2025年現在、ワイヤレスイヤホン市場はかつてないほどの激戦区となっています。
特に「1万円〜1万5千円」の価格帯は、各メーカーがフラッグシップモデルで培った技術を惜しみなく投入してくる「コスパ最強ゾーン」です。
このレッドオーシャンに、オーディオ界の巨人JBLが満を持して投入したのが「JBL TUNE BEAM 2」です。
JBLといえば、世界中の映画館やスタジアム、コンサートホールで使用されるプロフェッショナルサウンドの代名詞。
そのJBLが一般コンシューマー向けに展開するラインナップの中で、「TUNE」シリーズは常に「機能と価格のバランス」を極めた存在として愛されてきました。
前作「TUNE BEAM」も、そのコンパクトさとパワフルなサウンドでスマッシュヒットを記録しましたが、ユーザーからは「もう少しノイキャンが強ければ」「充電がうまくいかないことがある」といった声も上がっていました。
今作「TUNE BEAM 2」は、そうしたユーザーフィードバックを徹底的に解析し、「1万円台でこれ以上何を望むのか?」と問いかけたくなるほどの驚異的なスペックアップを果たしています。
しかし、カタログスペックがどれだけ良くても、実際の使い心地が悪ければ意味がありません。
「10mmドライバーになったことで、音はどう変わったのか?」
「ハイブリッドノイズキャンセリングは、毎日の通勤ラッシュに耐えられるのか?」
「上位モデルLIVE BEAM 3との価格差1万円分の価値はあるのか?」
この記事では、数々のオーディオガジェットをレビューしてきた筆者が、実機を2週間徹底的に使い倒した経験をもとに、これらの疑問にすべて答えます。
競合モデルとの比較から、スペック表には載らない細かな使用感、アプリの挙動まで、「JBL TUNE BEAM 2」の真実を余すところなくお届けします。
- JBL 「TUNE BEAM 2」の進化点とスペック比較
- JBL 「TUNE BEAM 2」のデザイン・装着感・付属品の実機レビュー
- JBL 「TUNE BEAM 2」の音質・ノイズキャンセリング性能の徹底検証
- JBL 「TUNE BEAM 2」を使用した私の体験談・レビュー
- JBL 「TUNE BEAM 2」に関するQ&A|よくある質問と注意点
- ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
- iPhoneとAndroid、どちらでも使えますか?
- スポーツやジムでの運動中に使っても大丈夫ですか?
- ゲームや動画の音ズレ(遅延)はありますか?
- 片耳だけで使用することはできますか?
- マルチポイント接続の設定方法は難しいですか?
- ノイズキャンセリング使用時のバッテリー持ちはどのくらいですか?
- タッチ操作で「音量調節」はイヤホン単体でできますか?
- PCでのWeb会議(ZoomやTeams)でも快適に使えますか?
- 風の強い場所での通話品質はどうですか?(風切り音について)
- Appleの「AirPods Pro(第2世代)」と比較して、ノイキャン性能はどうですか?
- 寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?
- 電車や図書館での「音漏れ」は気になりますか?
- 専用アプリ「JBL Headphones」は必ず入れないといけませんか?
- JBL 「TUNE BEAM 2」レビューのまとめ
JBL 「TUNE BEAM 2」の進化点とスペック比較

まずは、このモデルがJBLの広大なラインナップの中でどのような立ち位置にあり、前作から具体的に何が進化したのか。
そして、ライバルたちがひしめく市場の中でどのような優位性を持っているのかを整理します。
「TUNE BEAM 2」の基本スペックと製品の立ち位置
JBLの完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の製品ラインは、主に以下の3つのシリーズで構成されています。
- TOUR / LIVE シリーズ:
最先端の技術、スマートケース(液晶付き)、最高級の素材を使用したフラッグシップ・ハイエンドモデル。「予算を惜しまず最高の体験をしたい人」向け。 - TUNE シリーズ:
ハイエンド譲りの機能を厳選して搭載し、日常使いに最適なバランスを追求したミドルクラス。
「価格も性能も妥協したくない賢い消費者」向け。 ←今作はココ - WAVE シリーズ:
必要な機能だけに絞り込み、圧倒的な低価格を実現したエントリーモデル。
「初めてのTWSやサブ機を探している人」向け。
「TUNE BEAM 2」は、まさに「多くの人にとっての最適解(ニュースタンダード)」を目指したモデルです。
実売価格13,000円前後という手に取りやすい価格帯ながら、ハイブリッドノイズキャンセリング、マルチポイント接続、アプリによるフルカスタマイズなど、現代のTWSに求められる機能を網羅しています。
さらに、次世代音声規格である「LE Audio(LC3コーデック)」への対応も予定されており、将来性も確保されています(※ファームウェアアップデート対応予定)。
前作「TUNE BEAM」からの決定的な進化(ドライバー・ANC・充電接点)
前作も名機でしたが、今作では「明確な弱点」が克服され、基本性能が底上げされています。
以下の比較表をご覧ください。
| 比較項目 | 前作 (TUNE BEAM) | 今作 (TUNE BEAM 2) | 進化のポイントと恩恵 |
| ドライバー口径 | 6mm | 10mm ダイナミック | 振動板面積の拡大により、低音の迫力と音の余裕が圧倒的に向上。歪みのないクリアな大音量を実現。 |
| ノイズキャンセリング | シンプルANC | ハイブリッドANC | フィードフォワード+フィードバックの2マイク方式で、低域から中高域まで広範囲のノイズを低減。 |
| マイク性能 | 4マイク | 6マイク | 通話時のノイズ除去性能(ENC)が強化され、風切り音耐性もアップ。 |
| 充電接点 | 小さめ | 大型化 | 接触不良による「充電されてなかった!」というトラブルを物理的に解消。 |
| 空間オーディオ | 非対応 | 対応 | 動画やゲームの没入感がアップ。「ムービー」「ゲーミング」などモード選択も可能。 |
| Bluetooth Ver. | 5.3 | 5.3 (LE Audio対応予定) | 接続安定性はそのままに、将来的により低遅延・高音質なLC3コーデックが使用可能に。 |
特筆すべきはドライバーサイズが6mmから10mmへ大型化した点です。
一般的にドライバーは大きいほど、空気を動かす力強さ(低音の量感)が増し、小さな音から大きな音まで余裕を持って鳴らすことができます。
前作ではEQで低音を持ち上げると音が歪むことがありましたが、今作では素の状態でもリッチな低音が響き渡ります。
これが「JBL Pure Bass Sound」の真骨頂です。
また、地味ながらユーザー体験を大きく左右する改良点が「充電接点の大型化」です。
スティック型イヤホンの宿命として、耳の脂や汗が端子に付着しやすく、ケースに戻しても接触不良で充電されないという問題が前作では散見されました。
今作では接点面積を広げ、磁力で引き寄せる構造を見直すことで、物理的な接触安定性が劇的に改善されています。
毎日のストレスを減らす、誠実なアップデートと言えるでしょう。
上位機「LIVE BEAM 3」・下位機「WAVE BEAM 2」との違い
購入時に最も迷うのが、JBL内での上位・下位モデルとの比較、そして他社製品との比較です。
- VS 上位機「LIVE BEAM 3」(約2.5万円)との比較
- LIVEの強み:LDAC対応(Androidでのハイレゾ再生)、ケースにタッチパネル液晶搭載、ワイヤレス充電対応、さらに高級感のある筐体仕上げ。
- TUNE 2の判断:最大の分かれ目は「ワイヤレス充電」と「LDAC」です。iPhoneユーザー(AAC接続)で、かつケーブル充電が苦にならないなら、音質の傾向は似ているためTUNE BEAM 2で十分満足できます。価格差1万円強を、他のガジェットや音楽サブスク代に回すのも賢い選択です。
- VS 下位機「WAVE BEAM 2」(約8,000円)との比較
- WAVEの弱点:ノイズキャンセリングが簡易的で効きが弱い、全体的にプラスチッキーな質感、マルチポイント非対応の場合がある(※モデルによる)。
- TUNE 2の判断:+5,000円出せるなら、間違いなくTUNE BEAM 2を推奨します。特にANCの効きと、マルチポイントの有無は、毎日の快適性に直結します。
- VS 他社競合(Anker Soundcore Liberty 4 NCなど)
- TUNE 2の強み:Ankerも強力なライバルですが、TUNE BEAM 2は「音の自然さ」「楽器の定位感」といったオーディオ的な基礎体力で勝っている印象です。ドンシャリ一辺倒ではなく、ボーカルの艶感を大事にしたいならJBLに軍配が上がります。
JBL 「TUNE BEAM 2」のデザイン・装着感・付属品の実機レビュー

毎日身につけるガジェットだからこそ、見た目、手触り、そして着け心地は非常に重要です。
ケース・本体のデザインと質感(傷・指紋のつきやすさ)
パッケージを開けると現れる充電ケースは、コロンとした丸みを帯びた「小石」のような形状です。
前作同様のデザイン言語ですが、手に馴染むサイズ感は健在で、ポケットに入れても膨らみが気になりにくい設計です。
- 質感と仕上げ:
マットな仕上げが施されており、指紋や皮脂汚れが目立ちにくくなっています。
光沢のあるプラスチックだと指紋がベタベタ目立ちますが、本機はサラサラとした手触りで清潔感を保ちやすいです。
ただし、カバンの中に鍵や硬貨と一緒に無造作に放り込むと、表面に白い擦り傷がつきやすい印象を受けました。
長く綺麗に使いたい方は、100円ショップやAmazonで販売されているシリコンカバーの併用をおすすめします。 - ビルドクオリティ:
ヒンジ(蓋の開閉部分)の剛性は高く、開閉時にカチッとした節度感があります。
安っぽい「グラつき」はなく、所有欲を満たしてくれる作りです。 - インジケーター:
ケース前面に3段階のLEDがあり、バッテリー残量が視認可能です。
上位機のような液晶画面はありませんが、実用上はこれで十分。むしろシンプルで好感が持てます。
装着感の検証:長時間使用でも疲れにくい「ショートスティック型」
JBLが推し進める「ショートスティック型」のデザインが採用されています。
これは、AirPodsのようなスティック(軸)がありつつも、その長さを短くし、耳への収まりを良くした形状です。
- 「デュアルオーバルシェイプ」の恩恵:
イヤホン本体のハウジング(耳に入る部分)と、ノズル(音が出る筒の部分)の両方が楕円形(オーバル)に設計されています。
人間の耳穴は円形ではなく楕円形に近いため、この形状は理にかなっており、耳の奥まで無理に押し込まなくてもピタッと吸い付くようにフィットします。 - 圧迫感の少なさ:
耳の奥までギュウギュウに詰め込むタイプではなく、耳珠(耳の手前の軟骨)と外耳道入り口で優しく、かつしっかりホールドする感覚です。
カナル型特有の「耳が詰まるような閉塞感」が苦手な方でも、比較的受け入れられやすい形状だと感じます。 - 安定性テスト:
実際に装着して、軽いジョギングや首を激しく振る動作を行ってみましたが、スティック部分がカウンターウェイトの役割を果たし、ズレる気配がありませんでした。
IP54の防塵・防滴性能も相まって、ジムでのワークアウト用としても優秀です。
付属品とイヤーピースの素材感について
同梱物はUSB Type-Cケーブル(オレンジ色のアクセントがJBLらしい)、イヤーピース(S/M/L)、マニュアル類とシンプルです。
注目したいのはイヤーピースの素材感です。
一般的なペタペタしたゴムではなく、少しサラッとした表面加工が施されたシリコン素材が採用されています。
これにより、耳垢やホコリが付着しにくくなっています。
黒や紺色のイヤホンだと耳垢が目立ちやすく、人前で外すのが恥ずかしいことがありますが、地味ながら清潔感を保てる非常に嬉しい配慮です。
- サードパーティ製への交換:
ノズル形状は楕円形ですが、軸の長さは標準的なので、SpinFitやAZLAなどのサードパーティ製イヤーピースへの交換も比較的容易です。
筆者は「AZLA SednaEarfit XELASTEC II」を試しましたが、問題なく装着でき、充電ケースにも収まりました。
ただし、ケースの深さにそこまで余裕がないため、背の高すぎるイヤーピースには注意が必要です。
JBL 「TUNE BEAM 2」の音質・ノイズキャンセリング性能の徹底検証

オーディオ機器としての本質、音と静寂のクオリティに深く切り込みます。
音質評価:10mmドライバー径アップによる低音と解像感の変化
一聴して感じるのは、「あ、これぞJBLだ」という安心感のある、エネルギッシュなサウンドです。
- 低音域:
10mmドライバーへの大型化がもっとも効いている帯域です。
バスドラムのキック音やベースラインに厚みがあり、空気を振動させるような量感があります。
前作で感じられた「音量を上げると少し軽い」印象は完全に払拭されました。
ヒップホップやEDMを聞いた時の「ズンッ」と沈み込むような重低音は、1万円台とは思えない迫力です。 - 中高音域:
低音が強いものの、ボーカルが埋もれることはありません。
いわゆる「ドンシャリ」傾向ではありますが、高音が刺さるような鋭さは抑えられ、角の取れた聴きやすいチューニングです。
女性ボーカルのサ行(刺さりやすい音)もマイルドに処理されており、長時間聴いていても聴き疲れしにくいのが特徴です。 - 解像度と音場:
2万円超えのハイエンド機と比較すれば、シンバルの余韻や微細なブレスの粒立ちは譲りますが、1万円台前半としてはトップクラスのクリアさです。
音場は左右に広く、音が頭の中で団子にならずに分離して聞こえます。
【試聴トラックでの印象】
- Bruno Mars – 24K Magic:イントロのシンセベースの厚みが気持ちいい。グルーヴ感が最高に引き出されます。
- YOASOBI – アイドル:テンポの速い曲ですが、低音がもたつかず、ikuraのボーカルもクリアに抜けてきます。
「Personi-Fi 3.0」と「空間サウンド」の効果
アプリ「JBL Headphones」でのカスタマイズが、TUNE BEAM 2の真価を引き出します。
- Personi-Fi 3.0:
これはJBL独自の聴力最適化機能です。
アプリ上で数分間の聴力テスト(各周波数のビープ音が聞こえるかチェック)を行うと、ユーザーの耳の特性に合わせて音質を自動補正してくれます。
筆者が設定したところ、少し聞き取りにくかった高音域がクリアになり、ボーカルが半歩前に出てくるような変化を感じました。
「自分専用のオーダーメイドサウンド」に生まれ変わるので、購入後はまず最初に設定すべき必須機能です。 - 空間サウンド:
「ムービー」「ミュージック」「ゲーミング」の3モードから選択可能です。
擬似的に音場を広げ、音が頭の外から聞こえてくるような感覚を作ります。
特に「ムービーモード」でNetflixのアクション映画を見ると、爆発音や環境音が広がり、映画館のような臨場感が楽しめました。
不自然なリバーブ(お風呂場のような残響)感も少なく、実用的です。
ハイブリッドノイズキャンセリングの実力
前作のフィードフォワード方式(外側のマイクのみ)から、マイクを内側と外側に配置する「ハイブリッド方式」へ進化しました。
これにより、幅広い周波数帯域のノイズをキャンセル可能になりました。
- 低音ノイズ(電車の走行音・飛行機のエンジン音):
非常に効果的にカットされます。地下鉄で検証したところ、「ゴーッ」という重低音は「サーッ」という遠くの音レベルまで軽減され、音楽を流せばほぼ気にならなくなります。
数値で言うなら、-40dB級の静寂感には届かないものの、実用上十分な-30dB〜35dB程度のカット性能を感じます。 - 中高音ノイズ(人の話し声・カフェの喧騒):
ここは価格なりの限界があります。
ソニーやBoseのハイエンド機のように「無音」にはなりません。
カフェで隣の席の話し声は、内容までは聞き取れませんが、声がしていることは分かります。
また、突発的な音(食器のカチャカチャ音)も少し貫通してきます。 - 総評:
「完全な静寂」を求めるなら3万円の機種を買うべきですが、「通勤・通学のストレスを減らし、小さな音量でも音楽を楽しめるようにする」という目的には十分すぎる性能です。
外音取り込み(アンビエントアウェア・トークスルー)の自然さ
外音取り込み機能は、用途に合わせて2つのモードを使い分けられます。
- アンビエントアウェア:
音楽の音量を維持したまま(または下げて)、周囲の環境音を取り込みます。
屋外でのランニング中や、駅のアナウンスを聞き逃したくない時に最適です。 - トークスルー:
ワンタップで音楽の音量を極小にし、人の声の帯域を強調します。
コンビニのレジや、電車内で急に話しかけられた時に、イヤホンを外さずに会話が可能です。
取り込み音の質は非常に自然です。安価なモデルにありがちな「マイクで拾って増幅したようなザラザラした強調音」が少なく、自分の声も閉塞感なく聞こえます。
ホワイトノイズ(サーッという音)も許容範囲内で、常時オンにしていても不快感はありません。
JBL 「TUNE BEAM 2」を使用した私の体験談・レビュー

ここからはスペック表や公式サイトには載っていない、WEBライターである私が実際の生活の中で2週間「TUNE BEAM 2」を使い倒して感じたリアルな体験談をお伝えします。
【通勤・移動】満員電車での遮音性と接続安定性テスト
朝のラッシュ時、都内の主要路線(非常に混雑する区間)で使用しました。
- 遮音性と没入感:
ハイブリッドANCのおかげで、電車の走行音は7〜8割カットされます。
以前は騒音に負けないよう音量を70%くらいまで上げていましたが、TUNE BEAM 2なら50%程度で十分音楽に没頭できました。
耳への負担も減り、通勤の疲労感が軽減されたのは大きな収穫です。 - 接続安定性:
Bluetooth 5.3の恩恵か、新宿駅や渋谷駅の混雑したホーム、満員電車内でも、音が途切れる(ブツブツする)現象は一度も発生しませんでした。
スマホをバックパックに入れていても、ズボンの後ろポケットに入れていても接続は極めて安定しています。
【デスクワーク】PCとスマホのマルチポイント接続・切り替え挙動
私がこの機種で最も気に入っているのが「マルチポイント接続」の挙動の良さです。
実際に、MacBook AirでBGMを流しながら執筆し、iPhoneに着信があった際の切り替えを検証しました。
- MacBookでSpotify再生中に、iPhoneに着信。
- イヤホンから呼び出し音が鳴り、イヤホン本体をダブルタップして通話開始。(この瞬間、Macの音楽は自動停止します)
- 通話を終了すると、自動的にMacのSpotifyが再生再開。
この一連の流れが非常にスムーズで、ストレスがありません。
安価なモデルだと切り替えに数秒のラグがあったり、片方の接続が切れたりすることがありますが、TUNE BEAM 2はシームレスです。
仕事道具として非常に信頼できると感じました。
【エンタメ】動画・ゲームでの遅延と「ビデオモード」の効果
アプリから「スマートオーディオ&ビデオ」設定を「ビデオモード」に切り替えると、低遅延モードになります。
- 動画視聴:
YouTubeやPrime Videoなどの動画視聴では、ノーマルモードでもリップシンク(口の動きと声のズレ)は気になりませんが、ビデオモードにするとほぼ完全に一致します。
ダンス動画や、ドラム演奏動画など、タイミングがシビアな映像でも違和感がありません。 - ゲーム(FPS/音ゲー):
『Apex Legends』などのFPSゲームでは、ノーマルモードだと発砲音がワンテンポ遅れて聞こえますが、ビデオモードならカジュアルプレイには耐えうるレベルになります。
ただし、コンマ1秒を争うガチ勢や、判定がシビアな音ゲー(プロセカなど)には、やはり有線イヤホンやゲーミング専用の低遅延ドングル付きモデルを推奨します。
RPGやパズルゲームなら全く問題ありません。
【通話】WEB会議と屋外通話でのマイク性能チェック
6マイク(左右計6基)搭載の実力は確かです。
静かな室内でのZoom会議では、相手から「非常にクリアに聞こえる。マイク変えました?」と言われるほど声の輪郭がはっきりしていました。
一方、風の強い屋外での通話テストも行いました。
多少の風切り音(ボボボという音)を拾う場面もありましたが、AIノイズ低減アルゴリズムがしっかり声を抽出してくれているようで、通話相手に「声が聞こえない」と言われることはありませんでした。
歩きながらの電話や、カフェからの急な会議参加でも十分に戦力になります。
【正直レビュー】気になった点・イマイチだった点
絶賛ばかりでは嘘になります。実際に使って気になった点、ここが惜しい!と感じた点も正直に書きます。
- ワイヤレス充電非対応:
やはり、ケーブルを挿す手間はあります。デスク周りをMagSafeやQi充電器で統一している筆者としては、数日に一回とはいえケーブルを探すのが億劫に感じました。
ここは上位機との明確な差別化ポイントなので仕方ありませんが、予算が許すならLIVE BEAM 3を検討する最大の理由になります。 - ケースからの取り出しにくさ:
イヤホンのマグネットが強力で、かつスティック部分がツルツルしているため、冬場の乾燥した指だと滑って取り出しにくいことが数回ありました。
親指で手前に押し出すようにするコツを掴むまでは、少しもどかしさを感じるかもしれません。 - タッチ操作のカスタマイズ制限:
アプリで操作割り当てを変更できますが、「音量操作グループ」「再生操作グループ」といったセット単位での入れ替えとなり、個別の操作(1回タップは再生、2回タップは音量上げ、など)を細かくミックスして設定することはできません。
これはJBL製品共通の仕様ですが、もう少し柔軟性が欲しいところです。
体験談の総括:スペック表には現れない「使い心地」
総合的に見て、「道具としての信頼性が非常に高い」と感じました。
接続が切れない、充電ミスがない、アプリがサクサク動く、タップ操作の反応が良い。
こうした当たり前のことが高水準でまとまっており、使っていて「イラッ」とする瞬間が極めて少ないイヤホンです。
「毎日使うものだからこそ、ストレスフリーであること」。これがTUNE BEAM 2の最大の価値かもしれません。
JBL 「TUNE BEAM 2」に関するQ&A|よくある質問と注意点

JBL 「TUNE BEAM 2」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
ワイヤレス充電(Qi)には対応していますか?
いいえ、対応していません。
充電は付属のUSB Type-Cケーブルを使用する必要があります。ワイヤレス充電機能が必要な場合は、上位モデルの「JBL LIVE BEAM 3」をご検討ください。
iPhoneとAndroid、どちらでも使えますか?
はい、どちらでも問題なく使用可能です。
Bluetooth対応のスマートフォンであれば機種を問わず接続できます。対応コーデックはSBCとAACですので、特にiPhoneユーザー(AAC接続)は高音質で楽しめます。Androidユーザーでハイレゾ(LDAC)再生を重視する方は、上位モデルの方が満足度は高いかもしれません。
スポーツやジムでの運動中に使っても大丈夫ですか?
はい、問題ありません。
「IP54」等級の防塵・防滴性能を備えているため、運動中の汗や急な雨程度であれば故障の心配はありません。また、装着感が安定しているため、ランニング程度であれば耳から落ちる心配も少ないでしょう。ただし、完全防水ではないため、水没やシャワー中の使用は避けてください。
ゲームや動画の音ズレ(遅延)はありますか?
専用アプリで「ビデオモード」に設定すれば、遅延はほぼ気になりません。
YouTubeやNetflixなどの動画鑑賞、RPGやパズルゲームなどは快適に楽しめます。ただし、一瞬の判断が勝敗を分けるFPS(Apex Legendsなど)や、タイミングがシビアな音ゲーをガチでプレイする場合は、わずかな遅延を感じる可能性があります。
片耳だけで使用することはできますか?
はい、可能です(デュアルコネクト機能)。
左右どちらか片方のイヤホンだけをケースから取り出して使用することができます。その際、もう片方はケースに入れて充電しておくことが可能です。通話や「ながら聴き」に便利です。
マルチポイント接続の設定方法は難しいですか?
非常に簡単です。
1台目のデバイスに接続した後、イヤホンをケースに戻さずに、アプリまたはBluetooth設定から2台目のペアリングを行うだけで接続できます。一度設定すれば、次回からは自動的に2台同時に接続されます。
ノイズキャンセリング使用時のバッテリー持ちはどのくらいですか?
イヤホン単体で約10時間、ケース込みで約40時間です(ANCオン時)。
これは同価格帯のイヤホンの中でもトップクラスのスタミナ性能です。ANCをオフにすれば、さらに再生時間は伸びます(単体約12時間)。急速充電にも対応しており、10分の充電で約4時間の再生が可能です。
タッチ操作で「音量調節」はイヤホン単体でできますか?
はい、可能ですが設定に注意が必要です。
デフォルト(初期設定)または専用アプリでの割り当て変更により、イヤホンをタップして音量の上げ下げが可能です。ただし、JBLのアプリは「音量操作グループ」「再生操作グループ」といったグループ単位での割り当てになるため、「左耳は音量、右耳は再生停止」のように設定する必要があります。「トリプルタップだけ音量にする」といった個別の細かいカスタムはできません。
PCでのWeb会議(ZoomやTeams)でも快適に使えますか?
はい、非常に快適です。
PCとスマホのマルチポイント接続に対応しているため、PCで会議中にスマホに着信があってもすぐに対応できます。マイク性能も高く、相手にクリアな声を届けられます。ただし、アプリ上のミュートボタンとイヤホンの操作が連動しない場合がある(PC側で操作が必要)点はご留意ください。
風の強い場所での通話品質はどうですか?(風切り音について)
多少の風切り音は入りますが、会話は成立します。
6つのマイクとビームフォーミング技術により、自分の声を集中的に拾ってくれます。強風時は「ボボボ」という音が相手に聞こえることがありますが、AIノイズ低減機能が働くため、声がかき消されて聞こえなくなることは稀です。
Appleの「AirPods Pro(第2世代)」と比較して、ノイキャン性能はどうですか?
正直に言えば、AirPods Proの方が強力です。
AirPods Pro(第2世代)の静寂性は業界トップクラスであり、TUNE BEAM 2はそこまでの消音性能はありません(特に人の話し声や高音ノイズのカット率で差が出ます)。 しかし、TUNE BEAM 2は価格がAirPods Proの約3分の1(1万円台)であることを考えると、コストパフォーマンスと音質のバランスは非常に優秀です。「完璧な無音」を求めない限り、十分満足できる性能です。
寝ながら使う(寝ホン)ことはできますか?
あまりおすすめしません。
耳への収まりが良い形状ではありますが、スティック部分が少し飛び出しているため、横向きに寝ると枕に干渉して耳が痛くなる可能性があります。また、タッチセンサーが枕に反応して誤動作(勝手に止まる・音が変わる)することもあるため、睡眠用として特化されているわけではありません。
電車や図書館での「音漏れ」は気になりますか?
通常の音量であれば、音漏れの心配はほとんどありません。
カナル型(耳栓型)で密閉性が高いため、物理的に音が外に漏れにくい構造です。さらにノイズキャンセリング機能によって、周囲がうるさくても小さな音量で音楽がはっきり聞こえるため、結果としてボリュームを上げすぎる必要がなく、音漏れのリスクを下げられます。
専用アプリ「JBL Headphones」は必ず入れないといけませんか?
入れなくても音は出ますが、インストールの強く推奨します。
アプリなしでもBluetooth接続だけで音楽再生やノイズキャンセリングのON/OFFは可能です。しかし、本機の魅力である「音質の最適化(Personi-Fi)」や「イコライザー設定」「操作ボタンの割り当て変更」「ファームウェアアップデート」はすべてアプリで行います。アプリを使わないと、性能の50%も引き出せないとお考えください。
JBL 「TUNE BEAM 2」レビューのまとめ

最後に、JBL TUNE BEAM 2 は買いなのか? どんな人におすすめなのか? をまとめます。
JBL TUNE BEAM 2 のメリット・デメリット総整理
【メリット(Good)】
- JBLサウンド:10mmドライバーによるリッチな低音とクリアな音質。音楽を聞くのが楽しくなる音。
- 機能全部入り:ハイブリッドANC、マルチポイント、高機能アプリ、LE Audio対応予定と死角なし。
- 装着感:ショートスティック型+デュアルオーバルシェイプで、長時間でも耳が痛くなりにくい。
- アプリの完成度:Personi-Fiによる個人最適化やEQプリセットが優秀。
- コストパフォーマンス:この性能とブランド信頼性で13,000円台は破格。
【デメリット(Bad)】
- ワイヤレス充電なし:充電はUSB-Cケーブルのみ。
- 高音質コーデック:LDACやaptX Adaptiveには非対応(iPhoneユーザーには関係なし)。
- 操作カスタマイズ:ボタン割り当ての自由度がやや低い。
コスパは高い?価格に対する満足度の最終判定
結論から言うと、コスパは「最強クラス」です。
2万円〜3万円のハイエンド機と比較しても、機能面での大きな不足は「ワイヤレス充電」と「ハイレゾコーデック」くらい。
日常使いにおいて、音質やノイキャン性能で大きな不満を感じることはほぼないでしょう。
1万円台前半で、これほど完成度の高いプロダクトを出せるのは、開発力と生産規模を持つJBLだからこそ成せる技です。
「TUNE BEAM 2」が絶対におすすめな人
以下の条件に当てはまるなら、迷わずポチって後悔しません。
- 予算1.5万円以下で、絶対に失敗しないイヤホンを選びたい人
- iPhoneユーザーの人(AAC接続で十分高音質なので、LDAC非対応がデメリットになりません)
- PCとスマホを同時に接続して、仕事もプライベートも効率化したい人
- JBLの元気なサウンド、低音が好きな人
- 初めてのノイズキャンセリングイヤホンを探している人
予算を足してでも上位モデルを検討すべき人
逆に、以下の方はTUNE BEAM 2では満足できない可能性があります。
上位モデル「JBL LIVE BEAM 3」を検討してください。
- Androidユーザーで、LDACによるハイレゾ再生を楽しみたい人
- 「置くだけ充電(ワイヤレス充電)」が生活必需品になっている人
- ケースのスマートディスプレイで、スマホを出さずに曲送りや設定変更をしたい人
JBL 「TUNE BEAM 2」レビューの総括:1万円台の新たな「基準」となる一台
ワイヤレスイヤホン市場が成熟し、数えきれないほどの選択肢が溢れる現在において、JBL TUNE BEAM 2は「価格と性能の黄金比」を体現した稀有なプロダクトです。
前作から大幅に強化された10mmドライバーによるパワフルなサウンドは、音楽を聴く楽しさを再認識させてくれますし、実用十分なハイブリッドノイズキャンセリングやシームレスなマルチポイント接続は、日々の生活におけるストレスを確実に減らしてくれます。
もちろん、ワイヤレス充電などの一部機能は削ぎ落とされていますが、それは安易なコストカットではなく、音質や基本性能という「イヤホンの本質」にコストを集中させた結果であると実際に使ってみて強く感じました。
2万円以上のハイエンド機に迫る体験を、この価格帯で実現したJBLの開発力には脱帽するほかありません。
初めてのノイズキャンセリングイヤホンを探している方にとっても、すでに何台も持っているガジェット好きの方にとっても、この完成度はきっと心地よい驚きを与えてくれるはずです。
JBL TUNE BEAM 2は、あなたの日常を良質な音楽と静寂で彩る、頼れる相棒となるでしょう。


