プロフェッショナルなモニター環境を追求する音楽制作者やリスナーの中で、日本国内でも近年じわじわと注目を集めているのが、ドイツの老舗ヘッドホンメーカー「ULTRASONE(ウルトラゾーン)」です。
高級感あるデザインと独自の音響技術を融合させた製品群は、単なるリスニング機器を超えて“音の道具”としての価値を提供してきました。
今回レビューする「Signature FUSION Open Back」は、そんなULTRASONEが手がける解放型モニターヘッドホンの最新モデル。
プロユースにも応えるサウンド精度を保ちながら、開放型ならではの自然で広がりのある音場を実現しており、「長時間の作業でも疲れにくい」「分析的に音を捉えられる」といった高評価を得ています。
価格は約5万円と、同社の上位機種である「Signature Master」(約9万円)に比べて手の届きやすい設定ながら、その音質・装着感・デザインは価格以上の満足感を提供。
さらに、ULTRASONE独自の技術「S-Logic3」や「DDFテクノロジー」を搭載し、よりスピーカーに近い立体感ある音を実現しています。
この記事では、実際の使用感や他モデルとの比較を交えながら、「Signature FUSION Open Back」がどのようなユーザーにフィットするのかを掘り下げていきます。
モニタリングからリスニング、さらにはミックス用途まで幅広く対応できる本機の魅力を、ぜひじっくりとご覧ください。

ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」とは?

ドイツの老舗ブランド「ULTRASONE」とは
ULTRASONE(ウルトラゾーン)は、ドイツ・バイエルン地方に本拠を置く高級ヘッドホンメーカーで、プロフェッショナル向けモニター用ヘッドホンを主力としています。
設立以来、以下のような特徴を持った製品作りで知られています:
- 全製品がドイツ自社工場でのハンドメイド製造
- 独自技術「S-Logic」を搭載した自然な立体音響
- 耳や脳への負担を軽減する構造設計
- プロミュージシャン、作曲家、エンジニアにも愛用者が多い
ULTRASONEは「SENNHEISER」「beyerdynamic」と並ぶ“ドイツ音響御三家”のひとつとして知られています。
Signatureシリーズの位置づけとFUSIONの特徴
「Signature」シリーズは、ULTRASONEの中でもプロフェッショナル向けに特化したラインナップ。
なかでも「FUSION」シリーズは、既存の密閉型ラインとは一線を画し、音質の新たな地平を切り拓く試みとして開発されました。
モデル名 | タイプ | 発売時期 | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Signature Master Mark II | 密閉型 | 2024年6月 | 約9万円 | 高解像度・高密度なプロ向けフラッグシップ |
Signature PURE | 密閉型 | 2023年9月 | 約3万円 | エントリー向けながら高品質 |
Signature FUSION | 密閉型 | 2024年9月 | 約4万円 | FUSIONの初登場モデル |
Signature FUSION Open Back | 解放型 | 2025年3月 | 約5万円 | 解放型モデル、音場と開放感を追求 |
FUSION Open Backの特長:
- FUSION密閉型をベースに、ハウジングを開放型に再設計
- 音場の広さと、空間的な定位感を向上
- Signatureシリーズで唯一の開放型モデル
- 密閉型に比べて長時間作業向き・耳の圧迫感が少ない
解放型ヘッドホンとしての意義
「開放型ヘッドホン」は、音が外へ抜ける構造を持ち、密閉型に比べて以下のような利点があります:
メリット:
- 自然な音抜けでスピーカーで聴いているような空間感
- 音の定位や距離感が明確で、ミックスや編集用途に適する
- 耳が蒸れにくく、長時間の使用でも快適
デメリット:
- 音漏れが大きく、騒がしい環境や録音ブースには不向き
- 外部の音が入りやすく、集中しにくい場合もある
「Signature FUSION Open Back」は、この開放型のメリットを最大限に活かしながら、プロフェッショナルなモニター用途にも耐えうる性能を実現しています。
特に音の分析力と俯瞰性に優れ、「楽曲の細部を見失わずに、全体を俯瞰できる」という独自の音響バランスが高く評価されています。
ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」のデザイン・構造・装着感について

高級感ある外観とドイツ製ハンドメイドの魅力
ULTRASONE製品といえば、まず目を引くのがその美しく洗練されたデザイン。
「Signature FUSION Open Back」も例に漏れず、シンプルで実用的でありながら、プロユースにも相応しい存在感を放ちます。
デザインのポイント:
- ハウジングには立体感のあるロゴ刻印:「ULTRASONE」と「Signature Fusion」の金色のエンブレムが光沢のあるシルエットで浮き出ています。
- メイド・イン・ジャーマニーの誇り:本体には小さく「Made in Germany」の印字。これは全モデル共通で、品質の高さと職人技術を象徴しています。
- 折りたたみ式構造:コンパクトにたたんでキャリングケースに収納でき、持ち運びやすい設計。
- カラーはブラック×ゴールド基調:派手すぎず落ち着いた印象。スタジオでもプライベートでも使いやすい配色。
スウェード素材のパッドと快適な装着感
装着感を左右する重要な要素がイヤーパッドとヘッドパッドの素材。
この「Signature FUSION Open Back」では、スウェードを主体に使ったことで、肌触りと快適性を大幅に向上させています。
パーツ | 素材 | 特徴 |
---|---|---|
イヤーパッド | フルスウェード | 柔らかく肌に馴染みやすい。蒸れにくく長時間使用でも快適。 |
ヘッドパッド | スウェード+メッシュ | 蒸れにくく、軽量感があり頭部に負担をかけにくい設計。 |
装着感の特徴:
- 圧迫感が少なく、耳を優しく包み込むような感覚
- 「Signature PURE」などと比べて側圧が抑えめ
- イヤーカップが浅めながらフィット感に優れる
- 長時間使用しても耳が痛くなりにくい
長時間使用にも耐える設計
「Signature FUSION Open Back」は、装着感だけでなく作業効率を高めるための工夫も凝らされています。
重さとバランス:
- 本体重量:約290g
- 密閉型モデルと比べてわずかに重いが、軽く感じる
- 音質や剛性のために適切なバランスを保った重量設計
着脱式ケーブル対応:
- 3.5mm 4極スクリューロック式端子を採用
- しっかりと固定され、誤って抜ける心配がない
- 従来のバイオネットロック式よりも安心感が高い
- 付属ケーブル(すべて標準添付)
- 1.2m(3.5mmステレオミニ)
- 3.0m(6.3mm標準プラグ)
- 1.4m(4.4mmバランスプラグ)
キャリングケース:
- 専用のハードタイプキャリングケースが付属
- 保護性能が高く、外出先での使用にも安心
実使用者の声から見る装着感
- 「側圧が緩めでリラックスした聴き心地」
- 「密閉型のSignature PUREより断然快適」
- 「長時間の作曲・ミキシング作業でも疲れない」
- 「解放型の恩恵で耳が蒸れないのが嬉しい」
特に「軽く感じる」という感想が多く、これは実際の重量というより装着時のバランス設計の良さが影響しています。
このように、ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」は、単なる音質重視のヘッドホンではなく、ユーザーの使用環境を徹底的に想定した“快適性と機能性”の融合体と言える製品です。
ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」の音質の詳細レビュー

自然な音場を生み出すS-Logic3とDDF技術
ULTRASONEが誇る独自技術「S-Logic3」と「DDF(Dual Deflector Fin)」は、「Signature FUSION Open Back」の音質の中核を担う存在です。
S-Logic3の特徴:
- ドライバーを耳の中心から少しズラして配置
- 音を耳の外で一度反射させ、スピーカーで聴いているような音場感を再現
- 立体的な定位感を実現し、音の距離感や前後の奥行きも明瞭
DDFテクノロジーの役割:
- 特定の周波数帯域を巧みにコントロール
- 音の分離感や空間表現をさらに向上
- より正確なモニターサウンドを実現
これらの技術により、開放型らしい広がりのある音場を持ちつつも、スタジオモニターのような分析的な聴取が可能になっています。
ウォームで俯瞰的なモニターサウンド
「Signature FUSION Open Back」の音は、一言で表すと「ダークトーンでウォーム、俯瞰的で分析的」。
モニター用でありながら、聴き心地にも配慮された絶妙なバランスが魅力です。
音質の傾向:
- 全体的にフラット〜やや中低域寄り
- 低音:ズンと響く量感はあるが、過剰な色付けなし(分析しやすい)
- 中音域:ウォームで滑らか、ボーカルやアコースティック楽器との相性◎
- 高音域:刺激感を抑えた自然な出音、長時間でも疲れにくい
インパクトと特徴:
- 第一印象では派手さは控えめだが、聴き込むほどに味が出る“スルメ系”
- 一部の音域だけが強調されることがなく、全体を冷静に俯瞰できる
- 音の分離感が優れており、各楽器の位置が明確に聴き取れる
音場・定位:
- 開放型らしく空間は広め
- とはいえ“解放感”よりも立体感・精密さを重視したチューニング
- 密閉型の「Signature Master Mark II」の方が音場が広く感じることも
ジャンル別の相性と使用シーン
「Signature FUSION Open Back」は、万能型モニターヘッドホンとして、あらゆるジャンルに対応できる懐の広さを持っています。
おすすめジャンルと理由:
ジャンル | 相性 | 解説 |
---|---|---|
クラシック | ◎ | 空間感と楽器分離が非常に明瞭。ホールの臨場感を再現。 |
ジャズ | ◎ | 管楽器の空気感、ベースのニュアンスも繊細に表現。 |
アコースティック | ◎ | 温もりある中域が美しく、ナチュラルな鳴り方。 |
ポップス | ○ | 分離感が高く、ボーカルを俯瞰して聴ける。 |
EDM・ヒップホップ | ○ | 低域の量感は十分だが、インパクトは控えめ。 |
ロック・メタル | △ | 刺激感の少なさが、人によっては物足りないかも。 |
使用シーンの例:
- ミキシング・マスタリング:俯瞰的に全体のバランスを確認しやすい
- 作曲・編曲:長時間装着できる快適さと、低域の精密なチェックが可能
- ゲーム・映画鑑賞:定位感と立体的な音場により高い没入感を実現
- ASMR・音響制作:微細なニュアンスも見逃さずキャッチできる
「Signature FUSION Open Back」は、プロフェッショナルな作業環境を求めつつも、“聴く喜び”も捨てたくないという人にとって理想的なヘッドホンです。
S-Logic3による立体的な音像、ウォームで落ち着いたチューニング、そして耳に優しい装着感。
すべてがバランスよく融合しており、ULTRASONEの哲学が随所に感じられる仕上がりです。
ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」を使用した私の体験談・レビュー

ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」は、発売前からかなり注目していたモデルでした。
ULTRASONEが解放型を出すのは非常に久しぶり。
これまで密閉型ばかりのイメージだった同社が、“音の広がり”と“分析力”を両立させるという試みにワクワクしていました。
実際に使い始めてから、気が付けば長時間ぶっ通しで音を聴いていたほど、自然と使い続けたくなるヘッドホンでした。
✅ 使用シーン別のリアルな感想
▶ ミックス&マスタリング用途
- 楽曲全体を冷静に俯瞰して聴けるので、バランスの粗がすぐに見つかる。
- 特にローエンド(ベースとキック)の処理が甘いとすぐに“濁り”として気づける。
- まるでラージスピーカーでモニタリングしているような空間把握が可能。
▶ 作曲・編曲作業
- 中域〜低域の密度感がちょうど良く、音の重なりをしっかり把握できる。
- 長時間使っても頭が痛くならない(これは密閉型と比べて大きな利点)。
- DAW操作中も違和感なく“聴きながら考える”という作業がスムーズ。
▶ リスニング(趣味)
- ジャズ、クラシック、アコースティック音源との相性は抜群。
- ウォーム系サウンドなので、深夜に落ち着いて聴く時間にぴったり。
- 高域のギラつきが少ないため、耳が疲れにくいのも好印象。
🔄 他モデルとの比較
モデル名 | タイプ | 主な特徴 | 所感 |
---|---|---|---|
Signature Master Mark II | 密閉型 | 解像度・情報量重視、ややエッジ強め | ミックスに最適だが長時間だとやや疲れる |
Signature PURE | 密閉型 | コスパ最強、即圧やや強め | 音は良いが、やや疲れやすい |
Signature FUSION Open Back | 解放型 | 広がり・俯瞰性・快適さのバランス◎ | 長時間作業との相性が最高 |
個人的には音の好みだけでなく、作業環境における“快適性”を重視する人には、間違いなく「Signature FUSION Open Back」が推せると感じています。
🎯 気づきと学び
- 解放型だからといって、音が軽い・抜けすぎるということは全くなく、むしろ“引き算の美学”で必要な情報だけが浮き彫りになるようなサウンド設計。
- 音を足していくタイプの楽曲制作ではなく、音を整理・選別しながら作る工程に向いている。
- 密閉型よりも立体感・空間表現の“深さ”がリアルに感じられた。
- 一見地味に聴こえるかもしれないが、聴けば聴くほど味が出る“スルメ系サウンド”。
📝 総合的な印象
- 「自分はこのヘッドホンと長く付き合っていけそうだ」と思えるほど自然な使い心地。
- 派手な音ではないが、楽曲に寄り添い、必要な判断を促してくれる“信頼できる相棒”。
- 作業が苦にならず、「ただただ音と向き合える時間」が作れるのは、「Signature FUSION Open Back」だからこそだと感じました。
ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」に関するQ&A

ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
密閉型と開放型の違いは何ですか?
密閉型は音漏れが少なく外部の音も遮断しやすいため、録音や外出先での使用に向いています。一方、開放型は音が外に抜ける構造になっており、空間的な広がりと自然な音場表現が得られます。「Signature FUSION Open Back」は開放型で、長時間作業やリスニングに最適です。
音漏れはどれくらいありますか?
開放型なので周囲に音がある程度漏れます。図書館や静かなカフェなど、公共の場での使用にはあまり向いていません。ですが、静かな自宅やスタジオなどでは問題なく使用できます。
普通のスマホやパソコンで使えますか?
インピーダンスは32Ωと比較的低めなので、スマートフォンやノートパソコンのヘッドホン端子でも使用可能です。ただし、音質を最大限に引き出すには、オーディオインターフェースやヘッドホンアンプの使用が推奨されます。
他のSignatureシリーズとの違いは?
モデル名 | タイプ | 特徴 | 価格帯(目安) |
---|---|---|---|
Signature PURE | 密閉型 | エントリーモデル、高コスパ | 約3万円 |
Signature FUSION(密閉) | 密閉型 | バランス良好、中堅モデル | 約4万円 |
Signature FUSION Open Back | 開放型 | 自然な音場、俯瞰的サウンド | 約5万円 |
Signature Master Mark II | 密閉型 | 高解像度、プロ向けフラッグシップ | 約9万円 |
「Signature FUSION Open Back」は、Signatureシリーズで唯一の開放型モデル。自然な定位と疲れにくさが最大の特徴です。
バランス接続はできますか?
付属の4.4mmバランスケーブルを使えばバランス接続に対応しています。より広い音場と明瞭な定位を得たい場合には、バランス接続がおすすめです。
長時間使って耳が痛くなりませんか?
心配ありません。側圧はややゆるめで、イヤーパッドもスウェード素材なので、蒸れにくく快適です。実際に「6時間以上装着しても耳が疲れない」といった声も多く、長時間作業にも適しています。
音が「こもって聞こえる」という口コミがあるのは本当?
一部のユーザーが「こもって聞こえる」と感じるのは、高域が控えめでローが豊かに鳴るチューニングのためです。
とはいえ、実際には解像感は高く、特定の帯域が強調されないフラットで自然なサウンド設計なので、慣れると非常に聴きやすく感じます。特に普段ドンシャリ系のヘッドホンを使っている方は、最初は大人しく感じるかもしれませんが、それが“分析的に聴ける”特徴でもあります。
密閉型FUSIONと比べて、どちらが音が良いの?
音質の優劣というよりも用途と好みによって選ぶべきです。
- 密閉型FUSION:迫力があり、周囲の音も遮断できる。音楽鑑賞や録音時に向く。
- Open Back:空間表現と定位感に優れる。長時間作業やミックス用途に◎。
音の方向性としては、Open Backはより“引いて聴ける”冷静なモニター向け、密閉型は“近くでしっかり聴ける”感覚に近いです。
モニター用途としての正確性は十分ですか?
十分です。特に以下の点でモニター用途に適しています:
- 音の分離感と定位の正確さ
- ローエンドの情報量と解像度の高さ
- 耳疲れしにくいナチュラルな音場感
ただし、騒音環境や録音ブースでは音漏れの観点から密閉型の方が向いています。
バランス接続とアンバランス接続、音質の違いはある?
4.4mmバランス接続では以下のような変化が期待できます:
- 音場が左右に広がる
- ノイズが少なく、クリアなサウンド
- より繊細な音のニュアンスが再現可能
ただし、出力が高すぎるアンプでバランス接続すると、低域が膨らみすぎると感じることも。その場合は、6.3mmや3.5mmアンバランス接続の方がナチュラルに感じられるケースもあります。
このヘッドホンでASMRやゲーミング用途はどう?
非常に相性が良いです。
- ASMR:定位感が正確で、音の位置・距離感をリアルに再現できるため、没入感が高い。
- ゲーミング:敵の位置・足音などが自然に空間に定位するので、FPSゲームなどでも効果的です。
ただし、外部音を遮断しないため、静かな環境での使用が前提となります。
ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」レビューのまとめ

ULTRASONE「Signature FUSION Open Back」は、プロフェッショナルな精度と快適なリスニング体験を両立させた、非常に完成度の高い開放型モニターヘッドホンです。
価格帯は約5万円と、上位機種に比べて手が届きやすい設定ながら、搭載されている技術・音質・作り込みはミドル〜ハイエンドクラスに匹敵。
長時間の作業でもストレスを感じにくい装着感と、情報過多にならない自然なモニターサウンドは、多くのクリエイターや音楽愛好家にとって大きな魅力となるでしょう。
🎧 総合評価(5点満点)
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
音質 | ★★★★★ | ウォームで分析的、俯瞰的に音を捉えやすい。スルメ系の魅力。 |
装着感 | ★★★★★ | 側圧控えめで長時間使用も快適。スウェード素材が好印象。 |
デザイン | ★★★★☆ | シンプルで高級感あり。プロ機材らしい見た目。 |
汎用性 | ★★★★★ | 作曲・ミックス・リスニング・ゲームなど幅広く対応可能。 |
コスパ | ★★★★★ | 5万円前後でこの音質・付属品は驚異的。 |
✅ 特に優れている点
- 自然で広がりのある音場(S-Logic3+開放型の相乗効果)
- 分析的かつ疲れにくいウォームな音質
- 軽量&快適な装着感(スウェード素材の採用)
- 多彩な接続方法に対応(3.5mm/6.3mm/4.4mmバランス)
- ハードケース付き・ケーブル3種同梱でコスパ抜群
⚠ 注意点・人を選ぶ可能性がある点
- 開放型のため、音漏れがある(外出・騒音環境では不向き)
- 音のインパクトは控えめ(派手なドンシャリ系を好む方には物足りない可能性)
- 音楽を「楽しむ」よりも、「観察する」「整える」ことに向いている
🎯 こんな人におすすめ
- 長時間、ヘッドホンをつけて作業する作曲家・ミキシングエンジニア
- 派手さよりもフラットで冷静なモニター音質を求める人
- 5万円以内でプロクオリティの開放型ヘッドホンを探している人
- 「ULTRASONEらしさ」と「実用性」のバランスが取れた1台を探している人
- 自宅での静かな制作・編集環境を持っている人
ULTRASONE 「Signature FUSION Open Back」レビューの総括
Signature FUSION Open Backは、「ULTRASONEの開放型」という希少性だけでなく、実用性と音質をしっかり両立した“使えるヘッドホン”です。
華やかさや派手さはないものの、音楽と真正面から向き合いたい人にとっては、まさに信頼できるパートナーといえる存在です。
従来の密閉型モデルでは得られなかった空間的な視野の広さと、耳に優しい音像に魅了されることでしょう。
単なるスペック比較だけでは語れない、実際に“耳”と“脳”で感じる価値がある──そんな一台です。
気になる方は、ぜひ視聴の機会を設けてみてください。
音に向き合うすべての人に、この“静かな名機”が届きますように。
