは、「圧力センサー」操作の自由度。
タッチセンサーではなく「押し込む」感覚で操作するので、ポケットやマフラーに触れて誤作動する心配もなく、冬場でも安心して使えました。
また、ゲームモードの切り替えがアプリ不要でイヤホン操作から行える点も◎。
スマホゲームで遊ぶ際、音の遅延はほんのわずかに感じる程度で、カジュアルな音ゲーや動画視聴には全く支障ありませんでした。
■ 気になった点
もちろん完璧ではなく、いくつか気になった点もありました。
- ANCの効きはやや控えめ:Pro 2などと比べると明確に違いがあり、静音環境での集中にはやや物足りなさを感じました
- サイズ感がやや大きい:耳が小さめな方はフィット感に注意が必要かもしれません
- LDAC使用時のバッテリー持ちは短め:音質優先モードでは、長時間の外出にはモバイルバッテリーが欲しくなるかも
■ 総合評価として
「NeoBuds Planar」は、「音質で妥協したくないが、TWSの快適さも捨てたくない」――そんなニーズに、極めて高い水準で応えてくれる製品だと感じました。
何より“イヤホン=便利”から、“イヤホン=感動”へと価値観を揺さぶってくる一台でした。
通勤・リモート・音楽鑑賞をすべて1台でこなしたい私のようなユーザーには、間違いなく「使い続けたくなる一機」です。
EDIFIER 「NeoBuds Planar」に関するQ&A

EDIFIER 「NeoBuds Planar」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「NeoBuds Planar」は他のNeoBudsシリーズと何が違いますか?
最大の違いは「平面磁気駆動ドライバー」を搭載している点です。ProやPro 2はハイブリッド型ですが、Planarはより高解像度で自然な音を再現できる構造となっており、音質面での優位性が際立ちます。
平面磁気ドライバーって何がすごいの?
通常のダイナミックドライバーよりも、音の歪みが少なく、反応速度が早いのが特徴です。細かい音のニュアンスまで再現でき、繊細かつクリアな音質が楽しめます。
ノイズキャンセリングは強力ですか?
ノイキャン性能は中程度です。通勤や街中では実用的ですが、静寂な環境での“完全な沈黙”を求めるなら、NeoBuds Pro 2の方が優れています。
外音取り込み機能は自然に聞こえますか?
会話は可能ですが、やや機械的な音質になります。自然さを重視するなら、外音取り込みは補助的な用途での使用が向いています。
LDACやaptX Adaptiveに対応していますか?
はい、LDAC / LHDC / aptX Adaptive / aptX Lossless / AAC / SBC に対応しています。高音質コーデックを幅広くサポートしており、スマホを選ばず高音質再生が可能です。
マルチポイント接続はできますか?
可能です。 ただし、LDACやLHDCと同時には使用できません。マルチポイントを優先する場合は、AACやaptXなどでの運用が推奨されます。
バッテリーの持ちはどうですか?
ノイキャンONで本体約5時間、ケース併用で最大30時間持ちます。LDAC使用時はやや短くなりますが、日常使用には十分なレベルです。
音の傾向はどういうタイプですか?
シャープで解像度の高いドンシャリ寄りのサウンドです。ただし刺さり感は控えめで、EQで「静電器」「ダイナミック」など複数の音傾向に調整可能です。
装着感はどうですか?重さやサイズ感は?
本体サイズはやや大きめですが、重すぎる感じはなく、安定したフィット感があります。耳が小さい方は付属イヤーピースのサイズ調整がおすすめです。
平面ドライバー搭載のイヤホンは珍しいのですか?
はい、TWS(完全ワイヤレス)で平面磁気駆動ドライバーを採用している製品は非常に珍しく、「NeoBuds Planar」はその数少ない一つです。有線モデルでも高級機にしか採用されない構造です。
ゲーム用途にも向いていますか?
ゲームモードを搭載しており、遅延は非常に少なめです。音ゲーやFPSでもカジュアルに楽しめますが、ガチ勢には有線イヤホンのほうが精度は上です。
イヤホン単体で音量調整はできますか?
感圧センサー操作で音量の上げ下げも可能です。しかもアプリから細かくボタン操作の割り当てをカスタマイズできます。
専用アプリがなくても使えますか?
Bluetooth接続だけでも使用可能ですが、EQ調整やノイキャンモードの切り替えなどは専用アプリ(EDIFIER CONNECT)での設定が必要になります。
イヤホンを紛失した場合の追跡機能はありますか?
アプリ内に「製品を探す」機能があり、イヤホンから音を鳴らして探すことができます。ただしGPS追跡のような高度な追跡は非対応です。
ワイヤレス充電には対応していますか?
充電ケースはQi規格のワイヤレス充電に対応しています。もちろんUSB-Cによる有線充電も可能です。
マイクの音質はどうですか?
通話には十分なクリアな音質で、リモート会議やボイスチャットにも対応可能です。周囲の雑音もある程度カットされますが、静かな環境での使用が最適です。
EDIFIER 「NeoBuds Planar」レビューのまとめ

■ 「NeoBuds Planar」は“音質ファースト”TWSの到達点
EDIFIER 「NeoBuds Planar」は、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の中でも、音質を最重視して設計された非常に稀有なモデルです。
中でも特筆すべきは、12mmの平面磁気駆動ドライバーを搭載していながら、TWSとしての基本性能――バッテリー、ANC、アプリ連携、装着感――が高次元でまとまっている点です。
従来のTWSでは「高音質と機能性はトレードオフ」というのが暗黙の前提でしたが、「NeoBuds Planar」はその限界を軽々と超えてきました。
■ 音質でここまで感動できるTWSは数少ない
多くのレビューや試聴者が共通して語っているのが、「音がとにかくクリアで、情報量が桁違い」という評価です。
実際、以下のような印象を私は受けました:
- 細かな楽器の音まできちんと描き出される
- ボーカルのブレスや口の動きまで感じ取れる
- ノイキャンON/OFFで音の質が変わらない(=原音への忠実性が高い)
- それでいて、刺激的になりすぎないナチュラルな調整
EQで音の傾向を変えられるので、クラシックやジャズは「静電器」、EDMやロックは「ダイナミック」といった使い分けも可能です。
■ 高機能さと使い勝手の両立
音質特化型でありながら、TWSとして日常使いに不足を感じることはほとんどありません。
特に操作系とアプリ連携の快適さは目立ちます。
操作性の実用性
- 圧力センサー採用で、誤操作が非常に少ない
- アプリで割り当て自由、ゲームモードやEQ変更も片手で完結
- ケースはUSB-C+ワイヤレス充電対応、LED演出あり
アプリの機能性
カスタマイズ項目 | 詳細 |
---|---|
イコライザー | 原音/ダイナミック/静電器/カスタム(4バンド)切替可 |
ノイズ制御 | 通常ANC/適応型ANC/外音取り込み(強弱やボーカル強調設定あり) |
感圧センサー割当 | 左右それぞれダブル/トリプル/長押しなどに個別設定可 |
コーデック切替 | LDAC/LHDC/aptXなどの手動切替(環境に応じて選択) |
その他機能 | ゲームモード切替、装着検出、マルチポイント設定、LEDカラー選択など |
■ 気になる点と使いこなしの工夫
もちろん弱点がないわけではありません。しかし、使い方によってうまく付き合えるポイントでもあります。
気になる点 | 補足・対処法 |
---|---|
ANC性能は控えめ | 音楽再生中は十分だが、無音状態での遮音はPro 2の方が強力 |
外音取り込みは自然とは言い難い | 会話は可能だが「通話のため」と割り切るのが現実的 |
LDAC時のバッテリー消費がやや速い | 長時間使用時はaptX Adaptiveでの運用をおすすめ |
サイズ感がやや大きめ(筐体が厚い) | 小耳の人は装着確認を。イヤピースでの調整が重要 |
ノイキャン・LDACはマルチポイントと併用不可 | 使用シーンごとに設定を切り替えると快適(通勤はaptX+マルチポイントなど) |
■ NeoBuds Planarは“こんな人”におすすめ!
以下のようなニーズを持つ方に、「NeoBuds Planar」は非常にマッチします。
🔊 音質重視派に
- ワイヤレスでも有線級の高解像度サウンドを求めている
- 高域〜中域の抜け感と透明感を重視したい
- ロック・メタル・エレクトロ・ポップスを主に聴く
🛠 実用性重視派に
- 操作カスタマイズやアプリ連携で細かい調整がしたい
- ゲーム・音楽・通話すべてを1台で済ませたい
- TWSに「長く使える完成度」を求める
■ EDIFIER 「NeoBuds Planar」レビューの総括
EDIFIER 「NeoBuds Planar」は、完全ワイヤレスイヤホンの世界において、ひとつの“革新”と呼べる仕上がりを見せた製品です。
最大の特長である平面磁気駆動ドライバーは、有線高級イヤホンでしか味わえなかったような、歪みの少ないクリーンで解像度の高い音を、小型のTWS筐体で実現しています。
この構造的なハードルをクリアしつつ、ノイズキャンセリングやワイヤレス充電、マルチポイント接続、さらには直感的な操作性や自由度の高いEQ設定など、実用性の面でも一切妥協が見られません。
特に音質面では、シャープで鋭い高域、厚みのある中低域、立体的な音場といった特徴がバランス良く備わっており、ジャンルを問わず幅広く対応します。
音に包み込まれるような没入感は、従来のTWSにはない“聴く感動”を提供してくれます。
もちろん、ノイキャン性能や外音取り込みの点ではもう一歩という場面もありますが、それを補って余りあるのが、音楽体験の密度と満足度の高さです。
総じて「NeoBuds Planar」は、「音質で選ぶ完全ワイヤレス」の理想形に極めて近く、TWSというカテゴリそのものに対する見方を変えてくれる一台です。
日常の中で音楽をただ“流す”のではなく、“味わいたい”と感じるすべての人にこそ、このイヤホンを体験してほしいと思います。
音楽の輪郭がここまで鮮やかになることを、ぜひあなたの耳で確かめてください。
