ワイヤレスイヤホン市場で今、最も熱い注目を集めている「オープンイヤー型」。
耳を塞がない開放感は魅力ですが、一方で「耳の形に合わなくて音がスカスカする」「低音が物足りない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
「耳掛け式イヤホンは、耳の形が合うかどうかが全て」
これは、数多くのオープンイヤー型イヤホンをレビューしてきた私の持論です。
カナル型(耳栓型)と違い、耳の奥で固定しないオープンイヤー型は、スピーカーの位置が少しズレるだけで低音が逃げ、その魅力が半減してしまうからです。
そんな中、高コスパイヤホンの雄・SOUNDPEATSから、その常識を覆す新たな刺客が登場しました。
それが「SOUNDPEATS Breezy」です。
2024年モデルとして投入されたこの機種、最大の特徴は「イヤーフックの角度を最大90度まで無段階で調整できる」こと。
ユーザーの耳に合わせてスピーカー位置を物理的に動かせるというギミックは、まさに「音質と装着感の革命」を予感させます。
- 「調整機能で本当に音は変わるのか?」
- 「運動してもズレないのか?」
- 「名機GoFree2と比べて、どっちが良いの?」
今回は、これらの疑問に対し、忖度なしの実機テストで検証を行います。
競合機種との比較や、実際に使い込んで分かった「意外な真実」まで、SOUNDPEATS Breezyの実力を徹底的に解剖していきます。
- SOUNDPEATS 「Breezy」の基本スペックと外観:最新技術が詰まった高コスパ機
- SOUNDPEATS 「Breezy」の最大の特徴!90度調整可能な装着感とフィット性
- SOUNDPEATS 「Breezy」の音質・機能の実力評価:12mmドライバーの真価
- SOUNDPEATS 「Breezy」を使用した私の体験談・レビュー
- SOUNDPEATS 「Breezy」に関するQ&A
- ノイズキャンセリング機能(ANC)はついていますか?
- 音漏れはどれくらい気になりますか?
- お風呂やシャワーでも使えますか?
- 片耳だけで使用することはできますか?
- ランニング中に落ちてしまうことはありませんか?
- iPhoneとAndroid、どちらでも使えますか?
- 音ゲー(リズムゲーム)は遅延なくプレイできますか?
- SOUNDPEATS GoFree2と迷っていますが、どちらが良いですか?
- メガネやマスクをつけたままでも快適ですか?
- マルチポイント(2台同時接続)の切り替えに操作は必要ですか?
- イヤホン本体だけで音量調節はできますか?
- ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
- 寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?
- イヤーカフ型(クリップ型)のイヤホンと比べてどうですか?
- SOUNDPEATS 「Breezy」レビューのまとめ
SOUNDPEATS 「Breezy」の基本スペックと外観:最新技術が詰まった高コスパ機

SOUNDPEATS Breezyは、単なる「安価なオープンイヤーイヤホン」ではありません。
そのスペックシートを読み解くと、2024年後半のトレンドをしっかりと抑えた技術的な裏付けが見えてきます。
ここでは、表層的なスペックだけでなく、それが実際のユーザー体験にどう影響するかを深掘りします。
主な仕様とスペック一覧:Bluetooth 5.4の恩恵とは
まず注目すべきは、通信規格に最新のBluetooth 5.4を採用している点です。
多くの競合製品(特に少し前のモデル)がBluetooth 5.3や5.2に留まる中、5.4を採用するメリットは決して小さくありません。
- 接続安定性の向上:
新宿駅や渋谷のスクランブル交差点など、電波が飛び交う過密エリアにおいても、音飛びや接続切れのリスクが大幅に低減されています。
オープンイヤー型は外出時に使われることが多いため、この「切れにくさ」は地味ながら強力な武器となります。 - 省電力性能:
後述するバッテリー持ちの良さ(単体10時間)は、この最新チップの電力効率の良さが大きく寄与しています。 - ペアリングの速度:
ケースを開けてからスマホと繋がるまでのタイムラグが短縮されており、「耳に着けた瞬間にはもう繋がっている」というシームレスな体験を提供してくれます。
| 項目 | SOUNDPEATS Breezy | SOUNDPEATS GoFree2 | 違いと優位性 |
| 形状 | 角度調整可能な耳掛け型 | 固定式耳掛け型 | Breezy: 耳の形を問わずフィットさせやすい GoFree2: 固定式ならではの剛性感 |
| ドライバー | 12mm デュアル磁気回路ダイナミック | 16.2mm ダイナミック | Breezy: 小口径だが磁気回路強化で低音のレスポンス向上 GoFree2: 大口径による余裕のある音場 |
| 通信規格 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.3 | Breezy: 最新規格で安定性と省電力性が上 |
| 対応コーデック | SBC / AAC | SBC / AAC / LDAC | Breezy: iPhoneユーザー(AAC)には最適 GoFree2: Androidユーザー(LDAC)には圧倒的有利 |
| 再生時間 | 単体10時間 / ケース込40時間 | 単体9時間 / ケース込35時間 | Breezy: 長時間のWeb会議やフライトでも安心 |
| 防水性能 | IPX4 | IPX5 | Breezy: 雨や汗なら問題なし GoFree2: シャワーや水洗いへの耐性がやや高い |
「S」ロゴが映えるデザインと質感:所有欲を満たすディテール
実機を手に取ると、6,000円台という価格帯を超えた「モノとしての完成度」に驚かされます。
充電ケースは、一般的なプラスチックのツルツルした安っぽい質感ではなく、サラサラとしたマット加工が施されています。
これにより、指紋や皮脂汚れが目立ちにくく、常に清潔感を保てます。
ケースの開閉ヒンジもしっかりとした抵抗感があり、勝手に開いてしまうような不安感はありません。
イヤホン本体に目を向けると、外側のタッチセンサー部分には幾何学的なパターン(カーボン調に近いテクスチャ)が施されています。
その中央に配置された「S」ロゴは、光の当たり具合によって鈍く輝き、耳元でさりげないアクセントとなります。
オープンイヤー型は耳全体を覆うため、装着時の見た目が重要ですが、Breezyは「ガジェット感」と「ファッション性」のバランスが上手く取れており、スーツ姿でもスポーツウェアでも違和感なく溶け込むデザインと言えるでしょう。
パッケージ内容と付属品
開封体験もユーザー満足度を高める重要な要素です。
- 充電ケース & イヤホン本体:
初期状態では絶縁シールが貼られているため、剥がしてからケースに戻し、リセットする必要があります。 - USB Type-C 充電ケーブル:
約30cmほどの短めのケーブル。
デスク周りで充電するには丁度よい長さですが、コンセントが遠い場合は別途長いケーブルを用意した方が良いでしょう。 - 取扱説明書 & アプリガイド:
しっかりとした日本語対応です。 - PEATSくんステッカー:
SOUNDPEATSファンにはお馴染みのマスコットキャラ。
今回は少しポップなデザインで、PCや手帳に貼りたくなる可愛らしさがあります。
SOUNDPEATS 「Breezy」の最大の特徴!90度調整可能な装着感とフィット性

SOUNDPEATS Breezyのアイデンティティとも言えるのが、「最大90度の無段階角度調整機能」です。
これが単なるギミックではなく、実用性にどう直結しているのか詳しく解説します。
無段階調整フックがもたらす「スイートスポット」の確保
一般的なオープンイヤー型イヤホン(例えばShokz OpenFitやAnker Soundcore AeroFitなど)は、形状が固定されています。
そのため、「耳たぶが厚い人」や「耳の穴の位置が少し上にある人」の場合、スピーカーが最適な位置(スイートスポット)からズレてしまい、本来の音質を発揮できないという課題がありました。
Breezyはこの問題を「可動ヒンジ」で物理的に解決しました。
- 装着の手順: まずフックを広げて耳に掛けます。
- 調整: イヤホン本体をつまみ、耳の穴に向かって角度を下げていきます。
- ロック: 無段階のヒンジが、ユーザーが止めた位置でピタリと留まります。
この機構のおかげで、例えば「今日は集中したいから、スピーカーを耳穴に押し付けるように密着させる」「今は外の音を聞きたいから、少し浮かせて角度をつける」といった使い分けが可能になります。
ヒンジのトルク感(動きの硬さ)は絶妙で、首を振った程度では勝手に動かない硬さが確保されています。
メガネ干渉と長時間使用時の快適さ
メガネユーザーにとって、耳掛け式イヤホンは「耳裏の渋滞」を引き起こす悩みの種です。
メガネのツル、マスクの紐、そしてイヤホンのフックが重なると、痛みが発生しやすくなります。
Breezyのフック部分は、内部に形状記憶合金(あるいは柔軟なワイヤー)を使用し、表面を肌触りの良いソフトシリコンでコーティングしています。
断面形状が平たい楕円形になっているため、メガネのツルと並行して掛けても厚みが出すぎず、圧迫感が分散されます。
【実際にメガネ+マスク+Breezyで3時間過ごした結果】
驚くべきことに、痛みはほとんど感じませんでした。
特に角度調整機能のおかげで、メガネのツルと干渉しない位置にイヤホン本体を逃がすことができるのが大きいです。
固定式の場合は「当たる場所が痛いけど我慢する」しかありませんでしたが、Breezyなら「痛くない場所に動かす」ことができます。こ
れはメガネユーザーにとって革命的です。
ランニングや運動時の安定性チェック
スポーツ利用を検討している方のために、よりハードな条件下での安定性をテストしました。
- ジョギング(キロ6分ペース):
振動によるズレは皆無。着地衝撃でヒンジが勝手に下がることもありませんでした。 - 短距離ダッシュ・ジャンプ:
激しく頭を上下に振ると、さすがにイヤホン本体の重み(遠心力)で、設定した角度が少し開いてしまう感覚がありました。 - 筋トレ(ベンチプレスなど):
仰向けになっても落ちることはありません。
【スポーツ時のコツ】
運動前に、通常よりも少し「きつめ」に角度を狭めて、耳たぶを挟み込むようにセットするのがポイントです。
こうすることで、クリップ型イヤホンのようなホールド感が生まれ、激しい動きでも安定します。
防水性能はIPX4(生活防水)なので、汗だくになるランニングや小雨の中での使用も問題ありません。
SOUNDPEATS 「Breezy」の音質・機能の実力評価:12mmドライバーの真価

「オープンイヤー=低音がスカスカ」という常識は、Breezyには通用しません。
音質の詳細と、それを支える機能について解説します。
重低音重視?ダイナミックイコライザーの効果と音質傾向
Breezyの心臓部には、12mmの大口径ドライバーとデュアル磁気回路が搭載されています。
この磁気回路が強力な磁束を生み出し、振動板をパワフルに駆動させることで、オープンイヤー型とは思えない量感のある低音を実現しています。
さらに、「ダイナミックイコライザー(低音補強アルゴリズム)」が常時働いています。
これは再生音量に応じて低音のブースト量を自動調整する機能です。
小音量時は人間の聴覚特性に合わせて低音を持ち上げ、大音量時は音が歪まないようにバランスを自動制御します。
【ジャンル別音質チェック】
- J-POP(Yoasobi、Official髭男dismなど):
ボーカルの中音域がクリアで、歌詞が聞き取りやすいです。
ベースラインもしっかり追えるため、ノリ良く楽しめます。 - ロック・メタル:
バスドラムの「ドスッ」という圧力を肌で感じられます。
オープンイヤーでここまでドラムのキック感を感じられる機種は稀です。 - クラシック・ジャズ:
高音域の伸びはLDAC対応機(GoFree2など)に比べるとやや丸く、柔らかい印象です。
繊細なバイオリンの倍音などを楽しむよりは、ウッドベースの響きを楽しむような聴き方に合っています。 - EDM・ヒップホップ:
Breezyが最も得意とするジャンルです。
重低音が脳内に響くような感覚があり、テンションを上げたいジムでのトレーニング中に最適です。
骨伝導イヤホン(Shokzなど)との決定的な違い
よく比較対象に挙がる「骨伝導イヤホン(Shokz OpenRunなど)」とBreezy(空気伝導)の違いについても触れておきましょう。
- 骨伝導の弱点:
骨を振動させる仕組み上、低音を強くするとこめかみがくすぐったくなりやすく、音質も少しラジオのような「帯域の狭さ」を感じることがあります。 - Breezy(空気伝導)の利点:
耳元に小さなスピーカーがある状態なので、空気の振動として自然な音が鼓膜に届きます。
そのため、こめかみの振動(ムズムズ感)が一切なく、カナル型イヤホンに近い、豊かで広がり(ステレオ感)のある音楽体験が可能です。
「音楽鑑賞」を主目的にするなら、間違いなく骨伝導よりBreezyのような空気伝導型が有利です。
音漏れのレベル検証と屋外での聞こえ方
オープンイヤー型の宿命である「音漏れ」。
Breezyは音の出口を耳穴に向けた指向性スピーカーを採用しており、周囲への拡散を防いでいます。
- 電車内(走行音あり):
音量60〜70%で使用しても、電車の走行音にかき消されて周囲にはまず聞こえません。 - 静かなエレベーター・オフィス:
音量50%を超えると、隣の人(距離50cm)には「シャカシャカ」という音が微かに聞こえます。
静かな環境では音量30〜40%程度(BGMとして聞こえるレベル)に抑えるのがマナーでしょう。
逆に言えば、40%程度ならオフィスで一日中着けていても周囲に迷惑をかけずに自分だけのBGMを楽しめます。
テレワークでの実用性:ZoomやTeamsで使える?
昨今の必須項目である「WEB会議」での実力もチェックしました。
PC(Windows)とスマホのマルチポイント接続環境下でのテストです。
- Zoom / Microsoft Teams:
相手の声は非常にクリアで、長時間聞いていても耳が痛くならないため、2時間を超える長丁場の会議でもストレスフリーでした。
こちらの声もノイズキャンセリング機能のおかげで鮮明に届きます。 - 注意点(ミュート機能):
イヤホン本体の操作で「マイクミュート」をする機能はありません。
会議中に咳払いをする際などは、PCやスマホの画面上でミュート操作をする必要があります。
この価格帯では一般的ですが、ハードウェアミュートが必須の方は注意が必要です。
SOUNDPEATS 「Breezy」を使用した私の体験談・レビュー

ここからは、私が実際にBreezyを1週間使い倒して感じた、カタログスペックには表れないリアルな体験談をお届けします。
GoFree2との徹底比較:サイズ感と携帯性の違い
私はこれまで、同社の名機「GoFree2」を愛用してきました。
音質には満足していましたが、唯一の不満が「ケースの大きさ」でした。
Breezyに乗り換えて最初に感動したのは、この携帯性の改善です。
GoFree2のケースは厚みがあり、ズボンのポケットに入れると不格好に膨らんでいました。
しかし、Breezyのケースは薄型設計になっており、ジーンズのコインポケットや、シャツの胸ポケットにもスッと収まります。
「毎日持ち歩くガジェット」として、このコンパクトさは正義です。
手ぶらで出かけたいミニマリスト志向の方には、GoFree2よりも間違いなくBreezyをおすすめします。
装着角度による「音の激変」を発見した話
使用3日目に面白い発見をしました。
が倍増しました。
まるでサブウーファーを追加したかのような変化です。
- 集中モード(角度狭め・密着):
耳穴を物理的に塞ぎ気味にするため、外音の入りが減り、音楽への没入感が格段にアップします。
カフェで作業に集中したい時はこのスタイル。 - ながら聴きモード(角度広め・開放):
スピーカーを少し耳から離すと、BGM感覚の軽い聴き心地になり、家族からの呼びかけやインターホンの音も聞き逃しません。
家事や散歩中はこのスタイル。
アプリのイコライザーに頼らず、「物理的な距離」で音質と遮音性をコントロールできるのは、可動式フックを持つBreezyだけの特権です。
この「アナログな調整」が意外にも実用的で楽しいのです。
マルチポイント接続がデスクワークで輝く瞬間
Breezyは5,000円〜6,000円台のエントリー〜ミドル帯でありながら、マルチポイント接続(2台同時待受)に対応しています。
私は仕事用のMacBookと、プライベートのiPhoneに同時接続しています。
【実際のワークフロー】
- MacBookでYouTubeの作業用BGMを流しながら執筆作業。
- iPhoneに電話着信が入る。
- MacBookの音楽が自動停止し、Breezyから着信音が鳴る。
- イヤホンをダブルタップして通話開始。そのまま会話。
- 通話終了後、自動的にMacBookの音楽再生に戻る。
この一連の流れが完全にノータッチで行われます。
接続の切り替えもスムーズで、Bluetooth 5.4の安定性を実感しました。
いちいち設定画面を開いて接続先を切り替えるストレスから解放されるだけで、仕事の効率が上がった気がします。
アプリ「PeatsAudio」でのカスタマイズとプリセット音質
専用アプリ「PeatsAudio」を使うことで、Breezyの潜在能力をさらに引き出せます。
特に注目したいのが9種類のプリセットイコライザーです。
- SOUNDPEATSクラシック:
デフォルト設定。
最もバランスが良く、低音とボーカルの調和が取れています。
基本はこれでOK。 - 低音強調:
もともと強い低音がさらにブーストされます。
EDM好きにはたまらない振動感ですが、曲によってはボーカルが少し埋もれるかも。 - 高音強調:
ポッドキャストやオーディオブックなど、人の声(高域)をはっきり聞きたい時に有効でした。
その他、自分の耳の聞こえ方に合わせて波形を作る「アダプティブイコライザー」や、誤操作防止のための「タッチ操作無効化」など、高級機顔負けのカスタマイズ性が用意されています。
バッテリー持ちの実測と充電の手間
公称スペックは「単体10時間」ですが、実際に朝9時から夕方6時過ぎまで、休憩を挟みつつBGMを流しっぱなしにしてみました。
結果、夕方の時点で残りバッテリーは約15%。
音量50%前後であれば、公称値に近いスタミナを発揮します。
ワイヤレス充電には非対応ですが、週に1回USB-Cケーブルを挿すだけなので、そこまで手間には感じません。
長く使うためのメンテナンス:音量低下を防ぐコツ
最後に、長く愛用するためのちょっとしたコツを共有します。
オープンイヤー型を使っていると、「あれ?片方だけ音が小さくなった?」というトラブルに遭遇することがあります。
これは故障ではなく、スピーカーのメッシュ部分に耳垢や皮脂が詰まることが原因であるケースが大半です。
Breezyはカナル型と違ってイヤーピース交換ができないため、日頃のケアが重要です。
私は、使い終わったらティッシュや柔らかい布でサッと拭くことを習慣にしています。
もし音が小さくなったと感じたら、柔らかい歯ブラシなどでメッシュ部分を優しく掃除すると、驚くほど音が復活します。
IPX4防水なので、多少の水気には強いですが、充電端子部分は汗で腐食しやすいので、運動後は必ず乾拭きすることをおすすめします。
体験談の総括:Breezyはどんなシーンで最強か
1週間使い込んで分かったのは、Breezyが「生活のあらゆる隙間に入り込むイヤホン」だということです。
気合を入れて音楽を聴くための高級オーディオではありません。
しかし、通勤中、仕事中、家事中、運動中と、起きている時間の8割を共に過ごせる快適さと機能性を持っています。
特に、「音質にはこだわりたいけど、耳を塞ぐカナル型は疲れる」「骨伝導だと音漏れや締め付けが気になる」という層にとって、Breezyの「調整できる開放感」は、まさに求めていた正解へのピースだと感じました。
SOUNDPEATS 「Breezy」に関するQ&A

SOUNDPEATS 「Breezy」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
ノイズキャンセリング機能(ANC)はついていますか?
音楽を聴くための「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」は搭載されていません。 Breezyは「耳を塞がない」ことが特徴のオープンイヤー型なので、周囲の音は自然に聞こえます。ただし、通話用の「AI通話ノイズキャンセリング」は搭載されており、通話相手にこちらの声をクリアに届けることは可能です。
音漏れはどれくらい気になりますか?
指向性スピーカー技術により、音漏れは最小限に抑えられています。 静かなオフィスやカフェでも、音量30〜40%程度であれば周囲に聞こえることはほぼありません。ただし、図書館のような極めて静かな場所や、満員エレベーターで密着するような状況で大音量(70%以上)を出すと、シャカシャカ音が聞こえる可能性があります。
お風呂やシャワーでも使えますか?
いいえ、推奨されません。 Breezyの防水性能はIPX4(生活防水)です。雨や汗、水しぶき程度なら問題ありませんが、シャワーの強い水流を当てたり、水没させたりすると故障の原因になります。お風呂での使用を想定する場合は、IPX7以上の完全防水モデルをおすすめします。
片耳だけで使用することはできますか?
はい、可能です。 左右どちらか片方のイヤホンだけをケースから取り出して使用できます。片耳使用時は、周囲の音がさらによく聞こえるため、仕事中のインカム代わりや、運転中の通話用ヘッドセットとしても便利です。
ランニング中に落ちてしまうことはありませんか?
通常のランニング程度であれば落ちることはありません。 Breezyはイヤーフックの角度を調整できるため、運動時はフックを狭めて耳を「挟み込む」ように装着することでホールド感を高められます。ただし、激しく首を振るスポーツやコンタクトスポーツでの使用は、固定式のスポーツ専用モデルの方が安心です。
iPhoneとAndroid、どちらでも使えますか?
どちらでも問題なく使用可能です。 iPhoneはAACコーデック、AndroidはSBC/AACコーデックで接続されます。専用アプリ「PeatsAudio」もiOSとAndroidの両方に対応しています。
音ゲー(リズムゲーム)は遅延なくプレイできますか?
「ゲームモード」をONにすれば遅延を大幅に減らせますが、判定がシビアな音ゲーではわずかなズレを感じる場合があります。 RPGやアクションゲーム、動画視聴であれば、ゲームモード使用時でほぼ違和感なく楽しめます。
SOUNDPEATS GoFree2と迷っていますが、どちらが良いですか?
GoFree2がおすすめな人:
Androidでハイレゾ(LDAC)を聴きたい人、フラットな音質が好きな人、装着感の微調整が不要な人。
Breezyがおすすめな人:
耳の形に合うか不安な人、低音の迫力が欲しい人、iPhoneユーザー、荷物を小さくしたい人。
メガネやマスクをつけたままでも快適ですか?
はい、快適に使用できます。 Breezyの最大の特徴である「角度調整」がここでも役立ちます。もしメガネのツルとイヤーフックが当たって痛い場合は、フックの角度を少し変えることで、干渉しない位置に逃がすことができます。固定式のイヤホンよりも、メガネユーザーへの親和性は高いと言えます。
マルチポイント(2台同時接続)の切り替えに操作は必要ですか?
特別な操作は不要です。 例えば、PCで音楽を再生中にスマホに着信があった場合、自動的にPCの音が止まり、スマホの通話音声に切り替わります。通話が終われば、またPCの音声に戻ります(機種やアプリによっては手動で再生ボタンを押す必要があります)。
イヤホン本体だけで音量調節はできますか?
はい、可能です。 初期設定では、イヤホンのタッチセンサーを「1回タップ」することで音量の上げ下げができます。誤操作が気になる場合は、専用アプリ「PeatsAudio」を使って、操作を無効化したり、別の操作(曲送りなど)に割り当てたりすることも可能です。
ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
残念ながら非対応です。 充電には付属のUSB Type-Cケーブルを使用する必要があります。ただし、バッテリー持ちが非常に良いため(単体10時間)、頻繁な充電は必要なく、ケーブル接続の手間はそこまで感じないでしょう。
寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?
推奨はできません。 イヤホン本体が薄型なので、横向きに寝ても耳への圧迫感は少ないですが、Breezyには可動式のヒンジがあります。寝返りなどで強い力が加わるとヒンジ部分が破損するリスクがあるため、就寝時の使用は避けたほうが無難です。
イヤーカフ型(クリップ型)のイヤホンと比べてどうですか?
最近流行りの「耳を挟むタイプ(イヤーカフ型)」と比較すると以下のような違いがあります。
- Breezy(耳掛け型):
大きなドライバーとバッテリーを搭載できるため、「音の迫力(特に低音)」と「再生時間の長さ」で圧倒的に有利です。
装着も掛けるだけなので一瞬です。 - イヤーカフ型:
見た目がアクセサリーのようで目立ちにくいですが、構造上、Breezyほどの重低音を出すのは難しく、長時間挟んでいると耳が痛くなる場合があります。
「音質」と「スタミナ」を優先するならBreezyがおすすめです。
SOUNDPEATS 「Breezy」レビューのまとめ

長文のレビューにお付き合いいただきありがとうございます。
最後に、SOUNDPEATS Breezyを購入すべきかどうかの結論をまとめます。
Breezyのメリット・良い点
- 画期的な装着感: 90度調整可能なフックにより、どんな耳にもフィットし、音質のスイートスポットを逃さない。
- クラスを超えた重低音: 12mmドライバーとダイナミックEQにより、オープンイヤーの弱点である低音不足を完全に克服している。
- 圧倒的なコスパ: マルチポイント、アプリ対応、最新BT5.4搭載で6,000円台は市場破壊レベル。
- 高い携帯性: スリムなケースで持ち運びやすく、日常使いに最適。
- タフなバッテリー: 単体10時間のスタミナは、ヘビーユーザーの強い味方。
Breezyのデメリット・気になった点
- LDAC非対応: Androidユーザーでハイレゾ再生を重視する場合、スペック的に物足りない可能性がある。
- ワイヤレス充電なし: 置くだけ充電に慣れていると、ケーブル接続が手間に感じることも。
- 構造上の繊細さ: 可動ヒンジがあるため、踏んだり強い衝撃を与えたりした場合の耐久性は固定式より劣る可能性がある(通常使用では問題ないレベル)。
GoFree2と比較してどちらを選ぶべきか
SOUNDPEATS内の最大のライバル「GoFree2」との選び分けは以下の通りです。
【SOUNDPEATS Breezyを選ぶべき人】
- iPhoneユーザー: AAC接続がメインなら、LDAC非対応はデメリットになりません。
- 低音(ドンシャリ)好き: 迫力のあるサウンドを楽しみたい方。
- 耳の形に不安がある人: 調整機能でフィット感を確実に得たい方。
- 荷物を減らしたい人: 薄型ケースの携帯性を重視する方。
【SOUNDPEATS GoFree2を選ぶべき人】
- Androidユーザー: LDAC接続でハイレゾ音源を高音質で聴きたい方。
- フラットな音質が好み: 原音に忠実で繊細なサウンドを求める方。
- 完全なスポーツ特化: 固定式フックによる絶対的な安定感を求める方。
- 質感重視: 少し大きくても、高級感のあるデザインやラバーの質感を好む方。
SOUNDPEATS Breezyをおすすめする人
ズバリ、Breezyは「オープンイヤー型デビューを考えている全ての人」におすすめです。
初めてのオープンイヤー選びで最も怖いのは「買ってみたけど耳に合わなくて音がスカスカだった」という失敗です。
しかし、Breezyの角度調整機能があれば、そのリスクを限りなくゼロに近づけることができます。
また、カナル型イヤホンの閉塞感や外耳炎のリスクから解放されたいと考えている方にとっても、Breezyの「空気のような軽い着け心地」は感動的な体験となるはずです。
SOUNDPEATS 「Breezy」レビューの総括
SOUNDPEATS Breezyは、これまでのオープンイヤー型イヤホンが抱えていた「装着感の個人差」や「耳の形による音痩せ」という最大の課題を、可動式フックという物理的なアプローチで見事に解決した一台でした。
単に耳に掛けるだけの受動的なデバイスではなく、ユーザー自身がその日の気分やシーンに合わせてスピーカーの位置を調整し、音の聞こえ方や没入感をコントロールできる点は、まさに新感覚の体験と言えます。
音質面においても、12mmドライバーとダイナミックイコライザーの恩恵により、オープンイヤー型とは思えない重厚な低音を実現しています。
これは「ながら聴き用のサブ機」という枠を超え、音楽をしっかりと楽しむメイン機としても十分に通用する実力です。
LDAC非対応という点はありますが、iPhoneユーザーや日常の利便性を重視する方にとっては、軽量コンパクトなケースや安定したマルチポイント接続、そして圧倒的なバッテリー持ちがそれを補って余りあるメリットとなるはずです。
初めてオープンイヤー型に挑戦する方はもちろん、過去にサイズが合わずに断念した経験がある方にこそ、この「イヤホン側が耳に合わせてくれる」感動を味わっていただきたいと感じました。
約6,000円という価格で手に入るこの新しい自由と快適さは、あなたの毎日の音楽生活をより軽やかで、ストレスフリーなものへとアップグレードしてくれることでしょう。


