「この価格帯で、ここまでの完成度に到達したのか。」──SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」を初めて聴いたとき、真っ先にそう感じました。
SOUNDPEATSといえば、手頃な価格で高音質を実現する“コスパブランド”として、多くのユーザーから支持を得てきたメーカーです。
その中でも前作「Air5 Pro」は、約1万円という価格ながらノイズキャンセリングや音質の完成度で大きな話題となり、シリーズの地位を確立しました。
そして今回登場した「Air5 Pro+」は、その人気モデルをさらに進化させた上位機。
デザインこそ従来のスタイルを踏襲しつつも、内部構成は大幅に刷新されています。
特に注目すべきは、半導体技術を応用した新世代のMEMSドライバーを搭載している点です。
これまでのダイナミックドライバー中心の構成から一歩進み、音の緻密さと反応速度を飛躍的に高めています。
さらに、クラスHアンプを組み合わせることで、音の立ち上がりや奥行きがこれまで以上に自然で豊かになり、1万円台半ばとは思えない表現力を実現しています。
前作で感じた「これが完成形かもしれない」という印象を、見事に塗り替えてきたのがこの「Air5 Pro+」です。
この記事では、そんな「Air5 Pro+」の音質やノイズキャンセリング、デザイン、使い勝手までを徹底的に検証し、前作との違いや進化のポイントを丁寧に掘り下げていきます。
価格を超えた“体験”を求める人にとって、このモデルがどんな意味を持つのか──その答えを一緒に見つけていきましょう。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」とは?

SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」は、ブランドの中核を担う「Air」シリーズの中でも最上位に位置づけられる最新モデルです。
前作の「Air5 Pro」で高い評価を得た“強力なノイズキャンセリングとコスパの高さ”を受け継ぎつつ、音質面を中心に大きく進化しています。
特に注目すべきは、MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成。
さらにクラスHアンプを新たに搭載し、音の精密さ・立体感・滑らかさのすべてを底上げしました。
ここでは、ブランドとしての立ち位置から技術構成、そしてチップセットの実力までを詳しく見ていきます。
ブランドの位置づけと開発背景
SOUNDPEATSは、手頃な価格でハイクオリティなサウンドを提供する「高コスパブランド」として知られています。
その中でもAirシリーズは、同社の代表的ラインであり、機能性と音質の両立を目指して開発されてきました。
「Air5 Pro+」は、そんなシリーズの中でも「音質強化に全振りした集大成モデル」として登場しました。
前作で確立した“使いやすさ”や“強力なANC”をベースに、ハイエンド機にも匹敵する音作りを目指して設計されています。
開発の方向性として掲げられたテーマは次の3つです。
- 高解像度と自然さの両立:情報量を増やしながら、聴き疲れしない柔らかさを保つ。
- ハイエンド構成をミドル価格で実現:ハイエンドクラスの技術を1.5万円台に凝縮。
- 実用性とデザインの両立:日常的に使いやすい機能と高級感ある外観を両立。
SOUNDPEATSはこのモデルを通じて、“コスパブランド”から“ハイファイブランド”へのステップアップを狙っています。
MEMS×ダイナミックのハイブリッド構成
「Air5 Pro+」最大の魅力は、MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成です。
異なる特性を持つ2種類のドライバーを組み合わせることで、繊細さと迫力の両方を兼ね備えた音質を実現しています。
MEMSドライバーの特徴
- 半導体技術を用いた極小ユニットで、従来の振動板式より約4倍の応答速度を誇る。
- 音の立ち上がりが速く、細やかなニュアンスを忠実に再現。
- 高域の抜けがよく、ボーカルやアコースティック楽器の表現がより繊細に。
10mmダイナミックドライバーの特徴
- PU+PEEK素材の複合振動板を採用し、低域の厚みと柔軟性を両立。
- サブベースの沈み込みが深く、リズムの輪郭がより明確。
- MEMSでは補えない温かみや重量感を支える役割を担当。
クラスHアンプの効果
- 音量に応じて電圧を最適化し、歪みを低減しつつ高S/N比を維持。
- 小音量でも解像感を保ち、大音量時の力強さも損なわない。
- 全体的に“静寂の中に音が浮かぶような立体感”を実現。
これら3つの要素が融合した結果、「Air5 Pro+」は「クリアで伸びやかな高域と、タイトに締まった低域の両立」を実現しました。
前作の“パワフルな低音モデル”から、“繊細かつバランスの取れた万能型”へと進化しています。
対応コーデックと最新チップセットの実力
「Air5 Pro+」は、Bluetooth 5.4を採用した最新世代のチップセットを搭載しています。
Qualcomm製のプラットフォームにより、通信安定性と低遅延性がさらに強化されました。
対応コーデック一覧
| コーデック | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| SBC / AAC | 汎用的で幅広いデバイスに対応 | iPhoneや一般的なスマホ |
| aptX Adaptive | 音質と遅延を自動調整。映像と音ズレが少ない | 映画・動画・ゲーム |
| aptX Lossless | “CD音質”相当のロスレス伝送に対応 | 高音質な音楽再生 |
| LC3 | 次世代Bluetooth LE Audio対応。省電力かつ高品質 | 長時間利用・通話 |
さらに、Snapdragon Soundに対応しているため、対応スマートフォンと組み合わせることでaptX LosslessやLC3の恩恵を最大限に引き出せます。
音の分離感や空気感が一段と際立ち、無線とは思えないほど自然な音場を再現します。
加えて、実用面でも多機能。
- アダプティブANC(最大-55dB)で周囲の騒音を的確に除去。
- 外音取り込みモードは人の声を強調する設定もあり、屋外使用でも安全。
- マルチポイント接続により、PCとスマホなど2台同時接続が可能。
- ゲームモードでは低遅延を維持し、映像と音のズレを最小限に。
これらの設定はすべて専用アプリ「SOUNDPEATS Audio」から行えます。
アプリでは以下のような操作も可能です。
- タッチ操作の割り当て変更(1〜3回タップ、長押し対応)
- イコライザー(自動補正機能つきアダプティブEQ/プリセット/カスタム)
- 装着テスト・排水機能・イヤホン探索などの補助機能
「Air5 Pro+」は、ミドルクラスにありながらハイエンドモデルと肩を並べる完成度を誇る1台です。
MEMSドライバーによる高解像度、ダイナミックドライバーの重厚さ、そして最新コーデックによる高品位な無線伝送。
これらが一体となり、「価格以上の音」を追求したSOUNDPEATSの新たな到達点となっています。
前作の使いやすさはそのままに、音の表現力が格段に進化した――まさに“Air5 Proの完全版”と言えるでしょう。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」のデザインと装着感

「Air5 Pro+」は、機能面の進化だけでなく、日常的な使いやすさと所有感を両立したデザインが特徴です。
前作のシンプルさを踏襲しながらも、素材やカラーリング、細部の仕上げにこだわり、より洗練された印象に仕上がっています。
ここでは、外観・装着感・操作性それぞれの観点から見ていきましょう。
高級感ある外観とカラーリング
「Air5 Pro+」は全体的に落ち着いたデザインですが、細部にゴールドのアクセントを加えることでプレミアムな印象を演出しています。
外観の特徴
- ケースはマットブラックの仕上げで指紋が付きにくく、手にしたときの質感が滑らか。
- 背面にはゴールドのロゴプレートが入り、控えめながらも上品な高級感を醸し出しています。
- 開閉部分はやや斜めに設計されており、イヤホンの取り出しやすさが向上。
- USB-Cポートと物理ボタンは底面に配置され、見た目の一体感を損なわない設計です。
イヤホン本体は光沢のあるブラックで、マットなケースとのコントラストが映えるデザイン。
ショートスティック型のフォルムにより、装着時の見た目もすっきりしており、耳元が大きく見えません。
| 項目 | Air5 Pro | Air5 Pro+ |
|---|---|---|
| カラー | グレー系 | ブラック×ゴールド |
| 仕上げ | マットのみ | ケース:マット/本体:グロス |
| ロゴ装飾 | なし | ゴールドプレート採用 |
| 重量 | 約4.9g(片側) | 約5.1g(片側) |
マットとグロスの質感を使い分けることで、「落ち着き」と「高級感」を両立。
光の反射によってイヤホンの造形が美しく際立つ点も魅力です。
装着感とフィット感の向上
「Air5 Pro+」は、長時間装着しても疲れにくいよう、イヤホンの形状と重量バランスが丁寧に設計されています。
装着性の特徴
- シェル部分は耳のくぼみに沿うようにカーブしており、軽い力でしっかり固定。
- スティック部が短く、重心が内側に寄るためズレや落下が起きにくい。
- イヤーピースは専用の短軸タイプ(S/M/Lの3サイズ)が付属し、密閉感と快適性を両立。
- 約5.1gという軽量設計で、通勤やオンライン会議など長時間装着しても耳の負担が少ない。
また、イヤホンの内部には通気孔が設けられており、気圧のこもりを軽減。
ANC使用時でも圧迫感が少なく、自然な装着感を維持できます。
快適な装着を得るポイント
- イヤーピースはMサイズから試し、密閉感が強すぎる場合はSサイズに変更。
- ANC性能を最大化したい場合は、軽く回し込むように装着して密閉度を高める。
- 装着後は少し前下方向に角度を調整すると安定感が増す。
防水性能もIPX5に対応しており、汗や小雨程度であれば問題なく使用可能。スポーツ用途でも安心です。
操作性とアプリ連携
「Air5 Pro+」は、タッチ操作のレスポンスやアプリ連携の完成度も非常に高く仕上がっています。
タッチ操作の特徴
- センサーはブランドロゴ部分に配置。反応が正確で、誤作動が少ない。
- 1〜3回タップや長押しなどの操作を、専用アプリで自由にカスタマイズ可能。
- 操作音は控えめで、タップ時の振動やクリック感はなし。静かに操作できる仕様です。
専用アプリ「SOUNDPEATS Audio」では以下の操作が可能です。
- ANC/外音取り込み/ノーマルモードの切り替え
- ゲームモード、マルチポイント接続のオン/オフ
- イコライザー(アダプティブEQ・プリセット・カスタム設定)
- カスタムキーでタップ操作の割り当て変更
- イヤホン探索機能、排水モード、ガイダンス言語の設定
アプリの動作は軽快で、設定変更もスムーズ。初心者でも直感的に操作できるデザインです。
「Air5 Pro+」のデザインは、シンプルながらも細部に高級感を感じさせる仕上がりです。
ケースのマットな質感と光沢のあるイヤホン本体の対比が美しく、所有感を満たしてくれます。
装着感は軽く、安定性が高く、ANC使用時も耳への圧迫が少ない点が特に優秀。
さらに、アプリ連携や操作性の完成度も高く、見た目・機能・使いやすさの三拍子が揃った設計といえるでしょう。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」の音質レビュー

SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」の音は、ひとことで言えば「情報量の多さと聴きやすさの共存」です。
MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成により、繊細さと力強さが絶妙に共存しています。
特に中高域のクリアさはこの価格帯とは思えない完成度で、解像度の高さと自然な響きが見事に調和しています。
帯域別の音の特徴
「Air5 Pro+」のサウンドは全体的にフラット寄りながら、やや低域が厚めに設計されています。
どのジャンルを聴いても破綻せず、長時間でも疲れにくいチューニングです。
低音域(20〜200Hz)
- 深く沈み込むような重低音で、量感はしっかりめ。
- 低音が膨らみすぎず、タイトで制御された響き。
- ベースラインが明確で、リズムのキレが良い。
中音域(200Hz〜3kHz)
- ボーカルが前に出すぎず、自然な定位で耳に届く。
- ギターやピアノの倍音が滑らかで、楽器の質感がしっかり伝わる。
- 男女ボーカルともに厚みがあり、温かみのある表現が印象的。
高音域(3kHz〜15kHz)
- 伸びやかで透明感があり、シンバルやストリングスの輪郭がくっきり。
- サ行の刺さりを感じにくく、長時間のリスニングでも快適。
- 空気感やホールの残響が丁寧に描かれ、音場の奥行きを広げている。
| 帯域 | 音の特徴 | 印象的なポイント |
|---|---|---|
| 低音 | タイトで沈み込みが深い | EDM・ロックのリズムが力強い |
| 中音 | ボーカルが自然に前へ出る | 声の厚みと滑らかさ |
| 高音 | 伸びと透明感が両立 | 解像感が高く刺さりが少ない |
MEMSドライバーがもたらす進化
「Air5 Pro+」の音質を語る上で欠かせないのが、MEMS(半導体)ドライバーです。
従来の振動板式とは異なり、MEMSは極小の機械構造で音を生成するため、応答速度が約4倍に向上。
これにより音の立ち上がりが非常に速く、特に高域やアタック音の再現性が際立っています。
MEMSドライバーによる主な効果
- 細かな音のニュアンス(ピアノの余韻、弦の振動など)をリアルに再現。
- 音の粒立ちが整い、楽器ごとの分離感が向上。
- 解像度が高くても耳当たりが柔らかく、聴き疲れしにくい。
また、クラスHアンプの導入により、音量を上げても歪みが少なく、静寂の中から音が立ち上がるような透明感があります。
特にクラシックやアコースティックのような繊細なジャンルでは、音の“消え際”までしっかり聴き取れるでしょう。
音場と定位の印象
「Air5 Pro+」の音場は、横方向に広く、奥行きも十分です。
音がスピーカーのように空間に浮かぶような立体感があり、ライブ音源などでは臨場感が際立ちます。
- ボーカルはやや近めの位置で、息づかいまで感じ取れる。
- 楽器の位置関係が明瞭で、複数の音が重なっても混ざらない。
- 音の距離感がリアルで、リスニングルームの空気感を再現。
特に映画やライブ映像を視聴する際には、セリフとBGMが明確に分離し、没入感が高まります。
ジャンル別の相性
| ジャンル | 相性 | 特徴的な印象 |
|---|---|---|
| ポップス/R&B | ◎ | ボーカルの艶と低音のバランスが絶妙 |
| ロック/EDM | ◎ | 低域のキレと迫力、ステージ感が豊か |
| ジャズ/アコースティック | ○ | 音場の広さと残響が自然 |
| クラシック | ○ | バイオリンやピアノの高域が繊細 |
| 映画・ゲーム | ◎ | 立体的な定位と迫力あるサウンド効果 |
どのジャンルでも破綻せず、音の密度が高いのがこのモデルの強みです。
特にボーカル主体の楽曲や低域を重視する音楽で真価を発揮します。
前作「Air5 Pro」との違い
前作と比べると、「Air5 Pro+」は音の精度と分離感が飛躍的に向上しています。
低音の量感はそのままに、全体の音の透明度が上がり、より自然で奥行きのあるサウンドに仕上がっています。
| 比較項目 | Air5 Pro | Air5 Pro+ |
|---|---|---|
| 音質傾向 | 低音重視・ウォーム | 解像度重視・フラットバランス |
| 音場 | 横方向中心 | 横+前後の立体感 |
| 高域の伸び | やや控えめ | より滑らかで明瞭 |
| 解像感 | 標準的 | 高密度で緻密 |
| 聴き疲れ | 長時間でやや重め | 聴きやすく自然な響き |
「Air5 Pro+」の音質は、同価格帯のイヤホンを大きく超える完成度です。
低域は力強く、中域はナチュラル、高域は澄み切っており、全体のバランスが極めて良好。
MEMSドライバーの高速レスポンスとクラスHアンプの透明感が、これまでのSOUNDPEATSにはなかった“上質な静寂と緻密さ”を生み出しています。
価格以上のサウンドを求める人にとって、「Air5 Pro+」は間違いなく“買って後悔しない一本”といえるでしょう。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」のノイズキャンセリング・通話・その他機能

SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」は、ハイブリッドドライバーによる音質だけでなく、使い勝手と快適さにも大幅な進化を遂げています。
ここでは、ノイズキャンセリング性能・通話品質・実用機能の3つの観点から詳しく見ていきましょう。
最大−55dBのアダプティブANC性能
「Air5 Pro+」のノイズキャンセリングは、ブランド史上最も強力な最大−55dBのアダプティブANCを搭載しています。
周囲の環境ノイズをリアルタイムに検知し、自動で最適な抑制レベルに調整することで、さまざまなシーンに対応します。
特徴と実際の効果
- 低音ノイズの軽減力が非常に高い。電車やバスの走行音、エアコンの低周波をしっかりカット。
- 圧迫感の少ない静けさで、長時間使用しても耳疲れがしにくい。
- 音楽再生時の没入感が増し、音量を下げても細部まで聴き取れる。
また、アプリ内では「アダプティブ/室内/屋外/交通」の4モードを切り替え可能。
状況に合わせてANCを最適化できる点が便利です。
| シーン | 推奨モード | 効果の印象 |
|---|---|---|
| 通勤・通学 | アダプティブ | 騒音を自動制御、低音ノイズに強い |
| オフィス・カフェ | 室内 | 会話音や空調音を自然に抑える |
| 街歩き | 屋外/交通 | 安全性を確保しつつノイズを軽減 |
ノイズリダクションの効き方が自然で、耳が詰まるような“圧”が少ない点が特に優秀。
静寂の中でも音楽が伸びやかに聴こえる、完成度の高いANCです。
外音取り込みと通話品質
■ 外音取り込みモード(トランスペアレンシー)
外音取り込み機能は、自然な聞こえ方と空間感が印象的です。
イヤホンを装着したままでも、周囲の状況をしっかり把握でき、外出時の安全性を高めています。
外音モードの特徴
- 周囲の音がクリアで、装着中でも違和感が少ない。
- 人の声が聞き取りやすく、レジや駅のアナウンスも把握できる。
- 外音を取り込みながら音楽再生しても、音の濁りが少ない。
自分の声がややこもる傾向はありますが、全体的に自然な音場を保ったまま会話できる点が強みです。
■ 通話品質
「Air5 Pro+」は、環境ノイズ除去(ENC)対応マイクを搭載しています。
街中や交通音のある場所でも、声をしっかり前面に出すことで聞き取りやすさを確保しています。
テストでの印象
- 雑踏や屋外でも相手にクリアな声が届く。
- ノイズ抑制が的確で、風切り音や話し声の被りを防止。
- オンライン会議やボイスチャットでも問題なく使用できる安定感。
マイクの集音力が高く、声のトーンまで自然に伝わるため、通話用イヤホンとしても高水準です。
マルチポイントやゲームモードなど実用面
「Air5 Pro+」は、機能面でも上位機に匹敵する使い勝手を備えています。
マルチポイント、低遅延モード、専用アプリによる高度な設定など、日常利用における利便性が非常に高いのが特徴です。
■ マルチポイント接続
- 2台同時接続に対応。スマホとPCを同時にペアリング可能。
- 例えばスマホで音楽を聴きながら、PCで会議が始まっても即座に音が切り替わる。
- Bluetooth 5.4による通信安定性も高く、途切れやノイズはほとんどなし。
優先再生は先に接続したデバイスが優先されますが、手動での切り替えは1秒以内と非常にスムーズです。
■ ゲームモード(低遅延モード)
「Air5 Pro+」は、低遅延を実現するゲームモードを搭載しています。
ONにすると映像と音のズレが大幅に軽減され、動画・ゲームどちらも快適。
| コーデック | 平均遅延値 | 評価 |
|---|---|---|
| AAC | 約60ms | 映像視聴ではほぼ気にならないレベル |
| aptX Adaptive(LL) | 約25ms | 音ゲー・FPSでもズレを感じない |
ゲームモード時は音の厚みがわずかに薄くなりますが、反応速度は抜群です。
スマホゲームや映画鑑賞には理想的な設定と言えるでしょう。
■ アプリ「SOUNDPEATS Audio」での拡張機能
専用アプリを使うことで、以下のような詳細設定が可能です。
主要機能一覧
- ANC/外音/ノーマルモード切替
- マルチポイント・ゲームモードON/OFF
- タッチ操作の割り当て変更(1〜3タップ+長押し)
- アダプティブEQ(聴力測定による自動最適化)
- プリセットEQ・カスタムEQの自由調整
- イヤホン探索・装着テスト・排水機能・言語設定
動作は軽快で、反応も正確。特にEQ機能は細かいカーブ調整ができ、音質を自分好みに仕上げられる点が魅力です。
■ バッテリーと充電
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 再生時間(単体) | 約6時間(ANC ON時) |
| 総再生時間(ケース込) | 約30時間 |
| 急速充電 | 10分充電で約2時間再生 |
| 充電方式 | USB Type-C(ワイヤレス充電非対応) |
バッテリー持ちは平均的ながら、急速充電対応のおかげで日常使いでは困らないレベル。
ケースは軽量で携帯性も高く、通勤・出張時でも安心です。
「Air5 Pro+」は、ノイズを遮断し、会話を明瞭にし、どんなシーンでも快適に使える万能機です。
ANCはハイエンド並みの静けさを実現し、通話は自然でクリア。
さらにマルチポイントや低遅延モードにより、仕事・エンタメ両方で活躍します。
つまり、「Air5 Pro+」は「音質×静寂×利便性」を一台で実現した、SOUNDPEATSの完成形といっても過言ではありません。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」を使用した私の体験談・レビュー

SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」を実際に使用してみて、最も印象に残ったのは「価格を超えた完成度」です。
初回の装着から約2週間、通勤や在宅ワーク、スポーツ中などさまざまなシーンで使い込みましたが、音質・ANC・使いやすさのすべてで“安定感のある実力派”という印象が強まりました。
初日の印象とセットアップ
ペアリングは非常にスムーズで、ケースを開けた瞬間に端末が認識。
専用アプリ「SOUNDPEATS Audio」も直感的なUIで、初めて使う人でも迷うことはほとんどありません。
装着して最初に音を出した瞬間、中高域の解像感と低音の引き締まりが際立っていました。
音の粒が細かく、輪郭がくっきりしているのに、耳に刺さらない柔らかさを持っています。
「1万円台でここまで繊細な音が鳴るのか」と思わず声が出るレベルの完成度でした。
シーン別の使用感
「Air5 Pro+」は、どんな環境でも“自然に溶け込む静けさ”を提供してくれます。
特にANCと外音モードの切り替えが素早く、日常生活の中でストレスを感じる場面が少ないと感じました。
| 使用シーン | 設定/機能 | 実際の印象 |
|---|---|---|
| 通勤電車 | アダプティブANC | 走行音が大きく減り、ボリュームを下げても音楽がクリアに聴こえる。周囲の人の声もほぼ気にならない。 |
| カフェやオフィス | 室内モード | 空調音や話し声をうまく抑え、集中しやすい環境を保ってくれる。 |
| 外出・散歩中 | 外音取り込み | 車の走行音や人の声が自然に聞こえるため、外でも安全に使用可能。 |
| 在宅会議 | マルチポイント接続 | PCとスマホを同時に繋ぎ、即座に切り替え。通話時も音がブレずクリア。 |
| ジム・運動時 | 屋外モード | IPX5防水で汗に強く、安定した装着感。走ってもズレない。 |
こうして使い続けてみると、「音楽用と仕事用を一本化できる利便性」がこの機種の強みだと感じました。
音質の印象
「Air5 Pro+」のサウンドは、ただの“高解像”ではなく、音楽的な温かさと精密さが共存しています。
帯域ごとの印象
- 低音域:深く沈み込みながらも締まりがあり、ベースラインが輪郭を保ったまま鳴る。
- 中音域:ボーカルの位置が安定しており、男女問わず明瞭。アコースティック楽器との分離も良好。
- 高音域:粒立ちが細かく、シンバルの余韻や弦の響きが自然に伸びる。
また、MEMSドライバーによる高速な音の立ち上がりで、小音量でも音がぼやけないのが印象的でした。
夜間のリスニングでも音の輪郭が失われず、静かな環境ほど違いが際立ちます。
| 音質項目 | 評価(5段階) | コメント |
|---|---|---|
| 解像度 | ★★★★★ | 価格帯ではトップクラス。情報量が多く、空気感まで伝わる。 |
| バランス | ★★★★☆ | 低音がやや前に出るが、全体のまとまりが良い。 |
| 音場 | ★★★★☆ | 横に広く、前後の奥行きも自然。ライブ音源で没入感が強い。 |
| ボーカル表現 | ★★★★★ | 声の温かみと透明感のバランスが秀逸。 |
ANC・外音・通話の実体験
ANC(ノイズキャンセリング)
- 最大−55dBのスペック通り、地下鉄でも明確な静寂を体感。
- “強力なのに耳が痛くならない”圧力の少なさが好印象。
- 音楽を再生すると、周囲の音が完全に背景に溶け込む。
外音取り込み
- 会話の自然さは他社の上位モデルと比較しても十分。
- コンビニのレジや駅のホームでも、イヤホンを外さずやり取りできた。
通話品質
- 雑踏や車道沿いでも声が前に出て、ノイズが抑えられている。
- 相手側から「音がクリア」と言われるほど。
- マイクが風を拾いにくく、屋外でも安心して使える。
実用面で感じたメリットと注意点
良かった点
- ANC・外音・通話すべての完成度が高く、どんなシーンでも快適。
- マルチポイント接続が非常に安定しており、仕事用イヤホンとしても優秀。
- 軽量設計で長時間装着しても痛くならない。
- バッテリーは実使用で5〜6時間持続。急速充電対応で朝の準備中に十分フル回復。
気になった点
- ワイヤレス充電には非対応。Qi派の人にはやや不便。
- ケースの指紋はやや付きやすい(マット仕上げだが黒なので目立つ)。
- アプリの「イヤホンを探す」機能は位置誤差があり、参考程度。
使い込んで感じた結論
2週間ほど使い込んだ結果、Air5 Pro+は「音質と機能をバランス良く詰め込んだ万能モデル」だと実感しました。
MEMSドライバーの緻密な再現力、ハイブリッドANCの静寂、快適な装着感——どれを取っても価格帯を超える完成度。
特に印象的だったのは、
- 通勤電車の中でも静寂の中で音楽を“じっくり楽しめる”こと、
- 会議・外出・リスニングと用途を問わず1台で完結できること。
「高音質+実用性」を両立したい人には、まさに最適解のイヤホンだと思います。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」 に関するQ&A

SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」 に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
「Air5 Pro+」と通常モデル(Air5 Pro)の違いは?
最大の違いは「MEMSドライバーとクラスHアンプ」の追加です。これにより、音の立ち上がりがより速く、細部まで情報量の多いサウンドを再現できます。また、ANC性能も従来より強化され、最大−55dBのノイズ低減が可能になっています。
iPhoneでも高音質で聴けますか?
はい。iPhoneではAACコーデックで接続されます。aptX系の高音質コーデックには非対応ですが、「Air5 Pro+」はAACでも非常に高い解像感を発揮します。中高域の透明感とボーカルの抜けが良く、Appleユーザーでも満足できる仕上がりです。
ANC性能はどのくらい強力ですか?
スペック上は最大−55dBのノイズカット。実際にも電車やカフェの環境音がかなり減り、音量を下げても音楽を快適に楽しめます。耳が詰まるような圧迫感も少なく、長時間使用にも向いています。
通話品質はどうですか?
かなり良好です。MEMSマイクによるノイズリダクション機能が搭載されており、雑踏や風のある環境でも自分の声が明瞭に伝わります。ビデオ会議やオンライン授業などの用途にも安心して使えます。
外音取り込み機能は自然ですか?
はい。「Air5 Pro+」の外音取り込みは非常に自然で、人の声を強調するモードもあります。コンビニやオフィスで会話する際にイヤホンを外さずにやり取りできるほどの自然さです。
ゲームモードの遅延はどの程度?
ゲームモードをONにすると、遅延は約25ms(aptX Adaptive時)まで抑えられます。
YouTubeや動画視聴ではほぼ気にならず、リズムゲームやFPSでも違和感の少ない応答速度です。
マルチポイント接続の使い勝手は?
2台のデバイスに同時接続できます。
例:PCで会議中→スマホに電話が来たら、1秒以内に自動で切り替え可能。安定性が高く、仕事と私用を両立したい人に最適です。
どのくらいバッテリーが持ちますか?
ANCオンで単体約5〜6時間、ケース込みで最大30時間ほど。
10分の急速充電で約2時間再生できるため、通勤や出張でも安心して使用できます。
ワイヤレス充電はできますか?
残念ながら非対応です。
USB-Cケーブルでの有線充電のみですが、急速充電に対応しているため充電スピードは速めです。
防水性能はどのくらい?
IPX5相当の防水性能を備えており、汗や雨程度なら問題ありません。
ランニングやジムなどの軽い運動中でも安心して使えます。
音質のチューニングはアプリで調整できますか?
専用アプリ「SOUNDPEATS Audio」からプリセットEQやカスタムEQを使って好みに合わせて調整可能です。
低音を強調したり、高音を伸ばしたりといった微調整も簡単に行えます。
競合モデルと比べた強みは?
「Air5 Pro+」の強みは、
- MEMS+ダイナミックによる高解像・低歪みサウンド
- ANC・通話・マルチポイント・ゲームモードのトータル完成度
- 1.5万円以下クラスでは頭ひとつ抜けた音質
この3点です。単なる「高コスパ」ではなく、“実力で上位機に迫る中核モデル”と言えるでしょう。
音質はどんなジャンルに向いていますか?
オールジャンル対応ですが、特にボーカル中心のポップスやアコースティック、ジャズと相性が良いです。
中音域の艶と高域の伸びが自然で、歌声やピアノ、アコギなどの表現力が際立ちます。
また、低音の量感がしっかりあるため、EDMやヒップホップの重低音もしっかり楽しめます。
小音量でも音がこもりませんか?
こもりません。MEMSドライバーの高速応答特性により、低音が膨らまず、高音も減衰しにくいため、小音量でも解像感と臨場感が保たれます。夜間リスニングや長時間作業中でも聴き疲れしにくいのが特徴です。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」レビューのまとめ

「Air5 Pro+」は、MEMS×10mmダイナミック+クラスHアンプという構成で、情報量と聴きやすさを高いレベルで両立した“音質先導型TWS”です。
最大−55dBクラスのアダプティブANC、自然な外音取り込み、クリアな通話、安定したマルチポイント、低遅延のゲームモード、柔軟なEQまで、日常運用に必要な要素も過不足なく揃っています。
価格帯を考えると、完成度は明らかに一歩抜けています。
総合ハイライト(要点ダイジェスト)
- サウンド:タイトな低域/クリアな中域/伸びやかな高域。小音量でも輪郭が崩れにくい。
- ANC:強力かつ圧迫感が少ない。電車・街路で音量を上げずに聴ける静けさ。
- 外音/通話:声の通りが自然で、装着したまま会話・会議が快適。
- 接続:Bluetooth 5.4。マルチポイントの切替が速く、仕事+私用の併用に強い。
- 遅延対策:ゲームモードで映像とのズレを最小化。動画〜多くのゲームで快適。
- 運用:単体約6時間/合計約30時間。急速充電対応で“困った時にすぐ足せる”。
- アプリ:アダプティブEQ・細帯域カスタム・操作割り当て・探索や排水などユーティリティ充実。
よかった点/気になった点
| 観点 | よかった点 | 気になった点 |
|---|---|---|
| 音質 | MEMSの速い立ち上がりで解像と分離が高水準/厚みと精密さが同居 | もっと広大な空間表現を最優先なら上位機(有線寄り)に分がある |
| ANC/外音 | −55dBクラスの効きと自然さのバランスが良い | 自声は外音モードでややこもる場面あり |
| 通話 | 雑踏・風下でも声の芯が残る | 強風では向きの工夫が必要なときあり |
| 接続 | マルチポイントが安定・切替迅速 | 自動割り込みは控えめ(先に鳴っている端末が優先) |
| バッテリー | 単体6h/急速充電10分→約2hで実用性高い | ワイヤレス充電非対応 |
| 使い勝手 | 操作カスタム/EQ/探索/排水などアプリが充実 | 位置ベース探索は誤差が出ることがある |
こんな人におすすめ/他の選択が合う人
おすすめ
- 音質最優先でTWSを選びたい(小音量でも満足したい)。
- 通勤・作業でANCの静けさをしっかり得たいが、耳詰まり感は苦手。
- 仕事×私用を1台で回したい(マルチポイント/通話重視)。
- スマホや対応端末でaptX Adaptive/Losslessを活かしたい。
他が合うかも
- 置くだけ充電(Qi)が必須。
- 長距離フライトで単体8〜10時間級を最優先。
- クラシックの広大な残響表現だけを最重視(ハイエンド有線や上位TWS志向)。
シーン別おすすめ設定例(すぐ使える実用プリセット)
- 通勤電車:ANC=アダプティブ / EQオフ(または低域+1dB)
- カフェ・オフィス:ANC=室内 / マルチポイントON
- 屋外散歩:外音取り込み(必要時のみ) / ゲームモードOFF
- 動画・ゲーム:ゲームモードON / コーデック=aptX Adaptive優先
- 夜間の小音量:EQオフ(必要なら10–12kHz+1dBできらめきを微調整)
購入前チェックリスト
- 端末がaptX Adaptive/Losslessに対応しているか?(対応なら恩恵大)
- ワイヤレス充電は非対応—USB-C運用で問題ないか?
- イヤーピースは密閉が命(サイズ合わせでANC&低音が化ける)。
- ゲーム多用ならゲームモード常備で快適化。
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」レビューの総括
SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」は、ブランドが長年培ってきた“コスパの良さ”という枠を超え、明確にミドル〜ハイレンジクラスに踏み込んだ完成度を持つモデルです。
MEMSドライバーと10mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成によって描かれる音は、単に情報量が多いだけでなく、音楽としての温度感や表現の深みをしっかりと兼ね備えています。
さらに、最大−55dBという強力なアダプティブANCと自然な外音取り込み機能、安定したマルチポイント接続や低遅延のゲームモードなど、日常のあらゆるシーンをシームレスにカバーできる使い勝手の良さも特筆すべき点です。
価格を考えれば、ここまで音質・機能・操作性を高次元で融合させた完全ワイヤレスイヤホンはそう多くありません。
普段使いから本格的なリスニングまで、どんな場面でも「これで十分」と思わせてくれる完成度を持っています。
音楽をもっと快適に、もっと身近に楽しみたい人にとって、SOUNDPEATS 「Air5 Pro+」はその理想を現実にする一本です。
――耳元に広がる、静寂と躍動のバランス。その答えが、ここにあります。

