【徹底レビュー】FIIO 「M21」の音質・スペック・使い方を解説!5万円台DAPの新基準とは?

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出典:FIIO公式
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近年、ポータブルオーディオプレーヤー(DAP)の進化は著しく、かつては数十万円を超える高級機でしか実現できなかった音質や機能が、手の届く価格帯で享受できるようになってきました。

そんな中、FIIOが新たにリリースした「M21」は、まさに“価格破壊的DAP”という言葉がふさわしい1台です。

FIIOといえば、コストパフォーマンスに優れたオーディオ製品を数多く手がけてきたブランド。

そのFIIOが以前に発売し大ヒットとなった「JM21」は、3万円前後という低価格ながら、サクサク動作と本格的な音質を両立し、多くのエントリーユーザーから絶賛を集めました。

その「JM21」の“兄貴分”として登場したのが今回の「M21」です。

5万円台という価格設定ながら、DACチップはCirrus Logic製「CS43198」を贅沢に4基搭載し、Snapdragon 680による快適なAndroid操作を実現。

さらに、FIIO独自の「デスクトップモード」をはじめとする多機能性も備え、ポータブル用途はもちろん、据え置き環境でも活躍できる実力派です。

この記事では、そんな「M21」の基本スペックからデザイン、音質、操作性、そして実際に使用して感じたリアルな魅力まで、幅広くご紹介していきます。

「初めての本格DAPが欲しい」「スマホでは満足できない」「据え置きと兼用したい」……そんな方にとって、「M21」は非常に魅力的な選択肢となることでしょう。

 

  1. FIIO 「M21」とは?
    1. “価格破壊的DAP”の真価とは
    2. 「JM21」との違いを整理する
    3. なぜ「M21」は次世代のエントリー機と呼ばれるのか
  2. FIIO 「M21」のデザインと筐体の魅力
    1. 高級感を演出する素材と仕上げ
    2. カラーバリエーションと付属アクセサリー
    3. 操作性とUIの快適さ
  3. FIIO 「M21」の機能性とスペックの実力
    1. クアッドDAC × Snapdragon 680のパフォーマンス
    2. デスクトップモードと出力性能
    3. 幅広い接続性と拡張性
  4. FIIO 「M21」の音質レビューとリスニング体験
    1. 低域〜高域までのチューニング傾向
    2. 音場・分離感・解像度の印象
    3. ジャンル別に見る適正と強み
  5. FIIO 「M21」を使用した私の体験談・レビュー
    1. 実際に使ってみて感じたポイント
    2. 実際の使用スタイルと感じたこと
  6. FIIO 「M21」に関するQ&A
    1. 「M21」は初心者でも使いこなせますか?
    2. 「JM21」と比べて、「M21」を選ぶメリットは何ですか?
    3. 「M21」はどんなイヤホン・ヘッドホンと相性が良いですか?
    4. デスクトップモードとは何ですか?どう使うのですか?
    5. USB DACとしてPCと接続するにはどうすればいいですか?
    6. 通勤などの携帯用としても適していますか?
    7. 「M21」と上位機(M23など)との違いは?
    8. スピーカーとも接続できますか?
    9. 「M21」を買う上で注意点はありますか?
    10. 「M21」でハイレゾ音源は再生できますか?
    11. 内蔵ストレージ64GBで足りますか?拡張はできますか?
    12. 「M21」にWi-FiやBluetooth機能はありますか?
    13. バッテリー寿命や発熱は気になりますか?
    14. 音量調整は細かくできますか?
    15. 「M21」は長期的に使えますか?
  7. FIIO 「M21」レビューのまとめ
    1. 高級DAPに迫る「中身」の詰まった構成
    2. 持ち運べる「据え置き機」としてのポテンシャル
    3. “聴くこと”に集中できる設計
    4. ユーザーの生活に寄り添うDAP
    5. FIIO 「M21」レビューの総括

FIIO 「M21」とは?

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出典:FIIO公式

FIIO 「M21」は、オーディオブランドFIIOが送り出した“次世代エントリーDAP”です。

その立ち位置は、単なる入門機にとどまりません。

上位機種に搭載されていた技術やパーツを大胆に落とし込みながらも、5万円台という価格帯に抑えることで、「価格破壊」と評されるほどの完成度を実現しています。

“価格破壊的DAP”の真価とは

FIIO 「M21」の最大の特徴は、高級DAP顔負けのスペックと音質をエントリー価格で提供している点です。

前作「JM21」が「手軽さと性能のバランス」で成功を収めたのに対し、「M21」はそこに「余裕」と「重厚さ」を加えることで、ワンランク上の使用体験を可能にしました。

以下は、主なハイライトとなるスペックです:

項目内容
DACチップCirrus Logic CS43198 × 4(クアッド構成)
プロセッサSnapdragon 680(8コア)
OSAndroid 13
メモリ4GB RAM / 64GB ROM(microSD 最大2TB対応)
出力端子3.5mmシングルエンド / 4.4mmバランス / SPDIF対応
バッテリー4000mAh / 最大15時間再生 / PD3.0対応
重量約193g
特殊機能デスクトップモード搭載 / USB DAC機能あり

このように、通常なら7万~10万円台のDAPに見られる要素を網羅しており、それでいて価格は53,000円前後。

まさに“真の価格破壊的DAP”と呼ぶにふさわしい内容です。

「JM21」との違いを整理する

FIIO 「M21」は、前作「JM21」の系譜を継ぐ製品ですが、両者の間には明確な違いがあります。

以下の表で比較してみましょう。

比較項目JM21M21
価格帯約3万円約5.3万円
DAC構成デュアルDAC(CS43198 × 2)クアッドDAC(CS43198 × 4)
RAM / ROM3GB / 32GB4GB / 64GB
背面素材プラスチックAGフロストガラス
デスクトップモード非搭載搭載(最大950mW出力)
本体重量約156g約193g
デザイン性シンプル高級感あり(ガラス×金属)

注目ポイント:

  • 音質の厚みや空間表現において、「M21」は明らかに上位。
  • デスクトップモードの有無は、据え置き活用を検討するユーザーにとって大きな分かれ目。
  • 本体の質感・高級感にも差があるため、「所有する喜び」にも影響します。

なぜ「M21」は次世代のエントリー機と呼ばれるのか

「M21」が“次世代のエントリー機”と評価される背景には、以下のような理由があります:

  • 音質・操作性・拡張性の三拍子が揃っている
    • クアッドDAC構成と高精度なアナログ回路設計により、単なる“安価”ではなく“本物の音質”を実現。
    • Snapdragon 680 + Android 13の組み合わせで、動作もスマホライクにスムーズ。
    • 3.5mm / 4.4mm / USB DAC / SPDIFなど、幅広い出力対応で運用の柔軟性が高い。
  • デザイン性と拡張性が同時に成立している
    • カセットプレーヤー風の専用ケースをはじめとする、遊び心のあるアクセサリーも展開。
    • 背面ガラス+アルミ筐体による高級感で、“エントリー機”の安っぽさがない。
  • 据え置き用途を見据えた設計
    • デスクトップモードを利用すれば、バッテリーを消耗させずに高出力運用が可能。
    • 自宅でのオーディオ環境の中核にも据えられる実力。

FIIO 「M21」は、「初めてのDAP」にとどまらず、「長く使える一台」としても成立する稀有なモデルです。

 

FIIO 「M21」のデザインと筐体の魅力

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出典:FIIO公式

FIIO 「M21」は、その価格帯からは想像できないほど高級感と所有欲を満たすデザイン性を持ち合わせています。

エントリーDAPにありがちな「チープさ」や「無難な筐体デザイン」とは一線を画す、プレミアムな作り込みがユーザーに強く訴えかけてきます。

高級感を演出する素材と仕上げ

「M21」の筐体は、見た目の美しさと手触りの良さを両立した設計となっており、細部にまでFIIOのこだわりが詰め込まれています。

主な筐体素材・仕上げの特徴:

要素内容
フレーム素材アルミニウム合金製フレーム
背面パネルAGフロストガラス仕上げ
仕上げサンドブラスト加工で指紋がつきにくく、さらりとした手触り
質感剛性感と軽快さを両立。金属の“冷たさ”が心地よい

AGフロストガラスはマットな質感で、光の反射を抑えつつ繊細な表情を与えてくれます。

さらに指紋や皮脂が目立ちにくく、常に清潔感を保ちやすいという利点も。

アルミとのコンビネーションで、持った瞬間の「高級機感」はかなり強めです。

カラーバリエーションと付属アクセサリー

「M21」は2色展開となっており、ユーザーの好みに合わせて選べるのも魅力です。

カラーバリエーション:

  • Titanium Gold(チタンゴールド):落ち着きと高級感が同居するエレガントなカラー
  • Dark Blue(ダークブルー):洗練された印象と遊び心の絶妙なバランス

付属品(初期同梱):

付属品内容
保護フィルム本体出荷時にすでに貼付済みの強化ガラスフィルム
保護ケースTPU製の簡易ケース(初期保護用)
USBケーブル充電&データ転送用のType-Cケーブル
クイックスタートガイド / 保証書日本語対応あり

別売りアクセサリー:

種類特徴
PUレザーケース(SK-M21)耐摩耗・耐汚染性能のある高品質レザー素材。操作性を損なわず使用可能
カセットプレーヤー風ケース(SK-M21C)装着時にUIも自動でカセット風に切り替わる。実用と遊び心を両立した人気アイテム

特に「SK-M21C」は注目度が高く、ファッション性とオーディオ機器らしさを両立したユニークな一品

レトロ感とテクノロジーの融合を楽しみたいユーザーには刺さる要素です。

操作性とUIの快適さ

「M21」のサイズは約121×68×17mmと非常にコンパクト。

「JM21」とほぼ同等でありながら、厚みがやや増した分、手にしっかりフィットする安心感があります。

項目内容
重量約193g(適度な重みで高級感)
ディスプレイ4.7インチ(750×1334) フルラミネートパネル
OSAndroid 13(カスタムUI搭載)
物理ボタン電源 / 再生・停止 / 音量± / マルチファンクション / HOLDスイッチ 等

操作性の特徴:

  • スマホライクなUIで直感的な操作が可能
  • スムーズなタッチレスポンスと安定した動作
  • 側面ボタンの押し心地も良好で、目視なしでも快適に操作可能

ケースを装着することでUIが自動的に切り替わるギミック付きで、所有感をさらに高める演出として機能しています。


FIIO 「M21」は、ただ音が良いだけでなく、“所有する喜び”や“使う楽しさ”にまで配慮された筐体デザインを実現しています。

エントリーモデルとは思えない丁寧な仕上げと、使い勝手を犠牲にしない合理性が見事に共存している点が、ユーザーから高い評価を得ている所以でしょう。

 

FIIO 「M21」の機能性とスペックの実力

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出典:FIIO公式

FIIO 「M21」は、単なる高音質プレーヤーではなく、高度な処理能力・多彩な出力系統・据え置き利用まで視野に入れた機能性を備えています。

このセクションでは、スペック面から見た「M21」の実力を深掘りしていきます。

クアッドDAC × Snapdragon 680のパフォーマンス

「M21」の中核となるのが、4基のCS43198 DACと、Snapdragon 680(8コア)による強力な処理性能です。

主なハードウェア構成:

項目内容
DACチップCirrus Logic CS43198 × 4(フルバランス構成)
プロセッサSnapdragon 680(8コア / 6nmプロセス)
RAM4GB
ストレージ64GB(実使用可能領域 約52GB)
OSAndroid 13

クアッドDAC構成によって、ステレオ信号の各チャンネルに独立したDACを割り当てることができ、以下のような音質向上が期待できます:

  • より高いS/N比(≧126dB)
  • 音場の奥行きや分離感の向上
  • 歪み率の低減(THD+N < 0.0003%)

Snapdragon 680の処理能力により、Amazon Musicなどの重量級ストリーミングアプリでもラグなく動作

スマホのように快適な操作性を実現しています。

デスクトップモードと出力性能

「M21」の最大の特徴のひとつが、FIIO独自の「デスクトップモード」を搭載している点です。

デスクトップモードの利点:

  • 外部電源のみで駆動し、内蔵バッテリーを消耗しない(バッテリーの劣化防止)
  • 最大950mW(@32Ω)の高出力を実現(スーパーハイゲインモード)
  • 据え置きDAC・アンプ的な使い方が可能

出力スペック一覧:

出力モード出力(@32Ω)出力(@300Ω)
バランス(通常)950mW + 950mW185mW + 185mW
バランス(ハイゲイン)750mW + 750mW
シングルエンド(通常)405mW + 405mW45mW + 45mW
シングルエンド(ハイゲイン)290mW + 390mW

特筆ポイント:

  • ハイインピーダンスなヘッドホンも余裕で駆動
  • USB DACとしてPCと組み合わせた長時間使用にも耐える設計
  • 電源専用Type-C端子と分離されたI/O設計

幅広い接続性と拡張性

「M21」は、ポータブル機でありながら、据え置き用途も視野に入れた柔軟な接続設計を採用しています。

インターフェース一覧:

端子用途
3.5mmヘッドホン出力 / ラインアウト / SPDIF
4.4mmバランスヘッドホン出力 / ラインアウト
USB Type-C(USB3.0)データ通信 / USB DAC
USB Type-C(給電専用)デスクトップモード専用給電
microSDスロット最大2TB対応の外部ストレージ拡張

Bluetooth対応コーデック:

| 送信 | AAC / SBC / aptX / aptX HD / LDAC / LHDC |
| 受信 | SBC / AAC / LDAC |

その他の機能:

  • USB Audio出力対応(外部DACやアンプにデジタル出力可能)
  • SPDIF同軸出力を3.5mm端子経由で利用可能
  • ラインアウト設定やゲイン切替も自在

このように、「M21」はスマホ代替の音楽デバイスとしてだけでなく、オーディオシステムの一部としても組み込める柔軟性を持っています。


FIIO 「M21」は、エントリークラスという枠を超え、ポータブル・据え置き・拡張性の全てにおいて高次元でバランスされた製品です。

クアッドDAC×高出力、柔軟な接続性、デスクトップモード対応といった機能群は、他の同価格帯DAPと比較しても頭ひとつ抜けています。

 

FIIO 「M21」の音質レビューとリスニング体験

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出典:FIIO公式

FIIO 「M21」は、音質面においても価格帯の常識を覆す完成度を誇ります。

エントリーDAPとは思えない情報量、立体感、そして力強さがあり、イヤホン・ヘッドホンの性能をしっかりと引き出す“土台としての音”が構築されています。

低域〜高域までのチューニング傾向

「M21」のサウンドチューニングは、全体的に中域の厚みに重きを置きながらも、フラット寄りで聴き疲れしにくい構成です。

周波数帯域ごとの印象:

帯域特徴
低域深く沈むというよりは、量感と厚みのあるタイトな鳴り方。音の輪郭が明瞭で、ベースラインのグルーヴが心地よい。
中域特にボーカル帯域に存在感があり、前に出る印象。男性ボーカルの“芯”や、女性ボーカルの艶が自然に表現される。
高域明瞭だが主張しすぎず、やや丸みを帯びたナチュラルな表現。刺さりやシャリつきはほぼ感じられない。

特徴まとめ:

  • 解像度と密度感のバランスが良く、音が詰まりすぎない
  • クール系というよりは、ややウォーム寄りで聴き心地重視
  • スマホや入門DAPでありがちな“音の薄さ”とは一線を画す

音場・分離感・解像度の印象

「M21」の音場表現は、横方向だけでなく奥行き方向にも自然な広がりがあるのが特徴です。

加えて、各楽器の定位が明瞭で、音が重ならず、見通しの良いサウンドステージを提供します。

解像度・空間表現のポイント:

  • クアッドDACによるセパレーション性能の向上により、左右・上下・奥行きの定位が明確
  • 録音の細部、例えばブレス音や弦のタッチ音など、背景音までしっかり描写
  • サウンド全体に「粒立ちの良さ」と「空気感」がある

特にバランス接続(4.4mm)で聴いた場合、音のスケール感が一段階上がる印象で、楽曲のダイナミクスがより豊かに感じられます。

ジャンル別に見る適正と強み

「M21」は“オールジャンル型”のDAPですが、その中でも相性が良いジャンルや、音の特徴が活きる場面があります。

ジャンル別の適性:

ジャンル適性・理由
ポップスボーカルが前に出るため、歌モノとの相性が非常に良い。表情や感情表現が明確に伝わる。
ロック低域の押し出しと中域の厚みが、ドラムやギターに力強さを与える。ライブ感のある演奏も立体的に再現。
ジャズ / アコースティック空間表現が活きるジャンル。楽器の細やかなニュアンスや、演奏者の息遣いまで聴き取れる。
EDM / ヒップホップ低域の厚みとキレの良さでリズムをしっかり支えつつ、音の分離でごちゃつかないサウンド。
クラシック広い音場と解像度の高さがストリングスやオーケストラのスケール感をしっかり描写。ただし超高域の伸びを求めるなら上位機種向き。

FIIO 「M21」は、5万円台のDAPでありながら、10万円クラスの音に肉薄する“音質完成度”を持っています。

解像度・分離・音場すべてがハイレベルでありながら、音楽的な“聴きやすさ”もしっかり確保されており、長時間聴いても疲れにくいのも好印象です。

「音が良いDAPが欲しいが、予算は5万円前後に抑えたい」というユーザーにとって、「M21」は極めて理想的な選択肢となるでしょう。

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FIIO 「M21」を使用した私の体験談・レビュー

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FIIO 「M21」を手にしたとき、まず驚かされたのは「これが本当に5万円台?」という筐体の質感と存在感でした。

普段はDAPにそれほど投資せず、スマホ+USB DACで音楽を楽しむことが多かった私ですが、この「M21」を使ってみて「専用機の本気」を思い知らされることになりました。

実際に使ってみて感じたポイント

① 想像以上のサクサク感

Android 13搭載ということもあり、UIは非常に快適。

起動からアプリ切り替え、音楽再生まで一切のもたつきがありませんでした。

特にAmazon MusicやYouTube Musicなど、容量の大きいアプリでもスムーズに動作してくれる点は好印象です。

  • スマホと遜色のないレスポンス
  • タッチ操作の追従性も良好
  • アプリの同時起動でも安定

② 音楽が“見える”ようなリスニング体験

「M21」をバランス接続で使い始めてから、楽曲の印象が一変しました。

聴き慣れたポップスやアコースティック曲においても、これまで聞き逃していた“細部”が浮き彫りになるような感覚がありました。

  • ボーカルの息遣いやギターの弦のきしみが自然に耳に入ってくる
  • 曲の中で「静」と「動」がしっかりと描き分けられる
  • 解像度と空間表現のバランスが絶妙

とくにお気に入りのシーンは、夜の自宅で照明を落とし、4.4mmバランスでジャズや映画音楽を聴く時間。

音の空間に包まれるような没入感は、スマホやPCでは決して得られないものでした。

③ デスクトップモードのありがたみ

私自身、自宅では据え置きのDAC・アンプを使ってスピーカーを鳴らすことも多いため、「DAPが据え置きとして使えるかどうか」は大きなポイントです。

その点、「M21」のデスクトップモードは本当に便利でした。

  • USB DACとしてPCと接続しつつ、バッテリー消耗なしで使用可能
  • アクティブスピーカーに直接接続しても違和感のない音質
  • PCオーディオの中心にそのまま組み込める柔軟さ

この機能のおかげで、「M21」を持ち運び時のDAP、帰宅後は据え置きDAC兼ストリーマーとして使うという運用スタイルが自然に定着しました。

実際の使用スタイルと感じたこと

シーン使用方法実感したこと
通勤・外出有線イヤホン+ストリーミング音質と携帯性のバランスが抜群で“音楽を聴く”ことに集中できる
自宅作業中デスクトップモード+PC接続バッテリーを劣化させずに高音質再生、長時間使用も安心
リラックスタイムバランス接続+ローカル音源空間表現が秀逸で、音に浸る時間が日常のご褒美になる

「M21」は、私のように「音楽は好きだけど、ハイエンドには手が出ない」「1台で色々まかないたい」という人間にとって、“ちょうど良さ”と“圧倒的満足感”を両立してくれる存在でした。

日常的に音楽を楽しむすべての人にとって、価格以上の価値を感じられるDAPだと思います。

 

FIIO 「M21」に関するQ&A

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FIIO 「M21」に関して、よく聞かれそうな質問とその回答をまとめました。

「M21」は初心者でも使いこなせますか?

はい。「M21」はAndroid 13をベースにした親しみやすいインターフェースを採用しており、スマートフォンと同じような操作感で使えます。ストリーミングアプリのインストールや基本的な再生操作も直感的で、初めてのDAPにも適しています。

「JM21」と比べて、「M21」を選ぶメリットは何ですか?

主な違いは以下の通りです:

  • クアッドDAC構成による高音質
  • デスクトップモード搭載(長時間運用や据え置き用途に便利)
  • 本体素材やUIの高級感
  • 出力のパワーが段違い(最大950mW)

「より高音質で、据え置き用途も視野に入れたい」方には「M21」が圧倒的におすすめです。

「M21」はどんなイヤホン・ヘッドホンと相性が良いですか?

バランス出力(4.4mm)と高出力仕様により、中〜高インピーダンスのヘッドホンやバランス接続対応イヤホンとの相性が特に良好です。音場の広さや分離の良さが際立つため、リスニング用途が幅広い機種でその性能を実感できます。

デスクトップモードとは何ですか?どう使うのですか?

デスクトップモードとは、外部電源のみで動作させるモードのことです。「M21」のバッテリーを使わず、給電専用のType-C端子から電力供給することで、バッテリーの劣化を防ぎながら高出力で長時間利用が可能になります。

使用方法:

  1. 本体側面のスイッチを「Desktop」に切り替え
  2. 給電専用Type-Cポートに電源アダプターを接続
  3. USB DACモードやラインアウトとして使用可能

USB DACとしてPCと接続するにはどうすればいいですか?

本体のUSB Type-C(データ用)ポートをPCと接続し、M21をUSB DACモードに設定するだけでOKです。デバイスとして認識されれば、PCからの音声出力をM21経由で再生可能になります。

通勤などの携帯用としても適していますか?

はい。重量は約193gと適度に軽く、ポケットにも収まるコンパクトサイズなので、携帯性と性能の両立ができています。また、バッテリーも最大15時間持続するため、1日外出しても安心です。

「M21」と上位機(M23など)との違いは?

「M23」はさらなる高出力と物理的なボリュームノブ、内部構造の強化などが加わっています。ただし価格は10万円超で、音質や使い勝手に対して価格以上の価値を得られるという点では、M21は非常にコスパが高いです。普段使いには「M21」で十分と感じるユーザーも多いでしょう。

スピーカーとも接続できますか?

はい。ラインアウトやUSB DAC経由でアクティブスピーカーや外部アンプと接続できます。スピーカー再生でも、低域の迫力とボーカルの定位がしっかり感じられるため、小型のオーディオセットの中心機材としても十分活用可能です。

「M21」を買う上で注意点はありますか?

以下の点を確認しておくと安心です:

  • Google Playは非搭載のため、ストリーミングアプリは手動インストールが必要
  • バランス接続を活かすには4.4mm対応イヤホン・ヘッドホンが必要
  • ケースやアクセサリー類は別売り(特にカセット風ケースは人気)

「M21」でハイレゾ音源は再生できますか?

はい、「M21」はDSDや24bit/192kHz以上のハイレゾ音源に対応しています。内蔵プレーヤーでも再生可能ですし、対応アプリを使えばストリーミングでのハイレゾ再生も楽しめます。

内蔵ストレージ64GBで足りますか?拡張はできますか?

内蔵64GBのうち、約52GBが実際に使用可能ですが、microSDスロットがあり、最大2TBまでのカードに対応しています。ハイレゾ音源を多く保存する場合でも、拡張性が高く安心です。

「M21」にWi-FiやBluetooth機能はありますか?

はい、Wi-FiとBluetooth 5.0の両方を搭載しています。BluetoothはLDACやaptX HDなどの高音質コーデックに対応しており、無線でも高音質リスニングが可能です。

バッテリー寿命や発熱は気になりますか?

連続再生時間は最大15時間(シングルエンド時)と長めですが、高出力モードやバランス接続では多少発熱することがあります。ただし本体が金属筐体なので放熱性は高く、極端な熱は感じません。デスクトップモードを使えばバッテリーを劣化させずに運用できます。

音量調整は細かくできますか?

はい。音量は100段階以上の細かな調整が可能です。また、ゲイン設定(Low / High / Super High)も選べるため、イヤホンからヘッドホンまで幅広い出力環境に最適化できます。

「M21」は長期的に使えますか?

はい。高品質な素材と最新チップ構成、そしてファームウェアの継続アップデートがあるため、数年以上にわたって満足できるDAPとして活躍できます。ポータブルと据え置き両対応なので、用途が変わっても無駄になりにくい点も魅力です。

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FIIO 「M21」レビューのまとめ

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FIIO 「M21」は、「エントリークラス」という言葉に甘えることなく、むしろその枠組みを大きく超える完成度を持ったデジタルオーディオプレーヤーです。

外観、操作性、音質、拡張性……あらゆる角度から見ても、価格に対する“満足感”が極めて高く、競合製品の中でも群を抜く存在感を放っています。

高級DAPに迫る「中身」の詰まった構成

ハードウェア構成は、すでに紹介してきた通り贅沢そのものです。

Cirrus Logic製CS43198 DACを4基搭載したフルバランスアーキテクチャは、情報量・解像度・空間表現のすべてにおいて、これまでの「5万円台DAPでは難しい」とされてきた領域に食い込んでいます。

Snapdragon 680とAndroid 13の組み合わせは、単に動作がスムーズというだけでなく、スマホのようなアプリ運用を可能にし、ストリーミング再生やYouTube視聴など、現代の音楽リスニングスタイルにぴったりフィットします。

持ち運べる「据え置き機」としてのポテンシャル

また、「M21」が特に秀逸なのは、ポータブルDAPでありながら、据え置きオーディオ機器としての役割も果たせる点です。

専用の電源ポートとデスクトップモードによって、バッテリーを消耗させず、USB DACやライン出力として長時間の使用が可能です。

自宅に戻っても、オーディオセットの中心として活躍できる柔軟性は、これまでのDAPには見られなかった設計思想といえるでしょう。

“聴くこと”に集中できる設計

音質面では、中域に厚みを持たせた温かみのあるサウンド傾向と、必要十分な低域の押し出し、そして刺さりのない柔らかな高域が印象的です。

個性はしっかり持ちつつも、ジャンルを問わず心地よく鳴らしてくれるため、ユーザーの音楽嗜好に左右されにくく、“常用機”としての信頼性が非常に高いです。

ボーカルやアコースティック楽器、あるいはエレクトロやロックなど、それぞれの楽曲が持つ空気感やグルーヴ感を損なうことなく再現してくれるため、「音楽をじっくり楽しみたい」という人にとって最適なパートナーとなるはずです。

ユーザーの生活に寄り添うDAP

さらに、デザイン面では所有感をくすぐるメタル×ガラス素材、そしてカセットプレーヤー風ケースなど、FIIOらしい“遊び心”も随所に見られます。

これは単に機能を追い求めた製品ではなく、「長く使って愛着が湧く道具」としての魅力も持ち合わせていることを意味します。

出先でも、帰宅後でも、イヤホンでもスピーカーでも、自分らしいスタイルで音楽を楽しめる──そんな柔軟性と深みをFIIO 「M21」は備えており、それこそがこのモデルが“新しいエントリーの基準”と呼ばれる所以です。

FIIO 「M21」レビューの総括

FIIO 「M21」は、単なる「価格が手頃なDAP」という枠に収まらない、真にバランスの取れた製品です。

洗練された筐体デザイン、スマートな操作性、そして音楽の細部まで描き出す豊かな音質が一体となり、5万円台とは思えない完成度を実現しています。

クアッドDACによる高解像度なサウンド、デスクトップモードをはじめとする多彩な機能、据え置きとポータブルを両立させた汎用性など、その魅力は単なるスペック表では語り尽くせません。

音楽をもっと楽しみたい人、DAPを初めて導入する人、あるいは長く使える1台を求める人すべてにとって、FIIO 「M21」は「選んで間違いのない名機」と言えるでしょう。

音楽を日常に、そして感動をもっと近くに──FIIO 「M21」は、その願いを形にした一台です。

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