完全ワイヤレスイヤホン(TWS)市場における「価格破壊」の波は、2025年を経て2026年になってもその勢いが留まることを知りません。
特に5,000円〜10,000円以下のいわゆる「アンダー1万円」クラスは、国内外のメーカーがしのぎを削る、最も競争が激化しているレッドオーシャンです。
かつてこの価格帯は、「音はそこそこ鳴ればいい」「ノイズキャンセリングはおまけ程度」「接続が切れなければ御の字」という妥協が当たり前の世界でした。
しかし、その常識を覆し続けているブランドがあります。それが、中国発のオーディオブランドQCYです。
今回レビューするのは、そのQCYが満を持して投入した最新モデル「QCY MeloBuds N60」。
この製品が市場に与えた衝撃は計り知れません。
なぜなら、通常価格7,000円台後半、セール時には実売5,000円台というエントリークラスの価格帯でありながら、以下のようなハイエンド機顔負けのスペックをこれでもかと詰め込んでいるからです。
- 同軸デュアルダイナミックドライバー搭載(11mm + 6mm)
- 最大-56dBの強力なアクティブノイズキャンセリング
- ハイレゾ相当のLDACコーデック対応
- マルチポイント接続とLDACの併用が可能
- 空間オーディオ機能搭載
前作にあたる上位モデル「MeloBuds Pro (N70)」が、MEMSドライバーという新しい技術を採用して話題をさらいましたが、今回のN60はその「弟分」あるいは「姉妹機」という立ち位置で登場しました。
しかし、単なる廉価版ではありません。
音質の方向性をガラリと変え、一部の機能では兄貴分をも凌駕する使い勝手を実現しているのです。
「安かろう悪かろう」の時代は終わりました。
しかし、「安くて凄い」の中に死角はないのでしょうか?
カタログスペックの数値だけでは見えてこない「音の質感」や「使い勝手のリアル」はどうなのでしょうか?
本記事では、オーディオガジェットに精通した筆者が、QCY MeloBuds N60の実力を徹底的に検証。
提供された情報を元に、忖度なしでレビューしていきます。
コスパ最強のイヤホンを探している方、サブ機としてラフに使える高音質機を求めている方は、ぜひ最後までお付き合いください。
- QCY MeloBuds N60の基本スペックと特徴
- 音質徹底レビュー:QCY MeloBuds N60の価格破壊級のサウンド
- QCY MeloBuds N60の機能面の検証:ノイキャンからマルチポイントまで
- 私の体験談レビュー:QCY MeloBuds N60を使い込んで分かった真実
- QCY MeloBuds N60に関するQ&A
- iPhoneでも高音質で聴けますか?(LDAC非対応ですが大丈夫?)
- 上位機種の「MeloBuds Pro (N70)」とどっちを買うべき?
- 通話品質は仕事(Web会議)でも使えますか?
- マルチポイントとLDACは同時に使えますか?
- ゲームや動画の遅延は気になりますか?
- スポーツやランニングに使っても落ちませんか?
- ノイズキャンセリングの圧迫感はありますか?
- 音量調節はイヤホン本体でできますか?
- 空間オーディオはどんなコンテンツに向いていますか?
- イヤホンを無くした時に探す機能はありますか?
- バッテリー持ちは実際どうですか?
- 接続安定性はどうですか?途切れませんか?
- 片耳だけで使えますか?
- 寝ながら使っても大丈夫ですか?(寝ホンとして使える?)
- QCY MeloBuds N60レビューのまとめ
QCY MeloBuds N60の基本スペックと特徴

まずは、このイヤホンがなぜこれほどまでに注目されているのか、その基本スペックとハードウェアとしての特徴を整理していきましょう。
驚異のコスパを実現する価格と構成
QCY MeloBuds N60の最大の特徴は、なんといってもそのコストパフォーマンスです。
通常価格は7,480円前後ですが、Amazonなどのセールやクーポンを駆使することで、5,000円台(約5,600円程度)で購入可能なケースが多く見られます。
この価格帯で競合する他社製品と比較しても、機能の充実ぶりは頭一つ抜けています。
通常、この価格帯では「ノイキャンはあるけど音質は普通」「音はいいけどマルチポイントがない」といったトレードオフが発生するものですが、N60はその壁を破壊しに来ています。
| 項目 | QCY MeloBuds N60 スペック詳細 | 特記事項 |
| ドライバー構成 | 11mm + 6mm 同軸デュアルダイナミックドライバー | この価格帯では極めて稀な構成 |
| 通信規格 | Bluetooth 5.3 / 6.0 | 接続安定性も向上 |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LDAC | ハイレゾワイヤレス対応 |
| ノイズキャンセリング | 最大 -56dB (アダプティブANC対応) | 数値上はフラッグシップ級 |
| マルチポイント | 対応(2台同時接続) | LDACとの併用が可能 |
| バッテリー | 単体約9時間 / ケース込み約45時間 (ANC OFF時) | 長時間の使用も安心 |
| 充電 | USB Type-C (急速充電対応) | ワイヤレス充電は非対応 |
| 防水性能 | IPX5 | 雨や汗程度なら問題なし |
| 専用アプリ | QCYアプリ対応 | EQ、操作カスタマイズ、探す機能等 |
表を見ていただければ分かる通り、1万円以上のミドルクラス〜ハイエンドクラスで標準搭載されている機能がほぼ網羅されています。
特にLDACとマルチポイントの併用は、大手メーカーの2万円クラスの製品でも非対応な場合がある(どちらかを選択させる仕様が多い)ため、この点だけでも購入価値があると言えるでしょう。
同軸デュアルダイナミックドライバーの採用
オーディオファンとして最も注目したいのが、ドライバー構成です。
N60は「11mm」と「6mm」の2つのダイナミックドライバー(DD)を同軸上に配置しています。
- 11mm 大口径ドライバー:
主に中低音域を担当。
11mmというサイズは完全ワイヤレスイヤホンとしては大型の部類に入ります。
これにより、空気を大きく震わせるような、迫力のあるベースラインやドラムのキック音を再生します。 - 6mm 小口径ドライバー:
主に高音域を担当。チタンコーティング振動板などが採用されることが多く、繊細なシンバル音やボーカルの息遣い、ギターの倍音成分などを再生します。
一般的に、安価なイヤホンは1つのドライバーですべての音を鳴らす「シングルドライバー」構成が主流です。
しかし、1つのスピーカーで低い音から高い音まで無理やり鳴らそうとすると、音が混濁したり、高音が歪んだり、逆に低音がスカスカになったりと、どこかで妥協が必要になります。
N60は役割の違う2つのスピーカーを搭載することで、「重低音の迫力」と「高音のクリアさ」の両立を目指しています。
この「同軸配置(コアキシャル)」という技術は、音の発生源を一点に集中させることで位相ズレ(音のタイミングのズレ)を減らす効果もあり、AnkerのLiberty 4など1万円オーバーの人気機種で採用されている方式に近いです。
これを5,000円台で実装してきたQCYの開発力には脱帽です。
デザインと付属品、装着感のチェック
デザインと質感
ケースデザインは、光沢のある仕上げ(グロス)とマットな質感を組み合わせたツートンカラーが特徴的です。
ケースの開閉機構にも工夫があります。
前作N70は上部だけが開くタイプでしたが、N60は前面からパカっと大きく開くタイプに変更されました。
これにより、イヤホンをつまんで取り出す際のスペースが広くなり、取り出しやすさが格段に向上しています。
イヤホン本体は「スティック型(うどん型)」を採用。
N70と比較すると、スティック部分がやや長く、ハウジング(耳に入る部分)の形状も微妙に変更されています。
光沢感が強く、テカテカとしたデザインは好みが分かれるところですが、安っぽさはそれほど感じません。
装着感
装着感については、多くのユーザーが「良好」と評価するポイントです。
耳の穴にギュッとねじ込むカナル型特有の圧迫感が苦手な方もいると思いますが、N60は「耳のくぼみにふんわりと蓋をする」ような感覚に近く、軽快な着け心地です。
- N70との比較:
上位機のN70は耳への密着度が高い分、人によっては長時間使用で耳の軟骨部分に痛みを感じることがありましたが、N60はその形状が見直され、より万人にフィットしやすい設計になっています。 - 安定性:
片耳約5.2gと軽量であるため、歩行中や軽い運動程度では外れる心配はありません。
付属品には、本体装着分を含めて5種類(SS/S/M/L/LL等)のイヤーピースが同梱されています。
これだけサイズが豊富であれば、耳の穴が小さい女性から大きい男性まで、別途社外品のイヤーピースを買わずとも最適なフィット感を得られる可能性が高いでしょう。
音質徹底レビュー:QCY MeloBuds N60の価格破壊級のサウンド

ここからは、実際に音楽を聴いて感じた「音質」について深掘りしていきます。
結論から申し上げますと、N60の音質は「わかりやすく楽しい、迫力のドンシャリサウンド」であり、多くの人が「良い音だ」と感じやすいチューニングです。
迫力の低音とクリアな高音のバランス
QCY MeloBuds N60のサウンドキャラクターを一言で表すなら、「リッチな低音と、刺さらない高音」です。
圧倒的な低音域(11mmドライバーの恩恵)
11mmという大型のダイナミックドライバーがしっかりと仕事をしており、バスドラムの「ドスッ」という重みや、ベースラインのうねりが非常に力強く響きます。
いわゆる「サブベース」と呼ばれる超低音域までしっかりと再生されており、EDMやヒップホップなどを聴くと、脳を揺らすような快感が得られます。
「低音が強すぎると他の音が聞こえなくなるのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、そこはデュアルドライバーの強みが生きています。
低音が空間を埋め尽くすような量感がありつつも、中高音域を担当するもう一つのドライバーと分離されているため、ボーカルが埋もれてしまう(マスキングされる)現象が起きにくいのです。
マイルドだが明瞭な高音域(6mmドライバーの恩恵)
高音域に関しては、上位機種のN70(MEMSドライバー搭載)とは対照的なチューニングです。
N70は「カリッとした硬質な高音」で、解像度は高いものの、シンバルの音が刺さるように感じたり、聴き疲れしやすい傾向がありました。
対してN60は、角が取れた丸みのある高音です。
6mmドライバーが高音を担当することで、煌びやかさは維持しつつも、不快な刺さり感を抑えた「マイルドな聴きやすさ」を実現しています。
長時間聴いていても耳が痛くなりにくいのは、N60の大きなメリットです。
LDACコーデック対応による解像度の高さ
本機は、日本オーディオ協会が認定するハイレゾワイヤレス規格「LDAC」に対応しています。
これは、従来のSBCコーデックに比べて約3倍の情報量を伝送できる技術です。
iPhoneユーザー(AAC接続)でもドライバー性能の良さは体感できますが、Androidスマートフォンや高品質なDAP(デジタルオーディオプレイヤー)と接続し、LDACを有効にすることで、その真価が発揮されます。
LDAC接続時の変化は以下の通りです。
- 音の粒立ちが良くなる: 楽器ごとの音が団子にならず、一つ一つが分離して聞こえるようになります。
- 空気感の再現: MP3などの圧縮音源ではカットされがちな微細な余韻や、スタジオの空気感のようなものが再現されます。
5,000円台のイヤホンでLDACに対応していること自体が驚きですが、しっかりとデュアルドライバーの性能が追いついており、規格倒れになっていない点は高く評価できます。
ただし、LDAC接続時はバッテリー消費が早くなる点と、人混みでの接続安定性が若干下がる点には注意が必要です。
空間オーディオ機能の実力と楽しみ方
N60には、アプリ設定でオンにできる「空間オーディオ(Spatial Audio)」機能が搭載されています。
これはAppleのAirPodsのようなヘッドトラッキング(顔の向きに合わせて音が移動する機能)はありませんが、デジタル信号処理によって音場(音の広がり)を擬似的に拡張し、サラウンド感を演出する機能です。
- 音楽鑑賞での利用:
通常のステレオ音源が左右にふわっと広がり、ライブ音源などを聴くとホールのような臨場感が出ます。
ただ、曲によってはボーカルが遠くなるなどの違和感が出る場合もあるため、「ライブ盤を聴く時だけオンにする」といった使い方がおすすめです。 - 動画視聴での利用:
こちらが本命です。
NetflixやYouTubeで映画やドラマを見る際、この機能をオンにすると、セリフの明瞭さを保ちつつ、爆発音や環境音がワイドに広がり、スマホの小さな画面で見ていることを忘れるような没入感が得られます。
1万円以下のイヤホンについている空間オーディオとしては、かなり自然で優秀な部類に入ります。
QCY MeloBuds N60の機能面の検証:ノイキャンからマルチポイントまで

音質だけでなく、日常の使い勝手を左右する機能面についても徹底検証します。
最大-56dBのアクティブノイズキャンセリング(ANC)性能
カタログスペックでは「最大-56dB」という、業界最高クラスの数値を謳っています。
しかし、ANCの性能は数値だけでは測れません。実際の効き目はどうなのでしょうか。
低音ノイズへの効果
電車やバスの走行音、航空機のエンジン音といった「ゴーッ」という低い周波数のノイズに対しては、驚くほど強力に効きます。
音楽を流していれば、騒音はほぼ気にならなくなるレベルです。
この点においては、1万円〜2万円クラスのイヤホンと遜色ありません。
人の声への効果
一方で、人の話し声やカフェでの食器の音といった、突発的かつ中高音域のノイズに関しては、「完全に消える」わけではありません。
メーカー側は「広帯域のノイズ低減(最大5kHzまで対応)」をアピールしていますが、実際には人の声は「少し遠くで話しているように聞こえる」「音量が半分くらいになる」程度に減衰するイメージです。
過度な期待は禁物ですが、耳栓代わりとしては十分機能します。
注意点:ノイキャン特有の圧迫感
N60のANCは効きが強力な分、耳が詰まったような独特の「圧迫感(ツーンとする感じ)」を感じる場合があります。
これは強力なANC搭載機によくある現象です。
慣れている人は問題ありませんが、ANC初心者の方や気圧の変化に敏感な方は、アプリで強度を調整することをおすすめします。
実用性の高い外音取り込み機能
イヤホンをつけたまま会話ができる「外音取り込み(アンビエントモード)」も搭載しています。
この機能の完成度も高く、コンビニのレジでのやり取りや、駅のアナウンスを聞く分には全く問題ありません。
マイクで音を拾っているような「サーッ」というホワイトノイズは多少ありますが、人の声は自然に強調され、聞き取りやすくチューニングされています。
アプリを使えば取り込みレベルを6段階で調整できるため、「自分の声がこもって話しにくい」という違和感も軽減可能です。
レベルを上げすぎるとノイズも増えるため、レベル4〜5あたりで使うのが最も自然です。
LDACとマルチポイントの同時利用が可能
筆者が最も評価したいポイントがここです。
通常、Bluetoothの帯域制限の問題で、「高音質なLDAC接続」と「便利なマルチポイント(2台同時待受)」は排他仕様(どちらかしか選べない)であることが一般的です。
しかし、N60はこの2つを同時利用可能です。
例えば、「普段はAndroidスマホでLDACの高音質音楽を聴きつつ、会社のPCでWeb会議が始まったら自動で切り替わる」といった運用が可能です。
この柔軟性は、ガジェット好きにはたまらない仕様と言えるでしょう。
ただし、両方をオンにすると接続安定性がややシビアになるため、人混みでは「接続優先モード」にするなどの工夫が必要な場合もあります。
私の体験談レビュー:QCY MeloBuds N60を使い込んで分かった真実

スペックシートだけでは見えてこない、実際に日常生活で使い倒して感じた「生の声」をお届けします。
通勤・カフェでのノイズカット効果を検証
平日の通勤ラッシュ時の地下鉄と、休日の賑わうカフェでテストを行いました。
【地下鉄でのテスト】
ANCを「オン」にした瞬間、電車の轟音がスッと遠のき、静寂が訪れます。
今までボリュームを60〜70%まで上げないと聞こえなかったPodcastの音声が、40%程度でもはっきりと聞き取れるようになりました。
特に「アダプティブモード(環境に合わせて自動調整)」にしておくと、駅構内と車内の騒音レベルの差を検知して強度が変わるため便利ですが、切り替わりの挙動がやや不安定な時もありました。
個人的には「室内」「通勤」などのプリセット固定で使う方が、音質の変動が少なく安定感があると感じました。
【カフェでのテスト】
隣の席の話し声は完全には消えませんが、音楽を再生すれば気にならなくなります。
ただ、高音域のカット率はそこまで高くないため、店員さんが皿を片付ける「カチャン!」という高い音は割と入ってきます。
それでも、「集中モード」に入るためのスイッチとしては十分な性能です。
バラエティ番組を流したテレビの前でテストした際も、笑い声などは聞こえますが、BGMなどの低い音は綺麗にカットされていました。
ゲームモードの遅延と動画視聴の快適さ
N60には低遅延を実現する「ゲームモード」が搭載されています。
アプリまたは本体操作でオンにできます。
実際に音ゲー(リズムゲーム)とFPS(Apexモバイル)をプレイしてみました。
- 動画視聴(YouTube/Netflix):
ゲームモードOFFでも遅延は全く気になりません。
口の動きと声は完全にリンクしています。 - FPS・アクションゲーム:
ゲームモードONにすると、発砲音などの遅延が体感できるほど減ります(公称値約0.07秒前後)。
ガチ勢でなければ十分にプレイ可能です。 - 音ゲー:
さすがに厳しいです。
タップしてから音が鳴るまでにコンマ数秒のズレを感じます。
タイミング調整機能を使えば遊べなくはないですが、ワイヤレスイヤホンの限界を感じました。
音ゲーマーは有線イヤホンを使いましょう。
マイク性能と通話品質についての本音
Web会議や電話での通話品質についても検証しました。
結論から言うと、「通話品質は価格なり」という印象です。
静かな部屋での通話は問題ありませんが、周囲が騒がしい場所だと、ノイズキャンセリングマイクが周囲の音を消そうとするあまり、自分の声まで加工されてしまい、少し機械的でこもったような声(ロボットボイス気味)になってしまう傾向があります。
相手から「何と言いましたか?」と聞き返されることはありませんでしたが、クリアで透き通った声を届けたい大事な商談などには、別途マイクを用意するか、より上位のモデルを使用したほうが無難かもしれません。
専用アプリの使い勝手とカスタマイズ性
QCYの専用アプリは非常に多機能で、ここをいじるだけでも数時間遊べます。
- イコライザー(EQ):
プリセット(Pop, Rock, Soft, Classicなど)が豊富ですが、特に「カスタムEQ」で自分好みの音を作れるのが楽しいです。
デフォルトは低音が強めなので、低音(Bass)を少し下げて中域を持ち上げると、よりボーカルが映えるバランスになります。 - 操作の割り当て:
「1回タップ」は誤動作防止のためデフォルトでは無効になっていますが、これを有効にして音量調整を割り当てると劇的に使いやすくなります。
「長押し」にゲームモードを割り当てるなどのカスタマイズも自由自在です。 - イヤホンを探す機能:
Googleマップ上で最後に接続が切れた場所を表示したり、イヤホンから大音量のアラーム音を鳴らして探すことができます。
5,000円のイヤホンにここまで実装しているのは驚きです。 - その他:
スリープモード(寝ながら使う時にタッチ操作を無効化する機能)や、ファームウェアアップデートもアプリから行えます。
上位機種「MeloBuds Pro (N70)」との比較と選び分け
多くの人が迷うであろう、上位機N70との比較をまとめます。
| 特徴 | MeloBuds N60 (弟分) | MeloBuds Pro N70 (兄貴分) |
| ドライバー | 2DD (ダイナミック×2) | DD + MEMS (ハイブリッド) |
| 音の傾向 | ウォーム、低音寄り、聴き疲れしない | クール、高解像度、高音が鋭い |
| 装着感 | 軽快、圧迫感少なめ | 密着度が高い、やや圧迫感あり |
| 機能 | ワイヤレス充電 非対応 | ワイヤレス充電 対応 |
| 装着検出 | あり | あり |
| 価格 | 安い (5,000円台〜) | 少し高い (7,000円台〜) |
【結論】
- N60がおすすめな人: ロックやEDMなどノリの良い曲が好き、耳への負担を減らしたい、少しでも安く全部入りの機能が欲しい人。
- N70がおすすめな人: クラシックや女性ボーカル曲で繊細な高音を楽しみたい、ワイヤレス充電が必須、高級感のあるデザインが好きなら人。
N60はN70の「廉価版」というよりは、「音の好みに合わせて選べる別バージョン」と捉えるのが正解です。
ワイヤレス充電さえ妥協できれば、N60の方が満足度が高いケースも十分にあり得ます。
体験談の総括:弱点を補って余りある魅力
実際に使ってみて、タッチ操作の感度が良すぎて髪をかきあげただけで反応してしまうことや、ケースがツルツルしていて取り出す際に少し滑りやすいといった細かな不満点はありました。
また、通話品質も最高レベルではありません。
しかし、「この音質とこのノイキャン性能が、クーポン込み5,000円台で手に入る」という事実は、それらすべての不満をねじ伏せるほどのインパクトがあります。
メイン機として毎日ガシガシ使うのはもちろん、高級イヤホンの充電が切れた時のサブ機としても、あまりに優秀すぎる存在です。
QCY MeloBuds N60に関するQ&A

QCY MeloBuds N60に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。
iPhoneでも高音質で聴けますか?(LDAC非対応ですが大丈夫?)
はい、十分高音質で楽しめます。
iPhoneはLDACコーデック(ハイレゾ相当の伝送)には非対応で、AAC接続となります。しかし、本機は「同軸デュアルダイナミックドライバー」というハードウェア自体の性能が高いため、AAC接続でも迫力のある低音とクリアな高音を十分に体感できます。LDACが使えなくても、価格以上の音質であることに変わりはありません。
上位機種の「MeloBuds Pro (N70)」とどっちを買うべき?
「音の好み」と「ワイヤレス充電の有無」で決めましょう。
- N60がおすすめな人:
ロックやEDMが好き(低音重視)、聴き疲れしない音が良い、少しでも安く買いたい人。 - N70がおすすめな人:
クラシックや女性ボーカルの繊細な響きが好き(高音重視)、ワイヤレス充電が絶対に必要な人。 機能面での大きな違いは「ワイヤレス充電の有無(N60は非対応)」ですので、ここが妥協できるならN60のコスパは圧倒的です。
通話品質は仕事(Web会議)でも使えますか?
静かな場所なら可能ですが、重要な商談には不向きかもしれません。
マイク性能は価格なりです。静かな室内であれば問題なく通話できますが、周囲が騒がしいカフェや屋外では、ノイズキャンセリング処理によって自分の声が少しロボットのように機械的になったり、こもって聞こえたりする傾向があります。カジュアルな通話には十分ですが、音質を重視する大事なビジネスシーンでは、PCマイクや有線イヤホンの使用をおすすめします。
マルチポイントとLDACは同時に使えますか?
はい、併用可能です。
ここが本機の凄いところです。通常、安価なモデルでは「高音質(LDAC)」か「便利機能(マルチポイント)」のどちらかしか選べないことが多いですが、N60はQCYアプリで設定することで両方を同時に有効にできます。 ※ただし、通信環境によっては接続が不安定になる場合があるため、人混みなどでは接続優先モードへの切り替えが必要なこともあります。
ゲームや動画の遅延は気になりますか?
「ゲームモード」を使えば、FPSや動画視聴は快適です。
アプリや本体操作でゲームモード(低遅延モード)をONにすると、遅延を最小限(公称値0.07秒程度など)に抑えられます。動画視聴やRPG、FPSなどのアクションゲームなら違和感なく遊べます。ただし、シビアなタイミング判定が求められる「音ゲー(リズムゲーム)」に関しては、わずかなズレを感じる可能性があるため推奨しません。
スポーツやランニングに使っても落ちませんか?
装着感は安定しており、IPX5防水なので汗も安心です。
耳の形状にフィットするデザインで本体も軽量なため、ランニング程度の動きなら外れる心配は少ないでしょう。また、IPX5の防水性能があるため、汗や急な雨で濡れても壊れる心配はありません(ケースは防水ではないので注意してください)。
ノイズキャンセリングの圧迫感はありますか?
人によっては強く感じる場合があります。
最大-56dBという強力なノイズキャンセリング性能を持っている反面、耳が詰まったような独特の「圧迫感(ツーンとする感じ)」を感じやすい機種です。苦手な方は、専用アプリでノイズキャンセリングの強度を下げるか、「室内モード」などを選択して調整することをおすすめします。
音量調節はイヤホン本体でできますか?
はい、可能です(ただしアプリ設定が必要です)。
購入時の初期設定では、誤操作防止のために「1回タップ」が無効になっています。QCY専用アプリを使って、1回タップの操作に「音量アップ/ダウン」を割り当てることで、スマホを出さずにイヤホンだけで音量調節ができるようになります。自分好みにカスタマイズできるのが魅力です。
空間オーディオはどんなコンテンツに向いていますか?
映画鑑賞やライブ映像に最適です。
ヘッドトラッキング(顔の向きに追従する機能)はありませんが、音場を擬似的に広げる効果があります。NetflixやYouTubeで映画を見る際にオンにすると、映画館のような広がりと臨場感を楽しめます。一方で、普通の音楽(ステレオ音源)で使うと、ボーカルが少し遠く感じたり、残響音が不自然になったりすることがあるため、コンテンツによって使い分けるのがおすすめです。
イヤホンを無くした時に探す機能はありますか?
はい、アプリに「イヤホンを探す」機能があります。
QCYアプリには、最後に接続が切れた場所を地図上で表示する機能や、イヤホンから大きな音(アラーム音)を鳴らして場所を知らせる機能が搭載されています。家の中で片方だけ見当たらない時などに非常に便利です。5,000円台でこの機能が付いているのは驚きです。
バッテリー持ちは実際どうですか?
ノイキャンONでも通勤・通学なら数日は充電不要です。
スペック上はANCオフで単体9時間、ケース込み45時間と非常に長持ちです。強力なノイズキャンセリングを常時オンにして、LDAC(高音質)で聴いた場合は消費電力が増えますが、それでも単体で5〜6時間程度は持ちます。片道1〜2時間の移動であれば、数日に1回ケースを充電するだけで運用可能です。
接続安定性はどうですか?途切れませんか?
基本的には安定していますが、設定によります。
Bluetooth 5.3対応で安定性は高いですが、「LDAC(高音質)」と「マルチポイント(2台同時接続)」を同時にオンにしている場合、満員電車や交差点などの電波干渉が強い場所では、音がプツプツと途切れることがあります。その場合は、アプリで「接続優先モード」に切り替えるか、LDACをオフ(AAC接続)にすることで改善します。
片耳だけで使えますか?
はい、左右どちらでも片耳使用が可能です。
ケースから片方だけ取り出せば自動的に片耳モードになります。また、両耳で使っている最中に片方をケースに戻しても、音楽は止まらずに残った方で再生され続けます。仕事中に片耳だけ着けて通知を確認したり、通話を待ち受けたりする際にも便利です。
寝ながら使っても大丈夫ですか?(寝ホンとして使える?)
「スリープモード」を使えば誤操作なしで使えます。
本体がコンパクトで耳からの出っ張りが少ないため、枕に押し付けても耳が痛くなりにくい形状です。さらに、QCYアプリには「スリープモード」という機能があり、これをオンにするとタッチ操作を一時的に無効化できます。寝返りを打った時に枕でタッチセンサーが反応して音が止まったり、爆音になったりする事故を防げるので、寝ホンとしても優秀です。
QCY MeloBuds N60レビューのまとめ

QCY MeloBuds N60は、完全ワイヤレスイヤホン市場における「価格破壊」の象徴のような製品でした。
最後に、この製品のメリット・デメリットを整理し、どんな人におすすめなのかをまとめます。
QCY MeloBuds N60のメリット
- 価格以上の高音質: デュアルダイナミックドライバーによる、迫力の重低音とクリアな中高音。
- 全部入りの機能性: LDAC、マルチポイント、強力なANC、外音取り込み、アプリ対応と死角がない。
- 同時使用の快適さ: LDACの高音質とマルチポイントの利便性を両立できる稀有な仕様。
- 疲れにくい装着感: 圧迫感が少なく、長時間着けていても耳が痛くなりにくい。
- 圧倒的なコストパフォーマンス: 実売5,000円台でこれらを実現している点は驚異的。
QCY MeloBuds N60のデメリット・注意点
- 通話品質は平凡: 周囲がうるさいと声がこもりやすく、ビジネス用途には工夫が必要。
- ワイヤレス充電非対応: 上位機N70にはある機能が省略されている(コストカットポイント)。
- ANCの圧迫感: ノイズキャンセリング特有の「ツーン」とする感覚がやや強め。
- タッチ操作の誤爆: 感度が良すぎるため、着脱時に意図せず再生・停止してしまうことがある。
このイヤホンはどんな人におすすめか
- 予算5,000円〜7,000円で最高スペックのイヤホンを探している人
- ドンシャリ系の元気なサウンドが好きな人(ロック、ポップス、EDM好き)
- Androidスマホを使っていて、LDACの高音質を試してみたい人
- スマホとPC、タブレットなど複数デバイスを使い分けたい人(マルチポイント必須)
- 初めてノイズキャンセリングイヤホンを購入する人
QCY MeloBuds N60レビューの総括:コストパフォーマンスについての最終結論
QCY MeloBuds N60は、「迷ったらこれを買っておけば間違いない」と言える、2025年〜2026年のアンダー1万円クラスの覇権候補です。
もちろん、2万円、3万円を出せばもっと良いイヤホンはあります。
しかし、「5,000円台で、1万円クラスの体験ができる」という点において、本機の右に出るものは現状ほとんどありません。
もしあなたが、「安くて良いイヤホンないかな?」と探しているなら、QCY MeloBuds N60は間違いなく期待に応えてくれる一台になるでしょう。
ぜひ、この衝撃的なコストパフォーマンスをあなたの耳で体験してみてください。

