完全ワイヤレスイヤホン市場はここ数年で急速に進化し、価格と性能の境界線がどんどん曖昧になってきています。
高性能なノイズキャンセリングやハイレゾ再生への対応は、かつてはハイエンドモデルだけの特権でしたが、今では手頃な価格帯でも当たり前のように搭載されるようになりました。
そんな中で登場したのが、QCYの「MeloBuds N70」です。
本機が注目を集める最大の理由は、1万円を大きく下回る価格設定でありながら、最新世代のイヤホンとして必要とされる機能をほぼすべて備えている点にあります。
しかも単に機能が揃っているだけでなく、MEMSドライバと10mmダイナミックドライバを組み合わせたハイブリッド構成により、解像感のある高音とパワフルな低音を両立させることに成功しています。
これは従来の「低価格モデル=音質は妥協」という常識を覆す挑戦的な設計だと言えるでしょう。
さらにアダプティブANCやLDACによるハイレゾ再生、マルチポイント接続の実現など、実用性を大きく高める機能も搭載されています。
専用アプリを通じた細やかなイコライザー調整や外音取り込みのカスタマイズも可能で、シンプルに楽しみたい人から音質にこだわりたい人まで幅広いニーズに対応できる柔軟さも魅力です。
「MeloBuds N70」は「低価格なのに高性能」という言葉では収まりきらない完成度を備えており、日常使いのイヤホンを探している人にも、最新のドライバ技術を試してみたいオーディオファンにも強く訴えかける存在となっています。
この記事ではその全貌を、実際の使用感を交えながら詳しく解説していきます。

QCY 「MeloBuds N70」の概要

特徴と価格帯の衝撃
QCY 「MeloBuds N70」は、1万円を大きく下回る価格でありながら、最新世代のTWSにふさわしい仕様を揃えたフラグシップモデルです。
注目される理由は、単なる「低価格イヤホン」ではなく、ドライバ構成・ノイズキャンセリング・コーデック対応のすべてがワンランク上に仕上がっている点にあります。
- ドライバ構成:10mmクラスのダイナミックドライバ+MEMSツイーターのハイブリッド
- ANC性能:最大56dB(アダプティブANC)
- コーデック:LDAC対応、Hi-Res Wireless認証取得
- 再生時間:単体最大10時間、ケース併用で最大50時間
- 充電方式:USB-Cおよびワイヤレス充電対応
- 防水性能:IPX5
この価格帯では珍しいワイヤレス充電やハイレゾ対応まで含まれており、「コスパを超えている」という表現がふさわしい一台です。
デザインと装着感
ケースは丸みを帯びた小石のような形状で、コンパクトながら存在感を感じさせるデザインです。
カラーはブラックやチタンゴールドが用意されており、艶ありとマット仕上げを組み合わせた質感は、低価格帯ながらチープさを感じさせません。
イヤホン本体は耳にフィットしやすいカナル型で、遮音性が高くANC性能を最大限に引き出す設計になっています。
複数サイズのイヤーピースが同梱されているため、耳の大きさに合わせて調整可能です。
項目 | 特徴 |
---|---|
ケース形状 | 丸みのあるPebbleデザイン |
本体カラー | ブラック、チタンゴールドほか地域別展開 |
装着方式 | カナル型、遮音性重視 |
イヤーピース | 複数サイズ同梱でフィット感を調整可能 |
防水 | IPX5で運動や小雨でも安心 |
付属品とアプリ対応
付属品はシンプルで、USB-Cケーブルと複数サイズのイヤーピースが中心です。
ケースがワイヤレス充電に対応しているため、Qi規格の充電台を持っていればケーブルレスでの充電も可能です。
さらに専用アプリ「QCY」を組み合わせることで、機能を大幅に拡張できます。
主なアプリ機能は以下のとおりです。
- EQ調整:プリセットのほか、カスタム設定や聴力テストを利用したパーソナライズEQ
- ANC/外音取り込み:強度調整や風雑音低減機能を選択可能
- マルチポイント接続:LDACとの併用も可能(ただし安定性は環境依存)
- ゲームモード:低遅延モードをワンタッチで切替
- 細かいカスタマイズ:自動電源オフ、ガイダンス音量調整、タッチ操作設定など
このように、ハードウェアの基本性能だけでなく、ソフトウェア面でも「自分好みに育てられる」柔軟性を持っています。
QCY 「MeloBuds N70」の音質レビュー

QCY 「MeloBuds N70」の最大の特徴は、MEMSドライバとダイナミックドライバのハイブリッド構成にあります。
一般的に「MEMSは高域表現」「ダイナミックは低域の迫力」と言われますが、本機はその両方の強みを活かすことで、解像感と迫力を両立させたサウンドを実現しています。
聴き始めた印象としては、華やかで刺激のある音色。
高域は抜けが良く、低域は厚みを持ち、中域は曲によっては少し後ろに下がる傾向が見られます。
ここからは帯域ごとに詳しく見ていきましょう。
MEMSドライバによる高音域の魅力
MEMSドライバが担当する高域は、クリアで輪郭が立ちやすく、音場の上方向に広がりを感じさせます。
- シンバルやハイハットの粒立ちが細かく、分離感に優れる
- 金属系の倍音や弦楽器の高音が、実際に耳元で響いているかのような鮮明さ
- 一方で人によっては「刺さる」と感じやすく、長時間聴取ではやや疲れやすい
初期設定では高域が前に出やすいので、アプリのEQを「ソフト」モードに切り替えると角が取れて聴きやすくなります。
ダイナミックドライバによる低音の迫力
10mmクラスのダイナミックドライバが生み出す低域は、迫力とキレのバランスが良いのが特徴です。
- サブベース(40〜60Hz)がしっかり沈み込み、重心の低さを演出
- キックやベースラインはアタックが明確で、リズムが前に出る
- 密閉度が高い装着や強めのANCでは低域が膨らみすぎる傾向
膨らんだ低音が気になる場合は100Hz付近を少し削るとタイトさが増し、聴き疲れしにくくなります。
逆に迫力を求めるなら60Hzを軽くブーストするのも効果的です。
中音域・ボーカルの聴こえ方
中域は高低域に比べて控えめに感じられることがあります。
ボーカルが曲全体に埋もれるほどではありませんが、調整次第で印象が大きく変わります。
- ボーカルは言葉の輪郭が明瞭で、子音の聞き取りやすさが高い
- ピアノやギターは硬質なアタックが前に出るが、場合によってはドライに感じることも
- EQで2〜3kHzをわずかに上げ、8〜10kHzを控えめにするとバランスが整いやすい
EQ調整の目安
専用アプリにはカスタムEQ機能があり、少し触れるだけで印象が大きく変わります。
以下は一例です。
目的 | 推奨調整例 |
---|---|
高域の刺さりを抑える | 8〜12kHzを–2〜–3dB、16kHzを–1dB |
ボーカルを前に出す | 2〜3kHzを+1dB、8〜10kHzを–1dB |
低音を引き締める | 100Hzを–2dB、200Hzを–1dB |
まずはプリセットの「ソフト」で確認し、その上で細かく微調整するのがオススメです。
ジャンル適性
実際の試聴では、ジャンルごとに得意・不得意がはっきりと感じられました。
- 相性が良い:ポップス、ロック、EDM、ジャズ(特にブラスやピアノ)
- やや調整が必要:アコースティックやクラシック(高域を軽く落とすと自然に聴ける)
- 向きにくい:柔らかく温かみを重視するリスニング(MEMSの硬質さが前に出やすい)
QCY 低域が膨らみすぎるは、価格帯を超えた解像感と迫力を両立したモデルです。
初期設定では華やかで刺激的なサウンドですが、EQを活用することで幅広いジャンルに対応できます。
特に高域のクリアさと低域の迫力は、同価格帯の中でも抜きん出た存在感を示しています。
QCY 「MeloBuds N70」の機能性と操作性

QCY 低域が膨らみすぎるは、単なる音質勝負のイヤホンではなく、日常利用を快適にする機能を幅広く備えているのが特徴です。
特にノイズキャンセリングや外音取り込み、接続まわりの柔軟さは価格以上の完成度で、アプリによる細かいカスタマイズ性も含めて「扱いやすいフラッグシップ」と言える仕上がりになっています。
ここでは大きく3つのポイントに分けて見ていきます。
ノイズ制御と外音取り込み
低域が膨らみすぎるはアダプティブANCを搭載しており、環境に合わせて自動で効き方を最適化してくれます。
さらに手動で「室内モード」「大音量モード」なども選べるため、自分の環境に応じて強弱を調整できます。
外音取り込み機能は段階的に透明度を調整でき、会話をしたいときや駅のアナウンスを確認したいときに便利です。
また、屋外での弱点になりやすい“風切り音”を自動で抑制する機能も備わっており、強風時にも快適に使用できます。
- アダプティブANC:環境に合わせて自動で効き方を変化
- 外音取り込み:透明度をレベルで細かく調整可能
- 風雑音低減:初期設定でONになっており、屋外でも快適
機能 | 特徴 | 活用シーン |
---|---|---|
アダプティブANC | 自動で最適なノイキャンを選択 | 通勤や街歩き |
ANCモード切替 | 室内・大音量環境を手動選択 | カフェや飛行機 |
外音取り込み | 段階的に調整可能 | 会話や安全確認 |
風雑音低減 | 風切り音を抑制 | 屋外運動 |
接続とアプリ機能
低域が膨らみすぎるはLDAC対応により高音質再生が可能で、さらにマルチポイント接続にも対応しています。
スマートフォンとPCを同時に接続し、音楽を聴きながら会議通知を受け取るといった使い方が可能です。
ただし、LDACとマルチポイントを同時に使うと環境によって安定性が落ちる場合があるため、音質を優先する場合はマルチポイントをオフにするのがおすすめです。
専用アプリ「QCY」では、EQのプリセット切り替えやカスタムEQの作成、聴力テストによるパーソナライズ調整などが可能。
さらにANCや外音取り込みの調整、ゲームモードやスリープモード、ガイダンス音量の調整なども行え、細かく自分好みに仕上げられます。
- LDAC対応:ハイレゾ相当の高音質を実現
- マルチポイント:2台同時接続が可能(安定性は環境依存)
- アプリ機能:EQ、パーソナライズEQ、ANC調整、ゲームモード、スリープモードなど
項目 | 内容 | メリット |
---|---|---|
LDAC | 最大990kbpsで再生 | 高音質リスニング |
マルチポイント | 2台同時待ち受け | PCとスマホをシームレスに切替 |
ゲームモード | 低遅延化 | 映像・ゲーム用途に有効 |
パーソナライズEQ | 聴力テストで調整 | 自分の耳に合わせた音作り |
バッテリーと日常運用
バッテリー性能は非常に優秀で、イヤホン単体で最大約10時間、ケースを含めれば最大約50時間と、長時間利用にも耐えます。
装着検出によって耳から外せば自動で再生停止し、省電力化と利便性を両立しています。
接続解除後の自動電源オフや、ガイダンス音量の調整など細かい設定もアプリで可能です。
さらに左右自動判別に対応しているため、片耳だけでの利用もしやすい仕様になっています。
- 連続再生時間:単体10h/ケース込み50h
- 自動化機能:装着検出、自動電源オフタイマー
- 左右自動判別:片耳利用もスムーズ
- ガイダンス音量調整:環境に合わせて案内音量を最適化
機能 | メリット |
---|---|
装着検出 | 自動再生・一時停止で快適かつ省エネ |
自動電源オフ | 無駄な電力消費を防ぐ |
左右自動判別 | 片耳利用に柔軟に対応 |
長時間バッテリー | 出張や旅行でも安心 |
低域が膨らみすぎるの機能性と操作性は、単に「多機能」というだけでなく、実際の利用シーンを考慮した設計が光ります。
アダプティブANCでノイズを抑え、外音取り込みで安全性を確保し、LDACとマルチポイントで幅広いシーンに対応。
さらにロングバッテリーと細やかな自動化で、ユーザーが余計な操作を意識せず快適に使える工夫が詰まっています。
QCY 「MeloBuds N70」を使用した私の体験談・レビュー

実際に数日間使ってみて感じたのは、価格を忘れさせる完成度です。
通勤、オフィス、カフェ、軽い運動、夜のリスニングと、生活のあらゆる場面で試しましたが、「MeloBuds N70」は音質だけでなく使い勝手の面でも頼れる存在でした。
ここではシーンごとの印象と、特に気づいたポイントをまとめます。
通勤での使用
電車内ではアダプティブANCがよく働き、走行音や周囲の雑音をしっかり抑えてくれました。
加えて風雑音低減がホームの強風時に効果的で、快適に移動時間を過ごせました。
- 良かった点:アナウンスを聞きたいときは外音取り込みをONにすれば問題なし
- 注意点:ANCを強くかけすぎると低音が膨らみやすいため、標準モードが無難
オフィス・会議での利用
スマホはLDAC接続、PCはAAC接続でマルチポイント利用。
通知や通話の切替はスムーズでした。
ただし、稀に瞬断があったため、音質重視時はマルチポイントをOFFにして安定を優先しました。
- 会議中は外音取り込みを低めに設定することで、自分の声がこもらず話しやすい
- ガイダンス音量を下げておくと、業務中のアナウンスが邪魔にならない
カフェや作業環境
カフェでBGM代わりに使うと、高域のクリアさが際立ちます。た
だ、長時間聴くと刺激が強めに感じられるため、EQで8〜12kHzを–2dB程度下げると落ち着きました。
- ソフトEQにすると高域の角が取れて聴きやすい
- 低音はやや強調されがちなので、100〜200Hzを軽く抑えると集中しやすい
ワークアウトや運動時
IPX5対応なので汗を気にせず使用可能。
軽い運動ならしっかりフィットし、落ちにくい印象でした。
- スリープモードをONにすると、動きで誤ってタッチ操作してしまう心配がない
- イヤーピースは一段小さめを選ぶと、低音が膨らまず快適
映画・ゲームでの使用
ゲームをやる時はゲームモード(低遅延)が有効で、映像と音のズレをほぼ感じませんでした。
タイミングにシビアなゲームに本格的に打ち込む際には物足りなさを感じるかもしれませんが、カジュアルに楽しむには充分です。
空間オーディオは臨場感を演出しますが、高域が強調されやすいため映画には合う一方、アニメや会話重視の作品ではオフにするのが自然でした。
バッテリーの安心感
イヤホン単体で10時間、ケース込みで50時間の駆動は実際に頼もしく、1日使っても残量に余裕があるのは安心感につながりました。
旅行や出張でも、頻繁に充電を気にせずに済みそうです。
使って気づいた良い点と改善点
観点 | 良かった点 | 気になった点/対処法 |
---|---|---|
音質 | MEMSの解像感とDDの厚みで華やかな音 | 高域が刺さる人はEQで–2dB調整 |
ANC/外音 | アダプティブ制御と風雑音低減が便利 | 強すぎると低音過多 → 標準ANC推奨 |
接続 | LDACとマルチポイント両立可能 | 同時使用は稀に不安定 → 必要時のみON |
操作性 | 装着検出や自動電源オフが快適 | アプリ初期認識が不安定な場合あり |
バッテリー | 単体10h/ケース込み50hの余裕 | 長時間LDAC利用は消費やや早め |
総じて、「MeloBuds N70」は「少し調整するだけで化けるイヤホン」だと感じました。
素の音は華やかで楽しいですが、EQとANCの設定を工夫することで自分のスタイルに寄せられる柔軟性があります。
通勤から仕事、リラックスタイムまで万能に活躍でき、価格を考えると驚くほど満足度が高い一台でした。
QCY 「MeloBuds N70」に関するQ&A

QCY 「MeloBuds N70」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
高音が刺さると感じることはありますか?
MEMSドライバの特性上、初期設定では高域が強めに出やすいです。刺さると感じた場合は、アプリのEQを「ソフト」に切り替えるか、8〜12kHzを–2dB程度調整すると快適に聴けます。
ANC(ノイズキャンセリング)の効きはどの程度ですか?
電車や街中の低周波ノイズはしっかり抑えられ、日常利用では十分実用的です。強めに設定すると低音がやや膨らむため、標準〜アダプティブANCがバランスよくおすすめです。
マルチポイント接続とLDACは同時に使えますか?
はい、同時に利用可能です。ただし環境によっては接続が不安定になる場合があるため、音質重視のときはマルチポイントをオフにしてLDACを優先するのが無難です。
長時間の使用で耳が疲れませんか?
高域の強さに敏感な人は長時間で疲れを感じる場合があります。EQで調整すれば負担を減らせるほか、イヤーピースを一段小さめに変えることで低音過多を抑え、聴きやすさが向上します。
運動中でも使えますか?
防水規格はIPX5相当で、汗や軽い雨なら問題なく利用できます。軽いランニングやジムでの使用にも向いていますが、激しい運動ではフィット感の調整(イヤーピース変更やスリープモードON)が安心です。
イコライザーはどのくらい効果がありますか?
アプリのEQはプリセットに加え、カスタム設定も可能です。小さな調整でも音の印象が大きく変わるため、まずは「ソフト」「クラシック」などを試し、その後カスタムで自分の好みに合わせるのがおすすめです。
空間オーディオはどんな感じですか?
疑似的なサラウンド機能で、音場が広がった印象を得られます。ただし高域が強調されやすい傾向があるため、映画やゲーム向きですが、音楽では人によって好みが分かれるかもしれません。
ワイヤレス充電には対応していますか?
はい、ケースはワイヤレス充電(Qi規格)に対応しています。ケーブルを使わず置くだけで充電できるので、普段の運用がさらに快適になります。
ペアリングは簡単ですか?
ケースを開けると自動的にペアリングモードに入るため、初回も簡単です。2回目以降はケースを開くだけで接続されます。マルチポイント利用時は、設定画面から2台目を追加登録する流れになります。
イヤホンの重さや装着感はどうですか?
片耳あたり約5gと軽量で、長時間装着しても耳に負担が少ない設計です。付属イヤーピースが複数サイズあるため、自分に合ったものを選べば密閉感も確保しやすく、遮音性と快適さのバランスを取れます。
電池残量はどこで確認できますか?
スマホ画面のBluetooth設定や、専用アプリ「QCY」で左右個別の残量を確認できます。ケース残量もアプリ上で表示されるため、充電タイミングを見逃す心配が少ないです。
この価格帯での競合製品と比べて強みは?
ハイブリッド構成(MEMS+DD)による音質の解像感、アダプティブANCや風雑音低減、LDACとマルチポイントの併用対応など「機能の幅広さ」が強みです。同価格帯では一歩抜きん出ています。
他ブランドの同価格帯と比べて弱点は?
高域の鮮明さは強みですが、人によっては「刺さる」と感じやすいのが弱点です。また、LDACとマルチポイントの同時利用は環境によって不安定になることがあります。この2点を理解して調整できる人には大きな欠点ではありません。
QCY 「MeloBuds N70」レビューのまとめ

QCY 「MeloBuds N70」は、MEMS+ダイナミックのハイブリッド構成、アダプティブANC、LDAC、マルチポイント、単体10時間/ケース込み50時間という装備を“1万円を大きく下回る”価格帯に凝縮した一台でした。
素の音は華やかで情報量が多く、アプリのEQとモード切替を少し触るだけで、通勤・仕事・作業・動画視聴まで幅広いシーンに最適化できます。
低価格=妥協という固定観念を崩す完成度です。
「MeloBuds N70」の要点
- 音質:MEMSの解像感とDDの厚みで、明瞭・元気・抜けの良いサウンド
- 機能:アダプティブANC/外音取り込み/風雑音低減、LDAC、マルチポイント、豊富なアプリ設定
- 運用:単体10hのロングバッテリー、装着検出・自動電源OFFなど“気の利く”自動化
強みと注意点
強み(買う理由) | 注意点(理解しておくこと) |
---|---|
高域の解像感と分離、低域の推進力が同居 | 初期は高域が強め → ソフトEQや8–12kHz抑えで整う |
実用度の高いANC&外音取り込み、風雑音低減 | 最大固定ANCは低域が膨らみやすい → 標準/アダプティブ推奨 |
LDAC対応で高音質、アプリのカスタム幅が広い | LDAC×マルチポイント同時は環境で不安定になる場合 |
単体10h・合計50hの余裕、装着検出が快適 | イヤピの密閉が強すぎると低域過多 → サイズを一段見直す |
こんな人におすすめ/おすすめしない
おすすめ
- 価格以上の高解像サウンドを体験したい
- 通勤〜仕事〜動画まで“1台で済ませたい”
- EQやアプリで自分の音を追い込みたい
おすすめしない
- 角のない“極端に柔らかい”高域が絶対条件
- いつでもLDAC×マルチポイント同時を完全安定で使いたい(環境により不安定な場合あり)
最初にやると満足度が上がる3ステップ
- EQを「ソフト」へ → 高域の角をならす
- アダプティブANC+風雑音低減ON → 屋外の快適度UP
- LDAC優先(必要時のみマルチポイントON) → 音質と安定のバランス取り
物足りなければ、8–12kHzを–1〜–2dB、100–200Hzを–1dB程度から微調整すると、長時間でも疲れにくいバランスになりやすいです。
QCY 「MeloBuds N70」レビューの総括
QCY 「MeloBuds N70」は、価格を大きく下回る水準でありながら、音質・機能・操作性のいずれにおいても満足度の高い仕上がりを見せたイヤホンでした。
MEMSとダイナミックドライバの組み合わせによる解像感のあるサウンド、アダプティブANCや外音取り込みなど実用性の高い機能、そして10時間駆動というバッテリーの安心感が揃い、日常のあらゆるシーンで頼れる存在となっています。
とりわけ、アプリによるイコライザーやモード切替を使いこなせば、ユーザーごとの好みに合わせて自在に音を作り込める柔軟性も大きな魅力です。
初めて本格的なワイヤレスイヤホンに触れる人から、すでに複数のモデルを試してきた人まで幅広く満足できる一台と言えるでしょう。
QCY 「MeloBuds N70」は「低価格帯の常識を超えた完成度を誇る、挑戦的なイヤホン」です。
コスパ重視で“今の基準”を満たす1台を探しているなら、有力な最有力候補です。
